以下、複数の実施形態による洗濯乾燥機を、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
図1に示すように、洗濯乾燥機10は、外箱11、水槽12、回転槽13、モータ14、及び扉15を備えている。なお、本実施形態において、外箱11に対して扉15側を洗濯乾燥機10の前側とする。洗濯乾燥機10は、ヒートポンプ方式の乾燥機能を有し、回転槽13の回転軸が地面に対して傾斜したいわゆるドラム式洗濯乾燥機である。外箱11は、鋼板などによってほぼ矩形の箱状に形成されている。水槽12は、外箱11の内部に収容されている。水槽12は、ダンパ等の防振装置101によって弾性的に支持されている。防振装置101は、水槽12に生じる振動を吸収し、その振動が外箱11に伝達されることを抑制している。回転槽13は、水槽12の内部に収容されている。水槽12及び回転槽13は、いずれも円筒状に形成されている。
水槽12は、円筒状の一方の端部に開口部121が形成され、他方の端部に水槽端板122が設けられている。開口部121は、傾斜した水槽12において水槽端板122よりも上側に位置している。同様に、回転槽13は、円筒状の一方の端部に開口部131が形成され、他方の端部に回転槽端板132が設けられている。開口部131は、傾斜した回転槽13において回転槽端板132よりも上側に位置している。回転槽13の開口部131は、水槽12の開口部121に周囲を覆われている。
水槽12は、排気口16及び給気口17を有している。排気口16は、水槽12の筒状部分を構成する周壁の上部前寄り部分にあって、水槽12の左右方向の中心つまり水槽12の筒状の外周面の最頂部から左右方向へ離れた位置に設けられている。給気口17は、水槽端板122にあって、該水槽端板122の中心よりやや上寄り部分に設けられている。排気口16及び給気口17は、水槽12の内部と外部とを連通している。
洗濯乾燥機10は、排水用電磁弁18、循環ポンプ19、及び循環ノズル20を備えている。排水用電磁弁18及び循環ポンプ19は、水槽12の底部の後端側に設けられた排水口123に接続されている。排水用電磁弁18は、排水ホース21を介して洗濯乾燥機10の外部に接続されている。循環ポンプ19の入口側は、排水口123と排水用電磁弁18との間を繋ぐ水路から分岐して排水口123に接続されている。循環ポンプ19の出口側は、循環ホース22を介して循環ノズル20に接続されている。循環ノズル20は、水槽12の前側上部において、回転槽13内へ向かって設けられている。排水用電磁弁18が開放されると、水槽12内の水は、排水口123から排水用電磁弁18を通って洗濯乾燥機10の外部へ排出される。また、排水用電磁弁18が閉じた状態で循環ポンプ19が動作されると、水槽12内の水は、循環ノズル20から水槽12及び回転槽13内へ供給されて、これにより水槽12及び回転槽13内を循環する。循環ポンプ19は、水の吐出量を調整可能に構成されている。
回転槽13は、複数の孔23及び複数の連通口24を有している。孔23及び連通口24は、回転槽13の内部と外部とを連通している。孔23は、回転槽13の円筒状の筒状部分を構成する周壁の全域に形成されている。連通口24は、回転槽端板132の全域に形成されている。孔23及び連通口24は、洗濯運転時及び脱水運転時には、主に水が出入りする通水孔として機能し、乾燥運転時には空気が出入りする通風孔として機能する。なお、図1では、簡単のため複数の孔23及び連通口24のうち一部のみを示している。また、詳細は図示しないが、回転槽13には、筒状部分の内側に複数のバッフルが設けられている。バッフルは、回転槽13の内側に収容された洗濯物を撹拌する。
モータ14は、水槽12の外側にあって水槽端板122に設けられている。モータ14は、例えばアウタロータ型のダイレクトドライブモータである。モータ14の軸部141は、水槽端板122を貫いて水槽12の内側へ突出し、回転槽端板132の中心部に固定されている。これにより、モータ14は、水槽12に対して回転槽13を相対的に回転させる。この場合、軸部141、回転槽13の回転軸、及び水槽12の中心軸は、それぞれ一致している。
扉15は、図示しないヒンジを介して外箱11の外面側に設けられている。扉15は、ヒンジを支点に回動し、外箱11の前面に形成された図示しない開口部を開閉する。この外箱11に形成された開口部は、ベローズ112によって、水槽12の開口部121に接続されている。衣類などの洗濯物は、扉15を開放した状態で、開口部121、131を通して回転槽13内に出し入れされる。
洗濯乾燥機10は、図1及び図2に示すように、循環風路30を備えている。循環風路30は、水槽12の外側において、排気口16と給気口17とを繋いでいる。循環風路30は、水槽12内の空気を排気口16から排気し、給気口17から水槽12内へ温風を供給する。具体的には、循環風路30は、熱交換部40、フィルタ装置50、及びこれらを繋ぐ給気ダクト31と接続ダクト32と排気ダクト33とによって構成されている。この場合、給気ダクト31、接続ダクト32、排気ダクト33は、それぞれ循環風路30の一部を構成している。
熱交換部40は、外箱11の内側下部にあって、水槽12及び回転槽13の下方に設けられている。熱交換部40は、内部を通過する空気を除湿及び加熱することで乾燥した温風を生成する。熱交換部40は、図3に示すように、内部に蒸発器41及び凝縮器42を有している。蒸発器41は、乾燥運転時における熱交換部40内の空気の流れに対して、凝縮器42よりも上流側に設けられている。蒸発器41及び凝縮器42は、熱交換部40の外側に設けられた圧縮機44とともに、ヒートポンプ機構すなわち冷凍サイクルを構成する。熱交換部40内を通る空気は、蒸発器41によって冷却され、これにより除湿される。蒸発器41によって除湿された空気は、その後、凝縮器42によって加熱されて温風になる。
熱交換部40の下流側は、給気ダクト31によって水槽12の給気口17に接続されている。熱交換部40と給気ダクト31との接続部分には、循環ファン43が設けられている。循環ファン43は、例えばシロッコファンなどで構成されている。循環ファン43は、熱交換部40内の空気を吸い込み、給気ダクト31側へ吐出する。これにより、熱交換部40で除湿及び加熱された温風は、循環ファン43の送風作用によって、給気口17から水槽12、さらには回転槽13内へ供給される。この場合、熱交換部40及び循環ファン43は、回転槽13内の衣類の乾燥用の温風を生成しその温風を給気口17から水槽12内へ供給する温風供給装置として機能する。
図1に示すように、熱交換部40の上流側は、接続ダクト32を介してフィルタ装置50に接続されている。この場合、フィルタ装置50は、外箱11に固定されている。フィルタ装置50は、図1、図2、及び図3に示すように、外箱11の内側上部にあって、水槽12及び回転槽13の上方、この場合、排気口16の上方やや右後ろ寄りに設けられている。フィルタ装置50の上流側は、排気ダクト33を介して、水槽12の排気口16に接続されている。この場合、循環風路30内の空気の流れについて見ると、排気口16が最上流側となり、給気口17が最下流側となる。
排気ダクト33は、フィルタ装置50の下方に設けられている。排気ダクト33は、図1に示すように、排気口16から上方後側へ向かって直線状に斜めに延びている。この場合、排気ダクト33は、図4に示すように、垂直方向に対して所定角度α°傾斜している。所定角度α°は、例えば5°〜10°程度の範囲で、本実施形態では、α=7°に設定されている。排気ダクト33は、例えばゴム製であって、図1及び図3に示すように、蛇腹状に形成されて可撓性を有している。このため、排気ダクト33は、水槽12に生じる振動を吸収し、フィルタ装置50に対する振動の伝達を抑制する。
フィルタ装置50は、フィルタケース51、開閉蓋52、フィルタダクト53、及びフィルタ54を有している。フィルタケース51は、合成樹脂などによって、上側が開口した容器状に形成されている。フィルタケース51の上側の開口は、開閉蓋52によって開閉される。フィルタ54は、フィルタケース51内に着脱可能に収納されている。フィルタダクト53は、合成樹脂などによって構成されており、フィルタケース51の前端部から水平方向の前方へ突出して設けられている。フィルタダクト53の内部とフィルタケース51の内部とは連通している。なお、フィルタケース51とフィルタダクト53とは、一体であってもよいし、別体であってもよい。
フィルタ装置50は、図1に示す出口部501と、図4に示す入口部502と、を有している。出口部501は、図1に示すように、フィルタケース51の後下部に設けられており、排気ダクト33に接続されている。入口部502は、図4に示すように、フィルタダクト53の下部に設けられており、排気ダクト33に接続されている。出口部501は、フィルタダクト53の下面部から下方へ円筒形状に突出した円筒部531の内側に形成されている。そして、排気ダクト33の内側に円筒部531が挿入されることにより、排気ダクト33とフィルタダクト53とが接続されている。
洗濯乾燥機10は、図2及び図5に示すように、電磁弁ユニット25と、注水ケース26と、放水装置60と、を備えている。電磁弁ユニット25は、図5に示すように、3つの電磁弁251、252、253が並列に接続されたものであり、1つの入力部254と、3つの出力部255〜257と、を有している。電磁弁ユニット25は、例えば外箱11内の後部にあって、外箱11に固定されている。電磁弁251、252、253は、図示しない制御装置の制御に基づいて開閉駆動される。なお、以下の説明では、3つの電磁弁251、252、253のうち、電磁弁251を第1電磁弁251と称し、電磁弁252を第2電磁弁252と称し、電磁弁253を第3電磁弁253と称する。
入力部254は、図2に示す給水ホース27を介して水道の蛇口など外部の水源に接続される。注水ケース26は、容器状に形成されており、図5に示すように、内部に洗剤投入部261と仕上げ剤投入部262とを有している。第1電磁弁251の出力部255は、洗剤投入部261に接続されている。第2電磁弁252の出力部256は、仕上げ剤投入部262に接続されている。また、洗剤投入部261及び仕上げ剤投入部262は、共通の出口263に接続されている。
洗剤投入部261内には、洗剤が投入される。第1電磁弁251が開放されると、外部の水源から第1電磁弁251を通って洗剤投入部261内に給水される、そして、洗剤投入部261内に給水された水は、洗剤投入部261内の洗剤を溶解して水槽12内へ注水される。また、仕上げ剤投入部262内には、柔軟仕上げ剤が投入される。第2電磁弁252が開放されると、外部の水源から第2電磁弁252を通って仕上げ剤投入部262内に給水される。そして、仕上げ剤投入部262内に給水された水は、仕上げ剤投入部262内の柔軟仕上げ剤を溶解して水槽12内へ注水される。第3電磁弁253の出力部257は、導水ホース28を介して放水装置60に接続されている。第3電磁弁253が開放されると、外部の水源から第3電磁弁253を通って放水装置60へ給水される。
放水装置60は、排気ダクト33へ向けて放水するものであり、図1、図3、及び図4に示すように、フィルタ装置50のフィルタダクト53の上面部に設けられている。すなわち、放水装置60は、排気ダクト33の上部において排気ダクト33を臨む位置に設けられている。放水装置60は、図4に示すように、例えば合成樹脂製の蓋部材61と放水ノズル62とキャップ63とを有している。蓋部材61は、図6に示すように、例えば左右方向に長い矩形状に形成されている。蓋部材61は、図4に示すように、蓋部材61の上面からやや斜め上方へ突出した取付部631を有している。取付部631の内側は、いわゆる段付き穴形状に形成されて蓋部材61を貫通している。
放水ノズル62は、図4に示すように、蓋部材61の取付部631の内側に嵌め込まれて取り付けられている。放水ノズル62は、放水ノズル62の内側に導入部621及びテーパ部622を有している。導入部621及びテーパ部622は、放水ノズル62の内側を貫通して形成されている。導入部621は、円筒形状に形成されている。キャップ63は、導入部621の上側に嵌め込まれており、これにより、導入部621の上側が閉塞されている。
テーパ部622は、導入部621の下部に連通しており、下方へ向かって広がる円錐形状に形成されている。テーパ部622の下部は、下方へ向かって開放されている。この場合、導入部621及びテーパ部622の軸方向と排気ダクト33の軸方向とは略一致している。すなわち、導入部621及びテーパ部622の軸方向は、垂直方向に対して所定角度α°傾斜している。所定角度α°は、例えば5°〜10°程度の範囲で、本実施形態では、α=7°に設定されている。
また、放水装置60は、排気ダクト33とフィルタダクト53との境界部55又は境界部55よりも上側を目掛けて放水するように設定されている。すなわち、テーパ部622の軸方向に対するテーパ部622の角度βは、図4の破線Bで示すように、テーパ部622から放水された水が、フィルタダクト53と排気ダクト33との境界部55又は境界部55よりも上側を目掛けて放射状に拡散されるように設定されている。なお、図4の破線Bは、放水ノズル62から放水された水の拡散状態を示すものである。この場合、テーパ部622の角度βは、テーパ部622から放水された水が、更に、少なくともフィルタダクト53と排気ダクト33との境界部55の上下30mmの範囲内に放水されるように設定されている。このテーパ部622の角度βは、排気ダクト33と放水ノズル62との高さ方向の位置関係によって、適宜変更される。
放水ノズル62は、図4に示す導水口623と、図6に示す接続部624と、を有している。導水口623は、図4に示すように、導入部621の側面部に設けられており、導入部621の側面部を水平方向の外側へ向かって貫通している。接続部624は、導水口623の外側を構成するものであり、図6に示すように、導入部621の外側部分から水平方向の外側へ向かって円筒形状に突出している。導水ホース28は、接続部624に接続される。これにより、導水口623は、導水ホース28及び第3電磁弁253を介して、外部の水源に接続される。導入部621は、導入部621の軸に対して偏心している。接続部624の円筒形状の軸方向は、導入部621の軸方向に対して直角方向であるが、接続部624の円筒形状の軸方向と導入部621の軸方向とは交差していない。
図4及び図7に示すように、フィルタダクト53は、フィルタダクト53の上面部に設けられた矩形の開口部532を有している。図7に示すように、開口部532を上方から見た場合、開口部532は、排気ダクト33の内側を臨んでいる。そして、放水ノズル62とキャップ63とが取り付けられた蓋部材61が、開口部532の内側に嵌め込まれる。これにより、放水装置60が、フィルタ装置50のフィルタダクト53に取り付けられる。
この場合、放水ノズル62にキャップ63を嵌め込んだ状態で、ねじ等の締結部材64によって放水ノズル62とキャップ63とが共締めされる。これにより、放水ノズル62とキャップ63とが蓋部材61の取付部631に固定されて、放水装置60が構成される。そして、蓋部材61の両端部分に締結部材65が通されて、その締結部材65が排気ダクト33にねじ込まれることで、放水装置60が排気ダクト33に固定される。また、放水ノズル62におけるテーパ部622の外側にあって、放水ノズル62と取付部631の内側底部との間には、ゴム製のシール部材66が設けられている。これにより、放水ノズル62から放水される水が、取付部631から蓋部材61の上面部に漏れ出ることを防いでいる。
この構成において、乾燥運転の前又は後に第3電磁弁253を開放すると、外部の水源の水は、第3電磁弁253及び導水ホース28を通って放水装置60に供給される。そして、その水は、導水口623から導入部621内に流入する。その際、導水口623は、導入部621の軸方向に対して偏心している。そのため、導水口623から導入部621内に入った水は、図6の矢印Aに示すように、導入部621の円筒状の側面を伝って螺旋状に渦巻きながらテーパ部622に入る。そして、テーパ部622に入った水は、テーパ部622によって拡散されて、放射状になって排気ダクト33に向かって放水される。そして、その放水によって、排気ダクト33の蛇腹状に内側に堆積するリント等の異物が洗い流される。そして、その放水によって洗い流されたリント等の異物は、水とともに排水口123から機外へ排出される。
ここで、排気ダクト33内には、フィルタ装置50によってリントが捕集される前のリントを多く含んだ空気が通る。この場合、排気ダクト33が屈曲していると、その屈曲した部分に内側にリント等の異物が堆積し易い。そこで、本実施形態の洗濯乾燥機10において、排気ダクト33は、直線状に構成されている。これによれば、排気ダクト33を屈曲した部分を無くして直線状にすることで、屈曲した部分にリント等の異物が堆積することを低減することが出来る。
また、排気ダクト33は、可撓性を付与するために蛇腹状に形成されている。そのため、排気ダクト33の蛇腹状の内側部分にも、リント等の異物が堆積し易い。そこで、洗濯乾燥機10は、排気ダクト33内へ放水する放水装置60を備えている。これにより、仮に排気ダクト33の内側にリント等が堆積したとしても、放水装置60からの放水により排気ダクト33内に付着したリントなどの異物を容易に清掃することが出来る。その結果、乾燥効率及び衛生面の向上を図ることが出来る。
この場合、例えばフィルタダクト53を排気ダクト33の一部に組み込んで、フィルタダクト53と排気ダクト33とを一体に構成し、その排気ダクト33に放水装置60を設けた場合、次のような問題が考えられる。すなわち、排気ダクト33は、その可撓性によって弾性変形することで、水槽12及び回転槽13に生じる振動を吸収し、フィルタ装置50に対する振動の伝達を抑制する。そのため、放水装置60が排気ダクト33に設けられていると、排気ダクト33と共に放水装置60も振動し、放水装置60の耐久性が低下し易くなり、ひいては水漏れ等が発生し易くなる。また、放水装置60が振動することで、放水装置60からの放水も振動して狙った場所に水が届き難くなるため、放水装置60による洗浄性能の低下も考えられる。
これに対し、本実施形態の放水装置60は、フィルタダクト53に設けられている。すなわち、放水装置60は、排気ダクト33とは別体に構成されたフィルタ装置50に設けられている。換言すれば、放水装置60は、洗浄の主な対象であるが振動の影響を受け易い排気ダクト33には設けられていない。この場合、水槽12に生じる振動は、排気ダクト33によって吸収されるため、フィルタ装置50に設けられた放水装置60にも伝達し難い。したがって、水槽12の振動が放水装置60に伝達されることを抑制することで、放水装置60の耐久性の向上が図られ、ひいては水漏れ等の発生も抑制することができる。更に、水槽12の振動が放水装置60に伝達されることを抑制することで、放水装置60からの放水を狙った場所に届き易くすることができ、その結果、放水装置60による洗浄性能の向上を図ることができる。
また、フィルタ装置50は、フィルタケース51と、フィルタケース51の前端部から水平方向の前方へ突出してしたフィルタダクト53と、を有している。排気ダクト33は、フィルタダクト53の下部に接続されている。そして、放水装置60は、フィルタダクト53の上部においてフィルタダクト53を臨む位置に設けられている。これによれば、放水装置60の下方には、洗浄対象となる排気ダクト33が臨んでいる。すなわち、放水装置60の放水ノズル62と排気ダクト33との間には、放水装置60の放水ノズル62から放出された水が排気ダクト33に到達することを阻害するような何らかの部材は設けられていない。したがって、放水装置60からの放水を、排気ダクト33により届き易くすることができ、その結果、放水装置60による洗浄性能を更に向上させることができる。
また、例えば脱水運転等によって水槽12が振動すると、その振動によって水槽12と外箱11とが相対的に移動する。この場合、例えば電磁弁ユニット25が外箱11側に固定され、放水装置60が水槽12側に固定されているとすると、水槽12の振動つまり外箱11と水槽12との相対的な移動に伴って、電磁弁ユニット25と放水装置60とも相対的に移動する。すると、電磁弁ユニット25と放水装置60との間を接続する導水ホース28が引っ張られ、これにより、導水ホース28と電磁弁ユニット25との接続部分、及び導水ホース28と放水装置60との接続部分に大きな負荷がかかる。その結果、導水ホース28が、電磁弁ユニット25及び放水装置60から外れ易くなり、また、外れた場合には水漏れが生じることとなる。
これに対し、本実施形態において、電磁弁ユニット25は、外箱11に固定されている。また、放水装置60も、フィルタ装置50を介して外箱11に固定されている。すなわち、電磁弁ユニット25及び放水装置60は、直接的又は間接的に、同一の部材つまり外箱11に固定されている。これによれば、電磁弁ユニット25及び放水装置60は、外箱11に固定されており、その外箱11は、防振装置101によって水槽12の振動が伝達され難くなっている。そのため、水槽12に振動が生じた場合であっても、その振動が電磁弁ユニット25及び放水装置60に伝わり難い。更に、仮に水槽12に大きな振動が発生し、その振動が外箱11に伝達されたとしても、電磁弁ユニット25及び放水装置60は、外箱11に連動して振動する。したがって、電磁弁ユニット25と放水装置60とが相対的に移動することが防がれる。これにより、導水ホース28の接続部分に大きな負荷がかかることを抑制でき、その結果、導水ホース28が電磁弁ユニット25及び放水装置60から外れて水漏れが生じることを抑制することができる。
また、放水装置60は、排気ダクト33の内側に対して放射状に放水する。これによれば、排気ダクト33の内側に対して広い範囲でまんべんなく放水することができる。したがって、排気ダクト33の内側を広い範囲で洗浄することができるため、洗浄性能の向上が図られ、ひいては乾燥運転時の乾燥効率及び衛生面の更なる向上を図ることが出来る。
排気ダクト33と、排気ダクト33が接続されるフィルタ装置50のフィルタダクト53とは、別部材で構成されている。そのため、排気ダクト33とフィルタダクト53との接続部分つまり境界部55には、隙間が生じる。そして、この隙間には、リントが堆積し易い。また、排気ダクト33は、例えばゴム製であるため内側面の摩擦係数が比較的大きく更に蛇腹形状に形成されていることから、リントが堆積し易い。
そこで、本実施形態の放水装置60は、排気ダクト33とフィルタ装置50との境界部55又は境界部55よりも上側に目掛けて放水する。これによれば、リントが堆積し易い排気ダクト33とフィルタダクト53との接続部分つまり境界部55に確実に水を当てることができ、その結果、境界部55を、より効果的に洗浄することができる。更に、放水装置60は、境界部55又は境界部55よりも上側につまり境界部55以上に水を当てることで、排気ダクト33の内側面を伝って下方へ流れる水によって、境界部55よりも下側に位置する排気ダクト33全体の汚れを効果的に洗い流すことができる。
また、フィルタ装置50は、放水装置60を取り外し可能に取り付ける開口部532を有している。開口部532は、フィルタダクト53に設けられており、排気ダクト33を上方から臨む位置に形成されている。そのため、仮に排気ダクト33の内側にリント等が堆積してしまった場合に、ユーザ又はメンテナンスを行う者は、放水装置60をフィルタダクト53から取り外すことで、開口部532を通して排気ダクト33の内側を容易に直接清掃することができる。また、放水装置60をフィルタダクト53から取り外すことで、放水装置60自体を清掃等することができる。これらにより、メンテナンス性の向上が図られる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図8を参照して説明する。第2実施形態は、放水装置60に対する水の供給源が、上記第1実施形態と異なる。すなわち、第2実施形態において、放水装置60は、導水ホース28を介して循環ポンプ19に接続されている。すなわち、循環ポンプ19から吐出された水は、途中で2方に分岐し、一方は電磁弁253及び導水ホース28を介して放水装置60に供給され、他方は循環ホース22を介して循環ノズル20に供給される。この場合、図示しない制御装置は、例えば循環ポンプ19を断続的にオン、オフすることで、つまりオン、オフを短時間の間に繰り返すことで、循環ポンプ19から吐出される水の量を調整することができる。したがって、本実施形態の放水装置60は、放水量を可変可能に構成されている。
これによれば、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。更に、放水装置60は、放水量を可変可能に構成されている。換言すれば、本実施形態において、循環ポンプ19は、放水装置60の放水ノズル62に印加する水圧を可変することができる。これにより、放水ノズル62からの放水量つまり流速が変更され、ひいては放水ノズル62からの放水の拡散角度が変更される。これにより、放水が直接当たる位置つまり比較的強い水圧が当たる位置が変化するため、排気ダクト33の内側面に強固に付着したリントをも効果的に除去することができる。また、これによれば、放水ノズル62からの放水をより広く拡散させることができ、その結果、より広い範囲を洗浄することができる。なお、循環ポンプ19は、例えばポンプモータの回転速度を変更することで水の吐出量を可変させる構成でもよい。
以上実施形態による洗濯乾燥機は、フィルタ装置と、排気ダクトと、放水装置と、を備える。フィルタ装置は、水槽の外方に設けられ排気口から水槽外へ排出された空気に含まれる異物を捕集する。排気ダクトは、直線状に形成され可撓性を有しフィルタ装置の下方に設けられて排気口とフィルタ装置とを繋ぐ。放水装置は、フィルタ装置に設けられて排気ダクトへ向けて放水する放水装置。これによれば、排気ダクトは、屈曲した部分を有さずに直線状に構成されているため、排気ダクトの内側にリント等の異物が堆積することを抑制することができる。更に、仮に排気ダクトの内側にリント等が堆積したとしても、放水装置からの放水により排気ダクトの内側に付着したリントなどの異物を容易に清掃することが出来る。その結果、乾燥効率及び衛生面の向上を図ることが出来る。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図9から図16を参照して説明する。なお、本実施形態における洗濯乾燥機10の機械的構成は、第1実施形態のものを前提としている。
本実施形態において、図5に示された、電磁弁ユニット25の入力部254から洗剤投入部261を経由して注水ケース26の出口263に至る経路は、放水装置60を経由せずに水槽12内に給水するための経路である。この場合、第1電磁弁251は、放水装置60を経由せずに水槽12内に給水するための経路を開閉する主給水用電磁弁251と称する。
また、電磁弁ユニット25の入力部254から仕上げ剤投入部262を経由して注水ケース26の出口263に至る経路も、放水装置60を経由せずに水槽12内に給水するための経路である。この場合、第2電磁弁252は、放水装置60を経由せずに水槽12内に給水するための経路を開閉する補助給水用電磁弁252と称する。そして、電磁弁ユニット25の入力部254と放水装置60との間を繋ぐ経路は、放水装置60に給水するための経路である。この場合、第3電磁弁253は、放水装置60に給水するための経路を開閉するための洗浄用電磁弁253と称する。
洗濯乾燥機10は、図9に示す制御装置70、記憶部71、及び操作パネル72を備えている。制御装置70は、マイクロコンピュータなどから構成されており、洗濯乾燥機10の作動全般を制御する。主給水用電磁弁251、補助給水用電磁弁252、洗浄用電磁弁253、排水用電磁弁18、モータ14、循環ファン43、及び圧縮機44は、制御装置70に接続されている。各電磁弁251、252、253、18は、それぞれ制御装置70によって開閉制御される。モータ14、循環ファン43、及び圧縮機44は、それぞれ制御装置70によって駆動制御される。記憶部71は、例えば制御装置70によって読み書き可能な不揮発性記憶メモリ等であり、制御装置70による処理結果等の各種データを記憶することができる。
操作パネル72は、図9に示すように、制御装置70に接続されており、例えば複数の操作部721と、報知部722と、を有している。操作パネル72は、図1に示すように、外箱11の前面にあって扉15の上側に設けられている。ユーザは、操作パネル72の操作部721等を操作することによって運転コースの選択など各種設定を行う。報知部722は、洗濯乾燥機10に異常が生じた場合等、ユーザに対して何らかの情報を報知する必要が生じた場合に、例えば画像や音等によってその情報をユーザに報知するためのものである。報知部722は、例えば液晶パネルやスピーカ等である。
洗濯乾燥機10は、速度センサ73、扉開閉センサ74、重量センサ75、水位センサ76、及び布質センサ77を備えている。速度センサ73は、例えばモータ14に接続されたエンコーダであり、モータ14の回転速度つまり回転槽13の回転速度を検出することができる。扉開閉センサ74は、例えば近接センサやリミットスイッチ等であり、扉15の開閉状態を検出することができる。
重量センサ75は、回転槽13内に収容された洗濯物の重量を計測するためのものである。本実施形態の場合、重量センサ75は、モータ14に流れる電流を計測する図示しない電流計によって実現される。制御装置70は、回転槽13を回転させた際にモータ14に流れる電流を計測することで、回転槽13内に収容されている洗濯物の重量を計測する。本実施形態では、上述した重量センサ75によって回転槽13内に収容されている洗濯物の重量を計測する処理を、重量計測処理と称する。
水位センサ76は、水槽12内に貯留される水の水位を計測するものである。水位センサ76は、例えば水槽12内の水圧を計測可能な圧力計である。制御装置70は、水位センサ76によって計測された水槽12内の水圧に基づいて、水槽12内の水位を計測する。布質センサ77は、回転槽13内に収容された洗濯物の布質を判断するものである。例えば布質センサ77は、回転槽13内に収容された洗濯物に対して、綿系の洗濯物と化繊系の洗濯物との比率を計測することができる。
布質センサ77は、例えば重量センサ75や水位センサ76との協働によって構成することができる。この場合、布質センサ77は、綿系の洗濯物と化繊系の洗濯物とで吸水量が異なる点に着目したものであり、回転槽13内の洗濯物の吸水量を計測することで、洗濯物全体に占める綿系の洗濯物と化繊系の洗濯物との比率を計測することができる。
例えば、制御装置70は、給水前の回転槽13内の洗濯物の重量と、所定量の給水を行った後における回転槽13内の洗濯物の重量とを、それぞれ重量センサ75によって計測し、これら給水前後の洗濯物の重量の差すなわち吸水量を計測する。そして、給水の前後における洗濯物の給水量が大きくなるほど、洗濯物全体に対して、化繊系の洗濯物よりも綿系の洗濯物の割合が多いと判断する。本実施形態では、上述した処理、すなわち、回転槽13内の洗濯物について綿系の洗濯物と化繊系の洗濯物との割合を判定する処理を、布質判定処理を称する。
次に、本実施形態の洗濯乾燥機10が実行することができる具体的な処理内容について説明する。なお、本実施形態において、「コース」は、1以上の運転を含む概念である。また、「運転」は、1以上の工程を含む概念である。
すなわち、洗濯乾燥機10は、図10に示す「洗濯コース」と、図11に示す「乾燥コース」と、図12に示す「洗乾コース」と、備えている。洗濯コースは、洗濯運転を行うことを目的としたコースである。乾燥コースは、乾燥運転を行うことを目的としたコースである。洗乾コースは、洗濯運転及び乾燥運転を行うことを目的としたコースである。ユーザは、操作パネル72を操作することにより、各コースの中から所望のコースを選択して実行させることができる。
洗濯コースが実行されると、制御装置70は、制御装置70のROMから洗濯コース用のプログラムを読み出して、図10に示す制御内容を実行する。この場合、制御装置70は、まずステップS11において重量計測処理を実行し、重量センサ75によって回転槽13内に収容されている洗濯物の重量を計測する。次に、制御装置70は、ステップS12において布質判定処理を実行し、回転槽13内に収容されている洗濯物の布質つまり綿系の洗濯物と化繊系の洗濯物との割合を判定する。重量計測処理や布質判定処理の結果は、記憶部71に記憶される。制御装置70は、重量計測処理の結果や布質判定処理の結果に基づいて、洗濯運転の時間や使用水量等を決定する。そして、制御装置70は、ステップS20において洗濯運転を行う。これにより、回転槽13内に収容された洗濯物の洗濯が行われる。
乾燥コースが実行されると、制御装置70は、制御装置70のROMから乾燥コース用のプログラムを読み出して、図11に示す制御内容を実行する。この場合、制御装置70は、洗濯コースの実行時と同様に、ステップS11において重量計測処理を実行し、ステップS12において布質判定処理を実行する。制御装置70は、重量計測処理の結果や布質判定処理の結果に基づいて、乾燥運転の時間等を決定する。そして、制御装置70は、ステップS30において乾燥運転を行う。これにより、回転槽13内に収容された洗濯物の乾燥が行われる。
洗乾コースが実行されると、制御装置70は、制御装置70のROMから洗乾コース用のプログラムを読みだして、図12に示す制御内容を実行する。この場合、制御装置70は、まず、洗濯コースの実行時と同様に、ステップS11において重量計測処理を実行し、ステップS12において布質判定処理を実行した後、ステップS30に洗濯運転を行う。その後、制御装置70は、ステップS13において再び重量計測処理を行い、その後、ステップS30において乾燥運転を行う。これにより、回転槽13内に収容された洗濯物の洗濯及び乾燥が行われる。
次に、洗濯運転及び乾燥運転の一例について説明する。
まず、洗濯運転について説明する。図10及び図12のステップS20に示す洗濯運転が実行されると、制御装置70は、図13に示す制御内容を実行する。この場合、制御装置70は、まず、ステップS21において、給水工程を実行する。制御装置70は、給水工程を実行すると、排水用電磁弁18を閉じるとともに主給水用電磁弁251を開いて、所定量の水を水槽12内に注水する。次に、制御装置70は、ステップS22において、洗い工程を実行する。制御装置70は、洗い工程を実行すると、モータ14を駆動させて回転槽13を低速で正逆回転させる。これにより、回転槽13内の洗濯物の洗い動作が行われる。
次に、制御装置70は、ステップS23において、排水工程を実行する。制御装置70は、排水工程を実行すると、排水用電磁弁18を開き、水槽12内の洗濯水を機外に排水する。次に、制御装置70は、ステップS24において、すすぎ工程を実行する。制御装置70は、すすぎ工程を実行すると、排水用電磁弁18を閉じ、主給水用電磁弁251を開いて所定量の水を水槽12内に注水するとともに、モータ14を駆動させて回転槽13を低速で正逆回転させる。これにより、回転槽13内の洗濯物のすすぎが行われる。
次に、制御装置70は、ステップS25において、排水工程を実行する。制御装置70は、排水工程を実行すると、排水用電磁弁18を開き、水槽12内のすすぎ水を機外に排水する。その後、制御装置70は、ステップS26において、脱水工程を実行する。制御装置70は、脱水工程を実行すると、排水用電磁弁18を開いた状態でモータ14を駆動させて回転槽13を一方向へ高速で回転させる。これにより、洗濯物内の水が遠心力により脱水される。脱水工程が終了すると、制御装置70は、洗濯運転を終了する(リターン)。
次に、乾燥運転について説明する。図11及び図12のステップS30に示す乾燥運転が実行されると、制御装置70は、図14に示す制御内容を実行する。この場合、制御装置70は、まず、ステップS31において、加熱工程を実行する。制御装置70は、加熱工程を実行すると、モータ14を駆動させて回転槽13を回転させながら、圧縮機44及び循環ファン43を駆動させる。これにより、除湿された温風が水槽12内に供給されて、回転槽13内の洗濯物の乾燥が行われる。
加熱工程が終了すると、制御装置70は、ステップS32に示す冷却工程を実行する。制御装置70は、冷却工程を事項すると、回転槽13の回転と循環ファン43の駆動を継続させたまま、圧縮機44を停止する。これにより、水槽12内に冷却風が供給されて、回転槽13内の洗濯物が冷却される。そして、冷却工程が終了すると、制御装置70は、乾燥運転を終了する(リターン)。
制御装置70は、所定のタイミングで洗浄用電磁弁253を開放することで、洗浄動作を行うことができる。洗浄動作とは、洗浄用電磁弁253が開放されて放水装置60に給水されることで、放水装置60からの放水により排気ダクト33の内側に付着したリント等を洗い流す動作をいう。
ここで、給水用電磁弁251、252と、洗浄用電磁弁253と、を同時に開放すると、電磁弁ユニット25の入力部254に供給される外部の水源からの水圧が、給水用電磁弁251、252と洗浄用電磁弁253とに分散される。すると、放水装置60からの放水圧力が低下し、その結果、排気ダクト33に対する洗浄能力が低下する。そこで、本実施形態において、制御装置70は、給水用電磁弁251、252と、洗浄用電磁弁253と、を異なるタイミングで開放するように制御する。
この場合、「異なるタイミング」とは、洗浄動作中の少なくとも一部の期間に、電磁弁251〜253のうち洗浄用電磁弁253のみが開放されている期間があることを意味する。すなわち、本実施形態では、洗浄動作のために洗浄用電磁弁253を開放している期間全体において、給水用電磁弁251、252が一切開放されないことまでは要していない。
このように、制御装置70は、給水用電磁弁251、252と、洗浄用電磁弁253と、に対して、異なるタイミングで給水するようにしている。換言すれば、制御装置70は、給水用電磁弁251、252と、洗浄用電磁弁253と、に対して、同時に給水する期間を極力短くしている。これにより、電磁弁ユニット25の入力部254に供給された水圧が、給水用電磁弁251、252と洗浄用電磁弁253とに分散されることを防いでいる。その結果、放水装置60からの放水圧力が低下して排気ダクト33に対する洗浄能力が低下することを防ぎ、放水装置60による洗浄能力を高い状態に維持することができる。
本実施形態において、制御装置70は、図13のステップS21に示す洗濯運転の給水工程中に洗浄動作を行う。この場合、制御装置70は、図15に示すように、排水用電磁弁18を閉じた状態で主給水用電磁弁251と洗浄用電磁弁253とを交互に開閉することで、洗浄動作を行う。この際、補助給水用電磁弁252は閉じた状態に維持されている。
具体的には、制御装置70は、図13の洗濯運転においてステップS21の給水工程を実行すると、図16に示す処理を行う。すなわち、制御装置70は、給水工程を実行すると、まず、図16のステップT11において排水用電磁弁18を閉じる。次に、制御装置70は、ステップT12において洗浄用電磁弁253を開く。これにより、放水装置60から排気ダクト33内に向けての放水が開始される。すなわち、ステップT12の実行により、洗浄動作が開始される。この場合、水槽12内には、外部の水源からの水が、放水装置60を介して間接的に注水される。
次に、制御装置70は、ステップT13において、水位センサ76の検出結果に基づいて、水槽12内の水位が所定水位に到達したか否かを判断する。この場合、所定水位とは、洗濯運転を行うために必要な水位である。この所定水位は、洗濯運転前に行われるステップS11の重量計測処理及びステップS12の布質判定処理の結果等に基づいて決定される。制御装置70は、水槽12内の水位が所定水位に到達したことを検出した場合(ステップT13でYES)、ステップT20へ移行する。そして、制御装置70は、ステップT20において、洗浄用電磁弁253を閉じた後、給水工程を終了する(リターン)。
一方、水槽12内の水位が所定水位に到達していない場合(ステップT13でNO)、制御装置70は、ステップT14へ移行する。制御装置70は、ステップT14において、ステップT12で洗浄動作を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する。この場合、ステップT13における所定時間は、例えば数分程度である。所定時間が経過していない場合(ステップT14でNO)、制御装置70は、ステップT13、T14を繰り返して、洗浄動作を継続する。そして、所定時間が経過すると(ステップT14でYES)、制御装置70は、ステップT15へ移行し、洗浄用電磁弁253を閉じて、洗浄動作を停止する。
次に、制御装置70は、ステップT16へ移行し、主給水用電磁弁251を開く。これにより、外部の水源からの水は、放水装置60を介さずに水槽12内に直接的に注水される。次に、制御装置70は、ステップT14と同様に、ステップT17において、水位センサ76の検出結果に基づいて、水槽12内の水位が所定水位に到達したか否かを判断する。制御装置70は、水槽12内の水位が所定水位に到達したことを検出した場合(ステップT17でYES)、ステップT21へ移行する。そして、制御装置70は、ステップT21において、主給水用電磁弁251を閉じた後、給水工程を終了する(リターン)。
一方、水槽12内の水位が所定水位に到達していない場合(ステップT17でNO)、制御装置70は、ステップT18へ移行する。制御装置70は、ステップT18において、ステップT16で主給水用電磁弁251を開放してから所定時間が経過したか否かを判断する。この場合、ステップT18における所定時間も、例えば数分程度である。所定時間が経過していない場合(ステップT18でNO)、制御装置70は、ステップT17、T18を繰り返して、水槽12内への注水を継続する。そして、所定時間が経過すると(ステップT18でYES)、制御装置70は、ステップT19へ移行し、主給水用電磁弁251を閉じて、ステップT12へ移行する。そして、水槽12内の水位が所定水位に到達するまで、ステップT11〜T19を繰り返す。
このように、本実施形態によれば、制御装置70は、洗浄動作を行う際に、水槽12内に注水する経路を開閉する主給水用電磁弁251と、放水装置60に給水する経路を開閉する洗浄用電磁弁253と、を交互に開閉する。すなわち、制御装置70は、主給水用電磁弁251と洗浄用電磁弁253とを、異なるタイミングで開放するように制御している。本実施形態の場合、制御装置70は、主給水用電磁弁251と洗浄用電磁弁253とを同時に開放しないようにしている。これによれば、外部の水源からの水圧が分散されて、放水装置60による放水圧力の低下を防ぐことができる。したがって、放水装置60から高い水圧で放水することができ、その結果、放水装置60からの放水による洗浄能力を向上させることができる。
また、制御装置70は、給水工程中に、洗浄用電磁弁253を開放して洗浄動作を行う。この場合、洗浄動作により放水装置60から放水された水も、洗濯水として水槽12内に貯留される。したがって、洗浄動作を行うための時間を別に確保する必要が無く、よって、洗浄動作の実行による運転時間の延長を防ぐことができる。更には、洗浄動作に使用した水も、洗濯水として水槽12内に貯留するため、水を無駄にすることがない。
なお、本実施形態において、補助給水用電磁弁252は、主給水用電磁弁251と同時に開放されてもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図17及び図18を参照して説明する。本実施形態において、制御装置70は、図13のステップS23又はステップS25に示す少なくとも一方の排水工程中に、洗浄用電磁弁253を開放して排気ダクト33の洗浄動作を行う。この場合、制御装置70は、図17に示すように、排水用電磁弁18を開いて排水を開始した後、水位センサ76で検出した水槽12内の水位が所定水位となった場合に、洗浄動作を開始する。すなわち、制御装置70は、排水工程中に水槽12内の水位が所定水位以下となっている場合に、洗浄動作を行うようにしている。図17では、水槽12内の水位が所定水位になった時点をA1で示している。
この場合、所定水位とは、水槽12内に残った水が、回転槽13内に流入しない程度の水位をいう。例えば、所定水位とは、図1のHで示すように、回転槽13の上下方向の最下部に相当する水位をいう。また、本実施形態の場合、制御装置70は、洗浄動作を開始する以前に予めモータ14を駆動させて、回転槽13を所定回転速度例えば100rpm程度で回転させておく。
次に、制御装置70が行う具体的な制御内容について説明する。制御装置70は、図13のステップS23又はステップS25のいずれか一方又は両方の排水工程において、図18に示す処理を行う。すなわち、制御装置70は、排水工程を実行すると、まず、図18のステップT31において排水用電磁弁18を開く。これにより、水槽12内の排水が行われる。次に、制御装置70は、ステップT32において、モータ14を駆動させて回転槽13を回転させる。
その後、制御装置70は、ステップT33において、水位センサ76の検出結果に基づいて、水槽12内の水位が所定水位以下となったか否かを判断する。制御装置70は、水槽12内の水位が所定水位以下となっていない場合(ステップT33でNO)、所定水位以下となるまでステップT33を継続する。そして、制御装置70は、水槽12内の水位が所定水位以下になると(ステップT33でYES)、ステップT34へ移行する。
制御装置70は、ステップT34において、回転槽13の回転速度が所定回転速度に到達したか否かを判断する。制御装置70は、回転槽13の回転速度が所定回転速度に到達していない場合(ステップT34でNO)、所定回転速度に到達するまでステップT34を継続する。そして、制御装置70は、回転槽13の回転速度が所定回転速度に到達すると(ステップT34でYES)、ステップT35へ移行する。
制御装置70は、ステップT35において、洗浄用電磁弁253を開いて洗浄動作を開始する。この場合、本実施形態では、放水装置60の放水量よりも排水口123からの排水量の方が多くなるように設定されている。そのため、排水工程中に洗浄動作を行って放水装置60から放水されても、水槽12内の水位は上昇しない。
制御装置70は、所定時間例えば数分程度が経過するまで洗浄動作を継続する。そして、制御装置70は、洗浄動作を開始してから所定時間が経過すると(ステップT36でYES)、ステップT37において洗浄用電磁弁253を閉じて洗浄動作を終了する。その後、制御装置70は、水位センサ76の検出結果により排水の終了を確認した後(ステップT38でYES)、排水工程を終了する(リターン)。
このように、本実施形態によれば、制御装置70は、排水工程中に洗浄動作を行う。これによれば、洗浄動作によって洗い流されたリント等が、回転槽13内に流入して洗濯物に付着することを極力抑制することができる。更に、制御装置70は、水槽12内の水位が、回転槽13内に流入しない水位以下となった場合に洗浄動作を行う。これによれば、洗浄動作によって洗い流されたリント等が孔23や連通口24から回転槽13内に流入して洗濯物に付着することを、更に効果的に抑制することができる。
また、図13に示すように、ステップS23、S25の排水工程は、ステップS22の洗い工程の実行後に行われる。洗い工程では、水槽12内の洗濯水が跳ねて排気ダクト33に付着したリント等にかかる。これにより、洗い工程の実行後は、排気ダクト33に付着したリント等が比較的落ち易くなっている。本実施形態において、制御装置70は、洗い工程を実行したことで排気ダクト33に付着したリント等が落ち易くなっている排水工程中に、洗浄動作を行う。したがって、洗浄動作によって、排気ダクト33内をより効果的に洗浄することができる。
また、制御装置70は、回転槽13を回転させた状態で洗浄動作を行う。これによれば、洗浄動作によって水槽12内に入った水が回転槽13に当たっても、その水は回転槽13の回転によって回転槽13の周囲に弾き飛ばされる。したがって、洗浄動作によって水槽12内に入った水が、開口部131や孔23等から回転槽13内に流入することをより効果的に抑制することができる。その結果、洗浄動作によって洗い流されたリント等が、回転槽13内に流入して洗濯物に付着することを更に効果的に抑制することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図19及び図20を参照して説明する。本実施形態において、制御装置70は、図13のステップS26に示す脱水工程中に、洗浄用電磁弁253を開放して排気ダクト33の洗浄動作を行う。この場合、制御装置70は、図19に示すように、モータ14を駆動して回転槽13を回転させ、回転槽13の回転速度が所定回転速度を超えた場合に、洗浄動作を開始する。図19では、回転槽13の回転速度が所定回転速度となった時点をA2で示している。所定回転速度は、回転槽13の共振帯域の少なくとも一部を含む範囲に設定されている。本実施形態の場合、回転槽13の共振帯域は、200rpm〜300rpmである。この場合、所定回転速度は、共振帯域の開始地点つまり200rpmよりも遅い回転速度である例えば100rpmに設定されている。
次に、制御装置70が行う具体的な制御内容について説明する。制御装置70は、図13のステップS26示す脱水工程を実行すると、図20に示す処理を行う。すなわち、制御装置70は、脱水工程を実行すると、まず、図20のステップT41において排水用電磁弁18を開く。次に、制御装置70は、ステップT42において、モータ14を駆動させて回転槽13を回転させる。これにより、脱水動作が開始される。
次に、制御装置70は、ステップT43において、回転槽13の回転速度が所定回転速度この場合100rpmに到達したか否かを判断する。制御装置70は、回転槽13の回転速度が所定回転速度に到達していない場合(ステップT43でNO)、所定回転速度に到達するまでステップT43を継続する。そして、制御装置70は、回転槽13の回転速度が所定回転速度に送達すると(ステップT43でYES)、ステップT44へ移行する。
制御装置70は、ステップT35において、洗浄用電磁弁253を開いて洗浄動作を開始する。この場合、本実施形態では、放水装置60の放水量よりも排水口123からの排水量の方が多くなるように設定されている。そのため、脱水工程中に洗浄動作を行っても、水槽12内の水位は上昇しない。
制御装置70は、ステップT44で洗浄動作を開始した後、所定時間例えば数分程度経過するまで洗浄動作を継続する。そして、制御装置70は、洗浄動作を開始してから所定時間が経過すると(ステップT45でYES)、ステップT46において洗浄用電磁弁253を閉じて洗浄動作を終了する。その後、制御装置70は、ステップT47において、モータ14を停止させて回転槽13の回転を停止させた後、脱水工程を終了する(リターン)。
これによれば、制御装置70は、脱水工程中に、洗浄用電磁弁253を開放して洗浄動作を行う。この場合、洗浄動作によって放水装置60から放水された水は、水槽12内に貯まることなく排水される。したがって、洗浄動作によって洗い流されたリント等が、回転槽13内に流入して洗濯物に付着することを極力抑制することができる。また、制御装置70は、脱水工程中に洗浄動作を行うことで、洗浄動作を行うための時間を別に確保する必要が無くなる。したがって、洗浄動作の実行による運転時間の延長を防ぐことができる。
また、制御装置70は、脱水工程中において、回転槽13を回転させた状態で洗浄動作を行う。これによれば、上記した第4実施形態と同様に、洗浄動作によって水槽12内に入った水が回転槽13に当たっても、回転槽13の回転によって回転槽13の周囲に弾き飛ばされる。したがって、洗浄動作によって水槽12内に入った水が、開口部131や孔23等から回転槽13内に流入することをより効果的に抑制することができる。その結果、洗浄動作によって洗い流されたリント等が、回転槽13内に流入して洗濯物に付着することを更に効果的に抑制することができる。
また、制御装置70は、回転槽13の回転速度が共振領域を通過している最中に、洗浄動作を行う。水槽12は、脱水工程中に回転槽13の回転に伴って振動するが、回転槽13の回転速度が共振帯域付近となったときには共振によって更に大きく振動する。ここで、排気ダクト33は、一方の端部が外箱11側に設けられたフィルタダクト53に取り付けられ、他方の端部が水槽12に取り付けられている。このため、水槽12が共振によって大きく振動すると、蛇腹状の排気ダクト33は、その水槽12の振動に引っ張られて、上下、前後、及び左右方向に複雑に動きながら伸び縮みする。すると、排気ダクト33に対して放水装置60から放水された水のかかる位置が複雑に変化し、これにより、排気ダクト33に付着したリント等が落ち易くなるとともに、より広い範囲を洗浄することができる。このように、本実施形態によれば、放水装置60からの放水による洗浄効果に加えて、振動による洗浄効果も付加することができる。その結果、洗浄動作による洗浄性能をより向上させることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について図21及び図22を参照して説明する。本実施形態において、制御装置70は、図11又は図12のステップS30に示す乾燥運転の初期の段階において、洗浄動作を行う。すなわち、制御装置70は、図14のステップS31に示す加熱工程の初期の段階において、洗浄動作を行う。この場合、制御装置70は、図21に示すように、循環ファン43、圧縮機44、及びモータ14を駆動させて回転槽13内に温風を供給させつつ、洗浄用電磁弁253を開放して洗浄動作を行う。
具体的には、制御装置70は、図14のステップS31に示す加熱工程を実行すると、図22に示す処理を行う。この場合、制御装置70は、まず、図22のステップU11において排水用電磁弁18を開く。次に、制御装置70は、ステップU12において、モータ14を駆動させて回転槽13を回転させる。その後、制御装置70は、ステップU13で圧縮機44を駆動させるとともに、ステップU14で循環ファン43を駆動させる。これにより、水槽12内に対する温風の供給が開始される。
次に、制御装置70は、ステップU15において、回転槽13の回転速度が所定回転速度に到達したか否かを判断する。所定回転速度は、第4実施形態の所定回転速度と同様に、例えば100rpm程度である。制御装置70は、回転槽13の回転速度が所定回転速度に到達していない場合(ステップU15でNO)、所定回転速度に到達するまでステップU15を継続する。そして、制御装置70は、回転槽13の回転速度が所定回転速度に送達すると(ステップU15でYES)、ステップU16へ移行する。
制御装置70は、ステップU16において、洗浄用電磁弁253を開いて洗浄動作を開始する。本実施形態では、放水装置60の放水量よりも排水口123からの排水量の方が多くなるように設定されている。そのため、加熱工程中に洗浄動作を行っても、水槽12内の水位は上昇しない。
制御装置70は、所定時間例えば数分程度経過するまで洗浄動作を継続する。そして、制御装置70は、洗浄動作を開始してから所定時間が経過すると(ステップU17でYES)、ステップU18において洗浄用電磁弁253を閉じて洗浄動作を終了する。次に、制御装置70は、図示しない温度センサ等の検出結果に基づいて、回転槽13内の洗濯物が乾燥したか否かを判断する。そして、制御装置70は、回転槽13内の洗濯物が乾燥したと判断すると(ステップU19でYES)、ステップU19においてモータ14を停止させて回転槽13の回転を停止させた後、加熱工程を終了する(リターン)。
これによれば、制御装置70は、加熱工程中に、洗浄用電磁弁253を開放して洗浄動作を行う。この場合、洗浄動作によって放水装置60から放水された水は、水槽12内に貯まることなく排水される。したがって、洗浄動作によって洗い流されたリント等が、回転槽13内に流入して洗濯物に付着することを極力抑制することができる。また、制御装置70は、加熱工程中に洗浄動作を行うことで、洗浄動作を行うための時間を別に確保する必要が無くなる。したがって、洗浄動作の実行による運転時間の延長を防ぐことができる。
また、制御装置70は、加熱工程中において、回転槽13を回転させた状態で洗浄動作を行う。これによれば、上記した第4実施形態及び第5実施形態と同様に、洗浄動作によって水槽12内に入った水が回転槽13に当たっても、回転槽13の回転によって回転槽13の周囲に弾き飛ばされる。したがって、洗浄動作によって水槽12内に入った水が、開口部131等から回転槽13内に流入することをより効果的に抑制することができる。
また、加熱工程中は、循環ファン43を駆動させて水槽12内に送風を行っている。このため、洗浄動作によって水槽12内に入った水が回転槽13の外表面に付着しても、その水は、水槽12内に吹き込まれた風によって吹き飛ばされる。これにより、洗浄動作によって水槽12内に入った水が、孔23等から回転槽13内に流入することをより効果的に抑制することができる。これらの結果、洗浄動作によって洗い流されたリント等が、回転槽13内に流入して洗濯物に付着することを更に効果的に抑制することができる。
また、制御装置70は、加熱工程の初期の段階において洗浄動作を行う。これによれば、洗浄動作によって放水装置60から放水された水が、仮に回転槽13内に流入して洗濯物を濡らしたとしても、その後に継続して行われる加熱工程によって回転槽13内の洗濯物が乾燥される。したがって、仮に洗浄動作によって洗濯物が濡れてしまった場合であっても、加熱工程の時間が極端に延長されることを防ぐことができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について図23及び図24を参照して説明する。本実施形態において、制御装置70は、図10〜図12のステップS11又は図13のステップS13の重量計測処理の実行中に、洗浄動作を行う。この場合、制御装置70は、図23のA4からA5の期間に示すように、重量計測処理のために回転槽13を回転させている最中に、洗浄用電磁弁253を開放して洗浄動作を行う。
制御装置70は、図11〜図13のステップS11又はステップS13に示す重量計測処理において、図24に示す処理を行う。すなわち、制御装置70は、重量計測処理を実行すると、まず、図24のステップV11において排水用電磁弁18を開く。次に、制御装置70は、ステップV12において、モータ14を駆動させて回転槽13を所定回転速度で回転させる。これにより、制御装置70は、回転槽13内の洗濯物の重量の計測を開始する。
次に、制御装置70は、ステップV13において、洗浄用電磁弁253を開いて洗浄動作を開始する。この場合、本実施形態では、放水装置60の放水量よりも排水口123からの排水量の方が多くなるように設定されている。そのため、加熱工程中に洗浄動作を行っても、水槽12内の水位は上昇しない。
次に、制御装置70は、ステップV14において、重量センサ75による重量計測が終了したか否かを判断する。そして、制御装置70は、重量計測が終了したと判断すると(ステップV14でYES)、ステップV15へ移行し、洗浄用電磁弁253を閉じて洗浄動作を終了する。そして、制御装置70は、ステップV15においてモータ14を停止させて回転槽13の回転を停止させた後、重量計測処理を終了する(リターン)。
このように、本実施形態において、制御装置70は、重量計測処理と洗浄動作とを同時に行う。これによれば、洗浄動作を行うための時間を別に確保する必要がなく、したがって、洗浄動作の実行による運転時間の延長を防ぐことができる。更に、これによれば、回転槽13の回転動作を、重量計測処理と洗浄動作とで共用することができる。したがって、回転槽13を回転させるために要する電力を節約することができる。
また、重量計測処理と同時に洗浄動作を行う場合、洗浄動作により放水された水が、転槽13内に流入すると、その水が回転槽13内の洗濯物に吸水されて、洗濯物の重量が増大する。すると、重量計測処理の後に行われる洗濯運転や乾燥運転の運転時間が不要に延長される。そこで、制御装置70は、重量計測処理のために回転槽13を回転させている最中に、洗浄動作を行う。これによれば、上記実施形態と同様に、洗浄動作によって水槽12内に入った水が回転槽13に当たっても、回転槽13の回転によって回転槽13の周囲に弾き飛ばされる。したがって、洗浄動作によって水槽12内に入った水が、開口部131等から回転槽13内に流入することをより効果的に抑制することができる。これにより、洗浄動作で放水された水が回転槽13内に流入し、回転槽13内の洗濯物に吸水されて洗濯物が重くなることを防ぎ、その結果、重量計測処理の後に行われる洗濯運転や乾燥運転の運転時間を不要に延長することを防止することができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について図25〜図27を参照して説明する。第8実施形態は、上記第3〜第7実施形態と組み合わせて適用することができる。本実施形態において、制御装置70は、前回の乾燥運転時における重量センサ75の検出結果、つまり図11のステップS11又は図12のステップS13における重量計測処理の結果が大きくなるにつれて、洗浄動作の時間を長くする。
具体的には、制御装置70は、図10又は図12のステップS20において洗濯運転を実行すると、図25に示す処理内容を実行する。また、制御装置70は、図11又は図12のステップS30において乾燥運転を実行すると、図26に示す処理内容を実行する。図25及び図26では、図13の洗濯運転又は図14の乾燥運転に対して、ステップS41に示す洗浄動作時間決定処理が追加されている。
制御装置70は、各工程において洗浄動作を行う前に、図25又は図26のステップS41に示す洗浄動作時間決定処理を実行する。洗浄動作時間決定処理は、前回の乾燥運転に行った重量計測処理の計測重量に基づいて、今回行う洗浄動作の動作時間を決定する処理である。制御装置70は、記憶部71に記憶してある前回の乾燥運転時の計測重量に基づいて、今回の洗浄動作の動作時間を決定する。
本実施形態の場合、制御装置70は、前回の乾燥運転時の計測重量が大きくなるにつれて、洗浄動作の動作時間を段階的に長くする。例えば図27に示すように、前回の乾燥運転時の計測重量がM1未満であれば、制御装置70は、今回の洗浄動作の動作時間をT1に決定する。また、前回の乾燥運転時の計測重量がM1以上でかつM2未満であれば、制御装置70は、今回の洗浄動作の動作時間をT2に決定する。そして、前回の乾燥運転時の計測重量がM2以上であれば、制御装置70は、今回の洗浄動作の動作時間をT3に決定する。この場合、図27において、M1<M2であり、T1<T2<T3である。なお、制御装置70は、前回の乾燥運転時の計測重量が大きくなるにつれて、洗浄動作の動作時間を連続的つまり線形的に長くしてもよい。
これによれば、排気ダクト33の汚れの状態に合わせて、洗浄動作における放水量を調整することができる。すなわち、前回の乾燥運転において、洗濯物の重量が重くなるほど、乾燥運転時に発生するリント等の量も増大し、その結果、排気ダクト33に付着するリント等の量が多くなると想定される。したがって、前回の乾燥運転時の計測重量に合せて洗浄動作の時間を調整することで、洗浄動作に要する時間や放水量を、現在の排気ダクト33の汚れの状態に合わせた適切なものとすることができる。その結果、洗浄動作に要する時間は水、更には電力の無駄を防ぐことができる。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について、図28〜図30を参照して説明する。第9実施形態は、上記第3〜第8実施形態と組み合わせて適用することができる。本実施形態において、制御装置70は、前回の洗浄動作を行った時点から現在までの乾燥運転の実行回数が所定値を超えた場合に、自動的に洗浄動作を行う。
なお、以下の説明において、乾燥運転回数Fは、前回の洗浄動作を行った後に実行された乾燥運転の回数を示す変数であり、正の整数である。また、所定値Fmaxは、図30のステップS51で示す所定値である。所定値Fmaxは、洗浄動作を行うことなく乾燥運転を繰り返すことができる回数の最大値であり、正の整数である。すなわち、制御装置70は、洗浄動作が行われずに乾燥運転の実行回数が所定値Fmaxに到達すると、自動で洗浄動作を行う。
具体的には、制御装置70は、図10又は図12のステップS20において洗濯運転を実行すると、図28に示す処理内容を実行する。また、制御装置70は、図11又は図12のステップS30において乾燥運転を実行すると、図29に示す処理内容を実行する。図28の制御内容では、図13の洗濯運転に対して、ステップS50、S61、S62の処理が追加されている。また、図29の制御内容では、図14の乾燥運転に対して、ステップS50、S61〜S63の処理が追加されている。
制御装置70は、図28及び図29のステップS50に示すように、各運転を開始した直後に要否判定処理を実行する。要否判定処理は、前回の洗浄動作を行った時点から現在までの乾燥運転の実行回数Fに基づいて、洗浄動作の要否を判断する処理である。制御装置70は、ステップS50において要否判定処理を実行すると、図30に示すように、ステップS51において、乾燥運転回数Fが、予め設定した所定値Fmax未満か否かを判断する。
乾燥運転回数Fが所定値Fmax未満であれば(ステップS51でYES)、制御装置70は、ステップS52へ移行する。そして、制御装置70は、ステップS52において、今回の運転では洗浄動作が不要であると判断し、その後、要否判断処理を終了する(リターン)。一方、乾燥運転回数Fが所定値Fmax以上であれば(ステップS51でNO)、制御装置70は、ステップS53へ移行する。そして、制御装置70は、ステップS53において、今回の運転中に洗浄動作が必要であると判断し、その後、要否判断処理を終了する(リターン)。
洗濯運転の場合、制御装置70は、図28のステップS50に示す要否判定を実行した後、ステップS21〜S26において通常の洗濯運転に必要な各工程を行う。ステップS50の要否判断処理において洗浄動作が必要と判断された場合、制御装置70は、ステップS21〜S26のいずれかの工程又は複数の工程において、上記各実施形態で説明したような洗浄動作を行う。一方、ステップS50の要否判断処理において洗浄動作が不要と判断された場合、制御装置70は、ステップS21〜S26のいずれの工程においても、洗浄動作を行わない。
その後、制御装置70は、ステップS61において、現在の洗濯運転中に洗浄動作が行われたか否かを判断する。現在の洗濯運転中に洗浄動作が行われた場合、つまりステップS21〜S26のいずれかの工程において洗浄動作が行われた場合(ステップS61でYES)、制御装置70は、ステップS62へ移行する。そして、制御装置70は、ステップS62において、乾燥運転回数Fを0にして乾燥運転回数Fの積算をリセットする。一方、現在の乾燥運転中に洗浄動作が行われなかった場合、つまりステップS21〜S26のいずれの工程においても洗浄動作が行われなかった場合(ステップS61でNO)、制御装置70は、ステップS62を実行することなく、洗濯運転を終了する(リターン)。
また、乾燥運転の場合、制御装置70は、図29のステップS50に示す要否判定処理を実行した後、ステップS31、S32において通常の乾燥運転に必要な各工程を行う。ステップS50の要否判断処理において洗浄動作が必要と判断された場合、制御装置70は、ステップS31、S32のいずれかの工程又は両方の工程において、上記各実施形態で説明したような洗浄動作を行う。一方、ステップS50の要否判断処理において洗浄動作が不要と判断された場合、制御装置70は、ステップS31、S32のいずれの工程においても、洗浄動作を行わない。
その後、制御装置70は、図28に示す洗濯運転の場合と同様に、ステップS61、S62を実行する。次に、制御装置70は、ステップS63を実行し、乾燥運転回数Fに1を加算して乾燥運転回数Fを更新する。例えば、今回の乾燥運転で洗浄動作が行われた場合、ステップS63の実行後の乾燥運転回数Fは1となる。そして、制御装置70は、乾燥運転を終了する(リターン)。
これによれば、乾燥運転が所定回数Fmax回実行される毎に、洗浄動作が自動で行われる。したがって、ユーザが洗浄動作の要否を意識する必要が無くなるため、利便性が向上する。更に、所定回数Fmaxを任意に設定することで、排気ダクト33の汚れの状態に合わせて、洗浄動作を実行することができる。すなわち、洗濯運転又は乾燥運転を行う度に洗浄動作を実行すると、排気ダクト33がそれほど汚れていないにもかかわらず、無駄に洗浄動作を行ってしまうという事態も生じる。そこで、本実施形態において、制御装置70は、乾燥運転を所定回数繰り返した後に、洗浄動作を行う。これによれば、乾燥運転が所定回数繰り返されて、排気ダクト33にある程度の量のリントが蓄積された時期を狙って、洗浄動作を行うことができる。したがって、洗浄動作の回数を低減することができ、その結果、洗浄動作に要する時間や放水量、更には消費電力量を削減することができる。
なお、要否判定処理においては、洗浄動作の要否判断の基準を、乾燥運転回数Fに換えて、乾燥運転時間の積算時間としてもよい。すなわち、制御装置70は、前回の洗浄動作を行った時点から現在までに実行した乾燥運転の合計時間つまり積算時間が所定値を超えた場合に、洗浄動作を行うようにしてもよい。これによっても、上述した作用効果が得られる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について、図31〜図33を参照して説明する。上記第9実施形態における洗濯乾燥機10は、乾燥運転の実行回数又は積算時間が所定値を超えた場合に自動的に洗浄動作を行う。すなわち、上記第9実施形態の洗濯乾燥機10は、予め設定された一定間隔で洗浄動作を行う。これに対し、本実施形態における洗濯乾燥機10は、ユーザからの操作に基づき、ユーザの任意のタイミングで洗浄動作を行う。すなわち、ユーザは、手動で洗洗浄動作を実行させることができる。
本実施形態では、例えば図9に示す複数の操作部712のうち一の操作部712を、ユーザの操作により洗浄動作の実行の有無を選択可能な操作部に設定する。この場合、詳細は図示しないが、操作部712は、「洗浄動作」と表示したボタン等である。そして、ユーザは、「洗浄動作」の表示が付された操作部712を操作することで、洗浄動作の実行の有無を選択することができる。
この場合、制御装置70は、図30に示した要否判定処理に換えて、図31に示す要否判定処理を実行する。制御装置70は、図31に示す要否判定処理を実行すると、ステップS55において、操作部712が操作されたか否かを判断する。操作部712が操作されていなければ(ステップS55でNO)、制御装置70は、ステップS56へ移行して洗浄動作が不要であると判断し、その後、要否判定処理を終了する(リターン)。一方、操作部712が操作されていれば(ステップS55でYES)、制御装置70は、ステップS57へ移行して洗浄動作が必要であると判断し、その後、要否判定処理を終了する(リターン)。
これによれば、ユーザは、任意のタイミングで洗浄動作を実行させることができるため、利便性の向上が図られる。なお、洗浄動作は、各工程に含まれるものに限られず、例えば洗浄動作を主な目的とした洗浄運転を設定してもよい。そして、制御装置70は、ユーザが操作部712を操作したことに基づき、洗浄運転を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態において、ユーザの任意のタイミングで洗浄動作が実行されるため、洗浄動作の実行間隔は必ずしも一定にはならない。つまり、本実施形態においては、前回の洗浄動作を行ってから次の洗浄動作を行うまでに実行された乾燥運転の回数も異なってくる。そこで、本実施形態において、制御装置70は、図32に示すように、前回の洗浄動作を行った時点から今回の洗浄動作を行う時点までに実行された乾燥運転の回数Fが多くなるにつれて、洗浄時間を長くする。なお、図32において、F1、F2は正の整数であり、F1<F2である。
これによれば、手動により洗浄動作を行う場合であっても、排気ダクト33の汚れの状態に合わせて、洗浄動作における放水量を調整することができる。その結果、洗浄動作に要する時間は水、更には電力の無駄を防ぐことができる。なお、制御装置70は、乾燥運転の回数Fに換えて、乾燥運転の合計時間つまり積算時間に基づいて、洗浄時間を決定してもよい。この場合、制御装置70は、前回の洗浄動作を行った時点から今回の洗浄動作を行う時点までに実行された乾燥運転の合計時間つまり積算時間が長くなるにつれて、洗浄時間を長くする。
また、本実施形態において、制御装置70は、図33に示す報知処理を実行可能である。報知処理は、例えば洗濯乾燥機10の電源がONされた直後に実行される。報知処理は、ユーザに洗浄動作の実行を促す旨を報知する処理である。制御装置70は、前回の洗浄動作を行った後に、洗浄動作が更に行われることなく乾燥運転の実行回数Fが所定回数Fmaxに達した場合に、報知部722により、ユーザに対して洗浄動作の実行を促す旨を報知する。
この場合、報知部722は、例えば音や表示等によって、報知部722単独で報知するものであってもよいし、操作部712と組み合わせたものでもよい。例えば操作パネル72がタッチパネルであれば、制御装置70は、ユーザに対する報知として、タッチパネル上に「洗浄動作」の文字を付したキーボタンつまり操作部712を表示させることができる。また、操作部712が物理的なボタンである場合には、制御装置70は、ユーザに対する報知として、操作部712上に「洗浄動作」の文字を点灯又は点滅表示させることができる。
本実施形態において、洗濯乾燥機10の電源がONされると、制御装置70は、図33に示す報知処理を実行する。この場合、制御装置70は、図33にステップS71に示すように、乾燥運転回数Fが所定値Fmax以上か否かを判断する。乾燥運転回数Fが所定値Fmax以上であれば(ステップS71でYES)、制御装置70は、ステップS72へ移行し、報知部722により報知を行い、その後、報知処理を終了する(エンド)。一方、乾燥運転回数Fが所定値Fmax未満であれば(ステップS71でNO)、制御装置70は、報知を行うことなく、報知処理を終了する(エンド)。
これによれば、ユーザは、手動で洗浄動作を行うものにおいて、洗浄動作を行うための適切なタイミングを知ることができる。したがって、利便性が向上する。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について、図34を参照して説明する。第11実施形態は、操作部721の操作により手動で洗浄動作を行うものにおいて、乾燥運転が終了し回転槽13内から洗濯物を取り出した後に、洗浄動作を行うものである。本実施形態において、制御装置70は、乾燥運転の終了後、扉開閉センサ74によって扉15の開閉を検知した後に、「洗浄動作」のキーとして機能する操作部721に対する操作を受け付ける。
具体的には、制御装置70は、ステップS31、S32において、加熱工程及び冷却工程を実行した後、ステップS81を実行する。制御装置70は、ステップS81において、扉開閉センサ74の検出結果に基づいて、扉15が開閉されたか否かを判断する。制御装置70は、扉15が開閉されたことを検出するまで待機する(ステップS81でNO)。制御装置70は、扉15が開閉されたことを検出すると(ステップS81でYES)、ステップS82へ移行して、操作部721に対する操作の受付を許可する。これにより、ユーザは、「洗浄動作」のキーとしての操作部721に対する操作が可能になり、洗浄動作の実行が選択可能になる。
次に、制御装置70は、ステップS83において、操作部721に対する操作があったか否かを判断する。操作部721が操作された場合(ステップS83でYES)、制御装置70は、ステップS84において洗浄動作を実行する。そして、制御装置70は、洗浄動作を開始してから所定時間経過した後に洗浄動作を終了し、その後、乾燥運転を終了する(リターン)。また、操作部721が操作されることなく所定時間が経過した場合(ステップS85でYES)、制御装置70は、洗浄動作を実行することなく、乾燥運転を終了する(リターン)。
これによれば、手動で乾燥運転中に洗浄動作を行うものにおいて、制御装置70は、扉15が開閉されて回転槽13内の洗濯物が取り出されたと判断した後に、洗浄動作の実行を可能にする。すなわち、洗濯乾燥機10は、乾燥後の洗濯物が洗濯乾燥機10から取り出された後に、洗浄動作を行うようにすることができる。したがって、洗浄動作によって放水装置60から放水された水が、乾燥後の洗濯物にかかって濡らしてしまうことがない。
なお、乾燥運転中に自動で洗浄動作を実行する場合には、制御装置70は、扉開閉センサ74により扉15が開閉されたことを検出した後に、洗浄動作を実行するようにすればよい。これによっても、洗浄動作によって放水装置60から放水された水が、乾燥後の洗濯物にかかって濡らしてしまうことを防止することができる。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について図35を参照して説明する。本実施形態は、上述したような定期的に自動で洗浄動作を行う場合、及び操作部721の操作により手動で洗浄動作を行う場合のいずれについても適用することができる。本実施形態において、制御装置70は、記憶部71に記憶してある過去の乾燥運転時における布質センサ77の検出結果に基づいて、今回の洗浄動作の動作時間を決定する。
具体的には、制御装置70は、図35に示すように、前回の洗浄動作を行った時点から現在までに実行した乾燥運転における布質センサ77の検出結果について、綿系の洗濯物の比率が大きくなるほど、洗浄動作の実行時間を長くする。本実施形態の場合、制御装置70は、前回の洗浄動作を行った時点から現在までに実行した乾燥運転における綿系の比率が大きくなるにつれて、洗浄動作の動作時間を段階的に長くする。
例えば図35に示すように、前回の洗浄動作を行った時点から現在までに実行した乾燥運転における布質センサ77の検出結果について、綿系の割合がX1%未満であれば、制御装置70は、今回の洗浄動作の動作時間をT1に決定する。また、綿系の割合がX1%以上でかつX2%未満であれば、制御装置70は、今回の洗浄動作の動作時間をT2に決定する。そして、綿系の割合がX2%以上であれば、制御装置70は、今回の洗浄動作の動作時間をT3に決定する。この場合、図35において、X1<X2であり、T1<T2<T3である。
これによれば、排気ダクト33の汚れの状態に合わせて、洗浄動作における放水量を調整することができる。すなわち、綿系の洗濯物は、化繊系の洗濯物に比べて、乾燥時に発生するリント等の量が多い。そのため、洗浄動作が実行されていない期間に行われた過去の乾燥運転において、綿系の洗濯物の割合が多くなるほど、排気ダクト33に付着するリント等の量が多くなると予想される。したがって、過去の乾燥運転時における綿系の洗濯物の割合に合わせて洗浄動作の時間を調整することで、洗浄動作に要する時間や放水量を、現在の排気ダクト33の汚れの状態に合わせた適切なものとすることができる。その結果、洗浄動作に要する時間は水、更には電力の無駄を防ぐことができる。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態について図36及び図37を参照して説明する。本実施形態は、図37に示すように、「洗濯コース」、「乾燥コース」、及び「洗乾コース」の細分類として、「標準コース」と「毛布コース」とを備えている。「標準コース」は、標準的な衣類を洗濯及び乾燥対象としたものである。「毛布コース」は、毛布を洗濯及び乾燥対象としたものである。制御装置70は、「毛布コース」が選択された場合、洗濯運転及び乾燥運転の各工程の実行時間を、「標準コース」の場合よりも長くする。
すなわち、制御装置70は、前回の洗浄動作が行われてから現在までに実行されたコースの種類及び回数を記憶部71に記憶させることができる。そして、制御装置70は、前回の洗浄動作を行った時点から現在までに実行した乾燥運転において、「毛布コース」が選択されていた場合には、「毛布コース」が選択されていなかった場合、例えば「標準コース」が選択されていた場合に比べて、洗浄動作の実行時間を長くする。
具体的には、制御装置70は、例えば図25及び図26のステップS41に示す洗浄動作時間決定処理を実行すると、図37に示す処理を行う。この場合、制御装置70は、まずステップS91に示すように、前回の乾燥運転で「毛布コース」が選択されたか否かを判断する。前回の乾燥運転で「毛布コース」が選択されていなかった場合(ステップS91でNO)、制御装置70は、ステップS92へ移行し、洗浄時間をT1に設定した後、洗浄時間決定処理を終了する(リターン)。一方、前回の乾燥運転で「毛布コース」が選択されていた場合(ステップS91でYES)、制御装置70は、ステップS93へ移行し、洗浄時間をT2に設定した後、洗浄時間決定処理を終了する(リターン)。なお、図37において、T1<T2である。
これによっても、排気ダクト33の汚れの状態に合わせて、洗浄動作における放水量を調整することができる。すなわち、毛布は、衣類等の標準的な洗濯物に比べて、乾燥時に発生するリント等の量が多い。そのため、「毛布コース」が実行されると、排気ダクト33に付着するリント等の量が多くなると予想される。したがって、過去の乾燥運転で実行されたコースに合わせて洗浄動作の時間を調整することで、洗浄動作に要する時間や放水量を、現在の排気ダクト33の汚れの状態に合わせた適切なものとすることができる。その結果、洗浄動作に要する時間は水、更には電力の無駄を防ぐことができる。
なお、上記各実施形態は、水平に対して傾斜した軸を有するいわゆる斜めドラム式の洗濯乾燥機10に限られず、水平方向の回転軸を有するドラム式の洗濯乾燥機であってもよい。
上記各実施形態は、温風供給装置として、ヒートポンプ式の熱交換部40を備えたものについて説明したが、これに限られず、温風供給装置はヒータ式であってもよい。この場合、洗濯乾燥機は、循環風路30を備えておらず、外気を取り入れて、その外気を温風供給装置によって加熱して水槽12に供給する構成であってもよい。
また、上記各実施形態は、適宜組み合わせることもできる。
また、例えば放水装置60と排気ダクト33との間に、フィルタ54に相当するフィルタを設け、放水装置60からの放水によって、そのフィルタに付着したリント等を洗い流す構成にしても良い。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。