以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
まず、図1及び図2を用いて本発明の第一実施形態に係るフロントローダ20を備えたトラクタの車体1の全体構成について説明する。
トラクタは、主として機体フレーム2、エンジン3、トランスミッションケース4、前輪5、後輪6、ボンネット7、SCR8、マフラ9、キャビン10、ステアリングホイール11及びフロントローダ20を具備する。
機体フレーム2は、複数の板材を適宜組み合わせて形成される枠状の部材である。機体フレーム2は、平面視略矩形状に形成される。機体フレーム2は、その長手方向を前後方向に向けて車体1の前部に配置される。機体フレーム2の後部にはエンジン3が固定される。当該エンジン3の後部には、トランスミッションケース4が固定される。機体フレーム2の前部は、フロントアクスル機構(不図示)を介して左右一対の前輪5に支持される。トランスミッションケース4の後部は、リアアクスル機構(不図示)を介して左右一対の後輪6に支持される。エンジン3はボンネット7に覆われる。
ボンネット7の右側方には、エンジン3の排気ガスを浄化するためのSCR(Selective Catalytic Reduction)8が配置される。SCR8の上部には、エンジン3の排気ガスを排出するマフラ9が配置される。当該SCR8及びマフラ9は、トランスミッションケース4に固定される。
エンジン3の動力は、トランスミッションケース4に収容された変速装置(不図示)で変速された後、前記フロントアクスル機構を経て前輪5に伝達可能とされると共に、前記リアアクスル機構を経て後輪6に伝達可能とされる。エンジン3の動力によって前輪5及び後輪6が回転駆動され、トラクタは走行することができる。
エンジン3の後方にはキャビン10が設けられる。キャビン10の内部には、運転者が搭乗する居住空間が形成される。当該居住空間には、前輪5の切れ角を調節するためのステアリングホイール11、種々の操作具(不図示)、及び運転者が着座するための座席(不図示)等が配置される。
車体1の前部には、フロントローダ20が装着される。フロントローダ20は、主として左右一対のメインフレーム100、左右一対のサブフレームユニット500、左右一対のブーム300、バケット400及びスタンド200を具備する。
メインフレーム100は、車体1(機体フレーム2及びトランスミッションケース4)の左右にそれぞれ固定される。サブフレームユニット500は、各メインフレーム100の上部に着脱可能に支持される。ブーム300は、各サブフレームユニット500に回動可能に支持される。ブーム300は、メインフレーム100の上部から前下方に向けて延びるように配置される。バケット400は、ブーム300の前端部に回動可能に連結される。ブーム300はブームシリンダ300aを伸縮させることで、サブフレームユニット500に対して回動させることができる。バケット400はバケットシリンダ400aを伸縮させることで、ブーム300に対して回動させることができる。このように、ブーム300及びバケット400を適宜回動させながら土砂の運搬作業等を行うことができる。また、スタンド200を用いることで、車体1から取り外されたフロントローダ20を自立させることができる。
次に、図2から図4及び図10を用いて、メインフレーム100の詳細な構成について説明する。
図2に示すメインフレーム100は、ブーム300を支持するサブフレームユニット500を支持するものである。換言すれば、メインフレーム100は、サブフレームユニット500を介してブーム300を支持するものである。メインフレーム100は、主として固定フレーム110、連結フレーム120及び支持フレーム130を具備する。
図2に示す固定フレーム110は、車体1に固定される部分である。固定フレーム110は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。固定フレーム110は、ボルト等によって機体フレーム2に固定される。
図2に示す連結フレーム120は、固定フレーム110と後述する支持フレーム130とを連結するものである。連結フレーム120は、軸線を左右方向に向けた略円筒状に形成される。連結フレーム120の一端部(左端)は固定フレーム110に挿通され、当該固定フレーム110に溶接によって適宜固定される。
図2及び図3に示す支持フレーム130は、サブフレームユニット500を支持する部分である。支持フレーム130は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。支持フレーム130は、長手方向を上下方向に向けて配置される。支持フレーム130の下部には連結フレーム120が挿通され、当該支持フレーム130と連結フレーム120とが溶接によって固定される。支持フレーム130には、メインフレーム側ピン131、メインフレーム側フック132、メインフレーム側下案内面133、メインフレーム側上案内面134及びローラ135が形成される。
なお、左右一対の支持フレーム130は、互いに左右対称に形成されるものであって、互いに左右対称の位置に配置される。図3及び図4においては、左右一対の支持フレーム130のうち左側の支持フレーム130を図示している。以下においては、特に断りのない限り、左側の支持フレーム130について説明を行い、右側の支持フレーム130については説明を省略する。
図3及び図10に示すメインフレーム側ピン131は、後述するサブフレームユニット500(より詳細には、ガイド板520のサブフレーム側フック522)によって保持される部分である。メインフレーム側ピン131は、支持フレーム130の前上端部に、軸線を左右方向に向けた円柱状に形成される。メインフレーム側ピン131は、支持フレーム130から左右に突出するように形成される。
図3及び図10に示すメインフレーム側フック132は、後述するサブフレームユニット500(より詳細には、サブフレーム510のサブフレーム側ピン511)を保持する部分である。メインフレーム側フック132は、側面視において、前方(より詳細には前下方)が開放された略U字状に形成され、後述するサブフレーム側ピン511を下方から支持することができる。メインフレーム側フック132は、支持フレーム130の後上端部に、かつ、メインフレーム側ピン131よりも上方に形成される。
図3に示すメインフレーム側下案内面133は、後述するサブフレームユニット500をメインフレーム100に装着するときに、サブフレームユニット500(より詳細には、サブフレーム510のサブフレーム側ピン511)を取付位置に案内するためのものである。メインフレーム側下案内面133は、支持フレーム130の上端部に、面を略上方に向けた平面状に形成される。より詳細には、メインフレーム側下案内面133は、メインフレーム側ピン131とメインフレーム側フック132との間に、前方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる前下がりの斜面状に形成される。メインフレーム側下案内面133は、メインフレーム側ピン131まで連続して形成しておらず、メインフレーム側ピン131とメインフレーム側下案内面133との間には凹部133aが形成される。凹部133aが形成されることで、着脱時の接触衝撃等によるメインフレーム側ピン131の変形や損傷を防止することが可能となる。
図3に示すメインフレーム側上案内面134は、後述するサブフレームユニット500をメインフレーム100に装着するときに、サブフレームユニット500(より詳細には、サブフレーム510のサブフレーム側ピン511)を取付位置に案内するためのものである。メインフレーム側上案内面134は、メインフレーム側下案内面133と対向するように、面を略下方に向けた平面状に形成される。より詳細には、メインフレーム側上案内面134は、メインフレーム側フック132の前上端部と連続するように、かつ、後方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる後下がりの斜面状に形成される。
図3及び図4に示すローラ135は、後述するサブフレームユニット500をメインフレーム100に装着するときに、サブフレームユニット500を取付位置の近傍まで案内するためのものである。ローラ135は、支持フレーム130の内側(車体1の左右中央側)に、軸線を左右方向に向けて回転可能に設けられる。すなわち、左側のメインフレーム100においては支持フレーム130の右側に設けられ、右側のメインフレーム100においては支持フレーム130の左側に設けられる。ローラ135は、支持フレーム130の前端部に、かつ、メインフレーム側ピン131の前下方に設けられる。より具体的には、ローラ135は、側面視において、メインフレーム側ピン131とメインフレーム側フック132とを結ぶ直線よりも下方に位置するように設けられる。このようにして、ローラ135は、メインフレーム側ピン131、メインフレーム側フック132、メインフレーム側下案内面133及びメインフレーム側上案内面134よりも前方かつ下方に配置される。ローラ135は、ローラ中央部135a、ローラ根元部135b及びローラ先端部135cを具備する。
図4に示すローラ中央部135aは、ローラ135の左右中央部を構成する部分である。ローラ中央部135aは、軸線を左右方向に向けた円筒状に形成される。ローラ中央部135aは、左右方向に亘って同一の外径となるように形成される。
図4に示すローラ根元部135bは、ローラ135の根元部(左部)を構成する部分である。ローラ根元部135bは、ローラ中央部135aの左側に隣接して形成される。ローラ根元部135bは、左方に向かうにつれて外径が漸増する円錐台筒状に形成される。
図4に示すローラ先端部135cは、ローラ135の先端部(右部)を構成する部分である。ローラ先端部135cは、ローラ中央部135aの右側に隣接して形成される。ローラ根元部135bは、右方に向かうにつれて外径が漸増する円錐台筒状に形成される。
このように、ローラ135は、車体1の幅方向(左右方向)中央部が小径となる鼓状に形成される。
次に、図5から図13を用いて、サブフレームユニット500の詳細な構成について説明する。なお、左右一対のサブフレームユニット500は、互いに左右対称に形成されるものであって、図5から図13及び後述する図14から図16においては、左右一対のサブフレームユニット500のうち左側のサブフレームユニット500を図示している。以下においては、特に断りのない限り、左側のサブフレームユニット500について説明を行い、右側のサブフレームユニット500については説明を省略する。また、図5から図13は、サブフレームユニット500がメインフレーム100に装着された状態(装着状態)を示しており、以下では、この装着状態を基準として説明を行う。
サブフレームユニット500は、メインフレーム100とブーム300との間に設けられる部分である。サブフレームユニット500は、その上部において、ブーム300を回動可能に支持する(図2参照)。サブフレームユニット500は、サブフレーム510、ガイド板520、サム530、ロックバー540、ばね550、ディテント機構560、解除アーム570及び操作機構580を具備する。
図5から図9に示すサブフレーム510は、サブフレームユニット500の右部及び左部を構成する部分である。サブフレーム510は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。サブフレーム510は、長手方向を上下方向に向けて配置される。サブフレーム510は、左右に一対設けられ、適宜の部材によって互いに接続される。なお、図6、図7、図9から図12、図15、図16、図22及び図23においては、説明の便宜上、左側のサブフレーム510については図示を省略している。また、図8においては、説明の便宜上、右側のサブフレーム510については図示を省略している。サブフレーム510には、サブフレーム側ピン511、規制孔512、サブフレーム第一下面513、サブフレーム第二下面514及びサブフレーム第三下面515が形成される。
図5、図6及び図9に示すサブフレーム側ピン511は、支持フレーム130のメインフレーム側フック132(図3参照)によって保持される部分である。サブフレーム側ピン511は、円柱状に形成される。サブフレーム側ピン511は、軸線を左右方向へ向けた状態でサブフレーム510の後下部に固定される。サブフレーム側ピン511は、左右一対のサブフレーム510の間に、当該左右一対のサブフレーム510を接続するように設けられる。
図5から図9に示す規制孔512は、後述する操作レバー582の動作範囲を規制するためのものである。規制孔512は、サブフレーム510を左右方向に貫通するように形成される。規制孔512は、側面視において、後述するロックバー540の揺動中心(揺動軸541)を中心とする、中心角約50°の部分円環状に形成される。規制孔512は、揺動軸541の後上方に形成される(図11等参照)。
また、車体1の外側(図5等においては、左側)のサブフレーム510に形成された規制孔512(以下、規制孔512Lとも称する)は、全域に亘って幅が一定となるように形成されている。これに対して、車体1の内側(図5等においては、右側)のサブフレーム510に形成された規制孔512(以下、規制孔512Rとも称する)は、下端部に対してその他の部分の幅が小さくなるように形成されている(図9参照)。
具体的には、規制孔512Rの下端部512Raは、略円形状に形成されている。当該下端部512Raの幅(円の直径)は、規制孔512Lの幅と略同一となるように形成されている。規制孔512Rの下端部を除く部分(上端部から下端部近傍に亘る円弧状の部分、以下「弧状部512Rb」と称する)の幅は、規制孔512Lの幅よりも小さく(細く)なるように形成されている。
図5、図9及び図10に示すサブフレーム第一下面513は、サブフレーム510の下面のうち後部を構成するものである。サブフレーム第一下面513は、前下がりに傾斜するように形成される。サブフレーム第一下面513の傾斜角度は、例えば約45度に形成される。
図5、図9及び図10に示すサブフレーム第二下面514は、サブフレーム510の下面のうち前後中途部を構成するものである。サブフレーム第二下面514は、サブフレーム第一下面513の前方に連続して形成される。サブフレーム第二下面514は、サブフレーム第一下面513よりも緩やかに前下がりに傾斜するように形成される。サブフレーム第二下面514の傾斜角度は、例えば約20度に形成される。
図5、図9及び図10に示すサブフレーム第三下面515は、サブフレーム510の下面のうち前部を構成するものである。サブフレーム第三下面515は、サブフレーム第二下面514の前方に連続して形成される。サブフレーム第三下面515は、サブフレーム第二下面514よりも水平に近い傾斜角度に形成され、例えば水平(傾斜角度が0度)に形成される。サブフレーム第三下面515の傾斜角度は、後述するサブフレーム側上案内面521及びサブフレーム側下案内面523の傾斜角度と異なるように形成される(図9参照)。また、サブフレーム第三下面515の傾斜角度は、メインフレーム側下案内面133及びメインフレーム側上案内面134の傾斜角度と異なるように形成される(図10参照)。
図5から図9に示すガイド板520は、メインフレーム100にサブフレームユニット500を装着するときに、メインフレーム100を取付位置に案内し、当該取付位置でメインフレーム100を保持するものである。ガイド板520は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。ガイド板520は、左右に一対設けられる。各ガイド板520は、左右一対のサブフレーム510の内側にそれぞれ固定される。なお、説明の便宜上、サブフレーム510と同様に、図面に応じてガイド板520の図示を適宜省略している。ガイド板520には、サブフレーム側上案内面521、サブフレーム側フック522、サブフレーム側下案内面523及び切欠部524が形成される。
図9及び図10に示すサブフレーム側上案内面521は、メインフレーム100にサブフレームユニット500を装着するときに、メインフレーム側ピン131を取付位置に案内するためのものである。サブフレーム側上案内面521は、ガイド板520の下端部に、面を略下方に向けた平面状に形成される。より詳細には、サブフレーム側上案内面521は、前方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる前下がりの斜面状に形成される。サブフレーム側上案内面521は、メインフレーム側下案内面133と平行となるように形成される。サブフレーム側上案内面521は、ガイド板520の後端部から前端部近傍(より詳細には、後述するサブフレーム側フック522)まで延びるように形成される。
図9及び図10に示すサブフレーム側フック522は、メインフレーム100のメインフレーム側ピン131を保持する部分である。サブフレーム側フック522は、ガイド板520の前下部に形成される。サブフレーム側フック522は、側面視において、後方(より詳細には後上方)が開放された略U字状に形成され、後述するメインフレーム側ピン131を下方から支持することができる。サブフレーム側フック522は、サブフレーム側上案内面521の前端部と接続される。
図9及び図10に示すサブフレーム側下案内面523は、メインフレーム100にサブフレームユニット500を装着するときに、メインフレーム側ピン131を取付位置に案内するためのものである。サブフレーム側下案内面523は、サブフレーム側上案内面521と対向するように、面を略上方に向けた平面状に形成される。より詳細には、サブフレーム側下案内面523は、サブフレーム側フック522の後端部と連続するように、かつ、後方に向かうにつれて上下方向の高さが低くなる後下がりの斜面状に形成される。
図9に示す切欠部524は、後述するディテントピン561の移動を規制するものである。切欠部524は、ガイド板520の上端部が開口するように形成される。切欠部524は、ガイド板520の上端部から下方に延びるように形成される。
図6から図8、及び図10から図12に示すサム530は、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック522に移動不能に保持する(メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック522から離脱するのを防止するための)ものである。サム530は、左右一対のガイド板520の間に設けられる。サム530は、左右一対設けられる。サム530は、側面視略L字状に形成される。サム530は、主として揺動軸531、係合溝532、サム側第一当接面533、サム側第二当接面534及び連結軸535を具備する。
揺動軸531は、サム530を揺動可能に支持するものである。揺動軸531は、軸線を左右方向に向けて配置される。揺動軸531は、サブフレーム側フック522の上方に配置される。揺動軸531の両端は、左右のガイド板520にそれぞれ固定される。揺動軸531は、左右一対のサム530の前後中央部に挿通される。
図7、図8、図10から図12に示す係合溝532は、メインフレーム側ピン131と係合する部分である。係合溝532は、サム530の下部、かつ、前後中央部に形成される。係合溝532は、側面視において、下方が開放された半円弧状に形成される。係合溝532は、側面視において、その径がメインフレーム側ピン131の径と略同一となるように形成される。
図7、図8、図11及び図12に示すサム側第一当接面533は、サム530の後方の側面である。サム側第一当接面533は、面を後上方に向けた平面状に形成される。
図7、図8、図11及び図12に示すサム側第二当接面534は、サム530の後方の側面である。サム側第二当接面534は、面を後下方に向けた曲面状に形成される。より具体的には、サム側第二当接面534は、側面視において揺動軸531を中心とする円弧状に形成される。
図7、図8、図11及び図12に示す連結軸535は、左右一対のサム530を連結するものである。連結軸535は、軸線を左右方向に向けて配置される。連結軸535は、揺動軸531の後下方に配置される。連結軸535の両端は、左右一対のサム530にそれぞれ固定される。これによって、左右一対のサム530が互いに連結され、一体的に揺動可能となる。
図6から図8、並びに図10から図12に示すロックバー540は、サム530の揺動を規制するものである。ロックバー540は、左右一対のガイド板520の間に設けられる。ロックバー540は、側面視において、一対の円弧を有するオーバル状に形成される。ロックバー540は、サム530の後上方に配置される。ロックバー540は、主として揺動軸541、ロックバー側第一当接面542、ロックバー側第二当接面543、溝部544、連結軸545、案内面546及び被係止部547を具備する。
揺動軸541は、ロックバー540を揺動可能に支持するものである。揺動軸541は、軸線を左右方向に向けて配置される。揺動軸541の両端は、左右のガイド板520にそれぞれ固定される。揺動軸541は、ロックバー540の中央部に挿通される。
図7、図8、図11及び図12に示すロックバー側第一当接面542は、ロックバー540の前方の側面である。ロックバー側第一当接面542は、面を前下方に向けた曲面状に形成される。より具体的には、ロックバー側第一当接面542は、側面視において揺動軸541を中心とする円弧状に形成される。
図7、図8、図11及び図12に示すロックバー側第二当接面543は、ロックバー540の前方の側面である。ロックバー側第二当接面543は、面を前上方に向けた平面状に形成される。
図7、図8及び図12に示す溝部544は、ロックバー540の下部に形成される。より具体的には、溝部544は、ロックバー540の下部の左右中央を、上方(揺動軸541側)に向かって凹ませるようにして形成される。
図7、図8、図11及び図12に示す連結軸545は、後述するばね550が連結されるものである。連結軸545は、軸線を左右方向に向けて配置される。連結軸545は、ロックバー540の後下部(溝部544の後端部近傍)に固定される。連結軸545は、溝部544を左右に亘るように配置される。
図11及び図12に示す案内面546は、ロックバー540の外周部において、後述するディテントピン561を案内する面である。案内面546は、面を後上方に向けた曲面状に形成される。より具体的には、案内面546は、側面視において揺動軸541を中心とする円弧状に形成される。案内面546は、揺動軸541を挟んでロックバー側第一当接面542と反対側に形成される。
図7、図8、図11及び図12に示す被係止部547は、後述するディテントピン561を係止するための部分である。被係止部547は、ロックバー540の外周部に形成される。被係止部547は、案内面546の後側に隣接するように形成される。被係止部547は、ロックバー540の径方向に沿って立ち上がるような面によって形成される。
図12に示すばね550は、サム530及びロックバー540を所定の方向に向かって付勢するためのものである。ばね550は、引張りコイルばねによって形成される。ばね550は、左右一対のサム530の間、及びロックバー540の溝部544内に亘って配置される。ばね550の一端は、サム530の連結軸535に連結される。ばね550の他端は、ロックバー540の連結軸545に連結される。当該ばね550の付勢力によって、サム530が左側面視反時計回りに付勢されると共に、ロックバー540が左側面視時計回りに付勢される。なお、図示の簡略化のため、ばね550は図12にのみ示している。
図7、図8、及び図10から図12に示すディテント機構560は、ロックバー540の揺動を規制するためのものである。ディテント機構560は、主としてディテントピン561、ボルト562及びばね563を具備する。
ディテントピン561は、円柱状に形成される。ディテントピン561は、軸線を左右方向に向けた状態で、その左右両端部が左右一対のガイド板520の切欠部524(図9参照)にそれぞれ挿通されるように設けられる。これによって、ディテントピン561は、切欠部524の長手方向に沿って上下に移動(摺動)可能となる。
ボルト562は、ディテントピン561に上方から当接する部材である。ボルト562は、頭部を下方に向けた状態で配置される。ボルト562は、後述する解除アーム570の上面に、摺動可能に支持される。ボルト562の頭部(下端部)は、ディテントピン561に上方から当接する。
ばね563は、ボルト562を下方に向かって付勢するものである。ばね563は、圧縮コイルばねによって形成される。ばね563は、ボルト562の頭部と、後述する解除アーム570の上面と、の間に配置される。当該ばね563によって、ボルト562が常時下方に向かって付勢され、ひいてはディテントピン561が常時下方に向かって付勢される。なお、図示の簡略化のため、ばね563は図12にのみ示している。
図7、図8、及び図10から図12に示す解除アーム570は、ディテント機構560によるロックバー540の揺動の規制を適宜解除するためのものである。解除アーム570は、細長い板材を略U字状に折り曲げて形成される。解除アーム570は、下方に向かって開口された略U字状に折り曲げられることで、左右一対の側面と、上面と、を有するように形成される。解除アーム570は、左右一対の側面が、ロックバー540の左右両側方にそれぞれ位置するように配置される。解除アーム570の上面は、ロックバー540の上方に位置するように配置される。解除アーム570の下端部(右側の側面の下端部)は、サム530の連結軸535に回動可能に支持される(図8及び図11参照)。解除アーム570には、長孔571が形成される。
図7、図8及び図11に示す長孔571は、解除アーム570の左右一対の側面にそれぞれ形成される。長孔571は、解除アーム570の側面の長手方向に沿って、所定の長さだけ延びるように形成される。左右一対の長孔571には、ディテントピン561の両端がそれぞれ挿通される。
図7、図8、及び図10から図13に示す操作機構580は、メインフレーム100からサブフレームユニット500を取り外すときに、ロックバー540を揺動させるためのものである。操作機構580は、主としてアーム部581、操作レバー582、ワッシャ583及びばね584を具備する。
図7、図8、図11及び図13に示すアーム部581は、ロックバー540に固定される部材である。アーム部581は、本体部581a及びボス部581bを具備する。
本体部581aは、側面視略矩形状の板材である。本体部581aの一端部(前端部)は、適宜の締結部材(ボルト等)によって、ロックバー540の左側面に固定される。本体部581aは、ロックバー540から後方に向かって延びるように配置される。
図13に示すボス部581bは、円筒状の部材である。ボス部581bは、軸線を左右方向に向けて配置される。ボス部581bは、本体部581aの後端部に挿通された状態で固定される。
操作レバー582は、作業者が把持して操作する部材である。操作レバー582は、略円柱状に形成される。操作レバー582は、軸線を左右方向に向けて配置される。操作レバー582は、ボス部581bに摺動可能となるように挿通される。操作レバー582の直径は、サブフレーム510に形成された規制孔512Lの幅、並びに規制孔512Rの下端部512Raの幅(直径)と略同一となるように形成される。操作レバー582には、主として凹部582a及び先鋭部582bが形成される。
図7及び図13に示す凹部582aは、操作レバー582の外周面を凹ませて形成された部分である。凹部582aは、操作レバー582の左端部近傍に形成される。凹部582aは、操作レバー582の軸芯を挟んで一対形成される。このように、円柱状の操作レバー582に凹部582aを形成することで、当該操作レバー582を把持し易く(操作し易く)することができる。
図8及び図13に示す先鋭部582bは、操作レバー582の右端に向かって縮径するように形成された略円錐台状の部分である。先鋭部582bの先端(右端)の直径は、サブフレーム510に形成された規制孔512Rの弧状部512Rb(図9参照)の幅よりも小さくなるように形成される。
図7、図8及び図13に示すワッシャ583は、略円環板状の部材である。ワッシャ583には、操作レバー582の右端部が挿通される。ワッシャ583は、適宜の係止具によって、操作レバー582に対する右方への移動が規制されている。
図13に示すばね584は、操作レバー582を右方に向かって付勢するためのものである。ばね584は、圧縮コイルばねによって形成される。ばね584は、アーム部581の本体部581aと、ワッシャ583と、の間に配置される。当該ばね584によって、ワッシャ583が常時右方に向かって付勢され、ひいては操作レバー582が常時右方に向かって付勢される。なお、図示の簡略化のため、ばね584は図13及び図14にのみ示している。
操作レバー582の左右両端部は、左右一対のサブフレーム510の規制孔512にそれぞれ挿通されている。より具体的には、装着状態において、操作レバー582の左端部は、左側のサブフレーム510の規制孔512Lの下端部に挿通されている。また操作レバー582の右端部は、右側のサブフレーム510の規制孔512Rの下端部512Raに挿通されている。操作レバー582は、規制孔512によって移動範囲(揺動範囲)が規定されている。作業者は、操作レバー582が規制孔512Rの下端部512Raから側方へと突出しているのを目視で確認することで、装着状態であることを容易に確認することができる。
次に、フロントローダ20(より詳細には、フロントローダ20のうちメインフレーム100を除く部分)を車体1から取り外す方法について説明する。
図10及び図11は、サブフレームユニット500がメインフレーム100に装着された状態(装着状態)を示している。装着状態においては、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック522に保持されていると共に、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側フック132に保持されている(図10参照)。
このとき、ロックバー540は、ばね550の付勢力によって、操作レバー582と規制孔512とで決められる移動範囲の中で、最も時計回りに揺動した位置(規制位置)で保持されている。ロックバー540のロックバー側第一当接面542がサム530のサム側第一当接面533と当接することで、サム530の左側面視反時計回り方向への揺動を規制している。これにより、サム530は、係合溝532がメインフレーム側ピン131と係合する位置(係合位置)で保持され、メインフレーム側ピン131のサブフレーム側フック522からの離脱を防止している。このとき、メインフレーム側ピン131は、左右のサブフレーム側フック522と、その間に位置する係合溝532とによって固定されている。
このとき、ロックバー540のロックバー側第一当接面542(揺動軸541を中心とする円弧状の面)が、サム530のサム側第一当接面533(平面)と当接するため、ロックバー540がサム530から受ける押圧力は、ロックバー540の揺動中心(揺動軸541)に向かうように作用する。すなわち、サム530からの押圧力は、ロックバー540を揺動させる方向(周方向)に作用しない。これにより、サム530から受ける押圧力によって、ロックバー540が揺動しないようにすることができる。
また、装着状態において、ディテントピン561は、ロックバー540の案内面546に押し当てられている。案内面546は滑らかな円弧状に形成されているため、ディテントピン561がロックバー540と係止されることはなく、当該ディテントピン561によってロックバー540の揺動が規制されることはない。
また、装着状態において、操作レバー582は、サブフレーム510の規制孔512Rの下端部512Raに挿通されている(図12参照)。規制孔512Rの弧状部512Rbの幅は、操作レバー582の直径よりも小さいため、操作レバー582は当該規制孔512R内を移動することができない。このように、規制孔512Rによって移動が規制されているため、当該操作レバー582の誤作動を防止することができる。
装着状態から操作レバー582を用いてロックバー540を揺動させる場合、図14に示すように、ワッシャ583がボス部581bと当接するまで、操作レバー582を外側(左側)に引き出す。これによって、操作レバー582をサブフレーム510の外側に大きく突出させることができ、当該操作レバー582が把持し易く(操作し易く)なる。
また、操作レバー582を外側に引き出すことで、操作レバー582のうち、先鋭部582bのみが規制孔512R内に位置することになる。この際、規制孔512R内に位置している先鋭部582bの直径は、規制孔512Rの弧状部512Rb(図12参照)の幅と略同一となるように形成されている。このため、操作レバー582を外側に引き出した状態では、当該操作レバー582の移動が規制孔512Rによって規制されることはない。すなわち、操作レバー582は、規制孔512R(弧状部512Rb)に沿って移動することができる。
操作レバー582を引き出したまま、当該操作レバー582を規制孔512に沿って左側面視反時計回り方向に移動させると、これに伴って、ロックバー540が左側面視反時計回り方向に揺動する(図15参照)。
装着状態からロックバー540が左側面視反時計回り方向に約50°(操作レバー582が規制孔512の上端部近傍に位置するまで)揺動すると、ディテントピン561は、ロックバー540の被係止部547に係止する。このため、ロックバー540は、ディテントピン561と被係止部547とによって、左側面視時計回り方向への揺動が規制される。すなわちロックバー540は、当該位置(規制解除位置)で保持される。この状態で作業者が操作レバー582から手を離しても、ロックバー540が元の位置(規制位置)に戻ることはない。
図15に示す状態において、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で車体1を後退させる。すると、メインフレーム100(メインフレーム側ピン131)は、サム530の後部を上方に押し上げながら、サブフレームユニット500に対して後方に相対移動する(図16参照)。サム530は、メインフレーム側ピン131からの押圧力と、ばね550による付勢力によって、左側面視反時計回り方向に揺動する。左側面視において、サム530の後下面とサブフレーム側フック522の上面との隙間が、メインフレーム側ピン131の直径以上になる位置(解除位置)までサム530が揺動すると、サム530とメインフレーム100(メインフレーム側ピン131)との係合が解除される。この状態からさらに車体1を後退させることで、サブフレームユニット500をメインフレーム100から取り外すことができる。
また、サム530が左側面視反時計回り方向に揺動すると、図16に示すように、当該サム530の連結軸535に連結された解除アーム570が上方へと押し上げられる。解除アーム570が上方へ押し上げられると、当該解除アーム570の長孔571の下端部によってディテントピン561が上方に押し上げられる。これによって、ディテントピン561がロックバー540から離間し、当該ディテントピン561とロックバー540の被係止部547との係止が解除される。すなわち、解除アーム570によって、ディテントピン561によるロックバー540の揺動の規制が解除される。
ディテントピン561と被係止部547との係止が解除されると、ロックバー540は、ばね550の付勢力によって左側面視時計回り方向に揺動する。ロックバー540が揺動すると、サム530のサム側第二当接面534と、ロックバー540のロックバー側第二当接面543とが当接する(図16参照)。これによって、ロックバー540の左側面視時計回り方向への揺動が規制される。
このとき、サム530のサム側第二当接面534(揺動軸531を中心とする円弧状の面)が、ロックバー540のロックバー側第二当接面543(平面)と当接するため、サム530がロックバー540から受ける押圧力は、サム530の揺動中心(揺動軸531)に向かうように作用する。すなわち、ロックバー540からの押圧力は、サム530を揺動させる方向(周方向)に作用しない。これにより、ロックバー540から受ける押圧力によって、サム530が揺動しないようにすることができる。
このように、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で、操作レバー582を操作してサム530とメインフレーム側ピン131とのロックを解除した後、車体1を後退させることにより、フロントローダ20のサブフレームユニット500、ブーム300及びバケット400を、メインフレーム100から容易に取り外すことができる。
また、サブフレーム側フック522は後上方に開口しており、メインフレーム側フック132は前下方に開口しているため、サブフレームユニット500をメインフレーム100から取り外すと、サブフレームユニット500は本来の取付位置よりも若干下がった位置となる。
次に、フロントローダ20(より詳細には、フロントローダ20のうちメインフレーム100を除く部分)を車体1に装着する方法について説明する。なお、図17から図29においては、左右一対のメインフレーム100及びサブフレームユニット500のうち、左側のメインフレーム100及びサブフレームユニット500を示している。
フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)をメインフレーム100から取り外して地面に降ろした状態で、車体1を前進させ、メインフレーム100をサブフレームユニット500に近接させる。フロントローダ20を地面に降ろした状態においては、サブフレームユニット500は、本来の取付位置よりも低い位置にある。つまり、サブフレーム側ピン511は、当該サブフレーム側ピン511を保持するメインフレーム側フック132よりも低い位置にあり、サブフレーム側フック522は、当該サブフレーム側フック522が保持されるメインフレーム側ピン131よりも低い位置にある(図17参照)。
図17に示すように、車体1を前進させると、まず左右一対のサブフレーム第一下面513のうち低い位置にあるサブフレーム第一下面513がローラ135に当接し、その後、他方のサブフレーム第一下面513もローラ135に当接する。さらに車体1を前進させると、サブフレームユニット500は、サブフレーム第一下面513がローラ135上を移動することで、メインフレーム100に対して後上方に(サブフレーム第一下面513に沿って)相対移動する。これにより、サブフレームユニット500は、上方に持ち上げられる。
ここで、ローラ135のローラ根元部135b又はローラ先端部135cは、ローラ中央部135a側に向かうにつれて外径が漸減するように形成されている(図4参照)。このため、サブフレーム第一下面513は、ローラ根元部135b又はローラ先端部135cに乗り上げた場合、ローラ中央部135a側へ案内される。これにより、サブフレームユニット500の左右方向の位置を調整することができる。
さらに車体1を前進させると、図18に示すように、サブフレーム第二下面514がローラ135上を移動し始める。サブフレームユニット500は、サブフレーム第二下面514がローラ135上を移動することで、メインフレーム100に対して後上方に(サブフレーム第二下面514に沿って)相対移動する。サブフレーム第二下面514はサブフレーム第一下面513よりも傾斜角度が緩やかなため、サブフレームユニット500は、緩やかに上昇しながら、メインフレーム100に対して後方に相対移動する。
これにより、サブフレームユニット500の高さを本来の取付位置の高さ(取付高さ)に近づけることができる。具体的には、サブフレーム側ピン511の上下方向の位置は、メインフレーム側フック132の上下方向の位置と概ね同じ高さとなる(図19参照)。また、サブフレーム側フック522の上下方向の位置は、メインフレーム側ピン131の上下方向の位置と概ね同じ高さとなる(図19参照)。
このように、前下がりの斜面状に形成されたサブフレーム第一下面513及びサブフレーム第二下面514がローラ135上を移動することで、サブフレームユニット500を持ち上げることができる。これにより、サブフレームユニット500の高さを本来の取付高さに近づけることができる。つまり、サブフレーム側ピン511とメインフレーム側フック132との上下方向の位置、及びサブフレーム側フック522とメインフレーム側ピン131との上下方向の位置を調整することができる。
また、サブフレーム第一下面513は比較的急傾斜に形成されているため、車体1を前進させる際に、比較的短い移動距離でサブフレームユニット500を一気に持ち上げることができる。そして、比較的緩やかに傾斜するサブフレーム第二下面514によって、サブフレームユニット500の高さを微調整することができる。
さらに車体1を前進させると、図19に示すように、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動し始める。サブフレームユニット500は、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動することで、メインフレーム100に対して後方に(サブフレーム第三下面515に沿って)相対移動する。サブフレーム第三下面515は水平に形成されているため、サブフレームユニット500は、これ以上上昇することはなく、メインフレーム100に対して後方に相対移動する。
さらに車体1を前進させると、図20に示すように、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側上案内面521に当接し、当該サブフレーム側上案内面521によってサブフレーム側フック522へと案内される。また、サブフレーム側ピン511は、メインフレーム側下案内面133に当接し、当該メインフレーム側下案内面133によってメインフレーム側フック132へと案内される。これにより、サブフレームユニット500がメインフレーム側下案内面133(サブフレーム側上案内面521)に沿って後上方に相対移動することにより、サブフレーム第三下面515はローラ135から離間する(図21参照)。
このように、サブフレーム第三下面515がローラ135上を後方に相対移動することで、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック522へと案内するとともに、サブフレーム側ピン511をメインフレーム側フック132へと案内することができる。
図22及び図23に示すように、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側フック522へと案内される際に、サム530の前端部を前方に向かって押圧し、当該サム530を左側面視時計回り方向(前上がり方向)に揺動させる。これによって、サム530は再び係合位置に戻り、メインフレーム側ピン131と係合する。
また、サム530の揺動に伴って、解除アーム570が下方へと引き下げられる。解除アーム570が引き下げられると、当該解除アーム570によって押し上げられていたディテントピン561が再びロックバー540の案内面546に当接する。
また、サム530が揺動することによって、サム530(サム側第二当接面534)とロックバー540(ロックバー側第二当接面543)とが離間する。これによって、ロックバー540が左側面視時計回りに揺動可能となる。
ロックバー540は、ばね550の付勢力によって、左側面視時計回りに揺動し、再び規制位置まで移動する(図10及び図11参照)。この状態では、ロックバー540によってサム530の揺動が規制され、メインフレーム側ピン131のサブフレーム側フック522からの離脱を防止することができる。
このように、フロントローダ20(メインフレーム100を除く部分)を地面に降ろした状態で、車体1を前進させるだけで、サブフレームユニット500並びに当該サブフレームユニット500に設けられたブーム300及びバケット400を、メインフレーム100に容易に装着することができる。
したがって、フロントローダ20の脱着作業時に、メインフレーム100との位置合わせのための油圧によるブーム300の操作や、ブーム300をメインフレーム100に固定するためのピンの抜き差しといった従来の作業を不要とすることができる。また、これらの作業のために作業者がキャビン10から乗降する必要がなくなる。よって、フロントローダ20の脱着時の作業工数の低減、及びこれに伴う作業時間の短縮が可能となる。
また、メインフレーム100とサブフレームユニット500とが互いに位置合わせを行う構造としているため、メインフレーム100とサブフレームユニット500との位置合わせをスムーズに行うことができる。
また、サブフレームユニット500が地面に降ろされた状態において、そのときの高さと本来の取付高さとの差が大きい場合であっても、サブフレーム第一下面513及びサブフレーム第二下面514がローラ135上を移動することで、当該差を小さくすることができる。これにより、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側上案内面521に当接可能な高さとなり、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック522へと案内することが可能となる。また、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側下案内面133に当接可能な高さとなり、サブフレーム側ピン511をメインフレーム側フック132へと案内することが可能となる。このように、装着前のサブフレームユニット500の取付位置と本来の取付位置との高低差を許容することができる。
また、サブフレーム510は、最終的にローラ135と離れた状態で装着される(図21参照)。これにより、フロントローダ20(サブフレームユニット500)を車体1から取り外す際に、サブフレーム側ピン511をメインフレーム側フック132から抜け易くすることができる。つまり、サブフレーム510(サブフレーム第三下面515)とローラ135との隙間(高低差)をサブフレーム側ピン511の抜きしろとすることができる。またサブフレーム510が装着された状態において、ローラ135は当該サブフレーム510(より詳細には、サブフレーム510の前下端部(ローラ135と最も近接した部分))よりも前方に位置している。このように、サブフレーム510の装着が完了すると、ローラ135はサブフレーム510から離れ、かつサブフレーム510よりも前方に突出するような位置に配置されることになる。作業者は、このようなローラ135の特徴的な位置を確認することで、サブフレーム510の装着が正常に完了したことを容易に確認することができる。
また、左右一対のローラ135は、それぞれ支持フレーム130の内側(車体1の左右中央側)に設けられているため、キャビン10内の運転者が、ローラ135を視認することができる。よって、キャビン10内の運転者は、メインフレーム100にサブフレームユニット500が装着される状態を確認しながら、装着作業を行うことができる。特に本実施形態では、ローラ135はメインフレーム側ピン131とメインフレーム側フック132とを結ぶ直線よりも下方に位置するように設けられている。このような配置により、ローラ135の視認性を向上させる(メインフレーム側ピン131等に比べて目立たせる)ことができ、ひいては装着作業を容易に行うことができる。さらに、ローラ135はメインフレーム側ピン131、メインフレーム側フック132、メインフレーム側下案内面133及びメインフレーム側上案内面134よりも前方に配置されているため、サブフレーム510を装着する際に、速やかに当該ローラ135をサブフレーム510に当接させることができる。これにより、サブフレーム510の位置を速やかに調整することができる。
また、地面の状態においては、サブフレームユニット500は、地面に降ろされた状態において前後方向に傾いている場合がある。以下では、地面に降ろされたサブフレームユニット500が、地面の凹凸等により本来の取付姿勢よりも後方に傾いている状態(後傾状態)である場合に、フロントローダ20を車体1に装着する方法について説明する。
車体1を前進させることにより、サブフレーム第一下面513及びサブフレーム第二下面514がローラ135上を後方に相対移動する(図17及び図18と同様)。これにより、サブフレームユニット500は、持ち上げられる。そして、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動し始める。
図24に示すように、サブフレームユニット500は本来の取付姿勢よりも後方に傾いているため、サブフレーム第三下面515は、やや後下がりに傾斜した状態となっている。このため、サブフレームユニット500は、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動することで、メインフレーム100に対して徐々に下降しながら後方に(サブフレーム第三下面515に沿って)相対移動する。
さらに車体1を前進させると、図25に示すように、サブフレーム側ピン511は、メインフレーム側下案内面133に当接し、当該メインフレーム側下案内面133によってメインフレーム側フック132へと案内される。
このとき、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側下案内面133に沿って移動しようとすると同時に、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動しようとする。メインフレーム側下案内面133が前下がりに傾斜しているのに対して、サブフレーム第三下面515は後下がりに傾斜しているため、車体1をさらに前進させると、サブフレーム510が徐々に前方に傾き始める。
それでもサブフレームユニット500は本来の姿勢より後傾しているため、サブフレーム側ピン511とサブフレーム側フック522との高低差は、前傾も後傾もしていない本来の姿勢(図20等参照)におけるサブフレーム側ピン511とサブフレーム側フック522との高低差よりも小さい。よって、さらに車体1を前進させると、図26に示すように、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側上案内面521ではなく(図20参照)サブフレーム側下案内面523に当接し、当該サブフレーム側下案内面523によってサブフレーム側フック522へと案内される。このとき、引き続きサブフレーム側ピン511がメインフレーム側下案内面133によってメインフレーム側フック132へと案内されている。メインフレーム側下案内面133が前下がりに傾斜しているのに対して、サブフレーム側下案内面523は後下がりに傾斜しているため、車体1をさらに前進させると、サブフレーム510がさらに前方に傾けられる。また、サブフレームユニット500がメインフレーム側下案内面133に沿って後上方に相対移動することにより、サブフレーム第三下面515はローラ135から離間する。
さらに車体1を前進させると、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック522に保持されるとともに、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側フック132に保持される(図21参照)。
このように、地面に降ろされたサブフレームユニット500が後傾状態であっても、異なる傾斜角度の2つの案内面(メインフレーム側下案内面133とサブフレーム第三下面515、又はメインフレーム側下案内面133とサブフレーム側下案内面523)で案内することにより、サブフレームユニット500の姿勢を本来の姿勢(角度)に矯正しながら、当該サブフレームユニット500をメインフレーム100に取り付けることができる。
次に、地面に降ろされたサブフレームユニット500が、本来の取付姿勢よりも前方に傾いている状態(前傾状態)である場合に、フロントローダ20を車体1に装着する方法について説明する。
車体1を前進させることにより、サブフレーム第一下面513及びサブフレーム第二下面514がローラ135上を後方に相対移動する(図17及び図18と同様)。これにより、サブフレームユニット500は、持ち上げられる。そして、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動し始める。
図27に示すように、サブフレームユニット500は本来の取付姿勢よりも前方に傾いているため、サブフレーム第三下面515は、やや前下がりに傾斜した状態となっている。このため、サブフレームユニット500は、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動することで、メインフレーム100に対して徐々に上昇しながら後方に(サブフレーム第三下面515に沿って)相対移動する。
サブフレームユニット500は本来の姿勢より前傾しているため、サブフレーム側ピン511とサブフレーム第三下面515との高低差は、前傾も後傾もしていない本来の姿勢(図20等参照)におけるサブフレーム側ピン511とサブフレーム第三下面515との高低差よりも大きい。よって、さらに車体1を前進させると、図28に示すように、サブフレーム側ピン511は、メインフレーム側下案内面133ではなく(図20参照)メインフレーム側上案内面134に当接し、当該メインフレーム側上案内面134によってメインフレーム側フック132へと案内される。
このとき、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側上案内面134に沿って移動しようとすると同時に、サブフレーム第三下面515がローラ135上を移動しようとする。メインフレーム側上案内面134が後下がりに傾斜しているのに対して、サブフレーム第三下面515は前下がりに傾斜しているため、車体1をさらに前進させると、サブフレーム510が徐々に後方に傾けられる(図29参照)。
さらに車体1を前進させると、メインフレーム側ピン131がサブフレーム側フック522に保持されるとともに、サブフレーム側ピン511がメインフレーム側フック132に保持される(図21参照)。このとき、サブフレーム第三下面515はローラ135から離間する。
このように、地面に降ろされたサブフレームユニット500が前傾状態であっても、異なる傾斜角度の2つの案内面(メインフレーム側上案内面134とサブフレーム第三下面515)で案内することにより、サブフレームユニット500の姿勢を本来の姿勢に矯正しながら、当該サブフレームユニット500をメインフレーム100に取り付けることができる。
また、サブフレーム側ピン511は、メインフレーム側下案内面133及びメインフレーム側上案内面134によって上下から案内することができるので、サブフレーム側ピン511の高さが本来の取付高さとずれていても、メインフレーム側フック132に案内することができる。同様に、メインフレーム側ピン131は、サブフレーム側下案内面523及びサブフレーム側上案内面521によって上下から案内することができるので、サブフレーム側フック522の高さが本来の取付高さとずれていても、メインフレーム側ピン131をサブフレーム側フック522に案内することができる。
以上の如く、本実施形態に係るフロントローダ20の着脱構造は、車体1に設けられたメインフレーム100に設けられたメインフレーム側ピン131(被保持部)又は前記メインフレーム100に着脱可能であってブーム300を支持するサブフレーム510に設けられたサブフレーム側ピン511(被保持部)と、前記メインフレーム100に設けられ、前記サブフレーム側ピン511を保持するメインフレーム側フック132(保持部)又は前記サブフレーム510に設けられ、前記メインフレーム側ピン131を保持するサブフレーム側フック522(保持部)と、前記メインフレーム100に回転可能に設けられたローラ135と、前記サブフレーム510に水平面に対して傾斜するように設けられ、前記サブフレーム510を前記メインフレーム100に装着する装着時において前記メインフレーム100を前記サブフレーム510に対して近接するように前方に相対移動させると、前記ローラ135と当接しながら当該ローラ135上を移動することで、前記サブフレーム側ピン511(被保持部)と前記メインフレーム側フック132(保持部)との上下方向の位置及びメインフレーム側ピン131(被保持部)とサブフレーム側フック522(保持部)との上下方向の位置を調整可能なサブフレーム第一下面513、サブフレーム第二下面514及びサブフレーム第三下面515(当接部)と、を具備するものである。
このように構成することにより、車体1への着脱作業の容易化を図ることができる。具体的には、車体1への装着時において、メインフレーム100とサブフレーム510との上下方向の位置合わせを行い易くすることができる。
また、前記当接部は、少なくとも一部が前下がりに傾斜するように形成されているものである。
このように構成することにより、車体1への装着時において、サブフレーム510が取付位置よりも低い位置にある場合に、サブフレーム510を持ち上げながらメインフレーム100とサブフレーム510との位置合わせを行うことができる。
また、前記当接部は、前下がりに傾斜するように形成されたサブフレーム第一下面513(第一部分)と、前記サブフレーム第一下面513の前方に連続して設けられ、前記サブフレーム第一下面513よりも緩やかに前下がりに傾斜するサブフレーム第二下面514(第二部分)と、を具備するものである。
このように構成することにより、車体1への装着時において、サブフレーム510が取付位置よりも低い位置にある場合に、まずサブフレーム第一下面513でサブフレーム510を持ち上げ、次にサブフレーム第二下面514によりメインフレーム100とサブフレーム510との上下方向の位置合わせを行うことができる。
また、前記メインフレーム100に設けられ、前記装着時において、前記サブフレーム側ピン511を前記メインフレーム側フック132へと案内するメインフレーム側下案内面133及びメインフレーム側上案内面134(案内部)と、前記サブフレーム510に設けられ、前記装着時において、前記メインフレーム側ピン131を前記サブフレーム側フック522へと案内するサブフレーム側上案内面521及びサブフレーム側下案内面523(案内部)と、を具備し、前記当接部は、前記装着時において前記ローラ135上を移動することで、前記サブフレーム側ピン511を前記メインフレーム側フック132へと案内し、前記メインフレーム側ピン131を前記サブフレーム側フック522へと案内するように形成されているものである。
このように構成することにより、車体1への装着時において、ローラ135と当接部(サブフレーム第一下面513及びサブフレーム第二下面514)によってメインフレーム100とサブフレーム510との上下方向の大まかな位置合わせを行った後、案内部(メインフレーム側下案内面133及びメインフレーム側上案内面134、並びにサブフレーム側上案内面521及びサブフレーム側下案内面523)によって正確な位置合わせを行うことができる。
また、前記案内部は、前記装着時において前記サブフレーム側ピン511に下方から当接可能に形成され、当該サブフレーム側ピン511を前記メインフレーム側フック132に向けて案内するように傾斜するメインフレーム側下案内面133(第一案内部)と、前記装着時において前記メインフレーム側ピン131に下方から当接可能に形成され、当該メインフレーム側ピン131を前記サブフレーム側フック522に向けて案内するように傾斜するサブフレーム側下案内面523(第一案内部)と、前記装着時において前記サブフレーム側ピン511に上方から当接可能に形成され、当該サブフレーム側ピン511を前記メインフレーム側フック132に向けて案内するように傾斜するメインフレーム側上案内面134(第二案内部)と、前記装着時において前記メインフレーム側ピン131に上方から当接可能に形成され、当該メインフレーム側ピン131を前記サブフレーム側フック522に向けて案内するように傾斜するサブフレーム側上案内面521(第二案内部)と、を具備するものである。
このように構成することにより、車体1への装着時において、メインフレーム100とサブフレーム510との上下方向の位置合わせを行い易くすることができる。
また、前記当接部は、前下がりに傾斜するように形成されたサブフレーム第一下面513(第一部分)と、前記サブフレーム第一下面513の前方に連続して設けられ、前記サブフレーム第一下面513よりも緩やかに前下がりに傾斜するサブフレーム第二下面514(第二部分)と、前記サブフレーム第二下面514の前方に連続して設けられ、略水平に、かつ、前記案内部と異なる傾斜角度に形成されたサブフレーム第三下面515(第三部分)と、を具備し、前記サブフレーム第三下面515は、前記装着時において、前記被保持部が前記案内部によって前記保持部へと案内されているときに、前記ローラ135上を移動するように形成されているものである。
このように構成することにより、車体1への装着時において、サブフレーム510の角度を調整することができる。
また、前記ローラ135は、前記車体1の幅方向中央部が小径となる鼓状に形成されているものである。
このように構成することにより、車体1への装着時において、メインフレーム100とサブフレーム510との車体1の幅方向の位置合わせを行い易くすることができる。
また、本実施形態に係るフロントローダ20は、上述の着脱構造を具備するものである。
このように構成することにより、車体1への着脱作業の容易化を図ることができるフロントローダ20を提供することができる。
また、本実施形態に係るトラクタ(作業車)は、上述のフロントローダ20を備えるものである。
このように構成することにより、フロントローダ20の車体1への着脱作業の容易化を図ることができるトラクタ(作業車)を提供することができる。
なお、本実施形態に係るメインフレーム側ピン131及びサブフレーム側ピン511は、本発明に係る被保持部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るメインフレーム側フック132及びサブフレーム側フック522は、本発明に係る保持部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るメインフレーム側下案内面133及びメインフレーム側上案内面134、並びにサブフレーム側上案内面521及びサブフレーム側下案内面523は、本発明に係る案内部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るメインフレーム側下案内面133及びサブフレーム側下案内面523は、本発明に係る第一案内部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るメインフレーム側上案内面134及びサブフレーム側上案内面521は、本発明に係る第二案内部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るサブフレーム第一下面513は、本発明に係る第一部分の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るサブフレーム第二下面514は、本発明に係る第二部分の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るサブフレーム第三下面515は、本発明に係る第三部分の実施の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、保持部と被保持部がそれぞれ2つずつ設けられるものとしたが、それぞれ1つずつ設けられるものであってもよい。すなわち、メインフレーム側フック132(保持部)及びサブフレーム側ピン511(被保持部)のセット、又はサブフレーム側フック522(保持部)及びメインフレーム側ピン131(被保持部)のセットのいずれかのセットのみ設けられるものであってもよい。
また、本実施形態においては、案内部は上下一対設けられるものとしたが、上側の案内部又は下側の案内部のいずれかのみ設けられるものであってもよい。すなわち、メインフレーム側下案内面133又はメインフレーム側上案内面134のいずれかのみ設けられるものであってもよく、また、サブフレーム側上案内面521又はサブフレーム側下案内面523のいずれかのみ設けられるものであってもよい。
また、本実施形態においては、サブフレーム第一下面513は、サブフレーム510の下面のうち後部に形成されるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えばサブフレーム510の下面のうち前後中途部に形成されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、サブフレーム510の下面は、傾斜角度の異なる複数の平面(サブフレーム第一下面513、サブフレーム第二下面514及びサブフレーム第三下面515)により構成されるものとしたが、前方に向かうにつれて傾斜角度が緩やかになる曲面により構成されるものであってもよい。
以下では、図30から図44までを用いて、フロントローダ20が具備するスタンド200について具体的に説明する。
図30から図33までに示すスタンド200は、トラクタの車体1から取り外されたフロントローダ20を自立させるためのものである。スタンド200は、左右のブーム300の前下部にそれぞれ1つずつ(左右一対)設けられる。スタンド200は、ブーム300に沿うように収納される収納位置と、接地してフロントローダ20の重量を支持可能な支持位置と、に切り換えることが可能である。
なお、図30から図39までは、スタンド200が収納位置にある状態を示している。以下では、スタンド200が収納位置にある状態を基準として、当該スタンド200の構成について説明する。また、左右のスタンド200は同一の構成であるため、以下では主に一方のスタンド200(右側のブーム300に設けられたスタンド200)に着目して説明を行う。
スタンド200は、主として本体部210、接地部揺動軸220、接地部230、揺動部240、係合レバー250及び付勢部材260を具備する。
図32から図35までに示す本体部210は、ブーム300に対して揺動可能に設けられるものである。本体部210は、一方向に長く延びる長手状に形成される。本体部210は、長手方向断面視略U字状に形成される。具体的には、本体部210は、主として底面部211、左側面部212、右側面部213、揺動軸214、案内部215、保持部216、摺動部217及びブラケット218を具備する。
底面部211は、本体部210の底面を形成する部分である。底面部211は、板面を略上下方向に向けた板状に形成される。底面部211は、略前後方向に長く延びるように形成される。
左側面部212及び右側面部213は、本体部210の側面を形成する部分である。左側面部212及び右側面部213は、底面部211の左右両端部から略上方に向かって延びるように形成される。左側面部212及び右側面部213は、板面を左右方向に向けた板状に形成される。左側面部212及び右側面部213は、底面部211の長手方向全域に亘るように形成される。
揺動軸214は、本体部210をブーム300に対して揺動可能に連結するものである。揺動軸214は、軸線を左右に向けた略円柱状に形成される。揺動軸214は、左側面部212及び右側面部213の前端部近傍を左右に貫通するように配置される。揺動軸214は、ブーム300の前下部に設けられた本体部ブラケット310に対して回動可能に支持される。当該揺動軸214によって、本体部210は、ブーム300に対して上下に揺動可能に連結される。
図36及び図37に示す案内部215は、後述する係合レバー250を案内する部分である。案内部215は、右側面部213を左右に貫通する孔により形成される。案内部215は、本体部210(右側面部213)の前後中途部に形成される。案内部215は、主として第一案内部215a及び第二案内部215bを具備する。
第一案内部215aは、本体部210(右側面部213)の長手方向と略平行に形成される。より具体的には、第一案内部215aは、揺動軸214の軸方向から見て(側面視)、当該揺動軸214(本体部210の揺動中心)を通る直線に沿って延びるように形成されている。第一案内部215aは、所定の長さだけ延びるように形成される。第一案内部215aの長さは、スタンド200の姿勢(収納位置や支持位置)に応じて適宜決定される。
第二案内部215bは、第一案内部215aの一端(前端)と連続するように形成される。第二案内部215bは、本体部210の長手方向(すなわち、第一案内部215a)に対して略垂直に延びるように形成される。第二案内部215bは、第一案内部215aの前端部から下方に向かって延びるように形成される。より具体的には、第二案内部215bは、揺動軸214の軸方向から見て、当該揺動軸214を通らない直線に沿って延びるように形成されている。第二案内部215bは、所定の長さだけ延びるように形成される。第二案内部215bの長さは、フロントローダ20を脱着する際における当該フロントローダ20の揺動量に応じて適宜決定される。
保持部216は、後述する係合レバー250を保持する部分である。保持部216は、左側面部212を左右に貫通する孔により形成される。保持部216は、右側面部213に形成された第二案内部215bと左右に対向する位置に形成される。また保持部216は、側面視において当該第二案内部215bと同一形状に形成される。すなわち、保持部216は、本体部210の長手方向に対して略垂直に延びるように形成される。
図38及び図39に示す摺動部217は、後述する接地部揺動軸220を摺動可能となるように案内する部分である。摺動部217は、左側面部212及び右側面部213を左右に貫通する一対の孔により形成される。摺動部217は、本体部210(左側面部212及び右側面部213)の後端部近傍に形成される。摺動部217は、左側面部212及び右側面部213の長手方向と略平行に所定の長さだけ延びるように形成される。摺動部217の長さは、後述する接地部揺動軸220と係合部330とを係合、又は当該係合を解除させることができる程度の長さに適宜決定される。
ブラケット218は、底面部211に固定される板状の部分である。ブラケット218は、底面部211の上面の後端部近傍(摺動部217より前方)に設けられる。ブラケット218は、板面を略前後に向けて、底面部211に対して垂直となるように設けられる。
接地部揺動軸220は、後述する接地部230を本体部210に対して揺動可能に連結するものである。接地部揺動軸220は、軸線を左右に向けた略円柱状に形成される。本実施形態では、接地部揺動軸220として、本体部210の左右幅(左側面部212と右側面部213の左右幅)よりも長いボルトが用いられる。接地部揺動軸220は、本体部210の摺動部217に挿通される。これによって接地部揺動軸220は、摺動部217の長手方向に沿って当該摺動部217内を摺動することができる。接地部揺動軸220には、付勢部材221が係合される。
付勢部材221は、接地部揺動軸220を一方向に向かって付勢するものである。付勢部材221は、引っ張りコイルばねにより構成される。付勢部材221の一端は、接地部揺動軸220に係合される。付勢部材221の他端は、ブラケット218に係合される。これによって接地部揺動軸220は、摺動部217内を前方に向かって摺動するように、常時付勢される。
なお、図38に示すように、スタンド200が収納位置に切り換えられている状態では、接地部揺動軸220はブーム300の下面に設けられた係合部330と係合する。係合部330は、ブーム300から下方に延びるように形成されると共に、下端部が後方に向かって突出するような側面視略L字状に形成される。接地部揺動軸220は、当該係合部330の下端部と係合することができる。
図32、図38及び図39に示す接地部230は、フロントローダ20を自立させる際に接地する部分である。接地部230は、鋼板の左右両端部をそれぞれ上方に向けて屈曲させることで、上方に向かって開放された溝形鋼状に形成される。接地部230の左右両側面の間には、本体部210の後端部が挿通される。この状態で、接地部揺動軸220が当該接地部230の左右両側面に挿通される。これによって接地部230は、接地部揺動軸220を介して本体部210に揺動可能に連結される。
図36及び図37に示す揺動部240は、本体部210の揺動に伴って揺動する部分である。揺動部240は、主として胴体部241、第一連結部242及び第二連結部243を具備する。
胴体部241は、長手状に形成され、揺動部240の中央部分を形成する部材である。胴体部241の両端部には、それぞれねじ孔(不図示)が形成される。
第一連結部242は、ブーム300に対して連結される部分である。第一連結部242の一端部(後端部)にはねじ山が形成され、胴体部241の一端部(前端部)のねじ孔に締結される。第一連結部242の他端部(前端部)は、ブーム300に対して上下に回動可能に連結される。具体的には、ブーム300の前下部(本体部ブラケット310のすぐ後方)には、揺動部ブラケット320が設けられる。第一連結部242の前端部は、軸部材を介して当該揺動部ブラケット320に回動可能に連結される。
第二連結部243は、後述する係合レバー250を介して本体部210に対して連結される部分である。第二連結部243の一端部(前端部)にはねじ山が形成され、胴体部241の他端部(後端部)のねじ孔に締結される。第二連結部243の他端部(後端部)は、後述する係合レバー250を介して本体部210と連結される。
揺動部240は、胴体部241を適宜の方向に回転させることで、当該胴体部241に対する第一連結部242及び第二連結部243の締結位置を変更し、当該揺動部240の全長を任意に変更することができる。これによって揺動部240は、ブーム300との連結位置(ブーム300に対する揺動中心)から係合レバー250との連結位置までの長さを任意に変更することができる。
係合レバー250は、揺動部240と本体部210とを連結すると共に、本体部210の揺動を適宜規制するものである。係合レバー250は、主として挿通部251、把持部252及びピン253を具備する。
挿通部251は、本体部210及び揺動部240に挿通される部分である。挿通部251は、軸線を左右に向けた略円柱状に形成される。挿通部251は、揺動部240の第二連結部243に対して左右に摺動可能となるように挿通される。また挿通部251の左端部は、本体部210の案内部215を介して当該本体部210の外部まで延設される。これによって、挿通部251(係合レバー250)は、案内部215に沿って移動するように案内されると共に、当該案内部215によって移動範囲が規制される。
把持部252は、係合レバー250を操作する際に作業者によって握られる部分である。把持部252は、挿通部251の左端部から当該挿通部251に略垂直な方向に延びるように形成される。把持部252は、本体部210の外側(左方)に位置するように形成される。挿通部251及び把持部252は、1本の円柱状の鋼材を屈曲させることで形成することができる。
図37に示すピン253は、後述する付勢部材260と当接する部分である。ピン253は、本体部210の内側(左側面部212と右側面部213との間)において、挿通部251に固定される。
付勢部材260は、係合レバー250を一方向に向かって付勢するものである。付勢部材260は、圧縮コイルばねにより構成される。付勢部材260は、係合レバー250の挿通部251に挿通され、第二連結部243の左端部と、ピン253との間に配置される。これによって付勢部材260は、ピン253(すなわち、係合レバー250)を常時右方に向かって付勢する。
以下では、上述の如く構成されたスタンド200が収納位置にある状態について説明する。
図32及び図33に示すように、スタンド200(本体部210)が収納位置にある場合、本体部210はブーム300に沿うように配置されている。この際、図38に示すように、接地部揺動軸220は係合部330と係合している。当該接地部揺動軸220は付勢部材221によって前方(係合部330と係合する方向)に付勢されているため、フロントローダ20に多少の衝撃等が発生したとしても当該接地部揺動軸220の係合が解除されることはない。
このように、接地部揺動軸220が係合部330と係合することにより、本体部210がブーム300に対して揺動するのを規制することができる。すなわち、接地部揺動軸220と係合部330との係合によって、本体部210を収納位置に保持することができる。
次に、スタンド200が収納位置から支持位置に切り換えられる様子について説明する。
スタンド200を支持位置に切り換える場合、まず作業者は、図40に示すように、接地部230を握って当該接地部230を後方へと摺動させる。これによって、接地部揺動軸220が付勢部材221の付勢力に抗して摺動部217内を後方へと摺動する。接地部揺動軸220が後方へと摺動すると、当該接地部揺動軸220と係合部330との係合が解除される。この状態では、本体部210がブーム300に対して揺動可能となる。
このように、スタンド200(本体部210)を収納位置から支持位置に切り換える場合、作業者は接地部230を摺動させるだけで(図40参照)本体部210の係合を容易に解除することができる。
次に作業者は、図41に示すように、本体部210を下方へと揺動させる。この際、図42に示すように、本体部210の揺動に伴って、係合レバー250が本体部210の案内部215(第一案内部215a)内を、第二案内部215b側に向かって移動する。この際、係合レバー250の移動範囲は案内部215内に限られているため、本体部210の揺動可能な範囲も規制される。これによって、本体部210が意図しない位置まで揺動するのを防止することができる。
本体部210が支持位置まで到達すると、図43に示すように、係合レバー250の挿通部251が、本体部210に形成された保持部216と対向する位置まで到達する。挿通部251が保持部216と対向すると、付勢部材260の付勢力によって挿通部251が右方へと摺動し、保持部216に挿通される。
挿通部251が保持部216に挿通されると、当該保持部216によって挿通部251(係合レバー250)の移動が規制される。これによって、本体部210がブーム300に対して揺動するのを規制することができる。すなわち、係合レバー250と保持部216との係合によって、本体部210を支持位置に保持することができる。
図44に示すように、支持位置に切り換えられたスタンド200によって、トラクタの車体1から取り外されたフロントローダ20を自立させることができる。すなわち、スタンド200の接地部230とバケット400で接地することで、フロントローダ20を安定して支持することができる。
また、上述(スタンド200を収納位置から支持位置に切り換える際の手順)とは概ね逆の手順によって、スタンド200を支持位置から収納位置に切り換えることができる。
すなわち、作業者は、図43に示す状態(保持部216に係合した状態)の係合レバー250の把持部252を握って、当該係合レバー250を左方へと摺動させる。これによって、係合レバー250と保持部216との係合が解除され、本体部210が揺動可能となる。
このように、スタンド200(本体部210)を支持位置から収納位置に切り換える場合、作業者は係合レバー250を摺動させるだけで本体部210の係合を容易に解除することができる。
この状態で、作業者は、本体部210を上方に揺動させ、接地部揺動軸220を係合部330に係合させる(図38参照)。これによって、本体部210を収納位置に保持することができる。
このように、本実施形態のスタンド200は、収納位置と支持位置を切り換える際に、部品(本体部210の揺動を規制するための固定ピン等)の脱着が不要であるため、位置の切り換え作業を容易に行うことができる。また、部品の脱着が不要であるため、当該部品の紛失等も発生することがない。
以下では、スタンド200が支持位置に切り換えられた状態で、フロントローダ20の揺動が許容されている様子について説明する。
図44に示すように、支持位置において係合レバー250と係合する保持部216(及び第二案内部215b)は、本体部210の長手方向に対して略垂直に延びるように形成されている。これによって、係合レバー250は保持部216内を当該保持部216が延びる方向に沿って多少移動することができる。
このように、支持位置において係合レバー250の移動が許容されているため、車体1から取り外されたフロントローダ20の姿勢を若干変化させることができる。具体的には、フロントローダ20の前部(バケット400)を支点として、後部(サブフレームユニット500)を若干上下に移動(揺動)させることができる。
このように、サブフレームユニット500の上下への移動が許容されているため、フロントローダ20の脱着を容易に行うことができる。特に本実施形態に係るフロントローダ20は、車体1から取り外す際にサブフレームユニット500が若干下がるように移動するが、スタンド200によって当該移動が許容されているため、フロントローダ20を円滑に取り外すことができる。またフロントローダ20を車体1に取り付ける際には、サブフレームユニット500が持ち上げられるように移動するが、スタンド200によって当該移動も許容されているため、フロントローダ20を円滑に取り付けることができる。
以上、左右一対のスタンド200のうち一方(右側のスタンド200)の構成について説明を行ったが、もう一方のスタンド200(左側のスタンド200)についても同様に構成されている。
具体的には、図30及び図31に示すように、左右一対のスタンド200は、左右対称ではなく、同じ形状となるように構成されている。すなわち、どちらのスタンド200も、本体部210の左側面(左側面部212)に保持部216が形成されている。またどちらのスタンド200も、本体部210の右側面(右側面部213)に案内部215が形成され、当該案内部215から係合レバー250が突出している。
このように、どちらのスタンド200も同じ形状に構成されているため、スタンド200の状態を容易に確認することができる。具体的には、作業者は、図30に示すように車体1(フロントローダ20)の左側から左右のスタンド200を目視することで、左右のスタンド200の保持部216を一度に確認することができる。これによって、保持部216に係合レバー250が挿通されているかどうか、すなわちスタンド200が支持位置にあるかどうかをまとめて確認することができる。また作業者は、図31に示すように車体1(フロントローダ20)の右側から左右のスタンド200を目視することで、左右のスタンド200の案内部215及び係合レバー250を一度に確認することができる。これによって、係合レバー250の位置(ひいては、スタンド200の姿勢)をまとめて確認することができる。
また左右一対のスタンド200を同じ形状とすることで、左右のスタンド200の部品を共通化することができ、ひいてはコストの削減を図ることができる。
以上の如く、本実施形態に係るフロントローダ20のスタンド200は、
ブーム300に設けられ、フロントローダ20を支持可能な支持位置と、収納される収納位置と、の間で揺動可能な本体部210と、
前記本体部210に設けられ、前記ブーム300に対して係合することで、前記本体部210を前記収納位置に保持可能な収納位置保持部(接地部揺動軸220)と、
前記ブーム300に対して揺動可能に設けられた揺動部240と、
前記揺動部240に設けられた被案内部(係合レバー250)と、
前記本体部210に設けられ、前記被案内部を案内することで、前記本体部210の揺動範囲を規制する案内部215と、
を具備するものである。
このように構成することにより、スタンド200を容易に使用することができる。すなわち、スタンド200の位置を固定するためのピン等の固定部材を別途用いる必要がないため、スタンド200の位置の変更を容易に行うことができる。また、本体部210の揺動範囲を規制することで、スタンド200の操作性を向上させることができる。
また、前記揺動部240は、
前記ブーム300に対する揺動中心から前記被案内部までの長さを変更可能なものである。
このように構成することにより、フロントローダ20の形状やアタッチメント等に応じて本体部210の姿勢を調節することができる。
また、スタンド200は、
前記本体部210に設けられ、前記本体部210が前記支持位置まで揺動した際に前記被案内部と係合することで、前記本体部210を前記支持位置に保持可能な支持位置保持部(保持部216)をさらに具備するものである。
このように構成することにより、本体部210を支持位置でも保持することができるため、フロントローダ20を安定して支持することができる。
また、前記被案内部は、
前記支持位置保持部に係合する係合方向(右方)と、当該支持位置保持部との係合が解除される解除方向(左方)と、に移動可能であり、
前記被案内部を前記係合方向に付勢する付勢部材260をさらに具備するものである。
このように構成することにより、本体部210を支持位置で容易に保持することができる。すなわち、付勢部材260の付勢力によって被案内部を支持位置保持部に容易に係合させることができる。また、付勢部材260の付勢力に抗して被案内部を解除方向に移動させることで、当該被案内部の係合を容易に解除することができる。
また、前記支持位置保持部は、
前記本体部210の揺動軸方向から見て、前記本体部210の揺動中心を通らない直線に沿って延びる長孔状に形成されるものである。
このように構成することにより、フロントローダ20の脱着の際の上下への移動(姿勢の変化)を許容することができ、当該フロントローダ20の脱着を容易に行うことができる。
また、前記案内部215は、
前記本体部210が前記支持位置まで揺動した際に前記被案内部を案内する部分であり、前記本体部210の揺動軸方向から見て、前記本体部210の揺動中心を通らない直線に沿って延びる支持時案内部(第二案内部215b)を具備するものである。
このように構成することにより、本体部210を支持位置で保持する際の、フロントローダ20の上下への移動(姿勢の変化)を許容し易くすることができ、当該フロントローダ20の脱着を容易に行うことができる。
また、前記フロントローダ20のスタンド200は、
少なくとも左右一対設けられ、
左右一対の前記スタンド200の前記支持位置保持部は、
それぞれの前記本体部210のうち、互いに同じ方向の側面に形成されているものである。
このように構成することにより、フロントローダ20に対して同一方向(一側方)から一対のスタンド200を目視することで、当該一対のスタンド200の状態(具体的には、本体部210が支持位置に保持されているか否か)をまとめて確認することができ、確認作業を容易に行うことができる。
また、スタンド200は、
前記本体部210に設けられ、前記フロントローダ20を支持する際に地面と接地する接地部230をさらに具備し、
前記収納位置保持部は、
前記本体部210に対して前記接地部230を揺動可能に連結すると共に、
前記本体部210に対して摺動可能に設けられ、摺動することによって、前記ブーム300に対して係合する状態と、前記ブーム300に対する係合が解除された状態と、を切り替え可能であるものである。
このように構成することにより、スタンド200を容易に使用することができる。すなわち、簡易な操作(収納位置保持部の摺動)によって、本体部210の収納位置での保持と当該保持の解除を行うことができる。また、本体部210を収納位置に保持する収納位置保持部を、接地部の揺動軸部分としても使用(兼用)することで、構成の簡素化を図ることができる。
また、フロントローダ20は、上記スタンド200を具備するものである。
また、トラクタは、上記フロントローダ20を具備するものである。
このように構成することにより、スタンド200を容易に使用することができる。
なお、本実施形態に係る接地部揺動軸220は、本発明に係る収納位置保持部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る係合レバー250は、本発明に係る被案内部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る保持部216は、本発明に係る支持位置保持部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二案内部215bは、本発明に係る支持時案内部の実施の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、左右のスタンド200を同じ形状としたが、例えば左右対称な形状とすることも可能である。
また、本実施形態ではスタンド200を2つ(左右一対)設けるものとしたが、スタンド200の個数は限定するものではない。
また、案内部215(第一案内部215a及び第二案内部215b)や保持部216の形状(すなわち、係合レバー250を案内する方向)は、フロントローダ20の形状等に応じて任意に変更することが可能である。
また、本実施形態では、接地部230の軸(接地部揺動軸220)を、本体部210を収納位置に保持する保持部(収納位置保持部)としても兼用するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、接地部230の軸と、収納位置保持部とを、別途設けることも可能である。