JP2019194283A - 高分子電解質溶液及び高分子電解質膜 - Google Patents

高分子電解質溶液及び高分子電解質膜 Download PDF

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裕貴 森
尚則 東本
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尚則 東本
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Abstract

【課題】 分散性及び膜強度をバランスよく向上可能な高分子電解質溶液及び高分子電解質膜を提供することにある。【解決手段】パーフルオロスルホン酸ポリマーと、下記条件1を満たす溶媒を2種類以上含有する混合溶媒と、を含む高分子電解質溶液。(条件1)ハンセンの溶解度パラメータにおいて、誘電項δPが14〜20MPa0.5であり、かつ水素結合項δHが3〜45MPa0.5である【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質溶液及び高分子電解質膜に関する。
固体高分子電解質型燃料電池は、自動車代替動力源、家庭用コジェネレーションシステム、携帯用発電機等として期待されている。このような固体高分子電解質型燃料電池に用いられるプロトン交換膜としては、通常、高分子鎖中にスルホン酸基を有し、プロトンを選択的に透過可能な材料が用いられる。このような材料としては、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)等のパーフルオロスルホン酸ポリマーが好適に用いられる。
特許文献1には、スルホン酸塩官能基を有し、イオン交換比率が特定値以下であるフッ素化イオン交換ポリマーからなる粒子を含み、上記粒子が特定条件を満たす固形状又は液状の組成物が、優れた薄膜形成能を有することが開示されている。
特表2001−504872号公報(特許第3936402号)
しかしながら、特許文献1のようなスルホン酸塩官能基を有するフッ素化イオン交換ポリマーを含む組成物について、分散性及び膜強度をバランスよく向上させることが求められている。
そこで、本発明の目的は、分散性及び膜強度をバランスよく向上可能な高分子電解質溶液及び高分子電解質膜を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、高分子電解質としてパーフルオロスルホン酸ポリマーを、特定条件を満たす溶媒中に溶解させて得られる高分子電解質溶液は、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
パーフルオロスルホン酸ポリマーと、下記条件1を満たす溶媒を2種類以上含有する混合溶媒と、を含む高分子電解質溶液。
(条件1)
ハンセンの溶解度パラメータにおいて、誘電項δPが14〜20MPa0.5であり、かつ水素結合項δHが3〜45MPa0.5である
[2]
小角X線散乱により測定される高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸ポリマーのシリンダー径Dが0.8nm以上1.8nm以下である高分子電解質溶液。
[3]
小角X線散乱により測定される高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸ポリマーのシリンダー径Dが1.0nm以上1.7nm以下である[1]又は[2]の高分子電解質溶液。
[4]
前記パーフルオロスルホン酸ポリマーが下記式(1)で表される[1]〜[3]のいずれかの高分子電解質溶液。
−[CF2CF2e−[CF2−CF(−O−(CF2f−SO3Y)]g− (1)
(式(1)中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1を満たし、fは、0以上10以下の整数であり、Yは、水素原子又はアルカリ金属原子を示す。)
[5]
前記高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸の含有量が1〜50質量%である[1]〜[4]のいずれかの高分子電解質溶液。
[6]
高分子電解質膜であって、前記高分子電解質膜中のアセトアミドの含有量が60〜3500質量ppmである高分子電解質膜。
[7]
[1]〜[5]のいずれかの高分子電解質溶液から形成される高分子電解質膜。
本発明によれば、分散性及び膜強度をバランスよく向上可能な高分子電解質溶液及び高分子電解質膜を提供可能である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[高分子電解質溶液]
本実施形態の高分子電解質溶液は、パーフルオロスルホン酸(PFSA)ポリマーと、下記条件1を満たす溶媒を2種類以上含有する混合溶媒とを含む。
(条件1)
ハンセンの溶解度パラメータにおいて、誘電項(分極項)δPが14〜20MPa0.5であり、かつ水素結合項δHが3〜45MPa0.5である
パーフルオロスルホン酸ポリマーは、溶液中では、数本のポリマーの主鎖同士が疎水性相互作用により凝集して、シリンダー状の単分子ミセルを形成する。ここで、本発明者らは、上記シリンダー状の単分子ミセルのシリンダー径が小さい程、成膜時に単分子ミセル同士が絡み合い易いことに起因して膜強度が向上することを見出した。一方で、本発明者らは、上記単分子ミセルのシリンダー径が小さい程、溶液中でも単分子ミセル同士の絡み合いが生じ易いことに起因して、分散性に劣り、ゲル化し易いことも見出した。これに対し、本発明者らは、鋭意検討したところ、ハンセンの溶解度パラメータにおいて、誘電項δP及び水素結合項δHがそれぞれ特定値以上である溶媒を2種以上組み合わせた混合溶媒にパーフルオロスルホン酸ポリマーを溶解させると、得られる高分子電解質溶液は、分散性を向上できるため、ゲル化しにくく、ポットライフに優れること、更には成膜時の膜強度を向上できることを見出した。
(パーフルオロスルホン酸ポリマー)
パーフルオロスルホン酸ポリマーは、下記式(0)で表される構造単位を有することが好ましい。
−[CF2CX12a−[CF2−CF((−O−CF2−CF(CF23))b−Oc−(CFR1d−(CFR2e−(CF2f−X4)]g−(0)
式(0)中、X1、X2及びX3は、それぞれ独立してハロゲン原子及び炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基からなる群から選択され、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子であることが好ましい。X4は、−COOZ、−SO3Z、−PO32若しくは−PO3HZの式で表される1価の基、又は−COOMOOC−、−SO3MO3S−、−PO323P−若しくは−PO3HMHO3P−の式で表される2価の基であってもよい。X4が2価の基である場合、X4を介して、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー同士が架橋されていてもよい。Zは、水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子若しくはカリウム原子等のアルカリ金属原子、又はアミン類(例えば、NH4、NH31、NH212、NHR123、NR1234)を示す。Mは、カルシウム原子若しくはマグネシウム原子等のアルカリ土類金属原子を示す。R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立してアルキル基及びアリール基からなる群から選択される。X4が−PO32である場合、2つのZは互いに同じでも異なっていてもよい。
アルキル基としては、特に限定されず、例えば、式Cn2n+1で表される1価の基(nは、1以上の整数を示し、1〜20の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。)が挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、アルキル基は、置換基を有してもよい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、アリール基は、置換基を有してもよい。
1及びR2は、それぞれ独立してハロゲン原子、炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基及びフルオロクロロアルキル基からなる群から選択され、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子であることが好ましい。
a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、かつa+g=1を満たす数である。bは0〜8の整数である。cは0または1である。d、e及びfはそれぞれ独立して0〜6の整数である(ただし、d、e及びfは同時に0ではない。)。
これらの中でも、パーフルオロスルホン酸ポリマーは、分散性及び膜強度を一層バランスよく両立させる観点から、下記式(0a)又は(1)で表されることが好ましく、下記式(1)で表されることがより好ましい。
−[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2c−SO3X)]d−(0a)
式(0a)中、a及びdは、0≦a<1、0≦d<1、a+d=1である。bは、1以上8以下の整数である。cは、0以上10以下の整数である。Xは、水素原子又はアルカリ金属原子である。
−[CF2CF2e−[CF2−CF(−O−(CF2f−SO3Y)]g−(1)
式(1)中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1である。fは0以上10以下の整数である。Yは水素原子又はアルカリ金属原子である。
パーフルオロスルホン酸ポリマーは、公知の方法により調製した調製品又は市販品を用いることができる。
高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸ポリマーの含有量は、特に限定されず、例えば1〜50質量%であり、好ましくは2〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%であってもよい。
小角X線散乱により測定される前記高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸ポリマーのシリンダー径Dは、分散性及び膜強度をバランスよく両立させる観点から、0.8nm以上1.8nm以下であり、0.9nm以上1.75nm以下であることが好ましく、1.0nm以上1.7nm以下であることがより好ましい。シリンダー径Dは、後述する実施例に記載の方法により求められる。尚、本実施形態の高分子電解質溶液は、分散性及び膜強度をバランスよく両立させるために、シリンダー径が上記範囲内であれば必ずしも条件1を満たす必要はない。
(混合溶媒)
混合溶媒は、下記条件1を満たす溶媒を2種類以上含有する。
(条件1)
ハンセンの溶解度パラメータにおいて、誘電項δPが14〜20MPa0.5であり、かつ水素結合項δHが5〜45MPa0.5である
条件1を満たす溶媒としては、例えば、水、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル、γ―ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
混合溶媒は、分散性と膜強度を一層バランスよく向上させる観点から、誘電項δPが14〜20MPa0.5であり、水素結合項δHが5〜25MPa0.5(好ましくは5〜20MPa0.5であり、より好ましくは5〜15MPa0.5)である溶媒Aと、誘電項δPが14〜20MPa0.5であり、水素結合項δHが30〜45MPa0.5(好ましくは35〜45MPa0.5であり、より好ましくは40〜45MPa0.5)である溶媒Bを含むことが好ましい。
溶媒Aと溶媒Bとの割合は、膜強度を一層向上させる観点から、前者/後者(質量比)=10/90〜90/10であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましく、30/70〜70/30であることが更に好ましい。
混合溶媒は、下記条件1を満たす溶媒が、更に下記条件2を満たすことが好ましい。
(条件2)
ハンセンの溶解度パラメータにおいて、誘電項が、(18.0−2.0X)MPa0.5であり、水素結合項δHが(6.1+36.2X)MPa0.5である(但し、Xは0以上1以下の実数を表す。)
(用途)
本実施形態の高分子電解質溶液は、成膜時の膜強度を向上できるため、例えば、固体高分子電解質膜として、固体高分子型燃料電池、レドックスフロー電池等に好適に用いられる。
[高分子電解質膜]
本実施形態の第1の高分子電解質膜は、高分子電解質膜中のアセトアミドの含有量が60〜3500質量ppmである。本実施形態の高分子電解質膜は、高分子電解質膜中のアセトアミドの含有量が60〜3500質量ppmであることにより、膜強度を一層向上できる。同様の観点から、含有量は、100〜3000質量ppmであることが好ましく、150〜2500質量ppmであることがより好ましく、500〜2000質量ppmであることが更に好ましい。アセトアミドの含有量を上記範囲内とするためには、例えば、第1の高分子電解質膜を形成する高分子電解質溶液にアセトアミドを適量添加すればよい。
本実施形態の第2の高分子電解質膜は、本実施形態の高分子電解質溶液から形成される高分子電解質膜である。本実施形態の第2の高分子電解質膜は、本実施形態の高分子電解質溶液から形成されることにより、膜強度を一層向上できる。第2の高分子電解質膜は、例えば、本実施形態の高分子電解質溶液を公知の基材に塗布し(塗布工程)、乾燥させ(乾燥工程)、必要に応じて冷却し(冷却工程)、更に熱処理させる(熱処理工程)ことにより得ることができる。塗布工程における塗布方法としては、特に限定されず、公知の塗布方法が用いられる。乾燥工程における乾燥温度としては、特に限定されず、例えば、室温〜150℃程度であってもよく、乾燥時間は特に限定されず、例えば、10〜120分程度であってもよい。乾燥工程では、乾燥温度を段階的に変化させて行ってもよく、例えば、後述する実施例のように行ってもよい。冷却工程における冷却温度は、例えば、室温程度であってもよく、冷却時間は、例えば、30〜90分程度であってもよい。熱処理工程における熱処理温度は、例えば、150〜200℃程度であってもよく、熱処理時間は、5〜15分程度であってもよい。
本実施形態の第2の高分子電解質膜は、高分子電解質膜中のアセトアミドの含有量が60〜3500質量ppmであることが好ましい。本実施形態の第2の高分子電解質膜は、高分子電解質膜中のアセトアミドの含有量が60〜3500質量ppmであることにより、膜強度を一層向上できる。同様の観点から、含有量は、100〜3000質量ppmであることが好ましく、150〜2500質量ppmであることがより好ましく、500〜2000質量ppmであることが更に好ましい。
以下、実施例などを用いて本発明を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部数は特に断らない限り質量部である。
(小角X線散乱)
シリンダー径は小角X線散乱(SAXS)により測定した。高分子電解質溶液を、ポリマーフィルムを窓材とした厚み1mmの溶液セルにセットし、これに対して25℃において透過法SAXS測定を実施した。窓材のポリマーフィルムには、高分子電解質溶液に用いている溶媒に耐性のあるフィルム(ポリエーテルイミド、ポリプロピレン、カプトン)を用いた。測定は株式会社リガク製NANOPIX(検出器:HyPix−6000)を用い、X線波長λ:0.154nm及びカメラ長:401mmの条件で行った。測定時間は、後述のフィッティング作業に支障がないように十分なS/N比でデータが得られるように決定した。また、測定散乱角範囲も後述のフィッティング作業に支障がないように決定した。二次元検出器により取得したデータは円環平均によりデータを一次元化した。得られたSAXSプロフィールに対しては、検出器の暗電流補正等、検出器に由来する補正、試料以外の物質による散乱に対する補正(空セル散乱補正)を実施した。SAXSプロフィールに対するX線ビーム形状の影響(スメアの影響)が大きい場合は、X線ビーム形状に対する補正(デスメア)も行った。こうして得られた一次元SAXSプロフィールには高分子電解質形成したミセルに由来する散乱プロフィールを観察した。こうして得られたSAXSプロフィール対し、式1によりフィッティングを行い、シリンダー径D=2R0を算出した。フィッティングはWaveMetrics社製ソフトウェアIgor Pro ver.6.3.6.4を用いた。式1において、F(q,R0)はシリンダー長さ無限大、平均シリンダー半径R0で体積分布がSchultz−Zimm分布となる半径(R)分布P(R)を持つ内部が均一なシリンダー状構造の散乱式で、S(q,a,η)はシリンダー構造間の干渉項を表している。S(q,a,η)は半径aの剛体球間の干渉項を表す式(Percus−Yevickの式)であるが、ここではシリンダー構造間の干渉項を表すのに用いた。BGは溶媒の散乱等試料由来のバックグラウンドで、ここでは定数とした。フィッティングに際して、c、a、η、R0、σ、BGを可変パラメータとした。なお、下記式1で表される散乱プロフィールはS(q,a,η)に由来するピークを示す。フィッティング範囲は0.15<q<5nm-1とした。フィッティング範囲はシリンダー構造からの散乱が支配的な散乱角範囲とすべきであり、試料溶液によってはフィッティング範囲を上記範囲から変えるべきである。小角側はピークの小角側の裾付近、広角側は散乱強度がBGと近くなる付近をフィッティング範囲の目安とする。
(引張試験)
高分子電解質膜をNTカッターを用いて4cm×1cmの大きさに切出し、両端を1cm×1cmの領域を強粘着ノート(スリーエムジャパン株式会社製、「654SS」)にて固定し、温度23℃湿度、45%RHの環境にて2時間静置した。引張試験機(株式会社島津製作所製、AGS−X)にて引張試験を実施し、得られた応力―ひずみ曲線から、引張強度を求めた。この際、少なくとも10回試験を実施し、実施して得られた平均値を引張強度とした。
(アセトアミド含有量)
高分子電解質膜をポリプレン(PP)製20mL容器中で高分子電解質膜と純水との重量比が1:9となるように純水を加え密封し、25℃の温度で24時間抽出を行った。得られた抽出液を以下の条件にてガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)測定を実施し、アセトニトリル、アセトアミド、及び酢酸の定量を行った。定量用標準試料としてアセトアミド水溶液を調整し、同条件で下記条件にてGC/MS測定を実施した。これらの測定に基づいて高分子電解質膜中のアセトアミドの含有量を求めた。
(条件)
・GC/MS装置:「Agilement6890/MSD」
・カラム:DB−wax(0.25mm i.d.×30m) 液相厚 0.25μm
・カラム温度:40℃(5min.)−10℃/min.昇温−240℃(5min.)
・注入口温度:240℃
・カラム流量:1.0mL/min
・注入法:スプリット法(スプリット比1/20)
・イオン源温度:230℃
・インターフェイス温度:230℃
・イオン化法:電子イオン化(EI)法
・試料量:1μl
[実施例1]
パーフルオロスルホン酸ポリマーの水分散溶液水分散溶液(固形分21重量%)をプラスチック製チューブに2mL投入し、40℃のフリーザーにて一晩静置して凍結させた。その後、ピペットを遠心濃縮機を用いて常温減圧下にて24時間乾燥を行ったところ、脆い白色個体(PFSA固体)を得た。
上記白色個体1.0gを20mLガラス製容器に入れ、あらかじめ別のガラス容器にて混合したアセトニトリル/水混合溶媒(混合比は重量比1:1)を9.0g加えた。振とう機(ヤマト科学株式会社製、「MK201D」)にて振とうし、固形分が10質量%である透明な溶液を得た。この透明な溶液を固形分が2質量%となるまで希釈することにより、高分子電解質溶液を得た。この高分子電解質溶液について小角X線散乱により測定した結果、シリンダー径は、1.50nmであった。
次に、高分子電解質溶液2mLを、プラスチックシリンジ(テルモ株式会社製、「SS−01T」)を用いて、シャーレ(直径13cm、高さ2cm)上でカプトンフィルム(東レ・デュポン社製5cm×5cm)上にできる限り均一になるように塗布した。塗布後、ドラフト内で室温にて30分間乾燥させた後、120℃のオーブン(ヤマト科学株式会社製、DKM400)内で30分間乾燥を行った。オーブンでの乾燥後、オーブンからシャーレを取り出し、60分間で室温まで自然冷却させた後、190℃のオーブン内にて10分間の熱処理を行った。熱処理後、60分間かけて室温まで自然冷却し、粘着テープを用いて基材から剥離することで無色透明の膜(高分子電解質膜)が得られた。
[実施例2]
アセトニトリル/水混合溶媒の重量比を2:1とした以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[実施例3]
アセトニトリル/水混合溶媒の重量比を1:2とした以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[実施例4]
アセトニトリル/水混合溶媒の重量比を9:1とした以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[実施例5]
アセトニトリル/水混合溶媒の重量比を3:1とした以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[実施例6]
アセトニトリル/水混合溶媒の重量比を1:3とした以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[実施例7]
アセトニトリル/水混合溶媒の重量比を1:9とした以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例1]
アセトニトリル/水混合溶媒に代えてアセトニトリルの単独溶媒を用いた以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例2]
アセトニトリル/水混合溶媒に代えて水の単独溶媒を用いた以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例3]
アセトニトリル/水混合溶媒に代えてエタノール/水混合溶媒(重量比9:1)を用いた以外は実施例1と同様にしてシリンダー径を測定した。測定結果を表1に示す。なお、この比較例では、固形分10質量%の溶液はゲル化により成膜できなかった。
[比較例4]
アセトニトリル/水混合溶媒に代えてエタノール/水混合溶媒(重量比1:1)を用いた以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例5]
アセトニトリル/水混合溶媒に代えてエタノール/水混合溶媒(重量比1:4)を用いた以外は実施例1と同様にしてシリンダー径、引張強度及びアセトアミド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
[比較例6]
アセトニトリル/水混合溶媒に代えて1−プロパノール/水混合溶媒(重量比1:1)を用いた以外は実施例1と同様にしてシリンダー径を測定した。なお、この比較例では、固形分10質量%の溶液はゲル化により成膜できなかった。
[比較例7]
アセトニトリル/水混合溶媒に代えて1−プロパノール/水混合溶媒(重量比1:4)を用いた以外は実施例1と同様にしてシリンダー径を測定した。測定結果を表1に示す。なお、この比較例では、固形分10質量%の溶液はゲル化により成膜できなかった。

Claims (7)

  1. パーフルオロスルホン酸ポリマーと、下記条件1を満たす溶媒を2種類以上含有する混合溶媒と、を含む高分子電解質溶液。
    (条件1)
    ハンセンの溶解度パラメータにおいて、誘電項δPが14〜20MPa0.5であり、かつ水素結合項δHが3〜45MPa0.5である
  2. 小角X線散乱により測定される高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸ポリマーのシリンダー径Dが0.8nm以上1.8nm以下である高分子電解質溶液。
  3. 小角X線散乱により測定される高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸ポリマーのシリンダー径Dが1.0nm以上1.7nm以下である請求項1又は2記載の高分子電解質溶液。
  4. 前記パーフルオロスルホン酸ポリマーが下記式(1)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子電解質溶液。
    −[CF2CF2e−[CF2−CF(−O−(CF2f−SO3Y)]g− (1)
    (式(1)中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1を満たし、fは、0以上10以下の整数であり、Yは、水素原子又はアルカリ金属原子を示す。)
  5. 前記高分子電解質溶液中のパーフルオロスルホン酸の含有量が1〜50質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子電解質溶液。
  6. 高分子電解質膜であって、前記高分子電解質膜中のアセトアミドの含有量が60〜3500質量ppmである高分子電解質膜。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高分子電解質溶液から形成される高分子電解質膜。
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