JP2019190367A - インジェクタ制御装置 - Google Patents

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Michikazu Makino
倫和 牧野
徹 田仲
Toru Tanaka
徹 田仲
葉狩 秀樹
Hideki Hagari
秀樹 葉狩
田中俊行
Toshiyuki Tanaka
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Abstract

【課題】多気筒内燃機関における他気筒への燃料噴射、あるいは内燃機関の一つの気筒への直前の燃料噴射による燃圧低下を考慮し、インジェクタの駆動時間を設定するインジェクタ制御装置を提供する。【解決手段】インジェクタ制御装置のマイクロコンピュータ20は、内燃機関の状態に応じたインジェクタ駆動時間を算出してインジェクタを駆動すると共に、上記内燃機関の状態に応じた目標燃圧を算出31し、入力された実際の燃圧を上記目標燃圧にするように燃圧を上昇させる燃圧フィードバック制御を実行し、前回の燃圧を上昇させた時間から次回に燃圧を上昇させる時間までの間に、上記内燃機関の気筒で開始される噴射開始タイミングの燃圧を、前回に上昇した燃圧から、少なくとも駆動時間とあらかじめ適合された係数を用いて算出された燃圧低下量を順次減算して算出38し、推定された噴射開始タイミングの燃圧を用いて噴射の駆動信号を生成39する。【選択図】図3

Description

本願は、燃料を噴射するインジェクタを駆動制御するインジェクタ制御装置に関するものである。
従来、筒内噴射型内燃機関において微粒子物質の排出を抑制するために、1回の燃料を複数回に分割して筒内に噴射する技術が知られている。このような分割噴射では、先行する噴射(例えば1回目噴射)の噴射量が、それに続く噴射(例えば2回目噴射)の噴射量に影響することも知られており、その噴射量に応じて続く噴射(例えば2回目噴射)の駆動時間を補正する技術が提案されている。
例えば特許文献1では、分割噴射時に1回目噴射により発生した燃料噴射または水撃作用による燃圧脈動をモデル化し、2回目噴射の圧力を推定して噴射量を補正する技術が開示されている。また、例えば特許文献2では、1回目噴射によって変化したアキュムレータの燃圧によって2回目噴射の噴射量を補正する技術が開示されている。
特開2014−181680号公報 米国特許出願公開第2016/0298570号明細書
一般的に、燃料噴射の駆動時間の設定は、燃料噴射を実施する行程の前の行程開始時点で、目標とする噴射量から燃圧に応じて設定される。例えば、吸気行程で噴射する場合には、直前の排気行程開始時に駆動時間が設定される。このとき、実際の噴射時の燃圧は未知であるため、駆動時間設定時の燃圧などを元に噴射時の燃圧を推定し、駆動時間が設定される。また、分割噴射時の2回目噴射は、1回目噴射の影響を考慮して2回目噴射の燃圧を推定し、駆動時間が設定される。
特許文献1では、燃圧モデルを使用して2回目噴射の燃圧を算出しているが、モデル演算は計算量が膨大となり計算負荷が大きい懸念がある。また、燃料噴射または水撃作用による燃圧脈動よりも、噴射による燃圧低下の方が燃料噴射量に対する影響が大きいことが実験的にわかっている。なぜなら、脈動周期よりも駆動時間の方が長く、脈動の影響は平均化されてしまうからである。また、上記燃圧モデルには他気筒の噴射による影響が説明されておらず、特に、他気筒と噴射タイミングが重なった場合、噴射量がおよそ2倍になるような状態での燃圧モデルが提示されていない。さらに、燃料ポンプなどにより燃圧が上昇する場合が記載されていないため、燃圧をどのように推定するか明確でない課題がある。
また、特許文献2では、初段噴射による燃圧変化により、2段目以降の噴射に補正が必要であることは開示されているが、各インジェクタに蓄圧タンク(アキュムレータ)を具備したものであり、ポンプから供給される高圧燃料を蓄えるコモンレール内の圧力、即ち、レール圧とアキュムレータ圧との差が大きいときには、アキュムレータ圧を採用して燃圧を推定するものであり、各インジェクタに蓄圧タンクがない場合、燃圧の推定方法が不明である。また、特許文献1と同様に他気筒の燃料噴射による影響について開示されておらず、特に、他気筒と噴射タイミングが重なった場合、更には燃料ポンプ等により燃圧が上昇する場合について開示されていない。このため、上記の場合に燃圧をどのように推定するか明確でない課題がある。
本願は、上記課題に鑑みてなされたもので、多気筒内燃機関における他気筒への燃圧噴射、あるいは内燃機関の一つの気筒への直前の燃圧噴射による燃圧低下を考慮し、インジェクタの駆動時間を設定するインジェクタ制御装置を提供するものである。
本願に開示されるインジェクタ制御装置は、内燃機関の気筒に燃料を噴射するインジェクタを駆動制御するインジェクタ制御装置であって、上記インジェクタ制御装置はマイクロコンピュータを備え、
上記マイクロコンピュータは、上記内燃機関の状態に応じたインジェクタ駆動時間を算出して上記インジェクタを駆動すると共に、上記内燃機関の状態に応じた目標燃圧を算出し、入力された実際の燃圧を上記目標燃圧にするように燃圧を上昇させる燃圧フィードバック制御を実行し、前回の燃圧を上昇させた時間から次回に燃圧を上昇させる時間までの間に、上記気筒で開始される噴射開始タイミングの燃圧を、前回に上昇した燃圧から、少なくとも駆動時間とあらかじめ適合された係数を用いて算出された燃圧低下量を順次減算して推定し、推定された噴射開始タイミングの燃圧を用いて噴射の駆動時間を算出する。
本願に開示されるインジェクタ制御装置によれば、多気筒内燃機関における他気筒への燃圧噴射、あるいは内燃機関の一つの気筒への直前の燃圧噴射による燃圧低下を考慮して噴射開始時の燃圧を推定し、インジェクタ駆動時間を設定するので、燃料噴射量を適正に制御することが可能となる。
実施の形態1に係るインジェクタとインジェクタ制御装置を模式的に表した概略断面図である。 実施の形態1に係るインジェクタ制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係るインジェクタ制御装置のブロック構成図である。 実施の形態1に係るインジェクタ制御装置におけるインジェクタ駆動信号生成部の動作を説明する図である。 実施の形態1に係るインジェクタの駆動時間と燃圧変化を示すタイムチャートである。 実施の形態1に係るインジェクタ制御装置における予測燃圧算出部の燃圧低下量算出方法を説明する図である。 実施の形態1に係るインジェクタの駆動時間が重複した場合の燃圧低下量算出方法を説明する図である。 図5のタイムチャートに沿って燃圧予測計算を行った一例を示す図である。 実施の形態1に係るインジェクタ制御装置の噴射量演算処理を示すフローチャートである。 実施の形態1に係るインジェクタ制御装置の燃圧推定演算処理を示すフローチャートである。
以下、本願に係るインジェクタ制御装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態では、インジェクタ制御装置は内燃機関を制御する制御装置の一部を構成しており、インジェクタ駆動回路はインジェクタ制御装置に内蔵されている。なお、インジェクタ駆動回路はインジェクタ制御装置と別体構成とされてもよい。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るインジェクタ制御装置により制御されるインジェクタを模式的に表した概略断面図である。図1に示すように、インジェクタ10は、弁座11と、弁座11に離間又は当接して燃料通路を開閉するニードル弁12と、ニードル弁12を開閉駆動するソレノイド13とを備えている。また、インジェクタ10は、ニードル弁12のフランジ14の閉弁方向A側に配置され、ソレノイド13の通電により生じた磁力により開弁方向Bに吸引される可動子15と、可動子15を開弁方向Bに付勢するゼロ位置スプリング16と、ニードル弁12を閉弁方向Aに付勢し、ゼロ位置スプリング16よりも付勢力の強い主スプリング17とを備えている。更に、インジェクタ10は、磁気コア18、及びケース19を備えている。ケース19は筒状に形成され、インジェクタ10の各構成部品を収容している。ソレノイド13はボビンに巻回された円筒状のコイルにより構成されている。
ニードル弁12は、閉弁方向Aの先端が尖った棒状の部材である。ニードル弁12の開弁方向Bの端部にはフランジ14が設けられている。主スプリング17は、ニードル弁12の開弁方向B側に配置され、ニードル弁12をケース19に対して閉弁方向Aに付勢している。ソレノイド13が非通電になると、ニードル弁12は、主スプリング17の付勢力及び燃圧により閉弁方向Aに移動し、ニードル弁12の先端が弁座11に設けられた噴射口に当接すると、噴射口を塞ぎ閉弁状態となる。
可動子15は、円筒状に形成された磁性体であり、フランジ14の閉弁方向A側であって、ニードル弁12の軸体の外周側に配置されている。可動子15とニードル弁12は相対移動可能にされている。ゼロ位置スプリング16は、可動子15の閉弁方向A側に配置され、可動子15をケース19に対して開弁方向Bに付勢している。ゼロ位置スプリング16の弾性力は、主スプリング17の弾性力よりも小さくされている。可動子15は、磁気コア18の閉弁方向A側に配置されている。ソレノイド13が通電されると、磁気コア18等に発生した磁力により、可動子15が開弁方向B側に吸引される。これにより、可動子15がニードル弁12のフランジ14に当接した状態で、可動子15及びニードル弁12が一体的に開弁方向Bに移動する。ニードル弁12の先端が弁座11から離れると、噴射口が開き開弁状態となる。
ソレノイド13が非通電になると、磁気コア18の磁力による可動子15の開弁方向B側の吸引力がなくなり、主スプリング17の閉弁方向Aの付勢力により、ニードル弁12が閉弁方向Aに移動する。この時、フランジ14が、可動子15を閉弁方向Aに押圧し、ニードル弁12及び可動子15は一体的に閉弁方向Aに移動する。ニードル弁12の先端が弁座11に衝突すると、ニードル弁12の移動は停止するが、可動子15はフランジ14から離れ、閉弁方向Aに移動し続ける。その後、可動子15は、ゼロ位置スプリング16による開弁方向Bの付勢力により減速した後、開弁方向Bに移動し、再びフランジ14に当接して停止する。インジェクタ制御装置20は、インジェクタ10を後述するように制御する。
図2は、インジェクタ制御装置20のハードウェア構成図である。インジェクタ制御装置20は各種のセンサまたはスイッチなどの入力要素、例えば燃圧センサ21と、電気負荷などの出力要素22に接続されている。インジェクタ制御装置20の内部には、ハードウェア回路として、マイクロコンピュータ23と、マイクロコンピュータ23と燃圧センサ21とを接続する入力回路24と、マイクロコンピュータ23と出力要素22を接続する出力回路25とを備えている。
本実施の形態では、入力回路24には、インジェクタ10に接続されたデリバリパイプ(図示せず)の燃圧を計測する燃圧センサ21が接続されている。このほか、内燃機関の運転状態を検出するエアフローセンサ、スロットル開度センサ、クランク角センサ等の各種センサ(図示せず)が接続されている。
出力回路25は、インジェクタ10のソレノイド13の正極端子及び負極端子に接続され、ソレノイド13への通電を制御するインジェクタ駆動回路(図示せず)を備える。インジェクタ駆動回路は、ソレノイド13への通電をオン・オフするスイッチング素子等により構成されている。なお、図示していないが、出力回路25には、上記デリバリパイプ内の燃圧を目標値に制御するスピル弁等の燃圧制御アクチュエータ、内燃機関を制御するスロットルバルブの駆動モータ、及び点火コイル等の各種アクチュエータが接続される。本実施の形態では、複数のインジェクタ10が備えられており、各インジェクタ10に複数のインジェクタ駆動回路が備えられている。
次に、図3に示すブロック構成図を用いて、インジェクタ制御装置20で実施される演算について説明する。インジェクタ制御装置20は、実燃圧が目標燃圧となるようにスピル弁を駆動する燃圧F/B制御と、目標噴射量となるようにインジェクタ10を駆動するインジェクタ制御とにより大別して構成されている。インジェクタ制御には、以下に説明するように、予測燃圧を算出してインジェクタ10の駆動時間を補正する制御を含む。
図3において、インジェクタ制御装置20は、スピル弁駆動タイミング算出部30、目標燃圧算出部31、実燃圧測定部32、スピル弁駆動信号生成部33、スピル弁通電制御部34、目標噴射量算出部35、燃圧上昇タイミング算出部36、燃圧上昇タイミング間の噴射抽出部37、予測燃圧算出部38、インジェクタ駆動信号生成部39、インジェクタ通電制御部40を備えている。
スピル弁駆動タイミング算出部30は、図示しないクランク角センサなどから、スピル弁を駆動するクランク角度を算出する。目標燃圧算出部31は、内燃機関の運転状態から、目標とするデリバリパイプ内の燃圧を算出する。実燃圧測定部32は、デリバリパイプに備えられた燃圧センサの信号から実際の燃圧を測定する。
スピル弁駆動信号生成部33は、目標燃圧と実燃圧との偏差に応じて、スピル弁を駆動する角度に対応した、スピル弁の駆動開始タイミングと駆動終了タイミングとを算出し、マイクロコンピュータ23の端子から駆動信号を出力する。スピル弁通電制御部34は、この駆動信号に基づいてスピル弁を駆動する。
目標噴射量算出部35は、内燃機関の運転状態から、各気筒について、どのクランク角度で、どれぐらいの燃料量を噴射すべきか算出する。ここでは、分割噴射数も含めて算出される。通常、この算出は、実際に噴射する前行程の開始タイミングで決定(スケジュール)される。
燃圧上昇タイミング算出部36は、スピル弁が駆動された結果、燃圧上昇が終了したタイミング(以下、燃圧上昇タイミングという。)を算出する。燃圧上昇タイミングは、通常、スピル弁の駆動終了タイミングから少し遅れた時期となる。
燃圧上昇タイミング間の噴射抽出部37は、前回の燃圧上昇タイミング、即ち、最後に燃圧上昇が終了したタイミングから、次回の燃圧上昇タイミング、即ち、次に予定されている燃圧上昇終了タイミングまでの間に、各気筒でどのような噴射がスケジュールされているかを抽出する。具体的には噴射開始と噴射終了のクランク角または時間の組である。
予測燃圧算出部38は、先に開始される噴射から、順次、その噴射によって低下する燃圧量を算出し、スケジュールされた各噴射の開始タイミングでの燃圧を予測する。なお、予測燃圧算出部38での燃圧低下量を算出する方法については後述する。
インジェクタ駆動信号生成部39は、予測された燃圧と目標噴射量から、図4に従ってインジェクタ10の駆動時間を算出し、駆動開始タイミングから駆動終了タイミングを算出し、クランク角度から得られる各タイミングでマイクロコンピュータ23の端子から駆動信号を出力する。
インジェクタ通電制御部40は、インジェクタ10のソレノイド13への通電を制御する。インジェクタ通電制御部40は、ドライバIC等を用いて、駆動信号に従ってソレノイド13への通電と停止を行う。
図5は、燃圧の挙動を示すタイムチャートである。図5は、上段から高圧ポンプのスピル弁駆動信号、第2気筒のインジェクタ駆動信号、第1気筒のインジェクタ駆動信号、デリバリパイプの燃圧を示している。
高圧ポンプによるデリバリパイプへの燃料供給は、その構造によって定められる所定のクランク角度で行われ、スピル弁により、目標燃圧へフィードバック制御される。このため、チャート開始時点以前の、インジェクタ10の駆動により、低下している燃圧はタイミングA1で目標燃圧に昇圧されている。
燃圧安定期間、即ち燃圧が安定するまでの待ち時間をとって、タイミングA2を燃圧推定演算タイミングとする。これは、スピル弁の駆動終了タイミングを基準に設定してもよいし、所定のクランク角度に設定してもよい。このタイミングA2において、次の燃圧推定演算タイミングA9までに駆動される全ての気筒におけるインジェクタ10の駆動タイミングを取得し、燃圧低下量、即ち、各インジェクタ駆動開始時の燃圧を予測する。なお、各インジェクタ駆動開始時の燃圧を予測する方法の詳細については後述する。
タイミングA3において、今回のスピル弁駆動後の最初の噴射が行われる。この第2気筒のインジェクタ10の駆動開始時の燃圧は、スピル弁駆動の最初であるため、目標燃圧と等しい。タイミングA3からA4までは、第2気筒のインジェクタ10のみが駆動しており、その噴射量に応じて燃圧が低下する。
タイミングA4において、第1気筒のインジェクタ10も噴射を開始するため、タイミングA4からタイミングA5までは2つのインジェクタ10が駆動する。よって、両方の噴射量の合計に応じて燃圧が低下する。タイミングA5で第2気筒のインジェクタ10が停止し、第1気筒のインジェクタ10のみとなる。よって、タイミングA5からタイミングA6までは、第1気筒のインジェクタ10の噴射量に応じて燃圧が低下する。
タイミングA6において、第1気筒のインジェクタ10が停止し、全てのインジェクタ10が停止するため、タイミングA6からタイミングA7までは、燃圧は変化しない。タイミングA7で第1気筒のインジェクタ10が駆動開始し、その噴射量に応じて燃圧が低下し、タイミングA8で駆動停止となるため、燃圧低下も終了する。
ここまでが、今回の燃圧推定演算タイミングA2から次の燃圧推定演算タイミングA9までの全ての噴射である。やがて、次の高圧ポンプ駆動タイミングとなり、前述のとおり燃圧が目標燃圧まで昇圧され、所定の安定化待ち時間後、タイミングA9を迎える。ここで、次の燃圧推定演算タイミングまで、同様のメカニズムで燃圧挙動が繰り返される。上記は、燃圧の平均的な挙動を示しており、特許文献1に開示されている高周波の燃圧変動は示していない。
なお、上記の燃圧変動は、インジェクタ10の駆動時間に比べて、短い周期で発生しているため、平均的な燃圧の高い低いが重要となる。また、他の気筒の駆動による燃圧変動が、反射または回析して伝わることをモデルで模擬することは、計算量が多く、その一方で正確さには相応の適合努力が必要となる。以上より、平均的な燃圧で十分であり、この平均的な燃圧挙動を模擬することができれば、各噴射開始時の燃圧が予測でき、目標噴射量に対する補正が可能となる。
具体的には、
(1)駆動時間に比例して、燃圧が低下する。
(2)低下率はどの気筒のインジェクタ10も同じであり、影響先も駆動が重なる場合も同じである。
(3)高圧ポンプとスピル弁により、所定タイミングで目標燃圧に戻される。または、そのタイミングでの燃圧を測定する。
(4)噴射していないときは、燃圧は一定である。
を仮定すれば、燃圧が予測できる。
次に、予測燃圧算出部38での燃圧低下量を算出する方法について説明する。図6は、予測燃圧算出部38での燃圧低下量算出方法を説明する図で、駆動時間から燃圧低下量を算出する方法を示す図である。
図6に示すように、予め設定されたインジェクタ10の噴射特性傾きKと燃圧Pstart、及びインジェクタ駆動時間Tonを用いて次式(1)から燃圧低下量Pdropを算出する。
Pdrop=√(Pstart/Pbase)×K×Ton・・・(1)
ここで、インジェクタ10の噴射特性傾きKは、基準燃圧Pbase(例えば5MPa)におけるインジェクタ駆動時間Tonと燃圧低下量Pdropとの関係を定める定数である。
なお、本実施の形態では、基準燃圧における、インジェクタ駆動時間Tonと燃圧低下量Pdropの関係を比例関係としているが、マップ等による特性データとしてもよい。また、噴射特性傾きKを基準燃圧Pbaseでの値とし、他の燃圧での低下量を燃圧の平方根の比で求めているが、複数の燃圧で噴射特性傾きKを定めて線形補間等で算出してもよい。
更に、本実施の形態では、インジェクタ駆動時間Tonから燃圧低下量Pdropを算出しているが、噴射量から燃圧低下量Pdropを算出してもよい。なぜなら、理想気体の状態方程式であるPV=nRTの関係から、燃圧低下量Pdropは噴射量、即ち、デリバリパイプ等の容積Vから排出された量nに比例するためである。なお、上記理想気体の状態方程式PV=nRTにおいて、Tは熱力学温度、Pは圧力、nは物質量、Vは物質量nの理想気体が占める体積、Rはモル気体定数を示している。
ここで、噴射時間が重複した場合は、重複を角度または時間で判断することになり、その時間に応じて噴射量を分配することになるが、この演算分の計算量が増えるため、本実施の形態では、インジェクタ駆動時間Tonから燃圧低下量Pdropを算出している。なお、本実施の形態では、インジェクタ駆動時間Tonから燃圧低下量Pdropを算出したが、インジェクタ開弁時間から算出してもかまわない。インジェクタ開弁時間はインジェクタ駆動時間と比べ、燃料噴射量との相関性が高いためより正確な燃料推定値が算出可能となる。
図7を用いて、インジェクタ駆動時間Tonが第2気筒と第1気筒で重複した場合の燃圧低下量Pdropの算出方法について説明する。
(1)まず、第2気筒と第1気筒において、目標噴射量から駆動時間を図4に基づいて算出し、図7(a)に示す第2気筒の駆動時間t2と、図7(b)に示す第1気筒の駆動時間t1を得る。
(2)次に、第2気筒の駆動時間t2と第1気筒の駆動時間t1との重なりを抽出することにより、タイミングA3からA6が定まる。
(3)このタイミングA3からA6を回転数を用いて時間換算すると、時間T3からT6が得られ、第2気筒の駆動時間t21、t22と、第1気筒の駆動時間t11、t12が得られる。図7では、第2気筒のインジェクタ10の噴射量をQ2、第1気筒のインジェクタ10の噴射量をQ1として示している。
(3)最初の区間、即ち、タイミングA3までの区間から順次、タイミングA3からA4までの区間、タイミングA4からA5までの区間、タイミングA5からA6までの区間、タイミングA6以降の区間のそれぞれの区間において、最新の燃圧で駆動時間Tonから燃圧低下量Pdropを図6に基づいて算出する。
(4)次に、この算出された燃圧低下量Pdropを直前の燃圧から減じて燃圧を更新する。これを繰り返して、タイミングA3からA6での燃圧を算出する。なお、第2気筒の駆動時間t22と、第1気筒の駆動時間t12の重なり区間であるタイミングA4からA5は、それぞれの燃圧低下量Pdropを加算する。
ここで、燃圧低下量Pdropを算出する簡便な方法について説明する。
図7において、タイミングA4からA6の燃圧を、タイミングA3の燃圧で行うと、計算は簡便となる。
図8は、タイミングA4からA6の燃圧を、タイミングA3の燃圧で行うと共に、予め設定された燃圧Pstartと基準燃圧Pbaseとを等しい仮定した場合、即ち、Pstart=Pbaseでの計算結果を示している。
また、第2気筒の駆動時間t22による燃圧低下量Pdropの燃圧は、タイミングA3での燃圧、第1気筒の駆動時間t12による燃圧低下量Pdropの燃圧はタイミングA4での燃圧として、噴射開始時点の燃圧をその噴射全体に適用することでもよい。この背景は、最終的には、燃圧予測は各噴射の開始時点の燃圧のみに簡便化しているためである。
図8は、図5のタイムチャートに沿って燃圧予測計算を行った一例を示す図である。ここでは、上記の簡便な方法を用いて、全ての燃圧をタイミングA3の燃圧で行うと共に、タイミングA3の燃圧を基準燃圧Pbaseとした場合の計算結果を示している。
図8において、燃圧推定演算タイミング(図5のタイミングA2)では、燃圧センサから読み取った実際の燃圧Preal、または、燃圧F/B制御の目標燃圧Ptgtを、予測燃圧の初期値とする。次の燃圧推定演算タイミング(図5のタイミングA9)でも、同様に予測燃圧を初期化する。
タイミングA3では、第2気筒の噴射が開始される。タイミングA2での燃圧低下量Pdropが0であるから、タイミングA2からタイミングA3での低下量はなく、タイミングA3での予測燃圧Ppred[3]はタイミングA2と同じ、即ち、実際の燃圧Prealまたは燃圧F/B制御の目標燃圧Ptgtとなる。また、タイミングA3からタイミングA4までの燃圧低下量Pdropは、図6に従い、Pbase=Pstartであるから、タイミングA3からタイミングA4までの時間(T4−T3)に、噴射特性傾きKを乗じた値である。これを燃圧低下量Pdrop[3]へ代入しておく。
タイミングA4では、第2気筒の噴射を継続したまま、第1気筒の噴射が開始される。タイミングA4での予測燃圧は、タイミングA3の予測燃圧Ppred[3]から、タイミングA3からタイミングA4までの燃圧低下量Pdrop[3]を減じた値となる。これを予測燃圧Ppred[4]へ代入しておく。また、次のタイミングA5までの時間(T5−T4)に、第2気筒の燃圧低下量Pdropは、図6からK×(T5−T4)であり、第1気筒の燃圧低下量Pdropは、同じくK×(T5−T4)であるから、Pdrop[4]=K×(T5−T4)×2となる。
タイミングA5では、第1気筒の噴射を継続したまま、第2気筒の噴射が終了する。タイミングA5での予測燃圧は、タイミングA4の予測燃圧Ppred[4]から、タイミングA4からタイミングA5までの燃圧低下量Pdrop[4]を減じた値となる。これを予測燃圧Ppred[5]へ代入しておく。また、次のタイミングA6までの時間(T6−T5)に、第1気筒の燃圧低下量Pdrop[5]は、K×(T6−T5)となる。
以下、このようにして、各タイミングでの燃圧が予測できる。スピル弁が駆動されて、燃圧が上昇したあと、タイミングA9において予測燃圧Ppredを初期化する。
本実施の形態では、噴射時に発生する水撃による燃圧脈動は考慮せず、燃料噴射によるデリバリパイプ内の燃圧低下と燃圧制御アクチュエータによる燃圧上昇のみを考慮して計算することで複数気筒の噴射が重なった場合においても計算が容易となり負荷の軽減が図れる。
次に、図9及び図10に示すフローチャートに基づいて実施の形態1に係るインジェクタ制御装置20の処理の手順、即ち、内燃機関の制御方法について説明する。
図9及び図10に示す処理は、マイクロコンピュータ23に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、所定の演算タイミングで繰り返し実行される。
先ず、噴射量演算処理について説明する。図9は、実施の形態1に係るインジェクタ制御装置の噴射量演算処理を示すフローチャートである。
図9のステップS101において、図示しない吸入空気量、または図示しないクランク角センサなどの内燃機関の運転状態に基づいて、各気筒に対し、分割噴射回数、及び各噴射における目標噴射量を算出する。続くステップS102で、燃圧制御の目標燃圧を仮の燃圧とする。続くステップS103では、予めマイクロコンピュータ23に保存された燃圧毎のインジェクタ駆動時間−噴射量特性(図4参照)に基づき、目標噴射量に対応する駆動時間を算出する。続くステップS104で、内燃機関の運転状態に基づいて、各気筒の各噴射の駆動タイミングを算出する。続くステップS105で、各噴射の駆動時間、駆動タイミングから、各噴射の開始タイミングと終了タイミングを算出し、これらをマイクロコンピュータ23に保存する。
従来技術では、このタイミングからインジェクタ駆動信号を生成し、通電制御部で各インジェクタ10を駆動していたが、本実施の形態では、そのあとに続く燃圧推定演算タイミングで燃圧を推定し、一旦演算した各噴射の駆動時間を補正する。
次に、燃圧推定演算処理について説明する。図10は、実施の形態1に係るインジェクタ制御装置の燃圧推定演算処理を示すフローチャートである。
図10のステップS106において、現時刻(今回の燃圧推定演算タイミング)から、次の燃圧推定演算タイミングまでの間に、各気筒で駆動される、各噴射の開始タイミングと終了タイミングを抽出する。続くステップS107で、予測燃圧の初期化を行う。この時点での燃圧をセンサから読み取り、実際の燃圧Preal、あるいは、燃圧F/B制御の目標燃圧Ptgtを設定する。続くステップS108で、燃圧低下量Pdropの初期化を行い、0を設定する。
続くステップS109において、ステップS106で抽出した、全ての開始タイミングと終了タイミングを並び替え、駆動インジェクタ数が変化するタイミングを抽出する。なお、図8で示すと、タイミングA3からタイミングA8を抽出する。そして、この各タイミングについて、次のステップS110からステップS112までの処理を繰り返す。
ステップS110で、予測燃圧を算出する。1つ前のタイミング時点での、予測燃圧から燃圧低下量を減じて、今回のタイミングでの予測燃圧として保存する。続くステップS111で、燃圧低下量を算出する。最も簡便な方法では、噴射特性傾きKと、次のタイミングまでの時間と、その区間での駆動インジェクタ数とを乗じて、今回のタイミングでの燃圧低下量として保存する。続くステップS112で、今回のタイミングが、あるイジェクタの噴射開始タイミングである場合、目標噴射量と、ステップS110で算出された予測燃圧とを用いて、図4から駆動時間を算出し、ステップS105で算出されていた駆動終了タイミングを更新する。なお、駆動開始タイミングは修正しない。
ステップS109において、全てのタイミングの処理を行ったあとは、エンドで終了する。
以上のように、開始タイミングが来た時、インジェクタ駆動信号生成部で駆動開始信号が生成され、上記で修正された終了タイミングが来た時、インジェクタ駆動信号生成部で駆動終了信号が生成され、結果として、修正された駆動時間のインジェクタ駆動が実現される。
本実施の形態では、図4で、目標噴射量から駆動時間に変換したが、これを目標噴射量から弁の開弁時間に変換して、さらに、駆動開始と弁の開き動作までの遅れ時間、駆動終了と弁の閉鎖までの遅れ時間、を用いて駆動時間を求めてもよい。開弁時間は駆動時間と比べ、燃料噴射量との相関性が高いためより正確な燃料推定値が算出可能となる。
以上詳述のように、実施の形態1に係るインジェクタ制御装置によれば、燃料噴射による燃圧低下を考慮してインジェクタ駆動時間を設定し、燃料噴射量を適正に制御することが可能となる。
なお、本願では、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
10 インジェクタ、11 弁座、12 ニードル弁、13 ソレノイド、14 フランジ、15 可動子、16 ゼロ位置スプリング、17 主スプリング、18 磁気コア、19 ケース、20 インジェクタ制御装置、21 入力要素(燃圧センサ)、22 出力要素、23 マイクロコンピュータ、24 入力回路、25 出力回路、30 スピル弁駆動タイミング算出部、31 目標燃圧算出部、32 実燃圧測定部、33 スピル弁駆動信号生成部、34 スピル弁通電制御部、35 目標噴射量算出部、36 燃圧上昇タイミング算出部、37 燃圧上昇タイミング間の噴射抽出部、38 予測燃圧算出部、
39 インジェクタ駆動信号生成部、40 インジェクタ通電制御部。
本願に開示されるインジェクタ制御装置は、内燃機関の気筒に燃料を噴射するインジェクタを駆動制御するインジェクタ制御装置であって、上記インジェクタ制御装置はマイクロコンピュータを備え、
上記マイクロコンピュータは、上記内燃機関の状態に応じたインジェクタ駆動時間を算出して上記インジェクタを駆動すると共に、上記内燃機関の状態に応じた目標燃圧を算出し、入力された実際の燃圧を上記目標燃圧にするように燃圧を上昇させる燃圧フィードバック制御を実行し、前回の燃圧を上昇させた時間から次回に燃圧を上昇させる時間までの間に、上記気筒で開始される噴射開始タイミングの燃圧を、前回に上昇した燃圧から、少なくとも駆動時間とあらかじめ適合された係数を用いて算出された燃圧低下量を順次減算して推定し、推定された噴射開始タイミングの燃圧を用いて噴射の駆動時間を算出し、
上記インジェクタは、複数の気筒を備えた内燃機関のそれぞれの気筒に燃料を噴射するインジェクタであり、上記インジェクタの燃料噴射期間が上記複数の気筒において重なる時は、上記燃料噴射期間の重複数が変化するごとに分割し、燃圧低下量を算出する。
図7を用いて、インジェクタ駆動時間Tonが第2気筒と第1気筒で重複した場合の燃圧低下量Pdropの算出方法について説明する。
(1)まず、第2気筒と第1気筒において、目標噴射量から駆動時間を図4に基づいて算出し、図7(a)に示す第2気筒の駆動時間t2と、図7(b)に示す第1気筒の駆動時間t1を得る。
(2)次に、第2気筒の駆動時間t2と第1気筒の駆動時間t1との重なりを抽出することにより、タイミングA3からA6が定まる。
(3)このタイミングA3からA6を回転数を用いて時間換算すると、時間T3からT6が得られ、第2気筒の駆動時間t21、t22と、第1気筒の駆動時間t11、t12が得られる。図7では、第2気筒のインジェクタ10の噴射量をQ2、第1気筒のインジェクタ10の噴射量をQ1として示している。
)最初の区間、即ち、タイミングA3までの区間から順次、タイミングA3からA4までの区間、タイミングA4からA5までの区間、タイミングA5からA6までの区間、タイミングA6以降の区間のそれぞれの区間において、最新の燃圧で駆動時間Tonから燃圧低下量Pdropを図6に基づいて算出する。
)次に、この算出された燃圧低下量Pdropを直前の燃圧から減じて燃圧を更新する。これを繰り返して、タイミングA3からA6での燃圧を算出する。なお、第2気筒の駆動時間t22と、第1気筒の駆動時間t12の重なり区間であるタイミングA4からA5は、それぞれの燃圧低下量Pdropを加算する。

本願に開示されるインジェクタ制御装置は、内燃機関の気筒に燃料を噴射するインジェクタを駆動制御するインジェクタ制御装置であって、上記インジェクタ制御装置はマイクロコンピュータを備え、
上記マイクロコンピュータは、上記内燃機関の状態に応じたインジェクタ駆動時間を算出して上記インジェクタを駆動すると共に、上記内燃機関の状態に応じた目標燃圧を算出し、入力された実際の燃圧を上記目標燃圧にするように燃圧を上昇させる燃圧フィードバック制御を実行し、前回の燃圧を上昇させた時間から次回に燃圧を上昇させる時間までの間に、上記気筒で開始される噴射開始タイミングの燃圧を、前回に上昇した燃圧から、少なくとも駆動時間とあらかじめ適合された係数を用いて算出された燃圧低下量を順次減算して推定し、推定された噴射開始タイミングの燃圧を用いて噴射の駆動時間を算出し、
上記インジェクタは、一つの気筒に燃料を噴射するインジェクタであり、上記インジェクタから1回の燃料噴射量を分割して気筒内に噴射する場合で、分割期間が重なる時は、上記分割期間の重複数が変化するごとに分割し燃圧低下量を算出する。
本願に開示されるインジェクタ制御装置によれば、内燃機関の一つの気筒への直前の燃圧噴射による燃圧低下を考慮して噴射開始時の燃圧を推定し、インジェクタ駆動時間を設定するので、燃料噴射量を適正に制御することが可能となる。

本願に開示されるインジェクタ制御装置は、内燃機関の気筒に燃料を噴射するインジェクタを駆動制御するインジェクタ制御装置であって、上記インジェクタ制御装置はマイクロコンピュータを備え、
上記マイクロコンピュータは、上記内燃機関の状態に応じたインジェクタ駆動時間を算出して上記インジェクタを駆動すると共に、上記内燃機関の状態に応じた目標燃圧を算出し、入力された実際の燃圧を上記目標燃圧にするように燃圧を上昇させる燃圧フィードバック制御を実行し、前回の燃圧を上昇させた時間から次回に燃圧を上昇させる時間までの間に、上記気筒で開始される噴射開始タイミングの燃圧を、前回に上昇した燃圧から、少なくとも駆動時間とあらかじめ適合された係数を用いて算出された燃圧低下量を順次減算して推定し、推定された噴射開始タイミングの燃圧を用いて噴射の駆動時間を算出し、
上記インジェクタは、一つの気筒に燃料を噴射するインジェクタであり、上記インジェクタから1回の燃料噴射量を分割して気筒内に噴射する場合で、分割期間が他の気筒の噴射と重なる時は、上記分割期間の重複数が変化するごとに分割し燃圧低下量を算出する。
本願に開示されるインジェクタ制御装置によれば、内燃機関の一つの気筒への直前の燃圧噴射による燃圧低下を考慮して噴射開始時の燃圧を推定し、インジェクタ駆動時間を設定するので、燃料噴射量を適正に制御することが可能となる。

Claims (3)

  1. 内燃機関の気筒に燃料を噴射するインジェクタを駆動制御するインジェクタ制御装置であって、
    上記インジェクタ制御装置はマイクロコンピュータを備え、
    上記マイクロコンピュータは、上記内燃機関の状態に応じたインジェクタ駆動時間を算出して上記インジェクタを駆動すると共に、
    上記内燃機関の状態に応じた目標燃圧を算出し、入力された実際の燃圧を上記目標燃圧にするように燃圧を上昇させる燃圧フィードバック制御を実行し、
    前回の燃圧を上昇させた時間から次回に燃圧を上昇させる時間までの間に、上記気筒で開始される噴射開始タイミングの燃圧を、前回に上昇した燃圧から、少なくとも駆動時間とあらかじめ適合された係数を用いて算出された燃圧低下量を順次減算して推定し、推定された噴射開始タイミングの燃圧を用いて噴射の駆動時間を算出することを特徴とするインジェクタ制御装置。
  2. 上記前回の燃圧を上昇させた時間は、上記インジェクタに接続されたデリバリパイプへの供給燃料量を制御する燃圧制御アクチュエータの駆動終了タイミングに、予め設定した燃圧安定期間を加えたタイミングであることを特徴とする請求項1に記載のインジェクタ制御装置。
  3. 上記インジェクタは、複数の気筒を備えた内燃機関のそれぞれの気筒に燃料を噴射するインジェクタであって、
    上記インジェクタの燃料噴射期間が上記複数の気筒において重なる時は、上記燃料噴射期間の重複数が変化するごとに分割し、燃圧低下量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のインジェクタ制御装置。
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