JP2019188009A - 墜落防止器具 - Google Patents
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Abstract
Description
特には、フォークリフトトラックのフォークに取り付けて使用する墜落防止器具に関するものである。
高所作業において安全帯を使用する場合には、安全帯のランヤード等を係止するための構造物等(以下、「安全帯係止用構造部材」という。)が必要となる。安全帯係止用構造部材は、墜落阻止時の荷重に耐える堅固なもので無ければならない。
墜落防止対策には、安全帯係止用構造部材に安全帯のランヤードを直接係止するか、安全帯係止用構造部材に取り付けたリトラクタ式墜落防止器具と安全帯を連結する等の方法がある。以下、安全帯係止用構造部材と高所作業員が装着した安全帯を連結するものとして、安全帯のランヤードおよびリトラクタ式墜落防止器具等を「安全帯のランヤード等」という。
しかし、高所作業現場では安全帯係止用構造部材が無い場合が多い。このような場合、安全帯を使用しての墜落防止対策ができない。
例えば、大型機械等を組立する作業や、大型機械等を出荷時に木枠等で梱包する作業や、航空機の点検整備作業などがある。その他にも、安全帯係止用構造部材が無い高所作業現場は各所に存在する。
この墜落防止用架台は地面に設置し、大型機械等の上面の高所作業位置に立つ作業員の上方に安全帯係止用構造部材を配置した構造である。
高所作業員は安全帯のランヤード等を安全帯係止用構造部材に連結して、安全帯係止用構造部材の下方で作業を行うことにより、墜落防止対策を行っている。
また、墜落防止用架台は使用しないときの保管場所として大きな空きスペースも確保する必要がある。
人体の墜落阻止時に安全帯のランヤード等に加わる衝撃荷重は、安全帯等の墜落防止器具の種類や作業員の体重や落下の仕方等によって異なるが、通常3kNから8kNである。墜落防止用架台においては、墜落阻止時の衝撃荷重に耐える十分な強度が必要となる。
従って、墜落防止用架台は、構成する部材が太く、高さ方向と幅方向において大型化し、重量が重くなる。
また、土台には移動を容易とするためにキャスターを具備しているが、重量が重いため移動は容易ではない。このことは作業員にとってわずらわしい。
(1)(2)については、墜落防止用架台が重量化や大型化することになる。また、いずれの場合も、移動や設置に複数の人手や時間が掛かり、作業性が悪い。コストも掛かる。
フォークリフトトラックのフォークが挿入される連結部材と、
安全帯のランヤード等が係止される係止部材と、を具備した支持体を、
フォークリフトトラックと連結した状態にして、
前記支持体を高所作業時における安全帯の係止対象物として用いることにより、
高所作業員の墜落を防止する方法である。
安全帯用ランヤードのフックが係止される係止部材と、フォークリフトトラックのフォークが挿入される連結部材と、を具備したことを特徴とする。
取付部材と、フォークリフトトラックのフォークが挿入される連結部材と、を具備し、
前記取付部材がレールと、前記レールに沿って摺動しリトラクタ式墜落防止器具を含む安全帯のランヤード等が係止される摺動具と、を具備したことを特徴とする。
取付部材と、フォークリフトトラックのフォークが挿入される連結部材と、を具備し、
前記取付部材が支持線と、前記支持線に沿って摺動し、リトラクタ式墜落防止器具を含む安全帯のランヤード等が係止される摺動具と、を具備したことを特徴とする。
図1,図2,図3は、本発明の一実施形態に係る墜落防止装置用の支持体1が示されている。図1は支持体1の正面図であり、図2はその側面図であり、図3はその平面図である。
以下、図1における上下方向が支持体1の上下方向であり、図1における左右方向が支持体1における前後方向であり、図2における左右方向が支持体1における左右方向である。
係止部材4は、安全帯Cのランヤード10先端のフック12を係止できる環32を具備し、支持体1の上部に取り付けられている。
図1、図2に示すように、連結部材6は2本で構成される。連結部材6は、支持体1の下部に設けられる。
連結部材6は、フォークリフトトラックDのフォークEと略同等の長さを持つ長尺構造体であり、前後方向の断面形状はロ字形状であり、前記ロ字形状の内側にフォークリフトトラックDのフォークEが差し込まれる。しかし、連結部材6の前後方向の全長に亘ってロ字形状である必要は無く、フォークリフトトラックDのフォークEが連結部材6から外れない構造であれば良い。
好ましくは、連結部材6の後端と垂直支材20の上部を連結する斜支材24を具備する。連結部材6と垂直支材20と斜支材24はそれぞれを一辺とする三角形をなし、斜支材24は垂直支材20の変形または倒れを防止する補強材として機能する。
好ましくは、水平支材22の前端と垂直支材20の上部を連結する斜支材26を具備する。水平支材22と垂直支材20と斜支材26はそれぞれを一辺とする三角形をなし、斜支材26は水平支材22の変形を防止する補強材として機能する。
好ましくは、垂直支材20、水平支材22は、連結部材6が一本に対し垂直支材20が1本と水平支材22が1本とが連結されている。
好ましくは、連結された垂直支材20と水平支材22と連結部材6の2セット間に筋交い28を設け、構造体である支持体1の変形、特にはねじれを防止する。
また、支持体1は、支持体1の下部に位置する連結部材6と支持体1の上部に位置する係止部材4を主な構成要素としたものである。垂直支材20、水平支材22、斜支材24、斜支材26、筋交い28は、支持体1が構造物としての強度を確保するためのものであればよく、構造・形状・組み合わせは限定されない。
環32が複数個の場合、係止部材4は左右方向に延在した長尺構造で、下面に複数個の環32を所定間隔に配置した構造とする。
環32が1個の場合は、係止部材4は長尺構造である必要は無く、環32が1個で構成される。環32は2本の水平支材22の前端の結合部の下面に配置される。
以下、支持体2において支持体1と異なる部分について説明する。
この支持体2は主に取付部材8と連結部材6およびレール34と摺動具36を具備している。
取付部材8は、水平支材22の前端に取り付けられ、長尺構造の水平部材を左右方向に延在させたものである。その取付部材8の下側に長尺構造のレール34が取り付けられる。
連結部材6、垂直支材20、水平支材22、取付部材8、筋交い28は、溶接で連結されていても良く、ボルト・ナット30等で締結されていても良い。
摺動具36は摺動具本体38とローラ40で構成される。摺動具本体38に取り付けられたローラ40は、レール34のC字形状の内側下面のリップ部分に接地した状態とされる。リトラクタ式墜落防止器具14は、摺動具本体38の下部に取り付けられ、レール34の下側に配置される。ここで、リトラクタ式墜落防止器具14は、長尺の細幅織りベルトから成るストラップ16が渦巻バネの付勢により常時巻き取られ、ストラップ16が急激に引き出された際には遠心爪がロックしてストラップ16の引き出しを停止する構造の巻取式墜落防止器具であり、ストラップ16の先端には、高所作業員Bが装着した安全帯Cと連結するためのフック12を具備している。摺動具36はローラ40の回転により、レール34に沿って左右にスムーズに摺動可能とされる。
更に、レール34と摺動具36の形状は、摺動具36がレール34から離脱せず、長尺のレール34に沿って左右方向に自在に摺動する構造であれば良い。
また、図示しないが、レールの本数を増やすことで作業人数を増やすことも出来る。
フォークリフトトラックDには運転手が搭乗し、操作している。
大型機械の上面で高所作業員Bが高所作業を行っている。
フォークリフトトラックDのフォークEに本発明の支持体1が連結され、リフトにより支持体1が持ち上げられた状態で保持されている。
支持体1の前方先端の係止具4に係止された安全帯のランヤード等が、高所作業員Bが装着している安全帯Cと連結されている。
支持体2の使用時における支柱42の取付状態を図19に示す。
支持体2の鉛直下方に支柱42が取付けられ、支柱42の下端は地面に接地している。これによって支持体2と地面の間の距離を所定の間隔に保持している。
フォークリフトトラックDは油圧によって荷物等を載せたフォークEを持ち上げる機構であるため、油圧が万一何らかの不具合や長時間の経過等の理由により減圧した場合、フォークEが降下するおそれがある。本発明の支持体2の使用中において、フォークEが降下することは好ましくない。
支柱42を設置することにより、油圧が万一減圧した場合でもフォークEの降下を防止できる。
上部支柱44と下部支柱46は長尺のパイプ状である。上部支柱44の一端が支持体2の下部に上部支柱固定具48で接続されている。上部支柱44は鉛直方向に吊り下げられた状態で支持体2とピン52で回動不能に固定されている。上部支柱44の他端には下部支柱46の一端が長尺方向にスライド可能な状態で挿入されており、上部支柱44と下部支柱46が一直線に配置される。
ポジション1のとき、図19に示すように支持体2をフォークリフトトラックDで所定の高さまで持ち上げた状態で、支持体2と地面の間に支柱42が配置される。
図19と図20は支柱42を上部支柱44と下部支柱46の2本を接続する構成としているが、支柱42は3本またはそれ以上の本数で構成されても良い。
また、ピン52,ピン54は紛失防止のためにそれぞれ支持体2の下部と支柱42に鎖や紐等で連結されていることが好ましい。
また、上部支柱44と下部支柱46をピン52で連結することによる支柱42の高さ調節機能と、下部支柱46の下端の高さ調節具50による支柱42の高さ調節機能を組み合わせることにより、支柱42の高さを支持体1の設置高さにあわせて、広い範囲で確実に調節することが可能であり、作業現場ごとに支持体1の設置高さが変わっても対応可能となる。
図23に示すように、ポジション2においては、支柱42が水平支材22と同程度の長さであり、水平支材22と平行に配置されるため、嵩張らない。従って、大きな保管スペースを必要とせず、保管が容易である。また支柱42と支持体2が組み合わされた状態で移動させることが容易である。
そこで本発明においては、図28と図29に示すように、フォークEを支持体1に挿入後に、フォークEから支持体2が抜け落ちないように、固定具58を備えている。
フォークEを連結部材6に挿入した状態において、連結部材のフォークリフトトラックD側の端部であって、フォークEのフォークリフトトラックD側の端部よりもフォークリフトトラックDに近い位置に、フォークEと直行したピン穴が設けられている。このピン穴に棒状の固定具58を挿通することにより、連結部材6に挿入されたフォークEが、連結部材6から離脱できない。
従って、高所作業終了後に固定具58を連結部材6から抜くまで、フォークリフトトラックDから支持体2が脱落することは無い。
また、固定具58は落下防止および紛失防止のために支持体2に鎖や紐等で連結されている。
いずれの方法も、設置や移動に時間が掛かり、多数の人手が掛かり、コストも高くなる。仮設足場や墜落防止用架台を設置しても、大型機械等Aの上面の広い作業範囲をカバーできないことがあり、作業性が悪く、安全性にも問題がある。
このことから安全性を犠牲にして、墜落防止対策をせずに高所作業を行うことも有り得る。
フォークリフトトラックDのフォークEを挿入する連結部材6と安全帯係止用構造部材を具備した支持体1,2をフォークリフトトラックDと連結し、フォークEを上方に上げた状態で支持体1,2を大型機械等Aの高所作業位置に配置することにより、高所作業者Bの墜落防止対策とするものである。
支持体1,2は従来の墜落防止用架台と比べ、高さが低くなったことにより小型化される。小型化されることは必要な強度を確保することにおいても有利であり、構成部材も軽量化できる。全体として大幅な軽量化ができる。
また、小型・軽量化により、運搬が容易となる、製作コストも削減される、保管場所の省スペース化ができる等、多くのメリットがある。
以下、支持体2を例に挙げて説明するが、支持体1においても同様である。
落下位置、即ち支持体2の摺動具36の位置に鉛直下方向に荷重F1が加わる。このとき、荷重F1にフォークリフトトラックDの前輪と落下位置との水平距離(x1)を乗じた値、即ちモーメント(F1×x1)を、フォークリフトトラックDの前輪とフォークリフトトラックDの重心位置との水平距離(x2)で除した値、即ち荷重F2=(F1×x1÷x2)が、フォークリフトトラックDの重心位置にフォークリフトトラックDを地面から浮かせる方向に働く。
例えば、荷重F1が大きい場合を考慮し、F1=8kNとする。その他の条件を標準的な場合を想定し、x1=3m,x2=1.3mとすれば、F2≒18.5kNとなる。ここで、フォークリフトトラックDの重量は、約3.5〜5トンである。これを荷重に換算すると、約35kN〜50kNとなり、F2と比べ十分に大きい。従って、墜落阻止時にフォークリフトトラックDは動くことはなく、支持体2が前後方向に転倒することは無い。
落下位置、即ち摺動具36の位置に鉛直方向に荷重F1が加わる。このとき、荷重F1にフォークリフトトラックDの車輪の位置と落下位置との水平距離(z1)を乗じた値、即ちモーメント(F1×z1)を、フォーリフトトラックDの車輪の位置とフォークリフトトラックDの重心位置との水平距離(z2)で除した値、即ち荷重F3=(F1×z1÷z2)が、フォークリフトトラックDの重心位置にフォークリフトトラックDを左右に倒す方向に働く。
例えば、荷重F1が大きい場合を考慮し、F1=8kNとする。その他の条件を標準的な場合を想定し、z1=0.2m,z2=0.46mとすれば、F3≒3.5kNとなる。ここで、フォークリフトトラックDの重量は、約3.5〜5トンである。これを荷重に換算すると、約35kN〜50kNとなり、F3と比べ十分に大きい。従って、墜落阻止時にフォークリフトトラックDは動くことはなく、支持体2が左右方向に転倒することは無い。
また、同様に作業現場から保管場所への移動も容易である。
本発明によって、安全帯係止用構造部材が無い高所作業現場において、容易に墜落防止対策ができ、高所作業の安全性向上と効率アップに寄与する。
2 支持体
4 係止部材
6 連結部材
8 取付部材
10 ランヤード
12 フック
14 リトラクタ式墜落防止器具
16 ストラップ
20 垂直支材
22 水平支材
24 斜支材
26 斜支材
28 筋交い
30 ボルト・ナット
32 環
34 レール
36 摺動具
38 摺動具本体
40 ローラ
41 支持線
42 支柱
44 上部支柱
46 下部支柱
48 上部支柱固定具
50 高さ調節具
52 ピン
54 ピン
56 吊りチェーン
58 固定具
A 大型機械等
B 高所作業員
C 安全帯
D フォークリフトトラック
E フォークリフトトラックのフォーク
F1 高所作業員の墜落阻止時の垂直荷重
F2 荷重
F3 荷重
x1 フォークリフトトラックの前輪と落下位置との水平距離
x2 フォークリフトトラックの前輪とフォークリフトトラックの重心位置との水平距離
z1 フォークリフトトラックの車輪の位置と落下位置との水平距離
z2 フォークリフトの車輪の位置とフォークリフトトラックの重心位置との水平距離
W フォークリフトトラックの重量
Claims (6)
- 連結部材と、安全帯のランヤード等が係止される係止部材と、
を具備した支持体が、
前記連結部材がフォークリフトトラックのフォークに挿入された状態において、
前記フォークリフトトラックによって移動および昇降させられて高所の作業位置に配置され、
高所作業時における安全帯の係止対象物として用いられることにより、
高所作業員の墜落を防止する方法。 - 安全帯のランヤード等が係止される係止部材と、
フォークリフトトラックのフォークが挿入される連結部材と、
を具備したことを特徴とする墜落防止用の支持体。 - 取付部材と、フォークリフトトラックのフォークが挿入される連結部材と、を具備し、
前記取付部材が、
レールと、前記レールに沿って摺動し、リトラクタ式墜落防止器具を含む安全帯のランヤード等が係止される摺動具と、
を具備することを特徴とする墜落防止用の支持体。 - 取付部材と、フォークリフトトラックのフォークが挿入される連結部材と、を具備し、
前記取付部材が、
支持線と、前記支持線に沿って摺動し、リトラクタ式墜落防止器具を含む安全帯のランヤード等が係止される摺動具と、
を具備することを特徴とする墜落防止用の支持体。 - 請求項2又は3又は4のいずれかに記載の前記支持体の下部に、前記支持体と地面との間に配置される支柱が具備された、墜落防止用の支持体。
- 前記連結部材にフォークリフトトラックのフォークが挿入された状態で、前記連結部材とフォークリフトトラックの前記フォークを連結する固定具を備えることにより、前記連結部材が前記フォークから離脱することを不能としうる、
請求項2又は3又は4のいずれかに記載の墜落防止用の支持体。
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