JP2019188433A - 摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接合欠陥の発生を抑制できる摩擦攪拌接合方法を提供する。【解決手段】 所定の方向に延びる平面状の外周面を有する第1摩擦攪拌接合対象部位、WP1及び前記第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の外周面の延設方向における端部から前記所定の方向に延びる曲面状の外周面を有する第2摩擦攪拌接合対象部位WP2に沿って摩擦攪拌ツールFTを走査して、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1及び第2摩擦攪拌接合対象部位WP2を、この順に連続的に接合する。摩擦撹拌ツールFTのショルダ部の前記走査方向における後半部が前半部に比べて前記摩擦攪拌接合対象部位内へ深く入り込み、且つ第1摩擦攪拌接合対象部位WP1内への前記ショルダ部の入り込み深さdと、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2内への前記ショルダ部の入り込み深さdとが同一になるように、摩擦攪拌ツールFTと接合対象の部材との相対的位置又は姿勢を制御する。【選択図】図6

Description

本発明は、摩擦攪拌接合方法に関する。
例えば、下記特許文献1に記載されているように、2つの金属部材の摩擦攪拌接合方法は知られている。この摩擦拡販接合方法の第1工程(突き合わせ工程)では、まず、接合対象部材としての2つの金属部材(第1部材及び第2部材)の端面が突き合わせられる。なお、第1部材及び第2部材の境界部に段差が形成されないように両部材が配置される。第2工程(接合工程)では、摩擦攪拌ツールの先端部(プローブ部)が摩擦攪拌接合対象部位に圧入され、摩擦攪拌接合対象部位に沿って走査される。これにより、摩擦攪拌接合対象部位(つまり、前記突き合わせられた端面の両側に位置する部分)が攪拌されて塑性流動する。このようにして第1部材と第2部材とが接合される。
特開2016−74014号公報
一般に、摩擦攪拌ツールが摩擦攪拌接合対象部位に沿って走査される際、摩擦攪拌ツールの中心軸は接合対象部位の表面に垂直ではなく、前記表面(又は法線)に対して少し傾斜している。すなわち、摩擦攪拌ツールの先端側(プローブ部側)が基端側(シャンク部側)に比べて前記走査方向における前方に位置している。前記法線に対する中心軸の傾斜角度は前進角と呼ばれる。前進角は、例えば、3°に設定される。上記のように、前記法線に対して摩擦攪拌ツールが傾斜配置されることにより、摩擦攪拌ツールのショルダ部(シャンク部の先端)のうち、前記走査方向における後半部側が、前半部側に比べて、前記接合対象部位内に深く入り込む。そのため、摩擦攪拌ツールによって攪拌されて前記走査方向における後方側へ塑性流動した金属材料の浮き上がり(表面の膨出)を抑制して、接合欠陥(空洞)の発生を抑制できる。
ここで、図22に示すように、突き合わせられた第1部材P1及び第2部材P2の第1摩擦攪拌接合対象部位WP1を接合し、引き続き第2摩擦攪拌接合対象部位WP2を接合する工程について考察する。なお、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の外周面S1が平面状であり、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2の外周面S2が、外周面S1に連続する円弧面である。
まず、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1に摩擦攪拌ツールFTが圧入される。そして、摩擦攪拌ツールFTが、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2側(図23において右方)へ平行移動される。なお、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合工程において、前進角θが、所定値(例えば3°)に設定される。言い換えれば、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1内へのショルダ部の後半部の入り込み深さdが、塑性流動した金属材料の浮き上がりを抑制可能な最適値d(例えば0.3mm)に設定される。なお、摩擦攪拌ツールFTの先端(プローブ部)は、実際には円錐台形であるが、以下の説明において、プローブ部PRの先端DPを尖鋭形とする。また、図23において、破線Laは、外周面S1,S2からの距離が入り込み深さdの最適値dである位置を表す。また、破線Lbは、外周面S1,S2からの距離が撹拌深さDの最適値Dである位置を表す。
図23に示すように、プローブ部PRの先端DPが、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1と第2摩擦攪拌接合対象部位WP2との境界部BD12に到達したとき、摩擦攪拌ツールFTが、外周面S2の中心軸Oの回りに回動され始める。ここで、摩擦撹拌ツールFTの中心軸Oの回りの回動角度αが増大するだけであり、前進角θ(外周面S2の各点における法線Nに対する中心軸CAの角度)、摩擦撹拌ツールFTの中心軸CAの延設方向の位置などの他のパラメータは変更されない。この場合、撹拌深さD(外周面S1,S2からプローブ部PRの先端DPまでの距離)は、最適値Dに保たれる。しかし、図23に示すように、摩擦攪拌ツールFTが中心軸Oの回りに回動され始めると、摩擦接合対象部位WP(第1摩擦攪拌接合対象部位WP1又は第2摩擦攪拌接合対象部位WP2)内へのショルダ部(シャンク部SHの先端)の入り込み深さdが、最適値dより小さくなる。したがって、図24に示すように、塑性流動した金属材料が浮き上がり、外周面S2が膨出して、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2の内部に接合欠陥(空洞)が生じる虞がある。なお、図24において、摩擦撹拌ツールFTのショルダ部の後端の軌跡を2点鎖線で示している。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、接合欠陥の発生を抑制できる摩擦攪拌接合方法を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、2つの部材(10,20)の突き合わせ面の両側に位置する部位からなる第1摩擦攪拌接合対象部位(WP1)及び第2摩擦攪拌接合対象部位(WP2)であって、所定の方向に延びる平面状の外周面(S1)を有する第1摩擦攪拌接合対象部位、及び前記第1摩擦攪拌接合対象部位の外周面の延設方向における端部から前記所定の方向に延びる曲面状の外周面(S2)を有する第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って摩擦攪拌ツール(FT)を走査して、前記第1摩擦攪拌接合対象部位及び前記第2摩擦攪拌接合対象部位を、この順に連続的に接合する摩擦攪拌接合方法であって、前記摩擦撹拌ツールのショルダ部の前記走査方向における後半部が前半部に比べて前記摩擦攪拌接合対象部位内へ深く入り込み、且つ前記第1摩擦攪拌接合対象部位内への前記ショルダ部の入り込み深さ(d)と、前記第2摩擦攪拌接合対象部位内への前記ショルダ部の入り込み深さ(d)とが同一になるように、前記摩擦攪拌ツールと前記2つの部材との相対的位置又は姿勢を制御する、摩擦攪拌接合方法としたことにある。
この場合、前記第1摩擦攪拌接合対象部位における摩擦攪拌ツールの前進角(θ)を所定値に設定し、前記第1摩擦攪拌接合対象部位と前記第2摩擦攪拌接合対象部位との境界部(BD12)に、前記摩擦攪拌ツールの先端部(DP)が到達したとき、前記摩擦攪拌ツールを、前記第2摩擦攪拌接合対象部位の外周面(S2)の中心軸(O)の回りに回動させ始めるとともに、前記前進角を徐々に変更するとよい。
また、この場合、前記第1摩擦攪拌接合対象部位と前記第2摩擦攪拌接合対象部位との境界部に、前記ショルダ部の走査方向における後端側の部位が到達したとき、前記摩擦攪拌ツールを、前記第2摩擦攪拌接合対象部位の外周面の中心軸の回りに回動させ始めてもよい。
また、この場合、前記第1摩擦攪拌接合対象部位における摩擦攪拌ツールの前進角を所定値に設定し、前記第1摩擦攪拌接合対象部位と前記第2摩擦攪拌接合対象部位との境界部に、前記摩擦攪拌ツールの先端部が到達したとき、前記摩擦攪拌ツールを、前記第2摩擦攪拌接合対象部位の外周面の中心軸の回りに回動させ始めるとともに、摩擦攪拌ツールの攪拌深さ(D)を徐々に変更してもよい。なお、本発明の「攪拌深さ」は、接合される前記2つの部材の外周面から摩擦攪拌ツールの先端までの距離に相当する。
本発明によれば、平面状の外周面を有する第1摩擦攪拌接合対象部位から曲面状の外周面を有する第2摩擦攪拌接合対象部位に亘り、摩擦攪拌ツールのショルダ部の入り込み深さを最適値に保つことができる。よって、図24に示すような接合欠陥の発生を抑制できる。
本発明の第1実施形態乃至第3実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を用いて接合される第1部材及び第2部材の斜視図である。 本発明の摩擦撹拌接合方法の接合工程の概略を示す斜視図である。 本発明の第1乃至第3実施形態に係り、第1部材と第2部材との境界面であって、摩擦撹拌ツールを第1摩擦攪拌接合対象部位に沿って走査する様子を示す断面図である。 摩擦撹拌ツールが第1摩擦攪拌接合対象部位と第2摩擦攪拌接合対象部位の境界部に到達した状態を示す断面図である。 前進角を変更することなく、摩擦撹拌ツールを第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って少し回動させた場合の摩擦撹拌ツールの姿勢を示す断面図である。 前進角を徐々に増大させつつ摩擦撹拌ツールを第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って回動させる様子を示す断面図である。 ショルダ部の走査方向における後端が第1摩擦攪拌接合対象部位と第2摩擦攪拌接合対象部位の境界部に到達した状態を示す断面図である。 前進角を変更することなく摩擦撹拌ツールを第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って回動させる様子を示す断面図である。 プローブ部の先端が第1摩擦攪拌接合対象部位と第2摩擦攪拌接合対象部位の境界部に到達した状態を示す断面図である。 前進角を変更することなく、摩擦撹拌ツールを第3摩擦攪拌接合対象部位に沿って少し平行移動させた場合の摩擦撹拌ツールの姿勢を示す断面図である。 前進角を徐々に増大させつつ摩擦撹拌ツールを第3摩擦攪拌接合対象部位に沿って平行移動させる様子を示す断面図である。 ショルダ部の走査方向における後端が第2摩擦攪拌接合対象部位と第3摩擦攪拌接合対象部位の境界部に到達した状態を示す断面図である。 摩擦撹拌ツールを第3摩擦攪拌接合対象部位に沿って平行移動させる様子を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係り、ショルダ部の走査方向における後端が第1摩擦攪拌接合対象部位と第2摩擦攪拌接合対象部位の境界部に到達した状態を示す断面図である。 摩擦撹拌ツールを第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って回動させる様子を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係り、摩擦撹拌ツールの押し込み量を変更することなく、摩擦撹拌ツールを第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って少し回動させた場合の摩擦撹拌ツールの姿勢を示す断面図である。 押し込み量を徐々に増大させつつ摩擦撹拌ツールを第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って回動させる様子を示す断面図である。 押し込み量を変更することなく摩擦撹拌ツールを第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って回動させる様子を示す断面図である。 押し込み量を変更することなく摩擦撹拌ツールを第3摩擦攪拌接合対象部位に沿って平行移動させた場合の摩擦撹拌ツールの姿勢を示す断面図である。 ショルダ部の走査方向における後端が第2摩擦攪拌接合対象部位と第3摩擦攪拌接合対象部位の境界部に到達した状態を示す断面図である。 押し込み量を変更することなく摩擦撹拌ツールを第3摩擦攪拌接合対象部位に沿って平行移動させる様子を示す断面図である。 従来の摩擦撹拌接合方法の接合工程の概略を示す斜視図である。 従来の摩擦撹拌接合方法に係り、第1部材と第2部材との突き合わせ面であって、摩擦撹拌ツールを第1摩擦攪拌接合対象部位及び第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って走査する様子を示す断面図である。 接合欠陥を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る摩擦攪拌接合方法を用いて、図1に示す第1部材10と第2部材20とを接合して、一方向へ開放された箱状(ケース状)の製品を製造する手順(突き合わせ工程及び接合工程)について説明する。第1部材10及び第2部材20は、アルミニウム合金製である。第1部材10は、側壁部11及び周壁部12を有する。側壁部11は、略長方形の板状部である。すなわち、側壁部111は、対向する長辺部111,113及び短辺部112,114を有する。側壁部11の長辺部111と短辺部112との交差部(角部C1a)が円弧状に湾曲している。また、側壁部11の長辺部113と短辺部112との交差部(角部C1b)が円弧状に湾曲している。
周壁部12は、側壁部11の周縁部から側壁部11の表面に対して垂直に延びるとともに、側壁部11の周縁部に沿って延設されている。周壁部12は、側壁部11の周縁部のうち、短辺部114を除く部分に沿って形成されている。具体的には、周壁部12は、長辺部111に沿った第1壁部121、角部C1aに沿った第2壁部122、短辺部112に沿った第3壁部123、角部C1bに沿った第4壁部124、長辺部113に沿った第5壁部125を有する。第1壁部121、第3壁部123及び第5壁部125の外周面は平面である。また、第2壁部122及び第4壁部124の外周面は、円弧面である。なお、第1壁部121乃至第5壁部125の幅(側壁部11の壁厚方向に平行な方向の寸法)は同一である。また、第1壁部121乃至第5壁部125の壁厚は同一である。また、第1壁部121乃至第5壁部125の幅方向における端面であって、側壁部11とは反対側の端面E1は、側壁部11の表面に平行である。
第2部材20は、第1部材10の周壁部12の端面に関して面対称形状を有する。すなわち、第2部材20は、側壁部11と同様の側壁部21、及び周壁部12と同様の周壁部22を有する。側壁部21は、長辺部211,213及び短辺部212,214を有する。側壁部21の長辺部211と短辺部212との交差部(角部C2a)が円弧状に湾曲している。また、側壁部21の長辺部213と短辺部212との交差部(角部C2b)が円弧状に湾曲している。周壁部22は、第1壁部121乃至第5壁部125と同様の第1壁部221乃至第5壁部225を有する。なお、第1壁部221乃至第5壁部225の幅方向における端面であって、側壁部21とは反対側の端面E2は、側壁部21の表面に平行である。
以下説明するように、第1部材10の周壁部12と第2部材20の周壁部22とが突き合わせられ、その突き合わせ面の両側に位置する部位からなる摩擦攪拌接合対象部位WPに沿って摩擦撹拌ツールFTが走査されて、第1部材10と第2部材20とが接合される(図2参照)。なお、摩擦攪拌ツールFTは、駆動装置DRに取り付けられている。駆動装置DRは、図示しない制御装置及び各種アクチュエータを備える。前記制御装置は、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢、並びに中心軸CAの回りの回転数に関する各種パラメータを所定のコンピュータプログラムに従って制御する。また、前記各種アクチュエータは、前記パラメータに従って動作し、摩擦攪拌ツールFTの回転数、位置及び姿勢を変更する。
(突き合わせ工程)
つぎに、突き合わせ工程について説明する。第1部材10の周壁部12の端面E1及び第2部材20の周壁部22の端面E2が突き合わせられる。周壁部12と周壁部22との境界部において段差が形成されないように、第1部材10及び第2部材20が配置される。つまり、第1部材10の周壁部12の外周面と第2部材20の周壁部22の外周面とが連続するように、両部材が配置される。以下の説明において、第1部材10及び第2部材20との摩擦攪拌接合対象部位WPのうち、第1壁部121と第1壁部221とが接合される部分を第1摩擦攪拌接合対象部位WP1と呼ぶ。第2壁部122と第2壁部222とが接合される部分を第2摩擦攪拌接合対象部位WP2と呼ぶ。第3壁部123と第3壁部223とが接合される部分を第3摩擦攪拌接合対象部位WP3と呼ぶ。第4壁部124と第4壁部224とが接合される部分を第4摩擦攪拌接合対象部位WP4と呼ぶ。また、第5壁部125と第5壁部225とが接合される部分を第5摩擦攪拌接合対象部位WP5と呼ぶ。
上記のように突き合わせられた第1部材10及び第2部材20が、図示しない支持装置に取り付けられて固定される。以下の説明において、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の外周面S1の延設方向を前後方向と呼び、第1部材10及び第2部材20の並び方向を左右方向と呼ぶ。また、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の外周面S1の法線方向を上下方向と呼ぶ。
(接合工程)
つぎに、接合工程について説明する。この工程では、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2の接合、及び第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合がこの順に実施される。そして、引き続き、第4接合対象部位WP4の接合、及び第5接合対象部位WP5の接合が、この順に実施される。上記の工程が連続的に実施される。第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合から第3接合対象部位WP3の接合に亘る一連の工程と、第3接合対象部位WP3の接合から第5接合対象部位WP5の接合に亘る一連の工程とは略同一である。そこで、以下、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合から第3接合対象部位WP3の接合に亘る一連の工程について説明し、第3接合対象部位WP3の接合から第5接合対象部位WP5の接合に亘る一連の工程についての説明を省略する。なお、図3乃至図20において、なお、摩擦攪拌ツールFTの先端(プローブ部PR)は、実際には円錐台形であるが、以下の説明において、プローブ部PRの先端DPを尖鋭形とする。また、破線Laは、外周面S1,S2,S3からの距離が入り込み深さdの最適値dである位置を表す。また、破線Lbは、外周面S1,S2,S3からの距離が撹拌深さDの最適値Dである位置を表す。
まず、図2に示すように、摩擦攪拌ツールFTが第1部材10及び第2部材20の上方に配置される。つぎに、摩擦攪拌ツールFTの中心軸CAの左右方向における位置と、第1部材10と第2部材20との突き合わせ面(つまり、端面E1及び端面E2)の左右方向における位置とが一致するように、第1部材10及び第2部材20並びに摩擦攪拌ツールFTの左右方向における位置が設定される。また、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の前後方向における端部であって、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2とは反対側の端部の上方に摩擦攪拌ツールFTの先端部が位置するように、摩擦攪拌ツールFTの位置が設定される。
つぎに、摩擦攪拌ツールFTが中心軸CAの回りに回転されながら下降され、摩擦攪拌ツールFTの先端部が第1壁部121と第1壁部221との境界部に圧入される。図3に示すように、前進角θは、例えば、3°に設定される。これにより、摩擦攪拌ツールFTのショルダ部の後半部(摩擦撹拌ツールFTの走査方向における後側部)が、前半部(摩擦撹拌ツールFTの走査方向における前側部)に比べて、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1内に深く入り込む。具体的には、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1内へのショルダ部の入り込み深さdが、塑性流動した金属材料の浮き上がりを抑制可能な最適値d(例えば0.3mm)に設定される。なお、ショルダ部の前端は、外周面S1より少し上方に位置している。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが前方(図3における右方)へ走査(平行移動)される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、前後方向の位置に関するパラメータを除くパラメータは変更されない。これによれば、プローブ部PRの先端DPは破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。また、ショルダ部の走査方向における後端RP(すなわち、摩擦攪拌接合対象部位WP内へ最も深く入り込んだ部位)は、図3において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。図4に示すように、摩擦攪拌ツールFTのプローブ部PRの先端DPが、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1と第2摩擦攪拌接合対象部位WP2との境界部BD12に到達したとき、摩擦撹拌ツールFTの前方への走査が停止される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2の外周面S2の中心軸Oの回りに走査(回動)され始める。その際、摩擦攪拌ツールFTのプローブ部PRの先端DPが図4において破線Lbに沿って移動し、且つショルダ部の走査方向における後端RPが図4において破線Laに沿って移動するように、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関する各種パラメータが変更される。すなわち、攪拌深さD(外周面S2からプローブ部PRの先端DPまでの距離)が最適値Dに保持され、且つ摩擦攪拌ツールFTのショルダ部の入り込み深さdが、最適値d(例えば0.3mm)に保持されるように、各種パラメータが変更される。
図4の状態から、摩擦撹拌ツールFTの中心軸Oの回りの回動角度αが増大されることにより、プローブ部PRの先端DPは、図5において破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。ここで、仮に、図5に示すように、摩擦撹拌ツールFTの中心軸Oの回りの回動角度αが増大され始めた際、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、回動角度αを除くパラメータが変更されない場合には、ショルダ部の走査方向における後端RPは図5において破線Laから逸れる。つまり、入り込み深さdが徐々に小さくなる。そこで、図6に示すように、摩擦撹拌ツールFTの回動角度αが徐々に増大されつつ、入り込み深さdが最適値dに保持されるように、摩擦撹拌ツールFTが、プローブ部PRの先端DPを中心として徐々に回動されて、前進角θが増大される。ショルダ部の走査方向における後端RPが境界部BD12に到達したとき(図7参照)、先端DPを中心とした摩擦撹拌ツールFTの回動(前進角θの変更)が停止される。
つぎに、図8に示すように、摩擦撹拌ツールFTが、中心軸Oの回りにさらに回動される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、回動角度αを除くパラメータは変更されない。すなわち、図7に示す時点の前進角θが保持される。これによれば、ショルダ部の走査方向における後端RPは、図8及び図9において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。また、プローブ部PRの先端DPは、図8及び図9において破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。回動角度αが「90°」に到達したとき(すなわち、プローブ部PRの先端DPが境界部BD23に到達したとき(図9参照))、中心軸Oの回りの摩擦撹拌ツールFTの回動が停止される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが下方へ走査(平行移動)され始める。これによれば、プローブ部PRの先端DPは、図11及び図12において破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。ここで、仮に、図10に示すように、摩擦撹拌ツールFTが下方へ走査され始めた際、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、上下方向の位置に関するパラメータを除くパラメータが変更されない場合には、ショルダ部の走査方向における後端RPは図10において破線Laから逸れる。つまり、入り込み深さdが徐々に大きくなる。そこで、図11に示すように、摩擦撹拌ツールFTが下方へ平行移動されつつ、入り込み深さdが最適値dに保持されるように、摩擦撹拌ツールFTが、プローブ部PRの先端DPを中心として徐々に回動されて、前進角θが減少される。ショルダ部の走査方向における後端RPが境界部BD23に到達したとき(図12参照)、先端DPを中心とした摩擦撹拌ツールFTの回動(前進角θの変更)が停止される。
つぎに、図13に示すように、摩擦撹拌ツールFTがさらに下方へ走査(平行移動)される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、上下方向の位置に関するパラメータを除くパラメータは変更されない。これによれば、プローブ部PRの先端DPは図13において破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。また、ショルダ部の走査方向における後端RPは図13において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。上記のようにして、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1乃至第3摩擦攪拌接合対象部位WP3が接合される。
上記のように、本実施形態では、プローブ部PRの先端DPが破線Lbに沿って移動するように、摩擦攪拌ツールFTの前後方向における位置、上下方向における位置、及び回動角度αが制御される。そのうえ、ショルダ部の走査方向における後端RPが破線Laに沿って移動するように、前進角θが適宜変更される。つまり、本実施形態によれば、攪拌深さDを最適値Dに保つことにより、各部位の接合強度を均一化するとともに、入り込み深さdを最適値dに保つことにより、接合欠陥の発生を抑制できる。
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態に係る摩擦攪拌接合方法を用いて、第1実施形態と同様の製品を製造する手順について説明する。
(突き合わせ工程)
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1部材10と第2部材20とが突き合わせられる。この突き合わせ工程の具体的手順は、第1実施形態と同一であるので、その説明を省略する。
(接合工程)
第1実施形態と同様に、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1乃至第5摩擦攪拌接合対象部位WP5が、この順に連続的に接合される。第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合から第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合に亘る一連の工程と、第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合から第5摩擦攪拌接合対象部位WP5の接合に亘る一連の工程とは略同一である。そこで、以下、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合から第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合に亘る一連の工程について説明し、第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合から第5摩擦攪拌接合対象部位WP5の接合に亘る一連の工程についての説明を省略する。
まず、第1部材10及び第2部材20に対する摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢が、第1実施形態の接合開始時と同様に設定される。
つぎに、第1実施形態と同様に、摩擦攪拌ツールFTが中心軸CAの回りに回転されながら下降され、摩擦攪拌ツールFTの先端部が第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の後端部に圧入される(図3参照)。前進角θは、例えば、3°に設定される。これにより、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1内へのショルダ部の入り込み深さdが最適値d(例えば0.3mm)に設定される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが前方(図3における右方)へ走査(平行移動)される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、前後方向の位置に関するパラメータを除くパラメータは変更されない。これによれば、ショルダ部の走査方向における後端RPは図3において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。また、プローブ部PRの先端DPは破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。
第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、摩擦攪拌ツールFTのプローブ部PRの先端DPが境界部BD12に到達しても摩擦攪拌ツールFTの前方への移動が停止されない。第2実施形態では、図14に示すように、摩擦攪拌ツールFTのショルダ部の走査方向における後端RPが、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1と第2摩擦攪拌接合対象部位WP2との境界部BD12に到達したとき、摩擦撹拌ツールFTの前方への移動が停止される。これによれば、プローブ部PRの先端DPは、図14に示すように、プローブ部PRの先端DPが境界部BD12を通過し、破線Lbから逸れて前方へ移動する。つまり、プローブ部PRの先端DPが境界部BD12を通過すると、撹拌深さDが最適値Dより浅くなる。
つぎに、図15に示すように、摩擦攪拌ツールFTが、外周面S2の中心軸Oの回りに走査(回動)される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、中心軸Oの回りの回動角度αを除くパラメータは変更されない。これによれば、ショルダ部の走査方向における後端RPは図15において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。一方、プローブ部PRの先端DPは、図15において破線Lbから逸れて移動する。つまり、攪拌深さDが最適値Dより浅い。中心軸Oの回りの摩擦撹拌ツールFTの回動角度αが「90°」に達すると、ショルダ部の走査方向における後端RPが第2摩擦攪拌接合対象部位WP2と第3摩擦攪拌接合対象部位WP3との境界部BD23に達する。また、プローブ部PRの先端DPは、境界部BD23を超えて第3摩擦攪拌接合対象部位WP3内へ進入した後、破線Lbに交差する。この時点で、中心軸Oの回りの摩擦攪拌ツールFTの回動が停止される。
つぎに、摩擦攪拌ツールFTが下方へ走査(平行移動)される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、上下方向の位置に関するパラメータを除くパラメータは変更されない。これによれば、ショルダ部の走査方向における後端RPは図15において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。また、プローブ部PRの先端DPは図15において破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。上記のようにして、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1乃至第3摩擦攪拌接合対象部位WP3が接合される。
上記のように、本実施形態では、ショルダ部の走査方向における後端RPが破線Laに沿って移動するように、摩擦攪拌ツールFTの前後方向における位置、上下方向における位置、及び回動角度αが制御される。すなわち、入り込み深さdが最適値dに保持される。よって、接合欠陥の発生を抑制できる。本実施形態では、摩擦攪拌ツールFTの前後方向における位置、上下方向における位置、及び回動角度αだけが制御される。すなわち、例えば第1実施形態とは異なり、前進角θが制御されない。よって、摩擦攪拌ツールFTを制御するコンピュータプログラム及び各種アクチュエータの構成を簡略化できる。
(第3実施形態)
つぎに、本発明の第3実施形態に係る摩擦攪拌接合方法を用いて、第1実施形態と同様の製品を製造する手順について説明する。
(突き合わせ工程)
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1部材10と第2部材20とが突き合わせられる。この突き合わせ工程の具体的手順は、第1実施形態と同一であるので、その説明を省略する。
(接合工程)
第1実施形態と同様に、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1乃至第5摩擦攪拌接合対象部位WP5が、この順に連続的に接合される。第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合から第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合に亘る一連の工程と、第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合から第5摩擦攪拌接合対象部位WP5の接合に亘る一連の工程とは略同一である。そこで、以下、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の接合から第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合に亘る一連の工程について説明し、第3摩擦攪拌接合対象部位WP3の接合から第5摩擦攪拌接合対象部位WP5の接合に亘る一連の工程についての説明を省略する。
まず、第1部材10及び2部材20に対する摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢が、第1実施形態の接合開始時と同様に設定される。
つぎに、第1実施形態と同様に、摩擦攪拌ツールFTが中心軸CAの回りに回転されながら下降され、摩擦攪拌ツールFTの先端部が第1摩擦攪拌接合対象部位WP1の後端部に圧入される(図3参照)。前進角θは、例えば、3°に設定される。これにより、入り込み深さdが、最適値d(例えば0.3mm)に設定される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが前方(図3における右方)へ走査(平行移動)される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、前後方向の位置に関するパラメータを除くパラメータは変更されない。これによれば、ショルダ部の走査方向における後端RPは、図3において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。また、プローブ部PRの先端DPは破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。図4に示すように、摩擦攪拌ツールFTのプローブ部PRの先端DPが、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1と第2摩擦攪拌接合対象部位WP2との境界部BD12に到達したとき、摩擦撹拌ツールFTの前方への走査が停止される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが、第2摩擦攪拌接合対象部位WP2の外周面S2の中心軸Oの回りに走査(回動)され始める。その際、摩擦攪拌ツールFTのショルダ部の走査方向における後端RPが図18において破線Laに沿って移動するように、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関する各種パラメータが変更される。すなわち、摩擦攪拌ツールFTのショルダ部の入り込み深さdが、最適値d(例えば0.3mm)に保持されるように、各種パラメータが変更される。
仮に、図16に示すように、摩擦撹拌ツールFTの中心軸Oの回りの回動角度αが増大され始めた際、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、回動角度αを除くパラメータが変更されない場合には、ショルダ部の走査方向における後端RPは図16において破線Laから逸れる。つまり、入り込み深さdが徐々に小さくなる。そこで、図17に示すように、摩擦撹拌ツールFTの回動角度αが徐々に増大されつつ、入り込み深さdが最適値dに保持されるように、摩擦撹拌ツールFTが、中心軸CAの延設方向に徐々に移動されて、摩擦攪拌接合対象部位WP内への摩擦攪拌ツールFTの押し込み量が徐々に増大される。これによれば、プローブ部PRの先端DPは、図17において破線Lbから少し逸れる。つまり、撹拌深さDが最適値Dより少し深くなる。ショルダ部の走査方向における後端RPが境界部BD12に到達したとき(図18参照)、中心軸CAの延設方向への摩擦撹拌ツールFTの移動(押し込み量の変更)が停止される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが、中心軸Oの回りにさらに回動される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、回動角度αを除くパラメータは変更されない。すなわち、図17に示す時点の押し込み量が保持される。これによれば、ショルダ部の走査方向における後端RPは、図18において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。一方、プローブ部PRの先端DPは、図18において破線Lbから少し逸れている。つまり、撹拌深さDが最適値Dより少し深い。回動角度αが「90°」に到達したとき(すなわち、プローブ部PRの先端DPが境界部BD23に到達したとき)、中心軸Oの回りの摩擦撹拌ツールFTの回動が停止される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTが下方へ走査(平行移動)され始める。仮に、図19に示すように、摩擦撹拌ツールFTが下方へ走査され始めた際、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、上下方向の位置に関するパラメータを除くパラメータが変更されない場合には、入り込み深さdが徐々に大きくなる。そこで、図20に示すように、摩擦撹拌ツールFTが下方へ平行移動されつつ、入り込み深さdが最適値dに保持されるように、摩擦撹拌ツールFTが中心軸CAの延設方向に移動されて、押し込み量が徐々に減少される。なお、プローブ部PRの先端DPは、図20において破線Lbから少し逸れて移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dより少し深い。ショルダ部の走査方向における後端RPが境界部BD23に到達したとき(図21参照)、プローブ部PRの先端DPは、図20において破線Lbに交差する。この時点で、中心軸CAの延設方向への摩擦撹拌ツールFTの移動(押し込み量の変更)が停止される。
つぎに、摩擦撹拌ツールFTがさらに下方へ走査(平行移動)される。なお、摩擦攪拌ツールFTの位置及び姿勢に関するパラメータのうち、上下方向の位置に関するパラメータを除くパラメータは変更されない。これによれば、ショルダ部の走査方向における後端RPは図121において破線Laに沿って移動する。つまり、入り込み深さdが最適値dに保持される。また、プローブ部PRの先端DPは図21において破線Lbに沿って移動する。つまり、撹拌深さDが最適値Dに保持される。上記のようにして、第1摩擦攪拌接合対象部位WP1乃至第3摩擦攪拌接合対象部位WP3が接合される。
上記のように、本実施形態では、ショルダ部の走査方向における後端RPが破線Laに沿って移動するように、摩擦攪拌ツールFTの前後方向における位置、上下方向における位置、回動角度α及び押し込み量が制御される。すなわち、入り込み深さdが最適値dに保持される。よって、接合欠陥の発生を抑制できる。また、本実施形態では、湾曲部(第2摩擦攪拌接合対象部位WP2及び第4摩擦攪拌接合対象部位WP4)において、摩擦攪拌ツールFTの押し込み量が直線部(第1摩擦攪拌接合対象部位WP1、第3摩擦攪拌接合対象部位WP3及び第5摩擦攪拌接合対象部位WP5)に比べて少し増大される。すなわち、湾曲部の攪拌深さD(つまり接合された部分の深さ)が直線部の攪拌深さDに比べて少し大きい。よって、直線部の接合強度に比べて、湾曲部の接合強度を高く設定できる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、第1部材10及び第2部材20を固定しておき、第1部材10及び第2部材20に対して、摩擦攪拌ツールFTを移動させている。これに代えて、第1部材10及び第2部材20と、摩擦攪拌ツールFTとの相対的な位置及び姿勢が上記実施形態と同一になるように、摩擦攪拌ツールFTを固定しておき、摩擦攪拌ツールFTに対して、第1部材10及び第2部材20を移動させてもよい。また、摩擦攪拌ツールFTとの相対的な位置及び姿勢が上記実施形態と同一になるように、摩擦攪拌ツールFTを移動させるとともに、摩擦攪拌ツールFTに対して、第1部材10及び第2部材20を移動させてもよい。
10・・・第1部材、20・・・第2部材、11・・・側壁部、12・・・周壁部BD12・・・境界部、BD23・・・境界部、CA・・・中心軸、DP・・・先端、DR・・・駆動装置、FT・・・摩擦攪拌ツール、N・・・法線、O・・・中心軸、PR・・・プローブ部、RP・・・後端、S1,S2,S3・・・外周面、WP・・・摩擦攪拌接合対象部位、WP1・・・第1摩擦攪拌接合対象部位、WP2・・・第2摩擦攪拌接合対象部位、WP3・・・第3摩擦攪拌接合対象部位、WP4・・・第4摩擦攪拌接合対象部位、WP5・・・第5摩擦攪拌接合対象部位、α・・・回動角度、θ・・・前進角

Claims (4)

  1. 2つの部材の突き合わせ面の両側に位置する部位からなる第1摩擦攪拌接合対象部位及び第2摩擦攪拌接合対象部位であって、所定の方向に延びる平面状の外周面を有する第1摩擦攪拌接合対象部位、及び前記第1摩擦攪拌接合対象部位の外周面の延設方向における端部から前記所定の方向に延びる曲面状の外周面を有する第2摩擦攪拌接合対象部位に沿って摩擦攪拌ツールを走査して、前記第1摩擦攪拌接合対象部位及び前記第2摩擦攪拌接合対象部位を、この順に連続的に接合する摩擦攪拌接合方法であって、
    前記摩擦撹拌ツールのショルダ部の前記走査方向における後半部が前半部に比べて前記摩擦攪拌接合対象部位内へ深く入り込み、且つ前記第1摩擦攪拌接合対象部位内への前記ショルダ部の入り込み深さと、前記第2摩擦攪拌接合対象部位内への前記ショルダ部の入り込み深さとが同一になるように、前記摩擦攪拌ツールと前記2つの部材との相対的位置又は姿勢を制御する、摩擦攪拌接合方法。
  2. 請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記第1摩擦攪拌接合対象部位における摩擦攪拌ツールの前進角を所定値に設定し、
    前記第1摩擦攪拌接合対象部位と前記第2摩擦攪拌接合対象部位との境界部に、前記摩擦攪拌ツールの先端部が到達したとき、前記摩擦攪拌ツールを、前記第2摩擦攪拌接合対象部位の外周面の中心軸の回りに回動させ始めるとともに、前記前進角を徐々に変更する、摩擦攪拌接合方法。
  3. 請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記第1摩擦攪拌接合対象部位と前記第2摩擦攪拌接合対象部位との境界部に、前記ショルダ部の走査方向における後端側の部位が到達したとき、前記摩擦攪拌ツールを、前記第2摩擦攪拌接合対象部位の外周面の中心軸の回りに回動させ始める、摩擦攪拌接合方法。
  4. 請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法において、
    前記第1摩擦攪拌接合対象部位における摩擦攪拌ツールの前進角を所定値に設定し、
    前記第1摩擦攪拌接合対象部位と前記第2摩擦攪拌接合対象部位との境界部に、前記摩擦攪拌ツールの先端部が到達したとき、前記摩擦攪拌ツールを、前記第2摩擦攪拌接合対象部位の外周面の中心軸の回りに回動させ始めるとともに、摩擦攪拌ツールの攪拌深さを徐々に変更する、摩擦攪拌接合方法。
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