JP2019192994A - 弾性波共振器、フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents

弾性波共振器、フィルタおよびマルチプレクサ Download PDF

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Abstract

【課題】弾性波共振器の特性を向上させること。【解決手段】支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記支持基板に接し前記支持基板の構成元素を主成分とする第1アモルファス層と、前記圧電基板と前記第1アモルファス層とに接し、前記圧電基板の構成元素を主成分とし、前記第1アモルファス層より薄い第2アモルファス層と、前記圧電基板の前記支持基板とは反対の面上に設けられ、各々複数の電極指を備える一対の櫛型電極と、を備える弾性波共振器。【選択図】図1

Description

本発明は、弾性波共振器、フィルタおよびマルチプレクサに関し、例えば一対の櫛型電極を有する弾性波共振器、フィルタおよびマルチプレクサに関する。
スマートフォン等の通信機器に用いられる弾性波共振器として、弾性表面波共振器が知られている。弾性表面波共振器を形成する圧電基板を支持基板に張り付けることが知られている。圧電基板と支持基板の表面にアモルファス層を形成し、常温において圧電基板と支持基板とを接合することが知られている(例えば特許文献1)。常温接合した圧電基板の厚さを弾性表面波の波長以下とすることが知られている(例えば特許文献2)。
特開2005−252550号公報 特開2017−034363号公報
圧電基板を支持基板に接合することにより、弾性表面波共振器の温度特性が向上する。さらに、圧電基板の厚さを弾性表面波の波長以下とすることにより、スプリアスが抑制できる。しかしながら、損失の抑制が十分ではない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、弾性波共振器の特性を向上させることを目的とする。
本発明は、支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記支持基板に接し前記支持基板の構成元素を主成分とする第1アモルファス層と、前記圧電基板と前記第1アモルファス層とに接し、前記圧電基板の構成元素を主成分とし、前記第1アモルファス層より薄い第2アモルファス層と、前記圧電基板の前記支持基板とは反対の面上に設けられ、各々複数の電極指を備える一対の櫛型電極と、を備える弾性波共振器である。
上記構成において、前記圧電基板の厚さは前記一対の櫛型電極のうち一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチより小さい構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電基板は単結晶であり、前記支持基板は、単結晶、多結晶または焼結体である構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電基板は、タンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板であり、前記支持基板は、サファイア基板、スピネル基板、シリコン基板、水晶基板、石英基板、またはアルミナ基板である構成とすることができる。
上記構成において、前記第1アモルファス層における、前記支持基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度は、前記圧電基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度より高く、前記第2アモルファス層における、前記圧電基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度は、前記支持基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度より高い構成とすることができる。
上記構成において、第2アモルファス層の厚さは第1アモルファス層の厚さの0.8倍以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記一対の櫛型電極はSH波を励振する構成とすることができる。
本発明は、上記弾性波共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、弾性波共振器の特性を向上させることができる。
図1は、実施例1に係る弾性波共振器の斜視図である。 図2(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。 図3(a)から図3(d)は、実施例1における支持基板と圧電基板との接合方法を示す模式図である。 図4は、実施例1におけるフィルタを示す平面図である。 図5は、Arイオンの電流値と厚さT1aおよびT2aとの関係を示す図である。 図6は、実験1に用いたフィルタの通過特性を示す図である。 図7は、実験1における厚さT2aに対する損失を示す図である。 図8(a)および図8(b)は、実験1における厚さT1aに対する損失を示す図である。 図9は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器の断面図である。 図10は、実施例2に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
図1は、実施例1に係る弾性波共振器の斜視図、図2(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。電極指の配列方向をX方向、電極指の延伸方向をY方向、支持基板および圧電基板の積層方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、圧電基板の結晶方位のX軸方向およびY軸方向とは必ずしも対応しない。
図1、図2(a)および図2(b)に示すように、支持基板10上に圧電基板12が接合されている。支持基板10と圧電基板12との間にはアモルファス層11が設けられている。アモルファス層11はアモルファス層10aおよび12aを備える。アモルファス層10aは支持基板10上に設けられ支持基板10の構成元素を主成分とする。アモルファス層12aは圧電基板12の下面に設けられ圧電基板12の構成元素を主成分とする。支持基板10、アモルファス層10a、12aおよび圧電基板12の厚さをそれぞれT1、T1a、T2aおよびT2とする。
圧電基板12上に弾性波共振器20が設けられている。弾性波共振器20はIDT22および反射器24を有する。反射器24はIDT22のX方向の両側に設けられている。IDT22および反射器24は、圧電基板12上の金属膜14により形成される。
IDT22は、対向する一対の櫛型電極18を備える。櫛型電極18は、複数の電極指15と、複数の電極指15が接続されたバスバー16と、を備える。一対の櫛型電極18の電極指15が交差する領域が交差領域25である。交差領域25の長さが開口長である。一対の櫛型電極18は、交差領域25の少なくとも一部において電極指15がほぼ互い違いとなるように、対向して設けられている。交差領域25において複数の電極指15が励振する弾性波は、主にX方向に伝搬する。同じ櫛型電極18の電極指15のピッチがほぼ弾性波の波長λとなる。ピッチは電極指15の2本分のピッチとなる。反射器24は、IDT22の電極指15が励振した弾性波(弾性表面波)を反射する。これにより弾性波はIDT22の交差領域25内に閉じ込められる。
圧電基板12としては、例えば、単結晶タンタル酸リチウム(TaLiO)基板または単結晶ニオブ酸リチウム(NbLiO)基板であり、例えば回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板または回転YカットX伝搬ニオブ酸リチウム基板である。支持基板10は、例えばサファイア基板、スピネル基板、シリコン基板、水晶基板、石英基板またはアルミナ基板である。サファイア基板は単結晶Al基板であり、スピネル基板は多結晶MgAl基板であり、シリコン基板は単結晶Si基板であり、水晶基板は単結晶SiO基板であり、石英基板は多結晶SiO基板であり、アルミナ基板はAlの焼結体(焼結セラミックス)基板である。支持基板10のX方向の線熱膨張係数は圧電基板12のX方向の線熱膨張係数より小さい。これにより、弾性波共振器の周波数温度依存性を小さくできる。
金属膜14は、例えばAl(アルミニウム)またはCu(銅)を主成分とする膜であり、例えばAl膜またはCu膜である。電極指15と圧電基板12との間にTi(チタン)膜またはCr(クロム)膜等の密着膜が設けられていてもよい。密着膜は電極指15より薄い。電極指15を覆うように絶縁膜が設けられていてもよい。絶縁膜は保護膜または温度補償膜として機能する。
厚さT1は例えば50μmから500μmである。厚さT2は例えば0.5μmから5μmであり、例えば弾性波の波長λ以下である。厚さT1aおよびT2aは例えば各々0.1nmから10nmでありT2a<T1aである。
支持基板10上面に圧電基板12の下面を貼り付ける方法について説明する。図3(a)から図3(d)は、実施例1における支持基板と圧電基板との接合方法を示す模式図である。図3(a)に示すように、支持基板10では、支持基板10を構成する元素の原子50aが規則的に配列されている。支持基板10の上面に自然酸化膜10bが形成されている。自然酸化膜10bは原子50aと酸素とから構成される。図3(b)に示すように、圧電基板12では、圧電基板12を構成する元素の原子52aが規則的に配列されている。圧電基板12の下面に自然酸化膜12bが形成されている。自然酸化膜12bは原子52aと酸素とから構成される。
図3(a)および図3(b)に示すように、真空中において、支持基板10の上面および圧電基板12の下面にイオン54等を照射する。イオン54は例えばAr(アルゴン)イオン等の不活性元素(例えば希ガス元素)のイオンである。イオン54等をイオンビーム、中性化したビームまたはプラズマとして、照射する。これにより、支持基板10の上面および圧電基板12の下面が活性化される。Arイオンを用いる場合、例えばArイオンの電流を25mAから200mAとし、Arイオンの照射時間を30秒から120秒程度とする。
図3(c)に示すように、支持基板10の上面および圧電基板12の下面に、それぞれアモルファス層10aおよび12aが形成される。アモルファス層10aは支持基板10の構成元素の原子50aとイオン54とを含む。アモルファス層12aは圧電基板12の構成元素の原子52aとイオン54とを含む。アモルファス層10aおよび12aの表面には未結合の結合手が形成される(すなわち活性化される)。
図3(d)に示すように、真空を維持した状態で、アモルファス層10aと12aとを張り合わせると、未結合手同士が結合し、強固な結合となる。これにより、支持基板10と圧電基板12とがアモルファス層11を介し接合される。このような接合は常温(例えば100℃以下かつ−20℃以上、好ましくは80℃以下かつ0℃以上)で行われるため熱応力を抑制できる。
このように、支持基板10と圧電基板12とを接合すると、圧電基板12がタンタル酸リチウム基板のとき、アモルファス層12aは、Ta(タンタル)、Li(リチウム)およびO(酸素)を主成分とし、Arを含む。圧電基板12がニオブ酸リチウム基板のとき、アモルファス層12aは、Nb(ニオブ)、LiおよびOを主成分とし、Arを含む。アモルファス層12aは、支持基板10の構成元素のうち酸素以外のAl、SiまたはMgをほとんど含まない。
支持基板10がサファイア基板またはアルミナ基板のとき、アモルファス層10aは、AlおよびOを主成分とし、Arを含む。支持基板10がスピネル基板のとき、アモルファス層10aは、Mg(マグネシウム)、AlおよびOを主成分とし、Arを含む。支持基板10がシリコン基板のとき、アモルファス層10aはSi(シリコン)を主成分とし、Arを含む。支持基板10が水晶基板および石英基板のとき、アモルファス層10aは、SiおよびOを主成分とし、Arを含む。アモルファス層10aは、圧電基板12の構成元素のうちO以外のTa、NbおよびLiをほとんど含まない。
図4は、実施例1におけるフィルタを示す平面図である。図4に示すように、圧電基板12上に複数の弾性波共振器20、配線26およびパッド27が設けられている。複数の弾性波共振器20は、直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3を含む。配線26は、弾性波共振器20の間および弾性波共振器20とパッド27とを電気的に接続する。パッド27上にはバンプ28が形成される。複数のパッド27は、入力端子に接続される入力パッドPin、出力端子に接続される出力パッドPout、およびグランド端子に接続されるグランドパッドPgndを含む。直列共振器S1からS4は、入力パッドPinと出力パッドPoutとの間に配線26を介し直列に接続されている。並列共振器P1からP3は、入力パッドPinと出力パッドPoutとの間に配線26を介し並列に接続されている。直列共振器および並列共振器の個数は任意に設計可能である。フィルタとしてラダー型フィルタの例を説明したがフィルタは多重モード型フィルタでもよい。
IDT22が弾性表面波を励振するときに、圧電基板12内にバルク波が励振される。バルク波はアモルファス層11において反射されるとスプリアスの原因となる。また、バルク波の発生によりエネルギーの損失が生じる。そこで、特許文献2に記載されているように、圧電基板12の厚さT2を弾性波の波長λより小さくする。これにより、バルク波の圧電基板12の厚さ方向の伝搬が抑制されるものと考えられる。よって、スプリアスが抑制されかつ損失が向上する。
圧電基板12の厚さT2が小さくなると、アモルファス層12aの厚さT2aが損失に影響しやすくなることが分かった。以下、実験について説明する。
[実験1]
アモルファス層10aおよび12aの厚さT1aおよびT2aの異なるラダー型フィルタを作製し損失を測定した。作製したラダー型フィルタの条件は以下である。
支持基板10:T1=400μmの多結晶スピネル基板
圧電基板12:T2=3.5μmの42°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板
ラダー型フィルタ:LTE(Long Term Evolution)バンド26(受信帯域:814から849MHz)の送信フィルタ、6段(直列共振器が6個および並列共振器が5個)
電極指15のデュティ比:50%
図3(a)および図3(b)において、Arイオンビームを支持基板10の上面および圧電基板12の下面に照射した。Arイオンの電流値を変化させることで、アモルファス層10aおよび12aの厚さT1aおよびT2aを変えた。Arイオンの照射時間は45秒で一定とした。
図5は、Arイオンの電流値と厚さT1aおよびT2aとの関係を示す図である。ドットは測定点、直線は近似直線を示す。図5に示すように、Arイオンの電流値と厚さT1aおよびT2aとはほぼ比例する。厚さT1aおよびT2aは、TEM(Transmission Electron Microscope)により測定した。TEM観察では、支持基板10および圧電基板12は原子配列が規則的であり、アモルファス層10aおよび12aは原子配列がランダムである。アモルファス層10aと12aとはコントラストが異なる。これにより、TEM観察で厚さT1aおよびT2aを決定できる。以下の実験では、Arイオンの電流値より図5を用い厚さT1aおよびT2aを決定した。
図6は、実験1に用いたフィルタの通過特性を示す図である。図6のように、LTEバンド26の受信帯域(814から849MHz)が通過帯域となっている。バンド26の受信帯域において最も小さい損失(図6のマーカーM)を各サンプルで比較した。
図7は、実験1における厚さT2aに対する損失を示す図である。アモルファス層10aの厚さT1aを0.47nmで一定とした。損失はバンド26の受信帯域において最も小さな損失である。図7に示すように、厚さT2aが小さいサンプルでは損失が小さくなる。T2aが約0.5nmのサンプルは、T2aが約1.5nmのサンプルより損失が0.05dBよい。
図8(a)および図8(b)は、実験1における厚さT1aに対する損失を示す図である。図8(a)および図8(b)は、アモルファス層12aの厚さT2aをそれぞれ0.8nmおよび1.47nmで一定とした。図8(a)および図8(b)に示すように、T1aが大きいサンプルは損失が小さくなるように見える。しかし、サンプル数が少なくかつサンプル間の損失差が小さいため、T1aは損失に影響していない可能性もある。なお、図7、図8(a)および図8(b)の図同士は、実験バッチが異なる。このため、他の要因が影響しているため、図7から図8(b)の間では損失を単純には比較できない。
実験1より、アモルファス層12aの厚さT2aが小さいと損失が小さくなる。アモルファス層10aの厚さT1aは損失に影響しないか厚さT1aが大きいと損失が小さくなる。
[実験2]
支持基板10として単結晶サファイア基板を用い実験1と同様にラダー型フィルタを作製した。アモルファス層10aおよび12aの厚さT1aおよびT2aはTEMにより測定した。表1は、T1a、T2aおよび損失を示す表である。
Figure 2019192994
表1に示すように、アモルファス層12aの厚さT2aが小さいサンプルは損失が小さい。実験2では、T2aの小さいサンプルはT1aも小さい。実験1の結果からT1aは損失にほとんど影響しない、またはT1aが大きいと損失が小さくなるとすると、表1から支持基板10をサファイア基板としてもT2aが小さいと損失は小さくなると考えられる。
アモルファス層12aの厚さT2aが損失に影響する理由は明確ではないが、例えば以下のように考えられる。圧電基板12が薄くなると、弾性表面波はアモルファス層11まで達する。アモルファス層12aの厚さT2aが大きいと、支持基板10との界面付近における圧電基板12の圧電性が低下する。これにより、弾性表面波がアモルファス層12aの影響を受け損失が低下するものと考えられる。
アモルファス層11の厚さが小さくなると、支持基板10と圧電基板12との接合が弱くなる。よって、アモルファス層10aの厚さT1aは大きいことが好ましい。
弾性表面波がアモルファス層12aの影響を受け損失が低下すると考えると、圧電基板12および支持基板10はどのような材料であっても、厚さT2aは小さい方がよい。
以上の知見から実施例1では、一対の櫛型電極18は、圧電基板12の支持基板10と反対の面に設けられ、各々複数の電極指15を備える。アモルファス層10a(第1アモルファス層)は、支持基板10に接する。アモルファス層12a(第2アモルファス層)は、圧電基板12とアモルファス層10aと接する。
アモルファス層10aは、支持基板10の構成元素を主成分とする。アモルファス層12aは、圧電基板12の構成元素を主成分とする。主成分とは、図3(a)および図3(b)において活性化のために用いた元素(例えばAr)および意図しない不純物を除く成分である。例えば、アモルファス層10aは支持基板10の構成元素(例えばスピネル基板の場合Al、MgおよびO)を合計で50原子%以上含み、アモルファス層12aは圧電基板12の構成元素(例えばタンタル酸リチウム基板の場合Ta、LiおよびO)を合計で50原子%以上含む。
このような弾性波共振器20において、アモルファス層12aをアモルファス層10aより薄くする。これにより、損失等の特性を改善できる。アモルファス層12aの厚さT2aはアモルファス層10aの厚さT1aの0.9倍以下が好ましく、0.8倍以下がより好ましく、0.7倍以下がさらに好ましい。アモルファス層12aが薄すぎると、圧電基板12の下面は活性がされない。このことから、アモルファス層12aの厚さT2aはアモルファス層10aの厚さT1aの0.1倍以上が好ましい。
アモルファス層12aの厚さT2aが大きいと損失が悪化することからT2aは、3nm以下が好ましく、2nm以下がより好ましく、1nm以下がさらに好ましい。圧電基板12の下面を活性するため、厚さT2aは0.1nm以上が好ましく、0.2nm以上がより好ましい。
支持基板10と圧電基板12との接合強度の観点から、アモルファス層10aの厚さT1aは、0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましく、2nm以上がさらに好ましい。厚さT2aは10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。
圧電基板12の厚さT1は、弾性表面波がアモルファス層12aの影響を受ける程度に薄ければよく、例えばT1は2λ以下でもよい。例えば、圧電基板12の厚さT1を一方の櫛型電極18の電極指15の平均ピッチ(すなわち波長λ)より小さくする。これにより、バルク波に起因する損失を抑制できる。また、圧電基板12が薄いと櫛型電極18が励振する弾性表面波がアモルファス層12aの影響を受けやすくなる。よって、アモルファス層12aを薄くすることが好ましい。
圧電基板12の厚さT2は電極指15の平均ピッチの0.9倍以下が好ましく、0.8倍以下がより好ましく、0.7倍以下がさらに好ましい。これにより、スプリアスを抑制しかつ損失を向上できる。厚さT2は電極指15の平均ピッチの0.1倍以上が好ましく、0.2倍以上がより好ましい。電極指15の平均ピッチは、弾性波共振器20のX方向の長さを電極指15の対数(電極指15の本数の1/2)で除することにより算出できる。例えば波長λを5μmとすると、圧電基板12の厚さT2は例えば0.5μmから5μmである。
圧電基板12は、単結晶であることが好ましい。これにより、弾性表面波を効率よく励振できる。単結晶圧電基板12としては、タンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板を用いることができる。支持基板10は、単結晶、多結晶または焼結体であり、例えば、サファイア基板、スピネル基板、シリコン基板、水晶基板、石英基板、またはアルミナ基板である。
アモルファス層10aにおける、支持基板10の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度は、圧電基板12の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度より高い。アモルファス層12aにおける、圧電基板12の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度は、支持基板10の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度より高い。これにより、損失等の特性を改善できる。
IDT22がSH(Shear Horizontal)波を励振する場合、IDT22はバルク波を励振しやすい。よって、IDT22はSH波を励振することが好ましい。このため、圧電基板12は、20°から48°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板であることが好ましい。
[実施例1の変形例1]
図9は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器の断面図である。図9に示すように、支持基板10は、積層された複数の支持基板10cおよび10dを備えていてもよい。支持基板10cおよび10dは例えば実施例1の支持基板10と同じ基板である。支持基板10cの厚さは例えば50μmから500μmであり、支持基板10dの厚さは例えば0.5μmから100μmである。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図10は、実施例2に係るデュプレクサの回路図である。図10に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を図4のフィルタとすることができる。フィルタとしては、ラダー型フィルタまたは多重モード型フィルタとすることができる。
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 支持基板
10a、11、12a アモルファス層
12 圧電基板
15 電極指
18 櫛型電極
20 弾性波共振器
22 IDT

Claims (9)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に設けられた圧電基板と、
    前記支持基板に接し前記支持基板の構成元素を主成分とする第1アモルファス層と、
    前記圧電基板と前記第1アモルファス層とに接し、前記圧電基板の構成元素を主成分とし、前記第1アモルファス層より薄い第2アモルファス層と、
    前記圧電基板の前記支持基板とは反対の面上に設けられ、各々複数の電極指を備える一対の櫛型電極と、
    を備える弾性波共振器。
  2. 前記圧電基板の厚さは前記一対の櫛型電極のうち一方の櫛型電極の電極指の平均ピッチより小さい請求項1に記載の弾性波共振器。
  3. 前記圧電基板は単結晶であり、
    前記支持基板は、単結晶、多結晶または焼結体である請求項1または2に記載の弾性波共振器。
  4. 前記圧電基板は、タンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板であり、
    前記支持基板は、サファイア基板、スピネル基板、シリコン基板、水晶基板、石英基板、またはアルミナ基板である請求項3に記載の弾性波共振器。
  5. 前記第1アモルファス層における、前記支持基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度は、前記圧電基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度より高く、
    前記第2アモルファス層における、前記圧電基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度は、前記支持基板の構成元素のうち酸素以外の元素の原子濃度より高い請求項4に記載の弾性波共振器。
  6. 第2アモルファス層の厚さは第1アモルファス層の厚さの0.8倍以下である請求項1から5のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
  7. 前記一対の櫛型電極はSH波を励振する請求項1から6のいずれか一項に記載の弾性波共振器。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の弾性波共振器を含むフィルタ。
  9. 請求項8に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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