JP2019190643A - 摺動部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材であって、
摺動部材基部と、
上記摺動部材基部の表面に散在して固定される摺接粒子と、を備え、
上記摺接粒子は、上記摺動部材基部の表面から突出しており、かつ、上記被摺動部材に摺接する粒子摺接面を有しており、
上記摺接粒子の原料粒子は、粒径範囲が当該原料粒子の平均粒子径の±20%以内であり、
上記摺接粒子は、上記粒子摺接面の面積と上記摺接粒子の投影部分の面積との比率が0.6以上0.95以下である、摺動部材。
〔2〕上記原料粒子の平均粒子径が、10μm以上250μm以下である、〔1〕に記載の摺動部材。
〔3〕上記摺接粒子は、埋め込み率が50%以上である、〔1〕または〔2〕に記載の摺動部材。
〔4〕上記摺接粒子が、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、立方晶窒化ホウ素、ガラス状カーボン、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、窒化ケイ素、ケイ素化物、リン化物、および硫化物からなる群より選ばれる1種以上を含む、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の摺動部材。
〔5〕摺動部材基部の外表面上へ摺接粒子の原料粒子を固定する工程と、
上記原料粒子の平均粒子径に対して20%以上30%以下の高さ分、当該原料粒子を加工して粒子摺接面を形成する工程とを含み、
上記原料粒子は、粒径範囲が当該原料粒子の平均粒子径の±20%以内である、摺動部材の製造方法。
〔6〕上記原料粒子の平均粒子径が、10μm以上250μm以下である、〔5〕に記載の摺動部材の製造方法。
〔7〕上記摺接粒子が、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、立方晶窒化ホウ素、ガラス状カーボン、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、窒化ケイ素、ケイ素化物、リン化物、および硫化物からなる群より選ばれる1種以上を含む、〔5〕または〔6〕に記載の摺動部材の製造方法。
被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材として、スラリー液を排出可能なポンプに用いられる回転機構における軸・軸受構造の軸部材について説明する。なお、本実施形態では、摺動部材としての軸部材について説明するが、本発明の摺動部材は必ずしもこれに限らない。例えば、軸部材に対して相対的に摺動する軸・軸受構造における軸受部材にも適用することができる。また、例えば、スラスト軸受のような、被摺動部材に対して相対的に平面で摺動する摺動部材にも適用することができる。
本発明の一実施形態において、上記摺接粒子は、少なくとも一部が被膜にて覆われていてもよい。上記の構成によれば、摺接粒子の粒子摺接面及び/又は粒子摺接面周辺部の角部を被膜によって表面が円滑な面となるように覆うことができ、摺動部材の摺接面を円滑な面にすることができる。
摺接粒子の少なくとも一部がダイヤモンドライクカーボン膜(以下、DLC膜とも称する)にて被覆されている摺接粒子は、摺接粒子にDLC膜をコーティングすることにより調整することができる。DLC膜のコーティング方法としては、真空あるいは大気圧におけるプラズマを用いた蒸着技術による手法、および有機溶媒などの液中から炭素膜を電気的に析出させる手法などが知られている。現在は、真空装置を用いた蒸着法によるコーティング法が主流である。
本発明の一実施形態に係る摺動部材の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する)は、摺動部材基部の外表面上へ摺接粒子の原料粒子を固定する工程と、上記原料粒子の平均粒子径に対して20%以上30%以下の高さ分、当該原料粒子を加工して粒子摺接面を形成する工程とを含み、上記原料粒子は、粒径範囲が当該原料粒子の平均粒子径の±20%以内である。上記構成によれば、原料粒子の粒子径が揃っているため、耐剥離性に優れた摺接粒子を備える摺動部材を提供することができる。また、摺接粒子ごとの摺接面積および埋め込み率を揃えることができるため、摺動部材が被摺動部材と摺接するときの、被摺動部材に対する面圧が所定の範囲内となる。これにより、摺動部材と被摺動部材とが摺接するときの摺接粒子の偏摩耗を抑えることができ、かつ、被摺動部材の摩耗を抑えることができる。
本発明の一実施形態における、摺動部材基部10aの外表面上への摺接粒子10bの原料粒子の固定は、電着、ロウ付け、スパークプラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)(以下、SPSという)を用いて行うことができる。各固定方法について、以下に説明する。
摺動部材基部10aの表面上への摺接粒子10bの原料粒子の固定は、周知の電着の方法で行うことができる。例えば、摺動部材基部10aの表面上に、摺接粒子10bの原料粒子を配置する。その後、所望の埋め込み率となるようにニッケルメッキ液を流し込み、ニッケルメッキ液中で通電する。摺動部材基部10aの表面にニッケルメッキが施され、それに伴って、摺接粒子10bの原料粒子がニッケルメッキ膜にある程度埋め込まれ、摺動部材基部10a上に固定される。
摺動部材基部10aの表面上への摺接粒子10bの原料粒子の固定は、周知のロウ付けにより行うことができる。
まず、摺動部材基部10a上に摺接粒子10bの原料粒子を配置し、その後SPS装置にて、例えば950℃、30MPaの条件下で加圧成形を行う。摺動部材基部10a上に保持されなかった他の摺接粒子10bの原料粒子は、除圧後に除去することによって摺接粒子10bを摺動部材基部10a上に固定することができる。
本発明の一実施形態において、摺動部材基部10a上に固定された摺接粒子10bの原料粒子は、原料粒子の平均粒子径に対して20%以上30%以下の高さ分、加工され、粒子摺接面12が形成される。
本発明の一実施形態に係るポンプは、本発明の一実施形態に係る摺動部材を備える。本発明の一実施形態に係る摺動部材は、耐剥離性に優れる摺接粒子を備えるため、本発明の一実施形態に係るポンプを長時間安定的に稼働させることができる。
後述の方法で製造された摺動部材から、50mm×50mm×5mmの電着ダイヤテストピースを切り出した。当該電着ダイヤテストピースとφ5mm×5mmL(摺動する先端はφ3mm)のハイス鋼製ピンとを用いて加圧力20kg/mm2、周速0.1m/secの条件で回転試験を30分間実施し、摩擦試験後のテストピースの表面を確認した。電着して形成された複数の摺接粒子がテストピースの表面から脱落しない場合を「○」、電着して形成された複数の摺接粒子がテストピースの表面から脱落する場合を「×」と評価した。なお、摩擦摩耗試験機は、株式会社エー・アンド・デイ製の型式EFM−3−Hを用いた。
100mm×50mm×5mmtのSUS304基材の表面に、表1に記載のダイヤモンド粒子(1)をNi、Ni−P等で電着固定後、粒子の先端部分を平均粒子径の20%の高さ分研削した。加工後、埋め込み率および摺接面積と投影面積との比率(以下、「A値」とも称する)を、レーザー顕微鏡を使い測定した。
後述するA値の算出と同様に8カ所単位表面を設定し、1mm×1mm角の視野で突出高さを測定し、8カ所で得られた測定値の平均値を算出した。そして、最大粒子径および最小粒子径と研削量の数値とを使い、埋め込み率の最小値と最大値とを算出した。
製造した摺動部材の100×50mmの面から均等に8カ所単位表面(1mm×1mm)を設定し、レーザー顕微鏡(製品名:VK-9700、キーエンス社製)を使い、各単位表面を観察し、顕微鏡写真を撮影した。当該写真に基づいて、それぞれA値を算出し、8カ所において算出されたA値の平均値を得た。
研削量を平均粒子径の30%にした以外は実施例1と同様にして摺動部材を製造した。
研削量を平均粒子径の40%にした以外は実施例1と同様にして摺動部材を製造した。
表1に記載のダイヤモンド粒子(4)を用いた以外は実施例1と同様にして摺動部材を製造した。
研削量を平均粒子径の30%にした以外は実施例3と同様にして摺動部材を製造した。
表1に記載のダイヤモンド粒子(2)を用いた以外は実施例1と同様にして摺動部材を製造した。
研削量を平均粒子径の30%にした以外は比較例2と同様にして摺動部材を製造した。
表1に記載のダイヤモンド粒子(3)を用いた以外は実施例1と同様にして摺動部材を製造した。
研削量を平均粒子径の30%にした以外は比較例4と同様にして摺動部材を製造した。
10 軸部材
10a 摺動部材基部
10b 摺接粒子
11 軸受部材
12 粒子摺接面
13 部材間摺接面
31 投影部分
Claims (7)
- 被摺動部材に対して相対的に摺動する摺動部材であって、
摺動部材基部と、
上記摺動部材基部の表面に散在して固定される摺接粒子と、を備え、
上記摺接粒子は、上記摺動部材基部の表面から突出しており、かつ、上記被摺動部材に摺接する粒子摺接面を有しており、
上記摺接粒子の原料粒子は、粒径範囲が当該原料粒子の平均粒子径の±20%以内であり、
上記摺接粒子は、上記粒子摺接面の面積と上記摺接粒子の投影部分の面積との比率が0.6以上0.95以下である、摺動部材。 - 上記原料粒子の平均粒子径が、10μm以上250μm以下である、請求項1に記載の摺動部材。
- 上記摺接粒子は、埋め込み率が50%以上である、請求項1または2に記載の摺動部材。
- 上記摺接粒子が、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、立方晶窒化ホウ素、ガラス状カーボン、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、窒化ケイ素、ケイ素化物、リン化物、および硫化物からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の摺動部材。
- 摺動部材基部の外表面上へ摺接粒子の原料粒子を固定する工程と、
上記原料粒子の平均粒子径に対して20%以上30%以下の高さ分、当該原料粒子を加工して粒子摺接面を形成する工程とを含み、
上記原料粒子は、粒径範囲が当該原料粒子の平均粒子径の±20%以内である、摺動部材の製造方法。 - 上記原料粒子の平均粒子径が、10μm以上250μm以下である、請求項5に記載の摺動部材の製造方法。
- 上記摺接粒子が、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、立方晶窒化ホウ素、ガラス状カーボン、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、窒化ケイ素、ケイ素化物、リン化物、および硫化物からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項5または6に記載の摺動部材の製造方法。
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