JP2018030976A - 金属用電解洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、金属用電解洗浄剤組成物に関する。
近年の需要を上回る急激な粗鋼生産能力の向上により、世界の鉄鋼市場は、需給ギャップが生じており、過剰供給構造となっている。これを一つの要因として、各国での鋼材市場が悪化している。さらに、自動車、電車、飛行機、工作機械等の部品の市場において、部品メーカーがグローバル化する中、低価格品が市場に登場し、日本の部品メーカーは激しいコスト競争にさらされてきている。こうしたことから、その材料となる鋼板も製造工程においてコスト削減のため様々な対策を講じている。
通常、鋼板製造においては、パーム油などの圧延油が用いられ冷間圧延工程がとられている。冷間圧延後は、表面残存圧延油及び鉄粉等を電解洗浄により除去してから焼鈍する工程がとられている。
この電解洗浄は、一般に80℃程度の高い温度で行われているが、コスト削減の目的でエネルギーのかからない常温での電解洗浄が要望されている。例えば、下記特許文献1には、アミノ酸型キレート剤とグルコン酸塩類とを含有することを特徴とする鋼板の表面清浄剤組成物が開示されている。
しかし、洗浄温度を低下させると、圧延油や潤滑油といった汚れ成分の軟化が起こりにくく、上記従来の洗浄剤では洗浄性や抑泡性が十分とはいい難いのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な洗浄性及び抑泡性を有する金属用電解洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のアルキレンオキシ基含有化合物と特定のヒドロキシ基含有化合物とを組み合わせて配合した洗浄剤組成物が、金属を20℃や60℃の低温度域で電解洗浄する場合であっても良好な洗浄性及び抑泡性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)下記一般式(1)で表される化合物、及び(B)炭素数8〜50のヒドロキシル基含有化合物、を含有する金属用電解洗浄剤組成物を提供する。
[式(1)中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数2〜8のアルケニル基を表し、AOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、aは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜5の範囲にある。]
[式(1)中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数2〜8のアルケニル基を表し、AOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、aは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜5の範囲にある。]
本発明の金属用電解洗浄剤組成物は、上記構成を有することにより洗浄性及び抑泡性に優れた洗浄剤になり得る。
本発明の金属用電解洗浄剤組成物は、(C)脂肪族モノカルボン酸、ポリカルボン酸及びこれらの中和塩からなる群より選択される少なくとも一種のカルボン酸化合物を更に含有することが好ましい。
本発明の金属用電解洗浄剤組成物は、(D)アルカノールアミン化合物を更に含有することが好ましい。
本発明の金属用電解洗浄剤組成物は、(E)下記一般式(2)で表される化合物を更に含有することが好ましい。
[式(2)中、EOは、エチレンオキシ基を示し、POは、プロピレンオキシ基を示し、d及びfは、エチレンオキシ基の平均付加モル数を示し、d+fが0〜10の範囲にあり、eは、プロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜100の範囲にある。]
[式(2)中、EOは、エチレンオキシ基を示し、POは、プロピレンオキシ基を示し、d及びfは、エチレンオキシ基の平均付加モル数を示し、d+fが0〜10の範囲にあり、eは、プロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜100の範囲にある。]
本発明の金属用電解洗浄剤組成物は、(F)下記一般式(3)で表される化合物を更に含有することが好ましい。
[式(3)中、R2は、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルケニル基、下記一般式(4)で表される基、又は下記一般式(5)で表される基を示し、R3は、水素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数2〜30のアルケニル基を示し、x及びzはそれぞれ独立に0又は1であり、AOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、yは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、11〜200の範囲にある。ただし、R2が下記一般式(4)で表される基又は下記一般式(5)で表される基である場合、R3は水素原子であり、x及びzは0である。
{式(4)中、gは1〜5の整数であり、hは1〜5の整数であり、g×hの総数が1〜5の範囲内にあり、式(4)中のgが2以上である場合、複数あるhは同一であっても異なっていてもよい。}
{式(5)中、mは1〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、(m+1)×nの総数が1〜5の範囲内にあり、式(5)中のnが2以上である場合、複数あるmは同一であっても異なっていてもよい。}]
[式(3)中、R2は、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルケニル基、下記一般式(4)で表される基、又は下記一般式(5)で表される基を示し、R3は、水素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数2〜30のアルケニル基を示し、x及びzはそれぞれ独立に0又は1であり、AOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、yは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、11〜200の範囲にある。ただし、R2が下記一般式(4)で表される基又は下記一般式(5)で表される基である場合、R3は水素原子であり、x及びzは0である。
{式(4)中、gは1〜5の整数であり、hは1〜5の整数であり、g×hの総数が1〜5の範囲内にあり、式(4)中のgが2以上である場合、複数あるhは同一であっても異なっていてもよい。}
{式(5)中、mは1〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、(m+1)×nの総数が1〜5の範囲内にあり、式(5)中のnが2以上である場合、複数あるmは同一であっても異なっていてもよい。}]
本発明によれば、良好な洗浄性及び抑泡性を有する金属用電解洗浄剤組成物を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物は、(A)下記一般式(1)で表される化合物(以下、「(A)成分」ともいう)、及び(B)炭素数8〜50のヒドロキシル基含有化合物(以下、「(B)成分」ともいう)を含有する。
[式(1)中、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数2〜8のアルケニル基を表し、AOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、aは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜5の範囲にある。]
(A)成分としては、具体的には、エチルアルコールAO(1〜5)付加物、イソプロピルアルコールAO(1〜5)付加物、ブチルアルコールAO(1〜5)付加物、ヘキシルアルコールAO(1〜5)付加物、オクチルアルコールAO(1〜5)付加物、2−エチルヘキサノールAO(1〜5)付加物、2−オクタノールAO(1〜5)付加物等が挙げられる。括弧内の数値はモル数である。
上記AOのアルキレンオキシ基は同一であっても異なっていてもよく、異なっている場合は、ブロック付加でもランダム付加でも交互付加でも構わない。
(A)成分は、抑泡性の観点から、上記一般式(1)中、R1が炭素数5のアルキル基又は炭素数5のアルケニル基の場合、aは1〜4であることが好ましく、R1が炭素数6のアルキル基又は炭素数6のアルケニル基の場合、aは1〜3であることが好ましく、R1が炭素数7のアルキル基又は炭素数7のアルケニル基の場合、aは1〜2であることが好ましく、R1が炭素数8のアルキル基又は炭素数8のアルケニル基の場合、aは1であることが好ましい。
上記の条件を満たす化合物としては、具体的には、エチルアルコールAO(1〜5)付加物、イソプロピルアルコールAO(1〜5)付加物、ブチルアルコールAO(1〜5)付加物、ヘキシルアルコールAO(1〜3)付加物、オクチルアルコールAO(1)付加物、2−エチルヘキサノールAO(1)付加物、2−オクタノールAO(1)付加物等が挙げられる。括弧内の数値はモル数を表す。
上記の化合物の中でも、抑泡性の観点から、ブチルアルコールEO(1〜5)付加物、ヘキシルアルコールEO(1〜3)付加物、及び2−エチルヘキサノールEO(1)付加物が好ましい。EOはエチレンオキシ基を示す。
(A)成分は、1種類を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分としては、炭素数8〜50の脂肪族モノアルコール、及び下記一般式(6)若しくは下記一般式(7)で表される炭素数8〜50のフェノール誘導体が挙げられる。
炭素数8〜50の脂肪族モノアルコールとしては、例えば、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、トリデシルアルコール等の直鎖第一級アルコール;4−ブチルオクタノール、2−ブチルデカノール、2−ヘキシルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−ドデシルヘキサデカノール、2−テトラデシルオクタデカノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソトリデカノール等の分岐第一級アルコール;2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール等の第二級アルコール;2−メチルヘプタン−2−オール、2−メチルデカン−2−オール、6−メチルウンデカン−6−オール、6−ペンチルウンデカン−6−オール等の第三級アルコール等が挙げられる。
上記一般式(6)若しくは下記一般式(7)で表される炭素数8〜50のフェノール誘導体としては、モノスチレン化フェノール、ジスチレン化フェノール、トリスチレン化フェノール等が挙げられる。スチレン化フェノールは、例えば、所定量のフェノールに、所定量のスチレンをAlCl3、SbCl3、H2SO4、H3PO4又は活性白土等を触媒として、110〜140℃の温度で反応(フリーデルクラフツ反応)させる公知の製造方法によって得られる化合物が挙げられる。
(B)成分は、洗浄性、抑泡性の観点から、炭素数8〜50の脂肪族モノアルコールが好ましく、炭素数8〜40の脂肪族第一級アルコール、炭素数8〜32の脂肪族第二級アルコールがより好ましく、炭素数8〜18の直鎖脂肪族第一級アルコール、直鎖アルキル基のCH2OH基に対するβ位以外に炭素数1〜3のアルキル基が分岐した炭素数8〜18の脂肪族第一級アルコール、直鎖アルキル基のCH2OH基に対するβ位に炭素数1〜20の直鎖アルキル基が分岐した炭素数8〜40の脂肪族第一級アルコール(例えば、下記式(8)で表される化合物)、炭素数8〜24の脂肪族第二級アルコールが更により好ましく、直鎖アルキル基のCH2OH基に対するβ位に炭素数2〜13の直鎖アルキル基が分岐した炭素数8〜32の脂肪族第一級アルコール(例えば、下記式(8)におけるR7が炭素数2〜13のアルキル基であり、R8が炭素数2〜26のアルキル基である化合物)が特に好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物は、(C)脂肪族モノカルボン酸、ポリカルボン酸及びこれらの中和塩からなる群より選択される少なくとも一種のカルボン酸化合物(以下、「(C)成分」ともいう)を含有することができる。
(C)成分として用いる脂肪族モノカルボン酸としては、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数6〜24の直鎖又は分岐の不飽和又は飽和の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。このような脂肪族モノカルボン酸として具体的には、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バグゼン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、(8,11)−エイコサジエン酸、(5,8,11)−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、トリメチルヘキサン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分として用いる脂肪族モノカルボン酸の中和塩としては、上記脂肪族モノカルボン酸をアルカリ金属等によって中和された中和塩が挙げられる。ここで、アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分として用いる脂肪族モノカルボン酸及びその中和塩は、洗浄性の観点から、炭素数6〜18の直鎖または分岐の不飽和又は飽和の脂肪族モノカルボン酸及びその中和塩が好ましく、炭素数6〜12の直鎖又は分岐の不飽和又は飽和の脂肪族モノカルボン酸及びその中和塩がより好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分として用いるポリカルボン酸は、重量平均分子量が500〜150,000のポリカルボン酸が挙げられ、洗浄性、取り扱い性の観点から1,000〜100,000のポリカルボン酸が好ましく、1,000〜50,000のポリカルボン酸がより好ましい。本明細書において、ポリカルボン酸の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値を意味する。
ポリカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマーを用いて、従来公知のラジカル重合法で合成した単独重合体及び共重合体が挙げられる。ポリカルボン酸は、市販されているものを使用してもよい。ラジカル重合には、本発明を損なわない範囲で、上記のモノマーに加えてカルボキシル基を有していない共重合可能なモノマーを併用してもよい。
カルボキシル基を有していない共重合可能なモノマーとしては、エチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどのビニル系モノマー、アクリルアミド、アクリレート類、メタクリレート類等が挙げられる。アクリレート類及びメタクリレート類としては、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数2〜3のアルケニル基を有するものが好ましい。これらのアルキル基又はアルケニル基は、ヒドロキシル基などの置換基を有していてもよい。このようなアクリレート類及びメタクリレート類としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するビニル系モノマーと、カルボキシル基を有していない共重合可能なモノマーとの重量比は、洗浄性の観点から100:0〜50:50であることが好ましく、100:0〜70:30であることがより好ましく、100:0〜90:10であることが更により好ましい。上記の共重合可能なモノマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分として用いるポリカルボン酸の中和塩としては、上記ポリカルボン酸をアルカリ金属等によって中和された中和塩が挙げられる。ここで、アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリカルボン酸及びその中和塩の製造方法には特に制限はないが、例えば、上記モノマー及び/又はその塩の水溶液にラジカル重合開始剤を添加して、30〜150℃で2〜5時間加熱反応させる方法などを挙げることができる。このとき、上記モノマー及び/又はその塩の水溶液に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類やアセトン類の水性溶剤を添加してもよい。また、用いるラジカル重合開始剤にも特に制限はないが、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過硫酸塩と重亜硫酸ナトリウム等の組み合わせによるレドックス型重合開始剤、過酸化水素、水溶性アゾ系重合開始剤等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ラジカル重合の際には、重合度を調整する目的で連鎖移動剤(例えば、チオグリコール酸オクチル)を添加してもよい。
(C)成分として用いるポリカルボン酸及びその中和塩としては、洗浄性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、またはマレイン酸の単独重合体もしくはその中和塩、又はアクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸のいずれか1種以上をモノマー成分として含む共重合体もしくはその中和塩が好ましく、アクリル酸の単独重合体もしくはその中和塩がより好ましい。上述したポリカルボン酸及びその中和塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物は、(D)アルカノールアミン化合物(以下、「(D)成分」ともいう)を含有することができる。
(D)成分としては、下記一般式(9)で表されるアルカノールアミン化合物が挙げられる。
[式(9)中、R9及びR10はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、炭素数6〜23のアリール基、又は炭素数7〜45のアラルキル基を示し、R11は炭素数1〜22のアルキレン基、又は炭素数7〜15のアラルキレン基を示し、r及びsはそれぞれ独立に0又は1を示し、tは1〜3の整数を示し、r+s+tは3である。]
上記一般式(9)で表されるアルカノールアミン化合物としては、具体的にはモノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n―ブチルエタノールアミン、N−t―ブチルエタノールアミン、2−(ジフェニルアミノ)エタノール、1−フェニルアミノエタノール、N−ベンジルエタノールアミン、N,N−ジベンジル−2−エタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等のモノアルカノールアミン化合物;ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n―ブチルジエタノールアミン、N−t―ブチルジエタノールアミン、N−ベンジルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のジアルカノールアミン化合物;トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のトリアルカノールアミン化合物が挙げられる。
上記一般式(9)で表されるアルカノールアミン化合物は、洗浄性、防錆性の観点から、式中、R9が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜13のアリール基、又は炭素数7〜13のアラルキル基であり、R10が水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜13のアリール基、又は炭素数7〜13のアラルキル基であり、R11が炭素数1〜8のアルキレン基、又は炭素数7〜14のアラルキレン基であり、rが0又は1であり、sが0又は1であり、tが1〜3であり、r+s+t=3であるアルカノールアミン化合物が好ましく、式中のR11が炭素数1〜3のアルキレン基であり、r及びsが0であり、tが3であるアルカノールアミン化合物がより好ましい。
(D)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物が(C)成分及び(D)成分を含む場合、(D)成分の配合については、所定量の(D)成分で(C)成分をあらかじめ中和した後、残りの(D)成分と(B)成分を混合してもよく、(C)成分、(D)成分及び(B)成分の全量を一度に配合してもよい。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物は、上記(A)成分以外のアルキレンオキシ基含有化合物としてプロピレンオキシ基含有化合物を含有することができ、例えば、(E)下記一般式(2)で表される化合物(以下、「(E)成分」ともいう)を含有することができる。
[式(2)中、EOは、エチレンオキシ基を示し、POは、プロピレンオキシ基を示し、d及びfは、エチレンオキシ基の平均付加モル数を示し、d+fが0〜10の範囲にあり、eは、プロピレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1〜100の範囲にある。]
(E)成分としては、具体的には、HO−(PO)17−H、HO−(PO)34−H、HO−(EO)1−(PO)16−(EO)1−H、HO−(EO)1.5−(PO)29−(EO)1.5−H等が挙げられる。
(E)成分は、抑泡性の観点から、上記一般式(2)中、eが1〜60であり且つd+fが0〜10である、又はeが61〜100であり且つd+fが0〜5であることが好ましく、eが1〜60であり且つd+fが0〜10であることがより好ましく、eが20〜60であり且つd+fが0〜10である、又はeが10〜20であり且つd+fが0であることが特に好ましい。
(E)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物は、上記(A)成分以外のアルキレンオキシ基含有化合物として第2のアルキレンオキシ基含有化合物を含有することができ、例えば、(F)下記一般式(3)で表される化合物(以下、「(F)成分」ともいう)を含有することができる。
[式(3)中、R2は、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルケニル基、下記一般式(4)で表される基、又は下記一般式(5)で表される基を示し、R3は、水素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数2〜30のアルケニル基を示し、x及びzはそれぞれ独立に0又は1であり、AOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、yは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、11〜200の範囲にある。ただし、R2が下記一般式(4)で表される基又は下記一般式(5)で表される基である場合、R3は水素原子であり、x及びzは0である。
{式(4)中、gは1〜5の整数であり、hは1〜5の整数であり、g×hの総数が1〜5の範囲内にあり、式(4)中のgが2以上である場合、複数あるhは同一であっても異なっていてもよい。}
{式(5)中、mは1〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、(m+1)×nの総数が1〜5の範囲内にあり、式(5)中のnが2以上である場合、複数あるmは同一であっても異なっていてもよい。}]
(F)成分としては、具体的に、オクチルアルコールAO(11〜200)付加物、デシルアルコールAO(11〜200)付加物、ラウリルアルコールAO(11〜200)付加物、ミリスチルアルコールAO(11〜200)付加物、セチルアルコールAO(11〜200)付加物、ステアリルアルコールAO(11〜200)付加物、イソステアリルアルコールAO(11〜200)付加物、オレイルアルコールAO(11〜200)付加物、ベヘニルアルコールAO(11〜200)付加物、トリデシルアルコールAO(11〜200)付加物、2―ブチルオクタノールAO(11〜200)付加物、2―ブチルデカノールAO(11〜200)付加物、2―ヘキシルオクタノールAO(11〜200)付加物、2―ヘキシルデカノールAO(11〜200)付加物、2―オクチルドデカノールAO(11〜200)付加物、2―ヘキシルドデカノールAO(11〜200)付加物、2―オクチルドデカノールAO(11〜200)付加物、2―デシルテトラデカノールAO(11〜200)付加物、2―ドデシルヘキサデカノールAO(11〜200)付加物、2―テトラデシルオクタデカノールAO(11〜200)付加物、イソオクタノールAO(11〜200)付加物、2−エチルヘキサノールAO(11〜200)付加物、イソノナノールAO(11〜200)付加物、イソデカノールAO(11〜200)付加物、イソウンデカノールAO(11〜200)付加物、イソトリデカノールAO(11〜200)付加物、オクタン−2−オールAO(11〜200)付加物、2−ドデカノールAO(11〜200)付加物、モノスチレン化フェノールAO(11〜200)付加物、ジスチレン化フェノールAO(11〜200)付加物、トリスチレン化フェノールAO(11〜200)付加物、ヒドロキシステアリルアルコールAO(11〜200)付加物、カプリル酸AO(11〜200)付加物、カプリン酸AO(11〜200)付加物、ラウリン酸AO(11〜200)付加物、ミリスチン酸AO(11〜200)付加物、パルミチン酸AO(11〜200)付加物、ステアリン酸AO(11〜200)付加物、オレイン酸AO(11〜200)付加物、ポリオキシアルキレン(11〜200)ジカプリル酸、ポリオキシアルキレン(11〜200)ジパルミチン酸、ポリオキシアルキレン(11〜200)ジオレイン酸、ポリオキシアルキレン(11〜200)ジステアリン酸、オクチルアルコールAO(11〜200)付加物のオクチルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)オクチルエーテルオクチルエステル)、デシルアルコールAO(11〜200)付加物のデシルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)デシルエーテルデシルエステル)、ラウリルアルコールAO(11〜200)付加物のラウリルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)ラウリルエーテルラウリルエステル)、ミリスチルアルコールAO(11〜200)付加物のオクチルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)ミリスチルエーテルオクチルエステル)、セチルアルコールAO(11〜200)付加物のオクチルエステル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)セチルエーテルオクチルエステル)、オクチルアルコールAO(11〜200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)オクチルエーテルメチルエーテル)、オクチルアルコールAO(11〜200)付加物のエチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)オクチルエーテルエチルエーテル)、デシルアルコールAO(11〜200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)デシルエーテルメチルエーテル)、ラウリルアルコールAO(11〜200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)ラウリルエーテルメチルエーテル)、ラウリルアルコールAO(11〜200)付加物のエチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)ラウリルエーテルエチルエーテル)、ミリスチルアルコールAO(11〜200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)ミリスチルエーテルメチルエーテル)、セチルアルコールAO(11〜200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)セチルエーテルメチルエーテル)、ステアリルアルコールAO(11〜200)付加物のメチルエーテル(即ち、ポリオキシアルキレン(11〜200)ステアリルエーテルメチルエーテル)等が挙げられる。括弧内の数値はモル数を表す。上記AOのアルキレンオキシ基は同一であっても異なっていてもよく、異なっている場合は、ブロック付加でもランダム付加でも交互付加でも構わない。
(F)成分は、洗浄性と抑泡性の観点から、R3が炭素数8〜30のアルキル基又は炭素数8〜30のアルケニル基であることが好ましく、炭素数12〜24のアルキル基又は炭素数12〜24のアルケニル基であることがより好ましい。
(F)成分は、洗浄性と抑泡性の観点から、上記一般式(3)中、AOがエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とのランダム付加であり、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との配合比率(質量比)がエチレンオキシ基:プロピレンオキシ基=20:80〜80:20であり、yが11〜100であることが好ましく、AOがエチレンオキシ基プロピレンオキシ基とのランダム付加であり、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との配合比率(質量比)がエチレンオキシ基:プロピレンオキシ基=20:80〜80:20であり、yが11〜80であることがより好ましい。
(F)成分は、洗浄性と抑泡性の観点から、上記一般式(3)中、R2が炭素数8〜30のアルキル基、又は炭素数8〜30のアルケニル基であり、R3が水素原子であり、x及びzが0であり、AOがエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とのランダム付加であり、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との配合比率(質量比)がエチレンオキシ基:プロピレンオキシ基=20:80〜80:20であり、yが11〜100である化合物が好ましい。
(F)成分は、洗浄性と抑泡性の観点から、上記一般式(3)中、R2が炭素数12〜24のアルキル基、又は炭素数12〜24のアルケニル基であり、R3が水素原子であり、x及びzが0であり、AOがエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とのランダム付加であり、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基との配合比率(質量比)がエチレンオキシ基:プロピレンオキシ基=20:80〜80:20であり、yが11〜80である化合物がより好しい。
(F)成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の金属用電化洗浄剤組成物における(A)成分〜(F)成分の配合割合は、使用目的に応じて適宜設定されるが、洗浄性、抑泡性、経済性の観点から、(A)成分100質量部に対して、(B)成分は、1〜200質量部であることが好ましく、5〜200質量部であることがより好ましく、(C)成分は、10〜800質量部であることが好ましく、50〜500質量部であることがより好ましく、(D)成分は、100〜1000質量部であることが好ましく、200〜800質量部であることがより好ましく、(E)成分は、1〜200質量部であることが好ましく、5〜100質量部であることがより好ましく、(F)成分は、0.01〜100質量部であることが好ましく、0.1〜50質量部であることがより好ましい。
本実施形態の金属用電化洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、抑泡剤、防腐剤、アルカリ剤、界面活性剤、キレート剤、防錆剤、酸化防止剤、着色剤、消臭剤、芳香剤等を配合できる。
抑泡剤としては特に限定されないが、シリコン系、ポリグリコール系、高級アルコール系、鉱物油系等が挙げられる。これら抑泡剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。なお、かかる高級アルコール系の抑泡剤が上記(B)成分と重複する場合は、(B)成分として配合され、上述した好ましい配合量の範囲で用いることが好ましい。
防腐剤としては特に限定されないが、芳香族カルボン酸等が挙げられ、具体的には、安息香酸、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、キシリル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、ケイ皮酸、トルイル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。これら防腐剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。
アルカリ剤としては特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物;オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、メタ珪酸カリウム等のケイ酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン;アンモニア等をあげることができる。これらアルカリ剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。なお、かかるアルカノールアミンが上記(D)成分と重複する場合は、(D)成分としてとして配合され、上述した好ましい配合量の範囲で用いることが好ましい。
界面活性剤としては特に限定されないが、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アルキレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンアルキレンオキサイド付加物等のノニオン界面活性剤;石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。なお、かかる高級アルコールアルキレンオキサイド付加物が上記(A)成分と重複する場合は、(A)成分として配合され、上述した好ましい配合量の範囲で用いることが好ましい。
キレート剤としては特に限定されないが、EDTA、NTA、DTPA、HEDTA、TTHA等のアミノカルボン酸系キレート剤;HEDP、NTMP等のホスホン酸系キレート剤、ポリカルボン酸系キレート剤等が挙げられる。これらキレート剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。なお、かかるポリカルボン酸系のキレート剤が上記(C)成分と重複する場合は、(C)成分として配合され、上述した好ましい配合量の範囲で用いることが好ましい。
本実施形態の金属用洗浄剤組成物のpHは、製品安定性の観点から5.0以上であることが好ましく、6.0以上であることがより好ましい。pHが5.0未満の場合は、前記アルカリ剤で調整することができる。これらpH調整剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。本発明におけるpHはガラス電極法などの公知の方法で測定することができる。
本実施形態の金属用洗浄剤組成物で洗浄が可能な金属は、金属成分を有している物質であれば、特に限定されるものではないが、鉄、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、金、銀、銅、鉛、チタン等の金属;前記記載の金属の合金、例えば、真鍮、ステンレス、ジュラルミン・チタン等の合金;トタン等のメッキ加工した金属等が挙げられる。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物は、金属用電解洗浄剤としてそのまま使用してもよいが、該組成物を水で希釈して調製した洗浄剤を使用してもよい。洗浄剤は、洗浄性、経済性の観点から、(A)成分と(B)成分の合計含有量が、洗浄剤全量を基準に0.001〜20質量%であることが好ましく、0.01〜15質量%であることがより好ましく、0.02〜10質量%であることが更により好ましい。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物を希釈する際に使用する水は、水道水、井戸水、イオン交換水、又は蒸留水を好適に用いることができる。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物を水で希釈して調製した洗浄剤のpHは、洗浄性の観点から6.0以上であることが好ましく、8.0以上であることがより好ましい。pHが6.0未満の場合は、前記アルカリ剤で調整することができる。これらpH調整剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。本発明におけるpHはガラス電極法などの公知の方法で測定することができる。
本実施形態の金属用電解洗浄剤組成物を水で希釈して調製した洗浄剤の静的表面張力、及び動的表面張力は、洗浄性、乾燥性の観点から20〜60mN/mであることが好ましく、20〜50mN/mであることがより好ましい。本発明における静的表面張力はウィルヘルミー法にて測定し、動的表面張力は最大泡圧法にて測定することができる。
本実施形態に係る金属用電解洗浄剤は、電解洗浄にて使用される。電解洗浄方法については特に限定されるものではないが、陰極電解洗浄方法、陽極電解洗浄方法、PR電解洗浄方法等が好適に使用される。
洗浄温度は、洗浄性、経済性の観点から5〜100℃であることが好ましく、10〜80℃がより好ましく、15〜70℃が特に好ましい。洗浄時間は、被洗浄物の形状・大きさ、洗浄方法、洗浄条件に応じて変わり、特に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1〜17、比較例1〜5)
[金属用電解洗浄剤組成物の調製]
実施例1〜17、及び比較例1〜5の金属用電解洗浄剤組成物は、表1〜4に示す成分及び組成(質量%)のとおりに調製した。具体的には、イオン交換水に、所定の成分を加えて混合して均一とし調整した。
[金属用電解洗浄剤組成物の調製]
実施例1〜17、及び比較例1〜5の金属用電解洗浄剤組成物は、表1〜4に示す成分及び組成(質量%)のとおりに調製した。具体的には、イオン交換水に、所定の成分を加えて混合して均一とし調整した。
[金属用電解洗浄剤の調製]
上記で得られた各金属用電解洗浄剤組成物及び水酸化ナトリウムをイオン交換水で希釈して金属用電解洗浄剤を調製した。なお、洗浄剤における金属用電解洗浄剤組成物の含有量は3質量%及び水酸化ナトリウムの含有量は2質量%とした。また、洗浄剤のpHは14であった。
上記で得られた各金属用電解洗浄剤組成物及び水酸化ナトリウムをイオン交換水で希釈して金属用電解洗浄剤を調製した。なお、洗浄剤における金属用電解洗浄剤組成物の含有量は3質量%及び水酸化ナトリウムの含有量は2質量%とした。また、洗浄剤のpHは14であった。
[洗浄性評価試験]
市販の50mm×50mm×1mmに切断された冷間圧延した鋼板(SPCC−SB)を試験片として用いた。n−ヘキサンにて試験片表面を洗浄し、汚染物質として圧延油(パーム油)を0.2g塗布し、汚染試料とした。上記で調製した洗浄剤に汚染試料を浸漬し、すばやく通電して下記の条件で電解洗浄をし、80℃にて30分間乾燥した。乾燥した試験片の重量を測定し、下記計算式にて洗浄率を算出した。
(電解洗浄条件)
電解洗浄方式:PR電解洗浄
電流密度:10A/dm2
電解時間:陰極電解.陽極電解各2秒間
洗浄液温度:20℃、60℃
(洗浄率)
洗浄率(質量%)=[{洗浄前の汚染試料の質量(g)}−{洗浄後の汚染試料の質量(g)}]×100/[{洗浄前の汚染試料の質量(g)}−{試験片の質量(g)}]
市販の50mm×50mm×1mmに切断された冷間圧延した鋼板(SPCC−SB)を試験片として用いた。n−ヘキサンにて試験片表面を洗浄し、汚染物質として圧延油(パーム油)を0.2g塗布し、汚染試料とした。上記で調製した洗浄剤に汚染試料を浸漬し、すばやく通電して下記の条件で電解洗浄をし、80℃にて30分間乾燥した。乾燥した試験片の重量を測定し、下記計算式にて洗浄率を算出した。
(電解洗浄条件)
電解洗浄方式:PR電解洗浄
電流密度:10A/dm2
電解時間:陰極電解.陽極電解各2秒間
洗浄液温度:20℃、60℃
(洗浄率)
洗浄率(質量%)=[{洗浄前の汚染試料の質量(g)}−{洗浄後の汚染試料の質量(g)}]×100/[{洗浄前の汚染試料の質量(g)}−{試験片の質量(g)}]
[抑泡性評価試験]
100mlネスラー管に所定の温度(20℃又は60℃)に調整された実施例1〜17、及び比較例1〜5の各金属用電解洗浄剤を50ml注ぎ、5秒間に振幅幅20cmで10回上下に振り、水平な台の上に静置した直後、及び静置1分後の液面からの泡量(mL)を測定した。
100mlネスラー管に所定の温度(20℃又は60℃)に調整された実施例1〜17、及び比較例1〜5の各金属用電解洗浄剤を50ml注ぎ、5秒間に振幅幅20cmで10回上下に振り、水平な台の上に静置した直後、及び静置1分後の液面からの泡量(mL)を測定した。
なお、表1〜4のポリアクリル酸ナトリウム*1及びポリプロピレングリコール*2は以下の化合物を用いた。
*1:ポリアクリル酸ナトリウム、重量平均分子量6,000。
*2:ポリプロピレングリコール、数平均分子量1,000。
*1:ポリアクリル酸ナトリウム、重量平均分子量6,000。
*2:ポリプロピレングリコール、数平均分子量1,000。
表1〜3に示されるように、実施例1〜17の洗浄剤は、20℃及び60℃のいずれの洗浄条件であっても洗浄性及び抑泡性に優れていることが確認された。
本発明によれば、低温でも良好な洗浄性及び抑泡性を示すことができる洗浄剤組成物を提供することができる。これにより、洗浄浴の過剰な加熱が不要となりエネルギーコストの削減が期待できる。
Claims (6)
- (C)脂肪族モノカルボン酸、ポリカルボン酸及びこれらの中和塩からなる群より選択される少なくとも一種のカルボン酸化合物を更に含有する、請求項1に記載の金属用電解洗浄剤組成物。
- (D)アルカノールアミン化合物を更に含有する、請求項1又は2に記載の金属用電解洗浄剤組成物。
- (F)下記一般式(3)で表される化合物を更に含有する、請求項1〜4いずれか1項に記載の金属用電解洗浄剤組成物。
[式(3)中、R2は、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数8〜30のアルケニル基、下記一般式(4)で表される基、又は下記一般式(5)で表される基を示し、R3は、水素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数2〜30のアルケニル基を示し、x及びzはそれぞれ独立に0又は1であり、AOは、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、yは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、11〜200の範囲にある。ただし、R2が下記一般式(4)で表される基又は下記一般式(5)で表される基である場合、R3は水素原子であり、x及びzは0である。
{式(4)中、gは1〜5の整数であり、hは1〜5の整数であり、g×hの総数が1〜5の範囲内にあり、式(4)中のgが2以上である場合、複数あるhは同一であっても異なっていてもよい。}
{式(5)中、mは1〜5の整数であり、nは1〜5の整数であり、(m+1)×nの総数が1〜5の範囲内にあり、式(5)中のnが2以上である場合、複数あるmは同一であっても異なっていてもよい。}]
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-
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