JP2019191094A - クラック検出システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】板状の被検査体に生じたクラックがマイクロオーダーの微小なものであっても高精度に、且つ簡便にクラックの有無を検出すること。【解決手段】板状の被検査体Pを境にして第1ガス導入空間E1と第2ガス導入空間E2とが形成されるように一対の挟持部材11との間にシール部材12を介して被検査体Pを挟持保持し、第1ガス導入空間E1の背圧よりも第2ガス導入空間E2の背圧の方が高くなるように差圧を持たせた状態で、第1ガス給排気部20から第1ガス導入空間E1に第1のガスを導入するとともに、第2ガス給排気部30から第2ガス導入空間E2に第2のガスを導入する。そして、制御部50は、第1ガス給排気部20から排気された気体から第2のガスが検出されたことを示す信号をガス検出部40から入力すると、被検査体Pにクラックが発生していると判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、板状の被検査体に発生したクラックの有無を検出するクラック検出システム及び方法に関するものである。
従来より、板状の被検査体に生じた亀裂(クラック)の有無を検出する手法として、アコースティックエミッション法(AE法)が知られている。AE法は、被検査体が変形或いはクラックが生じた際に、物体に蓄えられた歪みが弾性エネルギーとして解放され発生した弾性波(アコースティックエミッション波:AE波)を検出する受動的な手法であり、板状部材の変形により生じたクラックの有無を判断することができる。
下記被特許文献1には、被検査体として固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell :SOFC)で使用する単セルの損傷の有無についてAE法で検出することについて記載されている。
「固体酸化物燃料電池における損傷過程の可視化」 日本機械学会論文集(A編) 76巻762号(2010- 2) 97頁〜106頁
非特許文献1では、被検査体となる板状の単セルをガラス製のシール部材で挟持し、これら部材を同心円状のセラミック管によって挟み込んだ状態でセルを加熱し、このときに生じるクラックを検出している。そして、クラックによるAE波を測定するため、セラミック管の外面に広帯域圧電型トランスディーサ(AEセンサ)を取り付けている。
しかしながら、単セルとセラミック管とのサイズ関係や、検査環境などに応じてAEセンサの最適な設置位置が異なるため、AEセンサの適切な設置位置を判断するにはある程度の熟練度が必要となる。
また、AEセンサは、被検査体で発生したアコースティックエミッションを検出するため超音波帯域(数10kHz〜数MHz)の信号取得に有効な感度を備えているため、周囲のバックグラウンドノイズ(雑音成分)の影響を受けやすいという問題がある。
このため、単セルに生じたクラックを起因とするAE波と、これ以外の信号(例えばシール部材の熱膨張による破損を起因とするAE波)とを分類しなければならないが、単セルに生じたクラックがマイクロオーダーの微小なサイズの場合、クラック発生時のAE波が非常に微弱なため正確にクラックを検出することができないという問題もある。
また、被検査体の表面や内部の傷の有無を検査する非破壊検査の手法としては、上述した受動的な手法であるAE法に限らず、例えば超音波深傷試験、浸透深傷試験などの能動的な手法も知られているが、これらの試験では被検査体の表面粗さが荒いと精度良くクラックを検出することができないという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、板状の被検査体に生じたクラックがマイクロオーダーの微小なものであっても高精度に、且つ簡便にクラックの有無を検出することができるクラック検出システム及び方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の態様は、被検査体を境として第1の空間と第2の空間がそれぞれ形成されるように、シール部材を介して前記被検査体を一対の挟持部材の間で挟持保持する保持部と、
前記第2の空間にガスを導入するとともに、前記第2の空間内のガスを排気する給排気部と、
前記第1の空間内の前記ガスの有無に応じた信号を出力するガス検出部と、
前記ガス検出部からの前記信号に基づいて前記被検査体に生じたクラックの有無を判断する制御部と、
を備えたことを特徴とする、クラック検出システムである。
本発明の第2の態様は、被検査体を境として第1の空間と第2の空間がそれぞれ形成されるように、シール部材を介して前記被検査体を一対の挟持部材の間で挟持保持するステップと、
前記第2の空間にガスを導入するとともに、前記第2の空間内のガスを排気するステップと、
前記第1の空間内の前記ガスの有無に応じた信号を出力するステップと、
前記ガス検出部からの前記信号に基づいて前記被検査体に生じたクラックの有無を判断するステップと、
を含むことを特徴とする、クラック検出方法である。
本発明によれば、板状の被検査体を境に形成された2つのガス導入空間に異なる種類のガスを導入し、一方のガス中に含まれる他方のガスの濃度に基づいて被検査体のクラックの有無を検出することができるため、被検査体の表面粗さに左右されず、また検査の熟練度に関係なく高精度にクラックを検出することができる。また、クラックの有無を異種ガスのガス濃度の検出によって行っているため、AE法などでは検出が困難なマイクロオーダーの微小なクラックも容易に検出することができる。
本発明に係るクラック検出システムの構成を示す概略構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。従って、添付した図面を用いて説明する実施の形態により、本発明が限定されず、この形態に基づいて当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれるものとする。
また、本明細書において、添付する各図を参照した以下の説明において、方向乃至位置を示すために上、下、左、右の語を使用した場合、これはユーザが各図を図示の通りに見た場合の上、下、左、右に一致する。
[システム構成]
まず、本発明に係るクラック検出システムの構成について説明する。
本実施形態のクラック検出システム1は、板状の被検査体Pに生じたクラック(亀裂)の有無について、2種類のガスを用いてクラックから漏洩した一方のガスが他方のガス中に含まれているか否かの検出結果に基づいて判断するシステムである。
よって、本発明におけるクラックとは、被検査体Pの一方の面から他方の面(例えば表面から裏面)にかけて連続するものであり、被検査体Pの表面にのみ形成された損傷や、被検査体Pの表面から裏面まで到達せずに内部で留まっているような損傷は検出対象外となる。
図1に示すように、本実施形態のクラック検出システム1は、被検査体Pを挟持保持する保持部10と、第1のガスを保持部10に供給/排気する空気ガス給排気部20と、第2のガスを保持部10に供給/排気する燃料ガス給排気部30と、第2のガスを第1ガス給排気部20側で検出するガス検出部40と、被検査体Pにクラックが発生しているか否かの判断や各部の駆動制御を行う制御部50とで構成されている。
本実施形態のクラック検出システム1の被検査体Pとしては、例えばセラミック板、ガラス板、金属板、シリコン基板などの板状部材が挙げられる。被検査体Pの外形は特に限定されず、例えば平面視したときの形状が正方形状、矩形状、楕円形状、円形状、多角形状などであってもよい。なお、被検査体Pの形状は板状部材に限定されず、例えば直方体、多面体、円筒体など、少なくともシール部材12を介在させた状態で挟持部材11によって2つの気密空間が形成可能な物体であればよい。
また、本システムと同様に燃料ガス(H2 、炭化水素、CO)と空気ガス(酸素含有ガス)の2種類のガスを用いて発電するSOFC用単セルを被検査体Pとして使用することもできる。
<保持部>
保持部10は、一対の挟持部材11の間にシール部材12を介して被検査体Pを挟持保持する。
挟持部材11は、第1ガス給排気部20側に配置される第1挟持部材11aと、第2ガス給排気部30側に配置される第2挟持部材11bとで構成される。挟持部材11は、シール部材12を介在させた状態で被検査体Pを挟持保持する。これにより、図1に示すように、保持部10によって保持された被検査体Pを境として2つの気密された空間となるガス導入空間(第1ガス導入空間E1、第2ガス導入空間E2)が形成される。
この第1ガス導入空間E1、第2ガス導入空間E2は、被検査体Pを隔壁としてシール部材12により各空間の気密性が確保されている。そのため、外部へのガス漏洩や外気の進入はなく、また被検査体Pにクラックが発生していない状態において一方の空間(例えば第1ガス導入空間E1)側から他方の空間(例えば第2ガス導入空間E2)側にガス漏洩することもない。
第1挟持部材11aの所定箇所(本実施形態では図1に示す側面)には、第1のガスを第1ガス導入空間E1に導入するための第1ガス導入口11cと、第1ガス導入空間E1に導入された第1のガスを外部に排気するための第1ガス排気口11dが形成されている。
第1ガス導入口11cから導入された第1のガスは、第1挟持部材11aの被検査体P側の面に形成されたガス流入口(不図示)を通って第1ガス導入空間E1内に導入される。また、第1挟持部材11aにおけるガス流入口近傍には、第1ガス排気口11dと連通するガス流出口(不図示)が形成され、第1ガス導入空間E1内の第1のガスがガス流出口を通って第1ガス排気口11dから排気される。
第2挟持部材11bの所定箇所(本実施形態では図1に示す側面)には、第2のガスを第2ガス導入空間E2に導入するための第2ガス導入口11eと、第2ガス導入空間E2に導入された第2のガスを外部に排気するための第2ガス排気口11fが形成されている。
第2ガス導入口11eから導入された第2のガスは、第2挟持部材11bの被検査体P側の面に形成されたガス流入口(不図示)を通って第2ガス導入空間E2内に導入される。また、第2挟持部材11bにおけるガス流入口近傍には、第2ガス排気口11fと連通するガス流出口(不図示)が形成され、第2ガス導入空間E2内の第2のガスがガス流出口を通って第2ガス排気口11fから排気される。
第1挟持部材11aと第2挟持部材11bは、ボルトやナットなどの固定部材10aによって挟持状態が保持されるように固定される。
シール部材12は、被検査体Pの外周縁部を挟んで対向配置されるガス漏洩防止用の部材である。シール部材12は、第1ガス導入空間E1、E2に導入される第1のガス及び第2のガスが外部に漏洩しないように、挟持部材11と被検査体Pとの間に介在される。シール部材12の材質としては、例えばゴム材、ガラス材料、セラミック材料など、クラック検査が実施される検査環境に対応し、且つ第1のガスや第2のガスの漏洩や第1ガス導入空間E1や第2ガス導入空間E2への外気の進入が阻止可能な気密性が確保できる材質であれば特に限定されない。
また、保持部10は、必要に応じて温度調節可能な加熱手段で温度制御した状態で使用することもできる。この場合、耐熱性などを考慮して挟持部材11や固定部材10aなどをアルミナなどのセラミック製にし、シール部材12も高温時に気密性が確保できる材質のものを適宜選択して使用するのが好ましい。
<第1ガス給排気部>
第1ガス給排気部20は、保持部10に保持された被検査体Pを境に形成される第1ガス導入空間E1に第1ガス供給源G1から第1のガスを導入する第1ガス導入手段21と、第1ガス導入空間E1内に充満する第1のガスを外部に排気する第1ガス排気手段22とで構成される。第1ガス導入手段21は、第1ガス導入口11cと接続され、第1ガス排気手段22は、第1ガス排気口11dと接続される。第1ガス給排気部20は、制御部50の制御により、図示しない給排気ポンプや開閉弁などを制御しながら第1のガスの流量制御(単位時間あたりの供給量及び排気量の制御)が行われる。
なお、第1ガス給排気部20で供給する第1のガスの種類は特に限定されないが、好ましくは第2のガスよりも分子量が大きいガスを使用するのがよい。例えば第2のガスを水素(H2 )、ヘリウム(He)などとした場合、第1のガスを窒素(N2 )、酸素(O2 )とすればよい。
<第2ガス給排気部>
第2ガス給排気部30は、保持部10に保持された被検査体Pを境に形成される第2ガス導入空間E2に第2ガス供給源G2から第2のガスを導入する第2ガス導入手段31と、第2ガス導入空間E2内に充満する第2のガスを外部に排気する第2ガス排気手段32とで構成される。第2ガス導入手段31は、第2ガス導入口11eと接続され、第2ガス排気手段32は、第2ガス排気口11fと接続される。第2ガス給排気部30は、制御部50の制御により、図示しない給排気ポンプや開閉弁などを制御しながら第2のガスの流量制御(単位時間あたりの供給量及び排気量の制御)が行われる。
また、第2ガス給排気部30は、第2ガス排気手段32の背圧が第1ガス排気手段22の背圧よりも所定圧(例えば1〜2kPa)だけ高くなるように設定されている。つまり、第1ガス導入空間E1内の圧力と第2ガス導入空間E2内の圧力に差圧が生じるように、第2ガス導入空間E2内の圧力を第1ガス導入空間E1内の圧力よりも高くしている。
これにより、被検査体Pにクラックが生じている場合に、第2ガス導入空間E2に充満している第2のガスを第1ガス導入空間E1に漏洩させることができる。
なお、第2ガス給排気部30で供給する第2のガスの種類は特に限定されないが、好ましくは第1のガスよりも分子量が小さいガスを使用するのがよい。例えば、第1のガスを窒素(N2 )、酸素(O2 )とした場合は、第2のガスを水素(H2 )、ヘリウム(He)などすればよい。これは、被検査体Pに生じた微小なクラックから漏洩しやすくしてガス検出部40による第2のガスの検出精度を高めるためである。
<ガス検出部>
ガス検出部40は、被検査体Pに生じたクラックから第1ガス導入空間E1に漏洩した第2のガスを検出するためのガス検出装置で構成される。よって、ガス検出部40は、第2ガス給排気部30から導入される第2のガスの種類に応じて適宜選定される。ガス検出部40は、第1ガス導入空間E1中の第1のガス中に含まれる第2のガスの有無や第2のガスのガス濃度を検出する。そして、検出した結果を示す検出信号を制御部50に出力する。本実施形態において、ガス検出部40は、第1ガス給排気部20における第1ガス排気手段20の排気流路中に配置される。
<制御部>
制御部50は、例えばCPUやROM,RAMなどの各種ハードウェアで構成され、クラック検出システム1を構成する各部の駆動制御や演算処理を行う。
また、制御部50は、ガス検出部40から出力された検出信号に基づいて被検査体Pにクラックが生じているか否かの判断をしている。制御部50によるクラック有無の判断処理としては、例えばガス検出部40から濃度に関係なく第2のガスを検出したことを示す検出信号が出力されたときにクラック有りと判断する処理、第1のガス中に含まれる第2のガスの単位時間あたりにおけるガス濃度が所定の閾値以上の濃度で検出されたときにクラック有りと判断する処理などがある。この判断処理は、被検査体Pの製品基準によって適宜設定されるため、被検査体Pの用途によっては、ある程度のクラックが許容されるように判断基準となる閾値を設定することも可能である。
また、制御部50は、クラックの有無を判断した結果を作業員が操作する外部の端末装置(PC、スマートフォン、タブレット端末など)に、周知の通信ネットワーク(LANなどのローカル通信網、携帯キャリアの移動体通信網、インターネット網など)を介して送信する。なお、制御部50で判断した判断結果を、図示しない外部記憶装置(HDD、SDカード、フラッシュUSBメモリなど)に記憶させる構成とし、作業員が外部記憶装置から記録したデータを取り出すようにしてもよい。
[処理動作]
次に、上述したクラック検出システム1の処理動作について説明する。
ここでは、ガス検出部40が第1ガス導入空間E1中に第2のガスが含まれているか否かによって被検査体Pにクラックの有無を判断する処理である。
まず、被検査体Pが挟持されるようにシール部材12を配置し、この状態で挟持部材11の間に配置してシール部材12及び被検査体Pを挟み込んで固定する。
次に、第1ガス給排気部20から第1のガスを導入するとともに、第2ガス給排気部30から第2のガスを導入する。これにより、第1ガス導入空間E1には第1のガスが、第2ガス導入空間E2には第2のガスがそれぞれ導入される。この状態でガス検出部40による第2のガスの検出を行う。
次に、この2種類のガスの導入状態において、ガス検出部40による第2のガスの検出結果を取得し、制御部50に出力する。
このとき、被検査体Pにクラックが生じていない場合は、クラックから第2のガスが漏洩しないため、第2のガスが検出されない。よって、ガス検出部40は、第2のガス不検出を示す検出信号を制御部50に出力する。
一方、被検査体Pにクラックが発生している場合は、このクラックから第2のガスが第1ガス導入空間E1側へと漏洩するため、第2のガスが検出される。よって、ガス検出部40は、第2のガスが検出されたことを示す検出信号を制御部50に出力する。
制御部50は、ガス検出部40から出力された検出信号に基づいて被検査体Pにクラックが発生しているか否かの判断を行う。本処理では、第2のガスが検出された場合にクラックが発生していると判断する。そして、判断結果を外部端末装置などに送信して処理が終了する。
[作用・効果]
以上説明したように、上述したクラック検出システム1は、板状の被検査体Pを境にして第1ガス導入空間E1と第2ガス導入空間E2とが形成されるように、一対の挟持部材11との間にシール部材12を介して挟持保持する。また、第1ガス導入空間E1の背圧よりも第2ガス導入空間E2の背圧の方が高くなるように差圧を持たせて第1ガス給排気部20から第1ガス導入空間E1に第1のガスを導入するとともに、第2ガス給排気部30から第2ガス導入空間E2に第2のガスを導入する。そして、第2のガスがガス検出部40で検出されると、被検査体Pにクラックが発生していると判断する。
これにより、被検査体Pにクラックが生じた場合に、第1のガス中に含まれる第2のガスを検出するだけでAE法などの一般的なクラック検出手法では正確に把握しにくいマイクロオーダーのクラックも高精度に検出することができる。また、被検査体Pに生じたクラックから第2のガスの漏洩を検出するだけでクラックの有無が判断できるため、特別な技術を必要とせずに不慣れな作業員でも簡便に検査を行うことができる。
また、被検査体PとしてSOFC用単セルを採用した場合、検査環境として実際の発電状態と同様に第1のガスとして酸素を使用し、第2のガスとして水素を使用し、保持部10をヒータや電気炉などで高温(700℃〜1000℃)に加熱した状態でクラックの検出を行うことも可能である。このように、発電状態におけるSOFC用単セルのクラック発生過程を観察することで、発電時の温度変化を起因とする単セルのクラック発生メカニズムを温度とクラックの相関性から定量的に知得することが可能となる。また、加熱時のヒータの温度制御を単セルの領域毎に行って温度とクラックの相関性を定量的に把握することで、発電時における最適な単セルの加熱方法を単セルの種類(厚さ、材質、サイズ)毎に知得することができる。
さらに、検出した第2のガスを単位時間あたりのガス濃度から判断するような構成とした場合は、クラックのサイズと単位時間あたりのガス濃度の相関関係を定量的に知得しておけば、検出した第2のガスのガス濃度からクラックの大凡のサイズを推測することも可能である。
[その他の実施形態]
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に示すように使用環境等に応じて適宜変更して実施することもできる。また、以下の変更例を本発明の要旨を逸脱しない範囲の中で任意に組み合わせて実施することもできる。
上述した実施形態では、図1に示すように被検査体Pを境に第1のガスを導入する第1の空間である第1ガス導入空間E1と、第2のガスを導入する第2の空間である第2ガス導入空間を形成し、第1ガス導入空間E1には第1ガス給排気部20により第1のガスを給排気するとともに、第2ガス導入空間E2には第2ガス給排気部30により第2のガスを給排気する構成とした。
しかし、本発明のクラック検出システム1は、第1の空間内に本来存在しないガスを検出したときに被検査体Pにクラックが生じていることを判断するシステムであるため、この実施形態には限定されない。
その他の実施形態1として、第1ガス給排気部20による第1のガスの供給を行わず、第1ガス導入空間E1内に漏洩した第2のガスを排気する排気機能のみとしてもよい。
このような構成の場合、ガス検出部40は、第1ガス導入空間E1から第2のガスを排気する排気流路中に配置したり、第1挟持部材11aからシール性を確保した状態で第1ガス導入空間E1内にセンサ部分を挿入したりすればよい。
また、その他の実施形態2として、被検査体Pを境にシール部材12を介在させた状態で気密性を有する第1の空間と、同じく気密性を有する第2の空間を形成し、第1の空間にはガス給排気部を設けず、第2の空間に所定のガスを給排気する給排気部(第2ガス給排気部30)のみを設けた構成とすることもできる。
このような構成とした場合、第1の空間内には空間形成時に存在する気体のみとなり、被検査体Pにクラックが生じたときは、給排気部の背圧により第2の空間に導入したガスが第1の空間に漏洩するため、ガス検出部40で第1の空間内のガスの有無を検出すれば被検査体Pのクラックの有無を判断することができる。
さらに、その他の実施形態3として、被検査体Pにクラックが生じているか否かの検査に限らず、被検査体Pをヒータなどの加熱手段で所定温度まで加熱し、耐熱試験として加熱又は冷却中における被検査体Pのクラック発生メカニズムが観察可能な構成としてもよい。
また、その他の実施形態4として、第1ガス給排気部20から供給される第1のガスを、第1ガス導入空間E1内に残留する第2のガスと反応させて第2のガスを無害化させるための成分を有する無害化ガスとすることもできる。このようにすれば、第2のガスを起因とする爆発事故や人体への影響を回避することができる。なお、第1のガスの導入タイミングとしては、例えばガス検出部40で第2のガスが検出された後に導入させれば、第2のガスの検出と無害化処理や残留気体の置換処理などを適宜行うことが可能となる。
1…クラック検出システム
10…保持部(10a…固定部材)
11…挟持部材(11a…第1挟持部材、11b…第2挟持部材、11c…第1ガス導入口、11d…第1ガス排気口、11e…第2ガス導入口、11f…第2ガス排気口)
12…シール部材
20…第1ガス給排気部
21…第1ガス導入手段
22…第1ガス排気手段
30…第2ガス給排気部
31…第2ガス導入手段
32…第2ガス排気手段
40…ガス検出部
50…制御部
E1…第1ガス導入空間
E2…第2ガス導入空間
G1…第1のガス供給源
G2…第2のガス供給源
P…板状の被検査体

Claims (2)

  1. 被検査体を境として第1の空間と第2の空間がそれぞれ形成されるように、シール部材を介して前記被検査体を一対の挟持部材の間で挟持保持する保持部と、
    前記第2の空間にガスを導入するとともに、前記第2の空間内のガスを排気する給排気部と、
    前記第1の空間内の前記ガスの有無に応じた信号を出力するガス検出部と、
    前記ガス検出部からの前記信号に基づいて前記被検査体に生じたクラックの有無を判断する制御部と、
    を備えたことを特徴とするクラック検出システム。
  2. 被検査体を境として第1の空間と第2の空間がそれぞれ形成されるように、シール部材を介して前記被検査体を一対の挟持部材の間で挟持保持するステップと、
    前記第2の空間にガスを導入するとともに、前記第2の空間内のガスを排気するステップと、
    前記第1の空間内の前記ガスの有無に応じた信号を出力するステップと、
    前記ガス検出部からの前記信号に基づいて前記被検査体に生じたクラックの有無を判断するステップと、
    を含むことを特徴とするクラック検出方法。
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