JP6756215B2 - 接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、板状の金属部材同士の接合方法に関する。
特許文献1には、板状の第一金属部材と板状の第二金属部材とをT字状に突き合わせて接合する接合方法が開示されている。当該接合方法では、第一金属部材の裏面と第二金属部材の端面とを突き合わせて突合せ部を形成する突合せ工程と、第一金属部材の表面から回転ツールを押し込んで突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程とを行う。
特許第3947271号公報
従来技術は、第二金属部材を第一金属部材の凹溝に挿入する形態であるため、摩擦攪拌接合時に第二金属部材の長手方向に金属部材同士の位置がずれるという問題がある。また、摩擦攪拌接合時に、第一金属部材が第二金属部材に対して浮き上がるように離間すると、接合欠陥の原因になるおそれがある。また、従来技術であると、摩擦攪拌接合時の摩擦熱によって第一金属部材の表面側(回転ツールを挿入する面側)が凹となるように(第一金属部材の先端側が第二金属部材から離間するように)変形するおそれがある。
このような観点から、本発明は、摩擦攪拌接合中に金属部材同士の位置がずれること及び金属部材同士が離間することを防ぎ、さらには、金属部材の変形を是正することができる接合方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、板状を呈し裏面側の角部を切り欠いた第一金属部材の端面と板状を呈し裏面側の角部を切り欠いた第三金属部材の端面とを突き合わせて凹溝を有する第一突合せ部を形成するとともに、前記凹溝に板状の第二金属部材の端面を挿入して端面を前記凹溝の底面に突き合わせて第二突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の側面とで形成される内隅に対して溶接を施すとともに、前記第三金属部材の裏面と前記第二金属部材の側面とで形成される内隅に対して溶接を施す溶接工程と、前記第一金属部材の表面側及び前記第三金属部材の表面側から回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記凹溝に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含み、前記摩擦攪拌工程において、前記攪拌ピンを前記第一金属部材および前記第三金属部材のみ、又は前記第一金属部材、前記第三金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする。
かかる方法によれば、溶接工程を行っているので、摩擦攪拌工程時における金属部材同士の位置ずれや離間を防ぐことができる。これにより、金属部材の位置ずれや離間に伴う接合不良の発生を防ぐことができる。また、溶接時の溶接熱によって第一金属部材の裏面側及び第三金属部材の裏面側が凹となるように変形するが、摩擦攪拌接合時の摩擦熱によって当該変形を是正することができる。
また、かかる方法によれば、第一金属部材及び第三金属部材には凹溝が形成されているので、凹溝が形成されている部分の板厚は、他の部分の板厚よりも薄い。これにより、摩擦攪拌工程において、凹溝が形成されない場合に比べて攪拌ピンを挿入する深さを浅くすることができるので、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、第一突合せ部及び第二突合せ部の摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、前記摩擦攪拌工程において、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材及び前記第三金属部材の表面から挿入し、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材および前記第三金属部材のみ、又は前記第一金属部材、前記第三金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合することが好ましい。
これにより、回転ツールの攪拌ピンのみを金属部材に接触させているので、塑性化領域の幅を狭くすることができる。塑性化領域の幅を狭くすることができれば、第二金属部材の板厚が小さい場合に有利となる。また、回転ツールの攪拌ピンのみを金属部材に接触させることにより、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で深い位置まで摩擦攪拌できるため、第一金属部材および第三金属部材の板厚が大きい場合に有利となる。
また、前記回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部と前記ショルダ部から垂下する攪拌ピンとを有し、前記ショルダ部の直径を前記凹溝の幅よりも小さく設定することが好ましい。
これにより、回転ツールのショルダ部を金属部材に押し込んでいるので、バリの発生を少なくすることができる。なお、ショルダ部の押し込み量を小さくすると、塑性化領域の溝が浅くなるので、第一金属部材および第三金属部材の表面をきれいに仕上げることができる。また、ショルダ部の直径を凹溝の幅よりも小さく形成するので、回転ツールの攪拌ピンによって塑性流動化した材料が、第一金属部材と第二金属部材との内隅および第三金属部材と第二金属部材との内隅から飛び出ることを防止することができる。
また、前記溶接工程では、前記内隅に1パスで連続して肉盛溶接を施すことが好ましい。また、前記溶接工程では、前記内隅に間をあけて断続的に肉盛溶接を施すことが好ましい。また、前記溶接工程では、レーザー溶接、MIG溶接又はTIG溶接を行うことが好ましい。これにより、内隅を確実に接合することができる。
また、前記摩擦攪拌工程において、前記第二金属部材の両側に一対の架台を配置し、前記架台のうち、前記内隅に対向する部位に面取り部を形成することが好ましい。これにより、内隅に形成される溶接金属と架台とが接触するのを回避できるため、架台に金属部材を好適に配置することができる。
本発明に係る接合方法によれば、摩擦攪拌接合中に金属部材同士の位置がずれること及び金属部材同士が離間することを防ぎ、さらには、金属部材の変形を是正することができる。
本発明の第一実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る接合方法の溶接工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程(架台への設置工程)を示す断面図である。 第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程後を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係る接合方法の突合せ工程を示す斜視図である。 第三実施形態に係る接合方法の溶接工程を示す斜視図である。 第三実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程(架台への設置工程)を示す断面図である。 第三実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す斜視図である。 第三実施形態に係る接合方法の摩擦攪拌工程を示す断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る接合方法について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、第一実施形態に係る接合方法では、第一金属部材1と第二金属部材2とをT字状に突き合わせて接合する。第一実施形態に係る接合方法は、突合せ工程と、溶接工程と、摩擦攪拌工程とを行う。なお、説明における「表面」とは、「裏面」に対する反対側の面という意味である。
第一金属部材1は、板状の金属部材である。第一金属部材1の材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等の摩擦攪拌可能な金属から適宜選択される。第一金属部材1の裏面1aには、底面3aと側壁3b,3bとからなる断面矩形の凹溝3が形成されている。凹溝3は、第一金属部材1の延長方向に延設されている。第二金属部材2は、板状の金属部材である。第二金属部材2の板厚寸法は、第二金属部材2が凹溝3に嵌合するように、凹溝3の幅と同等または凹溝3の幅よりも小さく設定されている。第二金属部材2の材料は、前記した摩擦攪拌可能な金属から適宜選択すればよいが、第一金属部材1と同等の材料であることが好ましい。
突合せ工程は、図1に示すように、第一金属部材1と第二金属部材2とを正面視T字状に突き合わせる工程である。突合せ工程では、第一金属部材1の凹溝3に第二金属部材2を嵌め込み、凹溝3の底面3aに第二金属部材2の端面2cを突き合わせる。第一金属部材1の凹溝3の底面3aと第二金属部材2の端面2cとを突き合わせることにより突合せ部J(図2参照)が形成される。
溶接工程は、図2に示すように、各内隅に溶接を施して接合する工程である。溶接工程は、第一金属部材1の裏面1aと第二金属部材2の第一側面2aとで形成される第一内隅と、第一金属部材1の裏面1aと第二金属部材2の第二側面2bとで形成される第二内隅に溶接を施す。溶接の種類は特に制限されないが、本実施形態に係る溶接工程では、レーザー溶接、TIG溶接、MIG溶接等の肉盛溶接を行って溶接金属4,4を形成する。溶接工程では、本実施形態のように間をあけずに連続的に行ってもよいし、一の内隅に対する溶接金属4が間をあけて形成されるように断続的に行ってもよい。溶接工程後は、図2の矢印で示すように、熱収縮により第一金属部材1の裏面1a側が凹となるように(第一金属部材1の先端側が第二金属部材2に近接するように)反って変形する。なお、溶接工程は、第一内隅及び第二内隅の少なくとも一方に行えばよいが、両方に溶接を行うことでバランス良く接合することができる。
摩擦攪拌工程は、図3〜図5に示すように、突合せ部Jに対して摩擦攪拌接合を行う工程である。図3に示すように、摩擦攪拌工程では、まず、架台5,5に第一金属部材1及び第二金属部材2を配置する。より詳しくは、摩擦攪拌工程では、離間して配置された架台5,5の間に第二金属部材2を挿入して、架台5,5に第一金属部材1の裏面1aを当接させる。架台5,5は、いずれも直方体を呈する。架台5,5のうち、各内隅に対向する部位に面取り部5a,5aが形成されている。面取り部5aの形状は、溶接金属4,4に当接しないように適宜形成すればよく、本実施形態ではC面取り形状になっている。
摩擦攪拌工程は、図4及び図5に示すように、第一金属部材1の表面1bから回転ツールFを挿入して、突合せ部Jに沿って摩擦攪拌接合する工程である。回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されており、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。連結部F1は、図示しない摩擦攪拌装置の回転軸に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈し、ボルトが締結されるネジ孔が形成されている。
攪拌ピンF2は、先細りになっており、攪拌ピンF2の長さは、第一金属部材1の凹溝3が形成された部分の板厚よりも大きくなっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が形成されている。本実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、攪拌ピンF2の螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌工程の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、第一金属部材1の表面1bから溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
また、摩擦攪拌工程では、第一金属部材1に回転した攪拌ピンF2のみを挿入し、第一金属部材1と連結部F1とは離間させつつ移動させる。言い換えると、攪拌ピンF2の基端部は露出させた状態で突合せ部Jをなぞるようにして摩擦攪拌接合を行う。回転ツールFの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域Wが形成される。
回転ツールFの挿入深さは、攪拌ピンF2の先端が突合せ部Jに達するように設定することが好ましい。つまり、回転ツールFを第一金属部材1及び第二金属部材2に接触させて摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。攪拌ピンF2の先端が、突合せ部Jに達しないように設定する場合、つまり、攪拌ピンF2を第一金属部材1のみに接触させる場合は、第一金属部材1と攪拌ピンF2との摩擦熱によって突合せ部Jの周囲の金属が塑性流動化して第一金属部材1と第二金属部材2とが接合するようにする。
摩擦攪拌工程では、図4の矢印で示すように、第一金属部材1は摩擦攪拌接合時の摩擦熱によって表面1b側(第一金属部材1の先端側が第二金属部材2から離間するように)に変形する。これにより、溶接時の溶接熱による変形を是正することができ、図6に示すように第一金属部材1は平坦(略平坦も含む)になる。なお、摩擦攪拌工程が終了したら、第一金属部材1の表面1bに発生したバリを除去するバリ除去工程を行うことが好ましい。これにより、第一金属部材1の表面1bをきれいに仕上げることができる。
以上説明した第一実施形態に係る接合方法によれば、内隅に溶接を行っているので、摩擦攪拌工程時における第一金属部材1及び第二金属部材2同士の位置ずれや離間を防ぐことができる。これにより、第一金属部材1及び第二金属部材2の位置ずれや離間に伴う接合不良の発生を防ぐことができる。また、溶接時の溶接熱によって第一金属部材1の裏面1a側が凹となるように変形するが、摩擦攪拌接合時の摩擦熱によって当該変形を是正することができる。
また、本実施形態の第一金属部材1には凹溝3が形成されているので、第一金属部材1の凹溝3が形成されている部分の板厚は、他の部分の板厚よりも薄い。したがって、本実施形態の摩擦攪拌工程では、凹溝3が形成されない場合に比べて攪拌ピンG2を挿入する深さを浅くすることができるので、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、突合せ部Jの摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、溶接工程における溶接の種類は特に制限されないが、本実施形態のようにレーザー溶接、TIG溶接又はMIG溶接を行うことで、内隅を容易にかつ確実に溶接することができる。
また、本実施形態の架台5,5は、内隅に対向する部位に面取り部5a,5aが形成されている。第一金属部材1及び第二金属部材2を架台5に配置するときに、溶接金属4と架台5とが干渉して第一金属部材1及び第二金属部材2が架台5から浮き上がってしまうおそれがあるが、本実施形態によれば、溶接金属4,4と架台5とが干渉するのを防ぐことができる。
また、本実施形態の摩擦攪拌工程では、回転ツールFを用いて、攪拌ピンF2のみを第一金属部材1及び第二金属部材2(又は第一金属部材1のみ)に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行っているので、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、深い位置まで摩擦攪拌接合を行うことができる。したがって、回転ツールFは、第一金属部材1の板厚が大きい場合に特に有利である。また、回転ツールFは、ショルダ部を押し込む場合と比べて塑性化領域Wの幅を小さくできるため、第二金属部材2の板厚が薄い場合にも有利である。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。図7に示すように、第二実施形態に係る接合方法では、回転ツールGを用いる点で第一実施形態と相違する。第二実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、溶接工程と、摩擦攪拌工程とを行う。突合せ工程及び溶接工程は、第一実施形態と同一であるため説明を省略する。
回転ツールGは、例えば工具鋼で形成されており、円柱状のショルダ部G1と、ショルダ部G1から垂下する攪拌ピンG2とで構成されている。攪拌ピンG2の外周面には、螺旋溝が刻設されている。摩擦攪拌工程では、回転ツールGを第一金属部材1の表面1bに挿入しつつ突合せ部Jに沿って移動させる。また、摩擦攪拌工程では、ショルダ部G1の下端面を第一金属部材1に数ミリ程度押し込んで摩擦攪拌を行う。攪拌ピンG2の挿入深さは、突合せ部Jが摩擦攪拌接合可能であれば特に制限されないが、本実施形態のように攪拌ピンG2の先端が突合せ部Jに達するように設定することが好ましい。つまり、回転ツールGを第一金属部材1及び第二金属部材2に接触させて摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
攪拌ピンG2の先端が、突合せ部Jに達しないように設定する場合、つまり、攪拌ピンG2が第一金属部材1のみと接触する場合は、第一金属部材1と攪拌ピンG2との摩擦熱によって突合せ部Jの周囲の金属が塑性流動化して第一金属部材1と第二金属部材2とが接合するようにする。なお、ショルダ部G1の外径(直径)は、適宜設定してよいが、凹溝3の幅よりも小さく形成されているのがよい。
以上説明した第二実施形態に係る接合方法によれば、第一実施形態と略同等の効果を得ることができる。また、ショルダ部G1を第一金属部材1の表面1bに押し込んでいるので塑性流動材がショルダ部G1で押さえられ、バリを少なくすることができる。また、回転ツールGの押し込み量を小さくすると、塑性化領域Wによって表面1bに発生する溝を小さくすることができるため、表面処理等が容易になり、第一金属部材1の表面1bをきれいに仕上げることができる。また、ショルダ部G1の外径(直径)を凹溝3の幅よりも小さく形成するので、回転ツールGの攪拌ピンG2によって塑性流動化した材料が、第一金属部材1と第二金属部材2との内隅から飛び出ることを防止することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る接合方法について説明する。第三実施形態に係る接合方法では、突合せ工程と、溶接工程と、摩擦攪拌工程とを行う。図8及び図9に示すように、第三実施形態に係る接合方法では、第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23を正面視T字状に突き合わせて接合する点で第一実施形態と相違する。
第一金属部材21及び第三金属部材23は、板状の金属部材である。第一金属部材21及び第三金属部材23の材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等の摩擦攪拌可能な金属から適宜選択される。第一金属部材21の裏面21a側の角部は、正面視矩形状に切り欠かれている。つまり、第一金属部材21の裏面21aには、底面21d及び側壁21eからなる凹部21fを有する。また、第三金属部材23の裏面23a側の角部は、正面視矩形状に切り欠かれている。つまり、第三金属部材23の裏面23aには、底面23d及び側壁23eからなる凹部23fを有する。後記するように、第一金属部材21と第三金属部材23とを突き合わせることで、凹部21f及び凹部23fによって凹溝24が形成される。なお、凹部21fと凹部23fとは、同等の寸法であることが好ましい。つまり、第一金属部材21と第三金属部材23とを突き合わされた状態において、第一金属部材21の底面21dと第三金属部材23の底面23dとが面一になることが好ましい。
第二金属部材22は、板状の金属部材である。第二金属部材22の板厚寸法は、第二金属部材22が凹溝24に嵌合するように、凹溝24の幅と同等または凹溝24の幅よりも小さく設定されている。第二金属部材22の材料は、前記した摩擦攪拌可能な金属から適宜選択すればよいが、第一金属部材21及び第三金属部材23と同等の材料であることが好ましい。
突合せ工程では、第一金属部材21の凹部21fが形成された側の端面21cと第三金属部材23の凹部23fが形成された側の端面23cとを突き合わせて第一突合せ部J1を形成する。第一金属部材21及び第三金属部材23が突き合わされた状態で、第一金属部材21及び第三金属部材23の裏面21a,23a(第一突合せ部J1周辺)には、断面矩形の凹溝24が形成される。凹溝24は、第一金属部材21及び第三金属部材23の延長方向に延設される。
また、突合せ工程では、第一突合せ部J1に第二金属部材22の端面22cを突き合わせて第二突合せ部J2(図9参照)を形成する。つまり、第一金属部材21の裏面21a及び第三金属部材23の裏面23aに形成される凹溝24に対して、第二金属部材22の端面22cを突き合わせる。
溶接工程は、図9に示すように、各内隅に溶接を施して接合する工程である。溶接工程は、第一金属部材21の裏面21aと第二金属部材22の第一側面22aとの第一内隅に溶接を施す工程である。また、溶接工程は、第三金属部材23の裏面23aと第二金属部材22の第二側面22bとの第二内隅に溶接を施す工程である。溶接の種類は特に制限されないが、本実施形態に係る溶接工程では、レーザー溶接、TIG溶接、MIG溶接等の肉盛溶接を行って溶接金属4,4を形成する。溶接工程では、本実施形態のように間をあけずに連続的に行ってもよいし、一の内隅に対する溶接金属4が間をあけて形成されるように断続的に行ってもよい。溶接工程後は、図9の矢印で示すように、熱収縮により第一金属部材21及び第三金属部材23の裏面21a,23a側が凹となるように(第一金属部材21及び第三金属部材23の先端側が第二金属部材22に近接するように)反って変形する。
摩擦攪拌工程は、図10〜図12に示すように、第一突合せ部J1及び第二突合せ部J2を摩擦攪拌接合する工程である。摩擦攪拌工程では、まず、図10に示すように、第一実施形態と同じ要領で架台5,5に溶接金属4,4で接合された第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23を配置する。
摩擦攪拌工程は、図11及び図12に示すように、第一金属部材21の表面21b側及び第三金属部材23の表面23b側から回転ツールFを挿入して、第一突合せ部J1に沿って摩擦攪拌接合する工程である。回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されており、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。連結部F1は、図示しない摩擦攪拌装置の回転軸に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈し、ボルトが締結されるネジ孔が形成されている。摩擦攪拌工程では、第一金属部材21及び第三金属部材23に回転した攪拌ピンF2のみを挿入し、第一金属部材21及び第三金属部材23と連結部F1とは離間させつつ移動させる。言い換えると、攪拌ピンF2の基端部は露出させた状態で第一突合せ部J1をなぞるようにして摩擦攪拌接合を行う。回転ツールFの移動軌跡には摩擦攪拌された金属が硬化することにより塑性化領域Wが形成される。
回転ツールFの挿入深さは、攪拌ピンF2の先端が第二突合せ部J2に達するように設定することが好ましい。つまり、攪拌ピンF2を第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
攪拌ピンF2の先端が、第二突合せ部J2に達しないように設定する場合、つまり、攪拌ピンF2が第一金属部材21及び第三金属部材23のみと接触する場合は、第一金属部材21及び第三金属部材23と攪拌ピンF2との摩擦熱によって第二突合せ部J2の周囲の金属が塑性流動化して第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23とが接合するようにする。
また、摩擦攪拌工程では、図11の矢印で示すように、第一金属部材21及び第三金属部材23は摩擦攪拌接合時の摩擦熱によって表面21b,23b側(第一金属部材21及び第三金属部材23の先端側が第二金属部材22から離間するように)に変形する。これにより、溶接時の溶接熱による変形を是正することができ、第一金属部材21及び第三金属部材23は平坦(略平坦も含む)になる。なお、摩擦攪拌工程が終了したら、第一金属部材21及び第三金属部材23の表面21b,23bに発生したバリを除去するバリ除去工程を行うことが好ましい。これにより、第一金属部材21及び第三金属部材23の表面21b,23bをきれいに仕上げることができる。
なお、第三実施形態の突合せ工程および溶接工程に対して、第二実施形態の摩擦攪拌工程を行うこともできる。つまり、第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23を正面視T字状に突き合わせて内隅を溶接した後で、円柱状のショルダ部G1を有する回転ツールGを用いて、第一突合せ部J1及び第二突合せ部J2を摩擦攪拌接合してもよい。
以上説明した第三実施形態に係る接合方法によれば、内隅に溶接を行っているので、摩擦攪拌工程時における第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23同士の位置ずれや離間を防ぐことができる。これにより、第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23の位置ずれや離間に伴う接合不良の発生を防ぐことができる。また、溶接時の溶接熱によって第一金属部材21及び第三金属部材23の裏面21a,23a側が凹となるように変形するが、摩擦攪拌接合時の摩擦熱によって当該変形を是正することができる。
また、本実施形態の第一金属部材21及び第三金属部材23には凹溝24が形成されているので、凹溝24が形成されている部分の板厚は、他の部分の板厚よりも薄い。したがって、本実施形態の摩擦攪拌工程では、凹溝24が形成されない場合に比べて攪拌ピンF2を挿入する深さを浅くすることができるので、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、第一突合せ部J1及び第二突合せ部J2の摩擦攪拌接合を行うことができる。
また、溶接工程における溶接の種類は特に制限されないが、本実施形態のようにレーザー溶接、TIG溶接又はMIG溶接を行うことで、内隅を容易にかつ確実に溶接することができる。
また、本実施形態の架台5,5は、内隅に対向する部位に面取り部5a,5aが形成されている。第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23を架台5,5に配置するときに、溶接金属4,4と架台5とが干渉して第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23が架台5から浮き上がってしまうおそれがあるが、本実施形態によれば、溶接金属4,4と架台5とが干渉するのを防ぐことができる。
また、本実施形態の摩擦攪拌工程では、回転ツールFを用いて、攪拌ピンF2のみを第一金属部材21、第二金属部材22及び第三金属部材23(又は第一金属部材21及び第三金属部材23のみ)に接触させた状態で摩擦攪拌接合を行っているので、摩擦攪拌装置に大きな負荷がかからない状態で、深い位置まで摩擦攪拌接合を行うことができる。したがって、回転ツールFは、第一金属部材21及び第三金属部材23の板厚が大きい場合に特に有利である。また、回転ツールFは、ショルダ部を押し込む場合と比べて塑性化領域Wの幅を小さくできるため、第二金属部材22の板厚が薄い場合にも有利である。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。
1,21 第一金属部材
1a,21a 裏面
1b,21b 表面
2,22 第二金属部材
2a,22a 第一側面
2b,22b 第二側面
23 第三金属部材
23a 裏面
23b 表面
3,24 凹溝
4 溶接金属
5 架台
5a 面取り部
J 突合せ部
J1 第一突合せ部
J2 第二突合せ部
F 回転ツール
F1 連結部
F2 攪拌ピン
G 回転ツール
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン

Claims (7)

  1. 板状を呈し裏面側の角部を切り欠いた第一金属部材の端面と板状を呈し裏面側の角部を切り欠いた第三金属部材の端面とを突き合わせて凹溝を有する第一突合せ部を形成するとともに、前記凹溝に板状の第二金属部材の端面を挿入して端面を前記凹溝の底面に突き合わせて第二突合せ部を形成する突合せ工程と、
    前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の側面とで形成される内隅に対して溶接を施すとともに、前記第三金属部材の裏面と前記第二金属部材の側面とで形成される内隅に対して溶接を施す溶接工程と、
    前記第一金属部材の表面側及び前記第三金属部材の表面側から回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記凹溝に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含み、
    前記摩擦攪拌工程において、前記攪拌ピンを前記第一金属部材および前記第三金属部材のみ、又は前記第一金属部材、前記第三金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする接合方法。
  2. 前記摩擦攪拌工程において、前記回転ツールの攪拌ピンのみを前記第一金属部材及び前記第三金属部材の表面から挿入し、前記攪拌ピンのみを前記第一金属部材および前記第三金属部材のみ、又は前記第一金属部材、前記第三金属部材及び前記第二金属部材に接触させた状態で、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする請求項に記載の接合方法。
  3. 前記回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部と前記ショルダ部から垂下する攪拌ピンとを有し、前記ショルダ部の直径を前記凹溝の幅よりも小さく設定することを特徴とする請求項に記載の接合方法。
  4. 前記溶接工程では、前記内隅に1パスで連続して肉盛溶接を施すことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の接合方法。
  5. 前記溶接工程では、前記内隅に間をあけて断続的に肉盛溶接を施すことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の接合方法。
  6. 前記溶接工程では、レーザー溶接、MIG溶接又はTIG溶接を行うことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の接合方法。
  7. 前記摩擦攪拌工程において、
    前記第二金属部材の両側に一対の架台を配置し、
    前記架台のうち、前記内隅に対向する部位に面取り部を形成することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の接合方法。
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