JP2019193025A - 映像輝度変換装置およびそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】HLG方式の映像信号の輝度変化を動的に緩和させることが可能な映像輝度変換装置を提供する。【解決手段】映像輝度変換装置1は、HLG方式の映像信号をリニア信号に変換してフレーム別にゲインを算出するフレーム別ゲイン算出手段12と、ゲイン調整を行うゲイン調整手段13と、を備え、フレーム別ゲイン算出手段12は、リニア信号の現在フレームの輝度レベルを算出する現在フレーム輝度算出手段120と、現在フレームの輝度レベルと過去フレーム輝度記憶手段122に記憶されている過去フレームの輝度レベルとのレベル差に応じてゲインを算出するゲイン算出手段124と、ゲインと現在フレームの輝度レベルとから、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶する過去フレームの輝度レベルを算出する過去フレーム輝度算出手段121と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、高ダイナミックレンジ(HDR:High Dynamic Range)方式の映像の輝度変化を動的に緩和させる映像輝度変換装置およびそのプログラムに関する。
HDR方式は、撮像側と表示側とのダイナミックレンジが従来よりも拡大したことにより、より人間の視覚特性に近づいた映像表現が可能となっている。このHDR方式は、ディスプレイに求めるピーク輝度が1000cd/m以上で、従来の標準ダイナミックレンジ(SDR:Standard Dynamic Range)よりも明るい映像を表示することが可能となり、映像の輝度のコントラスト差が大きくなる(非特許文献1参照)。
このように、HDR方式は、映像表現のうちで明るさの再現範囲を拡大したことで、明るい映像から暗い映像、あるいは、暗い映像から明るい映像への切り替えが生じたときに、急激な輝度の変化により、視聴者に不快感を与えるおそれがある。
例えば、HDR方式のうちの1つであるハイブリッドログガンマ(HLG:Hybrid Log-Gamma)方式に関して、映像切り替え時に、どの程度の輝度差を生じると視聴者が不快感を抱くかについて、主観評価実験を行った報告がある(非特許文献2参照)。
この報告では、視聴者が画面全体から受ける光の明るさである画面平均輝度レベル(ALL:Average Luminance Level)が約5cd/mから数百cd/mまでの段階的な映像素材を、薄暗い周囲環境下で切り替えた際の不快感を調べている。この実験結果として、ALLの差が約80cd/m以内の輝度差の映像切り替えであれば視聴者は不快感を抱かず、逆に、約数百cd/m以上の輝度差の映像切り替えが発生したときに、視聴者は不快感を抱くことが判明している。
このような急激な輝度差が生じる映像の切り替えを低減させるには、通常、映像制作時において、事前に急激な輝度差が生じないように映像を制作する、あるいは、映像全体のコントラストを抑えるといった手法がとられる。
従来のような、事前に急激な輝度差が生じないように映像を制作する手法は、常に輝度差を考慮しなければならないため、映像制作に手間がかかるという問題がある。また、映像全体のコントラストを抑える手法は、より人間の視覚特性に近づいた映像表現であるHDR方式の魅力を低減させてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、映像中で急激な輝度差を動的に検出して輝度変化を緩和させることが可能な映像輝度変換装置およびそのプログラムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る映像輝度変換装置は、HLG方式の映像信号の輝度変化を動的に緩和させる映像輝度変換装置であって、EOTF処理手段と、現在フレーム輝度算出手段と、ゲイン算出手段と、過去フレーム輝度算出手段と、ゲイン調整手段と、逆EOTF処理手段と、を備える構成とした。
かかる構成において、映像輝度変換装置は、EOTF処理手段によって、HLG方式の電気−光伝達関数(EOTF)により、映像信号を第1リニア信号に変換する。
そして、映像輝度変換装置は、現在フレーム輝度算出手段によって、第1リニア信号のフレームごとに、第1リニア信号の輝度平均を表示対象である現在フレームの輝度レベルとして算出する。
そして、映像輝度変換装置は、ゲイン算出手段によって、現在フレームの輝度レベルと、過去フレーム輝度記憶手段に記憶されている過去フレームの輝度レベルとのレベル差に応じて、その差が予め定めた閾値を超えないようにゲインを算出する。
さらに、映像輝度変換装置は、過去フレーム輝度算出手段によって、ゲイン算出手段で算出されたゲインを用いて現在フレームの輝度レベルをゲイン調整し、過去フレームの輝度レベルとして過去フレーム輝度記憶手段に記憶する。この過去フレーム輝度算出手段で算出された過去フレームの輝度レベルは、ゲイン算出手段が、次のフレームが入力された段階で参照する。
そして、映像輝度変換装置は、ゲイン調整手段によって、ゲイン算出手段で算出されたゲインを用いて第1リニア信号をゲイン調整し、第2リニア信号に変換する。
そして、映像輝度変換装置は、逆EOTF処理手段によって、電気−光伝達関数の逆関数(EOTF−1)により、第2リニア信号をHLG方式の映像信号に変換する。
これによって、映像輝度変換装置は、過去フレームの輝度レベルと現在フレームの輝度レベルとの差を、動的に検出し、現在フレームの輝度レベルを急激に変化させないように調整することができる。
また、前記課題を解決するため、本発明に係る映像輝度変換装置は、HLG方式の映像信号の輝度変化を動的に緩和させる映像輝度変換装置であって、逆OETF処理手段と、OOTF処理手段と、現在フレーム輝度算出手段と、ゲイン算出手段と、過去フレーム輝度算出手段と、ゲイン調整手段と、OETF処理手段と、を備える構成とした。
かかる構成において、映像輝度変換装置は、OETF処理手段によって、HLG方式の光−電気伝達関数の逆関数(OETF−1)により、映像信号を第3リニア信号に変換する。
そして、映像輝度変換装置は、OOTF処理手段によって、HLG方式の光−光伝達関数により、第3リニア信号を第1リニア信号に変換する。
そして、映像輝度変換装置は、現在フレーム輝度算出手段によって、第1リニア信号のフレームごとに、第1リニア信号の輝度平均を表示対象である現在フレームの輝度レベルとして算出する。
そして、映像輝度変換装置は、ゲイン算出手段によって、現在フレームの輝度レベルと、過去フレーム輝度記憶手段に記憶されている過去フレームの輝度レベルとのレベル差に応じて、その差が予め定めた閾値を超えないようにゲインを算出する。
さらに、映像輝度変換装置は、過去フレーム輝度算出手段によって、ゲイン算出手段で算出されたゲインを用いて現在フレームの輝度レベルをゲイン調整し、過去フレームの輝度レベルとして過去フレーム輝度記憶手段に記憶する。この過去フレーム輝度算出手段で算出された過去フレームの輝度レベルは、ゲイン算出手段が、次のフレームが入力された段階で参照する。
そして、映像輝度変換装置は、ゲイン調整手段によって、ゲイン算出手段で算出されたゲインを用いて第1リニア信号をゲイン調整し、第4リニア信号に変換する。
そして、映像輝度変換装置は、OETF処理手段によって、光−電気伝達関数(OETF)により、第4リニア信号をHLG方式の映像信号に変換する。
これによって、映像輝度変換装置は、過去フレームの輝度レベルと現在フレームの輝度レベルとの差を、動的に検出し、現在フレームの輝度レベルを急激に変化させないように調整することができる。
なお、映像輝度変換装置は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるための映像輝度変換プログラムで動作させることができる。
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
本発明によれば、映像信号に急激な輝度変化が発生しても、動的に輝度変化を検出し、フレーム間の輝度差を緩和した映像信号に変換することができる。
本発明によって、映像制作者が輝度変化を意識することなく、HDRの映像制作を行うことが可能になる。
本発明の第1実施形態に係る映像輝度変換装置の構成を示すブロック構成図である。 本発明の第1実施形態に係る映像輝度変換装置のゲイン算出手段におけるゲインの補正を説明するための図であって、(a)は本発明を適用しない映像信号のフレームと輝度レベルとの関係を示すグラフ図、(b)は本発明を適用し時間方向にゲインを補正した場合のグラフ図、(c)は本発明を適用し時間方向にゲインを補正しない場合のグラフ図である。 3次元ルックアップテーブルの対応関係を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る映像輝度変換装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る映像輝度変換装置の構成を示すブロック構成図である。 本発明の第3実施形態に係る映像輝度変換装置の構成を示すブロック構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
≪第1実施形態≫
<映像輝度変換装置の構成>
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る映像輝度変換装置1の構成について説明する。
映像輝度変換装置1は、HDR方式のうちの1つであるHLG方式の映像信号に急激な輝度差が含まれる場合に、映像信号を、急激な輝度差を緩和した映像信号に変換するものである。この映像輝度変換装置1は、図示を省略した表示装置(ディスプレイ)に入力する映像信号の前処理を行うもので、表示装置の外部に備えるものとしてもよいし、表示装置の内部に備えるものとしてもよい。
図1に示すように、映像輝度変換装置1は、色信号変換手段10と、EOTF処理手段11と、フレーム別ゲイン算出手段12と、ゲイン調整手段13と、逆EOTF処理手段14と、色信号逆変換手段15と、を備える。ここでは、映像信号が、HLG方式の輝度色差信号であることとして説明する。
色信号変換手段10は、入力した映像信号である輝度色差信号を、RGB色空間の信号(RGB信号)に変換するものである。なお、この色信号変換手段10は、ITU−Rの勧告BT.2020に記載の変換式を用いて色変換を行えばよい。
具体的には、色信号変換手段10は、以下の式(1)により、輝度色差信号Y′,C′,C′を、RGB信号Ein′=(Rin′,Gin′,Bin′)に変換する。
Figure 2019193025
色信号変換手段10は、変換後のRGB信号Ein′をEOTF処理手段11に出力する。
なお、入力する映像信号としてRGB信号を用いる場合、色信号変換手段10を映像輝度変換装置1の構成から省略すればよい。
EOTF処理手段11は、HLG方式のRGB信号(映像信号)Ein′を、ディスプレイ光(表示光)に対応するリニア信号(第1リニア信号)Fに変換するものである。
EOTF処理手段11は、ITU−Rの勧告BT.2100で規定されている電気−光伝達関数(EOTF:Electro-Optical Transfer Function)を用いて、映像信号をディスプレイ光に対応するリニア信号に変換する。
EOTFは、光−電気伝達関数(OETF:Opto-Electronic Transfer Function)の逆関数(OETF−1)と、光−光伝達関数(OOTF:Opto-Optical Transfer Function)とで構成される。OETFは、シーン光に対応するリニア信号を映像信号に変換する関数で、撮像装置(カメラ)側の変換処理である。OOTFは、シーン光に対応するリニア信号をディスプレイ光に対応するリニア信号に変換する関数である。
すなわち、EOTFは、OETF−1により、撮像装置(不図示)で生成される映像信号をシーン光に対応するリニア信号に変換し、OOTFにより、シーン光に対応するリニア信号をディスプレイ光に対応するリニア信号に変換する。
具体的には、EOTF処理手段11は、まず、OETF−1として、以下の式(2)により、色信号変換手段10で変換されたRGB信号Ein′=(Rin′,Gin′,Bin′)を、シーン光に対応するリニア信号Ein=(R,G,B)に変換する。なお、EOTF処理手段11は、RGB信号Ein′の色信号Rin′,Gin′,Bin′ごとに式(2)を適用し、リニア信号Einの色信号R,G,Bに変換する。
Figure 2019193025
ここで、a=0.17883277、b=1−4a=0.28466892、c=0.5−a・ln(4a)=0.55991073である。なお、ln(x)はxの自然対数を示す。この式(2)は、RGB信号Ein′のレベル範囲を[0:1]としたときの変換式である。
さらに、EOTF処理手段11は、OOTFとして、以下の式(3)および式(4)により、式(2)で変換したリニア信号Ein=(R,G,B)を、ディスプレイ光に対応するリニア信号F=(R,G,B)に変換する。
Figure 2019193025
Figure 2019193025
ここで、c=0.2627、c=0.6780、c=0.0593である。
αは、表示対象のディスプレイ(不図示)のピーク輝度Lと黒の輝度Lとの差(α=L−L)である。βは、ディスプレイの黒の輝度L(β=L)である。例えば、α=1000、β=0とする。
γは、ディスプレイのピーク輝度Lに応じたシステムガンマである。例えば、γ=1.2とする。このγは、以下の式(5)で算出される値である。
Figure 2019193025
なお、α、β、γは、予め装置内で固定の係数としてもよいし、外部からユーザが設定するものとしてもよい。
EOTF処理手段11は、ディスプレイ光に対応するリニア信号Fをフレーム別ゲイン算出手段12とゲイン調整手段13とに出力する。
フレーム別ゲイン算出手段12は、EOTF処理手段11で変換されたディスプレイ光に対応するリニア信号Fのフレームごとの輝度に応じて、フレームごとにゲインを算出するものである。ここでは、フレーム別ゲイン算出手段12は、現在フレーム輝度算出手段120と、過去フレーム輝度算出手段121と、過去フレーム輝度記憶手段122と、加算平均手段123と、ゲイン算出手段124と、を備える。
現在フレーム輝度算出手段120は、EOTF処理手段11で変換されたディスプレイ光に対応するリニア信号(第1リニア信号)Fを表示対象のディスプレイに表示したときの画面の平均輝度レベル(ALL)を、現在フレーム輝度レベルとして算出するものである。
ここで、リニア信号Fの画素iごとの信号をFdi=(Rdi,Gdi,Bdi)とし、画素iの輝度をYdiとしたとき、現在フレーム輝度算出手段120は、以下の式(6)により、現在フレーム輝度レベルであるALLcurrentを算出する。
Figure 2019193025
ここで、c=0.2627、c=0.6780、c=0.0593である。また、mは、ディスプレイの表示画素数であって、水平画素数×垂直画素数である。
現在フレーム輝度算出手段120は、算出した現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)を、過去フレーム輝度算出手段121とゲイン算出手段124とに出力する。
過去フレーム輝度算出手段121は、現在フレーム輝度算出手段120で算出された現在フレーム輝度レベルをゲイン調整し、1フレーム後の時点における過去フレーム輝度レベルを算出するものである。
過去フレーム輝度算出手段121は、以下の式(6)に示すように、ゲイン算出手段124で算出された1フレーム前のゲイン(Gain)をシステムガンマ(γ)乗した値を、現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)に乗算することで、過去フレーム輝度レベル(ALLpast)を算出する。
Figure 2019193025
なお、システムガンマ(γ)は、EOTF処理手段11で使用したγと同じ値(式(4),式(5)参照)である。
過去フレーム輝度算出手段121は、算出した過去フレーム輝度レベル(ALLpast)を過去フレーム輝度記憶手段122に書き込み記憶する。
なお、過去フレーム輝度算出手段121は、予め設定された最大フレーム数だけ過去フレーム輝度レベルを、順次、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶する。ここで、過去フレーム輝度算出手段121は、記憶する過去フレーム輝度レベルの数が最大フレーム数を超える場合、最も古い過去フレーム輝度レベルを削除する。なお、最大フレーム数は、外部から設定するものとしてもよい。
過去フレーム輝度記憶手段122は、過去フレーム輝度算出手段121で算出された直近の過去フレーム輝度レベルを予め定めた最大フレーム数まで記憶するものである。
この過去フレーム輝度記憶手段122は、一般的な半導体メモリ等の記憶媒体で構成することができる。
加算平均手段123は、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶されている過去フレーム輝度レベルを加算平均するものである。
加算平均手段123は、ゲイン算出手段124からの指示により、過去フレーム輝度算出手段121に記憶されている過去フレーム輝度レベルを加算平均する。
すなわち、加算平均手段123は、以下の式(8)に示すように、過去フレーム輝度算出手段121に記憶されているn個の過去フレーム輝度レベル(ALLpast,1,ALLpast,2,…,ALLpast,n)の総和をnで除算することで、加算平均値である平均フレーム輝度レベル(ALLmean)を算出する。
Figure 2019193025
加算平均手段123は、算出した平均フレーム輝度レベル(ALLmean)をゲイン算出手段124に出力する。
ゲイン算出手段124は、平均フレーム輝度レベル(ALLmean)と、現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)との輝度差(レベル差)に基づいて、表示対象のフレーム(現在フレーム)に対するゲインを算出するものである。
ゲイン算出手段124は、現在フレーム輝度算出手段120から、現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)を入力した段階で、加算平均手段123に対して、過去のフレームの輝度平均を算出する旨を指示し、加算平均手段123から、平均フレーム輝度レベル(ALLmean)を取得する。
ゲイン算出手段124は、加算平均手段123から取得した平均フレーム輝度レベル(ALLmean)と、現在フレーム輝度算出手段120で算出された現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)とに基づいて、輝度差を緩和するゲイン(Gain)を、以下の式(9)により算出する。
Figure 2019193025
この式(9)の第1項aは、平均フレーム輝度レベル(ALLmean)と現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)との輝度差を予め定めた閾値(ALLth)以内に収めるためのゲインである。
式(9)の第1項aは、以下の式(10)に示すように、閾値(ALLth)と輝度差の明暗方向とに基づいて条件分けされた値とする。
Figure 2019193025
なお、システムガンマ(γ)は、EOTF処理手段11で使用したγと同じ値(前記式(4),式(5)参照)である。
式(9)の第2項は、輝度差を閾値以内に収めた後、ゲインを時間経過に伴って元のゲインに戻すための補正項である。
第2項のパラメータtは、元のゲインに戻すための時間を示す予め設定されたパラメータであって、ここでは、フレーム数を示す。なお、パラメータtは外部から設定するものとしてもよい。
Δtは、ゲイン算出手段124で増加させるカウンタ(フレーム数)である。ゲイン算出手段124は、平均フレーム輝度レベル(ALLmean)と現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)との輝度差を予め定めた閾値(ALLth)を超えたタイミングでΔtを初期化する。
例えば、映像信号として、60Hzのプログレッシブ方式の映像信号を用い、5秒後にゲインを戻す場合、t=300とする。
この場合、ゲイン算出手段124は、輝度差が閾値を超えたタイミングでΔtを初期化し、順次、フレーム単位でカウントアップしていく。そして、ゲイン算出手段124は、Δt=tとなったときに、式(9),式(10)により、Gain=a=1を算出し、ゲインを元に戻すことができる。
なお、極端な輝度変化が発生し、ゲインが極端に大きな値や極端に小さな値とならないように、ゲインには、上限値と下限値を設けることが望ましい。
例えば、ゲイン算出手段124は、以下の式(11)に示すように、予め定めたパラメータm(mはm>1の実数)により、ゲインの範囲を定め、算出したゲインが1/mよりも小さい場合、ゲインを1/mとし、算出したゲインがmよりも大きい場合、ゲインをmとする。なお、パラメータmは、外部から設定するものとしてもよい。
Figure 2019193025
ゲイン算出手段124は、算出したゲイン(Gain)を、過去フレーム輝度算出手段121とゲイン調整手段13とに出力する。
これによって、フレーム別ゲイン算出手段12は、フレーム単位で、動的に輝度差を閾値以内に抑えるゲインを生成することができる。
ゲイン調整手段13は、ディスプレイ光に対応するリニア信号に対して、ゲイン調整を行うものである。
ゲイン調整手段13は、以下の式(12)により、フレーム別ゲイン算出手段で算出されたゲイン(Gain)をシステムガンマ(γ)乗した値を、EOTF処理手段11で変換されたディスプレイ光に対応するリニア信号(第1リニア信号)Fに乗算することで、リニア信号Fをリニア信号(第2リニア信号)Fに変換する。システムガンマ(γ)は、EOTF処理手段11で使用したγと同じ値(前記式(4),式(5)参照)である。
Figure 2019193025
なお、ゲイン調整手段13は、リニア信号Fの色信号R,G,Bごとに式(11)を適用し、リニア信号Fの色信号R,G,Bに変換する。
ゲイン調整手段13は、EOTF処理手段11から入力されるリニア信号Fと、フレーム別ゲイン算出手段12で算出されるゲインとをフレーム単位で同期させる。すなわち、ゲイン調整手段13は、フレーム別ゲイン算出手段12で現在のフレームに対するゲインが生成されるまで、リニア信号Fをフレーム単位で、図示を省略したバッファに一時記憶する。そして、ゲイン調整手段13は、ゲインが算出された段階で、前記式(12)のゲイン調整を行う。
ゲイン調整手段13は、ゲイン調整後のリニア信号Fを、逆EOTF処理手段14に出力する。
逆EOTF処理手段14は、ゲイン調整後のリニア信号(第2リニア信号)Fを、HLG方式のRGB信号(映像信号)Eout′に変換するものである。
逆EOTF処理手段14は、ITU−Rの勧告BT.2100で規定されている電気−光伝達関数(EOTF)の逆関数(EOTF−1)を用いて、リニア信号を映像信号に変換する。
EOTF−1(EOTF逆関数)は、光−光伝達関数(OOTF)の逆関数(OOTF−1)と、光−電気伝達関数(OETF)とで構成される。
すなわち、EOTF−1は、OOTF−1により、ゲイン調整後のリニア信号Fを、シーン光に対応するリニア信号に変換し、OETFにより、シーン光に対応するリニア信号を映像信号に変換する。
具体的には、逆EOTF処理手段14は、まず、OOTF−1として、以下の式(13)および式(14)により、リニア信号F=(R,G,B)を、シーン光に対応するリニア信号Eout=(R,G,B)に変換する。
Figure 2019193025
Figure 2019193025
ここで、c,c,c,α,β,γは、前記式(3),式(4)で用いた値と同じである。
さらに、逆EOTF処理手段14は、OETFとして、以下の式(15)により、リニア信号Eout=(R,G,B)を、映像信号であるRGB信号Eout′=(Rout′,Gout′,Bout′)に変換する。なお、逆EOTF処理手段14は、リニア信号Eoutの色信号R,G,Bごとに式(15)を適用し、RGB信号Eout′の色信号Rout′,Gout′,Bout′に変換する。
Figure 2019193025
ここで、a,b,cは、前記式(2)で用いた値と同じである。なお、ln(x)はxの自然対数を示す。この式(15)は、リニア信号Eoutのレベル範囲を[0:1]としたときの変換式である。
逆EOTF処理手段14は、RGB信号Eout′を色信号逆変換手段15に出力する。
色信号逆変換手段15は、逆EOTF処理手段14で生成されたRGB信号を、HLG方式の輝度色差信号に変換するものである。
具体的には、色信号逆変換手段15は、前記式(1)の逆変換として、以下の式(16)により、RGB信号Eout′=(Rout′,Gout′,Bout′)を、輝度色差信号Y,C,Cに変換する。
Figure 2019193025
色信号逆変換手段15は、変換後の輝度色差信号Y,C,Cを外部(表示対象のディスプレイ)に出力する。
なお、出力する映像信号をRGB信号とする場合、色信号逆変換手段15を映像輝度変換装置1の構成から省略すればよい。
このように映像輝度変換装置1を構成することで、映像輝度変換装置1は、映像信号に急激な輝度変化が発生しても、動的に輝度変化を検出し、フレーム間の輝度差を緩和した映像信号に変換することができる。
また、映像輝度変換装置1は、コンピュータを前記した手段として機能させるための映像輝度変換プログラムで動作させることができる。
(変形例)
映像輝度変換装置1は、ゲイン算出手段124において、輝度差を予め定めた閾値に収めるようにゲインを算出した後、時間経過に伴って、段階的にゲインを補正し、元のゲインに戻す処理を行っている(式(9)参照)。しかし、ゲイン算出手段124は、時間経過による補正を行わずにゲインを算出する簡易な処理を行うものとしてもよい。
具体的には、ゲイン算出手段124は、前記式(9)の代わりに、以下の式(17)に示すように、前記式(10)で算出される値aをゲイン(Gain)とする。
Figure 2019193025
ここで、図2を参照して、ゲイン算出手段124において時間経過によりゲインを補正する場合と、補正しない場合とで、フレーム輝度がどのように変化するのかについて説明する。図2(a)は映像輝度変換装置1に入力される元の映像信号のフレームと、フレーム輝度レベル(画面平均輝度レベル:ALL〔cd/m〕)との関係を示す。ここでは、f0,f1,…と連続するフレームにおいて、f3のフレームでシーンAからシーンBに切り替わり、予め定めた閾値よりも大きい輝度変化が発生した例を示している。
図2(b)は、ゲイン算出手段124において時間経過によりゲインを補正する場合のフレームとフレーム輝度レベル(ALL)との関係を示す。図2(c)は、ゲイン算出手段124において時間経過によりゲインを補正しない場合のフレームとフレーム輝度レベル(ALL)との関係を示す。
なお、図2(b),(c)ともに、実線がゲイン算出手段124で算出されたゲインによりゲイン調整を行ったときのフレーム輝度レベル、破線がゲイン調整を行わない元の映像信号のフレーム輝度レベルを示す。
図2(b)に示すように、時間経過によりゲインを補正する場合、f7のフレームにおいて、ゲインが元に戻り、元の映像信号と同じフレーム輝度レベルとなる。なお、ここでは、説明を簡略化するため、大きい輝度変化が発生後(f3)、4フレームで元のゲインに戻る例を示している。
一方、図2(c)に示すように、時間経過によりゲインを補正しない場合、大きい輝度変化が発生後(f3)、フレーム輝度レベルは映像信号に対応して、ほぼ一定のフレーム輝度レベルとなる。なお、この場合でも、平均フレーム輝度レベル(ALLmean)と現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)との差が、閾値(ALLth)以内となった段階で、フレーム輝度レベルは元の映像信号と同じになる。
また、ここでは、EOTF処理手段11および逆EOTF処理手段14において、電気−光伝達関数(EOTF)およびその逆関数(EOTF−1)を用いたが、必ずしも演算を行う必要はない。例えば、EOTF処理手段11は、図3に示すように、RGB信号Ein′=(Rin′,Gin′,Bin′)とリニア信号F=(R,G,B)とを対応付けた3次元のルックアップテーブル(3D−LUT)を参照して変換することとしてもよい。また、逆EOTF処理手段14は、図3と同様に、リニア信号F=(R,G,B)とRGB信号Eout′=(Rout′,Gout′,Bout′)とを対応付けた3次元のルックアップテーブル(3D−LUT)を参照して変換することとしてもよい。
なお、3D−LUTは、必ずしもすべての値を網羅する必要はなく、サンプリングした値でよい。3D−LUTを離散的にサンプリングしたテーブルとした場合、EOTF処理手段11および逆EOTF処理手段14は、体積補間法等の公知のルックアップテーブル補間手法を用いて、3D−LUTの補間を行えばよい。
<映像輝度変換装置の動作>
次に、図4を参照(構成については、適宜図1参照)して、本発明の第1実施形態に係る映像輝度変換装置1の動作について説明する。なお、映像輝度変換装置1は、映像信号を順次入力するが、ここでは、1フレーム分の映像信号の処理動作についてのみ説明する。すなわち、映像輝度変換装置1は、映像信号のすべてが入力完了するまで、図3に示す動作をフレーム単位で繰り返す。
ステップS1において、色信号変換手段10は、入力した映像信号である輝度色差信号を、RGB色空間の信号(RGB信号)に変換する(前記式(1)参照)。なお、入力する映像信号をRGB信号とする場合、ステップS1を省略する。色信号変換手段10は、変換後のRGB信号Ein′をEOTF処理手段11に出力する。
ステップS2において、EOTF処理手段11は、ステップS1で変換されたRGB信号を、電気−光伝達関数(EOTF)により、ディスプレイ光(表示光)に対応するリニア信号Fに変換する(前記式(2)〜式(4)参照)。EOTF処理手段11は、変換後のリニア信号Fを、フレーム別ゲイン算出手段12とゲイン調整手段13とに出力する。
ステップS3において、フレーム別ゲイン算出手段12の現在フレーム輝度算出手段120は、ステップS2で変換されたディスプレイ光に対応するリニア信号Fをディスプレイに表示したときの画面(フレーム)の平均輝度レベルを現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)として算出する(前記式(6)参照)。現在フレーム輝度算出手段120は、算出した現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)を、過去フレーム輝度算出手段121とゲイン算出手段124とに出力する。
ステップS4において、現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)を入力したゲイン算出手段124からの指示で、加算平均手段123は、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶されている過去フレーム輝度レベルを加算平均することで、過去の平均フレーム輝度レベル(ALLmean)を算出する(前記式(8)参照)。加算平均手段123は、算出した平均フレーム輝度レベル(ALLmean)をゲイン算出手段124に出力する。
ステップS5において、ゲイン算出手段124は、ステップS3で算出された現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)と、ステップS4で算出された過去の平均フレーム輝度レベル(ALLmean)との輝度差に応じて、ゲインを算出する(前記式(9),式(10)参照)。
ここで、ゲイン算出手段124は、平均フレーム輝度レベル(ALLmean)と現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)との輝度差を予め定めた閾値(ALLth)を超えることでゲインを調整した場合、次フレーム以降でステップS5の処理を行うごとに、順次、ゲインを元に戻す補正項を加えてゲインを算出する(前記式(9)参照)。
なお、ゲイン算出手段124は、補正項を加えずに、簡易にゲインを算出することとしてもよい(前記式(17)参照)。
ゲイン算出手段124は、算出したゲインを、過去フレーム輝度算出手段121とゲイン調整手段13とに出力する。
ステップS6において、過去フレーム輝度算出手段121は、ステップS3で算出された現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)を、ステップS5で算出されたゲインによりゲイン調整し、過去フレーム輝度レベル(ALLpast)を算出する(前記式(7)参照)。過去フレーム輝度算出手段121は、算出した過去フレーム輝度レベル(ALLpast)を、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶する。このとき、過去フレーム輝度算出手段121は、記憶する過去フレーム輝度レベルの数が最大フレーム数を超える場合、最も古い過去フレーム輝度レベルを削除する。
ステップS7において、ゲイン調整手段13は、ステップS2で変換されたリニア信号Fに対して、ステップS5で算出されたゲインを用いてゲイン調整を行い、リニア信号Fを生成する(前記式(12)参照)。ゲイン調整手段13は、生成したリニア信号Fを逆EOTF処理手段14に出力する。
ステップS8において、逆EOTF処理手段14は、ステップS7で生成されたリニア信号Fを、電気−光伝達関数の逆関数(EOTF−1)により、HLG方式のRGB信号(映像信号)Eout′に変換する(前記式(13)〜式(15)参照)。逆EOTF処理手段14は、変換後のRGB信号Eout′を、色信号逆変換手段15に出力する。
ステップS9において、色信号逆変換手段15は、ステップS8で変換された映像信号であるRGB信号を、輝度色差信号に変換する(前記式(16)参照)。なお、出力する映像信号をRGB信号とする場合、ステップS9を省略する。色信号逆変換手段15は、変換後の輝度色差信号を外部に出力する。
以上の動作をフレームごとに処理することで、映像輝度変換装置1は、映像信号に急激な輝度変化が発生しても、動的に輝度変化を検出し、フレーム間の輝度差を緩和した映像信号に変換することができる。
≪第2実施形態≫
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る映像輝度変換装置1Bの構成について説明する。
図1で説明した映像輝度変換装置1は、HLG方式の映像信号において、表示対象となる現在のフレームの輝度と、過去の複数フレームの平均輝度とに急激な輝度差が含まれる場合に、急激な輝度差を緩和した映像信号に変換するものであった。
映像輝度変換装置1Bは、HLG方式の映像信号において、表示対象となる現在のフレームの輝度と、1フレーム前のフレームの輝度とに急激な輝度差が含まれる場合に、急激な輝度差を緩和した映像信号に変換するものである。
すなわち、映像輝度変換装置1Bは、図1で説明した映像輝度変換装置1のフレーム別ゲイン算出手段12の構成から加算平均手段123を削除し、過去フレーム輝度算出手段121Bおよびゲイン算出手段124の機能を変更した過去フレーム輝度算出手段121Bおよびゲイン算出手段124Bとしたフレーム別ゲイン算出手段12Bを備える。
過去フレーム輝度算出手段121Bおよびゲイン算出手段124B以外の構成は、図1で説明した映像輝度変換装置1の構成と同じであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
過去フレーム輝度算出手段121Bは、現在フレーム輝度算出手段120で算出された現在フレーム輝度レベルをゲイン調整し、1フレーム後の時点における過去フレーム輝度レベル(ALLpast)を算出するものである。過去フレーム輝度算出手段121Bにおける過去フレーム輝度レベルの算出手法は、過去フレーム輝度算出手段121(図1)と同じである。
なお、過去フレーム輝度算出手段121Bは、1フレーム分の過去フレーム輝度レベルを、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶する。
ゲイン算出手段124Bは、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶されている1フレーム分の過去フレーム輝度レベル(ALLpast)と、現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)との輝度差に基づいて、表示対象のフレーム(現在フレーム)に対するゲインを算出するものである。
ゲイン算出手段124Bは、現在フレーム輝度算出手段120から、現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)を入力した段階で、過去フレーム輝度記憶手段122から過去フレーム輝度レベル(ALLpast)を読み出す。
なお、ゲイン算出手段124Bにおいてゲインを算出するには、図1で説明したゲイン算出手段124における平均フレーム輝度レベル(ALLmean)を過去フレーム輝度レベル(ALLpast)に置き換えて同様の演算を行えばよい(前記式(9),式(10)参照)。
以上説明したように映像輝度変換装置1Bを構成することで、映像輝度変換装置1Bは、映像信号に急激な輝度変化が発生しても、動的に輝度変化を検出し、フレーム間の輝度差を緩和した映像信号に変換することができる。
また、映像輝度変換装置1Bは、コンピュータを前記した手段として機能させるための映像輝度変換プログラムで動作させることができる。
なお、映像輝度変換装置1Bの動作は、図4で説明した映像輝度変換装置1の動作とほぼ同じである。映像輝度変換装置1Bの場合、図4のステップS4を省略し、ステップS5において、ゲイン算出手段124Bは、ステップS3で算出された現在フレーム輝度レベル(ALLcurrent)と、過去フレーム輝度記憶手段122に記憶されている過去フレーム輝度レベル(ALLpast)との輝度差に応じて、ゲインを算出する。それ以外の動作は、映像輝度変換装置1の動作と同じであるため、説明を省略する。
≪第3実施形態≫
次に、図6を参照して、本発明の第3実施形態に係る映像輝度変換装置1Cの構成について説明する。
映像輝度変換装置1Cは、映像輝度変換装置1,1Bと同様、HDR方式のうちの1つであるHLG方式の映像信号に急激な輝度差が含まれる場合に、映像信号を、急激な輝度差を緩和した映像信号に変換するものである。
図6に示すように、映像輝度変換装置1Cは、色信号変換手段10と、フレーム別ゲイン算出手段12と、ゲイン調整手段13Cと、色信号逆変換手段15と、逆OETF処理手段16と、OOTF処理手段17と、OETF処理手段18と、を備える。
すなわち、映像輝度変換装置1Cは、図1で説明した映像輝度変換装置1のEOTF処理手段11および逆EOTF処理手段14を、逆OETF処理手段16、OOTF処理手段17およびOETF処理手段18に置き換え、ゲイン調整手段13の入出力を変更したゲイン調整手段13Cで構成している。他の構成は、図1で説明した映像輝度変換装置1の構成と同じであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
逆OETF処理手段16は、HLG方式のRGB信号(映像信号)Ein′を、シーン光に対応するリニア信号(第3リニア信号)Einに変換するものである。
逆OETF処理手段16は、光−電気伝達関数(OETF)の逆関数(OETF−1)により、色信号変換手段10で変換されたRGB信号Ein′=(Rin′,Gin′,Bin′)を、リニア信号Ein=(R,G,B)に変換する。なお、この変換処理は、図1のEOTF処理手段11の一部であって、前記式(2)と同じ処理である。
逆OETF処理手段16は、変換後のリニア信号Einを、OOTF処理手段17とゲイン調整手段13Cとに出力する。
OOTF処理手段17は、シーン光に対応するリニア信号(第3リニア信号)Einをディスプレイ光に対応するリニア信号(第1リニア信号)Fに変換するものである。
OOTF処理手段17は、光−光伝達関数(OOTF)により、逆OETF処理手段16で変換されたリニア信号Ein=(R,G,B)を、リニア信号F=(R,G,B)に変換する。なお、この変換処理は、図1のEOTF処理手段11の一部であって、前記式(4)と同じ処理である。
OOTF処理手段17は、変換後のリニア信号Fを、フレーム別ゲイン算出手段12に出力する。
ゲイン調整手段13Cは、シーン光に対応するリニア信号に対して、ゲイン調整を行うものである。
ゲイン調整手段13Cは、以下の式(18)により、フレーム別ゲイン算出手段12で算出されたゲイン(Gain)を、逆OETF処理手段16で変換されたシーン光に対応するリニア信号(第3リニア信号)Einに乗算することで、リニア信号Einを、リニア信号(第4リニア信号)Eoutに変換する。
Figure 2019193025
このゲイン調整手段13Cは、入出力の信号の種類が異なるだけで、図1で説明したゲイン調整手段13の処理内容と同じである。
ゲイン調整手段13Cは、ゲイン調整後のリニア信号Eoutを、OETF処理手段18に出力する。
OETF処理手段18は、ゲイン調整後のリニア信号(第4リニア信号)Eoutを、映像信号であるRGB信号Eout′に変換するものである。
OETF処理手段18は、光−電気伝達関数(OETF)により、ゲイン調整手段13Cでゲイン調整されたリニア信号Eout=(Rout,Gout,Bout)を、映像信号であるRGB信号Eout′=(Rout′,Gout′,Bout′)に変換する。なお、この変換処理は、図1の逆EOTF処理手段14の一部であって、前記式(15)と同じ処理である。
OETF処理手段18は、RGB信号Eout′を色信号逆変換手段15に出力する。
このように映像輝度変換装置1Cを構成することで、映像輝度変換装置1Cは、映像輝度変換装置1と同様に、映像信号に急激な輝度変化が発生しても、動的に輝度変化を検出し、フレーム間の輝度差を緩和した映像信号に変換することができる。
また、映像輝度変換装置1Cは、コンピュータを前記した手段として機能させるための映像輝度変換プログラムで動作させることができる。
また、映像輝度変換装置1Cのフレーム別ゲイン算出手段12は、図5で説明した映像輝度変換装置1Bのフレーム別ゲイン算出手段12Bに置き換えてもよい。
また、ここでは、逆OETF処理手段16およびOETF処理手段18において、光−電気伝達関数の逆関数(OETF−1)および光−電気伝達関数(OETF)を用いたが、必ずしも演算を行う必要はない。例えば、逆OETF処理手段16は、RGB信号Ein′=(Rin′,Gin′,Bin′)とリニア信号Ein=(R,G,B)とを対応付けた変換テーブルを参照して変換することとしてもよい。この場合、前記式(2)に示すように、RGB各色信号で変換内容が同じであるため、色信号ごとに変換テーブルを持つ必要はなく、1次元のルックアップテーブル(1D−LUT)で変換テーブルを構成することができる。
また、OETF処理手段18は、リニア信号Eout=(Rout,Gout,Bout)とRGB信号Eout′=(Rout′,Gout′,Bout′)とを対応付けた変換テーブルを参照して変換することとしてもよい。この場合も、前記式(15)に示すように、RGB各色信号で変換内容が同じであるため、色信号ごとに変換テーブルを持つ必要はなく、1次元のルックアップテーブル(1D−LUT)で変換テーブルを構成することができる。
このように、映像輝度変換装置1Cは、映像輝度変換装置1,1Bよりも容量の少ないルックアップテーブルで同様の処理を実現することができる。
なお、映像輝度変換装置1Cの動作は、図4で説明した映像輝度変換装置1の動作とほぼ同じである。映像輝度変換装置1Cの場合、ステップS2の電気−光伝達関数(EOTF)の処理を、光−電気伝達関数の逆関数(OETF−1)と光−光伝達関数(OOTF)とに分離し、ステップS7において、OETF−1で変換されたリニア信号にゲイン調整を行えばよい。
また、ステップS8の電気−光伝達関数の逆関数(EOTF−1)の処理を、光−電気伝達関数(OETF)の処理に置き換えればよい。
1,1B,1C 映像輝度変換装置
10 色信号変換手段
11 EOTF処理手段
12,12B フレーム別ゲイン算出手段
120 現在フレーム輝度算出手段
121,121B 過去フレーム輝度算出手段
122 過去フレーム輝度記憶手段
123 加算平均手段
124,124B ゲイン算出手段
13,13C ゲイン調整手段
14 逆EOTF処理手段
15 色信号逆変換手段
16 逆OETF処理手段
17 OOTF処理手段
18 OETF処理手段

Claims (5)

  1. HLG方式の映像信号の輝度変化を動的に緩和させる映像輝度変換装置であって、
    前記HLG方式の電気−光伝達関数により、前記映像信号を第1リニア信号に変換するEOTF処理手段と、
    前記第1リニア信号のフレームごとに、前記第1リニア信号の輝度平均を表示対象である現在フレームの輝度レベルとして算出する現在フレーム輝度算出手段と、
    前記現在フレームの輝度レベルと、過去フレーム輝度記憶手段に記憶されている過去フレームの輝度レベルとのレベル差に応じてゲインを算出するゲイン算出手段と、
    前記ゲインを用いて前記現在フレームの輝度レベルをゲイン調整し、前記過去フレームの輝度レベルとして前記過去フレーム輝度記憶手段に記憶する過去フレーム輝度算出手段と、
    前記ゲインを用いて前記第1リニア信号をゲイン調整し、第2リニア信号に変換するゲイン調整手段と、
    前記電気−光伝達関数の逆関数により、前記第2リニア信号を前記HLG方式の映像信号に変換する逆EOTF処理手段と、
    を備えることを特徴とする映像輝度変換装置。
  2. HLG方式の映像信号の輝度変化を動的に緩和させる映像輝度変換装置であって、
    前記HLG方式の光−電気伝達関数の逆関数により、前記映像信号を第3リニア信号に変換する逆OETF処理手段と、
    前記HLG方式の光−光伝達関数により、前記第3リニア信号を第1リニア信号に変換するOOTF処理手段と、
    前記第1リニア信号のフレームごとに、前記第1リニア信号の輝度平均を表示対象である現在フレームの輝度レベルとして算出する現在フレーム輝度算出手段と、
    前記現在フレームの輝度レベルと、過去フレーム輝度記憶手段に記憶されている過去フレームの輝度レベルとのレベル差に応じてゲインを算出するゲイン算出手段と、
    前記ゲインを用いて前記現在フレームの輝度レベルをゲイン調整し、前記過去フレームの輝度レベルとして前記過去フレーム輝度記憶手段に記憶する過去フレーム輝度算出手段と、
    前記ゲインを用いて前記第1リニア信号をゲイン調整し、第4リニア信号に変換するゲイン調整手段と、
    前記光−電気伝達関数により、前記第4リニア信号を前記HLG方式の映像信号に変換するOETF処理手段と、
    を備えることを特徴とする映像輝度変換装置。
  3. 前記過去フレーム輝度算出手段は、前記過去フレーム輝度記憶手段に、直近の前記過去フレームの輝度レベルを予め定めた最大フレーム数まで記憶するものであって、
    前記過去フレーム輝度記憶手段に記憶されている複数の過去フレームの輝度レベルを加算平均する加算平均手段をさらに備え、
    前記ゲイン算出手段は、前記現在フレームの輝度レベルと、前記過去フレームの輝度レベルとして前記加算平均手段で加算平均された輝度レベルとのレベル差に応じて前記ゲインを算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像輝度変換装置。
  4. 前記ゲイン算出手段は、前記レベル差が予め設定された閾値を超えた後、予め設定された時間内で、前記ゲインを段階的に元に戻すことを特徴とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の映像輝度変換装置。
  5. コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の映像輝度変換装置として機能させるための映像輝度変換プログラム。
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