JP2019191508A - 画像形成装置、及び画像形成装置における現像剤量の判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の検出のためにはトナーボトルと現像器にそれぞれトナー残量検知用のセンサを設けるため、コストが高くなってしまう。【解決手段】1つのセンサでトナーボトルと現像器のトナー残量を検知することで、安価な方法で正確にトナーボトル残量検知と現像器トナー残量検知を行なう。そのために、トナーを攪拌しながらセンサの信号をモニタし、その平均値と振幅とに基づいて、それぞれの残量を判定する。【選択図】図7
Description
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の、電子写真プロセスを用いた画像形成装置及び画像形成装置における現像剤量の判定方法に関する。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の電子写真方式の画像形成装置では、感光体上に形成した静電潜像を、現像器内の現像剤(トナー)を用いて現像することで、トナー画像を形成する。感光体上に形成されたトナー画像がシートに転写されることで、印刷物が生成される。このような画像形成装置では、現像剤がなくなると、現像剤を収納したトナーボトル(収納容器)を新しいものに交換することで、継続的に印刷物を得ることができる。
トナーボトル内の現像剤の量や、ボトル交換時期を知るため、現像剤の透磁率を検出する磁気センサをボトル外部に設けることで、現像剤の量を判定するという技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、現像装置が現像器内の現像剤の残量を検出するために、現像剤残量センサを備えることが知られている(特許文献2参照)。
しかし、従来技術ではトナーボトルと現像器のトナー残量検知に、個別のセンサを設けるため、コストが上がってしまうといった問題があった。また、現像器にのみ専用のセンサを設け、トナーボトルのトナー残量をボトルモータの駆動状態を基に検知する場合、トナーボトルのトナー残量検知の精度が悪く、正確にトナー残量を検知することができないといった問題があった。
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を鑑みてなされたものであり、収納容器内と現像器内の現像剤量を安価な方法で、かつ、正確に判定することが可能な画像形成装置及び画像形成装置における現像剤量の判定方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明の一側面によれば、
装置本体に着脱可能に設けられ、現像器に現像剤を補充するための第1攪拌部材を備えた前記現像剤の収納容器から補充される前記現像剤を用いて画像を形成するための、第2撹拌部材を備えた現像器と、
前記第1攪拌部材および第2攪拌部材の少なくとも一方を駆動する駆動手段と、
前記収納容器と前記現像器との間に配置され、検出した現像剤の量に応じた検出信号を出力する検出部と、
前記駆動手段により前記第1攪拌部材および第2攪拌部材の少なくとも一方を駆動している間の前記検出信号の平均値および振幅に基づいて、前記収納容器内の現像剤量と、前記現像器内の現像剤量とを判定する判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
装置本体に着脱可能に設けられ、現像器に現像剤を補充するための第1攪拌部材を備えた前記現像剤の収納容器から補充される前記現像剤を用いて画像を形成するための、第2撹拌部材を備えた現像器と、
前記第1攪拌部材および第2攪拌部材の少なくとも一方を駆動する駆動手段と、
前記収納容器と前記現像器との間に配置され、検出した現像剤の量に応じた検出信号を出力する検出部と、
前記駆動手段により前記第1攪拌部材および第2攪拌部材の少なくとも一方を駆動している間の前記検出信号の平均値および振幅に基づいて、前記収納容器内の現像剤量と、前記現像器内の現像剤量とを判定する判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、収納容器内と現像器内の現像剤量を安価な方法で正確に判定することができるという効果がある。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
[実施形態1]
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の概略断面図である。画像形成装置本体100には、図1の下側(シート搬送方向上流)から上側(シート搬送方向下流)に向かって順に、シート給送部10、画像形成部20、定着部30、シート排出部40が設けられている。また、画像形成部20、定着部30の右側には、シート再給送部50が設けられており、シート排出部40の上部には、画像読取装置60が設けられている。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の概略断面図である。画像形成装置本体100には、図1の下側(シート搬送方向上流)から上側(シート搬送方向下流)に向かって順に、シート給送部10、画像形成部20、定着部30、シート排出部40が設けられている。また、画像形成部20、定着部30の右側には、シート再給送部50が設けられており、シート排出部40の上部には、画像読取装置60が設けられている。
シート給送部10では、給送カセット11に積載されたシートPを画像形成部20へ給送する。
給送カセット11に収納されたシートPは、ピックアップローラ12が回転することによって分離ローラ対13へ給送される。シートPが重送している場合は、正転ローラと反転ローラとからなる分離ローラ対13によって1枚に分離され、実線で示す給送パスPS1に搬送される。給送パスPS1に搬送されたシートPはさらに給送ローラ対14によって搬送され、回転を停止しているレジストローラ対15のニップに先端が倣うことでシートPの斜行が矯正される。
斜行が矯正されたシートPは、所定のタイミングで回転するレジストローラ対15によって画像形成部20に搬送される。
画像形成部20では、感光ドラム21がその表面を帯電ローラ22によって均一に帯電されている。レーザユニット23から画像情報に対応したレーザ光が照射される。感光ドラム21のレーザ光が照射された部分は、帯電ローラ22によって帯電されていた電荷が除去され、画像情報に対応した静電潜像が形成される。ここで形成された静電潜像は、現像ローラ24によって現像剤が付着されることで、現像剤像として可視化される。
この現像剤像は、感光ドラム21の回転によって転写ニップ部N1に搬送される。このタイミングに合わせてレジストローラ対15からシートPが転写ニップ部N1に搬送される。搬送されたシートPは、転写ニップ部N1において感光ドラム21と接触する転写ローラ25に挟持搬送されながら、転写ローラ25によって感光ドラム21に形成された現像剤像が転写される。なお、レーザユニット23から照射されるレーザ光は、画像読取装置60によって読み取られた原稿Gの画像データや、外部から送信された画像データに基づいて制御される。現像剤はトナー補給部270(図1には不図示、図3参照)によりトナーボトル260(図1には不図示、図2参照)から補給される。トナーボトル260は画像形成装置100に着脱可能な現像剤の容器であり、空になるとトナーが充填されたものと交換される。
次に、現像剤像が形成されたシートPは、定着部30へと搬送される。定着部30では、セラミックヒータ等の熱源を内側に有する定着フィルム31と、定着フィルムに接触して所定の圧力で加圧する加圧ローラ32とによって定着ニップ部N2が形成されている。現像剤像が形成されたシートPは、定着ニップ部N2に送り込まれて、定着フィルム31と加圧ローラ32とで挟持搬送され加熱加圧されることで、現像剤像がシートP上に定着される。
次に、現像剤像が定着されたシートPは、シート排出部40へと搬送され、排出ローラ対41によって排出トレイ42へ排出される。
<トナー補給系>
図2は、画像形成装置における、現像器及びトナー補給部を含むトナー補給系の構成例を示す断面図である。トナー補給系には、トナーが予め充填されたトナーボトル260がユーザによって設置される。トナーボトル260は、トナー補給部に対して着脱可能であり、必要に応じてユーザによって新しいトナーボトル260に交換される。トナーボトル260に収められた現像剤は例えば磁性体を含むトナー(磁性トナー)であってよい。
図2は、画像形成装置における、現像器及びトナー補給部を含むトナー補給系の構成例を示す断面図である。トナー補給系には、トナーが予め充填されたトナーボトル260がユーザによって設置される。トナーボトル260は、トナー補給部に対して着脱可能であり、必要に応じてユーザによって新しいトナーボトル260に交換される。トナーボトル260に収められた現像剤は例えば磁性体を含むトナー(磁性トナー)であってよい。
トナーボトル260は、現像器にトナーを搬送する際に、トナーボトル260内のトナーを均一に撹拌する第1撹拌部材261を備えている。第1攪拌部材261の回転軸は駆動ギア列264を介して、トナーボトル260の外部に配置されたボトルモータ262と接続されている。第1攪拌部材261は、ボトルモータ262から回転駆動力を与えられることで、トナーボトル260内のトナーがトナー供給口を通じて現像器へ供給される。
現像器は、攪拌室240及び現像室(図示せず)を有する。現像器は、攪拌室240内に、第2攪拌部材241を備えている。第2攪拌部材241は、回転駆動されるボトルモータ262から駆動ギア列264(クラッチ等を含む)を介して、回転駆動力を与えられることで、回転する。第2攪拌部材241が回転することで、攪拌室240内のトナーが現像室を介し現像ローラ24へ供給される。
これらのトナー補給系は、トナーボトル260と現像器、特に攪拌室240との間に位置するよう磁気センサ263がトナー残量の検出部として備えられている。
<画像形成装置の制御系>
図3は本実施形態に係る画像形成装置100の制御系の構成を示すブロック図である。なお、図3には、後述するトナー残量の判定処理等の、とりわけ本実施形態に関連する構成を示している。画像形成装置100は、CPU701、ROM702、RAM703及びEEPROM704を制御系(すなわち制御部あるいはコントローラ)として備えている。
図3は本実施形態に係る画像形成装置100の制御系の構成を示すブロック図である。なお、図3には、後述するトナー残量の判定処理等の、とりわけ本実施形態に関連する構成を示している。画像形成装置100は、CPU701、ROM702、RAM703及びEEPROM704を制御系(すなわち制御部あるいはコントローラ)として備えている。
ROM702には、画像形成装置100全体を制御するための制御プログラムが格納されている。RAM703は、CPU701の作業領域として使用されるとともに、画像データ等の種々のデータを一時的に格納するために使用される、揮発性の記憶デバイス(メモリ)である。CPU701は、ROM702に格納された制御プログラムをRAM703に読み出して実行することによって、画像形成装置100全体を制御する。EEPROM704は、不揮発性の記憶デバイス(メモリ)であり、トナーボトル260内のトナー残量、磁気センサ263の出力値(基準出力値)等の、種々のデータを保持するために使用される。
CPU701は、トナー補給部270内のボトルモータ262の動作を制御することで、トナー補給部270の動作を制御する。CPU701には、トナー補給部270の磁気センサ263から出力される信号が入力される。CPU701は、磁気センサ263からの出力信号に基づいて、トナーボトル260内のトナー残量および現像器240内のトナー残量を判定することが可能である。
CPU701は、トナー残量の判定結果に基づいて、トナーボトル260から現像器240へのトナーの供給を制御する。CPU701は、トナーセンサ263の出力信号が、現像器240内にトナーが無いことを示す場合、ボトルモータ262を駆動して第1攪拌部材261を回転させることで、トナーボトル260から現像器240内にトナーを補給する。またCPU701は不図示のクラッチの継断を制御して駆動ギア列264を制御し、第1攪拌部材261、第2攪拌部材241のいずれか一方のみを駆動できるように構成してもよい。また、それぞれの攪拌部材を機械的に同期して駆動できるよう構成してもよい。
また、CPU701は、操作部710の動作を制御する。CPU701は、操作部710に画面情報を送信して、操作部710の表示部(液晶ディスプレイ等)に操作画面を表示できる。また、CPU701は、操作部710におけるユーザの操作の内容を示す操作情報を操作部710から受信できる。例えば、CPU701は、磁気センサ263を用いた、トナーボトル260内のトナーの残量の判定結果、または画像形成装置100内のトナーボトル260の有無の検知結果を操作部710に表示することで、ユーザへの通知を行うことが可能である。操作部710は例えば画像形成装置本体100の画像読取装置60付近の高さに据え付けられている。あるいは独立した端末と通信を介して接続し、それを操作部710として用いてもよい。
<トナー残量の判定方法>
図4はトナーボトルのみを駆動させた場合の磁気センサ263の出力特性の例を示す図である。図4の例では現像器にトナーはないものとしている。なお仮に現像器のトナーを考慮したとしても、現像器の撹拌部材241を駆動しなければ、磁気センサ263の出力信号の交流成分は図4に示すとおりである。図4においては、左側に第1攪拌部材261を時計回りに回転させて攪拌する工程を、左端から順にほぼ90度おきに示す。右側には磁気センサ263による出力信号の例を示す。出力信号の振動の一周期が第1攪拌部材261の一回転に対応する。一周期の振動は、谷が、磁気センサ263による検知範囲内のトナー量が少ない状態を示し、山がその逆を示す。
図4はトナーボトルのみを駆動させた場合の磁気センサ263の出力特性の例を示す図である。図4の例では現像器にトナーはないものとしている。なお仮に現像器のトナーを考慮したとしても、現像器の撹拌部材241を駆動しなければ、磁気センサ263の出力信号の交流成分は図4に示すとおりである。図4においては、左側に第1攪拌部材261を時計回りに回転させて攪拌する工程を、左端から順にほぼ90度おきに示す。右側には磁気センサ263による出力信号の例を示す。出力信号の振動の一周期が第1攪拌部材261の一回転に対応する。一周期の振動は、谷が、磁気センサ263による検知範囲内のトナー量が少ない状態を示し、山がその逆を示す。
図4(a)はトナーボトル内のトナー残量が80%のときの様子を示している。トナーボトル260内で第1撹拌部材261が回転したとしても、磁気センサ263によるトナーボトル260内の検出範囲にトナーが常に存在するため、磁気センサ263の出力値はトナー残量に応じたほぼ満量(満タン)を示す値から大きく変動しない。
図4(b)はトナーボトル内のトナー残量が50%のときの様子を示している。この時磁気センサ263の検出値(平均値)は基準値A(第3の基準値とも呼ぶ)を下回っている。トナーボトル260内で第1撹拌部材261が回転すると、その位相に応じて、磁気センサ263によるトナーボトル260内の検出範囲にトナーが存在する領域だけでなくトナーが存在しない領域が現れる。そのため、出力値は、磁気センサ263による検出範囲内のトナーの量に応じた値の付近で、トナー量の変動に応じてある程度変動する。図4(b)の例では、トナーボトルの様子を示す右端の状態で検出されるトナー量は最も多く、信号値はピークとなる。第1攪拌部材261が時計回りに回転してトナー表面に接し、それを押して回転すると、左端のようになる。その後、検出範囲内のトナー量は第1攪拌部材261の回転に応じて減少し、磁気センサ263の出力信号値は徐々に低下する。そして第1攪拌部材261によりトナーボトル260内の上側すなわち磁気センサ263から遠い側に寄ったトナーが下方へと落下する直前が、磁気センサ263の出力信号値が最低となるであろうタイミングである。さらに第1攪拌部材261が回転すると落下するトナーの量は増加し、磁気センサ263の出力信号値が徐々に増大する。第1攪拌部材261の一回転ごとにこのようなサイクルを繰り返すことで、磁気センサ263の出力信号値は、第1攪拌部材261の回転に同期して、その位相に応じて変動する。
図4(c)はトナーボトル260内のトナー残量が20%のときの様子を示している。トナーボトル260内で第1撹拌部材261が回転すると、その位相に応じて磁気センサ263によるトナーボトル260内の検出範囲にトナーが存在する領域と存在しない領域が明確に現れる。そのため、出力値は、磁気センサ263による検出範囲内のトナーの量に応じた値の付近で、トナー量の変動に応じて残量50%のときに比べて大きく変動する。磁気センサ263の出力信号は、図4(b)と同様に周期的に変動するが、トナー量が相違するため、その信号の平均値が下がるとともに、変動幅(振幅)が大きくなる。図4(b)の状態から図4(c)の状態にかけて出力値の振幅は増大していき、図4(c)の段階で基準値B(第4の基準値とも呼ぶ)を超えるようになる。
図4(d)はトナーボトル260内のトナー残量が5%のときの様子を示している。トナーボトル260内で第1撹拌部材261が回転すると、磁気センサ263によるトナーボトル260内の検出範囲にトナーが存在する領域と存在しない領域が現れる。しかし、そもそもトナー残量が少ないため、出力値は図4(c)のときと比べ低下し、また出力値の変動幅も減少する。この時、振幅は基準値C(第5の基準値とも呼ぶ)より小さくなっている。
図5は現像器のみを駆動させた場合の磁気センサ263の出力特性の例を示す図である。図5の例ではトナーボトル260にトナーはないものとしている。なお仮にトナーボトル260のトナーを考慮したとしても、トナーボトル260の撹拌部材261を駆動しなければ、磁気センサ263の出力信号の交流成分は図5に示すとおりである。図5においては、図4と同様に、左側に攪拌室240内の第2攪拌部材241を時計回りに回転させて攪拌する工程を、左端から順にほぼ90度おきに示す。右側には磁気センサ263による出力信号の例を示す。出力信号の振動の一周期が第2攪拌部材241の一回転に対応する。一周期の振動は、谷が、磁気センサ263による検知範囲内のトナー量が少ない状態を示し、山がその逆を示す。ただし図4と異なり、磁気センサ263が攪拌室240の上部に位置するため、出力信号の変動の位相は、図4で説明した信号の位相と相違する。すなわち、トナーが攪拌室240内の上側にある時に大きくなり、下側にある時に小さくなる。
図5(a)は現像器内のトナー残量がほぼ満量(満タン)のときの様子を示している。現像器の攪拌室240の上部には若干の空洞が設けられる。そのため、第2攪拌部材241がトナーの中を回転している間は、磁気センサ263の検出範囲にトナーは存在しない。第2撹拌部材241が水平位置より上にくると、その位相に応じて磁気センサ263による攪拌室240内の検出範囲にトナーが存在する領域とトナーが存在しない領域が現れる。そのため、出力値は、磁気センサ263による検出範囲内のトナー量に応じた値の付近で、トナー量の変動に応じてある程度変動する。トナー量が多いほど磁気センサ263の検出範囲に移動するトナー量が多いため、変動量(振幅)は大きくなる。この時振幅は基準値Dを超えている。
図5(b)は現像器内のトナー残量が50%のときの様子を示している。現像器の攪拌室240内で第2撹拌部材241が回転すると、その位相に応じて磁気センサ263による攪拌室240内の検出範囲にトナーが存在する領域と存在しない領域が現れるが、トナー量が減っているためその変動量(振幅)は満量の時に比べて小さくなる。
図5(c)は現像器にトナーが補給されずに記録を続けた場合の例で、現像器内のトナー残量が5%のときの様子を示している。現像器の攪拌室240内で第2撹拌部材241が回転すると、その位相に応じて磁気センサ263による攪拌室240内の検出範囲にトナーが存在する領域と存在しない領域が現れる。しかし、そもそもトナー残量が少ないため、出力値は図5(c)のときと比べ低下し、また出力値の変動も減少する。
上述した図4、図5の例は、トナーボトル260または攪拌室240のいずれか一方のみを磁気センサ263による検出の対象とした場合の例であって、実際には磁気センサ263はその両方のトナー残量に応じた信号値を出力する。その例を図6に示す。
図6は印刷中に現像器の攪拌室240の第2攪拌部材241を駆動させながら、トナーボトル260の第1攪拌部材261を間欠駆動することで現像器へのトナー補給を続けた場合の磁気センサの出力特性の例を示す図である。この例では、攪拌室240のトナー残量はほぼ満量を維持しているため、第2攪拌部材241だけ駆動している時の振幅は図5の基準値Dを超えている。トナーボトル260の第1攪拌部材261はトナー補給を行う時だけ第2攪拌部材241とほぼ同位相で3回に1回の周期で間欠駆動した例を示した。しかし、それぞれの攪拌部材の動きは同位相でなくてもよい。ただし、本例では二つの攪拌部材は一つのモータ262で、同期かつ同位相で駆動される例を説明する。
二つの撹拌部材を同期させて回転させることで、磁気センサ263の出力として、現像器内の攪拌室240内のトナーに応じた検出信号に、トナーボトル260内のトナーに応じた検出信号が加算(あるいは重畳)される。すなわち、図6(a)〜(d)それぞれの右側に示した信号波形は、図5(a)の波形に図4(a)〜(d)の波形が3回に1回重畳したものとなる。ただし、第1攪拌部材261が駆動されていなくとも、トナーボトル260内の静止したトナーが磁気センサ263で検知されるので、そのトナー量に応じた直流成分が検出信号に上乗せされる。
図6(a)の状態では、トナーボトル、現像器ともほぼ満量状態なので、トナーボトルの波形はほぼ重畳されない。
図6(b)の状態では、トナーボトルのトナー残量が50%の状態なので、3回に1回トナーボトルの波形が重畳されているのが明確に分かるようになる。図6(b)で振幅Yは第2攪拌部材だけが駆動している期間の振幅であり、振幅Xは両方の攪拌部材が駆動している期間の振幅である。よって振幅X−振幅Yの差分がトナーボトルの第1攪拌部材のみの振幅であり、トナーボトル内のトナー残量を示している。
図6(c)の状態では、トナーボトルのトナー残量が20%の状態なので、トナーボトルの第1攪拌部材のみの振幅を示す差分(振幅X−振幅Y)が大きくなる。
図6(d)の状態では、トナーボトルのトナー残量が5%の状態(ほぼ空の状態)なので、トナーボトルの波形は再びほぼ重畳されなくなる。
<トナー残量判定の方法>
図7のフローを説明する前に、図4から図6を参照してトナー量の変動と磁気センサ263の出力信号との関係、および、攪拌部材241,261の動作パターンについて説明しておく。現像器のトナーが満量の状態では、図5(a)に示すように、磁気センサ263の出力値の振幅は、基準値D(第2の基準値とも呼ぶ)を上回っている。この時、現像器にトナーを補給する必要はないので、第1攪拌部材261は駆動されずに、第2攪拌部材241だけが駆動される。すると現像器内のトナー量は消費されて減っていくので、50%以下になると磁気センサ263の出力値の振幅は図5(b)に示すように基準値E(第1の基準値とも呼ぶ)を下回るようになる。そのままトナー補給を行わないでいると現像器内のトナーが空になってしまうので、第1攪拌部材261を間欠駆動してトナー補給を開始する。この時の波形が図6(b)である。ただし現像器内のトナー量は、図5(b)のように、図6(b)に比べて少ないので、振幅Yは、図6(b)よりもいくらか小さくなる可能性がある。現像器にトナーが補給されると、現像器内は図5(a)の状態に戻るので、振幅は再び基準値Dを超えて満量を示すようになる。この時トナーの補給は必要なくなるので、第1攪拌部材の間欠駆動は停止する。この様に、印刷中は磁気センサ263の検出信号の振幅が基準値Dを維持するように、トナーボトル260から現像器へとトナー補給を行う。ここで、基準値Eは基準値Dと同じでも良い。つまり、基準値Dを下回ると第1攪拌部材を間欠駆動し、基準値Dを上回った段階で停止するようにしても良い。
図7のフローを説明する前に、図4から図6を参照してトナー量の変動と磁気センサ263の出力信号との関係、および、攪拌部材241,261の動作パターンについて説明しておく。現像器のトナーが満量の状態では、図5(a)に示すように、磁気センサ263の出力値の振幅は、基準値D(第2の基準値とも呼ぶ)を上回っている。この時、現像器にトナーを補給する必要はないので、第1攪拌部材261は駆動されずに、第2攪拌部材241だけが駆動される。すると現像器内のトナー量は消費されて減っていくので、50%以下になると磁気センサ263の出力値の振幅は図5(b)に示すように基準値E(第1の基準値とも呼ぶ)を下回るようになる。そのままトナー補給を行わないでいると現像器内のトナーが空になってしまうので、第1攪拌部材261を間欠駆動してトナー補給を開始する。この時の波形が図6(b)である。ただし現像器内のトナー量は、図5(b)のように、図6(b)に比べて少ないので、振幅Yは、図6(b)よりもいくらか小さくなる可能性がある。現像器にトナーが補給されると、現像器内は図5(a)の状態に戻るので、振幅は再び基準値Dを超えて満量を示すようになる。この時トナーの補給は必要なくなるので、第1攪拌部材の間欠駆動は停止する。この様に、印刷中は磁気センサ263の検出信号の振幅が基準値Dを維持するように、トナーボトル260から現像器へとトナー補給を行う。ここで、基準値Eは基準値Dと同じでも良い。つまり、基準値Dを下回ると第1攪拌部材を間欠駆動し、基準値Dを上回った段階で停止するようにしても良い。
印刷によって、トナーの消費が進むと、トナーボトル260、現像器ともトナー量が減少し、図4(b)に示すように、出力値の平均値が基準値Aを下回るようになる。すると、第1攪拌部材261の駆動による出力値の振幅が徐々に大きくなり、図4(c)に示すように残量20%のときに、振幅が基準値Bを超えるようになる。図6の例では、振幅X−振幅Yの差分が第1攪拌部材261のみによる振幅を表すので、この差分が基準値Bを超えたときにトナーボトル260のトナー残量が20%であると判定することができる。本実施形態ではこのとき、トナーボトル260がニアエンド状態であるとして警告通知を行う。ニアエンド状態とは、トナー残量がほぼない状態であり、上述したように本例では残量が20パーセント程度またはそれ以下を指している。
さらにトナー消費が進むと、図4(d)に示すように、残量5%のときに、振幅が基準値Cを下回るようになる。図6の例では、振幅X−振幅Yの差分が第1攪拌部材のみによる振幅を表すので、この差分が基準値Cを下回ったときにトナーボトルの残量が5%であると判定することができる。本実施形態ではこのとき、トナーボトルがほぼ空状態であるとして警告通知を行う。トナーボトルが空状態になると、現像器内に残っているトナーだけで印刷を継続することになる。
トナーボトルの第1撹拌部材261は第一の一定時間(例えば1秒)に1回転し、第二の一定時間(例えば2秒)停止する間欠駆動である。一方、現像器の第2撹拌部材241は、連続的に所定時間(例えば1秒)に1回転する連続駆動である。もちろんこれらの時間は一例であって、機構的な制限や攪拌部材によるトナー搬送能力等に応じて適宜決定してよい。
<トナー残量判定処理手順>
図7は印刷中のトナーボトル及び現像器内のトナー残量判定処理のフローチャートである。図7は例えばCPU701がROM702に格納したプログラムを実行することで実現される。あるいは画像形成装置100に電源が投入されると、立ち上げ時の処理の一つとして図7に示したトナー残量判定処理が開始されてもよい。
図7は印刷中のトナーボトル及び現像器内のトナー残量判定処理のフローチャートである。図7は例えばCPU701がROM702に格納したプログラムを実行することで実現される。あるいは画像形成装置100に電源が投入されると、立ち上げ時の処理の一つとして図7に示したトナー残量判定処理が開始されてもよい。
まず第1攪拌部材261のクラッチを切った状態でモータ262を駆動して現像器内の第2撹拌部材241の回転を始める(S701)。第2攪拌部材241を回転させながら磁気センサ263の出力信号を検出し磁気センサ263の出力値の波形から出力値の最大値、平均値、最小値を求め、最大値と最小値の差分から振幅を抽出する(S702)。検出された値は例えばデジタル化されて保存される。
求めた振幅が所定の基準値Eより小さいか否かを判断する(S703)。この時まだ第1攪拌部材261は停止しているので、この振幅は、現像部の特に攪拌室240のトナー量を表している。なお最大値および最小値とは、攪拌部材を1回転乃至数回転させたときの磁気センサ263の出力信号の最大値及び最小値であって、それぞれ極大値および極小値と呼ぶこともでき、その差は測定時における検出信号の振幅と呼ぶこともできる。以降は、それぞれ極大値と極小値と呼び、その差を振幅と呼ぶこともある。図4乃至図6の説明で用いた用語「振幅」はまさにこの意味で使用されている。また以下の説明では、磁気センサ263の出力信号の振幅や波形、出力値などを、単に振幅や波形、出力値などと呼んでいる。
ステップS703において、振幅が基準値E以上であれば、現像器内に充分なトナーが存在するので、補給を行うことなく、印刷終了かどうかを判定し(S704)、印刷が終了するまでS702からS704を繰り返す。
ステップS703において、振幅が基準値Eを下回ると補給が必要な状態であると判定し、トナーボトルの第1攪拌部材261の間欠駆動を開始して現像器にトナーを補給する(S705)。
第1攪拌部材261の間欠駆動を開始すると、トナーボトル260のトナー残量に応じて図6(b)や図6(c)に示す波形になるので、ステップS706に進み、出力値の平均値と、両方の攪拌部材を駆動している期間の振幅X、第2攪拌部材241のみを駆動している期間の振幅Yと、振幅X−振幅Yの差分つまり、トナーボトルの第1攪拌部材261による振幅を抽出する。
そしてステップS707において、振幅Yから現像器内のトナー量を判定し、差分からトナーボトル内のトナー量を判定する。
次にステップS708に進み、出力値の平均値を使ってトナーボトル内のトナー量を詳しく判定する。
図4(b)に示すように、出力値の平均値が基準値A以上の場合、トナーボトルには50%以上のトナーが入っている。平均値が基準値Aを下回ると、第1攪拌部材261の駆動による振幅が大きくなるので、その後のトナーボトル内のトナー量を振幅で詳しく判定することができる。なお磁気センサ263の出力信号が現像器のトナー残量の影響を受ける場合には、例えば出力信号の振幅Y(図6参照)から、その値に対応した現像器のトナー残量を推定してもよい。そして推定したトナー量に応じて磁気センサ263の出力信号に含まれる直流成分を上述した平均値から差し引いてその平均値を補正してもよい。その場合、ステップS708では、補正した値をトナーボトル260のトナー残量を示す値とみなして基準値Aと比較すればよい。
ステップS708において、平均値が基準値A未満の場合、差分X−Yが基準値B以上かどうかを判定する(S710)。差分が基準値B以上の場合、トナーボトル内のトナー量が概ね20%であることを示すので、ステップS711に進み、操作部にトナーボトルのニアエンド警告を通知する。差分が基準値B未満の場合、警告通知は行わず、ステップS712に進む。
ステップS712ではニアエンド警告通知済みかどうかで分岐する。ニアエンド警告通知済みの場合は、トナー消費が進むとトナーボトルが空になるので、ステップS713に進み、空かどうかの判定を行う。まだニアエンド警告通知済みでない場合は、ステップS709に進む。ニアエンド警告を含む警告は、たとえば画像形成装置の表示パネル等に表示したものでよい。
トナー消費が進むと、図4(d)に示すように、第1攪拌部材による振幅(図6の差分X−Y)が基準値Cを下回るようになるので、ステップS713において、差分X−Yが基準値Cを下回るかどうかを判定する。差分が基準値Cを下回る場合はトナーボトル内のトナー量が5%であることを示すので、トナーボトルが空であることを通知する(S714)。
このようにトナー補給中は、第1攪拌部材261を間欠駆動しながら、トナーボトル内のトナー量を判定する。そして、現像器へのトナー補給が充分行われたかどうかを判定するためステップ709で、振幅Yが基準値Dを上回るようになったかどうかを確認する。振幅Yが基準値Dを上回るようになれば、現像器内のトナー量が満タンになったことを示すので、ステップS702に戻る。振幅Yが基準値Dに到達していない場合は、まだトナーの補給が足りていないことになるので、ステップS705に戻り、第1攪拌部材の間欠起動を継続する。
以上説明したように、本実施形態では、検出精度を低下させる原因ともなり得るトナー攪拌に伴う検出信号の変動に着目した。検出信号からは、トナーボトルと現像器それぞれの攪拌により生じた変動を特定できる。その検出信号の変動とトナー残量との相関を特定することで、検出信号に基づいて、トナーボトルと現像機それぞれのトナー残量の判定を行うことができた。このように、本実施形態の画像形成装置によれば、単一のセンサで正確にトナーボトル内と現像器内のトナー残量判定を行なうことが可能になる。これにより画像形成装置のコストの増大を防止することができる。なお上記実施例ではセンサとして磁気センサを用いたが、透磁率センサなど他のセンサを用いた場合にも適用できる。
100:画像形成装置、240:現像器(攪拌室)、241:第2撹拌部材、260:トナーボトル、261:第1撹拌部材、262:ボトルモータ、263:磁気センサ、264:駆動ギア列
Claims (9)
- 装置本体に着脱可能に設けられ、現像器に現像剤を補充するための第1攪拌部材を備えた前記現像剤の収納容器から補充される前記現像剤を用いて画像を形成するための、第2撹拌部材を備えた現像器と、
前記第1攪拌部材および第2攪拌部材の少なくとも一方を駆動する駆動手段と、
前記収納容器と前記現像器との間に配置され、検出した現像剤の量に応じた検出信号を出力する検出部と、
前記駆動手段により前記第1攪拌部材および第2攪拌部材の少なくとも一方を駆動している間の前記検出信号の平均値および振幅に基づいて、前記収納容器内の現像剤量と、前記現像器内の現像剤量とを判定する判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記判定手段は、前記第2攪拌部材のみを駆動している間の前記検出信号の第1検出結果に基づいて前記現像器内の現像剤量を判定し、
前記第1攪拌部材および第2攪拌部材の両方を駆動している間の前記検出信号の第2検出結果と、前記第1検出結果と前記第2検出結果との差分に基づいて前記収納容器内の現像剤量を判定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
前記駆動手段は、前記第2攪拌部材のみ駆動している間の前記検出信号の振幅が第1の基準値よりも小さくなると、前記第1攪拌部材を駆動して前記現像器に現像剤を補給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記駆動手段は、前記検出信号の振幅が前記第1の基準値より大きい第2の基準値より大きくなると前記第1攪拌部材の駆動を停止することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記判定手段は、前記検出信号の平均値が第3の基準値より小さく、前記差分が第4の基準値よりも大きい場合に、前記収納容器はニアエンド状態であると判定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記判定手段は、前記検出信号の平均値が第3の基準値より小さく、前記差分が前記第4の基準値よりも大きくなった後、前記差分が前記第4の基準値よりも小さい第5の基準値未満になった場合に、前記収納容器は空状態であると判定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5または6に記載の画像形成装置であって、
前記判定手段により前記収納容器がニアエンドまたは空であると判定された場合に、その旨の通知を行う通知手段を更に有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記現像剤は磁性体を含むトナーであり、前記検出部は磁気センサであることを特徴とする画像形成装置。 - 装置本体に着脱可能に設けられ、現像器に現像剤を補充するための第1攪拌部材を備えた前記現像剤の収納容器から補充される前記現像剤を用いて画像を形成するための、第2撹拌部材を備えた現像器と、
前記収納容器と前記現像器との間に配置され、検出した現像剤の量に応じた検出信号を出力する検出部とを有する画像形成装置による現像剤量の判定方法であって、
前記第1攪拌部材および第2攪拌部材またはそのいずれかを駆動している間の前記検出信号の平均値および振幅に基づいて、前記収納容器内の現像剤量と、前記現像器内の現像剤量とを判定することを特徴とする現像剤量の判定方法。
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JP2018087476A JP2019191508A (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 画像形成装置、及び画像形成装置における現像剤量の判定方法 |
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