以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
<<実施形態の全体構成>>
図1は、実施形態にかかる伝送システム1の概略図であり、まずは図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。
伝送システム1には、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、およびコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム1、伝送管理システム50、および伝送端末10について説明する。すなわち、本発明の伝送システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステムや伝送システムなどにも適用される。
図1に示す伝送システム1は、テレビ会議用の専用機(専用機型)である複数の伝送端末(10aa,10ab,…)、各伝送端末(10aa,10ab,…)用のディスプレイ(120aa,120ab,…)、携帯端末等の汎用機(汎用機型)である複数の伝送端末(20aa,20ab,…)、複数の中継装置(30a,30b,30c,30d,30e)、および伝送管理システム50、プログラム提供システム90、およびメンテナンスシステム100によって構築されている。なお、以下では、「伝送端末」を単に「端末」として表し、「伝送管理システム」を単に「管理システム」として表す。
なお、本実施形態では、伝送端末(10aa,10ab,…、20aa,20ab,…)のうち任意の伝送端末を示す場合には「伝送端末10、20」を用い、ディスプレイ(120aa,120ab,…)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ120」を用い、中継装置(30a,30b,30c,30d,30e)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置30」を用いる。
伝送端末10、20は、他の装置との間で、各種情報を送受信する。伝送端末10、20は、例えば、他の端末10、20との間でセッションを確立し、確立したセッションにおいて、音声データおよび画像データを含むコンテンツデータの送受信による通話を行う。これにより、伝送システム1において、複数の端末10、20間のテレビ会議が実現される。
以下、「画像データおよび音声データ」を「コンテンツデータ」として表す。なお、端末10、20間で伝送されるデータは、実施の形態に限定されるものではなく、他の例としては、コンテンツデータは、テキストデータであってもよく、また、他の例としては、コンテンツデータは、音声データ、画像データに加えてテキストデータを含むものであってもよい。また、画像データは、動画であってもよく、静止画であってもよい。また、画像データは、動画と静止画の両方を含んでいてもよい。
また、本実施の形態にかかる伝送システム1において、テレビ会議を開始する場合、開始を希望するユーザが、所定の端末10、20を操作することにより、操作された端末10、20は、開始要求情報を管理システム50に送信する。
ここで、開始要求情報とは、テレビ会議に用いるセッションの開始を要求する情報であって、セッション相手としての端末10、20を指定する情報を含んでいる。以下、開始要求情報を送信する端末10、20を開始要求端末と称することとする。また、セッション相手として指定された相手の端末10、20を宛先端末と称することとする。
なお、宛先端末(セッション相手)は、1つの端末10、20であってもよく、2以上の端末10、20であってもよい。すなわち、伝送システム1においては、2つの端末10、20間だけでなく、3以上の端末10、20間で確立されたセッションを用いたテレビ会議を実現することができる。
管理システム50は、端末10、20および中継装置30を一元的に管理する。管理システム50は、端末10、20間でのセッションを確立することにより、端末10、20間における通話等によるテレビ会議を実現する。
管理システム50は、所定の端末10、20からセッションの開始要求情報を受信した場合に、開始要求情報を送信した端末10、20(開始要求端末)と宛先端末の間のセッションを確立し、テレビ会議を開始させる。
また、図1に示されている複数のルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)は、コンテンツデータの最適な経路の選択を行う。なお、本実施形態では、ルータ(70a,70b,70c,70d,70ab,70cd)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ70」を用いる。中継装置30は、複数の端末10、20の間で、コンテンツデータの中継を行う。
プログラム提供システム90は、端末10、20に各種機能または各種手段を実現させるための端末用プログラムが記憶された、HD(Hard Disk)を備えており、端末10、20に、端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHDには、中継装置30に各種機能または各種手段を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHDには、管理システム50に各種機能または各種手段を実現させるための伝送管理用プログラムも記憶されており、管理システム50に、伝送管理用プログラムを送信することができる。
メンテナンスシステム100は、端末10、20、中継装置30、管理システム50、およびプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、または保守を行うためのコンピュータである。例えば、メンテナンスシステム100が国内に設置され、端末10、20、中継装置30、管理システム50、またはプログラム提供システム90が国外に設置されている場合、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介して遠隔的に、端末10、20、中継装置30、管理システム50、およびプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つの維持、管理、保守等のメンテナンスを行う。また、メンテナンスシステム100は、通信ネットワーク2を介さずに、端末10、20、中継装置30、管理システム50、およびプログラム提供システム90のうちの少なくとも1つにおける機種番号、製造番号、販売先、保守点検、または故障履歴の管理等のメンテナンスを行う。
また、端末(10aa,10ab,10ac,10a…)、中継装置30a、およびルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。端末(10ba,10bb,10bc,10b…、20aa,20ab,…)、中継装置30b、およびルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2aおよびLAN2bは、ルータ70abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、端末(10ca,10cb,10cc,10c…)、中継装置30c、およびルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。端末(10da,10db,10dc,10d…)、中継装置30d、およびルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2cおよびLAN2dは、ルータ70cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカであり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域Aおよび地域Bは、それぞれルータ(70ab,70cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、管理システム50、およびプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、端末10、20、および中継装置30と通信可能に接続されている。管理システム50、およびプログラム提供システム90は、地域Aまたは地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
また、中継装置30eは、インターネット2iを介して端末10、20と通信可能に接続されている。この中継装置30eは、常時稼動しており、地域Aまたは地域Bのローカルエリア内の通信量の影響を受けにくくするために、これら以外の地域に設置されている。これにより、端末10、20が他のローカルエリアに設置された端末と通話する場合に、コンテンツデータを中継するための中継装置として中継装置30eが用いられる。また、同一のローカルエリアの端末間で通話を行う際に、このローカルエリアに設置された中継装置が稼動していない場合にも、緊急用の中継装置として中継装置30eが用いられる。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、およびLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく無線による通信が行われる箇所があってもよい。
また、図1において、各端末10、20、各中継装置30、管理システム50、各ルータ70、プログラム提供システム90、およびメンテナンスシステム100の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。
<テレビ会議専用端末>
図2は、テレビ会議専用の端末10のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態の端末10は、端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、端末用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、画像データや音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、端末10の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン108、端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111、認証受付I/F118を備えている。
また、端末10は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114およびスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ120に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F181、端末10の各種機能の異常を知らせるアラームランプ119、および上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
また、端末10は、NFC I/F121やBluetooth I/F122を備えてもよい。NFC I/F121は、至近距離でデータ通信を行なう近距離無線通信の国際標準の一つであるNFC(Near Field Communication)(ISO/IEC 18092等)に対応した通信インタフェースである。Bluetooth I/F122は、短距離無線通信技術の一つとして標準化されているBluetooth(IEEE 802.15.1等)に対応した通信インタフェースである。
ディスプレイ120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。また、ディスプレイ120は、ケーブル120cによってディスプレイI/F117に接続される。このケーブル120cは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F181には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク、および外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ電気的に接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ112に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク114や内蔵型のスピーカ115に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
なお、記録メディア106は、端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出しまたは書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
更に、上記端末用プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルによって、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(記録メディア106等)に記録されて流通されるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶させるようにしてもよい。
<汎用端末>
図3は、汎用の端末20のハードウェア構成図である。図3に示されているように、本実施形態の端末20は、端末20全体の動作を制御するCPU201、端末20に各種操作信号を入力するための入力装置202、端末20による処理結果を表示するための表示装置203、外付けマイク、外付けカメラや外部記録媒体(記録メディア)などの各種外部装置とのインタフェースである外部I/F204、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM205、端末20のOSの設定やネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されるROM206、携帯電話通信網やインターネットなどを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F207、端末用プログラム等の各種データを記憶するフラッシュメモリ208、CPU201の制御にしたがってフラッシュメモリ208に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御するSSD209を備えている。
また、端末20は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のカメラ210、このカメラ210の駆動を制御する撮像素子I/F211、音声を入力する内蔵型のマイク212、音声を出力する内蔵型のスピーカ213、CPU201の制御に従ってマイク212およびスピーカ213との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F214、および上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン215を備えている。なお、端末20がテキストチャットサービスのみを利用する端末である場合、カメラ210やマイク212、スピーカ213などは備えていなくてもよい。
また、端末20は、NFC I/F221とBluetooth(登録商標)I/F222のいずれかまたは両者を備えてもよい。
また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出しまたは書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ208に限らず、EEPROM等を用いてもよい。
上記端末用プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記端末用プログラムは、フラッシュメモリ208ではなくROM206に記憶させるようにしてもよい。
<管理システム>
図4は、本発明の一実施形態に係る管理システムのハードウェア構成図である。管理システム50は、全体の動作を制御するCPU501、伝送管理用プログラムを記憶したROM502、CPU501のワークエリアとして使用されるRAM503、各種データを記憶するHD(Hard Disk)504、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)505、フラッシュメモリ等の記録メディア506に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ507、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像などの各種情報を表示するディスプレイ508、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F509、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード511、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス512、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)513に対するデータの読み出しまたは書き込みを制御するCD−ROMドライブ514、および、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン510を備えている。
なお、上記伝送管理用プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア506やCD−ROM513等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。ただし、ROM502には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア506やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
更に、プログラム提供システム90は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。ただし、ROM502には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア506やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、メンテナンスシステム100は、上記管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。ただし、ROM502には、メンテナンスシステム100を制御するためのメンテナンス用プログラムが記録されている。この場合も、メンテナンス用プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア506やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図5は、本実施形態の伝送システム1を構成する各端末、装置およびシステムの機能ブロック図である。図5では、端末10、20、中継装置30、および管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図1に示されているプログラム提供システム90、およびメンテナンスシステム100は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図5では省略されている。
<端末の機能構成>
端末10、20は、通信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音声入力部15a、音声出力部15b、表示制御部16、遅延検出部18、記憶・読出処理部19、宛先リスト作成部1−20、ユーザ認証受付部1−21、および専用機・汎用機連携部1−22を有している。これら各部は、図2・図3に示されている各構成要素のいずれかが、ROM102、206に記憶されているプログラムに従ったCPU101、201からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、端末10、20は、RAM103、205によって構築される揮発性記憶部1002、およびフラッシュメモリ104、208によって構築される不揮発性記憶部1000を有している。
[端末の各機能部]
次に、端末10、20の各部を詳細に説明する。端末10、20の通信部11は、ネットワークI/F111、207によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置またはシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
通信部11は、当該端末10、20が他の端末10、20とセッションを確立し、通話によるテレビ会議を開始する前から、管理システム50より、宛先端末候補としての各端末10、20の状態を示す各状態情報の受信を開始する。
ここで、宛先端末候補とは、当該端末10、20が、テレビ会議を行う相手、すなわちセッション相手として指定可能な端末10、20である。すなわち、当該端末10、20は、宛先端末候補として予め設定されていない端末とは、セッションを確立することができず、したがってテレビ会議を行うことができない。なお、宛先端末候補は、テレビ会議を行う相手端末の候補、すなわち相手端末候補である。
なお、この状態情報は、各端末10、20の稼動状態(ONラインかOFFラインかの状態)と、ONラインにおいては更に通話中であるか、待受け中であるか等の詳細な状態(以下、通信状態と称する)を示す。また、この状態情報は、各端末10、20の稼動状態および通信状態だけでなく、ケーブルが端末10、20から外れている、音声を出力できるが画像は出力できない、音声を出力させないよう設定されている(MUTE)等、様々な状態を示す。以下では、一例として、状態情報が稼動状態および通信状態を示す場合について説明する。
通信部11はまた、当該端末10、20が開始要求端末として動作する場合には、開始要求情報を管理システム50に送信する。ここで、開始要求情報は、テレビ会議に用いられるセッションの開始を要求する情報である。開始要求情報は、具体的には、開始を要求する旨を示す情報と、開始要求情報の送信元である開始要求端末の端末IDと、セッションの相手となる宛先端末を識別する端末IDとを含んでいる。なお、端末IDは、端末10、20を識別するための情報である。
ユーザ認証受付部1−21は、認証受付I/F118で入力されたユーザの認証情報を受け付ける。
操作入力受付部12は、操作ボタン108、および電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、電源スイッチ109をONにすると、操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。
ログイン要求部13は、CPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、通信部11から通信ネットワーク2を介して管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、および当該端末10の現時点のIPアドレスを自動的に送信する。また、利用者が電源スイッチ109をONの状態からOFFにすると、通信部11は、管理システム50へ、電源をOFFする旨の状態情報を送信してから、操作入力受付部12が電源を完全にOFFにする。これにより、管理システム50側では、端末10が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
撮像部14は、CPU101、201からの命令、並びにカメラ112、210、および撮像素子I/F113、211によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。音声入力部15aは、音声入出力I/F116、214によって実現され、マイク114、212によって利用者の音声が音声信号に変換された後、この音声信号に係る音声データを入力する。音声出力部15bは、CPU101、201からの命令、並びに音声入出力I/F116、214によって実現され、音声データに係る音声信号をスピーカ115、213に出力し、スピーカ115、213から音声を出力させる。
表示制御部16は、ディスプレイI/F117等によって実現され、外付けのディスプレイ120または表示装置203に対して画像データを送信するための制御を行う。表示制御部16は、要求元としての端末10、20が所望の宛先としての端末10、20とテレビ会議の通話を開始する前に、通信部11による受信の開始後に受信された状態情報を反映させて各宛先名が含まれた宛先リストをディスプレイ120、表示装置203に表示させる。
遅延検出部18は、CPU101、201からの命令によって実現され、他の端末10、20から中継装置30を介して送られて来る画像データまたは音声データの遅延時間(ms)を検出する。
また、記憶・読出処理部19は、CPU101、201からの命令、並びに一例としてSSD105、209によって実行され、不揮発性記憶部1000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。この不揮発性記憶部1000には、端末10、20を識別するための端末ID(Identification)、およびパスワード等が記憶される。更に、記憶・読出処理部19は、揮発性記憶部1002に各種データを記憶したり、揮発性記憶部1002に記憶された各種データを読み出す処理も行う。この揮発性記憶部1002には、宛先端末との通話を行う際に受信されるコンテンツデータが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ120、表示装置203に画像が表示され、上書きされる前の音声データによってスピーカ115、213から音声が出力される。
宛先リスト作成部1−20は、管理システム50から受信した、後述の宛先リスト情報および後述の各宛先候補としての端末10の状態情報に基づいて、宛先候補の状態がアイコンで示された宛先リストの作成および更新を行う。
特に、本実施の形態では、端末10、20が管理システム50にログインしている状態で、端末10、20に応じた宛先リストがディスプレイ120等に表示されている状態で、端末10、20を利用するユーザが認証情報を認証受付I/F118等に対して入力して、管理システム50からユーザに応じた宛先リスト情報を受信した場合に、宛先リスト作成部1−20は、ユーザの宛先リスト情報から当該ユーザについての宛先リストを生成する。このため、表示制御部16は、端末10、20についての宛先リストのディスプレイ120等への表示を、新たに作成された、ユーザについての宛先リストの表示に更新する。
また、ユーザが管理システム50にログインしている状態で、ユーザに応じた宛先リストがディスプレイ120等に表示されている状態で、端末10、20を利用する他のユーザが認証情報を認証受付I/F118等に対して入力して、管理システム50から当該他のユーザに応じた宛先リスト情報を受信した場合に、宛先リスト作成部1−20は、他のユーザの宛先リスト情報から当該他のユーザについての宛先リストを生成する。このため、表示制御部16は、最初のユーザについての宛先リストのディスプレイ120等への表示を、新たに作成された、他のユーザについての宛先リストの表示に更新する。
専用機・汎用機連携部1−22は、専用機である端末10と汎用機である端末20の間の連携にかかる処理を制御する。より具体的には、ユーザの操作に応じ、予め端末20をいずれかの端末10と対応付け(ペアリング)、端末20に先方より着信があった場合に、端末20からの指示により端末10でテレビ会議を開始する制御を行う。また、端末20からの宛先リスト(アドレス帳)に基づく発信時に、ユーザの操作に応じ、端末20をいずれかの端末10と対応付け(ペアリング)、端末10から先方に発信を行ってテレビ会議を開始する制御を行う。
汎用機においても、専用機と同様に、発信・着信を行ってテレビ会議を行うことができるが、カメラ、ディスプレイ、スピーカ等の性能において専用機が有利であるため、専用機を使用してテレビ会議を行いたいという要望も強い。専用機において個人アカウントを用いて利用する場合、自分の宛先リストが他人の目に晒されたり、席を外している間に自己の個人アカウントを用いた不正な操作が行われたりするリスクがあるが、上述した専用機と汎用機の連携により、専用機においても、個人アカウントを用いた安全なテレビ会議を行うことができる。
<中継装置の機能構成>
次に、中継装置30の機能または手段について説明する。中継装置30は、通信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、および記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、ROM502に記憶されているプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、中継装置30は、HD504により構築され、中継装置30の電源をOFFにしても各種データや情報の記憶が維持される不揮発性記憶部3000を有している。
不揮発性記憶部3000には、変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB(Data Base)3001が構築される。なお、変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先としての端末10のIPアドレス、およびこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
[中継装置の各機能部]
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各部を説明するにあたって、各構成要素のうち、中継装置30の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
中継装置30の通信部31は、ネットワークI/F509によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、またはシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。状態検知部32は、CPU501からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「ONライン」、「OFFライン」、または「故障中」の状態がある。
データ品質確認部33は、CPU501からの命令によって実現され、宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理テーブルを検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。変更品質管理部34は、CPU501からの命令によって実現され、管理システム50から送られて来る品質情報に基づいて、変更品質管理DB3001の変更品質管理テーブルの内容を変更する。
データ品質変更部35は、CPU501からの命令によって実現され、送信元の端末10、20から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の変更品質管理テーブルの内容に基づいて変更する。記憶・読出処理部39は、HDD505によって実現され、不揮発性記憶部3000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<管理システムの機能構成>
次に、管理システム50の機能または手段について説明する。管理システム50は、通信部51、認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態取得部55、セッション管理部57、品質決定部58、記憶・読出処理部59、遅延時間管理部60、宛先判断部62を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、ROM502に記憶されているプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能または手段である。また、管理システム50は、管理システム50の電源をOFFにしても各種データや情報の記憶が維持されるHD504により構築される不揮発性記憶部5000を有している。この不揮発性記憶部5000には、各種情報が記憶されている。更に、管理システム50は、RAM503によって構築される揮発性記憶部5100を有している。
(中継装置管理テーブル)
不揮発性記憶部5000には、中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30を識別する中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、稼動状態が示される状態情報が管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、および中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。
(認証管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図6に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB5002が構築されている。この認証管理テーブルでは、管理システム50によって管理される全ての端末10、20の各端末IDおよび端末10を利用する全てのユーザのユーザIDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。ここで、端末IDは、端末10、20を識別する情報であり、ユーザIDは、ユーザを識別するための情報である。パスワードは、端末10、20またはユーザを認証するために利用される情報である。ここで、端末ID、ユーザIDをまとめてIDという。例えば、図6に示されている認証管理テーブルにおいて、ID「10aa」の端末またはユーザのパスワードは「aaaa」であることが示されている。
なお、本実施形態のIDは、それぞれ端末10、20またはユーザを一意に識別するために使われる言語、文字、記号、または各種のしるし等の識別情報を示す。また、IDは、上記言語、文字、記号、および各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。また、端末IDはユーザを識別するための識別情報も含む。
(端末管理テーブル)
また、不揮発性記憶部5000には、図7に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5003が構築されている。この端末管理テーブルでは、IDのうち、各端末10、20の端末ID毎に、端末名、各端末10、20の稼動状態、後述のログイン要求情報が管理システム50で受信された受信日時、および端末10、20のIPアドレスが関連付けられて管理される。
ここで、稼動状態としては、電源がオンされ、通信が可能または通信中の状態であるONラインと、電源がオンされていないなど、通信が可能でない状態であるOFFラインとがある。例えば、図7に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「10aa」の端末10aaは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「ONライン(通話可能)」で、管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、図8に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、管理システム50で管理される通話を含むテレビ会議において用いられるセッションの開始要求情報の要求元としての端末10、20である開始要求端末の端末IDに対して、この端末10、20から送信されるコンテンツデータの宛先の候補となる端末10、20である宛先端末候補を識別する端末IDや、当該端末を利用するユーザのユーザID等のIDが関連付けられて管理される。例えば、図8に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「10aa」である端末(端末10aa)からテレビ会議の開始を要求することができる宛先端末候補は、端末IDが「10ab」の端末10ab、端末IDが「10ac」の端末10ac、端末IDが「10ad」の端末10ad、および端末IDが「10ae」の端末10aeであることが示されている。この宛先端末候補は、開始要求端末から管理システム50に対する追加または削除の要請により、追加または削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、この不揮発性記憶部5000には、セッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されているこのセッション管理テーブルでは、端末間でコンテンツデータが伝送されるセッションを識別するためのセッションID毎に、このセッションでコンテンツデータの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、セッションの開始要求情報の送信元である開始要求端末の端末ID、セッションの開始要求情報において相手先として指定された宛先端末の端末ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、およびこの遅延時間が示されている遅延情報が宛先端末から送られて来て管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。
(品質管理テーブル)
更に、不揮発性記憶部5000には、品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。この品質管理テーブルでは、開始要求端末または宛先端末における画像データの遅延時間(ms)に応じて、中継装置30で中継させる画像データの画質(画像の品質)が関連付けられて管理される。
[管理システムの各機能部]
次に、管理システム50の各機能部について詳細に説明する。なお、以下では、管理システム50の各部を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、管理システム50の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
通信部51は、ネットワークI/F509によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置またはシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。認証部52は、通信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末IDまたはユーザIDおよびパスワードを検索キーとし、不揮発性記憶部5000の認証管理テーブルを検索し、認証管理テーブルに同一のIDおよびパスワードが管理されているかを判断することによって端末10、20またはユーザの認証を行う。
状態管理部53は、端末管理テーブルの稼動状態を管理する。状態管理部53は、ログイン要求してきた端末10、20(ログイン要求端末)の稼動状態を管理すべく、端末管理テーブルに、このログイン要求端末の端末ID、ログイン要求端末の稼動状態、管理システム50でログイン要求情報が受信された受信日時、およびログイン要求端末のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。状態管理部53は、端末10、20の利用者が端末10、20の電源スイッチ109等をOFFの状態からONにすることで、この端末10、20から送られてきた電源をONする旨の情報に基づいて、端末管理テーブルのOFFラインを示す稼動状態をONラインに設定する。また、利用者が端末10、20の電源スイッチ109等をONの状態からOFFにすることで、この端末10、20から送られてきた電源をOFFする旨の情報に基づいて、端末管理テーブルのONラインを示す稼動状態をOFFラインに設定する。
状態管理部53は、テレビ会議の開始要求情報の開始要求端末または宛先端末によって送信された変更要求情報が通信部51によって受信されると、変更要求情報に基づいて、端末管理テーブルにおける、開始要求端末および宛先端末のうち少なくとも一方の端末の稼動状態を適宜変更する。
端末抽出部54は、ログイン要求した端末10、20やユーザなど、処理対象となる対象端末の端末IDやユーザのユーザID、すなわちIDを検索キーとして、宛先リスト管理テーブルを検索し、対象端末と通話することができる、すなわちセッションを確立することのできる宛先端末候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。具体的には、端末抽出部54は、宛先リスト管理テーブルにおいて、対象のIDと一致する開始要求端末の端末IDに対応付けられている、宛先端末候補の端末IDを読み出す。
また、端末抽出部54は、対象端末のIDをキーとして、宛先リスト管理テーブルを検索し、対象端末のIDを宛先端末候補として登録している他の端末10、20の端末IDも抽出する。具体的には、端末抽出部54は、宛先リスト管理テーブルにおいて、対象端末のIDと一致する宛先端末候補の端末IDに対応付けられている、開始要求端末の端末IDを読み出す。
端末状態取得部55は、IDを検索キーとして、端末管理テーブルを検索し、ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた端末10、20と通話することができる宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、端末管理テーブルを検索し、ログイン要求してきた端末の稼動状態も取得する。
セッション管理部57は、不揮発性記憶部5000のセッション管理テーブルに、セッションID生成部で生成されたセッションID、要求元端末の端末ID、および宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部57は、セッション管理テーブルに対して、セッションID毎に、最終的に1つに選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
品質決定部58は、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理テーブルを検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。記憶・読出処理部59は、HDD505によって実行され、不揮発性記憶部5000に各種データを記憶したり、不揮発性記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。更に、記憶・読出処理部59は、揮発性記憶部5100に各種データを記憶したり、揮発性記憶部5100に記憶された各種データを読み出す処理も行う。
遅延時間管理部60は、上記宛先端末のIPアドレスを検索キーとして、端末管理テーブルを検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理テーブルにおいて、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
宛先判断部62は、宛先リスト管理テーブルを参照し、端末抽出部54によって抽出されたコンテンツデータ用セッションsedに参加している端末10、20の宛先端末IDに、参加を要求する端末10、20の宛先端末IDが含まれているか否かを判断する。
<<動作>>
<端末の起動>
図9は端末の起動時の処理例を示すシーケンス図であり、主として専用機である共用クライアント端末の起動時の処理を示している。
図9において、ユーザが端末01abの電源ボタンをオンにすることで起動すると(ステップS001)、端末01abは起動処理を行う(ステップS002)。
次いで、端末01abは、伝送管理システム50に対して予め設定された共用アカウントに基づいて認証要求を行い(ステップS003)、伝送管理システム50は端末認証を行い(ステップS004)、認証結果を端末01abに応答する(ステップS005)。
次いで、端末01abは、認証が正常に行われた場合、伝送管理システム50に対して宛先リスト要求を行い(ステップS006)、伝送管理システム50は宛先リストを送信する(ステップS007)。これにより、端末01abは、宛先リストを画面上に表示する(ステップS008)。また、伝送管理システム50は、他の端末01baに対して端末01abの状態通知を行う(ステップS009)。
その後、ユーザが個人アカウントのユーザ識別情報を端末01abに提示してログイン操作等を行うと(ステップS010)、端末01abは、伝送管理システム50に対してユーザ認証要求を行う(ステップS011)。なお、システムの実装により、ユーザ識別情報を提示してログイン操作を行う他に、有効なユーザ識別情報を提示することでログインという手続を経ずに利用が許容されるものでもよい。
これを受け、伝送管理システム50はユーザ認証を行い(ステップS012)、認証結果を端末01abに応答する(ステップS013)。また、伝送管理システム50は、他の端末01baに対してユーザの状態通知を行う(ステップS014)。
一方、汎用機である個人クライアント端末においては、ステップS001〜S009はなく、ステップS010〜S014の処理となる。
なお、以降の処理の説明において、端末の起動処理については簡略化して説明するが、詳細は図9に示した通りである。
<発信>
個人アカウントで個人クライアント端末を利用しているユーザが、個人クライアント端末上で個人の宛先リスト(アドレス帳)から宛先の選択と発信の操作を行い、その後は共用クライアント端末から発信を行って先方(着信先)とテレビ会議を行いたいと考える場合の処理は次のようになる。
[2次元コードを用いる場合]
図10および図11は実施形態の処理例を示すシーケンス図であり、QRコード(登録商標)等の2次元コードを用いて個人クライアント端末と共用クライアント端末の連携を行う例である。
図10において、先ず、ユーザは個人クライアント端末と共用クライアント端末を起動する(ステップS101、S105)。個人クライアント端末と共用クライアント端末はそれぞれのアカウントでログインし(ステップS102、S106)、宛先リストを表示する(ステップS103、S107)。
ここで、共用クライアント端末は、宛先リストに加えて、自己を特定する情報を含む2次元コードを表示する(ステップS103)。図12は共用クライアント端末の画面上に宛先リストI1と2次元コードI2が表示された状態を示している。
図13は2次元コードに埋め込まれるデータの例を示しており、共用クライアント端末のアドレスと、ランダムトークンと、任意で公開鍵が含まれている。図10の処理例では公開鍵を省略している。
アドレスは、個人クライアント端末が共用クライアント端末に対してメッセージを送信するときの宛先として使用される。
ランダムトークンは、共用クライアント端末が表示する2次元コードをユーザが保存して再利用することを防ぐために用いる。個人クライアント端末から共用クライアント端末にメッセージを送信する際にランダムトークンを併せて送信し、共用クライアント端末はランダムトークンが最新のものと一致していることを検証することで、2次元コードの再利用を防ぐことができる。
公開鍵は、個人クライアント端末が共用クライアント端末に対して送信するメッセージを暗号化するのに使用する。個人クライアント端末が共用クライアント端末に送信するメッセージ(発信中継要求)には個人アカウントでサービス利用を許可する重要な情報が含まれているため、公開鍵による暗号化によって、相手先の共用クライアント端末以外に内容を読まれることを防ぐ。
図10において、共用クライアント端末は、定期的にランダムトークンを変更して更新する(ステップS104)。前述したように、2次元コードが保存されて再利用されることを防ぐためである。
ユーザが個人クライアント端末を操作して、宛先リストから発信宛先を選択し(ステップS108)、発信確認画面の表示(ステップS109)に対して、共用クライアント端末のアイコンをタップすると(ステップS110)、個人クライアント端末は2次元コードリーダを起動する(ステップS111)。
図14は個人クライアント端末における操作例を示しており、(a)は宛先リストから「Aさん」を選択する状態、(b)は宛先「Aさん」に対して、「通常の会議開始」、「共用クライアント端末による会議開始」(共用クライアント端末のアイコン)、「キャンセル」の中から、「共用クライアント端末による会議開始」を選択した状態、(c)は2次元コードリーダが起動した状態を示している。
図10に戻り、ユーザが2次元コードリーダで、共用クライアント端末の画面上に表示される2次元コードを読み取ることで(ステップS112)、個人クライアント端末は、2次元コードから、共用クライアント端末のアドレスとランダムトークンを入手する(ステップS113)。
これにより、個人クライアント端末は、ユーザに中継処理開始通知を表示し(ステップS114)、共用クライアント端末のアドレスに対し、伝送管理システム50を介して、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報(ログイン情報等)と、ユーザが選択した発信宛先と、ランダムトークンとを、発信中系要求として送信する(ステップS115)。この状態で、個人クライアント端末は図14(d)に示すような発信中継中画面を表示する。
図10に戻り、共用クライアント端末は、伝送管理システム50を介して個人クライアント端末から発信中継要求を受信すると(ステップS116)、メッセージに含まれたランダムトークンが現在自身が表示しているランダムトークンと等しいかを検査する(ステップS117)。
次いで、図11において、共用クライアント端末は、ランダムトークンが等しければ承認メッセージを、等しくなければ否認メッセージを、伝送管理システム50を介して個人クライアント端末に対して送信する(ステップS118、S119)。
個人クライアント端末は、共用クライアント端末から返信を受信し、発信中継要求が承認されたか、否認されたかをユーザに表示する(ステップS120)。承認された場合は、同時に個人アカウントからログアウトする(ステップS121)。図14(e)は発信中継結果画面の例を示している。
図11に戻り、共用クライアント端末は、承認した場合、発信中継要求に含まれた、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報を用いて、個人アカウントでのログインを行う(ステップS122)。
次いで、共用クライアント端末は、個人アカウントでのログインに成功すると、発信中継要求に含まれた、ユーザが選択した発信宛先に対して発信を行う(ステップS123)。伝送管理システム50は、共用クライアント端末から個人アカウントによる発信を受け付けると、宛先クライアント端末に発信を行い(ステップS124)、応答を得ると(ステップS125)、共用クライアント端末に応答を通知するとともに(ステップS126)、中継装置30に会議開始要求を行う(ステップS127)。
共用クライアント端末は、応答が得られて発信に成功すると、中継装置30に会議開始要求を行い(ステップS128)、会議画面に遷移して、宛先クライアント端末とのテレビ会議を開始する。
何らかの理由で会議が終了し、中継装置30から共用クライアント端末に会議終了が通知されると(ステップS129)、共用クライアント端末は個人アカウントからログアウトし(ステップS130)、終了通知をユーザに表示する(ステップS131)。
ユーザが終了通知を確認する(OKを押す)と(ステップS132)、共用クライアント端末は、共用アカウントでログインし(ステップS133)、共用アカウントの宛先リストを表示する。
[トークン文字列を手入力する場合]
図15および図16は実施形態の他の処理例を示すシーケンス図であり、トークン文字列を手入力することで個人クライアント端末と共用クライアント端末の連携を行う例である。
図15において、先ず、ユーザは個人クライアント端末と共用クライアント端末を起動する(ステップS201、S204)。個人クライアント端末と共用クライアント端末はそれぞれのアカウントでログインし(ステップS202、S205)、宛先リストを表示する(ステップS203、S206)。
ここで、共用クライアント端末は、宛先リストに加えて、自己を特定する情報を含むトークン文字列を表示する(ステップS203)。なお、トークン文字列は一定時間毎に再生成して表示を更新する。トークン文字列は、図12の2次元コードI2に代えて、または、2次元コードI2と併せて表示される。トークン文字列は、図13に示した内容をエンコードした文字列である。
図15に戻り、ユーザが個人クライアント端末を操作して、宛先リストから発信宛先を選択し(ステップS207)、発信確認画面の表示(ステップS208)に対して、共用クライアント端末のアイコンをタップすると(ステップS209)、個人クライアント端末はトークン入力画面を表示する(ステップS210)。
図17は個人クライアント端末における操作例を示しており、(a)は宛先リストから「Aさん」を選択する状態、(b)は宛先「Aさん」に対して、「通常の会議開始」、「共用クライアント端末による会議開始」(共用クライアント端末のアイコン)、「キャンセル」の中から、「共用クライアント端末による会議開始」を選択した状態、(c)はトークン入力画面が表示された状態を示している。
図15に戻り、ユーザが共用クライアント端末に表示されるトークン文字列を見て(ステップS211、S212)、トークン入力画面にトークン文字列を入力すると(ステップS213)、個人クライアント端末はトークン文字列を復号化し、共用クライアント端末のアドレスとランダムトークンを入手する(ステップS214)。
これにより、個人クライアント端末は、共用クライアント端末のアドレスに対し、伝送管理システム50を介して、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報(ログイン情報等)と、ユーザが選択した発信宛先と、ランダムトークンとを、発信中系要求として送信する(ステップS215)。この状態で、個人クライアント端末は図17(d)に示すような発信中継中画面を表示する。
図15に戻り、共用クライアント端末は、伝送管理システム50を介して個人クライアント端末から発信中継要求を受信すると(ステップS216)、メッセージに含まれたランダムトークンが現在自身が表示しているランダムトークンと等しいかを検査する(ステップS217)。
次いで、図16において、共用クライアント端末は、ランダムトークンが等しければ承認メッセージを、等しくなければ否認メッセージを、伝送管理システム50を介して個人クライアント端末に対して送信する(ステップS218、S219)。
個人クライアント端末は、共用クライアント端末から返信を受信し、発信中継要求が承認されたか、否認されたかをユーザに表示する(ステップS220)。承認された場合は、同時に個人アカウントからログアウトする(ステップS221)。図17(e)は発信中継結果画面の例を示している。
図16に戻り、共用クライアント端末は、承認した場合、発信中継要求に含まれた、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報を用いて、個人アカウントでのログインを行う(ステップS222)。
次いで、共用クライアント端末は、個人アカウントでのログインに成功すると、発信中継要求に含まれた、ユーザが選択した発信宛先に対して発信を行う(ステップS223)。伝送管理システム50は、共用クライアント端末から個人アカウントによる発信を受け付けると、宛先クライアント端末に発信を行い(ステップS224)、応答を得ると(ステップS225)、共用クライアント端末に応答を通知するとともに(ステップS226)、中継装置30に会議開始要求を行う(ステップS227)。
共用クライアント端末は、応答が得られて発信に成功すると、中継装置30に会議開始要求を行い(ステップS228)、会議画面に遷移して、宛先クライアント端末とのテレビ会議を開始する。
何らかの理由で会議が終了し、中継装置30から共用クライアント端末に会議終了が通知されると(ステップS229)、共用クライアント端末は個人アカウントからログアウトし(ステップS230)、終了通知をユーザに表示する(ステップS231)。
ユーザが終了通知を確認する(OKを押す)と(ステップS232)、共用クライアント端末は、共用アカウントでログインし(ステップS233)、共用アカウントの宛先リストを表示する。
[端末間の直接通信(NFC)を用いる場合]
図18および図19は実施形態の他の処理例を示すシーケンス図であり、端末間の直接通信(NFC)を用いることで個人クライアント端末と共用クライアント端末の連携を行う例である。
図18において、先ず、ユーザは個人クライアント端末と共用クライアント端末を起動する(ステップS301、S305)。個人クライアント端末と共用クライアント端末はそれぞれのアカウントでログインし(ステップS302、S306)、宛先リストを表示する(ステップS303、S307)。
共用クライアント端末は、NFCによる直接通信の待機に入る(ステップS304)。なお、直接通信の場合、物理的な近接によって相互に認識できるため、アドレスやランダムトークンを別に提示する必要はない。
次いで、ユーザが個人クライアント端末を操作して、宛先リストから発信宛先を選択し(ステップS308)、発信確認画面の表示(ステップS309)に対して、共用クライアント端末のアイコンをタップすると(ステップS310)、個人クライアント端末はNFC操作(共用クライアント端末への近接)を促す画面を表示する(ステップS311)。
図20は個人クライアント端末における操作例を示しており、(a)は宛先リストから「Aさん」を選択する状態、(b)は宛先「Aさん」に対して、「通常の会議開始」、「共用クライアント端末による会議開始」(共用クライアント端末のアイコン)、「キャンセル」の中から、「共用クライアント端末による会議開始」を選択した状態、(c)はNFC操作を促す画面が表示された状態を示している。
図18に戻り、ユーザが個人クライアント端末をNFC通信のために共用クライアント端末にタッチすることで、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報(ログイン情報等)と、ユーザが選択した発信宛先とが、発信中系要求としてNFC通信により共用クライアント端末に送信される(ステップS312)。
また、個人クライアント端末はNFCタッチを検知し(ステップS313)、ユーザに中継処理開始通知を表示する(ステップS314)。この状態で、個人クライアント端末は図20(d)に示すような発信中継中画面を表示する。
図18に戻り、共用クライアント端末は、個人クライアント端末から発信中継要求を受信すると、個人クライアント端末に対して、発信中継要求を承認するか否認するかをNFC通信で返信する(ステップS315)。
図19において、個人クライアント端末は、共用クライアント端末から返信を受信し、発信中継要求が承認されたか、否認されたかをユーザに表示する(ステップS316)。承認された場合は、同時に個人アカウントからログアウトする(ステップS317)。図20(e)は発信中継結果画面の例を示している。
図19に戻り、共用クライアント端末は、承認した場合、発信中継要求に含まれた、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報を用いて、個人アカウントでのログインを行う(ステップS318)。
次いで、共用クライアント端末は、個人アカウントでのログインに成功すると、発信中継要求に含まれた、ユーザが選択した発信宛先に対して発信を行う(ステップS319)。伝送管理システム50は、共用クライアント端末から個人アカウントによる発信を受け付けると、宛先クライアント端末に発信を行い(ステップS320)、応答を得ると(ステップS321)、共用クライアント端末に応答を通知するとともに(ステップS322)、中継装置30に会議開始要求を行う(ステップS323)。
共用クライアント端末は、応答が得られて発信に成功すると、中継装置30に会議開始要求を行い(ステップS324)、会議画面に遷移して、宛先クライアント端末とのテレビ会議を開始する。
何らかの理由で会議が終了し、中継装置30から共用クライアント端末に会議終了が通知されると(ステップS325)、共用クライアント端末は個人アカウントからログアウトし(ステップS326)、終了通知をユーザに表示する(ステップS327)。
ユーザが終了通知を確認する(OKを押す)と(ステップS328)、共用クライアント端末は、共用アカウントでログインし(ステップS329)、共用アカウントの宛先リストを表示する。
[端末間の直接通信(Bluetooth)を用いる場合]
図21および図22は実施形態の他の処理例を示すシーケンス図であり、端末間の直接通信(Bluetooth)を用いることで個人クライアント端末と共用クライアント端末の連携を行う例である。
図21において、先ず、ユーザは個人クライアント端末と共用クライアント端末を起動する(ステップS401、S404)。個人クライアント端末と共用クライアント端末はそれぞれのアカウントでログインし(ステップS402、S405)、宛先リストを表示する(ステップS403、S407)。なお、個人クライアント端末と共用クライアント端末は、随時にBluetoothペアリング(存在確認)を試みる(ステップS406)。
次いで、ユーザが個人クライアント端末を操作して、宛先リストから発信宛先を選択し(ステップS408)、発信確認画面の表示(ステップS409)に対して、共用クライアント端末のアイコンをタップすると(ステップS410)、個人クライアント端末は、ユーザに発信中継中画面を表示する(ステップS411)。同時に、個人クライアント端末は、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報(ログイン情報等)と、ユーザが選択した発信宛先とを、発信中系要求としてBluetooth通信により共用クライアント端末に送信する(ステップS412)。
図23は個人クライアント端末における操作例を示しており、(a)は宛先リストから「Aさん」を選択する状態、(b)は宛先「Aさん」に対して、「通常の会議開始」、「共用クライアント端末による会議開始」(共用クライアント端末のアイコン)、「キャンセル」の中から、「共用クライアント端末による会議開始」を選択した状態、(c)は発信中継中画面が表示された状態を示している。
図22において、共用クライアント端末は、個人クライアント端末から発信中継要求を受信すると、個人クライアント端末に対して、発信中継要求を承認するか否認するかをBluetooth通信で返信する(ステップS413)。
個人クライアント端末は、共用クライアント端末から返信を受信し、発信中継要求が承認されたか、否認されたかをユーザに表示する(ステップS414)。承認された場合は、同時に個人アカウントからログアウトする(ステップS415)。図23(d)は発信中継結果画面の例を示している。
図22に戻り、共用クライアント端末は、承認した場合、発信中継要求に含まれた、個人アカウントによりテレビ会議サービスを利用するための認可情報を用いて、個人アカウントでのログインを行う(ステップS416)。
次いで、共用クライアント端末は、個人アカウントでのログインに成功すると、発信中継要求に含まれた、ユーザが選択した発信宛先に対して発信を行う(ステップS417)。伝送管理システム50は、共用クライアント端末から個人アカウントによる発信を受け付けると、宛先クライアント端末に発信を行い(ステップS418)、応答を得ると(ステップS419)、共用クライアント端末に応答を通知するとともに(ステップS420)、中継装置30に会議開始要求を行う(ステップS421)。
共用クライアント端末は、応答が得られて発信に成功すると、中継装置30に会議開始要求を行い(ステップS422)、会議画面に遷移して、宛先クライアント端末とのテレビ会議を開始する。
何らかの理由で会議が終了し、中継装置30から共用クライアント端末に会議終了が通知されると(ステップS423)、共用クライアント端末は個人アカウントからログアウトし(ステップS424)、終了通知をユーザに表示する(ステップS425)。
ユーザが終了通知を確認する(OKを押す)と(ステップS426)、共用クライアント端末は、共用アカウントでログインし(ステップS427)、共用アカウントの宛先リストを表示する。
[位置情報を用いる場合]
個人クライアント端末がGPS(Global Positioning System)等の位置情報取得手段を有している場合、その位置情報を伝送管理システム50に通知することで、位置情報が予め登録されていて付近にあると判断できる共用クライアント端末を検索することができる。そして、伝送管理システム50から該当する共用クライアント端末のアドレスを個人クライアント端末に提供することで、個人クライアント端末から共用クライアント端末に対し、伝送管理システム50を通じて発信中継要求を送信することができる。
図24は、各端末の起動の後、個人クライアント端末に対し、伝送管理システム50から周辺の共用クライアント端末のアドレスを通知する部分のみを示している。従って、図10および図11においては、2次元コードを読み取って共用クライアント端末のアドレスを取得する部分に、図15および図16においては、手入力されたトークン文字列から共用クライアント端末のアドレスを取得する部分に、それぞれ適用することができる。その他の処理は、図10、図11、図15、図16と同様である。なお、ランダムトークンについての処理は不要となる。
図24において、個人クライアント端末が起動されると(ステップS501)、GPS等を利用した自己位置を推定する(ステップS502)。
また、共用クライアント端末が起動されると(ステップS503)、共用クライアント端末にGPS等の位置情報取得手段が搭載されている場合、自己位置を推定し(ステップS504)、伝送管理システム50に対して共用クライアント端末の位置情報を登録する(ステップS505)。
なお、共用クライアント端末に位置情報取得手段が搭載されていない場合、管理者ユーザが管理ユーティリティを介して伝送管理システム50に共用クライアント端末の位置情報を登録する(ステップS506、S507)。
その後、個人クライアント端末は、伝送管理システム50に対し、自己の位置情報を伴って、周辺の共用クライアント端末の情報を要求する(ステップS508)。
これに応じて、伝送管理システム50は、登録されている共用クライアント端末の位置情報に基づき、個人クライアント端末と位置が近い共用クライアント端末を検索し(ステップS509)、存在する場合には共用クライアント端末のアドレスを伴って、個人クライアント端末に応答を行う(ステップS510)。
<<総括>>
以上説明したように、本実施形態によれば、専用機と汎用機の連携により、専用機においても個人アカウントを用いた安全な利用を行うことができる。
なお、専用機は汎用機と比較して少なくとも1つ以上の異なるソフトウェア性能またはハードウェア性能を有していればよい。また、専用機は全てのハードウェア性能が汎用機より高くなくともよい。
また、上記実施形態では、専用機の一例として、テレビ会議端末の場合について説明したが、これに限るものではなく、IP(Internet Protocol)電話や、インターネット電話等であってもよい。また、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話機、カーナビゲーション端末、ウェアラブルコンピュータ、カメラ、プロジェクタ、電子黒板、ゲーム機、電子看板(デジタルサイネージ)、または、通信機能を備えた産業用機器のいずれかであってもよい。ウェアラブルコンピュータには、腕時計やヘッドマウントディスプレイ等が含まれる。また、産業用機器には、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)等のオフィス機器、内視鏡等の医療用機器、耕運機等の農業用機器などが含まれる。
また、汎用機にはノートPC、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話機、またはウェアラブルコンピュータも含まれる。
上記実施形態における管理システム50、中継装置30、およびプログラム提供システム90は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能または手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。また、プログラム提供システム90が単一のコンピュータによって構築されている場合には、プログラム提供システム90によって送信されるプログラムは、複数のモジュールに分けて送信されるようにしてもよいし、分けないで送信されるようにしてもよい。更に、プログラム提供システム90が複数のコンピュータによって構築されている場合には、複数のモジュールが分けられた状態で、各コンピュータから送信されるようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
<実施形態の用語と請求項の用語の対応>
「共用クライアント端末」は「第1の伝送端末」の一例である。「個人クライアント端末」は「第2の伝送端末」の一例である。「専用機・汎用機連携部1−22」は「受け付ける手段」「送信する手段」「受信する手段」「開始する手段」の一例である。