JP2004221645A - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】使用するメモリの容量がより小さく、演算量が少なくて、ハードウェア化が容易であり、かつ、階調圧縮の効果が大きい階調圧縮技術を実現する。
【解決手段】ステップS1において、DSPは、入力された現フレームの広DR輝度画像を、1フレーム前の広DR輝度画像に対して算出され、保持されている中間情報を基づいて狭DR輝度画像に変換する。また、DSPは、現フレームの広DR輝度画像に対する中間情報を算出する。ステップS2において、DSPは、算出した中間情報を用いて、保持していた1フレーム前の中間情報を更新する。ステップS3において、DSPは、後続するフレームが存在するか否かを判定し、後続するフレームが存在すると判定した場合、ステップS1に戻り、それ以降の処理を繰り返す。本発明は、ディジタルビデオカメラに適用することができる。
【選択図】 図18

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、画素値のダイナミックレンジが通常よりも広い広ダイナミックレンジ画像を、画素値のダイナミックレンジがより狭い狭ダイナミックレンジ画像に変換する場合に用いて好適な画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子がビデオカメラやスチルカメラなどの撮像機器、FA(Factory Automation)における部品検査装置、ME(Medical Electronics)における電子内視鏡などの光計測装置等に幅広く利用されている。
【0003】
近年、これらの固体撮像素子を用いて光学フィルム写真に匹敵するような画素値のダイナミックレンジが広い画像(以下、広DR画像と記述する)を得るための技術が多数提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、動画像や静止画像を表示するCRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置、プロジェクタ等の投影装置、各種の印刷装置は、現在においても、対応できる画素値のダイナミックレンジは広域化されておらず、対応可能な輝度階調に制限がある。このため、広DR画像を撮影したとしても、それをその状態で表示、投影あるいは印刷可能な装置が存在していないのが現状である。
【0005】
そこで、当面においては、広DR画像の画素値のダイナミックレンジを狭めて、換言すれば、輝度階調を圧縮して、表示装置などのダイナミックレンジに適応させた画像(以下、狭DR画像と記述する)を生成するための技術(以下、階調圧縮技術と記述する)が必要とされている。
【0006】
ここで、従来において提案された階調圧縮技術について説明する。階調圧縮技術は、単純には、広DR画像の画素値の階調を、表示装置等が対応可能なより狭いダイナミックレンジの階調に合わせて再配分することにより実現される。
【0007】
しかしながら、上述したように、単に、広DR画像の画素値の階調を、狭いダイナミックレンジに均等に階調を再配分しただけでは、画像全体の輝度変化が小さくなってしまい、コントラストが低下した見栄得が悪い画像に変換されてしまうことになる。そこで、従来、コントラスト低下を抑制することができる階調圧縮技術がいくつか提案されている。以下、従来提案されている3種類の階調圧縮技術について説明する。
【0008】
第1の階調圧縮技術としては、入力する広DR画像の輝度のヒストグラムに基づき、階調の再配分規則を適応的に決定する(具体的には、階調変換曲線を、入力画像のヒストグラムを元に算出する)技術を挙げることができる。第1の階調圧縮技術は、画像中の重要な被写体が占める面積の比率は大きいことを前提として、ヒストグラムのピーク近辺の輝度値になるべく多くの階調を配分するように階調変換曲線を決定するようにし、少なくとも重要な被写体におけるコントラスト低下を抑制しようとするものである(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
しかしながら、このような階調配分のみの工夫ではあらゆる状況で満足のいく結果を得ることは難しい。例えば、重要な被写体が画像中に複数存在する場合、背景が均一な輝度であって、かつ、比較的広い面積を占めている場合(例えば青空)などでは、しばしば被写体に十分な階調が配分されなくなることがある。
【0010】
第2の階調圧縮技術としては、階調変換前または後のどちらか一方において画像中の高周波成分を強調する技術を挙げることができる。第2の階調圧縮技術は、階調変換によって失われた(または階調変換によって失われると思われる)コントラストを画像から見積もり、その分をアンシャープマスキングなどの高周波強調フィルタを用いて補償するものである(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
第2の階調圧縮技術は、第1の階調圧縮技術のように画像の構図に依存する問題は生じないという利点がある。しかしながら、高周波強調フィルタは被写体の輪郭部分においてオーバーシュートを生じたり、平坦な部分においてノイズを強調したりするなどの問題があり、必ずしも良い画像が得られるとはいえない。
【0012】
第3の階調変換技術としては、広DR画像を低周波成分画像と高周波成分画像に分離し、高周波成分画像はそのままに、低周波成分画像に対して適当な階調変換処理を施して、最後にそれらを1つの画像に加算合成する技術を挙げることができる(例えば、特許文献4参照)。
【0013】
第3の階調変換技術によれば、広DR画像の高周波成分はそのままであるので、階調変換によるコントラスト低下を防ぐことができる。しかしながら、第3の階調変換技術も、第2の階調変換技術と同様に、被写体の輪郭部分においてオーバーシュートを生じたり、平坦な部分においてノイズを強調したりするなどの問題があるので、低周波成分画像と高周波成分画像に分離する処理に非線形フィルタ(例えば、メディアンフィルタ)を用いることにより、この問題を解決する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−223491号公報
【特許文献2】
特開平9−331469号公報
【特許文献3】
特開2000−115534号公報
【特許文献4】
特開平9−214766号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明した第1乃至第3の階調圧縮技術をまとめると、近傍の画素を利用する比較的局所的な処理で階調圧縮を行うもの(第1および第2の階調圧縮技術)と、画像全体または比較的大きな領域を使って階調圧縮を行うもの(第3の階調圧縮技術)に分けられる。前者によれば、ごく高周波成分のみが強調されたような不自然な画像となり、効果的な階調圧縮結果が得られるとは言い難い。また、後者によれば、高周波成分の強調にあわせて比較的低周波の成分も調整することが可能な分だけ、前者よりもより自然な画像が得られ、階調圧縮の効果は高いということができる。
【0016】
しかしながら、後者によれば、その処理に、主にディレイラインまたはフレームメモリとして大量のメモリが必要となるので、ハードウェア化に適していないという問題があった。例えば、第3の階調圧縮技術は、輝度を複数の周波数成分に分離するときに空間フィルタが必要であるが、画像に対して比較的大きな空間フィルタを適用しなければ、人為的でない効果的な階調圧縮を施すことができないので、大きな空間フィルタを実装するために大量のディレイラインを回路に盛り込む必要がある。
【0017】
ところで、例えば、ディジタルビデオカメラやディジタルスチルカメラのような撮影装置の出力部に、広DR画像に階調圧縮処理を施す機能を組み込むことを考慮した場合、例えば、ディジタルビデオカメラでは、所定のフレームレートを保証して映像信号を出力しなければならないので、高速な信号処理が必要となり、階調圧縮処理の機能をハードウェア化することの要請は高い。また、例えば、静止画を撮影するディジタルスチルカメラであっても、構図を決定するためにファインダにモニタ画像を所定のフレームレートで出力する必要があるので、階調圧縮処理が高速であることが望まれる。
【0018】
以上のように、使用するメモリの容量がより小さく、演算も軽量でハードウェア化が容易であり、かつ、階調圧縮の効果が大きい階調圧縮技術が必要とされているが、従来そのような階調圧縮技術は提案されていない課題があった。
【0019】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、使用するメモリの容量がより小さく、演算が少なくて、ハードウェア化が容易であり、かつ、階調圧縮の効果が大きい階調圧縮技術を実現することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換手段と、変換手段によって生成されたトーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、縮小画像生成手段によって生成された縮小画像、および変換関数の傾きを保持する保持手段と、保持手段によって保持された縮小画像、および変換関数の傾きに基づき、変換手段によって生成されたトーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正手段とを含むことを特徴とする。
【0021】
前記保持手段は、1フレーム前の画像に対応する縮小画像、および1フレーム前の画像に適用された変換関数の傾きを保持するようにすることができる。
【0022】
前記変換手段は、現フレームの画像の画素値を、1種類以上の変換関数を段階的に用いて変換するようにし、前記補正手段は、保持手段によって保持された縮小画像、および1種類以上の変換関数にそれぞれ対応する傾きの積に基づき、変換手段によって生成されたトーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成するようにすることができる。
【0023】
前記1種類以上の変換関数のうち、少なくとも1種類の変換関数は、単調増加関数であるようにすることができる。
【0024】
本発明の画像処理装置は、変換手段によって生成されたトーン変換画像の画素値の平均値を算出する平均値算出手段をさらに含むことができ、前記1種類以上の変換関数のうち、少なくとも1種類の変換関数の傾きは、平均値算出手段によって算出された平均値の逆数に比例するようにすることができる。
【0025】
前記平均値算出手段は、トーン変換画像を複数のブロックに分割し、各ブロックの画素値の平均を算出して重み付け加算した値を、平均値として算出するようにすることができる。
【0026】
前記縮小画像生成手段は、変換手段によって生成されたトーン変換画像を縮小して第1の縮小画像を生成し、第1の縮小画像の画素値の平均値の逆数に比例する値を第1の縮小画像の各画素値に乗算して、第2の縮小画像を生成するようにすることができる。
【0027】
本発明の画像処理装置は、変換手段に供給される現フレームの画像の画素値を対数変換する対数変換手段と、補正手段によって生成されたコントラスト補正画像の画素値を対数逆変換する対数逆変換手段をさらに含むことができる。
【0028】
本発明の画像処理装置は、補正手段によって生成されたコントラスト補正画像の画素値をガンマ変換するガンマ変換手段と、ガンマ変換手段によってガンマ変換されたコントラスト補正画像の輝度成分の分布範囲を示す輝度域情報を算出する輝度域情報算出手段と、輝度域情報算出手段によって算出された輝度域情報に基づき、ガンマ変換手段によってガンマ変換されたコントラスト補正画像の画素値の分布を、所定の範囲に正規化する正規化手段とをさらに含むことができる。
【0029】
前記輝度域情報算出手段は、ガンマ変換手段によってガンマ変換されたコントラスト補正画像の輝度成分の上限値および下限値を、輝度域情報として算出するようにし、前記正規化手段は、輝度域情報算出手段によって算出されたコントラスト補正画像の輝度成分の上限値および下限値が、それぞれ、想定される再現デバイスが再現可能な輝度成分の範囲の上限値および下限値に一致するように、コントラスト補正画像の画素値を変換するようにすることができる。
【0030】
前記保持手段は、輝度域情報算出手段によって算出された1フレーム前の輝度域情報も保持するようにすることができる。
【0031】
前記画像は、輝度成分を有する画素から構成されたモノクロ画像とすることができる。
【0032】
前記画像は、複数の色成分を有する画素から構成されたカラー画像とすることができる。
【0033】
前記変換手段は、カラー画像を元にして、輝度成分を有する画素から構成された第1の輝度画像を生成し、第1の輝度画像をトーン変換輝度画像に変換し、トーン変換輝度画像に基づいて、複数の色成分を有する画素から構成されたカラーのトーン変換画像を生成するようにすることができる。
【0034】
前記変換手段は、カラー画像の各色成分の値と第1の輝度画像の輝度成分の値の差分値を算出し、差分値と変換関数の傾きとの積を算出し、積をトーン変換輝度画像の各色成分の値に加算して、トーン変換画像の各色成分を算出するようにすることができる。
【0035】
前記変換手段は、第1の輝度画像の輝度成分の平均値を算出し、平均値の逆数に比例する係数を算出し、係数をカラー画像の各色成分の値に乗算して、トーン変換画像の各色成分を算出するようにすることができる。
【0036】
前記補正手段は、変換手段によって生成されたカラーのトーン変換画像を元にして、輝度成分を有する画素から構成された第2の輝度画像を生成し、第2の輝度画像、保持手段によって保持された縮小画像、および変換関数の傾きに基づき、変換手段によって生成されたカラーのトーン変換画像のコントラストを補正して、カラーのコントラスト補正画像を生成するようにすることができる。
【0037】
本発明の画像処理装置は、補正手段によって生成されたカラーのコントラスト補正画像の画素値をガンマ変換するガンマ変換手段と、ガンマ変換手段によってガンマ変換されたカラーのコントラスト補正画像を元にして、輝度成分を有する画素から構成された第3の輝度画像を生成し、第3の輝度画像の輝度成分の分布範囲を示す輝度域情報を算出する輝度域情報算出手段と、輝度域情報算出手段によって算出された輝度域情報に基づき、ガンマ変換手段によってガンマ変換されたカラーのコントラスト補正画像の画素値の分布を、所定の範囲に正規化する正規化手段とをさらに含むことができる。
【0038】
本発明の画像処理方法は、現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換ステップと、変換ステップの処理で生成されたトーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成ステップと、縮小画像生成ステップの処理で生成された縮小画像、および変換関数の傾きを保持する保持ステップと、保持ステップの処理で保持された縮小画像、および変換関数の傾きに基づき、変換ステップの処理で生成されたトーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正ステップとを含むことを特徴とする。
【0039】
本発明の記録媒体のプログラムは、現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換ステップと、変換ステップの処理で生成されたトーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成ステップと、縮小画像生成ステップの処理で生成された縮小画像、および変換関数の傾きを保持する保持ステップと、保持ステップの処理で保持された縮小画像、および変換関数の傾きに基づき、変換ステップの処理で生成されたトーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正ステップとを含むことを特徴とする。
【0040】
本発明のプログラムは、現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換ステップと、変換ステップの処理で生成されたトーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成ステップと、縮小画像生成ステップの処理で生成された縮小画像、および変換関数の傾きを保持する保持ステップと、保持ステップの処理で保持された縮小画像、および変換関数の傾きに基づき、変換ステップの処理で生成されたトーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正ステップとを含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態であるディジタルビデオカメラについて、図面を参照して説明する。
【0042】
図1は、本発明の一実施の形態であるディジタルビデオカメラの構成例を示している。このディジタルビデオカメラ1は、被写体を撮影して、画素値のダイナミックレンジが通常よりも広い広DR画像を生成し、所定の記憶媒体に記録するとともに、構図決定のファインダや映像モニタを兼ねる内蔵されたディスプレイ、あるいは外部機器に対しては、広DR画像を、画素値のダイナミックレンジがより狭い狭DR画像に変換して出力するものである。
【0043】
ディジタルビデオカメラ1は、大別して光学系、信号処理系、記録系、表示系、および制御系から構成される。
【0044】
光学系は、被写体の光画像を集光するレンズ2、光画像の光量を調整する絞り3、および集光された光画像を所定のフレームレートで光電変換して広DR画像を生成するCCDイメージセンサ4から構成される。なお、以下においては、CCDイメージセンサ4が生成する広DR画像に関しては、1チャンネルの輝度信号からなるモノクロ画像である場合と、多チャンネル(例えば、3チャンネル)の輝度信号からなるカラー画像である場合の2通りについて説明する。
【0045】
信号処理系は、CCDイメージセンサ4から出力された広DR画像をサンプリングすることによってノイズを低減させる相関2重サンプリング回路(CDS)5、相関2重サンプリング回路5によってノイズが除去された広DR画像を、例えば14乃至16ビット程度のビット幅を有する値にAD変換するA/Dコンバータ6、A/Dコンバータ6が出力する広DR画像に対して階調圧縮処理を施すDSP(Digital Signal Processor)7から構成される。
【0046】
A/Dコンバータ6が出力する14乃至16ビットのビット幅を有する広DR画像のように、階調が多い画像信号は、輝度Y、色差Cr,Cb等の通常のビデオ信号では再現しきれないが、DSP7による階調圧縮処理により、輝度Y、色差Cr,Cb等の通常のビデオ信号では再現できる範囲に階調を圧縮されるようになされている。DSP7については、図2以降を参照して詳述する。
【0047】
ディジタルビデオカメラ1の記録系は、DSP7から入力される広DR画像または狭DR画像をエンコードしてメモリ13に記録したり、メモリ13に記憶されている符号データを読み出してデコードし、DSP7に供給したりするCODEC(Compression/Decompression)12、および、エンコードされた広DR画像または狭DR画像を記憶する、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体などよりなるメモリ13から構成される。
【0048】
表示系は、DSP7から供給される狭DR画像をDA変換するD/Aコンバータ9、D/Aコンバータ9が出力するアナログの狭DR画像を、輝度Y、色差Cr,Cb等の通常のビデオ信号に変換してディスプレイ11に出力するビデオエンコーダ10、およびビデオ信号に対応する画像を表示することによってファインダやビデオモニタとして機能するLCD(Liquid Crystal Display)等よりなるディスプレイ11から構成される。
【0049】
制御系は、CCDイメージセンサ4乃至DSP7の動作タイミングを制御するタイミングジェネレータ(TG)8、ユーザからの各種の操作を受け付けるインプットデバイス15、およびディジタルビデオカメラ1の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)14から構成される。
【0050】
次に、ディジタルビデオカメラ1の動作の概要について説明する。被写体の光学画像(入射光)は、レンズ2および絞り3を介してCCDイメージセンサ4に入射され、CCDイメージセンサ4によって光電変換され、得られた広DR画像の画素となる電気信号は、相関2重サンプリング回路5によってノイズが除去され、A/Dコンバータ6によってディジタル化された後、DSP7に供給される。
【0051】
DSP7は、A/Dコンバータ6から入力された広DR画像に対して階調圧縮処理を施し、狭DR画像を生成して、D/Aコンバータ9またはCODEC12、あるいは両方に出力する。D/Aコンバータ9に供給された狭DR画像は、DA変換され、ビデエンコーダ10により通常のビデオ信号に変換されて、その画像がディスプレイ11に表示される。一方、CODEC12に供給された狭DR画像は、符号化されてメモリ13に記録される。以上で、ディジタルビデオカメラ1の動作概要の説明を終了する。
【0052】
次に、本発明の主眼となるDSP7について説明する。
【0053】
図2は、モノクロ画像である広DR画像に対応したDSP7の第1の構成例を示している。以下、DSP7に入力されるモノクロの広DR画像を、広DR輝度画像Lと記述する。また、広DR輝度画像の画素値(すなわち、輝度値)を、L(p)と記述する。ここで、pは、p=(x,y)のように、画像における画素位置を示すベクトルまたは座標である。したがって、L(p)は、画素位置と輝度値の両方の情報を含むものとして、広DR輝度画像を表すLとは区別して用いることとする。後述するその他の画像とその画素値についても同様である。
【0054】
DSP7には、広DR輝度画像Lの輝度L(p)がラスタ順に入力されるものとする。
【0055】
DSP7の第1の構成例において、対数変換部21は、入力される輝度L(p)を対数変換し、得られる対数輝度logL(p)をトーンカーブ補正部22に出力する。トーンカーブ補正部22は、入力される対数輝度logL(p)に対し、予め用意されているトーンカーブを適用して階調を圧縮する方向に変換し、得られる対数輝度logL(p)を縮小画像生成部23およびコントラスト補正部25に出力する。また、トーンカーブ補正部22は、適用したトーンカーブの傾きを示す代表値γをコントラスト補正部25に出力する。以下、適用したトーンカーブの傾きを示す代表値γを、単に代表値γとも記述する。
【0056】
縮小画像生成部23は、トーンカーブ補正部22から入力される1フレーム分の対数輝度logL(p)に基づき、縮小画像logLclを生成して、縮小画像メモリ24に保持させる。
【0057】
コントラスト補正部25は、トーンカーブ補正部22から入力される現フレームの対数輝度logL(p)のトーンカーブ補正によって弱められているコントラストを、代表値γおよび縮小画像メモリ24に保持されている1フレーム前の縮小画像logLclに基づいて補正し、得られる対数輝度logL(p)を対数逆変換部26に出力する。対数逆変換部26は、コントラストが補正された対数輝度logL(p)を、対数逆変換して、得られる通常軸の輝度L(p)をガンマ補正部27に出力する。
【0058】
ガンマ補正部27は、対数逆変換部26から入力される輝度L(p)に対して、再生デバイス(例えば、ディスプレイ11)のガンマ特性を考慮したガンマ補正を施し、得られるガンマ補正後の輝度Y(p)を輝度情報算出部28および輝度域正規化部30に出力する。輝度情報算出部28は、ガンマ補正部27から入力される1フレーム分の輝度Y(p)に対して、それぞれ、輝度の分布を示す輝度域情報を算出して輝度域情報メモリ29に保持させる。ここで、輝度域情報とは、1フレームにおける輝度の分布の範囲を示す情報であって、例えば、最も暗い方に近い輝度Yと、最も明るい方に近い輝度Yを輝度域情報[Y,Y]として算出するようにする。
【0059】
輝度域正規化部30は、輝度域情報メモリ29に保持されている1フレーム前の輝度域情報[Y,Y]に基づき、ガンマ補正部27から入力される現フレームの輝度Y(p)を、その分布範囲が再生デバイス(例えば、ディスプレイ11)が表現可能な範囲に合致するように変換し、得られる輝度Y(p)を、狭DR画像の画素値として後段に出力する。
【0060】
以上説明したように、DSP7の第1の構成例による階調圧縮処理の過程において、縮小画像生成部23により縮小画像logLclが生成され、輝度域情報算出部28により輝度域情報[Y,Y]が算出される。この縮小画像logLclおよび輝度域情報[Y,Y]を以下、中間情報と記述する。
【0061】
DSP7によれば、入力される広DR輝度画像の各フレーム対して中間情報が算出され、算出された中間情報が、1フレーム後の広DR輝度画像を処理するために用いられる。
【0062】
一般に、階調圧縮を効果的に施すためには、画像全体または画像上で広域な範囲の輝度値に基づいて算出された情報が必要であるが、当該情報を算出するまでのタイムラグが大きくなることが実装上の問題となる。そこで、DSP7では、当該情報として、時間的に非常に変化し難いものを選ぶことによって、1フレーム前の中間情報を現フレームに対する階調圧縮に利用する。このような構成をとることにより、実装してもメモリ使用量や回路規模が大きくなることを回避することができる。
【0063】
次に、DSP7の第1の構成例の各部の詳細について、図面を参照して説明する。
【0064】
図3は、トーンカーブ補正部22の第1の構成例を示している。当該第1の構成例において、LUTメモリ41には、図4に示すような単調増加のトーンカーブに相当するルックアップテーブル(以下、LUTと記述する)とトーンカーブの傾きを示す代表値γが予め保持されている。なお、LUTの代わりに、トーンカーブに相当する関数を保持するようにしてもよい。テーブル参照部42は、LUTメモリ41に保持されているLUTに基づいて対数輝度logL(p)を対数輝度logL(p)に補正する。
【0065】
図4は、トーンカーブの一例を示しており、横軸が入力輝度L(p)を、縦軸がトーンカーブ補正後の輝度L(p)を、それぞれ[0,1]に正規化して対数軸で表示している。この例のように、単調増加であって、緩やかな逆S字形のトーンカーブを適用すると、高輝度領域と低輝度領域では、階調圧縮があまり強く作用しないので、階調圧縮後でも白ツブレや黒ツブレが少ない良好な色調が得られる。逆に中間輝度域は階調圧縮が強く作用するが、その分だけ、中間輝度域に対しては、後述するコントラスト補正が十分に適用されるので、中間輝度域でもコントラスト劣化のない良好な狭DR画像が得られる。
【0066】
なお、トーンカーブの傾きを示す代表値γは、例えば、輝度全域の傾きをそれぞれ求めて、それらの平均値を代表値γとすればよい。図4に示されたトーンカーブの場合、代表値γ=0.67である。
【0067】
図5は、トーンカーブ補正部22の第2の構成例を示している。当該第2の構成例は、第1の構成例のように予め用意されているLUTを用いるのではなく、フレーム毎に代表値γを算出して、対数輝度logL(p)を、対数輝度logL(p)に補正するものである。第2の構成例において、平均輝度算出部51は、1フレーム分の対数輝度logL(p)の平均値μを算出する。除算器52は、所定の定数logLを平均値μで除算し、代表値γを算出する。γメモリ53は、除算器52から入力された代表値γを保持する。乗算器54は、現フレームの対数輝度logL(p)に、γメモリ53に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)を算出する。
【0068】
ここで、所定の定数logLを、中庸レベルの対数輝度と定めておけば、1フレーム分の対数輝度logL(p)の平均値が、logLと等しい値のトーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)に変換されることになる。
【0069】
代表値γはフレーム毎に算出されるが、現実的には各フレームの対数輝度logL(p)の平均値μに基づいて決定されるので、前後のフレームではあまり変化がないことが期待できる。したがって、この代表値γも、上述した縮小画像logLclおよび輝度域情報[Y,Y]と同様に、1フレーム前のものを、現フレームに対するトーンカーブ補正に用いるようにしている。以下、代表値γも、中間情報に含めることにする。
【0070】
図6は、トーンカーブ補正部22の第3の構成例を示している。当該第3の構成例は、いわば、第1の構成例と第2の構成例を組み合わせたものである。第3の構成例において、LUTメモリ61には、図4に示されたようなトーンカーブに相当するLUTと、トーンカーブの傾きを示す代表値γが予め保持されている。テーブル参照部62は、LUTメモリ61に保持されているLUTに基づいて対数輝度logL(p)を、対数輝度logLc’(p)に補正して平均輝度算出部63および乗算器66に出力する。
【0071】
平均輝度算出部63は、1フレーム分の対数輝度logLc’(p)の平均値μを算出して、除算器64に出力する。除算器64は、所定の定数logLを平均値μで除算し、代表値γを算出し、γメモリ65に保持させる。乗算器66は、現フレームの対数輝度logLc’(p)に、γメモリ65に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)を算出する。乗算器67は、代表値γ,γの積を代表値γ(=γ・γ)として後段のコントラスト補正部25に出力する。
【0072】
次に、図7は、縮小画像生成部23の構成例を示している。縮小画像生成部23のソート部71は、前段のトーンカーブ補正部22から入力された1フレーム分の対数輝度logL(p)を、画像全体をm×n個のブロックに分割したときに属するブロックに応じて分類し、平均値計算部72−1乃至72−N(=m×n)に供給する。例えば、1番目のブロックに分類されるものは平均値計算部72−1に供給され、2番目のブロックに分類されるものは平均値計算部72−2に供給される。以下同様であり、N番目のブロックに分類されるものは平均値計算部72−Nに供給される。以下、平均値計算部72−1乃至72−Nを個々に区別する必要がない場合、単に平均値計算部72と記述する。
【0073】
平均値計算部72−i(i=1,2,…,N)は、1フレーム分の対数輝度logL(p)のうち、i番目のブロックに分類される対数輝度logL(p)の平均値を算出して、合成部73に出力する。合成部73は、平均値計算部72−iからそれぞれ入力される対数輝度logL(p)の平均値を画素値とするm×n画素の縮小画像logLclを生成し、後段の縮小画像メモリ24に保持させる。
【0074】
図8は、平均値計算部72の構成例を示している。平均値計算部72の加算器81は、前段のソート部71から入力される対数輝度logL(p)に、レジスタ(r)82が保持する値を加算して、レジスタ(r)82が保持する値を更新する。除算器83は、レジスタ82が最終的に保持している値を、1個のブロックを構成する画素数Qで除算することにより、1個のブロックに分類されたQ個の対数輝度logL(p)の平均値を算出する。
【0075】
次に、図9は、コントラスト補正部25の構成例を示している。コントラスト補正部25の補間位置指定部91は、前段のトーンカーブ補正部22から入力された対数輝度logL(p)の画素位置p(以下、補間位置pとも記述する)を取得して、補間部92に出力する。補間部92は、縮小画像メモリ24に保持されている1フレーム前の縮小画像logLclを用いて、補間位置pに対応する画素logLcl(p)を補間により算出してコントラスト強調部94に出力する。
【0076】
ゲイン値設定部93は、トーンカーブ補正部22からの前フレームに対する代表値γと、現在フレームの対数輝度logL(p)に基づいて、現在フレームの対数輝度logL(p)のコントラスト強調量を決めるゲイン値g(p)を算出する。コントラスト強調部94は、現在フレームの対数輝度logL(p)を、ゲイン値g(p)および縮小画像の補間値logLcl(p)に基づき、低周波数成分以外のコントラストが強調された対数輝度logL(p)を算出する。
【0077】
図10は、補間部92の構成例を示している。補間部92は、1フレーム前の縮小画像logLclの補間位置pの近傍の4×4画素を用いた双3次補間により、補間位置pに対応する画素logLcl(p)を補間するものである。
【0078】
近傍選択部101は、補間位置pの入力を受けて、縮小画像メモリ24に保持されている1フレーム前のm×n画素の縮小画像logLclから、補間位置pの近傍の4×4画素の画素値a[4][4]を取得して、積和部104に出力する。ここでa[i][j]の表記は、画素値aがi×jの2次元配列データであることを示す。また、近傍選択部101は、取得した画素値a[4][4]と補間位置pとの水平方向の位置ずれ量dx、垂直方向の位置ずれ量dyを、それぞれ、水平係数算出部102または垂直係数算出部103に出力する。
【0079】
ここで、補間位置p、近傍の画素値a[4][4]、位置ずれ量dx,dyの関係について、図11を参照して説明する。
【0080】
図11のm×nのマス目は、m×n画素の縮小画像logLclを表している。いま、補間位置p=(px,py)が与えられたとすると、補間位置pに対応する縮小画像logLcl上の位置qは、q=(qx,qy)=(px/bx−0.5,py/by−0.5)である。ただし、(bx,by)=(画像logLの水平画素数/m,画像logLの垂直画素数/n)である。
【0081】
補間位置pに対応する縮小画像上の位置qから近傍画素を得るには、図11においては斜線で示されたqx−2<x<qx+2、qy−2<y<qy+2の範囲に位置する縮小画像logLclの画素を取得すればよい。斜線で示された領域内の4×4の”+”マークで示された位置が取得される画素の位置である。近傍画素と補間位置pのずれ量(dx,dy)は、補間位置qの左下方向の最も近い画素との差分とする。すなわち、ずれ量(dx,dy)=(qxの小数部,qyの小数部)である。
【0082】
図10に戻る。水平係数算出部102は、近傍選択部101から入力された水平方向ずれ量dxに基づき、水平方向の3次補間係数k[4]を計算する。同様に、垂直係数算出部103は、近傍選択部101から入力された垂直方向ずれ量dyに基づき、垂直方向の3次補間係数k[4]を計算する。
【0083】
例えば、水平方向の3次補間係数k[4]は、次式(1)を用いて計算する。
【数1】
Figure 2004221645
Figure 2004221645
【0084】
また、例えば、垂直方向の3次補間係数k[4]は、次式(2)を用いて計算する。
【数2】
Figure 2004221645
Figure 2004221645
【0085】
なお、3次補間係数k[4],k[4]の計算には、上述した式(1),(2)の他、十分に滑らかな補間が得られるならば、任意の計算式を用いることができる。
【0086】
積和部104は、近傍の画素値a[4][4]と、水平方向の補間係数k[4]および垂直方向の補間係数k[4]との積和計算により、縮小画像logLclの補間位置pの補間値Lcl(p)を、次式(3)を用いて算出する。
【数3】
Figure 2004221645
Figure 2004221645
【0087】
次に、ゲイン値設定部93について説明する。ゲイン値設定部93は、上述したように、後段のコントラスト強調部94により低周波数域以外が強調される際の強調量を調節するゲイン値g(p)を設定するものである。ゲイン値g(p)=1である場合、コントラスト強調部94においてコントラストは強調も抑制も行われない。ゲイン値g(p)>1である場合、その値に対応してコントラストが強調される。また、ゲイン値g(p)<1である場合、その値に対応してコントラストが抑制される。
【0088】
ゲイン値設定の概略を説明する。画像のコントラストは、トーンカーブ補正による階調圧縮によって既に抑制されているが、その抑制量はトーンカーブの傾きに依存している。例えば、強い階調圧縮を行うように傾きの小さなトーンカーブが適用されていれば、コントラストの抑制も強くなされていることになる。また、例えばトーンカーブとして傾き1の直線が適用されていれば、画像が変化しない、すなわち、コントラストの抑制は行われていないことになる。
【0089】
そこで、ゲイン値設定部93では、トーンカーブの傾きの代表値γが1よりも小さい場合には、ゲイン値が1より大きくなるように、トーンカーブの傾きの代表値γの逆数1/γをゲイン値として採用する。
【0090】
また、入力される対数輝度logL(p)が白レベルまたは黒レベルに近い場合には、中間輝度域と同じようなコントラスト強調を行うとクリッピングが生じて逆に画像のディテールを失う結果となるので、入力される対数輝度logL(p)が白レベルまたは黒レベルに近くなるにしたがって、ゲイン値が1に近づくようする。
【0091】
すなわち、代表値γの逆数1/γ=gとして、ゲイン値g(p)を次式(4)のように算出する。
Figure 2004221645
ここで、attn(p)は、減衰する係数であって、次式(5)を用いて計算される。
【数4】
Figure 2004221645
Figure 2004221645
【0092】
なお、式(5)において、logLgrayは、中庸なグレイレベルの対数輝度を示し、logLwhiteは、白クリップレベル(最大の白レベル)の対数輝度を示しており、どちらも予め設定されている定数である。
【0093】
図12は、ゲイン値設定部93の構成例を示している。除算器111は、前段から入力される代表値γの逆数1/γ=gを算出して減算器112に出力する。減算器112は、(g−1)を演算して乗算器118に出力する。
【0094】
減算器113は、対数輝度logL(p)と、中庸なグレイレベルの対数輝度logLgrayの差(logL(p)−logLgray)を演算して、除算器115に出力する。減算器114は、白クリップレベルの対数輝度logLwhiteと、対数輝度logLgrayの差(logLwhite−logLgray)を演算して、除算器115に出力する。除算器115は、減算器113の出力(logL(p)−logLgray)を、減算器114の出力(logLwhite−logLgray)で除算して、絶対値計算器116に出力する。絶対値計算器116は、除算器115の出力の絶対値を計算してクリップ器117に出力する。クリップ器117は、絶対値計算器116の出力が1を超過する場合、その値を1にクリッピングし、絶対値計算器116の出力が1を超過しない場合、その値をそのまま、attn(p)として乗算器118に出力する。
【0095】
乗算器118は、減算器112の出力に、クリップ器117の出力を乗算して、加算器119に出力する。加算器119は、乗算器118の出力に1を加算し、演算結果をゲイン値g(p)として後段に出力する。
【0096】
次に、図13は、コントラスト強調部94の構成例を示している。減算器121は、対数輝度logL(p)と、縮小画像の補間値logLcl(p)との差(logL(p)−logLcl(p))を演算して、乗算器122に出力する。乗算器122は、減算器121の出力とゲイン値g(p)との積を演算して、加算器123に出力する。加算器123は、乗算器122の出力に、縮小画像の補間値logLcl(p)を加算して、コントラスト補正がなされた対数輝度logL(p)を後段に出力する。
【0097】
なお、縮小画像の補間値logLcl(p)は、m×n画素の縮小画像を元にして補間された値であるから、縮小前の画像logLのごく低周波域成分だけをもつものである。
【0098】
つまり、減算器121の出力(logL(p)−logLcl(p))は、元の対数輝度logL(p)からごく低域成分だけを差し引いたものである。このように輝度信号をごく低周波域の成分とそれ以外の成分の2つに分離し、そのうち、低周波域成分以外をゲイン値g(p)を乗算して強調した後、再び加算器123により合成したものが、コントラスト補正がなされた対数輝度logL(p)である。
【0099】
このように、コントラスト強調部94では、ごく低周波域を除く、低中周波域から高周波域の成分が同じゲイン値g(p)で強調されるようになっている。したがって、コントラスト補正がなされた対数輝度logL(p)は、高周波域だけを強調したときに目立つ、エッジ部分の局所的なオーバーシュートは発生せず、見た目にもごく自然にコントラストが強調された画像が得られるようになされている。
【0100】
次に、輝度域情報算出部28および輝度域正規化部30について説明する。
【0101】
まず、輝度域正規化処理の概要を説明する。DSP7による階調圧縮処理の目的は広DR輝度画像を、ディスプレイ11などの再生デバイスのダイナミックレンジに適合した狭DR画像に変換することであり、そのために、再生デバイスのダイナミックレンジにあわせたトーンカーブがトーンカーブ補正部22に予め用意されている。これにより、撮影された大多数の広DR輝度画像を、適切に階調圧縮することができる。
【0102】
しかしながら、撮影する被写体によっては、入射光のダイナミックレンジが元々それほど大きくないこともあり得るので、その画像に階調圧縮処理を施した場合、必要以上に階調圧縮が行われてしまい、再生デバイスの再生可能なダイナミックレンジよりも狭いレンジに、輝度が押し込められてしまうこともあり得る。
【0103】
これを抑止するために、輝度域正規化部30では、階調圧縮処理の最終段階の処理として、ガンマ補正後の輝度信号Y(p)のダイナミックレンジが、再生デバイスが再生可能なダイナミックレンジに一致するように、ガンマ補正後の輝度信号Y(p)を正規化する。
【0104】
図14は、輝度域正規化部30による輝度域正規化処理の様子を示している。同図の折れ線グラフは、横軸に輝度域正規化前のガンマ補正された輝度Yを示し、縦軸に輝度域正規化後の輝度Yを示しており、階調変換曲線αは、輝度YをYに変換するときに用いる変換テーブルを示している。
【0105】
階調変換曲線αの求め方について説明する。折れ線グラフの下に示された斜線の図形131は、輝度域正規化前の輝度画像Yのヒストグラムの一例である。この例においては、ガンマ補正が行われた輝度域正規化前の段階で、ディジタルビデオカメラ1が生成し得る最低輝度Yminから最高輝度Ymaxまでのダイナミックレンジよりも狭いダイナミックレンジに階調圧縮された輝度画像が得られている。
【0106】
このダイナミックレンジのままで再生デバイスに出力すると、再生デバイスの再生可能なダイナミックレンジが有効に使われないので、輝度域正規化前の輝度画像Yの輝度分布が、再生デバイスのダイナミックレンジの全域に亘って分布するように正規化を実行する。
【0107】
そのためにまず、輝度域正規化前の輝度画像Yのヒストグラム形状131が分布する範囲[Y,Y]を、輝度域正規化前の輝度画像Yの輝度域情報として算出する。そして、再生デバイスの輝度域[Ynb,Ync]の上下端よりも若干内側の輝度Yna,Ynsを設定し、横軸の輝度{Ymin,Y,Y,Ymax}が縦軸の輝度{Ynb,Yna,Yns,Ync}に対応するように階調変換曲線αを決定する。
【0108】
この階調変換曲線αを用いて階調変換を行えば、折れ線グラフの左に示された斜線の図形132のようなヒストグラム形状をもつ輝度画像Yを得ることができる。
【0109】
なお、輝度域正規化前の輝度域[Y,Y]を、再生デバイスの輝度域[Ynb,Ync]よりも若干狭い輝度域[Yna,Yns]に写像するように、階調変換曲線αを決定したが、その理由は、輝度Ynb,Ync付近での急激な輝度クリッピングが画像上に現れないようにするためである。
【0110】
ここで、輝度Yna,Ynsは、輝度Ynb,Yncに基づいて予め適切な値を設定されているものとする。
【0111】
なお、輝度域正規化前の輝度域[Y,Y]の取得は、輝度域情報算出部28が行い、階調変換曲線αの決定および輝度Y(p)の算出は、輝度域正規化部30が実行する。
【0112】
図15は、輝度域情報算出部28の構成例を示している。輝度域情報算出部28において、間引き部141は、ガンマ補正部27から入力された輝度Y(p)を、その画素位置pに基づいて選別する。すなわち、予め設定された画素位置の画素の輝度だけを後段のMINソート部142およびMAXソート部145に供給する。
【0113】
MINソート部142は、比較部143とレジスタ144の組み合わせがk組直列に配置されており、入力された輝度Y(p)を小さい順にレジスタ144−1乃至144−kに保持するようになされている。
【0114】
例えば、比較部143−1は、間引き部141からの輝度Y(p)とレジスタ144−1の値を比較し、間引き部141からの輝度Y(p)がレジスタ144−1の値よりも小さい場合、間引き部141からの輝度Y(p)を用いてレジスタ144−1の値を更新する。反対に、間引き部141からの輝度Y(p)がレジスタ144−1の値よりも小さくない場合、間引き部141からの輝度Y(p)は後段の比較部143−2に供給される。
【0115】
比較部143−2は、比較部143−1からの輝度Y(p)とレジスタ144−2の値を比較し、比較部143−1からの輝度Y(p)がレジスタ144−2の値よりも小さい場合、比較部143−1からの輝度Y(p)を用いてレジスタ144−2の値を更新する。反対に、比較部143−1からの輝度Y(p)がレジスタ144−2の値よりも小さくない場合、比較部143−1からの輝度Y(p)は後段の比較部143−3に供給される。
【0116】
比較部143−3以降においても同様であり、1フレーム分の輝度Y(p)が入力された段階で、レジスタ144−1に輝度Y(p)の最小値Yminが保持され、レジスタ144−2乃至144−kに、輝度Y(p)が小さい順に保持されることになり、レジスタ144−kに保持された輝度Y(p)が、輝度域情報の輝度Yとして後段に出力される。
【0117】
MAXソート部145は、比較部146とレジスタ147の組み合わせがk組直列に配置されており、入力された輝度Y(p)を大きい順にレジスタ147−1乃至147−kに保持するようになされている。
【0118】
例えば、比較部146−1は、間引き部141からの輝度Y(p)とレジスタ147−1の値を比較し、間引き部141からの輝度Y(p)がレジスタ144−1の値よりも大きい場合、間引き部141からの輝度Y(p)を用いてレジスタ147−1の値を更新する。反対に、間引き部141からの輝度Y(p)がレジスタ147−1の値よりも大きくない場合、間引き部141からの輝度Y(p)は後段の比較部146−2に供給される。
【0119】
比較部146−2は、比較部146−1からの輝度Y(p)とレジスタ147−2の値を比較し、比較部146−1からの輝度Y(p)がレジスタ147−2の値よりも大きい場合、比較部146−1からの輝度Y(p)を用いてレジスタ147−2の値を更新する。反対に、比較部146−1からの輝度Y(p)がレジスタ147−2の値よりも大きくない場合、比較部146−1からの輝度Y(p)は後段の比較部146−3に供給される。
【0120】
比較部146−3以降においても同様であり、1フレーム分の輝度Y(p)が入力された段階で、レジスタ147−1に輝度Y(p)の最大値Ymaxが保持され、レジスタ147−2乃至147−kに、輝度Y(p)が大きい順に保持されることになり、レジスタ147−kに保持された輝度Y(p)が、輝度域情報の輝度Yとして後段に出力される。
【0121】
なお、MINソート部142およびMAXソート部145に入力される輝度Y(p)は、間引き部141により間引きされたものであるので、間引きの間隔と、MINソート部142およびMAXソート部145の段数kを適切に調整すれば、1フレームの全画素のうち、例えば、上限および下限のそれぞれ1%等に相当する輝度Y,Yを得ることが可能になる。
【0122】
図16は、輝度域正規化部30の構成例を示している。輝度域正規化部30は、上述したように、階調変換曲線αを決定し、階調変換曲線αを用いてガンマ補正後の輝度Y(p)を輝度域正規化後の輝度Y(p)に変換するものである。
【0123】
図14に示されたように、階調変換曲線αは5本の線分で構成されているので、輝度域正規化部30では、入力された輝度Y(p)がどの線分の範囲であるかを判別し、入力された輝度Y(p)に階調変換曲線αを構成する5本の線分のうちの1つを適用して、輝度域正規化後の輝度Y(p)に変換する。
【0124】
輝度域正規化部30のセレクタ151は、入力端子iに入力される輝度Y(p)に基づき、入力端子a乃至hにそれぞれ入力される輝度Ymax,Y,Y,Ymin,Ync,Yns,Yna,Ynbのうちの4つの輝度を、出力端子j乃至mから出力する。この対応関係は、以下の通りである。
【数5】
Figure 2004221645
【0125】
減算器152は、出力端子kの出力と出力端子jの出力の差を演算して、除算器155に出力する。減算器153は、出力端子lの出力と減算器154の出力の差を演算して、除算器155に出力する。減算器154は、輝度Y(p)と出力端子mの出力との差を演算して、乗算器156に出力する。除算器155は、減算器152の出力と減算器153の出力の比を演算して乗算器156に出力する。乗算器156は、除算器155の出力と減算器154の出力の積を演算して、加算器157に出力する。加算器157は、出力端子jの出力と乗算器156の出力を加算して出力する。
【0126】
加算器157の出力Y(p)は、ガンマ補正後の輝度Y(p)に基づいて判別された階調変換曲線αの線分を示す次式(6)に示すとおりとなる。
【数6】
Figure 2004221645
Figure 2004221645
【0127】
以上で、図2に示されたDSP7を構成する各部の説明を終了する。
【0128】
ところで、図6に示されたトーンカーブ補正部22の平均輝度算出部63と、図7に示された縮小画像生成部23の平均輝度計算部72が同様の計算を実行することに着目すれば、よりシンプルな回路構成で演算量を減少させることが可能である。具体的には、図2のトーンカーブ補正部22、縮小画像生成部23、縮小画像メモリ24、およびコントラスト補正部25を組み合わせて、図17に示すような複合部を設ければよい。
【0129】
この複合部160は、図2に示されたトーンカーブ補正部22、縮小画像生成部23、縮小画像メモリ24、およびコントラスト補正部25と置換可能なものである。
【0130】
複合部160のLUTメモリ161には、図4に示されたようなトーンカーブに相当するLUTと、トーンカーブの傾きを示す代表値γが予め保持されている。テーブル参照部162は、上段から入力された対数輝度logL(p)を、LUTメモリ161に保持されているLUTに基づいて対数輝度logLc’(p)に補正して縮小画像生成部163および乗算器172に出力する。
【0131】
縮小画像生成部163は、対数輝度画像logLc’をm×n個のブロックに分割し、各ブロックに属する画素の対数輝度logLc’(p)の平均値を算出して、m×n画素の第1の縮小画像を生成し、第1の縮小画像メモリ164に保持させる。
【0132】
平均輝度算出部63は、第1の縮小画像メモリ164に保持されている1フレーム前の第1の縮小画像の画素値の平均値μを算出して、除算器166に出力する。除算器166は、所定の定数logLを平均値μで除算し、代表値γを算出し、γメモリ167に保持させる。乗算器168は、第1の縮小画像メモリ164に保持されている第1の縮小画像の各画素に、γメモリ65に保持されている代表値γを乗算して、第2の縮小画像logLclを生成し、第2の縮小画像メモリ169に持させる。
【0133】
乗算器170は、テーブル参照部162から入力された現フレームの対数輝度logLc’(p)に、γメモリ167に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)を算出する。乗算器171は、代表値γ,γの積を代表値γ(=γ・γ)としてゲイン値設定部172に出力する。
【0134】
ゲイン値設定部172は、乗算器171から入力された前フレームに対する代表値γと、乗算器170から入力された現在フレームの対数輝度logL(p)に基づいて、現在フレームの対数輝度logL(p)のコントラスト強調量を決めるゲイン値g(p)を算出する。
【0135】
補間位置指定部173は、乗算器170から入力された現在フレームの対数輝度logL(p)の画素位置p(以下、補間位置pとも記述する)を取得して、補間部174に出力する。補間部174は、第2の縮小画像メモリ169に保持されている1フレーム前の第2の縮小画像logLclを用いて、補間位置pに対応する画素logLcl(p)を補間により算出してコントラスト強調部175に出力する。
【0136】
コントラスト強調部175は、乗算器170から入力された現在フレームの対数輝度logL(p)について、ゲイン値g(p)および縮小画像の補間値logLcl(p)に基づき、低周波数成分以外のコントラストが強調された対数輝度logL(p)を算出する。
【0137】
この複合部160を用いれば、平均輝度算出部165は、第1の縮小画像のm×n画素の平均値を算出することになるので、本来の画像サイズの対数輝度画像logLの画素の平均値を算出する図6の平均輝度算出部63に比較して、演算量を削減することができる。したがって、演算に起因する遅延時間を短縮することができる。
【0138】
次に、図17に示された複合部160が適用されたDSP7の第1の構成例による総合的な階調圧縮処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0139】
ステップS1において、DSP7は、入力された現フレームの広DR輝度画像Lを、1フレーム前の広DR輝度画像に対して算出され、保持されている中間情報(第2の縮小画像logL(p)、代表値γ、輝度域情報[Y,Y])を基づいて狭DR輝度画像Yに変換する。また、DSP7は、現フレームの広DR輝度画像Lに対する中間情報を算出する。
【0140】
ステップS2において、DSP7は、算出した現フレームの広DR輝度画像Lに対する中間情報を用いて、保持していた1フレーム前の広DR輝度画像に対する中間情報を更新する。
【0141】
ステップS3において、DSP7は、入力された現フレームの広DR輝度画像に、後続するフレームが存在するか否かを判定し、後続するフレームが存在すると判定した場合、ステップS1に戻り、それ以降の処理を繰り返す。反対に、後続するフレームが存在しないと判定された場合、この階調圧縮処理は終了される。
【0142】
ステップS1における画素単位の処理の詳細を、図19のフローチャートを参照して説明する。以下に説明する各ステップの処理は、ラスタ順に入力される注目画素(画素位置p)に対して実行される。
【0143】
ステップS11において、DSP7に注目画素(画素位置p)の輝度L(p)が入力される。ステップS12において、対数変換部21は、入力された輝度L(p)を対数変換し、得られた対数輝度logL(p)を複合部160に出力する。ステップS13において、複合部160のテーブル参照部162は、対数変換部21から入力された対数輝度logL(p)を、LUTメモリ161に保持されているLUTに基づいて対数輝度logLc’(p)に補正して縮小画像生成部163および乗算器172に出力する。これと同時に、LUTメモリ161は、トーンカーブの傾きの代表値γを乗算器171に出力する。乗算器171は、代表値γとγメモリ167に保持されている1フレーム前の第1の縮小画像に基づいて算出されたγの積を代表値γとしてゲイン値設定部172の出力する。
【0144】
ステップS14において、縮小画像生成部163は、トーンカーブ補正後の1フレーム分の対数輝度logLc’(p)を元に、第1の縮小画像を生成する。ここで、生成された第1の縮小画像に基づき、代表値γが算出される。また、生成された第1の縮小画像に算出された代表値γが乗算されて、第2の縮小画像logLclが生成される。
【0145】
ステップS15において、乗算器170は、テーブル参照部162から入力された現フレームの対数輝度logLc’(p)に、γメモリ167に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)を算出する。
【0146】
ステップS16において、ゲイン値設定部172は、乗算器171から入力された前フレームに対する代表値γと、乗算器170から入力された現在フレームの対数輝度logL(p)に基づいて、現在フレームの対数輝度logL(p)のコントラスト強調量を決めるゲイン値g(p)を算出する。
【0147】
ステップS17において、補間部174は、第2の縮小画像メモリ169に保持されている1フレーム前の第2の縮小画像logLclを用いて、補間位置pに対応する画素logLcl(p)を補間により算出してコントラスト強調部175に出力する。ステップS18において、コントラスト強調部175は、第2の縮小画像の補間値logLcl(p)およびゲイン値g(p)に基づき、トーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)の低周波域成分以外を強調し、その結果得られたコントラスト補正された対数輝度logL(p)を後段の対数逆変換部26に出力する。
【0148】
ステップS19において、対数逆変換部26は、コントラスト補正された対数輝度logL(P)を、通常軸の輝度L(P)に変換し、ガンマ補正部27に出力する。ステップS20において、ガンマ補正部27は、所定のガンマ補正を行い、得られた輝度Y(p)を輝度域情報算出部28および輝度域正規化部30に出力する。
【0149】
ステップS21において、輝度域情報算出部28は、1フレーム分の輝度Y(p)を元にして、輝度域情報[Y,Y]を生成する。ステップS22において、輝度域正規化部30は、輝度域情報メモリ29に保持されている1フレーム前の輝度域情報[Y,Y]に基づき、ガンマ補正部27から入力された輝度Y(p)を正規化して、輝度Y(p)を算出する。ステップS23において、輝度域正規化部30は、輝度Y(p)を、階調圧縮された狭DR輝度画像の画素値として出力する。以上で、図18のステップS1の処理の詳細な説明を終了する。
【0150】
次に、図18のステップS2の処理の詳細を、図20のフローチャートを参照して説明する。ステップS31において、縮小画像生成部163は、トーンカーブ補正後の1フレーム分の対数輝度logLc’(p)を元に生成した第1の縮小画像を用いて、第1の縮小画像メモリ164に保持されている第1の縮小画像を更新する。
【0151】
ステップS32において、除算器166は、所定の定数logLを、平均輝度算出部165から入力された平均値μで除算して代表値γを算出し、算出した代表値γを用いて、γメモリ167に保持されている代表値γを更新する。
【0152】
ステップS33において、乗算器168は、ステップS31の処理で更新された第1の縮小画像メモリ164に保持されている第1の縮小画像の各画素に、ステップS32の処理で更新されたγメモリ65に保持されている代表値γを乗算して、第2の縮小画像logLclを生成し、第1の縮小画像メモリ169に保持されている第2の縮小画像logLclを更新する。
【0153】
ステップS34において、輝度域情報算出部28は、1フレーム分の輝度Y(p)を元にして算出した輝度域情報[Y,Y]を用いて、輝度域情報メモリ29に保持されている1フレーム前の輝度域情報[Y,Y]を更新する。以上で、図18のステップS2の処理の詳細な説明を終了する。
【0154】
次に、図21は、カラー画像である広DR画像に対応したDSP7の構成例を示している。なお、DSP7にラスタ順に入力される広DR画像は、全ての画素がそれぞれR,G,B成分の全てを有しているのではなく、R,G,B成分のうちのいずれか1つを有しているものとする。以下、DSP7の第2の構成例に入力されるカラー画像である広DR画像を、広DR色モザイク画像と記述する。なお、広DR色モザイク画像の各画素がR,G,B成分のうちのいずれを有しているかは、画素位置によって決定されている。
【0155】
DSP7にラスタ順に入力される広DR色モザイク画像の画素値を、L(p)と記述する。
【0156】
DSP7の当該第2の構成例において、デモザイク部201は、画素毎に異なる色成分を有する1フレーム分の画素値L(p)を元に対し、全て画素がR,G,B成分を全て有するようにデモザイク処理を施して、色信号[R(p),G(p),B(p)]を生成し、色バランス調整部202に出力する。以下、デモザイク部201から出力される色信号からなる画像を広DRカラー画像と記述する。
【0157】
色バランス調整部202は、画像全体の色バランスが適切になるように、R,G,B成分それぞれを調整して、色信号[R(p),G(p),B(p)]を生成する。なお、デモザイク部201および色バランス調整部202は、単板式CCDイメージセンサが搭載された一般的なディジタルビデオに実装されているものである。
【0158】
対数変換部203は、色バランス調整部202から入力される色信号[R(p),G(p),B(p)]を対数変換し、得られる対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]をトーンカーブ補正部204に出力する。トーンカーブ補正部204は、入力される対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]に対し、予め用意されているトーンカーブを適用して階調を圧縮する方向に変換し、得られる対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]を縮小画像生成部205およびコントラスト補正部207に出力する。また、トーンカーブ補正部204は、適用したトーンカーブの傾きを示す代表値γをコントラスト補正部207に出力する。
【0159】
縮小画像生成部205は、トーンカーブ補正部204から入力される1フレーム分の対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]を元に、縮小画像logLclを生成して、縮小画像メモリ206に保持させる。
【0160】
コントラスト補正部207は、トーンカーブ補正部204から入力される現フレームの対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]のトーンカーブ補正によって弱められているコントラストを、代表値γおよび縮小画像メモリ206に保持されている1フレーム前の縮小画像logLclに基づいて補正し、得られる対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]を対数逆変換部208に出力する。対数逆変換部208は、コントラストが補正された対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]を、対数逆変換して、得られる通常軸の色信号[R(p),G(p),B(p)]をガンマ補正部209に出力する。
【0161】
ガンマ補正部209は、対数逆変換部208から入力される色信号[R(p),G(p),B(p)]に対して、再生デバイス(例えば、ディスプレイ11)のガンマ特性を考慮したガンマ補正を施し、得られるガンマ補正後の色信号[R(p),G(p),B(p)]を輝度情報算出部210および輝度域正規化部212に出力する。輝度情報算出部210は、ガンマ補正部209から入力される1フレーム分の色信号[R(p),G(p),B(p)]を輝度Y(p)に変換した後、輝度Y(p)の分布を示す輝度域情報を算出して輝度域情報メモリ211に保持させる。ここで、輝度域情報とは、1フレームにおける輝度Y(p)の分布の範囲を示す情報であって、例えば、最も暗い方に近い輝度Yと、最も明るい方に近い輝度Yを輝度域情報[Y,Y]として算出するようにする。
【0162】
輝度域正規化部212は、輝度域情報メモリ211に保持されている1フレーム前の輝度域情報[Y,Y]に基づき、ガンマ補正部209から入力される現フレームの色信号[R(p),G(p),B(p)]を、その分布範囲が再生デバイス(例えば、ディスプレイ11)が表現可能な範囲に合致するように変換し、得られる色信号[R(p),G(p),B(p)]を、カラー画像である狭DR画像の画素値として後段に出力する。
【0163】
以下説明したように、カラー画像に対応するDSP7の第2の構成例は、デモザイク部201および色バランス部202が追加されていること以外、図2に示されたモノクロ画像に対応する第1の構成例とほぼ同様であるが、各部の内部の構成がカラー画像に対応するために若干変更されている。
【0164】
図22は、トーンカーブ補正部204の第1の構成例を示している。当該第1の構成例において、輝度生成部221は、入力される対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]の線形和を演算することにより対数輝度logL(p)を生成し、減算器222−R乃至222−Bおよびテーブル参照部224に出力する。
【0165】
減算器222−Rは、対数色信号logR(p)から対数輝度logL(p)を減算して、乗算器225−Rに出力する。LUTメモリ223には、図4に示されたようなトーンカーブに相当するLUTとトーンカーブの傾きを示す代表値γが予め保持されている。テーブル参照部224は、LUTメモリ223に保持されているLUTに基づいて対数輝度logL(p)を対数輝度logL(p)に補正し、加算器226−R乃至226−Bに出力する。
【0166】
乗算器225−Rは、減算器222−Rの出力に、LUTメモリ223から入力される代表値γを乗算して、加算器226−Rに出力する。加算器226−Rは、乗算器225−Rの出力と、対数輝度logL(p)との和を演算して、トーンカーブ補正後の対数色信号logR(p)として後段に出力する。
【0167】
なお、G,B成分をそれぞれ処理する構成要素については、上述したR成分を処理する構成要素と同様であるので、その説明は省略する。
【0168】
図23は、トーンカーブ補正部204の第2の構成例を示している。当該第2の構成例において、輝度生成部231は、入力される対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]の線形和を演算することにより対数輝度logL(p)を生成し、平均輝度算出部232に出力する。平均輝度算出部232は、1フレーム分の対数輝度logL(p)の平均値μを算出して、除算器233に出力する。除算器233は、所定の定数logLを平均値μで除算して代表値γを算出し、γメモリ234に保持させる。
【0169】
乗算器235−Rは、現フレームの対数色信号logR(p)に、γメモリ234に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数色信号logR(p)を算出する。
【0170】
なお、G,B成分をそれぞれ処理する構成要素については、上述したR成分を処理する構成要素と同様であるので、その説明は省略する。
【0171】
図24は、トーンカーブ補正部204の第3の構成例を示している。当該第3の構成例は、いわば、第1の構成例と第2の構成例を組み合わせたものである。第3の構成例において、輝度生成部241は、入力される対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]の線形和を演算することにより対数輝度logL(p)を生成し、減算器242−R乃至242−Bおよびテーブル参照部244に出力する。
【0172】
減算器242−Rは、対数色信号logR(p)から対数輝度logL(p)を減算して、乗算器250−Rに出力する。LUTメモリ243には、図4に示されたようなトーンカーブに相当するLUTとトーンカーブの傾きを示す代表値γが予め保持されている。テーブル参照部244は、LUTメモリ243に保持されているLUTに基づいて対数輝度logL(p)を、対数輝度logLc’(p)に補正して平均輝度算出部245および乗算器249に出力する。
【0173】
平均輝度算出部245は、1フレーム分の対数輝度logLc’(p)の平均値μを算出して、除算器246に出力する。除算器246は、所定の定数logLを平均値μで除算して代表値γを算出し、γメモリ247に保持させる。乗算器248は、代表値γ,γの積を代表値γ(=γ・γ)として後段のコントラスト補正部207に出力する。
【0174】
乗算器249は、現フレームの対数輝度logLc’(p)に、γメモリ247に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算してトーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)を算出市、加算器251−R乃至251−Bに出力する。
【0175】
乗算器250−Rは、減算器242−Rの出力に、乗算器248から入力される代表値γを乗算して、加算器251−Rに出力する。加算器251−Rは、乗算器250−Rの出力と、乗算器249の出力の積を演算し、トーンカーブ補正後の対数色信号logR(p)として後段に出力する。
【0176】
なお、G,B成分をそれぞれ処理する構成要素については、上述したR成分を処理する構成要素と同様であるので、その説明は省略する。
【0177】
次に、図25は、縮小画像生成部205の構成例を示している。縮小画像生成部205の輝度生成部261は、入力されるトーンカーブ補正後の対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]の線形和を演算することにより対数輝度logL(p)を生成し、ソート部262に出力する。
【0178】
ソート部262は、対数輝度logL(p)を、画像をm×n個のブロックに分割したときに属するブロックに応じて分類し、平均値計算部263−1乃至263−N(=m×n)に供給する。例えば、1番目のブロックに分類されるものは平均値計算部263−1に供給され、2番目のブロックに分類されるものは平均値計算部263−2に供給される。以下同様であり、N番目のブロックに分類されるものは平均値計算部263−Nに供給される。
【0179】
平均値計算部263−i(i=1,2,…,N)は、1フレーム分の対数輝度logL(p)のうち、i番目のブロックに分類される対数輝度logL(p)の平均値を算出して、合成部264に出力する。合成部264は、平均値計算部263−iからそれぞれ入力される対数輝度logL(p)の平均値を画素値とするm×n画素の縮小画像logLclを生成し、後段の縮小画像メモリ206に保持させる。
【0180】
次に、図26は、コントラスト補正部207の構成例を示している。コントラスト補正部25の輝度生成部270は、入力されるトーンカーブ補正後の対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]の線形和を演算することにより対数輝度logL(p)を生成し、補間位置指定部271およびゲイン値設定部273に出力する。
【0181】
補間位置指定部271は、対数輝度logL(p)の画素位置p(以下、補間位置pとも記述する)を取得して、補間部272に出力する。補間部272は、縮小画像メモリ206に保持されている1フレーム前の縮小画像logLclを用いて、補間位置pに対応する画素logLcl(p)を補間により算出して、減算器274−R乃至274−Bおよび加算器276−R乃至276−Bに出力する。
【0182】
ゲイン値設定部273は、トーンカーブ補正部22から入力される前フレームに対する代表値γと、現在フレームの対数輝度logL(p)に基づいて、現在フレームの対数輝度logL(p)のコントラスト強調量を決めるゲイン値g(p)を算出し、乗算器275−R乃至275−Bに出力する。
【0183】
減算器274−Rは、対数色信号logR(p)から補間値logLcl(p)を減算して、乗算器275−Rに出力する。乗算器275−Rは、減算器274−Rの出力に、ゲイン値g(p)を乗算して、加算器276−Rに出力する。加算器276−Rは、乗算器275−Rの出力に、補間値logLcl(p)を加算して、得られたコントラスト補正後の対数色信号logR(p)を後段に出力する。
【0184】
なお、G,B成分をそれぞれ処理する構成要素については、上述したR成分を処理する構成要素と同様であるので、その説明は省略する。
【0185】
次に、図27は、図21のトーンカーブ補正部204、縮小画像生成部205、縮小画像メモリ206、およびコントラスト補正部207と置換することができる複合部300の構成例を示している。
【0186】
複合部300の輝度生成部301は、入力される対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]の線形和を演算することにより対数輝度logL(p)を生成し、減算器302−R乃至302−Bおよびテーブル参照部304に出力する。減算器302−Rは、対数色信号logR(p)から、対数輝度logL(p)を減算して乗算器316−Rに出力する。
【0187】
LUTメモリ303には、図4に示されたようなトーンカーブに相当するLUTと、トーンカーブの傾きを示す代表値γが予め保持されている。テーブル参照部304は、輝度生成部301から入力された対数輝度logL(p)を、LUTメモリ303に保持されているLUTに基づいて対数輝度logLc’(p)に補正し乗算器305および縮小画像生成部306に出力する。
【0188】
乗算器305は、テーブル参照部304から入力された現フレームの対数輝度logLc’(p)に、γメモリ167に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)を算出し、加算器317−R乃至317−Bに出力する。
【0189】
縮小画像生成部306は、対数輝度画像logLc’をm×n個のブロックに分割し、各ブロックに属する画素の対数輝度logLc’(p)の平均値を算出して、m×n画素の第1の縮小画像を生成し、第1の縮小画像メモリ307に保持させる。
【0190】
平均輝度算出部308は、第1の縮小画像メモリ307に保持されている1フレーム前の第1の縮小画像の画素値の平均値μを算出して、除算器309に出力する。除算器309は、所定の定数logLを平均値μで除算し、代表値γを算出し、γメモリ310に保持させる。乗算器311は、代表値γ,γの積を代表値γ(=γ・γ)として求め、ゲイン値設定部315および乗算器316−R乃至316−Bに出力する。
【0191】
乗算器312は、第1の縮小画像メモリ164に保持されている第1の縮小画像の各画素に、γメモリ310に保持されている代表値γを乗算して、第2の縮小画像logLclを生成し、第2の縮小画像メモリ313に持させる。
【0192】
補間部314は、第2の縮小画像メモリ169に保持されている1フレーム前の第2の縮小画像logLclを用いて、乗算器170から入力された現在フレームの対数輝度logL(p)の画素位置p(以下、補間位置pとも記述する)に対応する画素logLcl(p)を補間により算出して、減算器318−R乃至318−Bおよび加算器320−R乃至320−Bに出力する。
【0193】
ゲイン値設定部315は、乗算器311から入力された前フレームに対する代表値γと、乗算器305から入力された現在フレームの対数輝度logL(p)に基づいて、現在フレームの対数輝度logL(p)のコントラスト強調量を決めるゲイン値g(p)を算出し、乗算器319−R乃至319−Bに出力する。
【0194】
乗算器316−Rは、減算器302−Rの出力と代表値γの積を演算して、加算器317−Rに出力する。加算器317−Rは、乗算器316−Rの出力と、乗算器305の出力との和を演算して、減算器318−Rに出力する。減算器318−Rは、加算器317−Rの出力から、補間値logLcl(p)を減算して、乗算器319−Rに出力する。乗算器319−Rは、減算器318−Rの出力にゲイン値g(p)を乗算して、加算器320−Rに出力する。加算器320−Rは、乗算器319−Rの出力と、補間値logLcl(p)の和を演算して、を加算して、得られたコントラスト補正後の対数色信号logR(p)を後段に出力する。
【0195】
なお、G,B成分をそれぞれ処理する構成要素については、上述したR成分を処理する構成要素と同様であるので、その説明は省略する。
【0196】
この複合部300を用いれば、平均輝度算出部308は、第1の縮小画像のm×n画素の平均値を算出することになるので、本来の画像サイズの対数輝度画像logLの画素の平均値を算出する図24の平均輝度算出部245に比較して、演算量を削減することができる。したがって、演算に起因する遅延時間を短縮することができる。
【0197】
次に、図28は、輝度域情報算出部210の構成例を示している。輝度域情報算出部210において、輝度生成部331は、ガンマ補正後の色信号[R(p),G(p),B(p)]の線形和を演算することにより輝度Y(p)を生成し、間引き部332に出力する。間引き部332は、輝度生成部331から入力された輝度Y(p)を、その画素位置pに基づいて選別する。すなわち、予め設定された画素位置の画素の輝度だけを後段のMINソート部333およびMAXソート部336に供給する。
【0198】
MINソート部333は、比較部334とレジスタ335の組み合わせがk組直列に配置されており、入力された輝度Y(p)を小さい順にレジスタ335−1乃至335−kに保持するようになされている。
【0199】
例えば、比較部334−1は、間引き部332からの輝度Y(p)とレジスタ335−1の値を比較し、間引き部332からの輝度Y(p)がレジスタ335−1の値よりも小さい場合、間引き部332からの輝度Y(p)を用いてレジスタ335−1の値を更新する。反対に、間引き部332からの輝度Y(p)がレジスタ335−1の値よりも小さくない場合、間引き部332からの輝度Y(p)は後段の比較部334−2に供給される。
【0200】
比較部334−2以降においても同様であり、1フレーム分の輝度Y(p)が入力された段階で、レジスタ335−1に輝度Y(p)の最小値Yminが保持され、レジスタ335−2乃至335−kに、輝度Y(p)が小さい順に保持されることになり、レジスタ335−kに保持された輝度Y(p)が、輝度域情報の輝度Yとして後段に出力される。
【0201】
MAXソート部336は、比較部337とレジスタ338の組み合わせがk組直列に配置されており、入力された輝度Y(p)を大きい順にレジスタ338−1乃至338−kに保持するようになされている。
【0202】
例えば、比較部337−1は、間引き部332からの輝度Y(p)とレジスタ338−1の値を比較し、間引き部332からの輝度Y(p)がレジスタ338−1の値よりも大きい場合、間引き部332からの輝度Y(p)を用いてレジスタ338−1の値を更新する。反対に、間引き部332からの輝度Y(p)がレジスタ338−1の値よりも大きくない場合、間引き部332からの輝度Y(p)は後段の比較部337−2に供給される。
【0203】
比較部337−2以降においても同様であり、1フレーム分の輝度Y(p)が入力された段階で、レジスタ338−1に輝度Y(p)の最大値Ymaxが保持され、レジスタ338−2乃至338−kに、輝度Y(p)が大きい順に保持されることになり、レジスタ338−kに保持された輝度Y(p)が、輝度域情報の輝度Yとして後段に出力される。
【0204】
なお、MINソート部333およびMAXソート部336に入力される輝度Y(p)は、間引き部332により間引きされたものであるので、間引きの間隔と、MINソート部333およびMAXソート部336の段数kを適切に調整すれば、1フレームの全画素のうち、例えば上下1%や0.1%などに相当する輝度値Y,Yを得ることが可能になる。
【0205】
次に、図27に示された複合部300が適用されたDSP7の第2の構成例による総合的な階調圧縮処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
【0206】
ステップS41において、DSP7(デモザイク部201)は、広DR色モザイク画像にデモザイク処理を施して、広DRカラー画像を生成し、その画素値、すなわち、色信号[R(p),G(p),B(p)]をラスタ順に色バランス調整部202に出力する。ステップS42において、DSP7(色バランス調整部202)は、画像全体の色バランスが適切になるように、R,G,B成分それぞれを調整して、色信号[R(p),G(p),B(p)]を生成する。
【0207】
ステップS43おいて、DSP7は、入力される現フレームの広DRカラー画像の色信号を、1フレーム前の広DRカラー画像に対して算出され、保持されている中間情報(第2の縮小画像logL(p)、代表値γ、輝度域情報[Y,Y])を基づいて狭DRカラー画像Yに変換する。また、DSP7は、現フレームの広DRカラー画像Lに対する中間情報を算出する。
【0208】
ステップS44において、DSP7は、算出した現フレームの広DRカラー画像Lに対する中間情報を用いて、保持していた1フレーム前の広DRカラー画像に対する中間情報を更新する。
【0209】
ステップS45において、DSP7は、入力された現フレームの広DRカラー画像に、後続するフレームが存在するか否かを判定し、後続するフレームが存在すると判定した場合、ステップS41に戻り、それ以降の処理を繰り返す。反対に、後続するフレームが存在しないと判定された場合、この階調圧縮処理は終了される。
【0210】
ステップS42における画素単位の処理の詳細を、図30のフローチャートを参照して説明する。以下に説明する各ステップの処理は、ラスタ順に入力される注目画素(画素位置p)に対して実行される。
【0211】
ステップS51において、色バランス調整部202は、生成した色信号[R(p),G(p),B(p)]を、対数変換部203に出力する。ステップS52において、対数変換部203は、入力された色信号[R(p),G(p),B(p)]を対数変換し、得られた対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]を複合部300に出力する。
【0212】
ステップS53において、複合部300の輝度生成部301は、入力された対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]の線形和を演算することにより対数輝度logL(p)を生成し、減算器302−R乃至302−Bおよびテーブル参照部304に出力する。ステップS54において、テーブル参照部304は、入力された対数輝度logL(p)を、LUTメモリ303に保持されているLUTに基づいて対数輝度logLc’(p)に補正して、乗算器305および縮小画像生成部306に出力する。
【0213】
ステップS55において、縮小画像生成部306は、トーンカーブ補正後の1フレーム分の対数輝度logLc’(p)を元に、第1の縮小画像を生成する。ここで、生成された第1の縮小画像に基づき、代表値γが算出される。また、生成された第1の縮小画像に算出された代表値γが乗算されて、第2の縮小画像logLclが生成される。
【0214】
ステップS56において、乗算器305は、テーブル参照部304から入力された現フレームの対数輝度logLc’(p)に、γメモリ310に保持されている1フレーム前の代表値γを乗算して、トーンカーブ補正後の対数輝度logL(p)を算出する。
【0215】
ステップS57において、R成分については減算器302−R、乗算器316−R、および加算器317−Rの演算により、トーンカーブ補正後の対数色信号logR(p)が生成される。G成分については減算器302−G、乗算器316−G、および加算器317−Gの演算により、トーンカーブ補正後の対数色信号logG(p)が生成される。B成分については減算器302−B、乗算器316−B、および加算器317−Bの演算により、トーンカーブ補正後の対数色信号logB(p)が生成される。
【0216】
ステップS58において、ゲイン値設定部315は、乗算器311から入力された前フレームに対する代表値γと、乗算器305から入力された現在フレームの対数輝度logL(p)に基づいて、現在フレームの対数輝度logL(p)のコントラスト強調量を決めるゲイン値g(p)を算出する。ステップS59において、補間部314は、第2の縮小画像メモリ313に保持されている1フレーム前の第2の縮小画像logLclを用いて、補間位置pに対応する画素logLcl(p)を補間により算出する。
【0217】
ステップS60において、R成分については減算器318−R、乗算器319−R、および加算器320−Rの演算により、コントラスト補正後の対数色信号logR(p)が生成される。G成分については減算器318−G、乗算器319−G、および加算器320−Gの演算により、コントラスト補正後の対数色信号logG(p)が生成される。B成分については減算器318−B、乗算器319−B、および加算器320−Bの演算により、コントラスト補正後の対数色信号logB(p)が生成される。
【0218】
ステップS61において、対数逆変換部208は、コントラスト補正後の対数色信号[logR(p),logG(p),logB(p)]を、対数逆変換して、通常軸の色信号[R(p),G(p),B(p)]を生成し、ガンマ補正部209に出力する。ステップS62において、ガンマ補正部209は、所定のガンマ補正を行い、得られたガンマ補正後の色信号[R(p),G(p),B(p)]を輝度情報算出部210および輝度域正規化部212に出力する。
【0219】
ステップS63において、輝度域情報算出部210の輝度生成部331は、ガンマ補正後の色信号[R(p),G(p),B(p)]を元にして輝度Y(p)を生成する。ステップS64において、輝度域情報算出部210のMINソート部333およびMAXソート部336は、1フレーム分の輝度Y(p)を元にして、輝度域情報[Y,Y]を生成する。
【0220】
ステップS65において、輝度域正規化部212は、輝度域情報メモリ211に保持されている1フレーム前の輝度域情報[Y,Y]に基づき、ガンマ補正部209から入力された色信号[R(p),G(p),B(p)]を正規化して、色信号[R(p),G(p),B(p)]を算出する。ステップS66において、輝度域正規化部212は、算出した色信号[R(p),G(p),B(p)]を、階調圧縮された狭DRカラー画像の画素値として出力する。以上で、図29のステップS43処理の詳細な説明を終了する。
【0221】
次に、図29のステップS44の処理の詳細を、図31のフローチャートを参照して説明する。ステップS71において、縮小画像生成部306は、トーンカーブ補正後の1フレーム分の対数輝度logLc’(p)を元に生成した第1の縮小画像を用いて、第1の縮小画像メモリ307に保持されている第1の縮小画像を更新する。
【0222】
ステップS72において、除算器309は、所定の定数logLを、平均輝度算出部165から入力された平均値μで除算して代表値γを算出し、算出した代表値γを用いて、γメモリ310に保持されている代表値γを更新する。
【0223】
ステップS73において、乗算器312は、ステップS71の処理で更新された第1の縮小画像メモリ307に保持されている第1の縮小画像の各画素に、ステップS72の処理で更新されたγメモリ310に保持されている代表値γを乗算して、第2の縮小画像logLclを生成し、第1の縮小画像メモリ313に保持されている第2の縮小画像logLclを更新する。
【0224】
ステップS74において、輝度域情報算出部210は、1フレーム分の[R(p),G(p),B(p)]を元にして生成した輝度域情報[Y,Y]を用いて、輝度域情報メモリ211に保持されている1フレーム前の輝度域情報[Y,Y]を更新する。以上で、図29のステップS44の処理の詳細な説明を終了する。
【0225】
以上で、DSP7の第2の構成例の説明を終了する。
【0226】
なお、例えば、図5に示された平均輝度算出部51、図6に示された平均輝度算出部63、図17の平均輝度算出部165、図23に示された平均輝度算出部232、図24に示された平均輝度算出部245のそれぞれにおいては、輝度値の平均値を算出するようにしたが、平均値を求める演算に、重み付き平均を用いるようにしてもよい。例えば、画像の中央部分の重みを周辺部分の重みよりも大きくすることによって、画像の中央部分に存在する被写体の反射率に重点をおいた明るさ補正を行うことが可能になる。
【0227】
図17に示された複合部160および図27に示された複合部300においては、生成された第1の縮小画像を保持するメモリと、生成された第1の縮小画像に代表値γを乗算して生成された第2の縮小画像を保持するメモリが設けられているが、第2の縮小画像が生成された時点で、第1の縮小画像を保持する必要がなくなるので、この2つのメモリを1つにまとめることも可能である。
【0228】
本実施の形態のように、本発明を、広DR画像を撮影し、その階調を圧縮して、狭いダイナミックレンジのディスプレイに表示可能な画像として出力するディジタルビデオカメラに適用すれば、従来の階調圧縮技術に必要であった大量のメモリ(フレームメモリや画素系列データのディレイラインとして使用される)を大幅に削減した構成で階調圧縮処理を実現でき、かつ、従来大きなフィルタ処理をもって実現されていた階調圧縮処理と遜色のない出力画像を得ることができるようになる。
【0229】
このことによって、いままで実現できなかった高品質、かつ、安価なディジタルビデオカメラを実現することができる。
【0230】
なお、本発明は、ディジタルビデオカメラの他、ディジタルスチルカメラのような撮影装置や、画像データを処理するAV装置やソフトウェアに適用することが可能である。
【0231】
また、本実施の形態においては、広DR画像を、ディスプレイ11を再現デバイスに想定して、階調圧縮処理を施すようにしたが、例えば、ディジタルビデオカメラ1に外部接続するにモニタやプリンタの表現可能なダイナミックレンジに適合させて階調圧縮処理を施すことも可能である。
【0232】
ところで、上述した一連の画像処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0233】
図32は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータ350は、CPU(Central Processing Unit)351を内蔵している。CPU351にはバス354を介して、入出力インタフェース355が接続されている。バス354には、ROM(Read Only Memory)352およびRAM(Random Access Memory)353が接続されている。
【0234】
入出力インタフェース355には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部356、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部357、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部358、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インタネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部359が接続されている。また、磁気ディスク361(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク362(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク363(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリ364などの記録媒体に対してデータを読み書きするドライブ360が接続されている。
【0235】
CPU351は、ROM352に記憶されているプログラム、または磁気ディスク361乃至半導体メモリ364から読み出されて記憶部358にインストールされ、記憶部358からRAM353にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM353にはまた、CPU351が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0236】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0237】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、使用するメモリの容量がより小さく、演算量が少なくて、ハードウェア化が容易であり、かつ、階調圧縮の効果が大きい階調圧縮技術を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるディジタルビデオカメラの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のDSPの第1の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2のトーンカーブ補正部の第1の構成例を示すブロック図である。
【図4】トーンカーブの一例を示す図である。
【図5】図2のトーンカーブ補正部の第2の構成例を示すブロック図である。
【図6】図2のトーンカーブ補正部の第3の構成例を示すブロック図である。
【図7】図2の縮小画像生成部の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7の平均値計算部の構成例を示すブロック図である。
【図9】図2のコントラスト補正部の構成例を示すブロック図である。
【図10】図9の補間部の構成例を示すブロック図である。
【図11】図9の補間部の処理を説明するための図である。
【図12】図9のゲイン値設定部の構成例を示すブロック図である。
【図13】図9のコントラスト強調部の構成例を示すブロック図である。
【図14】図2の輝度域正規化部の処理を説明するための図である。
【図15】図2の輝度域情報算出部の構成例を示すブロック図である。
【図16】図2の輝度域正規化部の構成例を示すブロック図である。
【図17】図2のトーンカーブ補正部乃至コントラスト補正部と置換可能な複合部の構成例を示すブロック図である。
【図18】DSPの第1の構成例による階調圧縮処理を説明するフローチャートである。
【図19】図18のステップS1の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図20】図18のステップS2の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図21】図1のDSPの第2の構成例を示すブロック図である。
【図22】図21のトーンカーブ補正部の第1の構成例を示すブロック図である。
【図23】図21のトーンカーブ補正部の第2の構成例を示すブロック図である。
【図24】図21のトーンカーブ補正部の第3の構成例を示すブロック図である。
【図25】図21の縮小画像生成部の構成例を示すブロック図である。
【図26】図21のコントラスト補正部の構成例を示すブロック図である。
【図27】図21のトーンカーブ補正部乃至コントラスト補正部と置換可能な複合部の構成例を示すブロック図である。
【図28】図21の輝度域情報算出部の構成例を示すブロック図である。
【図29】DSPの第2の構成例による階調圧縮処理を説明するフローチャートである。
【図30】図29のステップS43の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図31】図29のステップS44の処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図32】汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
7 DSP, 21 対数変換部, 22 トーンカーブ補正部, 23 縮小画像生成部, 24 縮小画像メモリ, 25 コントラスト補正部, 26 対数逆変換部, 27 ガンマ補正部, 28 輝度域情報算出部, 29 輝度域情報メモリ, 30 輝度域正規化部, 160 複合部, 201 デモザイク部, 202 色バランス調整部, 203 対数変換部, 204 トーンカーブ補正部, 205 縮小画像生成部, 206 縮小画像メモリ, 207 コントラスト補正部, 208 対数逆変換部, 209 ガンマ補正部, 210 輝度域情報算出部, 211 輝度域情報メモリ, 212 輝度域正規化部, 300 複合部, 351 CPU, 361 磁気ディスク,362 光ディスク, 363 光磁気ディスク, 364 半導体メモリ

Claims (21)

  1. 画像の画素値の階調を圧縮する画像処理装置において、
    現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換手段と、
    前記変換手段によって生成された前記トーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成手段と、
    前記縮小画像生成手段によって生成された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きを保持する保持手段と、
    前記保持手段によって保持された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きに基づき、前記変換手段によって生成された前記トーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正手段と
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記保持手段は、1フレーム前の画像に対応する前記縮小画像、および1フレーム前の画像に適用された前記変換関数の傾きを保持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記変換手段は、現フレームの画像の画素値を、1種類以上の前記変換関数を段階的に用いて変換し、
    前記補正手段は、前記保持手段によって保持された前記縮小画像、および1種類以上の前記変換関数にそれぞれ対応する傾きの積に基づき、前記変換手段によって生成された前記トーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記1種類以上の変換関数のうち、少なくとも1種類の前記変換関数は、単調増加関数である
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記変換手段によって生成された前記トーン変換画像の画素値の平均値を算出する平均値算出手段をさらに含み、
    前記1種類以上の変換関数のうち、少なくとも1種類の変換関数の傾きは、前記平均値算出手段によって算出された前記平均値の逆数に比例する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  6. 前記平均値算出手段は、前記トーン変換画像を複数のブロックに分割し、各前記ブロックの画素値の平均を算出して重み付け加算した値を、前記平均値として算出する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記縮小画像生成手段は、前記変換手段によって生成された前記トーン変換画像を縮小して第1の縮小画像を生成し、前記第1の縮小画像の画素値の平均値の逆数に比例する値を前記第1の縮小画像の各画素値に乗算して、第2の縮小画像を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記変換手段に供給される現フレームの前記画像の画素値を対数変換する対数変換手段と、
    前記補正手段によって生成された前記コントラスト補正画像の画素値を対数逆変換する対数逆変換手段を
    さらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記補正手段によって生成された前記コントラスト補正画像の画素値をガンマ変換するガンマ変換手段と、
    前記ガンマ変換手段によってガンマ変換された前記コントラスト補正画像の輝度成分の分布範囲を示す輝度域情報を算出する輝度域情報算出手段と、
    前記輝度域情報算出手段によって算出された前記輝度域情報に基づき、前記ガンマ変換手段によってガンマ変換された前記コントラスト補正画像の画素値の分布を、所定の範囲に正規化する正規化手段と
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  10. 前記輝度域情報算出手段は、前記ガンマ変換手段によってガンマ変換された前記コントラスト補正画像の輝度成分の上限値および下限値を、前記輝度域情報として算出し、
    前記正規化手段は、前記輝度域情報算出手段によって算出された前記コントラスト補正画像の輝度成分の上限値および下限値が、それぞれ、想定される再現デバイスが再現可能な輝度成分の範囲の上限値および下限値に一致するように、前記コントラスト補正画像の画素値を変換する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記保持手段は、前記輝度域情報算出手段によって算出された1フレーム前の前記輝度域情報も保持する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  12. 前記画像は、輝度成分を有する画素から構成されたモノクロ画像である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記画像は、複数の色成分を有する画素から構成されたカラー画像である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  14. 前記変換手段は、前記カラー画像を元にして、輝度成分を有する画素から構成された第1の輝度画像を生成し、前記第1の輝度画像をトーン変換輝度画像に変換し、前記トーン変換輝度画像に基づいて、複数の色成分を有する画素から構成されたカラーの前記トーン変換画像を生成する
    ことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記変換手段は、前記カラー画像の各色成分の値と前記第1の輝度画像の輝度成分の値の差分値を算出し、前記差分値と前記変換関数の傾きとの積を算出し、前記積を前記トーン変換輝度画像の各色成分の値に加算して、前記トーン変換画像の各色成分を算出する
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記変換手段は、前記第1の輝度画像の輝度成分の平均値を算出し、前記平均値の逆数に比例する係数を算出し、前記係数を前記カラー画像の各色成分の値に乗算して、前記トーン変換画像の各色成分を算出する
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  17. 前記補正手段は、前記変換手段によって生成されたカラーの前記トーン変換画像を元にして、輝度成分を有する画素から構成された第2の輝度画像を生成し、前記第2の輝度画像、前記保持手段によって保持された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きに基づき、前記変換手段によって生成されたカラーの前記トーン変換画像のコントラストを補正して、カラーの前記コントラスト補正画像を生成する
    ことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  18. 前記補正手段によって生成されたカラーの前記コントラスト補正画像の画素値をガンマ変換するガンマ変換手段と、
    前記ガンマ変換手段によってガンマ変換されたカラーの前記コントラスト補正画像を元にして、輝度成分を有する画素から構成された第3の輝度画像を生成し、前記第3の輝度画像の輝度成分の分布範囲を示す輝度域情報を算出する輝度域情報算出手段と、
    前記輝度域情報算出手段によって算出された前記輝度域情報に基づき、前記ガンマ変換手段によってガンマ変換されたカラーの前記コントラスト補正画像の画素値の分布を、所定の範囲に正規化する正規化手段と
    をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  19. 画像の画素値の階調を圧縮する画像処理方法において、
    現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換ステップと、
    前記変換ステップの処理で生成された前記トーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成ステップと、
    前記縮小画像生成ステップの処理で生成された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きを保持する保持ステップと、
    前記保持ステップの処理で保持された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きに基づき、前記変換ステップの処理で生成された前記トーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  20. 画像の画素値の階調を圧縮するためのプログラムであって、
    現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換ステップと、
    前記変換ステップの処理で生成された前記トーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成ステップと、
    前記縮小画像生成ステップの処理で生成された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きを保持する保持ステップと、
    前記保持ステップの処理で保持された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きに基づき、前記変換ステップの処理で生成された前記トーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  21. 画像の画素値の階調を圧縮するためのプログラムであって、
    現フレームの画像の画素値を、変換関数に基づいて変換し、トーン変換画像を生成する変換ステップと、
    前記変換ステップの処理で生成された前記トーン変換画像を縮小して、縮小画像を生成する縮小画像生成ステップと、
    前記縮小画像生成ステップの処理で生成された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きを保持する保持ステップと、
    前記保持ステップの処理で保持された前記縮小画像、および前記変換関数の傾きに基づき、前記変換ステップの処理で生成された前記トーン変換画像のコントラストを補正して、コントラスト補正画像を生成する補正ステップと
    を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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