JP2019189689A - 鋼板用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温で良好な洗浄性を維持しながら、高濃度で安定に保管できる、鋼板用洗浄剤組成物、当該洗浄剤組成物を用いる洗浄方法、及び当該洗浄方法を製造工程に含む鋼板の製造方法を提供すること。【解決手段】無機アルカリ剤(成分A)、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩(成分B)、下記式(1)に示す非イオン界面活性剤(成分C)、下記式(2)に示すアルキルグルコシド(成分D)、下記式(3)に示す脂肪酸又はその塩(成分E)、及び水(成分F)を含有し、成分Aの含有量が25質量%以上34質量%以下、成分Dの含有量が0.3質量%以上2.9質量%以下、成分Fの含有量が57質量%以上74質量%以下である、鋼板用洗浄剤組成物。R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)R2−Gx (2)R3−COOM (3)【選択図】 なし
Description
本発明は、鋼板用洗浄剤組成物、当該洗浄剤組成物を用いる洗浄方法、及び当該洗浄方法を製造工程に含む鋼板の製造方法に関する。
鋼板の洗浄は、鋼板表面の塗装等の表面処理を行う前処理として必要であり、製品の良否を決定づける非常に大きな因子である。鋼板表面に付着している汚れとしては、冷間圧延時に付着する圧延油、防錆油などの油汚れ等が挙げられる。近年の鋼板の冷間圧延においては、ミル清浄性や生産性向上に適した圧延油が用いられるようになり、当該圧延油に対する優れた洗浄性が求められている。
さらに、環境意識の高まりによって炭酸ガス排出の削減が求められているが、それは鉄鋼の生産においても例外ではない。そのため、炭酸ガス排出につながるエネルギーコストを抑制するために、鋼板の洗浄において、従来の70〜90℃での洗浄温度に対して、より低温でも優れた洗浄性を発揮する洗浄剤の開発が試みられている。
一方、世の中の多様なニーズに対応するため、メッキ鋼板などの表面処理を施し、鋼板の価値を向上させた多種多様な鋼板が開発され、鋼板としての生産量も非常に増加しており、生産性の向上が求められている。生産性向上には製造の各工程での効率化が必要であり、鋼板の幅を広げたり処理速度を速めることで、単位時間当たりの処理面積を大きくする改良が行なわれている。また、過大なコストを要する設備更新ではなく、老朽化した設備を改良して処理速度を上げるといった設備改良も盛んに行われている。このように生産性を向上させるために、洗浄工程においては、洗浄速度を早くし、短時間で洗浄できる高洗浄性の洗浄剤が求められている。また、高速化及び鋼板の幅広化に伴い、洗浄タンクから単位時間当たりに持ち出される洗浄液の量が多くなり、洗浄液の追加補給量が多くなる傾向にある。補給量が増えることで洗浄液の温度低下が起こり、昇温するための蒸気等のエネルギー量が増大し、さらに洗浄剤の貯蔵量を多くする必要があるため、低温度で高洗浄性かつ高濃縮型の洗浄剤が求められている。
このような背景で様々な濃縮型洗浄剤が開発されてきた。例えば、特許文献1には、強アルカリ剤、HLB3〜18の非イオン界面活性剤を含有し、特定の2種のカルボン酸を含有する強アルカリ性水溶性組成物が記載されている。
特許文献2には、(a)アルカリ剤、(b)非イオン界面活性剤及び(c)可溶化剤を含有し、可溶化剤が、一般式(I)で表されるカルボン酸又はその塩(以下可溶化剤(I)という)、一般式(II)で表されるカルボン酸又はその塩(以下可溶化剤(II)という)及び一般式(III)で表されるカルボン酸又はその塩(以下可溶化剤(III)という)からなり、且つ可溶化剤(I)、(II)及び(III)の配合割合が重量比で、(I):[(II)+(III)]=95:5〜35:65、(II):(III)=70:30〜30:70である、アルカリ性水溶液組成物が記載されている。
特許文献3には、(a)アルカリ剤:10〜50重量%、(b)非イオン性アルキレンオキサイド付加物:0.1〜10重量%、(c)炭素数2〜4のアルキルポリグリコシド:0.1〜10重量%、(d)炭素数6〜16のアルキルポリグリコシド:0.1〜10重量%、(e)水:残量%を含有してなる洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献4には、アルカリ剤、特定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び特定の水溶性高分子カルボン酸類を含み、液体状又はスラリー状で流動性があることを特徴とする鋼板用アルカリ洗浄剤組成物が記載されている。
しかしながら、鋼板洗浄において、特許文献1〜3に記載の洗浄剤組成物は、高いアルカリ剤濃度での濃縮化が不十分であり、低温における洗浄性も不十分であった。また、特許文献4に記載の洗浄剤組成物は、高濃縮化及び低温洗浄可能であるが、安定性が低いため長期保管において攪拌装置を要し、粘度が高い為に配送が困難となり、配管を太くしたり強力なポンプを必要とするなどの問題がある。従って、低温で良好な洗浄性を維持しながら、高濃度で安定に保管できる鋼板用洗浄剤組成物が求められている。
本発明は、無機アルカリ剤(成分A)、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩(成分B)、下記式(1)に示す非イオン界面活性剤(成分C)、下記式(2)に示すアルキルグルコシド(成分D)、下記式(3)に示す脂肪酸又はその塩(成分E)、及び水(成分F)を含有し、成分Aの含有量が25質量%以上34質量%以下、成分Dの含有量が0.3質量%以上2.9質量%以下、成分Fの含有量が57質量%以上74質量%以下である、鋼板用洗浄剤組成物、当該洗浄剤組成物を用いる洗浄方法、及び当該洗浄方法を製造工程に含む鋼板の製造方法を提供する。
R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(式(1)において、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは2以上20以下、mは0以上20以下を満たす数であり、{ }内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)
R2−Gx (2)
(式(2)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Gはグルコースに由来する残基を示し、xはグルコースに由来する残基の平均縮合度を示し、1以上5以下である。)
R3−COOM (3)
(式(3)において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオン又は水素原子を示す。)
R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(式(1)において、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは2以上20以下、mは0以上20以下を満たす数であり、{ }内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)
R2−Gx (2)
(式(2)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Gはグルコースに由来する残基を示し、xはグルコースに由来する残基の平均縮合度を示し、1以上5以下である。)
R3−COOM (3)
(式(3)において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオン又は水素原子を示す。)
本発明によれば、低温で良好な洗浄性を維持しながら、高濃度で安定に保管できる、鋼板用洗浄剤組成物、当該洗浄剤組成物を用いる洗浄方法、及び当該洗浄方法を製造工程に含む鋼板の製造方法を提供することができる。
<鋼板用洗浄剤組成物>
本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物は、無機アルカリ剤(成分A)、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩(成分B)、下記式(1)に示す非イオン界面活性剤(成分C)、下記式(2)に示すアルキルグルコシド(成分D)、下記式(3)に示す脂肪酸又はその塩(成分E)、及び水(成分F)を含有し、成分Aの含有量が25質量%以上34質量%以下、成分Dの含有量が0.3質量%以上2.9質量%以下、成分Fの含有量が57質量%以上74質量%以下である。
R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(式(1)において、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは2以上20以下、mは0以上20以下を満たす数であり、{ }内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)
R2−Gx (2)
(式(2)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Gはグルコースに由来する残基を示し、xはグルコースに由来する残基の平均縮合度を示し、1以上5以下である。)
R3−COOM (3)
(式(3)において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオン又は水素原子を示す。)
本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物は、無機アルカリ剤(成分A)、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩(成分B)、下記式(1)に示す非イオン界面活性剤(成分C)、下記式(2)に示すアルキルグルコシド(成分D)、下記式(3)に示す脂肪酸又はその塩(成分E)、及び水(成分F)を含有し、成分Aの含有量が25質量%以上34質量%以下、成分Dの含有量が0.3質量%以上2.9質量%以下、成分Fの含有量が57質量%以上74質量%以下である。
R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(式(1)において、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは2以上20以下、mは0以上20以下を満たす数であり、{ }内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)
R2−Gx (2)
(式(2)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Gはグルコースに由来する残基を示し、xはグルコースに由来する残基の平均縮合度を示し、1以上5以下である。)
R3−COOM (3)
(式(3)において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオン又は水素原子を示す。)
本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。すなわち、無機アルカリ剤(成分A)が高濃度で溶解した水(成分F)中では、水分子が無機アルカリ剤の陽イオン近傍に固定化されフリーな水分子の数が少なく、比較的親水性の低い非イオン界面活性剤(成分C)は水中に安定に存在できず、分離してしまう。特定のアルキルグルコシド(成分D)を特定比率(濃度)で添加することで、この非イオン界面活性剤(成分C)と水(成分F)との間に成分Dが作用し、可溶化すると推定される。また、特定の脂肪酸又はその塩(成分E)が成分Dの作用を補助し、安定性が向上すると推定される。一方、無機アルカリ剤(成分A)は、鋼板に付着する圧延油等の油性汚れを鹸化させ、石鹸等の鋼板表面から除去しやすい形態に変化させる作用を有し、非イオン界面活性剤(成分C)は、塩の影響を受けず、疎水性の油性汚れに作用し親水化してアルカリ剤の作用を促進するため、洗浄性を向上させることができる。しかし、成分Dが多く存在すると、成分Cとの親和性が強い為、成分Cの界面活性能を低下させてしまい、洗浄性を低下させてしまうと推定される。従って、成分A、成分D及び成分Fを特定濃度にすることで、高濃縮化及び高洗浄性を両立できるものと推定される。但し、本開示はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
〔無機アルカリ剤(成分A)〕
成分Aは、無機アルカリ剤であればいずれのものも使用できる。無機アルカリ剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム等のアルカリ金属の珪酸塩、リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸ナトリウム等のアルカリ金属のホウ酸塩等を用いることができる。二種以上の無機アルカリ剤を組み合わせてもよい。有機汚れの除去性を確保し洗浄性を高める観点から、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属の珪酸塩が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソ珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムがより好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが更に好ましく、水酸化ナトリウムがより更に好ましい。無機アルカリ剤が水酸化ナトリウムを含有する場合、無機アルカリ剤中の水酸化ナトリウム濃度は、洗浄性向上の観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、100質量%がより更に好ましい。
成分Aは、無機アルカリ剤であればいずれのものも使用できる。無機アルカリ剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム等のアルカリ金属の珪酸塩、リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸ナトリウム等のアルカリ金属のホウ酸塩等を用いることができる。二種以上の無機アルカリ剤を組み合わせてもよい。有機汚れの除去性を確保し洗浄性を高める観点から、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属の珪酸塩が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソ珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムがより好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが更に好ましく、水酸化ナトリウムがより更に好ましい。無機アルカリ剤が水酸化ナトリウムを含有する場合、無機アルカリ剤中の水酸化ナトリウム濃度は、洗浄性向上の観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、100質量%がより更に好ましい。
〔有機酸又はその塩(成分B)〕
成分Bとしては、洗浄性を確保するため、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩である。これらの中でも、有機汚れの洗浄性向上の観点から、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸の塩が好ましく、グルコン酸の塩がより好ましい。塩としては、アルカリ金属塩又は低級アミン塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩が更に好ましく、ナトリウム塩がより更に好ましい。なかでも、同様の観点から、グルコン酸のアルカリ金属塩とエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩の組み合わせを用いることが好ましく、グルコン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸ナトリウムの組み合わせがより好ましい。
成分Bとしては、洗浄性を確保するため、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩である。これらの中でも、有機汚れの洗浄性向上の観点から、グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸の塩が好ましく、グルコン酸の塩がより好ましい。塩としては、アルカリ金属塩又は低級アミン塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩が更に好ましく、ナトリウム塩がより更に好ましい。なかでも、同様の観点から、グルコン酸のアルカリ金属塩とエチレンジアミン四酢酸のアルカリ金属塩の組み合わせを用いることが好ましく、グルコン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸ナトリウムの組み合わせがより好ましい。
〔非イオン界面活性剤(成分C)〕
成分Cとしては、下記式(1)に示す非イオン界面活性剤であればいずれのものも使用できるが、有機汚れに対する洗浄性向上及び抑泡性向上の観点から、下記式(4)で示す非イオン界面活性剤がより好ましい。成分Cは少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは2以上20以下、mは0以上20以下を満たす数であり、{ }内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)
R4−O−(EO)p(PO)q(EO)r−H (4)
(R4は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、p、q、rはそれぞれエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、エチレンオキシ基の平均付加モル数であり、pは1以上15以下、qは0以上20以下、rは1以上15以下を満たす数、且つ、q≦p+r≦20である。)
成分Cとしては、下記式(1)に示す非イオン界面活性剤であればいずれのものも使用できるが、有機汚れに対する洗浄性向上及び抑泡性向上の観点から、下記式(4)で示す非イオン界面活性剤がより好ましい。成分Cは少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは2以上20以下、mは0以上20以下を満たす数であり、{ }内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)
R4−O−(EO)p(PO)q(EO)r−H (4)
(R4は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、p、q、rはそれぞれエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、エチレンオキシ基の平均付加モル数であり、pは1以上15以下、qは0以上20以下、rは1以上15以下を満たす数、且つ、q≦p+r≦20である。)
前記式(1)で示される非イオン界面活性剤において、EOはエチレンオキシ基であり、POはプロピレンオキシ基である。エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基は、付加モル数による分布を有するが、有機汚れの洗浄性向上の観点から、エチレンオキシ基の平均付加モル数nは2以上20以下であり、プロピレンオキシ基の平均付加モル数mは0以上20以下である。エチレンオキシ基の平均付加モル数nは、有機汚れの洗浄性向上の観点から、5以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上が更に好ましく、そして、18以下が好ましく、16以下がより好ましい。プロピレンオキシ基の平均付加モル数mは、洗浄性向上及び抑泡性向上の観点から、1以上が好ましく、そして、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。また、洗浄性向上の観点から、エチレンオキシ基の平均付加モル数nがプロピレンオキシ基の平均付加モル数mよりも大きいことが好ましい。前記式(1)で示される非イオン界面活性剤のうち、洗浄性向上及び抑泡性向上の観点から、前記式(4)で示される非イオン界面活性剤がより好ましい。
前記式(4)で示される非イオン界面活性剤において、EOはエチレンオキシ基であり、POはプロピレンオキシ基である。エチレンオキシ基の平均付加モル数p及びrは、それぞれ1以上15以下であって、有機汚れの洗浄性向上の観点から、それぞれ1以上であり、2以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、そして、15以下であって、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。プロピレンオキシ基の平均付加モル数qは、0以上20以下であって、洗浄性向上及び抑泡性向上の観点から、1以上が好ましく、そして、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。また、洗浄性向上の観点から、p+rはq以上20以下であって、qより大きいことが好ましい。
〔アルキルグルコシド(成分D)〕
成分Dは、下記式(2)に示すアルキルグルコシドである。
R2−Gx (2)
(式(2)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Gはグルコースに由来する残基を示し、xはグルコースに由来する残基の平均縮合度を示し、1以上5以下である。)
成分Dは、下記式(2)に示すアルキルグルコシドである。
R2−Gx (2)
(式(2)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Gはグルコースに由来する残基を示し、xはグルコースに由来する残基の平均縮合度を示し、1以上5以下である。)
前記式(2)で示されるアルキルグルコシドにおいて、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基であり、洗浄性向上及び保存安定性向上の観点から、分岐鎖が好ましく、アルキル基が好ましい。また、同様の観点から、R2は炭素数5以上であって、6以上が好ましく、7以上がより好ましい。xはグルコースに由来する残基の平均縮合度であって、同様の観点から、1以上5以下であって、1以上4以下が好ましく、1以上3以下がより好ましく、1以上2以下が更に好ましい。
成分Dの具体例としては、n−ペンチルグルコシド、n−ヘキシルグルコシド、n−ヘプチルグルコシド、イソヘプチルグルコシド、n−オクチルグルコシド、イソオクチルグルコシド、2−エチルヘキシルグルコシド等を用いることができる。洗浄性向上及び保存安定性向上の観点から、n−ヘキシルグルコシド、n−ヘプチルグルコシド、イソヘプチルグルコシド、n−オクチルグルコシド、イソオクチルグルコシド、2−エチルヘキシルグルコシドが好ましく、n−ヘプチルグルコシド、イソヘプチルグルコシド、n−オクチルグルコシド、イソオクチルグルコシド、2−エチルヘキシルグルコシドがより好ましく、n−オクチルグルコシド、イソオクチルグルコシド、2−エチルヘキシルグルコシドがさらに好ましく、イソオクチルグルコシド、2−エチルヘキシルグルコシドがよりさらに好ましい。成分Dは少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔有機酸又はその塩(成分E)〕
成分Eは、下記式(3)に示す脂肪酸又はその塩である。
R3−COOM (3)
(式(3)において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオン又は水素原子を示す。)
成分Eは、下記式(3)に示す脂肪酸又はその塩である。
R3−COOM (3)
(式(3)において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオン又は水素原子を示す。)
前記式(3)で示される脂肪酸又はその塩において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基であり、保存安定性向上の観点から、分岐鎖が好ましく、アルキル基が好ましい。また、同様の観点から、R3は炭素数5以上であって、6以上が好ましく、7以上がより好ましく、そして、9以下であり、8以下が好ましい。Mは陽イオン又は水素原子であって、同様の観点から、陽イオンが好ましく、アルカリ金属イオン又は低級アンモニウムがより好ましく、ナトリウムイオン又はカリウムイオンが更に好ましく、ナトリウムイオンがより更に好ましい。
成分Eの具体例としては、カプロン酸、エナント酸、ネオヘプタン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、カプリン酸及びそれらの塩を用いることができる。保存安定性向上の観点から、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸及びそれらの塩が好ましく、カプリル酸の塩、2−エチルヘキサン酸の塩がより好ましく、カプリル酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウムが更に好ましく、2−エチルヘキサン酸ナトリウムがより更に好ましい。成分Eは少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔水(成分F)〕
成分Fは、工業用水、水道水及び脱イオン水等を用いることができ、供給性及びコストの観点から、工業用水が好ましく、洗浄性の観点から、イオン交換水が好ましい。
成分Fは、工業用水、水道水及び脱イオン水等を用いることができ、供給性及びコストの観点から、工業用水が好ましく、洗浄性の観点から、イオン交換水が好ましい。
本発明の一実施形態において、成分Aは水酸化ナトリウムであり、成分Bはグルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸の塩であり、成分Cは前記式(1)に示す非イオン界面活性剤であり、成分Dは前記式(2)に示すアルキルグルコシドであり、成分Eは前記式(3)に示す脂肪酸の塩であることが好ましい。
また、成分Aは水酸化ナトリウムであり、成分Bはグルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸のナトリウム塩であり、成分Cは前記式(4)に示す非イオン界面活性剤であり、成分Dは前記式(2)に示すアルキルグルコシドであり、成分Eは前記式(3)に示す脂肪酸のナトリウム塩であることがより好ましく、成分Aは水酸化ナトリウムであり、成分Bはグルコン酸ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムであり、成分Cは前記式(4)に示す非イオン界面活性剤であり、成分Dは前記式(2)に示すアルキルグルコシドであり、成分Eは前記式(3)に示す脂肪酸のナトリウム塩であることが更に好ましい。
〔その他の成分〕
本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物は、洗浄剤として一般に使用される成分A〜F以外の成分を、性能に影響のない範囲で含有してもよい。例えば、可溶化剤、分散剤、増粘剤等の濃縮化剤、消泡剤、腐食防止剤、防錆剤、着色剤などが挙げられる。
本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物は、洗浄剤として一般に使用される成分A〜F以外の成分を、性能に影響のない範囲で含有してもよい。例えば、可溶化剤、分散剤、増粘剤等の濃縮化剤、消泡剤、腐食防止剤、防錆剤、着色剤などが挙げられる。
〔各成分の濃度〕
無機アルカリ剤(成分A)の含有量は、25質量%以上34質量%以下であって、輸送効率向上及び保管効率向上、並びに希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上の観点から、26質量%以上が好ましく、27質量%以上がより好ましく、28質量%以上が更に好ましく、保存安定性向上、及び希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上の観点から、33質量%以下が好ましく、32質量%以下がより好ましく、31質量%以下が更に好ましい。
無機アルカリ剤(成分A)の含有量は、25質量%以上34質量%以下であって、輸送効率向上及び保管効率向上、並びに希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上の観点から、26質量%以上が好ましく、27質量%以上がより好ましく、28質量%以上が更に好ましく、保存安定性向上、及び希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上の観点から、33質量%以下が好ましく、32質量%以下がより好ましく、31質量%以下が更に好ましい。
グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩(成分B)の含有量は、希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上の観点から、0.3質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、保存安定性向上、及び希釈して鋼板の洗浄に用いた後の排水処理負荷低減の観点から、7質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。グルコン酸又はその塩の含有量は、希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上の観点から、0.3質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、保存安定性向上、及び希釈して鋼板の洗浄に用いた後の排水処理負荷低減の観点から、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3.8質量%以下が更に好ましい。
前記式(1)に示す非イオン界面活性剤(成分C)の含有量は、希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上の観点から、0.3質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、保存安定性向上、並びに希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上及び抑泡性向上の観点、並びに希釈して鋼板の洗浄に用いた後の排水処理負荷低減及び排水処理時の抑泡性向上の観点から、1.0質量%以下が好ましく、0.95質量%以下がより好ましく、0.9質量%以下が更に好ましい。
前記式(2)に示すアルキルグルコシド(成分D)の含有量は、0.3質量%以上2.9質量%以下であって、保存安定性向上の観点から、0.4質量%以上が好ましく、0.45質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましく、0.55質量%以上がより更に好ましく、希釈して鋼板の洗浄に用いたときの洗浄性向上、及び希釈して鋼板の洗浄に用いた後の排水処理負荷低減の観点から、2.8質量%以下が好ましく、2.6質量%以下がより好ましく、2.4質量%以下が更に好ましく、2.3質量%以下がより更に好ましい。
前記式(3)に示す脂肪酸又はその塩(成分E)の含有量は、保存安定性向上の観点から、0.03質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、0.06質量%以上がより更に好ましく、希釈して鋼板の洗浄に用いた後の排水処理負荷低減の観点から、0.3質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下が更に好ましく、0.15質量%以下がより更に好ましい。
水(成分F)の含有量は、57質量%以上74質量%以下であって、保存安定性向上の観点から、58質量%以上が好ましく、59質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、61質量%以上がより更に好ましく、保存安定性向上、輸送効率向上及び保管効率向上の観点から、73質量%以下が好ましく、72質量%以下がより好ましく、71質量%以下が更に好ましく、70質量%以下がより更に好ましい。
成分A〜E以外の成分の含有量は、性能に影響のない範囲内で、0質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0質量%以上2.0質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.0質量%以下が更に好ましく、0質量%以上0.5質量%以下がより更に好ましい。
本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物は、保存安定性に優れるため保管に特別な方法を必要としないが、−5℃未満の状態が長期間続くような極低温の環境下では、水分が凍結するおそれがあり、保存容器、貯蔵用タンク、輸送用配管などを保温することで−5℃以上に保つことが好ましい。
本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物は、ライン速度が500m/分以上の高速で洗浄する際に効果的であり、ライン速度が800m/分以上の高速で洗浄する際により効果的である。特に、電解洗浄に要する時間が1秒以下の高速で冷延鋼板を洗浄する際に効果的である。一般の鋼板洗浄ラインは、浸漬洗浄→ブラシ洗浄→電解洗浄→ブラシ洗浄→リンス→乾燥という構成を取るが、浸漬洗浄から乾燥まではおよそ50mであり、ライン速度500m/分の場合には全工程で6秒という極めて短い時間の中で洗浄が行われる。そのうち電解洗浄工程は10〜20m程度であり、ライン速度が500m/分の場合には1.2〜2.4秒程度という計算になる。本実施形態の鋼板用洗浄剤組成物は、こうした短時間での、さらにはより短い時間での電解洗浄に効果的であり、またそれによって洗浄ライン速度を増大させることを可能にする。
<鋼板の洗浄方法>
本実施形態の鋼板の洗浄方法は、前記洗浄剤組成物を、アルカリ度(Na2O%)として、0.7%以上2.5%以下になるように成分Fで希釈して鋼板を洗浄する洗浄工程を有する。鋼板洗浄時の前記洗浄剤組成物のアルカリ度は、洗浄性向上及び電解洗浄に用いる場合の通電性向上の観点から、0.7%以上が好ましく、1.0%以上がより好ましく、1.2%以上が更に好ましく、1.5%以上がより更に好ましく、洗浄性向上の観点から、2.5%以下が好ましく、2.4%以下がより好ましく、2.3%以下が更に好ましい。本明細書において、アルカリ度は実施例に記載の方法により測定する。
本実施形態の鋼板の洗浄方法は、前記洗浄剤組成物を、アルカリ度(Na2O%)として、0.7%以上2.5%以下になるように成分Fで希釈して鋼板を洗浄する洗浄工程を有する。鋼板洗浄時の前記洗浄剤組成物のアルカリ度は、洗浄性向上及び電解洗浄に用いる場合の通電性向上の観点から、0.7%以上が好ましく、1.0%以上がより好ましく、1.2%以上が更に好ましく、1.5%以上がより更に好ましく、洗浄性向上の観点から、2.5%以下が好ましく、2.4%以下がより好ましく、2.3%以下が更に好ましい。本明細書において、アルカリ度は実施例に記載の方法により測定する。
前記洗浄工程における鋼板の洗浄温度は、洗浄性の観点から、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、エネルギーコストを削減する観点から、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、40℃以下が更に好ましい。なお、80℃のような高い洗浄温度で使用しても洗浄性が低下することはない。
前記洗浄工程における浸漬時間は、洗浄性の観点から、0.1秒以上が好ましく、0.5秒以上がより好ましく、鋼板の生産性の観点から、15秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましい。
前記洗浄工程における洗浄の方法としては、連続洗浄、即ち浸漬洗浄、スプレー洗浄、ブラシ洗浄、電解洗浄等が挙げられ、圧延油等の油汚れ及び鉄粉などの固体汚れを洗浄除去することができる。前記洗浄工程が浸漬ならびに電解洗浄であることが好ましく、圧延された鋼板を、アルカリ浸漬洗浄槽ならびにアルカリ電解洗浄槽内にロールにより通過させる場合に好適に適用される。電解洗浄は洗浄液中で鋼板をプラス(又はマイナス)にし、直流電流を流す洗浄方法であり、電流により鋼板から発生する酸素(又は水素)の気泡を利用し、物理力により鋼板に付着した油汚れや鉄粉などの固体汚れを取る工程である。
前記鋼板用洗浄剤組成物を用いた電解洗浄において、電解洗浄時の電流密度は、0.5A/dm2以上が好ましく、1A/dm2以上がより好ましく、30A/dm2以下が好ましく、20A/dm2以下がより好ましい。
洗浄工程の後には、浸漬して洗浄した被洗浄鋼板を水でリンスするリンス工程を設けることができる。リンス工程における温度や浸漬時間の条件は適宜調整することができる。温度は、洗浄性の観点から、5℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、エネルギーコストを削減する観点から、70℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。浸漬時間は、洗浄性の観点から、0.1秒以上が好ましく、0.5秒以上がより好ましく、鋼板の生産性の観点から、15秒以下が好ましく、10秒以下がより好ましい。
本実施形態の洗浄方法が対象とする好ましい鋼板としては、例えば、冷間圧延鋼板が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
<実施例1〜8、及び比較例1〜10>
〔鋼板用洗浄剤組成物の調製〕
表1に示した成分及び配合量で以下の手順で鋼板用洗浄剤組成物1〜18を300g調製した。表1に記載の配合量の単位は質量%であり、有効分で示す。
1.300mLガラスビーカーに、成分Aを溶解するために要した成分Fは除く成分A以外の成分を添加し、混合撹拌して固体(粉末)成分は溶解し、混合液を得た。
2.前記1で得られた混合液に成分A(成分Aを溶解するために要した成分Fを含む)を添加して、混合撹拌して試験液を得た。
〔鋼板用洗浄剤組成物の調製〕
表1に示した成分及び配合量で以下の手順で鋼板用洗浄剤組成物1〜18を300g調製した。表1に記載の配合量の単位は質量%であり、有効分で示す。
1.300mLガラスビーカーに、成分Aを溶解するために要した成分Fは除く成分A以外の成分を添加し、混合撹拌して固体(粉末)成分は溶解し、混合液を得た。
2.前記1で得られた混合液に成分A(成分Aを溶解するために要した成分Fを含む)を添加して、混合撹拌して試験液を得た。
[各成分]
・無機アルカリ剤(成分A):
A−1:水酸化ナトリウム(株式会社トクヤマ製、液体苛性ソーダ(48%))
・有機酸又はその塩(成分B):
B−1:グルコン酸ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製、グルコン酸ソーダ)
B−2:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(ナガセケムテックス株式会社製、クレワットS2(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム・4水和物))
・非イオン界面活性剤(成分C):
C−1:sec−C12H25、sec−C14H29−O−(EO)5−(PO)2−(EO)5−H
(2級ドデカノールと2級テトラデカノールの混合アルコールにEO5モル、PO2モル、EO5モルをこの順番でブロック付加した化合物、(式(1)で表すと、R1が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、mが2、nが10)(式(4)で表すと、R4が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、pが5、qが2、rが5))
C−2:C12H25、C14H29−O−(EO)7−(PO)1.5−(EO)7−H
(ラウリルアルコールとミリスチルアルコールの混合アルコールにEO7モル、PO1.5モル、EO7モルをこの順番でブロック付加した化合物、(式(1)で表すと、R1が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、mが1.5、nが14)(式(4)で表すと、R4が炭素数12の直鎖アルキル基及び炭素数14の直鎖アルキル基、pが7、qが1.5、rが7))
・アルキルグルコシド(成分D):
D−1:イソオクチルグルコシド(Shanghai Fine Chemical Co.,Ltd.製、GREENAPG IC 08)
・脂肪酸又はその塩(成分E):
E−1:2−エチルヘキサン酸ナトリウム(2−エチルヘキサン酸(東京化成工業株式会社製)を水酸化ナトリウムで中和した塩)
水(成分F):
イオン交換水:オルガノ株式会社製の純水装置G−10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水
その他:
D−2(非成分D):ブチルポリグルコシド(第一工業製薬株式会社製、ノニオシド B−15(x=約1.5))
D−3(非成分D):デシルグルコシド(花王株式会社製、マイドール10)
D−4(非成分D):2−エチルヘキシルアミノジプロピオン酸ナトリウム塩
・無機アルカリ剤(成分A):
A−1:水酸化ナトリウム(株式会社トクヤマ製、液体苛性ソーダ(48%))
・有機酸又はその塩(成分B):
B−1:グルコン酸ナトリウム(扶桑化学工業株式会社製、グルコン酸ソーダ)
B−2:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(ナガセケムテックス株式会社製、クレワットS2(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム・4水和物))
・非イオン界面活性剤(成分C):
C−1:sec−C12H25、sec−C14H29−O−(EO)5−(PO)2−(EO)5−H
(2級ドデカノールと2級テトラデカノールの混合アルコールにEO5モル、PO2モル、EO5モルをこの順番でブロック付加した化合物、(式(1)で表すと、R1が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、mが2、nが10)(式(4)で表すと、R4が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、pが5、qが2、rが5))
C−2:C12H25、C14H29−O−(EO)7−(PO)1.5−(EO)7−H
(ラウリルアルコールとミリスチルアルコールの混合アルコールにEO7モル、PO1.5モル、EO7モルをこの順番でブロック付加した化合物、(式(1)で表すと、R1が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、mが1.5、nが14)(式(4)で表すと、R4が炭素数12の直鎖アルキル基及び炭素数14の直鎖アルキル基、pが7、qが1.5、rが7))
・アルキルグルコシド(成分D):
D−1:イソオクチルグルコシド(Shanghai Fine Chemical Co.,Ltd.製、GREENAPG IC 08)
・脂肪酸又はその塩(成分E):
E−1:2−エチルヘキサン酸ナトリウム(2−エチルヘキサン酸(東京化成工業株式会社製)を水酸化ナトリウムで中和した塩)
水(成分F):
イオン交換水:オルガノ株式会社製の純水装置G−10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水
その他:
D−2(非成分D):ブチルポリグルコシド(第一工業製薬株式会社製、ノニオシド B−15(x=約1.5))
D−3(非成分D):デシルグルコシド(花王株式会社製、マイドール10)
D−4(非成分D):2−エチルヘキシルアミノジプロピオン酸ナトリウム塩
[保存安定性試験]
調製した鋼板用洗浄剤組成物1〜18を110mL硼珪酸ガラス製スクリュー管瓶(スクリュー管瓶No.8、株式会社マルエム製)に100g入れ密栓し、50、25、−5℃に設定した恒温槽に25時間静置保管し、組成物の状態を目視確認した。評価は以下の基準で行った。評価結果を表1に示す。
1:均一透明
2:均一で微濁
3:分離
調製した鋼板用洗浄剤組成物1〜18を110mL硼珪酸ガラス製スクリュー管瓶(スクリュー管瓶No.8、株式会社マルエム製)に100g入れ密栓し、50、25、−5℃に設定した恒温槽に25時間静置保管し、組成物の状態を目視確認した。評価は以下の基準で行った。評価結果を表1に示す。
1:均一透明
2:均一で微濁
3:分離
<実施例9~16、及び比較例11〜20>
〔鋼板用洗浄剤の調製〕
実施例1〜8、及び比較例1〜10で用いた鋼板用洗浄剤組成物1〜18を表2に記載のアルカリ度に希釈し、鋼板用洗浄剤1〜18を調製した。なお、鋼板用洗浄剤組成物1は鋼板用洗浄剤1に対応し、鋼板用洗浄剤組成物2以降も鋼板用洗浄剤2以降にそれぞれ対応する。
〔鋼板用洗浄剤の調製〕
実施例1〜8、及び比較例1〜10で用いた鋼板用洗浄剤組成物1〜18を表2に記載のアルカリ度に希釈し、鋼板用洗浄剤1〜18を調製した。なお、鋼板用洗浄剤組成物1は鋼板用洗浄剤1に対応し、鋼板用洗浄剤組成物2以降も鋼板用洗浄剤2以降にそれぞれ対応する。
〔鋼板洗浄試験−1〕
[被洗浄鋼板]
合成エステル系圧延油(パーム油30質量%含有)で冷間圧延された厚さ0.2mmの鋼板を60mm×25mmの大きさに切断し、鋼板洗浄試験に用いた。当該鋼板の洗浄前の炭素付着量を後述の残存炭素付着量測定方法と同様の方法によって測定した結果、99mg/m2であった。
[被洗浄鋼板]
合成エステル系圧延油(パーム油30質量%含有)で冷間圧延された厚さ0.2mmの鋼板を60mm×25mmの大きさに切断し、鋼板洗浄試験に用いた。当該鋼板の洗浄前の炭素付着量を後述の残存炭素付着量測定方法と同様の方法によって測定した結果、99mg/m2であった。
[洗浄試験手順]
300mLガラスビーカー中に表2に記載の鋼板用洗浄剤300gを入れ、50℃に加温した。次いで、前記鋼板用洗浄剤中に縦100mm×横50mmの大きさの鉄製電極板1対(電極間距離は20mm)を設置した。電極間の等距離かつ中心に被洗浄鋼板をほぼ平行に1秒間浸漬し、その後続けて電流密度5A/dm2で鋼板電位を負から正にそれぞれ0.35秒ずつ一度切り替えて電解洗浄した。その後に鋼板をスプレー(圧力:2kgf/cm2)で1秒間60℃の温水を吹きかけてリンスし、温風を吹き付けて鋼板表面を乾燥させた。
300mLガラスビーカー中に表2に記載の鋼板用洗浄剤300gを入れ、50℃に加温した。次いで、前記鋼板用洗浄剤中に縦100mm×横50mmの大きさの鉄製電極板1対(電極間距離は20mm)を設置した。電極間の等距離かつ中心に被洗浄鋼板をほぼ平行に1秒間浸漬し、その後続けて電流密度5A/dm2で鋼板電位を負から正にそれぞれ0.35秒ずつ一度切り替えて電解洗浄した。その後に鋼板をスプレー(圧力:2kgf/cm2)で1秒間60℃の温水を吹きかけてリンスし、温風を吹き付けて鋼板表面を乾燥させた。
[残存炭素付着量測定方法]
鋼板表面の汚れの付着量の指標として、炭素・水素/水分分析装置(型番RC−612 LECO社製)を使用し、鋼板上に付着している炭素量(残存炭素付着量)を測定した。装置条件は、鉄の軟化温度以下でかつ鋼板上の汚れが燃焼すると考えられる500℃で鋼板を加熱し、揮発・熱分解または燃焼により発生したCO2から鋼板上に付着している炭素量を割り出した。測定は、最大強度(CO2発生量最大)ピークを100%とし、1%以下まで強度が落ちるまで行った。5枚の平均値を小数点以下二桁まで四捨五入し、結果を表2に示す。
鋼板表面の汚れの付着量の指標として、炭素・水素/水分分析装置(型番RC−612 LECO社製)を使用し、鋼板上に付着している炭素量(残存炭素付着量)を測定した。装置条件は、鉄の軟化温度以下でかつ鋼板上の汚れが燃焼すると考えられる500℃で鋼板を加熱し、揮発・熱分解または燃焼により発生したCO2から鋼板上に付着している炭素量を割り出した。測定は、最大強度(CO2発生量最大)ピークを100%とし、1%以下まで強度が落ちるまで行った。5枚の平均値を小数点以下二桁まで四捨五入し、結果を表2に示す。
<実施例17、18>
〔鋼板用洗浄剤の調製〕
鋼板用洗浄剤組成物4を表3に示すアルカリ度になるように希釈して鋼板用洗浄剤17、18を調製した。
〔鋼板用洗浄剤の調製〕
鋼板用洗浄剤組成物4を表3に示すアルカリ度になるように希釈して鋼板用洗浄剤17、18を調製した。
〔鋼板洗浄試験−2〕
鋼板用洗浄剤17、18を用いた以外は前記鋼板洗浄試験−1と同じ方法で行った。結果を表3に示す。
鋼板用洗浄剤17、18を用いた以外は前記鋼板洗浄試験−1と同じ方法で行った。結果を表3に示す。
〔アルカリ度(Na2O%)測定〕
測定液を100mLガラス製三角フラスコに20g採取し、フェノールフタレイン指示薬を3滴添加し、1mol/L塩酸標準溶液で滴定した。終点は赤色から無色に変わる点とし、下式にてアルカリ度を算出した。結果を各表に示す。
アルカリ度(Na2O%)=A×f×3.1÷20
A:滴定に要した1mol/L塩酸標準溶液の使用量(mL)
f:1mol/L塩酸標準溶液のファクター
測定液を100mLガラス製三角フラスコに20g採取し、フェノールフタレイン指示薬を3滴添加し、1mol/L塩酸標準溶液で滴定した。終点は赤色から無色に変わる点とし、下式にてアルカリ度を算出した。結果を各表に示す。
アルカリ度(Na2O%)=A×f×3.1÷20
A:滴定に要した1mol/L塩酸標準溶液の使用量(mL)
f:1mol/L塩酸標準溶液のファクター
Claims (4)
- 無機アルカリ剤(成分A)、
グルコン酸及びエチレンジアミン四酢酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の有機酸又はその塩(成分B)、
下記式(1)に示す非イオン界面活性剤(成分C)、
下記式(2)に示すアルキルグルコシド(成分D)、
下記式(3)に示す脂肪酸又はその塩(成分E)、
及び水(成分F)を含有し、
成分Aの含有量が25質量%以上34質量%以下、成分Dの含有量が0.3質量%以上2.9質量%以下、成分Fの含有量が57質量%以上74質量%以下である、鋼板用洗浄剤組成物。
R1−O−{(EO)n/(PO)m}−H (1)
(式(1)において、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基であり、nはEOの平均付加モル数、mはPOの平均付加モル数であり、nは2以上20以下、mは0以上20以下を満たす数であり、{ }内のPOとEOの付加形態はランダム配列、ブロック配列のいずれでもよい。)
R2−Gx (2)
(式(2)において、R2は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上8以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Gはグルコースに由来する残基を示し、xはグルコースに由来する残基の平均縮合度を示し、1以上5以下である。)
R3−COOM (3)
(式(3)において、R3は直鎖又は分岐鎖の炭素数5以上9以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオン又は水素原子を示す。) - 請求項1に記載の洗浄剤組成物を、アルカリ度(Na2O%)として、0.7%以上2.5%以下に希釈して鋼板を洗浄する洗浄工程を有する、鋼板の洗浄方法。
- 鋼板が冷間圧延鋼板である、請求項2に記載の洗浄方法。
- 請求項2又は3に記載の洗浄方法を製造工程に有する、鋼板の製造方法。
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