JP2019187977A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱水工程で発生した洗濯物の偏りを少量の水でかつ短時間に解消する。【解決手段】洗濯機は、外箱と、外箱の内部に設けられた水槽と、水槽の内部に回転可能に設けられた回転槽と、回転槽を回転させる駆動装置と、回転槽の内部に注水を行う注水装置と、回転槽の回転に伴い回転槽の内部の洗濯物に偏りが生じた場合にその偏りの発生を検知するアンバランス検知部と、アンバランス検知部が洗濯物の偏りの検知した場合に回転槽の内部における洗濯物の偏りのピーク位置を特定するアンバランス位置特定部と、駆動装置と注水装置とを制御する制御部と、を備える。制御部は、脱水工程時にアンバランス検知部で洗濯物の偏りが検知された場合に、駆動装置を制御してアンバランス位置特定部で特定されたピーク位置と注水装置から注水される水の到達地点とが重なる位置に回転槽を回転させるとともに注水装置を制御してピーク位置に集中して注水する集中注水を実行する。【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
近年、洗濯機の分野においては、清潔志向の高まりに伴って洗濯の頻度や洗濯物の量が増加傾向にある一方で、共働き世帯の増加などにより洗濯物のまとめ洗いへの要求が高まっており、その結果、洗濯機の大容量化が進んでいる。また、例えば夜間における洗濯機の利用など、洗濯機の利用シーンが多様化しており、その結果、低振動・低騒音の洗濯機の需要が高まっている。更に、昨今のエコロジー志向や省エネ志向の高まりもあり、一回の洗濯に使用する水量の削減や運転時間の短縮いわゆる時短も望まれている。
しかしながら、一般に、多量の洗濯物を一度に洗濯しようとすると、その洗濯物の量に比例して多くの水や時間を要する。この場合、節水や時短を行うために、例えば洗い工程やすすぎ工程時に使用する水量を削減すると、水中における洗濯物の密度が上昇する。また、節水や時短を行うために、例えばすすぎ工程の回数を削減すると、洗濯物のほぐし不足などが起こる。これらの結果、従来の構成では、大容量化を行いつつ節水や時短を行おうとすると、脱水工程における洗濯物の偏りが発生しやすくなっていた。
そして、洗濯物の偏りが発生したまま脱水工程を継続すると、洗濯機が大きく振動し、騒音も大きくなってしまう。このため、従来の洗濯機では、脱水工程において洗濯物の偏りが発生した場合、その洗濯物の偏りを解消するために、脱水工程を中断し、水槽に水を溜めて洗濯物をほぐし、その後、再び脱水をやり直している。このような脱水のやり直しを行うと通常の洗濯より多くの水と長い時間を要してしまい、ユーザのエコロジー志向や省エネ志向と反してしまう。
本発明が解決しようとする課題は、脱水工程で発生した洗濯物の偏りを少量の水でかつ短時間に解消できる洗濯機を提供することにある。
実施形態の洗濯機は、外箱と、前記外箱の内部に設けられた水槽と、前記水槽の内部に回転可能に設けられた回転槽と、前記回転槽を回転させる駆動装置と、前記回転槽の内部に注水を行う注水装置と、前記回転槽の回転に伴い前記回転槽の内部の洗濯物に偏りが生じた場合にその偏りの発生を検知するアンバランス検知部と、前記アンバランス検知部が洗濯物の偏りの検知した場合に前記回転槽の内部における洗濯物の偏りのピーク位置を特定するアンバランス位置特定部と、前記駆動装置と前記注水装置とを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、脱水工程時に前記アンバランス検知部で洗濯物の偏りが検知された場合に、前記駆動装置を制御して前記アンバランス位置特定部で特定された前記ピーク位置と前記注水装置から注水される水の到達地点とが重なる位置に前記回転槽を回転させるとともに前記注水装置を制御して前記ピーク位置に集中して注水する集中注水を実行する。
以下、複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態による縦型洗濯機について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る洗濯機10の縦断側面図である。洗濯機10は、外箱11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、駆動装置15、注水装置16、排水装置17、操作パネル18、振動センサ19、カメラ20、及びライト21を備えている。外箱11は、例えばステンレス鋼板等によって矩形の中空箱状に形成されており、洗濯機10の外郭を構成している。
第1実施形態による縦型洗濯機について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る洗濯機10の縦断側面図である。洗濯機10は、外箱11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、駆動装置15、注水装置16、排水装置17、操作パネル18、振動センサ19、カメラ20、及びライト21を備えている。外箱11は、例えばステンレス鋼板等によって矩形の中空箱状に形成されており、洗濯機10の外郭を構成している。
トップカバー12は、外箱11の上部に設けられている。トップカバー12は、洗濯物入り口121と蓋122とを備えている。蓋122は、洗濯物出入口121を開閉可能に設けられている。ユーザは、蓋122を開いた状態で洗濯物出入口121を通して洗濯物を回転槽14の内部に投入し、回転槽14から取り出す。
水槽13は、上方が開口した有底円筒状に作成されており、内部に水を貯留することができる。水槽13は、水槽カバー131と水槽開口部132とを備えている。水槽カバー131は、水槽13の上端部から水槽13の開口部の一部を覆うように設けられている。ユーザは、水槽開口部132を通して洗濯物を回転槽14内部に投入し、回転槽14の内部に投入し、回転槽14から取り出す。また、水槽13は、水槽開口部132を開閉可能にする内蓋133を備えていても良い。
回転槽14は、洗濯物を収容可能な有底円筒状に作成されており、水槽13の内部において回転可能に設けられている。回転槽14は、洗濯物を洗う洗い工程、及び洗濯物をすすぐすすぎ工程における洗濯槽として機能する。また、回転槽14は、洗濯物を脱水する脱水工程における脱水槽としても機能する。回転槽14は、回転槽14の底部にパルセータ141を備えている。パルセータ141は、回転槽14と一体的に、又は回転槽14に対して相対的に回転可能である。
駆動装置15は、図3にも示すように、モータ151とクラッチ機構152とを有している。モータ151は、図1に示すように、パルセータ141に接続されており、パルセータ141を正方向及び逆方向に回転させる。クラッチ機構152は、モータ151の駆動力を回転槽14に伝達する。クラッチ機構152は、モータ151の駆動力の伝達を切り替え、パルセータ141のみを回転させたり、パルセータ141と回転槽14を一体に回転させたりする機能がある。
注水装置16は、例えば水道などの外部の水源から供給される水を、水槽13の内部に注水するための装置である。注水装置16は、外箱11の内部にあって、例えば、水槽13の左右一方寄りの上部に設けられている。注水装置16は、注水弁161、注水ケース162、及び注水ホース163を有している。注水弁161は、電磁駆動式の開閉弁であり、図示しない水道などの外部の水源に接続される。注水ホース163は、注水ケース162と水槽13内とを接続している。注水弁161は、外部の水源から、注水装置16を介して水槽13の内部に至る注水経路を開閉する。
排水装置17は、水槽13の内部に貯留された水を、洗濯機10の機外へ排出するための装置である。排水装置17は、排水弁171と排水管172とを含んで構成されている。排水弁171は、電磁駆動式の開閉弁である。排水弁171は、水槽13内から排水装置17を介して機外に至る排水経路を開閉する。
操作パネル18は、トップカバー12の上面前部に設けられている。操作パネル18は、ユーザの操作を受け付けるとともに、入力された操作内容や設定内容及び現在の動作内容などを表示する。
振動センサ19は、例えば水槽13の側壁外側面の上部に設けられている。振動センサ19は、洗濯機10に生じる振動、例えば主に水槽13に生じる振動を検出することができる。振動センサ19は、例えば3次元加速度センサ等で構成されており、例えば水槽13に生じた振動の大きさ、つまり振動量に応じて無次元の値を出力する。
カメラ20は、図1及び図2に示すように、例えば水槽カバー131に設けられている。カメラ20は、回転槽14内の洗濯物の状態を取得するための洗濯物状態取得手段である。本実施形態の場合、カメラ20の本体部分すなわち撮像素子を備える電気回路等の主要な電気部品は、水槽カバー131の上部に水槽13及び回転槽14の外部に設けられている。そして、カメラ20の図示しないレンズは、水槽カバー131を貫いて水槽13の内部に露出している。図1及び図2の二点鎖線Aは、カメラ20の撮影範囲を示している。カメラ20は、回転槽14の内部の側壁周辺を撮影可能である。
ライト21は、カメラ20の撮影範囲の少なくとも一部又は全部の領域に対して光を照射可能な位置に設けられている。本実施形態の場合、ライト21は、カメラ20の近傍、例えばカメラ20と同様に水槽カバー131に設けられており、カメラ20の撮影範囲の全域に対して光を照射することができる。したがって、カメラ20は、蓋122を閉じた状態であっても回転槽14の内部を撮影可能である。なお、ライト21は、カメラ20の撮影範囲に対して光を照射することができれば、例えば蓋122の裏側などカメラ20から離れた位置に設けられていても良い。
また、カメラ20は、例えば蓋122の裏側に設けられていても良いし、水槽13に水槽開口部132を開閉する内蓋が設けられている場合にはその内蓋の内側に設けられていても良い。また、カメラ20は、回転槽14の内部を直接撮影するだけではなく、回転槽14の内部を映せるよう設けられた鏡を撮影することで回転槽14の内部の側壁周辺の状態を撮影しても良い。
洗濯機10は、図3に示すように、制御部30と、重量検知部31と、アンバランス検知部32と、アンバランス位置特定部33と、を備えている。制御部30は、例えば図示しないCPUやROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域を備えるマイクロコンピュータを主体に構成されており、洗濯機10の動作全般の制御を行う。制御部30には、モータ151、クラッチ機構152、注水弁161、排水弁171、及び操作パネル18が接続されている。これらモータ151、クラッチ機構152、注水弁161、排水弁171、及び操作パネル18は、制御部30の制御をうけて動作する。
また、制御部30は、CPUにおいて制御プログラムを実行することにより、図3に示す重量検知部31、アンバランス検知部32、及びアンバランス位置特定部33をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、制御部30は、重量検知部31、アンバランス検知部32、及びアンバランス位置特定部33を集積回路等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより実現してもよい。
重量検知部31は、回転槽14内部の洗濯物の重量をすることができる。重量検知部31は、例えばモータ151のベクトル制御におけるq軸電流を測定することによってモータ151に作用している現在の負荷を検知し、その負荷に基づいて回転槽14内部の洗濯物の重量を測定することができる。また、重量検知部31は、例えば目標回転数とその実際の回転数との差からモータ151の負荷を検知しても良い。
アンバランス検知部32は、振動センサ19から取得した水槽13の振動すなわち加速度を測定し、その加速度に基づいてアンバランスの発生を検知する。アンバランス検知部32は、例えば脱水工程において水槽13の加速度が、予め設定されたしきい値以上となった場合、洗濯物の偏り、いわゆるアンバランスが発生したと判定する。
アンバランス位置特定部33は、アンバランス検知部32が洗濯物の偏りすなわちアンバランスの発生を検知した場合に、洗濯物の偏りの位置つまりアンバランス位置の特定を行う。この場合、アンバランス位置特定部33は、カメラ20から回転槽14内部の洗濯物の状態を画像データで取得する。アンバランス位置特定部33は、取得した回転槽14内部の画像データから、洗濯物が偏っている部分つまり洗濯物が集まっている部分を抽出し、洗濯物の偏りのピーク位置、つまりアンバランスのピーク位置を特定する。
例えば、脱水工程中にアンバランス検知部32が洗濯物の偏りを検知した場合、制御部30は、回転槽14の回転を停止させる。その後、アンバランス位置特定部33は、ライト21を点灯させ、回転槽14内を照らして回転槽14内を撮影可能な状態にする。これにより、カメラ20は、図1及び図2に示す二点鎖線Aで囲まれた範囲を撮影することができる。
回転槽14内が撮影可能となったら、制御部30は、回転槽14を低速で回転させながらカメラ20による連続撮影を行う。連続撮影は、例えば時間で制御しても良いし、回転槽14の回転角度つまりモータ151の回転角度で制御しても良い。すなわち、制御部30は、例えば回転槽14を低速で回転させている間、一定時間毎に撮影しても良いし、一定回転角度毎に撮影しても良い。カメラ20による連続撮影は、少なくとも回転槽14が1回転以上するまで行う。
その後、アンバランス位置特定部33は、カメラ20による連続撮影で得られた画像データをもとにアンバランス位置を特定する。アンバランス位置特定部33は、図4及び図5に示すように、回転槽14の側壁内面に張り付いている洗濯物90の厚みUを検知する。厚みUは、平面視において、回転槽14の側壁内面から回転槽14の中心へ向かって重なる洗濯物90の厚みである。そして、アンバランス位置特定部33は、図5に示すように、回転槽14の全周において洗濯物90の厚みUが最大となる部分、つまりピーク位置を、アンバランスのピーク位置と判断する。
アンバランス位置特定部33は、回転槽14内の洗濯物の厚みUを検知する場合、ライト21によって十分に照らされた部分だけを抽出することで、回転槽14内における洗濯物の高さ位置を判断しても良い。すなわち、例えば洗濯物の量が多い場合、図4に示すように、回転槽14内の下部側に位置する洗濯物901は、回転槽14の底部に全体的に広がるのに対し、回転槽14の上部側に位置する洗濯物902は、回転槽14の側壁側に偏ることがある。
この場合、カメラ20が撮影する画像は、平面視において回転槽14の全体に亘って洗濯物90が存在するものとなる。すなわち、図5の例では、カメラ20が撮影する画像は、下部側にある洗濯物902と上部側にある洗濯物901との上下方向の重なりを考慮しないものとなってしまう。そして、洗濯物の厚みUの検知において、洗濯物の高さ位置を考慮しないとすると、回転槽14の側壁部からの厚みUは、回転槽14の全周に亘って差が無いもとなってしまい、したがって、アンバランスのピーク位置を判断することが困難になってしまう。
そこで、アンバランス位置特定部33は、回転槽14の下部側の洗濯物901と上部側の洗濯物902とを見分けるようにする。回転槽14上部にある洗濯物902は、回転槽14の下部にある洗濯物901に比べ、ライト21に近いため明るく照らされる。このことを利用し、アンバランス位置特定部33は、カメラ20が撮影した画像のうち明度が所定値以上の部分を抽出し、その抽出した洗濯物を回転槽14の上部にある洗濯物902と判断する。そして、アンバランス位置特定部33は、抽出した洗濯物902についての厚みUを検知する。このように画像の明度から厚みUの検知に用いる洗濯物を抽出することで、回転槽14の上部で発生したアンバランスにも精度良く対応できる。
制御部30は、脱水工程において洗濯物の偏りが発生した場合、図8に示すアンバランス解消処理を実行する。以下では、図7及び図8も参照して、アンバランス解消処理を含む洗濯運転に関する一連の制御内容について説明する。なお、本実施形態において洗濯運転とは、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程を自動で行う運転である。以下の説明では、アンバランス検知部32及びアンバランス位置特定部33は、いずれも制御部30が主体となって行うものとして説明する。
ユーザは、洗濯運転を実行する際、操作パネル18を操作して洗濯運転を選択し、その後、図示しないスタートボタンを操作する。すると、制御部30は、図6のフローを開始する。図6のフローが開始すると(スタート)、まず、制御部30は、洗濯物重量検知(ステップS11)を行い、洗濯物の重量を検知する。制御部30は、検知した洗濯物重量を記憶領域に記憶する。その後、制御部30は、洗濯物を洗う洗い工程(ステップS12)、及び洗濯物をすすぐすすぎ工程(ステップS12)を実行し、その後、洗濯物を脱水する脱水工程を開始する(ステップS14)。
制御部30は、ステップS14において脱水工程を開始してからステップS16において脱水工程を終了する(ステップS16でYES)までの間、洗濯物の偏りであるアンバランスが発生しているか否かを判断する(ステップS15)。アンバランスが発生していない場合(ステップS15でNO)、制御部30は、ステップS16に処理を移行させる。アンバランスが発生していた場合(ステップS15でYES)、制御部30は、ステップA10へ処理を移行させて、図7に示すアンバランス解消処理を実行する。アンバランス解消処理は、アンバランスの解消を行うための少なくとも1種類、この場合2種類以上の異なる動作を含む処理である。
制御部30は、図7に示すアンバランス解消処理を実行すると、まず、ステップA11において、回転槽14の回転を停止させ又は大きな振動が生じ難い共振回転数以下となるよう低速にし、これにより脱水工程を一旦停止する。次に制御部30は、ステップA12において、図6のステップS11で検知した洗濯物重量が、予め設定された所定重量Nkg以上であるか否かを判定する。所定重量Nは、アンバランスの解消動作の種類を決定するためのしきい値である。本実施形態の場合、所定重量Nは、例えば洗濯機10が洗濯可能な最大重量Nmaxすなわち洗濯機10の定格容量の7割から8割程度に設定されている。なお、所定重量Nは、上述したものに限られず、洗濯機10の注水能力等に応じて適宜設定することができる。
制御部30は、回転槽14の内部の洗濯物の重量に応じてアンバランスの解消動作を選択する。本実施形態の場合、制御部30は、2種類のアンバランスの解消動作を選択することができる。2種類のアンバランス解消の解消動作のうち1つは、いわゆる溜めすすぎと称されるもので、排水弁171を閉じた状態で注水して水槽13に水を溜め、その後、水槽13に水を溜めた状態でパルセータ141を回転させることで洗濯物をほぐす動作である。この溜めすすぎは、ステップA13からステップA16までの一連の処理によって行われる。
2種類のアンバランスの解消動作うちもう1つは、排水弁171を開いた状態でアンバランスのピーク位置に集中的に注水を行い、吸水した洗濯物の自重によって洗濯物を落とす動作である。本実施形態では、このようなアンバランスのピーク位置に集中的に注水を行う動作を集中注水と称する。この集中注水は、ステップA18からステップA21までの一連の処理によって行われる。
洗濯物重量が所定重量N未満であった場合(ステップA12でNO)、制御部30は、ステップA13に処理を移行させる。制御部30は、ステップA13において、排水弁171を制御し、排水弁171を閉じる。その後、制御部30は、処理をステップA14に移行させる。制御部30は、ステップA14において、注水装置16を制御して注水を行う。注水される水量は、例えば洗濯物が浸かる程度の水量に設定されており、具体的な値は図6のステップS11で検知した洗濯物の重量に応じて決定される。
その後、制御部30は、図7のステップA15に処理を移行させる。制御部30は、ステップA15において、駆動装置15を制御し、回転槽14やパルセータ141を正逆回転させて洗濯物をほぐすほぐし動作を行う。その後、制御部30は、処理をステップA16に移行させる。制御部30は、ステップA16において、排水弁171を開き、水槽13内の水を外部へ排水する。その後、制御部30は、ステップA17に処理を移行させる。
制御部30は、ステップA13からステップA16で示した溜めすすぎが完了すると、ステップA17において脱水工程を再開する。そして、制御部30は、アンバランス解消処理を終了し(図7のリターン)、図6のステップS16に処理を移行させる。
一方、図6のステップS11で検知した洗濯物の重量が所定重量N以上であった場合(図7のステップA11でYES)、制御部30は、ステップA18に処理を移行させる。制御部30は、ステップA18において、上述したアンバランス位置特定部33の処理によってアンバランスのピーク位置の特定を行う。その後、制御部30は、制御をステップA19へ移行させる。
制御部30は、ステップA19において、駆動装置15を制御し、アンバランス位置特定部33が特定したアンバランスのピーク位置が注水装置16から注水される水の到達位置すなわち注水位置と一致するように、回転槽14を回転させる。このようにして、制御部30は、注水装置16から注水される水がアンバランスのピーク位置にある洗濯物に当るよう、注水位置に対するアンバランスのピーク位置を調整する。なお、本実施形態の場合、注水装置16から注水される水の到達位置すなわち注水位置は、注水ホース163の出口の真下部分を含んでいる。
この場合、制御部30は、例えば次のようにして、回転槽14の位置を調整することができる。すなわち、ステップA18において回転槽14の位置調整を行う際、制御部30は、回転槽14を回転させながら所定間隔毎にカメラ20により回転槽14内を撮影する。そして、制御部30は、例えばステップ18で特定したアンバランスのピーク位置の画像と、現在カメラ20が撮影した画像とが一致するか判断する。アンバランスのピーク位置の画像と現在カメラ20が撮影した画像が一致しなかった場合、制御部30は回転槽14を回転させ、再度カメラ20で撮影を行う。
制御部30は、上記の制御をアンバランスのピーク位置と現在カメラ20が撮影した画像とが一致するまで繰り返す。アンバランスのピーク位置と現在カメラ20が撮影した画像とが一致すると、制御部30は、回転槽14内におけるアンバランスのピーク位置と、注水装置16から注水される水の到達位置とが重なったと判断し、ステップA19の処理を終了してステップA20に処理を移行させる。
また、制御部30は、次のようにして回転槽14の位置を調整しても良い。すなわち、制御部30は、ステップA18においてアンバランスのピーク位置を特定する際に、回転槽14を回転させながら所定角度毎にカメラ20で回転槽14の内部を撮影する。この場合、制御部30は、少なくとも回転槽14を1回転させる間、回転槽14内の画像を撮影する。その際、制御部30は、回転槽14の回転開始位置を記憶しておく。そして、制御部30は、アンバランスのピーク位置と判断された画像が、回転開始位置の画像から何コマ目のものかを特定し、そのコマ数に撮影間隔の角度を乗ずることで、アンバランスのピーク位置が回転開始位置から回転槽14を何度回転させたときであるかを算出する。その後、制御部30は、回転槽14を回転させ、アンバランスのピーク位置を注水位置まで移動させる。
制御部30は、ステップA19において回転槽14の位置を調整した後、ステップA20において、注水装置16を制御してすなわち注水弁161を開閉させて、アンバランスのピーク位置に所定時間の注水を行う。そして、ステップA20における注水の終了後、制御部30は、ステップA21に処理を移行させる。
制御部30は、ステップA21において、回転槽14を正逆回転させる動作を所定時間行う。本実施形態において、回転槽14を正逆回転させるとは、回転槽14を正方向へ所定時間又は所定角度回転させた後、回転方向を反転させて逆方向へ所定時間又は所定角度回転させる、という回転を繰り返す動作を意味する。回転槽14を正逆回転させることで、図8に示すように回転槽14の側壁に張り付いていた洗濯物がはがれ落ち易くなり、これにより洗濯物のアンバランスの解消が促進される。その後、制御部は、ステップA20に処理を移行させる。
制御部30は、ステップA22において、洗濯物のアンバランスが解消されたか否かを判断する。この場合、まず、制御部30は、アンバランス位置特定部33によるアンバランスのピーク位置の特定を行う。集中注水を行った後にアンバランスのピーク位置を特定する場合において、アンバランス位置特定部33は、洗濯物の厚みUが最大となった部分の厚みUが所定値より小さい場合、アンバランスのピークはないと判断する。アンバランスのピーク位置が見つかった場合、制御部30は、アンバランスが解消されていないと判断し(ステップA22でNO)、処理をステップA19へ移行させる。一方、アンバランスのピーク位置が見つからなかった場合、制御部30は、アンバランスが解消されたと判断し(ステップA22でYES)、処理をステップA17へ移行させる。そして、制御部30は、ステップA17において脱水工程を再開し、その後、アンバランス解消処理を終了して図6のステップS16に処理を移行させる(図7のリターン)。本実施形態では、ステップ22のような、制御部30がアンバランスの解消を確認する工程を、アンバランス解消確認工程と称する。
次に、制御部30は、ステップS16において、脱水工程が終了したか否かを判定する。この場合、例えば制御部30は、予め設定された期間、回転槽14の回転数が最高回転数を維持した場合に、脱水工程が終了したと判断する。脱水工程が終了していない場合(ステップS16でNO)、制御部30は制御をステップS15に移行させる。一方、脱水工程が終了した場合(ステップS16でYES)、制御部30は、駆動装置15を制御して回転槽14の回転を停止させ、これにより洗濯運転に関する一連の制御を終了し、その後、洗濯機10の電源をオフにする(図6のエンド)。
以上説明した実施形態によれば、洗濯機10は、アンバランス検知部32と、アンバランス位置特定部33と、を備えている。アンバランス検知部32は、回転槽14の回転に伴い回転槽14の内部の洗濯物に偏りが発生した場合にその偏りすなわちアンバランスの発生を検知する。アンバランス位置特定部33は、アンバランス検知部32がアンバランスを検知した場合に回転槽14の内部における洗濯物の偏りのピーク位置すなわちアンバランスのピーク位置を特定する。そして、制御部30は、アンバランスが発生した場合に、集中注水を行う。集中注水は、アンバランス位置特定部33で特定されたピーク位置と注水装置16から注水される水の到達地点とが重なる位置に回転槽14を回転させるとともに注水装置16を制御してアンバランスのピーク位置に集中して注水する動作である。これによれば、洗濯機10は、アンバランスのピーク位置にある洗濯物に対して集中的に注水を行うことで、アンバランスの解消に使用する水や時間を減らすことができる。
すなわち、従来の洗濯機は、例えば脱水工程においてアンバランスが発生した場合、アンバランスを解消するために溜めすすぎを行っていた。溜めすすぎは、回転槽の回転を一旦停止した状態で水槽に水を溜め、その後、パルセータを回転させて洗濯物を撹拌してほぐすことにより、アンバランスの解消を図るものである。この溜めすすぎは、洗濯物が浸かる程度の水量が必要となる。そのため、洗濯物の重量が重いほど、溜めすすぎには多くの水量が必要となり、その結果、水を溜める時間や溜めすすぎ後の排水の時間が長くなってしまう。
これに対し、集中注水は、アンバランスのピーク位置を特定し、アンバランスのピーク位置に水がかかるように集中的に注水を行うことで、アンバランスの原因となっている洗濯物の重量を増やし、これによりピーク位置の洗濯物をその洗濯物の自重により崩してアンバランスの解消を図るものである。この集中注水は、溜めすすぎのように洗濯物を浸からせる程の水量を必要としない。また、集中注水は、水槽13内に水を溜める必要がないため、排水しながらすなわち排水弁171を開いた状態で行うことができる。したがって、本実施形態の洗濯機10によれば、アンバランスの発生時に集中注水を行うことで、脱水工程で発生した洗濯物の偏りを少量の水でかつ短時間に解消することができる。
ここで、アンバランスの発生は、脱水工程時の遠心力によって回転槽14の側壁に貼り付いた洗濯物が原因となることが多い。そこで、洗濯機10は、回転槽14の少なくとも内部側壁の一部を撮影可能なカメラ20を備えている。そして、アンバランス位置特定部33は、カメラ20で撮影した回転槽14の内部の画像に基づいてアンバランスのピーク位置を特定する。これによれば、洗濯機10は、回転槽14の側壁内面に張り付いている洗濯物90の厚みUを取得できるようになる。洗濯物90の厚みUを取得することで、洗濯機10は、アンバランスのピーク位置を特定できる。すなわち、アンバランスの原因となっている洗濯物の位置をより正確に特定することができる。
洗濯機10は、アンバランス位置特定部33で特定されたピーク位置と注水装置16から注水される水の到達地点である注水位置とが重なるように回転槽14を回転させた後、回転槽14を静止させた状態で注水弁161を開き、注水を行うことで、アンバランスのピーク位置にある洗濯物に集中して注水する。これによれば、洗濯機10は、アンバランスのピーク位置にある洗濯物へ、より効率良く集中して注水することができる。これにより、洗濯機10は、アンバランスの原因となっている洗濯物に、効率良く水を吸わせたり水をぶつけたりすることができ、その結果、効率良くアンバランスのピーク位置にある洗濯物を崩すことができる。
ここで、アンバランス発生後の溜めすすぎは、アンバランスの解消に大きな効果があるものの、上述したように、洗濯物の重量が増すにつれて必要とする水量や時間が増加してしまう。そのため、溜めすすぎによるアンバランスの解消は、所要水量や所要時間も考慮すると、洗濯物の重量が比較的少ない場合により適している。一方、集中注水は、アンバランスの原因となっているピーク位置の洗濯物に吸水させたり水をぶつけたりすることで、洗濯物の自重や注水の勢いによって洗濯物を崩すものである。そのため、集中注水は、洗濯物が重なって高く積み上がっており、吸水による洗濯物の重量の変化によりバランスを崩しやすい場合、すなわち、洗濯物の量が多い場合に、より効果を発揮する。
そこで、本実施形態の洗濯機10は、回転槽14の内部の洗濯物の重量を検知する洗濯物重量検知部31を更に備えている。そして、制御部30は、脱水工程時に、アンバランス検知部32で洗濯物の偏りが検知されかつ洗濯物重量検知部31で検知された洗濯物の重量が所定重量N以上である場合には集中注水を実行する。また、制御部30は、アンバランス検知部32で洗濯物の偏りが検知されかつ洗濯物重量検知部31で検知された洗濯物の重量が所定重量N未満である場合には溜めすすぎを実行する。
これによれば、制御部30は、洗濯物の重量に適したアンバランス解消方法を選択することができる。その結果、洗濯機10は、アンバランス解消処理として、洗濯物が少ない場合は溜めすすぎを選択し、洗濯物が多い場合は集中注水を選択する。これによれば、洗濯機10は、アンバランスが発生した場合、洗濯物の重量にかかわらず、少ない水量と時間で適切にアンバランスの解消を図ることができる。
洗濯機10は、集中注水の後、アンバランス解消確認工程を行うことで、より確実にアンバランスが解消された状態で脱水工程を再開できる。すなわち、従来の洗濯機は、例えば脱水工程においてアンバランスが発生した場合、アンバランスを解消するために溜めすすぎを行い、その後、脱水工程をやり直していた。溜めすすぎは、回転槽の回転を一旦停止した状態で水槽に水を溜め、その後、パルセータを回転させて洗濯物を撹拌してほぐすことにより、アンバランスの解消を図るものである。溜めすすぎが終了した後、脱水工程をやり直す場合、洗濯物のほぐし不足などの原因でやり直した脱水工程において、再度アンバランスが発生することがある。その結果、アンバランス解消のため、再び溜めすすぎを行うこととなり、繰り返し溜めすすぎを行うための水や時間が必要となってしまう。
これに対し、本実施形態の洗濯機10は、カメラ20を用いるアンバランス位置特定部33を備えている。アンバランス位置特定部33は、集中注水の後、アンバランス解消確認工程を行う。アンバランス解消確認工程において、制御部30は、まず、アンバランス位置特定部33によるアンバランス位置の特定を行う。アンバランスが解消されていない場合、制御部30は、再度集中注水を行う。アンバランスが解消された場合、制御部30は、脱水工程をやり直す。このアンバランス解消工程は、アンバランスが解消されていない状態での脱水工程のやり直しを防ぎ、アンバランスが解消された状態で脱水工程のやり直しを行うことができる。したがって、本実施形態の洗濯機10によれば、アンバランス解消後の脱水工程のやり直しが減り、再度アンバランスが発生することによる水や時間のロスを減らすことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図9を参照しながら説明する。本実施形態の構成は、図7に示したアンバランス解消処理以外、第1実施形態と同様とする。第2実施形態のアンバランス解消処理は、図7に示すステップA19からステップA21の処理に換えて、図9に示すようにステップB11からステップB13の処理を有している。この場合、ステップA18からステップB13までの一連の処理を、集中注水と称する。つまり、本実施形態では、集中注水の具体的態様が、上記第1実施形態と異なる。
次に、第2実施形態について図9を参照しながら説明する。本実施形態の構成は、図7に示したアンバランス解消処理以外、第1実施形態と同様とする。第2実施形態のアンバランス解消処理は、図7に示すステップA19からステップA21の処理に換えて、図9に示すようにステップB11からステップB13の処理を有している。この場合、ステップA18からステップB13までの一連の処理を、集中注水と称する。つまり、本実施形態では、集中注水の具体的態様が、上記第1実施形態と異なる。
具体的には、制御部30は、ステップA18において、アンバランス位置特定部33の処理によってアンバランスのピーク位置の特定を行うと、処理をステップB11へ移行させる。制御部30は、ステップB11において、注水弁161を開き、回転槽14へ注水を開始する。その後、制御部30は、注水弁161を開いた状態つまり注水を継続した状態で制御をステップB12へ移行させる。
ステップB12において制御部30は、アンバランス位置特定部33が特定したアンバランスのピーク位置を跨ぐように回転槽14を正逆回転させる。この場合、制御部30は、回転槽14の回転範囲を、アンバランスのピーク位置を基点とした所定角度の範囲内、例えばアンバランスのピーク位置を基点とした正逆方向にそれぞれ90°以内で設定する。本実施形態の場合、所定範囲は、例えばアンバランスのピーク位置を基点とした正逆方向にそれぞれ45°の範囲に設定されている。これにより、注水の到達位置は、回転槽14が回転する所定範囲全体に亘って移動するため、アンバランスのピーク位置を中心とした所定範囲に亘って注水される。そして、制御部30は、回転槽14の正逆回転を複数回行った後、制御をステップB13へ移行させる。
以上説明した第2実施形態によれば、洗濯機10は、アンバランスのピーク位置を基点として回転槽14を往復回転させながら注水を行うことで、アンバランスのピーク位置とその周囲の洗濯物に集中して水をかけることができる。これによれば、ピーク位置とその周囲の洗濯物に対する重量の増加を、より素早く行うことができる。更に、本実施形態によれば、回転槽14の回転による振動等により、回転槽14内の洗濯物が動かされる。これらにより、アンバランスの解消が促進され、より確実にかつ素早くアンバランスを解消することができる。この構成は、ピーク位置周辺の洗濯物が絡まっている場合により有効である。
すなわちピーク位置の周辺の洗濯物が絡まっている場合、そのピーク位置の洗濯物のみに集中して注水しても絡み合った洗濯物に阻害されて、アンバランスが解消されにくい。一方、本実施形態によれば、ピーク位置とその周辺の洗濯物に集中して注水するため、絡み合った洗濯物とともに、ピーク位置の洗濯物を崩してアンバランスの解消を促すことができる。これにより、ピーク位置周辺の洗濯物同士が絡まっている場合であっても確実に、かつ素早くアンバランスを解消できる。これらの結果、集中注水に要する水量や時間、すなわちアンバランスの解消に要する水量や時間を更に低減することができる。
なお、上記各実施形態において、洗濯機10は、回転槽14内の洗濯物の状態を取得するための洗濯物状態取得手段としてカメラ20を備えていが、これに限られない。例えば洗濯機10は、カメラ20に替えて、例えば洗濯物の高さ位置を計測する測距計や3Dスキャナ等であっても良い。
(第3実施形態)
次に第3実施形態について図10及び図11を参照しながら説明する。本実施形態の構成は、カメラ20、ライト21、及びアンバランス位置特定部33によるアンバランスのピーク位置の特定方法以外、第1実施形態及び第2実施形態と同様とする。第3実施形態のカメラ20及びライト21は、回転槽14の回転軸から離れた位置に設けられている。カメラ20の撮影範囲は、回転槽14の回転軸の奥にある回転槽14の側壁を含む範囲である。この場合、図10に示すように、カメラ20は、水槽カバー131に回転槽14の回転軸に対して斜め向きに設けられている。図10及び図11の二点鎖点Bは、カメラ20の撮影範囲を示している。カメラ20は、回転槽14内部の側壁の一部を撮影可能である。
次に第3実施形態について図10及び図11を参照しながら説明する。本実施形態の構成は、カメラ20、ライト21、及びアンバランス位置特定部33によるアンバランスのピーク位置の特定方法以外、第1実施形態及び第2実施形態と同様とする。第3実施形態のカメラ20及びライト21は、回転槽14の回転軸から離れた位置に設けられている。カメラ20の撮影範囲は、回転槽14の回転軸の奥にある回転槽14の側壁を含む範囲である。この場合、図10に示すように、カメラ20は、水槽カバー131に回転槽14の回転軸に対して斜め向きに設けられている。図10及び図11の二点鎖点Bは、カメラ20の撮影範囲を示している。カメラ20は、回転槽14内部の側壁の一部を撮影可能である。
ライト21は、第1実施形態と同様に、カメラ20の撮影範囲の少なくとも一部又は全部の領域に対して光を照射可能な位置に設けられている。本実施形態の場合、ライト21は、カメラ20と同様に回転槽14の回転軸に対して斜め向きに設けられている。
アンバランス位置制御部33は、本実施形態においても第1実施形態と同様にカメラ20の撮影した回転槽14内部の画像データから、アンバランスのピーク位置を特定する。ただし、本実施形態と第1実施形態では、回転槽14内部の撮影箇所が異なるため、アンバランス位置特定部33がアンバランスのピーク位置と判断する方法が異なる。
例えば、脱水工程中にアンバランス検知部32が洗濯物の偏りを検知した場合、制御部30は、回転槽14の回転を停止させる。その後、アンバランス位置特定部33は、ライト21を点灯させ、回転槽14内を照らして回転槽14内を撮影可能な状態にする。これにより、カメラ20は、図10及び図11に示す1点鎖線Bで囲まれた範囲を撮影することができる。
回転槽14内が撮影可能となったら、制御部30は、回転槽14を低速で回転させながらカメラ20による連続撮影を行う。連続撮影は、例えば時間で制御しても良いし、回転槽14の回転角度つまりモータ151の回転角度で制御しても良い。すなわち、制御部30は、例えば回転槽14を低速で回転させている間、一定時間毎に撮影しても良いし、一定回転角度毎に撮影しても良い。カメラ20による連続撮影は、少なくとも回転槽14が1回転以上するまで行う。
その後、アンバランス位置特定部33は、カメラ20による連続撮影で得られた画像データをもとにアンバランス位置を特定する。アンバランス位置特定部33は、図10及び図11に示すように、回転槽14の側壁内面に張り付いている洗濯物90の回転槽14底面から洗濯物90の上端までの高さHを検知する。高さHは、回転槽14の底面から積みあがった洗濯物90の高さである。そして、アンバランス位置特定部33は、図11が示すように、回転槽14において洗濯物90の高さHが最大となる部分、つまりピーク位置をアンバランスのピーク位置と判断する。
この方法を用いる場合において、アンバランス解消確認工程では、アンバランス位置特定部33は、洗濯物90の高さHが最大となった部分の高さHが所定値以下の場合、アンバランスのピーク位置はないと判断する。
他のアンバランスのピーク位置の判断方法として、撮影範囲に占める洗濯物90の面積を利用する方法がある。すなわちアンバランス位置特定部33は、得られた画像データごとに、撮影範囲つまり各画像データ中に占める洗濯物90の面積を抽出する。アンバランス位置特定部33は、少なくとも回転槽14を一回転させて得られた複数の画像データのうち、撮影範囲に占める洗濯物90の面積が最大となった画像データに写っている部分をアンバランスのピーク位置と判断してもよい。
本実施形態では、アンバランス位置特定部33は、各画像データについて回転槽14側壁の部分と洗濯物90の部分とを見分けている。アンバランス位置特定部33が回転槽14側壁と洗濯物90を見分ける方法として、回転槽14側壁を利用したものがある。例えば、回転槽14は、多くの場合、金属で作られており光沢を持つため、光をよく反射する。そのため、ライト21を照射すると反射するため、カメラ20が撮影した画像データは、回転槽14側壁部分の輝度が高くなる。対して、洗濯物90は、回転槽14の側壁に比べて光を反射しないので、回転槽14側壁と比べて輝度が低くなる。これを利用し、アンバランス位置特定部33は、得られた画像データのうち、一定以上の輝度の部分を回転槽14側壁と判断し、それ以外の部分を洗濯物90と判断する。
他の回転槽14側壁と洗濯物90を見分ける方法として、回転槽14側壁の形状を利用したものがある。すなわち多くの場合、回転槽14側壁は、水槽13と連通する複数の孔が設けられている。さらに、回転槽14側壁は、洗濯物の汚れ落ちが良くなるように複数の突起が設けてある場合もある。そのため、回転槽14側壁は、複数の孔や突起などが設けられており、例えば、ひし形の突起などの特徴的なパターン持つ。
アンバランス位置特定部33は、あらかじめ回転槽14側壁の特徴的なパターンを記憶しておく。そして、アンバランス位置特定部33は、得られた画像データから回転槽14側壁に設けられた特徴的なパターンとなっている部分を抽出し、その部分を回転槽14側壁であると判断する。その反対に、アンバランス位置特定部33は、得られた画像データにおいて、回転槽14側壁の特徴的なパターン以外の部分を洗濯物90と判断する。この場合において、回転槽14側壁のパターンを抽出しやすいように、回転槽14側壁に光の反射を抑えるよう、塗装などの加工を行っても良い。
これらの撮影範囲に占める洗濯物90の面積を利用する方法を用いる場合において、アンバランス解消確認工程では、撮影範囲に占める洗濯物90の面積が最大となった画像データにおける洗濯物90の占める面積が所定値以下の場合、アンバランスのピーク位置はないと判断する。
以上説明した第3実施形態によれば、洗濯機10は、回転槽14側壁の少なくとも一部を撮影可能なカメラ20を備えている。そして、アンバランス位置特定部33は、カメラ20で撮影した回転槽14の内部の画像に基づいてアンバランスのピーク位置を特定する。これによれば、洗濯機10は、洗濯物90の回転槽14底面からの高さHを取得できるようになる。洗濯物90の回転槽14底面からの高さHを取得することで、洗濯機10は、アンバランスのピーク位置を特定できる。すなわち、アンバランスの原因となっている洗濯物の位置をより正確に特定することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形には、発明の範囲や要旨が含まれると同様に、特許請求の範囲に含まれた発明とその均等の範囲に含まれるものである。
図面中、10は洗濯機、11は外箱、13は水槽、14は回転槽、15は駆動装置、16は注水装置、20はカメラ、30は制御部、31は重量検知部、32はアンバランス検知部、33はアンバランス位置特定部、を示す。
Claims (6)
- 外箱と、
前記外箱の内部に設けられた水槽と、
前記水槽の内部に回転可能に設けられた回転槽と、
前記回転槽を回転させる駆動装置と、
前記回転槽の内部に注水を行う注水装置と、
前記回転槽の回転に伴い前記回転槽の内部の洗濯物に偏りが発生した場合にその偏りの発生を検知するアンバランス検知部と、
前記アンバランス検知部が洗濯物の偏りを検知した場合に前記回転槽の内部における洗濯物の偏りのピーク位置を特定するアンバランス位置特定部と、
前記駆動装置と前記注水装置とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、脱水工程時に前記アンバランス検知部で洗濯物の偏りが検知された場合に、前記駆動装置を制御して前記アンバランス位置特定部で特定された前記ピーク位置と前記注水装置から注水される水の到達地点とが重なる位置に前記回転槽を回転させるとともに前記注水装置を制御して前記ピーク位置に集中して注水する集中注水を実行する、
洗濯機。 - 前記回転槽の少なくとも内部側壁の一部を撮影可能なカメラ、を更に備え、
前記アンバランス位置特定部は、前記カメラで撮影した前記回転槽の内部の画像に基づいてアンバランスのピーク位置を特定する、
請求項1に記載の洗濯機。 - 前記集中注水は、前記駆動装置を制御して前記アンバランス位置特定部で特定された前記ピーク位置と前記注水装置から注水される水の到達地点とが重なるように前記回転槽を回転させた後、前記回転槽の回転を停止させた状態で前記注水装置を制御して注水を行う動作を含む、
請求項1又は2に記載の洗濯機。 - 前記集中注水は、前記駆動装置を制御して前記ピーク位置を跨ぐように前記回転槽を正逆方向へ回転させながら前記注水装置を制御して注水を行う動作を含む、
請求項1又は2に記載の洗濯機。 - 前記回転槽の内部の洗濯物の重量を検知する洗濯物重量検知部を更に備え、
前記制御部は、脱水工程時に、前記アンバランス検知部で洗濯物の偏りが検知されかつ前記洗濯物重量検知部で検知された洗濯物の重量が所定重量以上である場合には前記集中注水を実行し、前記アンバランス検知部で洗濯物の偏りが検知されかつ前記洗濯物重量検知部で検知された洗濯物の重量が所定重量未満である場合には溜めすすぎを実行する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯機。 - 前記制御部は、前記集中注水を行った後、前記アンバランス位置特定部により洗濯物の偏りが解消されたかを確認するアンバランス解消確認工程を行う
請求項1から5のいずれか一項に記載の洗濯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018086690A JP2019187977A (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 洗濯機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021137177A (ja) * | 2020-03-03 | 2021-09-16 | 東芝ライフスタイル株式会社 | 洗濯機 |
-
2018
- 2018-04-27 JP JP2018086690A patent/JP2019187977A/ja active Pending
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