JP2019188377A - フィルタ用濾材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、低い圧力損失と高い捕集効率を有し、さらに十分な破裂強度を有するフィルタ用濾材の製造方法を提供する。【解決手段】本開示に係るフィルタ用濾材の製造方法は、水に繊維を分散させた原料スラリーを湿式抄紙法によって抄紙して湿紙を形成する抄紙工程と、湿紙を熱乾燥して乾燥シートを形成する乾燥工程とを有し、原料スラリーは、繊維を含有し、繊維は、合成繊維と、マイクロガラス繊維とを含み、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が20:80〜59:41であり、合成繊維は、乾燥工程で溶融しない合成主体繊維と、乾燥工程で全部又は一部が溶融する合成バインダー繊維を含有し、合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合が40質量%以下であり、マイクロガラス繊維の平均繊維径が0.1〜10μmであり、乾燥工程において、合成バインダー繊維の全部又は一部を溶融させて乾燥シートを形成する。【選択図】図1

Description

本開示は、移動する空気又は液体からなる流体流から微粒子を除去するためのフィルタ用濾材、すなわち、エアフィルタ用濾材又は液体フィルタ用濾材の製造方法に関する。
従来、空気や液体に含まれる微粒子を除去するための濾材として、不織布状のガラス繊維濾材が広く用いられている。ガラス繊維濾材の大きな特徴としては、マイクロガラス繊維の細い繊維径と高い剛性とに由来する、緻密でありながら空隙を維持した内部構造によって、他の繊維に比べて高いフィルタ性能(低い圧力損失と高い捕集効率)を有する濾材であることが挙げられる。
上記のような特徴を有するガラス繊維濾材には、湿式抄紙法を用いて製造されるものがある。湿式抄紙法とは、繊維材料をパルパーなどの分散機を用いて水中に分散させて繊維のスラリーを形成し、得られたスラリーを抄紙機上で脱水することによって繊維シートを形成する技術であり、繊維が略均一に分散しているため、濾材としての使用に適したシートを得ることができる。
湿式抄紙法を用いて製造されたガラス繊維濾材は、高いフィルタ性能を有している一方で、強度、特に破裂強度が低いという欠点がある。一般的に、濾材使用時に必要とされる強度付与するためには、水溶液又は水系エマルジョンの状態の合成樹脂バインダーが濾材に付与される。
ガラス繊維濾材の製造において、前記合成樹脂バインダーを用いる方法の他に、合成バインダー繊維を用いる方法が報告されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。
特開昭60−25521号公報 特開平6−218210号公報 特開2006−55735号公報 特表2008−518772号公報
前記合成樹脂バインダーの使用量が多いと目詰まりを起こしてフィルタ性能を大きく低下させる。そのため、高いフィルタ性能を維持しつつ、高圧条件での使用で必要とされる高い破裂強度を達成することは困難である。
また、前記合成バインダー繊維は、前記合成樹脂バインダーに比べて破裂強度の向上に対する効果は高いが、使用量が多すぎると前記合成樹脂バインダーと同様に目詰まりを起こして、フィルタ性能を低下させる。
そこで本開示の課題は、高いフィルタ性能(低い圧力損失と高い捕集効率)を有し、さらに高圧条件での使用に耐えるのに十分な破裂強度を有するフィルタ用濾材の製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、マイクロガラス繊維のネットワーク構造中に、合成主体繊維を合成バインダー繊維で接着させてなる合成繊維のネットワーク構造をさらに形成させることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係るフィルタ用濾材の製造方法は、水に繊維を分散させた原料スラリーを湿式抄紙法によって抄紙して湿紙を形成する抄紙工程と、前記湿紙を熱乾燥して乾燥シートを形成する乾燥工程とを有するフィルタ用濾材の製造方法であって、前記原料スラリーは、繊維を含有し、該繊維は、合成繊維と、マイクロガラス繊維とを含み、該合成繊維と該マイクロガラス繊維との質量比が20:80〜59:41であり、前記合成繊維は、前記乾燥工程で溶融しない合成主体繊維と、前記乾燥工程で全部又は一部が溶融する合成バインダー繊維を含有し、前記合成繊維中の前記合成バインダー繊維の含有割合が40質量%以下であり、前記マイクロガラス繊維の平均繊維径が0.1〜10μmであり、前記乾燥工程において、前記合成バインダー繊維の全部又は一部を溶融させて前記乾燥シートを形成することを特徴とする。
さらに、本発明に係るフィルタ用濾材の製造方法は、水に繊維を分散させた原料スラリーを湿式抄紙法によって抄紙して湿紙を形成する抄紙工程と、前記湿紙を熱乾燥して乾燥シートを形成する乾燥工程とを有するフィルタ用濾材の製造方法であって、前記原料スラリーは、繊維を含有し、該繊維は、合成繊維と、マイクロガラス繊維とを含み、該合成繊維と該マイクロガラス繊維との質量比が20:80〜40:60であり、前記合成繊維は、前記乾燥工程で溶融しない合成主体繊維と、前記乾燥工程で全部又は一部が溶融する合成バインダー繊維を含有し、前記合成繊維中の前記合成バインダー繊維の含有割合が40質量%よりも多く50質量%以下であり、前記マイクロガラス繊維の平均繊維径が0.1〜10μmであり、前記乾燥工程において、前記合成バインダー繊維の全部又は一部を溶融させて前記乾燥シートを形成することを特徴とする。
本発明に係るフィルタ用濾材の製造方法では、前記合成バインダー繊維が、全融合成バインダー繊維であることが好ましい。フィルタ用濾材の破裂強度が向上する。
あるいは本発明に係るフィルタ用濾材の製造方法では、前記合成繊維と前記マイクロガラス繊維との質量比が41:59〜55:45であり、前記合成繊維中の前記合成バインダー繊維の含有割合が36質量%以下であり、前記合成バインダー繊維が芯鞘バインダー繊維であることが好ましい。該芯鞘バインダー繊維の鞘部が、目詰りを起こさずに破裂強度の向上に寄与し、芯部が前記合成主体繊維とともにネットワーク構造の形成に寄与し、十分に高いフィルタ性能と破裂強度が得られる。
本発明に係るフィルタ用濾材の製造方法では、前記原料スラリー、前記湿紙及び前記乾燥シートの少なくともいずれか1つに合成樹脂バインダーを付着させる工程を有することが好ましい。フィルタ用濾材の破裂強度が向上する。
本発明に係るフィルタ用濾材の製造方法では、前記合成主体繊維の成分と前記合成バインダー繊維の成分が、ともにポリエステルであることが好ましい。同じ種類の成分であるため、成分同士のなじみが良く、強く接着されたネットワーク構造を形成することができ、また前記抄紙工程において、浮種が生じにくくなる。
本発明に係るフィルタ用濾材の製造方法では、前記マイクロガラス繊維が、異なる繊維径のマイクロガラス繊維を含むことが好ましい。ガラス繊維の比率変更による圧力損失の調整が容易となる。
本開示によれば、合成主体繊維と合成バインダー繊維を併用することによって、細径のマイクロガラス繊維からなる濾材の内部に、合成繊維からなるネットワーク構造が形成された、十分に高いフィルタ性能(例えば、対象粒子径0.10〜0.15μmにおけるPF値が7.75以上、より好ましくは8.0以上)と破裂強度(例えば、75kPa以上、より好ましくは100kPa以上)を有するフィルタ用濾材の製造方法を提供することができる。
原料スラリー中の合成繊維の含有割合に対するPF値の関係を示すグラフである(実施例1〜6、10、11、比較例1〜12)。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るフィルタ用濾材の製造方法は、合成主体繊維と合成バインダー繊維を含有する合成繊維と、マイクロガラス繊維とを水中で混合して原料スラリーを得る工程と、この原料スラリーを湿式抄紙法によって抄紙して湿紙を形成する抄紙工程と、湿紙を熱乾燥してシートを形成する乾燥工程とを有する。
合成繊維は、乾燥工程で溶融しない合成主体繊維と、乾燥工程で全部又は一部が溶融する合成バインダー繊維を含有する。ここで、合成主体繊維は、乾燥工程の熱で溶融しない成分(非溶融成分と称する)からなる。また、合成バインダー繊維は、その全部又は一部が乾燥工程の熱で溶融する成分(溶融成分と称する)からなる。ここで、繊維の全部が溶融成分からなる合成バインダー繊維を全融合成バインダー繊維と称し、繊維の芯部が非溶融成分からなり、繊維の鞘部が溶融成分からなる合成バインダー繊維を芯鞘合成バインダー繊維と称する。本実施形態においては、全融合成バインダー繊維と芯鞘合成バインダー繊維のどちらか又は両方を使用してもよいが、繊維の芯部が合成主体繊維とともにネットワーク構造の形成に寄与する、芯鞘合成バインダー繊維の使用がより好ましい。
合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合は40質量%以下であり、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは5〜36質量%である。40質量%を超えると、目詰まりにより十分なフィルタ性能が得られにくい。合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合が少なすぎると、十分な破裂強度が得られにくい場合がある。合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合の下限値は、好ましくは5質量%であり、より好ましくは10質量%であり、さらに好ましくは15質量%である。
前記原料スラリーは、繊維を含有し、繊維は、合成繊維と、マイクロガラス繊維とを含み、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が20:80〜59:41であり、好ましくは41:59〜55:45であり、より好ましくは45:55〜55:45である。すなわち、合成繊維とマイクロガラス繊維との合計質量に対して、合成繊維は、20〜59質量%であり、好ましくは41〜55質量%であり、より好ましくは45〜55質量%である。20:80よりも、質量比がマイクロガラス繊維側に偏ると、十分な破裂強度が得られにくい。また、59:41よりも、質量比が合成繊維側に偏ると、十分なフィルタ性能が得られにくい。
あるいは、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が20:80〜40:60、好ましくは22:78〜34:66であり、合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合が40質量%よりも多く50質量%以下、好ましくは42質量%よりも多く46質量%以下である場合でも、高いフィルタ性能と十分な破裂強度が得られる。
繊維中の合成バインダー繊維の含有割合は、23.6質量%以下であることが好ましく、19.8質量%以下であることがより好ましい。
合成主体繊維及び合成バインダー繊維の成分は、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロンなどがあり、ともに同じ種類のポリマーであることが好ましい。同じ種類のポリマーであると成分同士のなじみが良く、強く接着されたネットワーク構造を形成することができる。これらのポリマーの中でも、抄紙工程において浮種を生じさせにくいポリエステルがより好ましい。合成バインダー繊維中の溶融成分の溶融温度は、好ましくは80〜160℃であり、より好ましくは100〜130℃である。合成繊維の繊維径及び繊維長は、ネットワーク構造の形成しやすさと抄紙工程での加工しやすさの観点より適宜選択される。合成繊維の平均繊維径は、好ましくは2〜30μmであり、より好ましくは5〜20μmである。合成繊維の平均繊維長は、好ましくは1〜10mmであり、より好ましくは3〜5mmである。
本実施形態において、マイクロガラス繊維とは、平均繊維径が0.1〜10μmのガラス繊維である。このような比較的繊維径の小さいガラス繊維を含有させることで捕集効率の高いフィルタ用濾材とすることができる。平均繊維径が0.1μm未満では湿式抄紙における抄紙安定性及び歩留まりの低下の問題がある。また、ガラス繊維として平均繊維径が10μmを超えるガラス繊維だけを配合すると、高い捕集効率を有するフィルタ用濾材とすることができない。マイクロガラス繊維の平均繊維径は、好ましくは0.3〜7μmである。また、マイクロガラス繊維の平均繊維長は、好ましくは0.5〜10mmであり、より好ましくは0.8〜8mmである。
本実施形態において、マイクロガラス繊維は、異なる繊維径のマイクロガラス繊維を含むことが好ましい。ガラス繊維の比率変更による圧力損失の調整が容易となる。
本実施形態では、原料スラリー中の合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が41:59〜55:45であり、合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合が36質量%以下であり、前記合成バインダー繊維が芯鞘バインダー繊維であることが好ましい。乾燥工程において、芯鞘バインダー繊維の鞘部が溶融して、破裂強度の向上に寄与し、芯部が合成主体繊維とともにネットワーク構造の形成に寄与し、細径のマイクロガラス繊維からなる濾材の内部に、合成繊維からなるネットワーク構造が形成され、十分に高いフィルタ性能と破裂強度が得られる。
原料スラリーは、繊維を含有し、該繊維は、合成繊維と、マイクロガラス繊維とを含み、該合成繊維と該マイクロガラス繊維との質量比が20:80〜59:41であり、好ましくは41:59〜55:45であり、より好ましくは45:55〜55:45である。すなわち、合成繊維とマイクロガラス繊維との合計質量に対して、マイクロガラス繊維は、41〜80質量%であり、好ましくは45〜59質量%であり、より好ましくは45〜55質量%である。59:41よりも、質量比が合成繊維側に偏ると、十分なフィルタ性能が得られにくい。また、20:80よりも、質量比がマイクロガラス繊維側に偏ると、合成繊維の含有割合が少なくなり、十分な破裂強度が得られにくい。
本実施形態では、原料スラリー、湿紙及び乾燥シートの少なくともいずれか1つに合成樹脂バインダーを付着させる工程を有することが好ましい。合成樹脂バインダーを付着させることで高い破裂強度が得られる。最終的に得られるフィルタ用濾材の全質量に対する合成樹脂バインダーの付着量は、好ましくは1〜15質量%であり、より好ましくは3〜12質量%であり、さらに好ましくは4〜10質量%である。合成樹脂バインダーの付着量が15質量%を超えると、目詰まりにより十分なフィルタ性能が得られにくい場合がある。合成樹脂バインダーは、水溶液又は水系エマルジョンの状態で、マイクロガラス繊維及び合成繊維を接着できる樹脂であり、例えば、アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などである。
本実施形態において原料スラリー中に含有させる繊維としては、前記の合成主体繊維、合成バインダー繊維、マイクロガラス繊維に加えて、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で、その他の繊維を適宜用いることができる。その他の繊維は、例えば、平均繊維径10μmを超えるガラス繊維、セラミック繊維、バサルト繊維、炭素繊維などである。合成主体繊維と、合成バインダー繊維と、マイクロガラス繊維との合計の質量割合は、繊維全体を基準として、80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%である。
本実施形態では、湿式抄紙法を用いてフィルタ用濾材を得る。本実施形態に係るフィルタ用濾材の製造方法の一例を示す。まず原料繊維を水中にパルパーなどの分散機を用いて分散して原料スラリーを得る。原料スラリーは、繊維として、合成主体繊維と、合成バインダー繊維と、マイクロガラス繊維とを含有する。原料スラリーを得るとき、繊維の分散性を良くするために、硫酸を用いてpHを2〜4の範囲に調整する方法、又は分散剤を添加する方法などを適宜用いることができる。次いで得られた原料スラリーを用いて湿式抄紙機にて湿紙を得る。次いで得られた湿紙をドライヤーなどで熱乾燥させ、合成バインダー繊維の全部又は一部を溶融させてシートを得る。このようにして得られたシートは、原料繊維がシート中で均一に分散されており、マイクロガラス繊維及び合成主体繊維が合成バインダー繊維により接着されたネットワーク構造を形成し、高いフィルタ性能と破裂強度を有するフィルタ用濾材となる。
湿紙の乾燥においては、熱風ドライヤー、赤外線ドライヤー、ヤンキードライヤー又は多筒ドライヤーなどのドライヤーを用いることが好ましい。ドライヤーを用いることによって、抄紙により形成されたマイクロガラス繊維及び合成繊維のネットワーク構造を保持することができる。乾燥温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜180℃であり、合成バインダー繊維の融点に応じてバインダー繊維の溶融が適切な状態となるように適宜調整することができる。
本実施形態では、破裂強度をさらに高めるために、原料スラリー、湿紙又は乾燥シートに合成樹脂バインダーを付与することができる。合成樹脂バインダーの付与方法は、(1)原料スラリーに添加する、(2)湿紙に付与する、及び(3)乾燥シートに付与する、の(1)〜(3)のいずれか一つの方法又はこれらの方法の組合せであることが好ましい。組合せ例としては、(1)と(2)、(1)と(3)、(2)と(3)、及び(1)と(2)と(3)である。合成樹脂バインダーの付与は、抄紙工程から乾燥工程の間の湿紙に行うことがより好ましい。また、フィルタ用濾材に必要とされる物性に応じて、合成樹脂バインダーの他に、撥水剤又は界面活性剤などの薬剤を、同様の方法を用いて付与することもできる。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限り、各々「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を18部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を6部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を36部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを、ミキサーを用いてpH3.0の酸性水中で離解し原料スラリーを得た。得られた原料スラリーを用いて、手抄シートマシンにて湿式抄紙を行い、湿紙を得た。得られた湿紙にアクリル樹脂バインダー(ボンコートSFC―54、DIC(株)製)を湿紙の固形分100質量部に対する固形分付着量が6質量部となるように含浸によって付与した後、ロータリードライヤーを用いて130℃で乾燥し、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例2)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を37.5部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を12.5部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を10部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例3)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を44部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を15部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を1部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例4)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を16部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を8部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を36部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例5)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を33.5部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を16.5部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を10部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例6)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を39.5部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を19.5部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を1部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例7)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を37.5部と、全融ポリエステルバインダー繊維(メルティ4000、繊維径2.2dtx(約14μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を12.5部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を10部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例8)
アクリルバインダー樹脂の含浸による付与を行わなかった以外は、実施例2と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例9)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を39.5部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を19.5部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を41部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例10)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を11.2部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を8.8部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を40部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(実施例11)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を17.9部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を14.1部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を44部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例1)
平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を60部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例2)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を16部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を44部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例3)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を20部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を40部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例4)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を65部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例5)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を12部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を4部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を44部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例6)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を49部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を16部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を35部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例7)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を10.7部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を5.3部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を44部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例8)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を43.5部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を21.5部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例9)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を9部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を7部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を44部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例10)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を28部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を22部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を10部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例11)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を36.5部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を28.5部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
(比較例12)
ポリエステル主体繊維(TA04N、繊維径0.6dtx(約7μm)、繊維長5mm、帝人(株)製)を15.4部と、芯鞘ポリエステルバインダー繊維(メルティ4080、繊維径1.1dtx(約10μm)、繊維長5mm、ユニチカ(株)製)を16.6部と、平均繊維径0.65μmのマイクロガラス繊維(B−06−F、Lauscha Fiber International Co.製)を35部と、平均繊維径2.4μmのマイクロガラス繊維(B−26−R、Lauscha Fiber International Co.製)を28部と、平均繊維径6μmのマイクロガラス繊維(EC−6−6−SP、繊維長6mm、Lauscha Fiber International Co.製)を5部とを原料スラリーに用いた以外は、実施例1と同様にして、坪量75g/mのフィルタ用濾材を得た。
各実施例及び比較例において得られた濾材の評価を表1及び表2に示す。また、実施例1〜6、10、11及び比較例1〜12において得られたPF値のグラフを図1に示す。表1及び表2に示した各物性値は、以下に示す方法を用いて測定した。
<圧力損失>
圧力損失は、有効面積100cmのフィルタ用濾材に面風速5.3cm/秒で通風した時の差圧について、微差圧計を用いて測定した。
<粒子透過率>
粒子透過率は、ラスキンノズルで発生させた多分散ポリアルファオレフィン(PAO)粒子を含む空気を、有効面積100cmの濾材に面風速5.3cm/秒で通風したときの上流及び下流のPAO粒子の個数をレーザーパーティクルカウンターKC−18(リオン(株)製)を用いて測定し、個数から計算した百分率として求めた。対象粒子径は0.10〜0.15μmとした。
<PF値>
PF値は、圧力損失及び粒子透過率の値から、数1に示す式を用いて計算した。対象粒子径は0.1〜0.15μmとした。なお、この値が高いほど、同一の圧力損失において粒子透過率が低く、すなわち、フィルタ性能が高いことを示す。
Figure 2019188377
<液体濾過効率>
液体濾過効率は、試験用粒子として微粉研磨剤GC#6000(昭和電工(株)製)を用い、超音波ホモジナイザーUS−300E((株)日本精機製作所製)を用いて、濃度0.05%になるよう水に分散したものを試験液として用いた。試験液250mlと、試験濾材φ50mm(濾過面積φ47mm)と、ハンディアスピレータWP25(ヤマト科学(株)製、循環水温20℃)を用いて吸引濾過を行い、試験液と濾液の濁度を、濁度測定機COH400(日本電色工業(株)製)を用いて測定し、液体濾過効率を数2に示す式を用いて計算した。
Figure 2019188377
<液体濾過時間>
液体濾過時間は、液体濾過効率試験で用いた試験液250mlの吸引濾過開始から濾過終了までの時間を測定した。
<破裂強度>
破裂強度は、ミューレンバーストテスターM2−LD((株)東洋精機製作所製)を用いて、JIS L 1096:2010 織物及び編物の生地試験方法 8.18.1A法(ミューレン形法)に準拠して測定した。
Figure 2019188377
Figure 2019188377
表1及び表2の結果より明らかなように、本発明の方法によれば、高いフィルタ性能(例えば、対象粒子径0.10〜0.15μmにおけるPF値が7.75以上、より好ましくは8.0以上)を有し、さらには流速、圧力、粒子捕集量の変動などの操作条件に耐えるのに十分な破裂強度(例えば、75kPa以上、より好ましくは100kPa以上)を有するフィルタ用濾材を得ることができる。比較例1では、合成繊維を含有しなかったため、十分な破裂強度が得られなかった。比較例2では、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が20:80よりもマイクロガラス繊維側に偏り、かつ合成バインダー繊維を含有しなかったため、十分な破裂強度が得られなかった。比較例3では、合成バインダー繊維を含有しなかったため、十分な破裂強度が得られなかった。比較例4では、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が59:41よりも合成繊維側に偏ったため、十分なフィルタ性能が得られなかった。比較例5では、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が20:80よりもマイクロガラス繊維側に偏ったため、十分な破裂強度が得られなかった。比較例6では、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が59:41よりも合成繊維側に偏ったため、十分なフィルタ性能が得られなかった。比較例7では、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が20:80よりもマイクロガラス繊維側に偏ったため、十分な破裂強度が得られなかった。比較例8では、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が59:41よりも合成繊維側に偏ったため、十分なフィルタ性能が得られなかった。比較例9では、合成繊維とマイクロガラス繊維との質量比が20:80よりもマイクロガラス繊維側に偏ったため、十分な破裂強度が得られなかった。比較例10及び比較例11では、合成繊維とマイクロガラスとの質量比が40:60よりも合成繊維側に偏り、かつ合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合が40質量%を超えたため、十分なフィルタ性能が得られなかった。比較例12では、合成繊維中の合成バインダー繊維の含有割合が50質量%を超えたため、十分なフィルタ性能が得られなかった。

Claims (7)

  1. 水に繊維を分散させた原料スラリーを湿式抄紙法によって抄紙して湿紙を形成する抄紙工程と、前記湿紙を熱乾燥して乾燥シートを形成する乾燥工程とを有するフィルタ用濾材の製造方法であって、
    前記原料スラリーは、繊維を含有し、該繊維は、合成繊維と、マイクロガラス繊維とを含み、該合成繊維と該マイクロガラス繊維との質量比が20:80〜59:41であり、
    前記合成繊維は、乾燥工程で溶融しない合成主体繊維と、乾燥工程で全部又は一部が溶融する合成バインダー繊維を含有し、前記合成繊維中の前記合成バインダー繊維の含有割合が40質量%以下であり、
    前記マイクロガラス繊維の平均繊維径が0.1〜10μmであり、
    前記乾燥工程において、前記合成バインダー繊維の全部又は一部を溶融させて前記乾燥シートを形成することを特徴とするフィルタ用濾材の製造方法。
  2. 水に繊維を分散させた原料スラリーを湿式抄紙法によって抄紙して湿紙を形成する抄紙工程と、前記湿紙を熱乾燥して乾燥シートを形成する乾燥工程とを有するフィルタ用濾材の製造方法であって、
    前記原料スラリーは、繊維を含有し、該繊維は、合成繊維と、マイクロガラス繊維とを含み、該合成繊維と該マイクロガラス繊維との質量比が20:80〜40:60であり、
    前記合成繊維は、乾燥工程で溶融しない合成主体繊維と、乾燥工程で全部又は一部が溶融する合成バインダー繊維を含有し、前記合成繊維中の前記合成バインダー繊維の含有割合が40質量%よりも多く50質量%以下であり、
    前記マイクロガラス繊維の平均繊維径が0.1〜10μmであり、
    前記乾燥工程において、前記合成バインダー繊維の全部又は一部を溶融させて前記乾燥シートを形成することを特徴とするフィルタ用濾材の製造方法。
  3. 前記合成バインダー繊維が、全融合成バインダー繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタ用濾材の製造方法。
  4. 前記合成繊維と前記マイクロガラス繊維との質量比が41:59〜55:45であり、前記合成繊維中の前記合成バインダー繊維の含有割合が36質量%以下であり、前記合成バインダー繊維が芯鞘バインダー繊維であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ用濾材の製造方法。
  5. 前記原料スラリー、前記湿紙及び前記乾燥シートの少なくともいずれか1つに合成樹脂バインダーを付着させる工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のフィルタ用濾材の製造方法。
  6. 前記合成主体繊維の成分と前記合成バインダー繊維の成分が、ともにポリエステルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のフィルタ用濾材の製造方法。
  7. 前記マイクロガラス繊維が、異なる繊維径のマイクロガラス繊維を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のフィルタ用濾材の製造方法。
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