JP2022018424A - ウエハの製造方法、弾性波デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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道雄 三浦
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Abstract

【課題】基板17と圧電基板14との接合強度を向上させることができるウエハの製造方法、弾性波デバイスおよびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明のウエハの製造方法は、支持基板10を備える基板17の第1面と圧電基板14の第2面との少なくとも一方の面に窒化酸化アルミニウムを主成分とする接合層13を形成する工程と、接合層13の表面を活性化する工程と、接合層13を介し基板17の第1面と圧電基板14の第2面とを接合させる工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ウエハの製造方法、弾性波デバイスおよびその製造方法に関し、例えば圧電基板を備えるウエハの製造方法、弾性波デバイスおよびその製造方法に関する。
スマートフォン等の通信機器に用いられる弾性波デバイスとして、圧電基板上に一対の櫛型電極を有するIDT(Interdigital Transducer)が設けられた弾性表面波デバイスが知られている。弾性表面波デバイスは、例えば45MHz~2GHzの周波数帯の無線信号を処理する回路におけるバンドパスフィルタとして用いられている。
支持基板および圧電基板の表面を活性化処理し、支持基板と圧電基板とを接合することが知られている(例えば特許文献1)。支持基板と圧電基板との間に硬質層を設けることが知られている(例えば特許文献2)。ベース基板と半導体基板との接合界面に窒化酸化アルミニウム膜を設けることが知られている(例えば特許文献3)。圧電基板上に酸化シリコン膜および接合層を形成し、接合層および支持基板の表面を活性化し、接合層と支持基板とを接合することが知られている(特許文献4)。
特開2004-343359号公報 特開2008-028980号公報 特開2012-160713号公報 国際公開第2017/163722号
特許文献4では、接合層として窒化アルミニウム、アルミナ等を用いることで、支持基板と圧電基板との接合強度が向上する。しかしながら、支持基板と圧電基板との接合強度は十分ではない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板と圧電基板との接合強度を向上させることを目的とする。
本発明は、支持基板を備える基板の第1面と圧電基板の第2面との少なくとも一方の面に窒化酸化アルミニウムを主成分とする接合層を形成する工程と、前記接合層の表面を活性化する工程と、前記接合層を介し前記第1面と前記第2面とを接合させる工程と、を含むウエハの製造方法である。
上記構成において、前記接合層の表面を活性化する工程は、前記接合層に希ガス元素の原子またはイオンを照射する工程を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記基板は、前記第1面を有しかつ酸化シリコンを主成分とする中間層を備え、前記接合層を形成する工程は、前記第1面に接する前記接合層を形成する工程を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記第1面と前記第2面とを接合する工程の後、前記接合層は、前記基板と前記圧電基板とに接する構成とすることができる。
上記構成において、前記接合層を形成する工程は、アルミニウムまたはアルミニウム合金ターゲット、酸素ガスおよび窒素ガスを用いた反応性スパッタリング法を用い前記接合層を形成する工程を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電基板はタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である構成とすることができる。
上記構成において、前記接合させる工程の後、前記圧電基板を研磨または研削することで前記圧電基板を薄膜化する工程を含む構成とすることができる。
本発明は、上記ウエハの製造方法を用いウエハを形成する工程と、前記ウエハの前記圧電基板の前記第2面と反対の面に電極を形成する工程と、を含む弾性波デバイスの製造方法である。
本発明は、支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、酸化シリコンを主成分とする中間層と、前記圧電基板と前記中間層との間に設けられ、前記圧電基板と前記中間層とに接し、窒化酸化アルミニウムを主成分とする接合層と、前記圧電基板の前記接合層と反対の面に設けられた電極と、を備える弾性波デバイスである。
本発明によれば、基板と圧電基板との接合強度を向上させることができる。
図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。 図2(a)から図2(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。 図3(a)から図3(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その2)である。 図4(a)から図4(c)は、実施例1における基板の接合方法を示す模式図である。 図5(a)および図5(b)は、それぞれ実施例1および比較例1のウエハを上方から観察した模式図である。 図6(a)は、実験2における窒素1sのXPSスペクトルを示す図、図6(b)は、Al-NOx結合を示す図、図6(c)は、Ox-Al-Nを示す図である。 図7(a)から図7(c)は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。 図8(a)から図8(c)は、実施例1の変形例2に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。 図9(a)から図9(c)は、実施例1の変形例3に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。 図10(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図、図10(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。電極指の配列方向をX方向、電極指の延伸方向をY方向、支持基板および圧電基板の積層方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、圧電基板の結晶方位のX軸方向およびY軸方向とは必ずしも対応しない。圧電基板が回転YカットX伝搬基板の場合、X方向は結晶方位のX軸方向となる。
図1(a)および図1(b)に示すように、基板17上に圧電基板14が接合層13を介し接合されている。基板17は、支持基板10、境界層11および温度補償膜12を備える。温度補償膜12は支持基板10と圧電基板14との間に設けられ、境界層11は支持基板10と温度補償膜12との間に設けられている。支持基板10、境界層11、温度補償膜12、接合層13および圧電基板14の厚さをそれぞれT0、T1,T2,T3およびT4とする。
圧電基板14上に弾性波共振器26が設けられている。弾性波共振器26はIDT22および反射器24を有する。反射器24はIDT22のX方向の両側に設けられている。IDT22および反射器24は、圧電基板14上の金属膜16により形成される。
IDT22は、対向する一対の櫛型電極20を備える。櫛型電極20は、複数の電極指18と、複数の電極指18が接続されたバスバー19と、を備える。一対の櫛型電極20の電極指18が交差する領域が交差領域25である。交差領域25の長さが開口長である。一対の櫛型電極20は、交差領域25の少なくとも一部において電極指18がほぼ互い違いとなるように、対向して設けられている。交差領域25において複数の電極指18が励振する弾性波は、主にX方向に伝搬する。一対の櫛型電極20のうち一方の櫛型電極の電極指18のピッチがほぼ弾性波の波長λとなる。複数の電極指18のピッチ(電極指18の中心間のピッチ)をDとすると、一方の櫛型電極20の電極指18のピッチは電極指18の2本分のピッチDとなる。反射器24は、IDT22の電極指18が励振した弾性波(弾性表面波)を反射する。これにより弾性波はIDT22の交差領域25内に閉じ込められる。
圧電基板14は、単結晶タンタル酸リチウム(LiTaO)基板または単結晶ニオブ酸リチウム(LiNbO)基板であり、例えば回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板または回転YカットX伝搬ニオブ酸リチウム基板である。
支持基板10は、例えばシリコン基板、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、水晶基板または窒化シリコン基板である。シリコン基板は単結晶または多結晶のSi基板であり、サファイア基板は単結晶Al基板であり、アルミナ基板は多結晶または非晶質Al基板であり、スピネル基板は多結晶MgAl基板であり、水晶基板は単結晶SiO基板であり、窒化シリコン基板は多結晶または非晶質SiN基板である。支持基板10のX方向の線膨張係数は圧電基板14のX方向の線膨張係数より小さい。これにより、弾性波共振器の周波数温度依存性を小さくできる。
温度補償膜12は、圧電基板14の弾性定数の温度係数の符号と反対の符号の弾性定数の温度係数を有する。例えば圧電基板14の弾性定数の温度係数は負であり、温度補償膜12の弾性定数の温度係数は正である。温度補償膜12は、例えば無添加または弗素等の添加元素を含む酸化シリコン(SiO)膜であり、例えば非晶質である。これにより、弾性波共振器の周波数温度係数を小さくできる。温度補償膜12が酸化シリコン膜の場合、温度補償膜12を伝搬するバルク波の音速は圧電基板14を伝搬するバルクの音速より遅くなる。
境界層11は、例えば多結晶または非晶質であり、酸化アルミニウム膜、窒化シリコン膜または窒化アルミニウム膜である。境界層11を伝搬するバルク波の音速は、温度補償膜12を伝搬するバルク波の音速より速い。これにより、圧電基板14および温度補償膜12内に弾性波が閉じ込められる。
接合層13は、温度補償膜12と圧電基板14を接合する層であり、多結晶または非晶質窒化酸化アルミニウム(AlON)膜である。窒化酸化アルミニウム膜はアルミニウム、窒素および酸素を主成分とする。アルミニウム、窒素および酸素の濃度は各々例えば5原子%~60原子%である。
弾性波のエネルギーを温度補償膜12内にある程度存在させるため、圧電基板14の厚さT4は例えば1λ以下である。弾性波を圧電基板14および温度補償膜12に閉じ込めるため、温度補償膜12の厚さT2は例えば1λ以下である。温度補償膜12の下面と圧電基板14の上面との距離は例えば2λ以下である。弾性波を圧電基板14および温度補償膜12に閉じ込めるため、境界層11の厚さT1は例えば1λ以上である。支持基板10が他の層を支持するため、支持基板10の厚さT0は、例えば50μm以上である。接合層13の厚さT3は、接合層として機能するため例えば5nm以上であり、弾性波を反射しないため、100nm以下である。
金属膜16は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)またはモリブデン(Mo)を主成分とする膜である。ここで、ある材料を主成分とするとは、意図的または意図せず不純物を含むことを意味し、例えばある材料を50原子%以上含むことであり、80原子%以上含むことである。電極指18と圧電基板14との間にチタン(Ti)膜またはクロム(Cr)膜等の密着膜が設けられていてもよい。密着膜は電極指18より薄い。電極指18を覆うように絶縁膜が設けられていてもよい。絶縁膜は保護膜または温度補償膜として機能する。
弾性波の波長λは例えば1μmから6μmである。2本の電極指18を1対としたときの対数は例えば20対から300対である。IDT22のデュティ比は、電極指18の太さを電極指18のピッチで除した値であり、例えば30%から70%である。IDT22の開口長は例えば10λから50λである。
[実施例1の製造方法]
図2(a)から図3(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図2(a)に示すように、支持基板10上に境界層11および温度補償膜12を例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法または真空蒸着法を用い形成する。これにより、支持基板10、境界層11および温度補償膜12を備える基板17が形成される。
図2(b)に示すように、温度補償膜12上に接合層13を形成する。接合層13の形成には反応性スパッタリング法を用いる。反応性スパッタリング法では、支持基板10をスパッタリング装置のチャンバ内に設置する。支持基板10に対向するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるターゲットを配置する。チャンバ内のアルゴン(Ar)ガスに加え、窒素(N)ガスおよび酸素(O)ガスを導入する。高周波電力を加えることで、ターゲットからスパッタリングされたアルミニウム原子が窒素および酸素と反応し支持基板10上に堆積する。
図2(c)に示すように、接合層13の上面および圧電基板14の下面に原子またはイオン等を照射する(矢印55)。これにより、接合層13の上面および圧電基板14の下面が活性化する。
図3(a)に示すように、接合層13の上面と圧電基板14の下面とを接触させ、接合層13の上面と圧電基板14の下面とを常温において直接接合する。図3(b)に示すように、圧電基板14の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い平坦化する。これにより、圧電基板14の厚さがT4となる。支持基板10上に圧電基板14が積層されたウエハ28が完成する。図3(c)に示すように、圧電基板14上に金属膜16を形成することで、圧電基板14上にIDT22および反射器24を形成する。
図4(a)から図4(c)は、実施例1における基板の接合方法を示す模式図である。図4(a)に示すように、接合層13は接合層13aおよび非晶質層13bを有する。接合層13aは、非晶質な窒化酸化アルミニウムであり、アルミニウム原子、窒素原子および酸素原子である原子50を有する。矢印55のように真空中において接合層13の上面に原子54またはイオンを照射する。原子54またはイオンが照射された領域は、非晶質層13bであり、原子50と照射された原子54を有する。
図4(b)に示すように、圧電基板14は圧電基板14aおよび非晶質層14bを有する。圧電基板14aは、単結晶圧電基板であり、タンタル酸リチウム基板の場合、タンタル原子、リチウム原子および酸素原子である原子52を有し、ニオブ酸リチウム基板の場合、ニオブ原子、リチウム原子および酸素原子である原子を有する。矢印55のように真空中において圧電基板14の下面に原子54またはイオンを照射する。原子54またはイオンが照射された領域は、非晶質層14bであり、原子52と照射された原子54を有する。
図4(a)および図4(b)において、原子54は例えばアルゴン(Ar)、キセノン(Xe)またはクリプトン(Kr)等の不活性元素(例えば希ガス元素)である。原子54またはイオン等をイオンビーム、中性化したビームまたはプラズマとして、照射する。これにより、非晶質層13bの上面および非晶質層14bの下面に未結合の未結合手が形成される(すなわち非晶質層13bの上面および非晶質層14bの下面が活性化される)。アルゴンイオンを用いる場合、例えば表面活性化接合(SAB:Surface Activated Bonding)装置を用いればよい。
図4(c)に示すように、真空を維持した状態で、矢印56のように支持基板10と圧電基板14とを押圧することで、非晶質層13bと14bとを張り合わせる。このとき、非晶質層13bおよび14bの表面に形成された未結合手同士が結合し、強固な結合となる。これにより、接合層13と圧電基板14が接合される。このような接合は常温(例えば100℃以下かつ-20℃以上、好ましくは80℃以下かつ0℃以上)で行われるため熱応力を抑制できる。常温で接合されたか否かは、残留応力の温度依存性により確かめることができる。すなわち、接合された温度において、残留応力が最も小さくなる。
非晶質層13bは、窒化酸化アルミニウム膜である接合層13の構成元素であるアルミニウム、窒素および酸素を主成分とし、表面活性化のための元素(例えばアルゴン)を含む。非晶質層14bは、圧電基板14の構成元素を主成分とし、表面活性化のための元素(例えばアルゴン)を含む。圧電基板14がタンタル酸リチウム基板のとき非晶質層14bはタンタル、リチウムおよび酸素を主成分とし、表面活性化のための元素(例えばアルゴン)を含む。圧電基板14がニオブ酸リチウム基板のとき非晶質層14bはニオブ、リチウムおよび酸素を主成分とし、表面活性化のための元素(例えばアルゴン)を含む。
非晶質層13bおよび14bの合計の厚さは、0nmより大きいことが好ましく、0.5nm以上がより好ましい。これにより、接合層13と圧電基板14との接合性を向上させることができる。非晶質層13bおよび14bの合計の厚さは、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。これにより、弾性波共振器の特性の劣化を抑制できる。
[実験1]
支持基板10上に圧電基板14を接合したウエハを作製した。作製条件は以下である。
支持基板10:厚さT0が500μmのサファイア基板
境界層11:厚さT1が1.35μmの酸化アルミニウム(Al)膜
温度補償膜12:厚さT2が0.3μmの酸化シリコン(SiO)膜
接合層13:
実施例1:厚さT3が20nmの窒化酸化アルミニウム膜(AlON)膜
比較例1:厚さT3が10nmの酸化アルミニウム(Al)膜
圧電基板14:厚さT4が0.6μmのタンタル酸リチウム基板
ウエハサイズ:4インチ
図2(a)において、CVD法により境界層11および温度補償膜12を成膜した。図2(b)において、接合層13はアルミニウムターゲットとし、アルゴンガスに窒素ガスおよび酸素ガスを導入した反応性スパッタリング法により成膜した。図2(c)において、圧電基板14の厚さは180μmである。図3(b)において、CMP法を用い圧電基板14の上面を研磨した。これにより、実施例1および比較例1のウエハ28を作製した。実施例1のウエハ28を3枚作製し、比較例1のウエハ28を1枚作製した。
圧電基板14を厚さT4に研磨した後、ウエハを上方より観察した。図5(a)および図5(b)は、それぞれ実施例1および比較例1のウエハを上方から観察した模式図である。図5(a)に示すように、実施例1では、3枚のウエハ28とも圧電基板14の剥がれは観察されなかった。図5(b)に示すように、比較例1では、ウエハ28の周辺に圧電基板14の剥がれ30が観察された。
[実験2]
厚さが525μmのシリコン基板上に実験1の実施例1における接合層13と同じ成膜条件を用い厚さが200nmの窒化酸化アルミニウム膜を成膜した。XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)法を用い、窒素Nの1sのおける結合エネルギーを評価した。図6(a)は、実験2における窒素1sのXPSスペクトルを示す図である。実線は表面からの深さが約20nmにおけるXPSスペクトルを示し、破線は表面から深さが約200nmにおけるXPSスペクトルを示す。
図6(a)に示すように、実線と破線のスペクトルはほぼ同じであり、深さによらず窒化酸化アルミニウム膜内の窒素はほぼ同じ結合状態である。Ox-Al-N結合のピークが観察され、Al-NOxピークはほとんど観察されなかった。図6(b)は、Al-NOx結合を示す図、図6(c)は、Ox-Al-Nを示す図である。図6(b)に示すように、Al-NOx結合ではAl-O結合およびAl-N結合以外にもO-Nの結合が存在する。図6(c)に示すように、Ox-Al-N結合では、Al-O結合とAl-N結合は主である。
図6(a)において、Ox-Al-N結合が主な結合であることから、接合層13では、Al-O結合とAl-N結合が主な結合であり、O-N結合はほとんど存在しないことがわかった。また、アルミニウム、窒素および酸素の原子組成比Al:N:Oは、約4:2:4であった。これらより、接合層13は、AlおよびAlNではなく、AlON膜であることがわかる。
温度補償膜12のような酸化シリコン膜と圧電基板14とを表面活性化法を用い直接接合すると、接合強度が弱くなる。これは、酸化シリコン膜の表面が活性化しにくい(すなわち未結合手が形成されにくい)ためと考えられる。そこで、比較例1のように、温度補償膜12上に接合層13として酸化アルミニウム膜を用いることで、接合層13の表面が活性化しやすく、温度補償膜12と圧電基板14との接合強度を向上できる。しかし、実験1の比較例1のように、温度補償膜12と圧電基板14との接合強度は十分でない。そこで、接合層13として窒化酸化アルミニウム膜を用いる。これにより、実験1のように、温度補償膜12と圧電基板14との接合強度を向上できる。
実験1において、接合層13として窒化酸化アルミニウム膜を用いることで、温度補償膜12と圧電基板14との接合強度が向上した理由は明確ではないが、例えば以下のように考えられる。接合層13として酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムを用いた場合、AlではAl-O結合が安定している。またAlNではAl-N結合が安定している。このため、接合層13の表面を活性化処理しても生成される未結合手が少ない。一方、接合層13として窒化酸化アルミニウムを用いた場合、接合層13内のAl-O結合およびAl-N結合はAl内のAl-O結合およびAlN内のAl-N結合ほど安定でなく、接合層13の表面を活性化処理すると、接合層13の表面を活性化処理しても生成される未結合手が少ない。AlおよびAlNより生成される未結合手が多くなる。これにより、接合層13と圧電基板14との接合強度が向上すると考えられる。
[実施例1の変形例1]
図7(a)から図7(c)は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図7(a)に示すように、温度補償膜12の上面に接合層13cを形成する。圧電基板14の下面に接合層13dを形成する。矢印55のように接合層13cおよび13dの表面を活性化処理する。図7(b)に示すように、接合層13cと13dとを接触させることで直接接合する。接合層13cと13dにより接合層13が形成される。図7(c)に示すように、圧電基板14を薄膜化した後、圧電基板14上に金属膜16を形成する。これによりIDT22および反射器24を有する弾性波共振器が形成される。実施例1の変形例1のように、接合層13cおよび13dを温度補償膜12の上面および圧電基板14の下面の両方に形成してもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例2]
図8(a)から図8(c)は、実施例1の変形例2に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図8(a)に示すように、基板17は、支持基板10と支持基板10上に設けられた絶縁層15とを備えている。絶縁層15は例えば酸化アルミニウム膜等である。圧電基板14の下面に接合層13が形成されている。矢印55のように絶縁層15および接合層13の表面を活性化処理する。図8(b)に示すように、接合層13と絶縁層15とを接触させることで直接接合する。図8(c)に示すように、圧電基板14を薄膜化した後、圧電基板14上に金属膜16を形成する。これによりIDT22および反射器24を有する弾性波共振器が形成される。実施例1の変形例2のように、接合層13は圧電基板14の下面に形成し、基板17の上面に形成しなくてもよい。絶縁層15が酸化シリコンを主成分とする場合、後述するように表面が活性化されにくい。よって、絶縁層15の上面に接合層13を形成しない場合、絶縁層15の主成分は酸化シリコンでないことが好ましい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例3]
図9(a)から図9(c)は、実施例1の変形例3に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図9(a)に示すように、基板17は支持基板10である。支持基板10の上面に接合層13が形成されている。矢印55のように接合層13および圧電基板14の表面を活性化処理する。図9(b)に示すように、接合層13と圧電基板14とを接触させることで直接接合する。図9(c)に示すように、圧電基板14を薄膜化した後、圧電基板14上に金属膜16を形成する。これによりIDT22および反射器24を有する弾性波共振器が形成される。実施例1の変形例3のように、基板17は支持基板10であり、支持基板10と圧電基板14とは接合層13のみを介し接合してもよい。図9(a)において、接合層13は、支持基板10の上面および圧電基板14の下面の少なくとも一方に形成されていればよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例によれば、図2(b)、図7(a)、図8(a)および図9(a)のように、支持基板10を備える基板17の上面(第1面)と圧電基板14の下面(第2面)との少なくとも一方の面に窒化酸化アルミニウムを主成分とする接合層13を形成する。図2(c)、図7(a)、図8(a)および図9(a)のように、接合層13の表面を活性化する。図3(a)、図7(b)、図8(b)および図9(b)のように、接合層13を介し基板17の上面と圧電基板14の下面と接合させる。このように、接合層13として、窒化酸化アルミニウムを用いることで、基板17と圧電基板14との接合強度を向上できる。
窒化酸化アルミニウムを主成分とするとは、基板17と圧電基板14との接合強度が向上する程度にAl-O結合とAl-N結合を有することであり、意図的または意図せず不純物が含まれていてもよい。基板17と圧電基板14との接合強度を向上させるため、接合層13は、例えばアルミニウム、窒素および酸素を合計で80原子%以上含むことが好ましく、90原子%含むことが好ましい。また、接合層13は、例えばアルミニウム、窒素および酸素を各々5原子%~80原子%含むことが好ましく、各々10原子%~70原子%含むことが好ましい。基板17の上面および圧電基板14の下面のうち接合層13が設けられていない面には表面の活性化を行わなくてもよい。
基板17と圧電基板14とを接合した後、接合層13は基板17と圧電基板14とに接する。これにより、基板17と圧電基板14との接合強度を向上できる。
実施例1およびその変形例1のように、基板17は温度補償膜12(中間層)を備えている。温度補償膜12は基板17の上面を有し酸化シリコンを主成分とする。酸化シリコンを主成分とする層は、表面の活性化を行っても未結合手がされにくいことが発明者等の経験でわかっている。そこで、温度補償膜12の上面に接する接合層13を形成する。これにより、温度補償膜12と圧電基板14との接合強度を向上できる。
温度補償膜12が酸化シリコンを主成分とするとは。温度補償膜12の機能を得る程度にシリコンおよび酸素を含むことであり、意図的または意図せず不純物が含まれていてもよい。温度補償膜12は例えば弗素を含んでもよい。温度補償膜12として機能するため、温度補償膜12は、例えばシリコンおよび酸素を合計で50原子%以上含むことが好ましく、80原子%含むことがより好ましい。また、温度補償膜12は、例えばシリコンおよび酸素を各々10原子%~90原子%含むことが好ましく、各々20原子%~80原子%含むことが好ましい。
図3(c)、図7(c)、図8(c)および図9(c)のように、このようにして製造したウエハ28の圧電基板14の上面(第2面と反対の面)にIDT22および反射器24等の電極を形成する。これにより、基板17と圧電基板14との接合強度が向上する弾性波デバイスが製造できる。
このようにして製造した弾性波デバイスでは、温度補償膜12は、支持基板10と圧電基板14との間に設けられ、酸化シリコンを主成分とする。接合層13は、圧電基板14と温度補償膜12との間に設けられ、圧電基板14と温度補償膜12とに接する窒化酸化アルミニウムを主成分とする。櫛型電極20等の電極は、圧電基板14の上面(接合層13と反対の面)に設けられる。
接合層13の表面を活性化する工程は、接合層13に希ガス元素の原子またはイオンを照射する工程を含むことが好ましい。これにより、接合層13の表面を活性化できる。
接合層13として、窒化酸化アルミニウム膜を形成する工程では、アルミニウムまたはアルミニウム合金ターゲット、酸素ガスおよび窒素ガスを用いた反応性スパッタリング法を用い窒化酸化アルミニウム膜を形成する。これにより、Al-N結合およびAl-O結合を有する接合層13を形成できる。よって、基板17と圧電基板14との接合強度を向上できる。
図3(b)のように、圧電基板14を研磨または研削することで圧電基板14を薄膜化する。このとき、図4(b)のように、基板17と圧電基板14とが剥がれやすくなる。よって、接合層13が窒化酸化アルミニウムを主成分とすることが好ましい。
図10(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図である。図10(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の直列共振器S1からS3が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の並列共振器P1およびP2が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS3および1または複数の並列共振器P1およびP2の少なくとも1つに実施例1およびその変形例の弾性波共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。フィルタは、多重モード型フィルタでもよい。
[実施例2の変形例1]
図10(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図10(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例2のフィルタとすることができる。
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 支持基板
11 境界層
12 温度補償膜
13、13c、13d 接合層
14 圧電基板
15 絶縁層
17 基板
20 櫛型電極
22 IDT
26 弾性波共振器
28 ウエハ

Claims (9)

  1. 支持基板を備える基板の第1面と圧電基板の第2面との少なくとも一方の面に窒化酸化アルミニウムを主成分とする接合層を形成する工程と、
    前記接合層の表面を活性化する工程と、
    前記接合層を介し前記第1面と前記第2面とを接合させる工程と、
    を含むウエハの製造方法。
  2. 前記接合層の表面を活性化する工程は、前記接合層に希ガス元素の原子またはイオンを照射する工程を含む請求項1に記載のウエハの製造方法。
  3. 前記基板は、前記第1面を有しかつ酸化シリコンを主成分とする中間層を備え、
    前記接合層を形成する工程は、前記第1面に接する前記接合層を形成する工程を含む請求項1または2に記載のウエハの製造方法。
  4. 前記第1面と前記第2面とを接合する工程の後、前記接合層は、前記基板と前記圧電基板とに接する請求項1から3のいずれか一項に記載のウエハの製造方法。
  5. 前記接合層を形成する工程は、アルミニウムまたはアルミニウム合金ターゲット、酸素ガスおよび窒素ガスを用いた反応性スパッタリング法を用い前記接合層を形成する工程を含む請求項1から4のいずれか一項に記載のウエハの製造方法。
  6. 前記圧電基板はタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である請求項1から5のいずれか一項に記載のウエハの製造方法。
  7. 前記接合させる工程の後、前記圧電基板を研磨または研削することで前記圧電基板を薄膜化する工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載のウエハの製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のウエハの製造方法を用いウエハを形成する工程と、
    前記ウエハの前記圧電基板の前記第2面と反対の面に電極を形成する工程と、
    を含む弾性波デバイスの製造方法。
  9. 支持基板と、
    前記支持基板上に設けられた圧電基板と、
    前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、酸化シリコンを主成分とする中間層と、
    前記圧電基板と前記中間層との間に設けられ、前記圧電基板と前記中間層とに接し、窒化酸化アルミニウムを主成分とする接合層と、
    前記圧電基板の前記接合層と反対の面に設けられた電極と、を備える弾性波デバイス。
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