JP2019190325A - オイルセパレータ - Google Patents

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中川 拓也
Takuya Nakagawa
拓也 中川
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】エンジンブロックの側面に設定される場合であっても、エンジンブロックへの組付けのための締結部の数を低減できる、オイルセパレータの提供。【解決手段】 締結部110は、(a)第1導入孔21に対して第2導入孔22と反対側に設けられる第1締結部111と、(b)第2導入孔22に対して第1導入孔21と反対側に設けられる第2締結部112と、(c)ガス排出孔50に対して第1導入孔21および第2導入孔22と反対側に設けられる第3締結部113と、(d)第1導入孔21に対して第1締結部111と反対側で第2導入孔22に対して第2締結部112と反対側でガス排出孔50に対して第3締結部113と反対側に設けられる第4締結部114と、を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、オイルセパレータに関し、特にエンジンブロックの側面に設定されるオイルセパレータに関する。
内燃機関、例えば自動車のエンジン等においては、その稼働時において、ピストンリングとシリンダ壁との隙間から漏出するブローバイガスを大気中に排出することは大気汚染の原因になるとして、いわゆるPCV(ポジティブクランクケースベンチレーション)システムにより吸気系に戻し再燃焼させることが行われている。
ところで、ブローバイガス中にはエンジンオイル等の潤滑油が微粒化されたオイルミストが含まれている。そのため、ブローバイガス中のオイルミストを分離回収する手段として、シリンダヘッドカバーの内側やクランクケースと吸気通路とを連結する連結流路の途中のエンジンブロックの側面等にオイルミスト捕集装置(オイルセパレータ)が設けられている。
オイルセパレータがエンジンブロックの側面に設けられる場合、微粒化されたオイルミストだけでなく、クランクシャフトで攪拌されたオイルが集約されてなる大量の液状オイルもオイルセパレータ内に進入してくる。そのため、オイルセパレータには、微粒化されたオイルミストの捕集能力だけでなく、大量の液状オイルの捕集能力も要求される。
特許文献1は、エンジンブロックの側面に設けられるオイルセパレータであって、微粒化されたオイルミストの捕集能力を有するだけでなく、大量の液状オイルの捕集能力も有する、オイルセパレータを開示している。
上記特許文献1開示のオイルセパレータでは、図7、図8に示すように、エンジンブロック1の側面1aに周方向に連続する金属製のリブ1bを一体的に立設して、樹脂製のカバー2を被せている。そして、エンジンブロック1の側面1a、リブ1bおよびカバー2で囲まれるスペースS2を大量の液状オイルを捕集する前段セパレータ(プリセパレータ)として使用し、カバー2に取付けられるサイクロンセパレータ3をオイルミストを捕集するために使用している。
しかし、上記特許文献1開示の技術には、つぎの問題点がある。
金属製のリブ1bが周方向に連続して設けられているため、リブ1bとカバー2とのシールを確実にしつつカバー2をエンジンブロック1に組付けるために、比較的多数(特許文献1開示の場合には8個)の締結部(ボルト)3a〜3hが必要になる。
特開2013−199897号公報
本発明の目的は、エンジンブロックの側面に設定される場合であっても、エンジンブロックへの組付けのための締結部の数を低減できる、オイルセパレータを提供することにある。
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) エンジンブロックの外部に配設されて該エンジンブロックの側面に組付けられる樹脂製のオイルセパレータであって、
前記エンジンブロック内のオイル混合ガスをオイルセパレータ内に導入する第1導入孔および第2導入孔と、
前記第1、第2導入孔から導入されるオイル混合ガスから液状オイルを主に捕集する前段セパレータと、
前記前段セパレータより下流側に配置されており、前記前段セパレータで捕集されずに流れてくるオイルミストを主に捕集する後段セパレータと、
前記後段セパレータの下流側に形成され、前記前段セパレータおよび後段セパレータでオイルが分離されたガスをオイルセパレータの外部に排出するガス排出孔と、
を有し、
前記第1導入孔、前記第2導入孔および前記ガス排出孔の各孔のまわりに、オイルセパレータと前記エンジンブロックの両方に接触するシール部材がそれぞれ設けられており、
オイルセパレータを前記エンジンブロックに締結する締結部は、前記第1導入孔に対して前記第2導入孔と反対側に設けられる第1締結部と、前記第2導入孔に対して前記第1導入孔と反対側に設けられる第2締結部と、前記ガス排出孔に対して前記第1導入孔および前記第2導入孔と反対側に設けられる第3締結部と、前記第1導入孔に対して前記第1締結部と反対側で前記第2導入孔に対して前記第2締結部と反対側で前記ガス導入孔に対して前記第3締結部と反対側に設けられる第4締結部と、を有しており、
前記第4締結部は、前記前段セパレータの下面から距離をおいて上方に設けられており、前記第4締結部と前記前段セパレータの下面との間に前記前段セパレータの内部にある液状オイルが通過可能な通路が存在している、オイルセパレータ。
(2) 前記第1締結部と前記第4締結部を結ぶ直線は、前記第1導入孔の周りに設けられるシール部材である第1シール部材の中心を通っている、(1)記載のオイルセパレータ。
(3) 前記第2締結部と前記第4締結部を結ぶ直線は、前記第2導入孔の周りに設けられるシール部材である第2シール部材の中心を通っている、(1)または(2)記載のオイルセパレータ。
上記(1)のオイルセパレータでは、第1導入孔、第2導入孔およびガス排出孔の各孔のまわりにシール部材がそれぞれ設けられている。
なお、各シール部材のシール効果を確保するためには、オイルセパレータのエンジンブロックへの締結部は、各シール部材の両側に設定されていることが望ましい。これは、各シール部材に全周にわたって均一またはほぼ均一に荷重をかけることができるからである。しかし、3個のシール部材があるため、1個のシール部材の両側に締結部を1個ずつ(計2個)設けると、合計6個の締結部が必要になってしまう。
そこで、本発明では、締結部は、第1導入孔に対して第2導入孔と反対側に設けられる第1締結部と、第2導入孔に対して第1導入孔と反対側に設けられる第2締結部と、ガス排出孔に対して第1導入孔および第2導入孔と反対側に設けられる第3締結部と、第1導入孔に対して第1締結部と反対側で第2導入孔に対して第2締結部と反対側でガス排出孔に対して第3締結部と反対側に設けられる第4締結部と、を有している。第4締結部が、第1導入孔に対して第1締結部と反対側で第2導入孔に対して第2締結部と反対側でガス排出孔に対して第3締結部と反対側に設けられているため、3個のシール部材のシールに要する締結部の数が4個で済むようになっている。
よって、従来に比べて締結部の数を減らすことができる(8個が4個に減少)。
また、第4締結部が、前段セパレータの下面から距離をおいて上方に設けられており、第4締結部と前段セパレータの下面との間に前段セパレータの内部にある液状オイルが通過可能な通路が存在している。そのため、第1、第2導入孔の一方(液状オイルの導入量が多い方の導入孔)から前段セパレータ内に流入してきたオイルを、比較的容易に、該通路を通って第1、第2導入孔の他方(液状オイルの導入量が少ない方の導入孔)へと流動させて該他方からオイルセパレータ外に排出させることができる。そのため、第4締結部と前段セパレータの下面との間に通路が存在しておらず第1、第2導入孔の一方から他方へのオイルの流動が阻害される場合に比べて、第1、第2導入孔の一方が詰まることを抑制できる。よって、オイルの流動性と排出性を向上させることができ、オイルセパレータによる液状オイルの分離性能を向上させることができる。
上記(2)のオイルセパレータでは、第1締結部と第4締結部を結ぶ直線が、第1導入孔の周りに設けられるシール部材である第1シール部材の中心を通っている。そのため、第1締結部と第4締結部とにより、第1シール部材に、第1シール部材の全周にわたって均一またはほぼ均一に荷重をかけることができる。よって、第1締結部と第4締結部を結ぶ直線が第1シール部材の中心から外れた位置を通る場合に比べて、第1シール部材によるシール性を向上させることができる。
上記(3)のオイルセパレータでは、第2締結部と第4締結部を結ぶ直線が、第2導入孔の周りに設けられるシール部材である第2シール部材の中心を通っている。そのため、第2締結部と第4締結部とにより、第2シール部材に、第2シール部材の全周にわたって均一またはほぼ均一に荷重をかけることができる。よって、第2締結部と第4締結部を結ぶ直線が第2シール部材の中心から外れた位置を通る場合に比べて、第2シール部材によるシール性を向上させることができる。
本発明実施例のオイルセパレータの正面図である。 本発明実施例のオイルセパレータが組付けられるエンジンブロックのみの部分側面図である。 本発明実施例のオイルセパレータの背面図である。 本発明実施例のオイルセパレータの分解斜視図である。 図1のA−A線拡大断面図である。 本発明実施例のオイルセパレータの、前段セパレータ部位での断面図である。 従来のオイルセパレータの部分拡大正面図である。 従来のオイルセパレータの側方断面図である。
以下に、図1〜図6を参照して、本発明実施例のオイルセパレータを説明する。なお、図中、UPは上方(車両上方)を示す。
本発明実施例のオイルセパレータ10は、図示略の自動車エンジンのクランクケース内に発生するオイル混合ガス(ブローバイガス)からオイル(オイルミスト)を分離させて、分離させたオイルをクランクケースに戻すものである。
オイルセパレータ10は、図1に示すように、エンジンブロック100と別体に形成されており、エンジンブロック100の外部に配設されてエンジンブロック100の側面100aに組付けられる。エンジンブロック100は、特に明示はしないが、エンジンのシリンダヘッド、シリンダブロックおよびクランクケースで構成されている。オイルセパレータ10は樹脂製である。ただし、オイルセパレータ10は金属製であってもよい。
オイルセパレータ10は、それぞれ別々に型成形された後にバイブレーション溶着(振動溶着)等により固定される、複数部品構成である。なお、本発明実施例および図示例では、3部品構成である場合を例にとって説明するが、2部品構成であってもよく、4部品以上で構成されていてもよい。
オイルセパレータ10は、図4に示すように、第1ピース10a、第2ピース10bおよび第3ピース10cの3部品構成である。オイルセパレータ10は、第1ピース10aに設けられる締結部110で、エンジンブロック100にボルトを用いて固定して取付けられている。第2ピース10bは、第1ピース10aのエンジンブロック100への組付け方向と同方向に、第1ピース10aにバイブレーション溶着等で締結部材を用いずに固定して取付けられる。第3ピース10cは、第1ピース10aのエンジンブロック100への組付け方向(すなわち、第2ピース10bの第1ピース10aへの組付け方向)と同方向に、第2ピース10bにバイブレーション溶着等で締結部材を用いずに固定して取付けられる。したがって、第1、第2、第3ピース10a、10b、10cの組付け方向は、全て同一方向(単一方向)であり、オイルセパレータ10の組立およびオイルセパレータ10のエンジンブロック100への組付けの容易化が図られている。そして、この組付け方向が、オイルセパレータ10の厚み方向Dと平行とされている。
オイルセパレータ10は、(i)エンジンブロック100内のオイル混合ガスをオイルセパレータ10内に導入する第1、第2導入孔21,22と、(ii)第1、第2導入孔21,22から導入されるオイル混合ガスから液状オイルを主に捕集する前段セパレータ30と、(iii)前段セパレータ30よりオイルセパレータ10内のガス流れ方向下流側に配置されており、前段セパレータ30で捕集されずに流れてくるオイルミストを主に捕集する後段セパレータ40と、(iv)後段セパレータ40のガス流れ方向下流側に形成され、前段セパレータ30および後段セパレータ40でオイルが分離されたガスをオイルセパレータ10の外部に排出するガス排出孔50と、を有する。
第1、第2導入孔21,22は、オイルセパレータ10の下端部またはその近傍に形成されている。第1、第2導入孔21,22は、オイルセパレータ10の内部空間の最下部を含む位置に設けられている。第1、第2導入孔21,22は、それぞれ、エンジンブロック100に図示略のクランクケースの内部に連通させて設けられる第1、第2導入通路101,102(図2参照)と連通されている。第1、第2導入孔21,22と、第1、第2導入通路101,102は、オイルセパレータ10によってブローバイガスから分離されたオイルを、オイルセパレータ10の内部空間からクランクケースの内部空間に向けて排出する排出路(ドレン)としても用いられる。第1、第2導入孔21,22は、図4に示すように、第1ピース10aに形成されており、同一またはほぼ同一の高さ位置で互いに間隔をおいて形成されている。第1、第2導入孔21,22は、オイルセパレータ10の厚み方向Dと平行な方向に第1ピース10aを貫通して形成されている。
前段セパレータ30は、第1、第2導入孔21,22からオイルセパレータ10内に導入されるオイル混合ガスが最初に流れ込むスペースである。前段セパレータ30の最下部に第1、第2導入孔21,22が設けられている。前段セパレータ30は、第1、第2ピース10a、10bで形成されており、前段セパレータ30の容量を比較的大きくするために、第2ピース10bに第1ピース10aから離れる方向に凹む凹部10b1が設けられている。
オイルセパレータ10が組付けられるエンジンブロック100の仕様により、本発明実施例では、第1導入孔21から導入される液状オイルの量は、第2導入孔22から導入される液状オイルの量よりも多くなっている。ただし、オイルセパレータ10が組付けられるエンジンブロックによっては、第2導入孔22から導入される液状オイルの量の方が第1導入孔21から導入される液状オイルの量よりも多くなっていてもよい。
前段セパレータ30で分離(捕集といってもよい。以下同じ。)された液状オイルは、自重で前段セパレータ30の最下部に向って流れ、第1、第2導入孔21,22(主には第2導入孔22)からオイルセパレータ10外に排出される。また、前段セパレータ30で分離しきれなかったオイル(オイルミスト)は、前段セパレータ30の上方にある後段セパレータ40に流入する。
後段セパレータ40は、オイル混合ガスから主としてオイルミストを分離するために設けられる、ラビリンス式セパレータである。ただし、後段セパレータ40は、サイクロン式セパレータであってもよく、慣性衝突式セパレータであってもよい。なお、ラビリンス式は、セパレータ内空間を部分的に仕切り、オイル混合ガスのセパレータ内での流路長を長くしてオイルが自重で落下することを促すとともに、セパレータ内空間を部分的に仕切ることでオイル混合ガスの流速を高めてセパレータ壁面にオイルが衝突することを促す方式である。また、サイクロン式は、オイル混合ガスを旋回運動させて該旋回運動による遠心力によりオイル混合ガスからオイルを分離する方式である。また、慣性衝突式は、オイルが衝突する衝突板を設け、該衝突板にオイル混合ガスを衝突させてオイルを付着させて分離する方式である。
後段セパレータ40は、前段セパレータ30を通ってきたオイル混合ガスを受け入れる入口部41と、オイルセパレータ10の厚み方向Dの一側にある上流室42と、オイルセパレータ10の厚み方向Dの他側にある下流室43と、を有する。すなわち、後段セパレータ40は、図5に示すように、オイルセパレータ10の厚み方向Dに上流室42と下流室43との2層構造となっている。
入口部41は、図4に示すように、第2ピース10bに形成される孔からなる。入口部41は、オイルセパレータ10の厚み方向Dと平行な方向に第2ピース10bを貫通して形成されている。入口部41を上下方向ではなく厚み方向Dに貫通する孔としている理由は、上下方向孔である場合に比べて、前段セパレータ10内の液状オイルが後段セパレータ40内に進入し難くなるからである。
上流室42は、前段セパレータ30から入口部41を通って後段セパレータ40内に進入してきたオイル混合ガスが最初に流れ込むスペースである。すなわち、上流室42は、上流室42の上流側端で入口部41に連なっている。上流室42の最下部を含む部分に小径孔(オイル戻し孔)42aが設けられている。そのため、上流室42で分離されたオイルは、小径孔42aを通って前段セパレータ30に流れるようになる。小径孔42aの径は、比較的小径とされており、前段セパレータ30内のオイル混合ガスが小径孔42aを通って上流室42内に流れること(ショートカットすること)が抑制されている。上流室42は、第2ピース10bと第3ピース10cで形成されている。
上流室42には、上流室42の流路長を長くするとともに上流室42の流路断面積を狭くするために、流路延長リブ42bが設けられていることが望ましい。流路延長リブ42bは、第2、第3ピース10b、10cの一方から第2、第3ピース10b、10cの他方に向って延び、先端部で該他方のピースに溶着等で固定されている。なお、図4では、第3ピース10cから第2ピース10bに向って延び、先端部で第2ピース10bに溶着固定される場合を示している。
下流室43は、第2ピース10bと第1ピース10aで形成されている。下流室43は、上流室42を流れてきたオイル混合ガスが流れ込むスペースである。すなわち、下流室43は、下流室43の上流側端で上流室42の下流側端に連なっている。下流室43の上流側端と上流室42の下流側端との連通孔44は、第2ピース10bに形成されており、オイルセパレータ10の上端部またはその近傍に形成されている。連通孔44は、オイルセパレータ10の内部空間の最上部を含む位置に設けられている。このため、ラビリンス式の後段セパレータ40によるオイル分離効果を高めることができる。
下流室43は、下流室43の下流側端でガス排出孔50に連なっている。そのため、後段セパレータ40内に流入したオイル混合ガスは、後段セパレータ40でオイルが分離された後、ガス排出孔50からオイルセパレータ10外に流れる。
下流室43は、下流室43の流路長を長くするとともに下流室43の流路断面積を狭くするために、下流側流路延長リブ43aが設けられていることが望ましい。下流側流路延長リブ43aは、第1、第2ピース10a、10bの一方から第1、第2ピース10a、10bの他方に向って延び、先端部で該他方のピースに溶着等で固定されている。なお、図4では、第1ピース10aから第2ピース10bに向って延び、先端部で第2ピース10bに溶着固定される場合を示している。
下流室43の最下部には、小径孔(オイル戻し孔)43bが設けられている。小径孔43bは、厚み方向Dと平行な方向に第2ピース10bを貫通して形成されている。小径孔43bは、下流室43で分離したオイルを上流室42に流すために設けられる。小径孔43bの径は、比較的小径とされており、上流室42内のオイル混合ガスが小径孔43bを通って下流室43内に流れること(ショートカットすること)が抑制されている。小径孔43bから上流室42内に流れたオイルは、上流室42から小径孔42aを通って前段セパレータ30内に流れ、その後、第1、第2導入孔21,22を通ってオイルセパレータ10から排出される。
図5に示すように、下流室43の下流側端部における流路断面積Sは、該下流側端部より上流側にある下流室43部分(下流側端部以外の部分)の流路断面積S1より、大とされている。下流側端部における流路断面積Sは、図4に示すように、第2ピース10bに第1ピース10aから離れる方向に凹む凹部10b2を設けることで、該下流側端部より上流側にある下流室43部分の流路断面積S1より大とされている。凹部10b2は、ガス排出孔50に対向する位置に設けられている。
ガス排出孔50は、図4に示すように、オイルセパレータ10の上端部またはその近傍に形成されている。ガス排出孔50は、オイルセパレータ10の内部空間の最上部を含む位置またはその近傍に設けられている。ガス排出孔50はエンジンブロック100の内部通路103(図2参照)と連通されている。ガス排出孔50を通ってオイルセパレータ10から排出されたガスは、内部通路103を通って図示略のエンジン吸気系に流れる。
オイルセパレータ10は、前述したように、エンジンブロック100に締結部110でボルトを用いて固定して取付けられている。また、第1、第2導入孔21,22が、それぞれ、エンジンブロック100に設けられる第1、第2導入通路101,102と連通されている。さらにまた、ガス排出孔50がエンジンブロック100の内部通路103と連通されている。そのため、第1、第2導入孔21,22およびガス排出孔50の各孔まわり(のみ)のシールが必要になる。そのため、オイルセパレータ10の背面図を示す図3に示すように、各孔まわりのみに各孔より若干径大とされたシール部材120が設けられている。シール部材120は、オイルセパレータ10とエンジンブロック100の両方に接触している。
締結部110は、(a)第1導入孔21(第1導入通路101)に対して第2導入孔22(第2導入通路102)と反対側に設けられる第1締結部111と、(b)第2導入孔22(第2導入通路102)に対して第1導入孔21(第1導入通路101)と反対側に設けられる第2締結部112と、(c)ガス排出孔50(内部通路103)に対して第1導入孔21(第1導入通路101)および第2導入孔22(第2導入通路102)と反対側に設けられる第3締結部113と、(d)第1導入孔21(第1導入通路101)に対して第1締結部111と反対側で第2導入孔22(第2導入通路102)に対して第2締結部112と反対側でガス排出孔50(内部通路103)に対して第3締結部113と反対側に設けられる第4締結部114と、を有する。
第4締結部114は、図6に示すように、前段セパレータ30の下面31から距離をおいて(離れて)上方に設けられている。そのため、第4締結部114と前段セパレータ30の下面31との間に前段セパレータ30の内部にある液状オイルが通過可能な通路Rが存在している。そのため、第1導入孔21から導入された液状オイルは通路Rを通って第2導入孔22側に前段セパレータ30の下面31に沿って流動可能である。なお、前段セパレータ30の下面31に沿って流れるオイルを効率よく流動させるために、下面31は第1導入孔21から第2導入孔22に向かって下方に傾斜する傾斜面とされていることが望ましい。
図3に示すように、オイルセパレータ10の厚み方向Dから見たとき、第1締結部111(の中心)と第4締結部114(の中心)を結ぶ直線L1は、第1導入孔21の周りに設けられるシール部材である第1シール部材121(120)の中心121aを通っている。また、オイルセパレータ10の厚み方向Dから見たとき、第2締結部112(の中心)と第4締結部114(の中心)を結ぶ直線L2は、第2導入孔22の周りに設けられるシール部材である第2シール部材122(120)の中心122aを通っている。なお、本発明図示例では、オイルセパレータ10の厚み方向Dから見たとき、第3締結部113(の中心)と第4締結部114(の中心)を結ぶ直線L3は、第3導入孔23の周りに設けられるシール部材である第3シール部材123(120)の中心123aから外れた位置を通っているが、直線L3は第3シール部材123(120)の中心123aを通っていることが望ましい。
図1、図4に示すように、第1〜第4締結部111,112,113,114は、全て、第1ピース10aに設けられている。そして、第1〜第3締結部111,112,113は、第2、第3ピース10b、10cのいずれにも覆われておらず、オイルセパレータ10の厚み方向Dから見たときに第2、第3ピース10b、10cの外側に設けられている。しかし、第4締結部114は、第2ピース10bの凹部10b1にて覆われる位置にある。そのため、凹部10b1には、第4締結部114でのボルト締結を可能にするために、凹部10b1の底壁10b1−1から第1ピース10a側に突出して第1ピース10aまで延びる筒状孔10b3が設けられている。筒状孔10b3が設けられているため、筒状孔10b3を通して第4締結部114にアクセスできるようになっている。なお、筒状孔10b3を通して第4締結部114へアクセスするときに第4締結部114の視認性が第2ピース10bにより悪化する場合には、第4締結部114の視認性を確保するために、筒状孔10b3の内部スペースが上方など少なくとも一側に拡大(拡径)されていてもよい。なお、図1、図4において、拡大(拡径)される部分は、符号10b3−1で示している。
本発明実施例では、第1〜第4締結部111,112,113,114に加えて、さらに、補完的に第5締結部115が設けられていてもよい。第5締結部115が設けられる場合、第5締結部115は、第4締結部114に対して第2締結部112と反対側で第1締結部111と第3締結部113とをつなぐ線上か該線よりも外側(第2締結部112と反対側)に設けられ、第1締結部111より上で第3締結部113より下の位置に設けられる。
つぎに、本発明実施例の作用、効果を説明する。
(A)本発明実施例では、図3に示すように、第1導入孔21、第2導入孔22およびガス排出孔50の各孔のまわりにシール部材120(121,122,123)がそれぞれ設けられている。
なお、各シール部材121,122,123のシール効果を確保するためには、オイルセパレータ10のエンジンブロック100への締結部110は、各シール部材121,122,123の両側に設定されていることが望ましい。これは、各シール部材121,122,123に全周にわたって均一またはほぼ均一に荷重をかけることができるからである。しかし、3個のシール部材121,122,123があるため、1個のシール部材の両側に締結部110を1個ずつ(計2個)設けると、合計6個の締結部110が必要になってしまう。
そこで、本発明実施例では、締結部110は、第1導入孔21に対して第2導入孔22と反対側に設けられる第1締結部111と、第2導入孔22に対して第1導入孔21と反対側に設けられる第2締結部112と、ガス排出孔50に対して第1導入孔21および第2導入孔22と反対側に設けられる第3締結部113と、第1導入孔21に対して第1締結部111と反対側で第2導入孔21に対して第2締結部112と反対側でガス排出孔50に対して第3締結部113と反対側に設けられる第4締結部114と、を有している。第4締結部114が、第1導入孔21に対して第1締結部111と反対側で第2導入孔22に対して第2締結部112と反対側でガス排出孔50に対して第3締結部113と反対側に設けられているため、3個のシール部材121,122,123のシールに要する締結部の数が4個で済むようになっている。
よって、従来に比べて締結部の数を減らすことができる(8個が4個に減少)。
(B)図6に示すように、第4締結部114が、前段セパレータ30の下面31から距離をおいて上方に設けられており、第4締結部114と前段セパレータ30の下面31との間に前段セパレータ30の内部にある液状オイルが通過可能な通路Rが存在している。そのため、第1、第2導入孔21,22の一方(液状オイルの導入量が多い方の導入孔)から前段セパレータ30内に流入してきたオイルを、比較的容易に、該通路Rを通って第1、第2導入孔21,22の他方(液状オイルの導入量が少ない方の導入孔)へと流動させて該他方からオイルセパレータ10外に排出させることができる。そのため、第4締結部114と前段セパレータ30の下面31との間に通路Rが存在しておらず第1、第2導入孔21,22の一方から他方へのオイルの流動が阻害される場合に比べて、第1、第2導入孔21,22の一方がオイルで詰まることを抑制できる。よって、オイルの流動性と排出性を向上させることができ、オイルセパレータ10による液状オイルの分離性能を向上させることができる。
(C)図3に示すように、第1締結部111と第4締結部114を結ぶ直線L1が、第1導入孔21の周りに設けられるシール部材である第1シール部材121(120)の中心121aを通っている。そのため、第1締結部111と第4締結部114とにより、第1シール部材121に、第1シール部材121の全周にわたって均一またはほぼ均一に荷重をかけることができる。よって、第1締結部111と第4締結部114を結ぶ直線L1が第1シール部材121の中心121aから外れた位置を通る場合に比べて、第1シール部材121によるシール性を向上させることができる。
(D)第2締結部112と第4締結部114を結ぶ直線L2が、第2導入孔22の周りに設けられるシール部材である第2シール部材122(120)の中心122aを通っている。そのため、第2締結部112と第4締結部114とにより、第2シール部材122に、第2シール部材122の全周にわたって均一またはほぼ均一に荷重をかけることができる。よって、第2締結部112と第4締結部114を結ぶ直線L2が第2シール部材122の中心122aから外れた位置を通る場合に比べて、第2シール部材122によるシール性を向上させることができる。
(E)図5に示すように、後段セパレータ40が上流室42と下流室43の2層構造とされているため、後段セパレータ40の流路長を稼ぐことができ、後段セパレータ40によるオイル分離性能を高めることができる。なお、2層構造にすることで1層構造の場合に比べて流路断面積が狭くなるが、大量の液状オイルが流れる前段セパレータ30ではなく前段セパレータ30で液状オイルが分離された後のオイルミストが流れる後段セパレータ40であるため、2層構造にして流路断面積が狭くなっていても、流路がオイルで詰まってしまうことは抑制できる。
(F)下流室43の下流側端部における流路断面積Sが、該下流側端部より上流側にある下流室43部分の流路断面積S1より大とされているため、下流室43を通ってガス排出孔50に流れるガスの流速を下流室43の下流側端部で低減させることができる。そのため、オイルセパレータ10で分離されたオイルがガス排出孔50に持ち去られてしまうことを抑制できる。
(G)第1、第2、第3ピース10a、10b、10cにて前段セパレータ30と後段セパレータ40の両方を形成しているため、後段セパレータ40のみ別途作製して第1、第2、第3ピース10a、10b、10cのいずれかに組付ける場合と異なり、組付けに要するスペースを削減でき、オイルセパレータ10の搭載スペース上で有利である。
10 オイルセパレータ
10a 第1ピース
10b 第2ピース
10b1、10b2 凹部
10b3 筒状孔
10b3−1 拡大(拡径)される部分
10c 第3ピース
21 第1導入孔
22 第2導入孔
30 前段セパレータ
31 下面
40 後段セパレータ
41 入口部
42 上流室
42a 小径孔
42b 流路延長リブ
43 下流室
43a 下流側流路延長リブ
43b 小径孔
44 連通孔
50 ガス排出孔
100 エンジンブロック
100a エンジンブロックの側面
101 第1導入通路
102 第2導入通路
110 締結部
111 第1締結部
112 第2締結部
113 第3締結部
114 第4締結部
115 第5締結部
120 シール部材
121 第1シール部材
121a 第1シール部材の中心
122 第2シール部材
122a 第2シール部材の中心
123 第3シール部材
123a 第3シール部材の中心
D 厚み方向
L1 第1締結部と第4締結部を結ぶ直線
L2 第2締結部と第4締結部を結ぶ直線
L3 第3締結部と第4締結部を結ぶ直線
R 通路
S 下流室の下流側端部における流路断面積
S1 下流室の下流側端部以外の部分の流路断面積

Claims (3)

  1. エンジンブロックの外部に配設されて該エンジンブロックの側面に組付けられる樹脂製のオイルセパレータであって、
    前記エンジンブロック内のオイル混合ガスをオイルセパレータ内に導入する第1導入孔および第2導入孔と、
    前記第1、第2導入孔から導入されるオイル混合ガスから液状オイルを主に捕集する前段セパレータと、
    前記前段セパレータより下流側に配置されており、前記前段セパレータで捕集されずに流れてくるオイルミストを主に捕集する後段セパレータと、
    前記後段セパレータの下流側に形成され、前記前段セパレータおよび後段セパレータでオイルが分離されたガスをオイルセパレータの外部に排出するガス排出孔と、
    を有し、
    前記第1導入孔、前記第2導入孔および前記ガス排出孔の各孔のまわりに、オイルセパレータと前記エンジンブロックの両方に接触するシール部材がそれぞれ設けられており、
    オイルセパレータを前記エンジンブロックに締結する締結部は、前記第1導入孔に対して前記第2導入孔と反対側に設けられる第1締結部と、前記第2導入孔に対して前記第1導入孔と反対側に設けられる第2締結部と、前記ガス排出孔に対して前記第1導入孔および前記第2導入孔と反対側に設けられる第3締結部と、前記第1導入孔に対して前記第1締結部と反対側で前記第2導入孔に対して前記第2締結部と反対側で前記ガス導入孔に対して前記第3締結部と反対側に設けられる第4締結部と、を有しており、
    前記第4締結部は、前記前段セパレータの下面から距離をおいて上方に設けられており、前記第4締結部と前記前段セパレータの下面との間に前記前段セパレータの内部にある液状オイルが通過可能な通路が存在している、オイルセパレータ。
  2. 前記第1締結部と前記第4締結部を結ぶ直線は、前記第1導入孔の周りに設けられるシール部材である第1シール部材の中心を通っている、請求項1記載のオイルセパレータ。
  3. 前記第2締結部と前記第4締結部を結ぶ直線は、前記第2導入孔の周りに設けられるシール部材である第2シール部材の中心を通っている、請求項1または請求項2記載のオイルセパレータ。
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