以下、図面を参照しつつ本発明を適用した遊技球発射装置について詳細に説明する。本発明の遊技球発射装置は、遊技球を発射する発射部へと遊技球を誘導する誘導経路上において遊技球を検知する遊技球センサを有し、遊技球センサが遊技球を検知し、かつ、遊技球を発射部へ装填する信号を受信すると、遊技球を発射部へ装填する。
これにより、この遊技球発射装置は、遊技球センサに対して遊技球が検知されないようにする不正が行われたときは、遊技球が発射部へ装填されなくなるため、検知されていない遊技球が遊技領域へ発射されてしまうことを防止することができる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る遊技球発射装置10を有する遊技機1の一例を示す図である。図1に示すように、遊技機1は、上部から中央部の大部分の領域に設けられた遊技領域2と、下部に配設された玉受け部3及び回転ハンドル4などで構成される。遊技機1では、遊技者が回転ハンドル4を回動させると、遊技機1の回転ハンドル4周辺に内蔵された遊技球発射装置10が、一定の発射間隔で、その回転角度に応じた発射速度で遊技球を発射する。発射された遊技球は、遊技領域2の側方に設けられたレール5に沿って上方へ移動し、遊技領域2上に設けられた多数の障害釘6の間を落下する。そして、その落下する遊技球が入賞口7に入ると、すなわち、入賞すると、所定個数の遊技球が、遊技領域2の背面に設置された賞球払出装置(図示せず)を通じて玉受け部3へ払い出される。さらに、遊技領域2の略中央部に配設された表示装置8は、入賞の有無などに応じて様々に変化する遊技情報を遊技者に表示する。
図2は、第1実施形態に係る遊技球発射装置10の構成を示すブロック図である。遊技球発射装置10は、発射制御部11と、球送り部12と、発射部13と、球送り制御部14を有する。図2には、遊技球発射装置10の構成とともに回転ハンドル4の構成が示されている。回転ハンドル4は、タッチセンサ41と、ストップスイッチ42と、ボリュームセンサ43を有する。
タッチセンサ41は、遊技者が遊技機1の回転ハンドル4に接触しているか否かを検知して、遊技者が遊技機1の回転ハンドル4に接触しているか否かを表す信号を出力する。例えば、タッチセンサ41は、遊技者が回転ハンドル4に接触していることを検知しているときは相対的に低い電圧を出力する。一方、タッチセンサ41は、遊技者が回転ハンドル4に接触していることを検知していないときは相対的に高い電圧を出力する。タッチセンサ41は、公知の接触検知センサなどで構成される。
ストップスイッチ42は、遊技者が遊技球の発射を一時的に停止したいときに操作される。ストップスイッチ42は、遊技者によって押下されているか否かを検知して、ストップスイッチ42が押下されているかを表す信号を出力する出力回路を有する。例えば、出力回路は、ストップスイッチ42が押下されていることを検知しているときは相対的に低い電圧を出力する。一方、出力回路は、ストップスイッチ42が押下されていることを検知していないときは相対的に高い電圧を出力する。ストップスイッチ42は、公知のリミットスイッチなどで構成される。
ボリュームセンサ43は、遊技者によって回転操作される回転ハンドル4の回転角度に応じて抵抗値が変化するボリューム抵抗を有し、回転ハンドル4の回転角度の大きさに応じた電圧値を出力する。
発射制御部11は、内部電源110と、発射許可部111と、パルス生成部112と、PWM信号生成部113と、発射駆動信号生成部114と、装填駆動信号生成部115を有する。
内部電源110は、外部電源20から供給される外部電源電圧V0を変換して内部電源電圧V1を生成し、遊技球発射装置10の各部へ供給する。
発射許可部111は、遊技者が回転ハンドル4に接触していることが検知され、かつ、ストップスイッチ42が押下されていないことが検知されたときに限り、遊技球の発射を許可することを表す相対的に高い電圧を発射許可信号として出力する。発射許可部111は、その他のときには、遊技球の発射を禁止することを表す相対的に低い電圧を発射許可信号として出力する。
パルス生成部112は、後述のPWM信号生成部113及び装填駆動信号生成部115へ供給するためのパルス信号を生成する。パルス信号のパルス周期は、遊技球の発射速度が法規制により許可された毎分100発以下となるように調整される。
PWM信号生成部113は、ボリュームセンサ43から出力される電圧値が表す回転ハンドル4の回転角度に応じて、パルス生成部112から出力されるパルス信号をパルス幅変調(Pulse Width Modulation)してPWM信号を生成する。
発射駆動信号生成部114は、発射許可部111から出力される発射許可信号が遊技球の発射を許可することを表す相対的に高い電圧のときに限り、PWM信号生成部113から出力されるPWM信号を発射駆動信号として発射駆動装置131に出力する。発射駆動信号生成部114は、その他のときには発射部13に装填された遊技球を発射しない信号を発射駆動信号として発射駆動装置131に出力する。
装填駆動信号生成部115は、発射許可部111から出力される発射許可信号が遊技球の発射を許可することを表す相対的に高い電圧のときに限り、パルス生成部112から出力されるパルス信号を第1装填駆動信号として出力する。装填駆動信号生成部115は、その他のときには発射部13に遊技球を装填しない信号を第1装填駆動信号として出力する。
球送り部12、発射部13、及び球送り制御部14については、このあと図3〜図5を用いて詳細に説明するため、ここでは簡単に説明する。
球送り部12の遊技球センサ123は、遊技球を発射する発射部13へ遊技球を誘導する誘導経路上において遊技球を検知し、遊技球を検知したか否かを表す信号を出力する。
球送り制御部14は、遊技球センサ123が遊技球を検知しているときに限り第1装填駆動信号を第2装填駆動信号として出力し、その他のときには発射部13に遊技球を装填しない信号を第2装填駆動信号として球送り部12の装填駆動装置122に出力する。
また、球送り制御部14は、遊技球センサ123から出力される信号を、遊技球の数を管理する遊技球管理装置30に出力する。遊技球管理装置30は、遊技球センサ123から球送り制御部14を介して出力される信号に基づいて、遊技機1の遊技領域2に向けて発射された遊技球の数をカウントする。
球送り部12の装填駆動装置122は、球送り制御部14から出力される第2装填駆動信号に従って、遊技球を発射部13へ装填する。
発射部13の発射駆動装置131は、発射制御部11の発射駆動信号生成部114から出力される発射駆動信号に従って、遊技球を遊技機1の遊技領域2へ発射する。
図3(a)は、組み合わされた状態の球送り部12及び発射部13の構造を示した斜視図であり、図3(b)は、分離された状態の球送り部12及び発射部13の構造を示した部品展開斜視図である。また、図3(c)は、球送り部12の側面断面図である。
球送り部12は、筐体120と、可動部材121と、装填駆動装置122と、遊技球センサ123を有する。球送り部12は、図1に示された玉受け部3から供給される遊技球を受け口125aから取り込み、送り口125bから発射部13へ装填する。受け口125aから送り口125bへと遊技球を誘導する誘導経路125は、球送り部12の筐体120によって形成される。筐体120は、例えば、樹脂等で形成される。
可動部材121の一方の端部は、遊技球を保持可能な球受け部121aとして形成されており、誘導経路125内に位置するように配置される。一方、可動部材121の他方の端部は誘導経路125外に位置し、誘導経路125が形成される面と直交する方向に沿って設けられる回転軸121cに固定されている。また、可動部材121は、球受け部121aと回転軸121cとを連結する連結部上に磁性体121bを有する。これら球受け部121a、磁性体121b、及び回転軸121cは、装填駆動装置122によって磁性体121bに磁力が作用することで、球受け部121aが回転軸121cを軸として誘導経路125上を往復揺動するように配置されている。
可動部材121は、球受け部121aが誘導経路125の送り口125bの側の第1の位置に揺動した状態において、受け口125aから流れ込む遊技球を球受け部121aによって阻止して遊技球が誘導経路125を通過して流下できないようにする。
一方、可動部材121は、球受け部121aが誘導経路125の受け口125aの側の第2の位置に揺動した状態において、受け口125aから流れ込む遊技球を球受け部121aに保持する。その後、球受け部121aが誘導経路125の送り口125bの側に揺動すると、球受け部121aに保持された遊技球は、送り口125bから発射部13の発射位置135へと流下することが可能となる。
装填駆動装置122は、誘導経路125外において磁性体121bと対向する位置に配置され、球送り制御部14から出力される第2装填駆動信号に従って可動部材121を駆動する。装填駆動装置122は、例えば、ソレノイドを有することができる。そして、装填駆動装置122は、ソレノイドを流れる第2装填駆動信号の電流によって発生する磁場を可動部材121の磁性体121bに作用させて、球受け部121aを誘導経路125の受け口125aと送り口125bの間で往復揺動させる。
遊技球センサ123は、誘導経路125の受け口125aの近傍に設けられ、可動部材121によって誘導経路125を流下することを阻止された遊技球を検知する。遊技球センサ123は、例えば、静電容量式の近接センサ又はフォトセンサとすることができる。
発射部13は、発射駆動装置131と、発射槌132を有する。発射駆動装置131は発射槌132を駆動して、発射位置135に装填された遊技球を図1に示されたレール5に沿って遊技領域2へ向けて発射する。発射駆動装置131は、例えば、ソレノイドを有することができる。
図4(a)〜図4(d)は、図中の紙面手前側から流れ込んだ遊技球が、球送り部12によって、紙面奥側の発射部13へ装填される一連の動作を示している。
図4(a)は、図中の紙面手前側から流れ込んだ遊技球が、受け口125aにおいて可動部材121によって阻止されている状態を示している。図4(a)に示された可動部材121は、装填駆動装置122によって駆動されておらず、可動部材121は図中の下方に揺動している。遊技球センサ123は、可動部材121によって阻止された遊技球を検知している。
図4(b)は、可動部材121が装填駆動装置122によって駆動されて、図中の上方に揺動した状態を示している。図4(a)において可動部材121によって阻止されていた遊技球は、図4(b)においては可動部材121の球受け部121aに保持されている。
図4(c)は、その後、可動部材121が装填駆動装置122によって駆動されなくなって図中の下方に揺動した状態を示している。図4(b)において球受け部121aに保持されていた遊技球は、この後、送り口125bから送り出されて発射部13へ装填され、遊技球センサ123によって検知されなくなる。
図4(d)は、その後、別の遊技球が可動部材121によって阻止されている状態を示している。図4(d)は図4(a)と同じ状態を示している。以降、同様の球送り動作が繰り返されて、図中の紙面手前側から受け口125aに流れ込んだ遊技球が、一球ずつ、送り口125bから紙面奥側の発射部13へと装填される。
図5は、第1実施形態に係る球送り制御部14の構成を示す回路図である。球送り制御部14は、第1入力回路141と、第2入力回路142と、カウントディレイ回路143と、合成回路144と、第1出力回路145と、第2出力回路146を有する。
前述のとおり、発射制御部11の内部電源110は、外部電源電圧V0を利用して内部電源電圧V1を生成し、生成した内部電源電圧V1を遊技球発射装置10の各部へ供給する。
第1入力回路141は、プルアップ抵抗R1とNOT回路を有する。第1入力回路141は、発射制御部11から出力される第1装填駆動信号を反転させて、合成回路144の一方の入力端子に出力する。
第2入力回路142は、トランジスタTr1と抵抗R2〜R4を有する。トランジスタTr1のコレクタ端子には、抵抗R4を介して内部電源電圧V1が供給される。また、トランジスタTr1のベース端子には、遊技球センサ123から出力される信号が、抵抗R2及び抵抗R3によって分圧されて出力される。第2入力回路142は、このような回路により、遊技球センサ123から出力される信号を反転させて、カウントディレイ回路143に出力する。
カウントディレイ回路143は、直列接続された二つのNOT回路と、抵抗R5と、容量C1を有する。二つのNOT回路のうちの前段側のNOT回路の入力端子は第2入力回路142の出力端子と接続される。二つのNOT回路の間の接続線には、並列に接続された抵抗R5及び容量C1を介して内部電源電圧V1が供給される。カウントディレイ回路143は、このような回路により、第2入力回路142によって反転された信号を遅延させて、合成回路144の他方の入力端子に出力する。これにより、カウントディレイ回路143は、遊技球センサ123から出力される信号値を少なくとも一定期間保持して、後述の合成回路144が、二つの入力端子に出力される信号値がともに相対的に高い電圧となるタイミングを逸しないようにしている。
合成回路144は、AND回路を有する。合成回路144は、二つの入力端子に出力された信号値がともに相対的に高い電圧のときに限り相対的に高い電圧を出力し、その他のときには相対的に低い電圧を出力する。これにより、合成回路144は、遊技球センサ123が遊技球を検知しているときに限り、発射制御部11から出力される第1装填駆動信号を、後段の第1出力回路145を介して出力する。
第1出力回路145は、トランジスタTr2と、抵抗R6を有する。トランジスタTr2のコレクタ端子には、不図示の抵抗を介して内部電源電圧V1が供給される。また、トランジスタTr2のベース端子は、抵抗R6を介して合成回路144の出力端子と接続される。第1出力回路145は、このような回路により、合成回路144から出力される信号を反転させて、第2装填駆動信号として、球送り部12の装填駆動装置122に出力する。
第1出力回路145から出力される第2装填駆動信号は、遊技球センサ123が遊技球を検知しているときに限り第1装填駆動信号と同じ信号値となり、その他のときには可動部材121を駆動しない相対的に高い電圧となる。球送り部12の装填駆動装置122は、第2装填駆動信号に従って可動部材121を駆動して、遊技球を発射部13へ装填する。
第2出力回路146は、トランジスタTr3と、抵抗R7を有する。トランジスタTr3のコレクタ端子には、不図示の抵抗を介して内部電源電圧V1が供給される。また、トランジスタTr3のベース端子は、抵抗R7を介して第2入力回路142の出力端子と接続される。第2出力回路146は、このような回路により、第2入力回路142から出力される信号を反転させて、遊技球管理装置30に出力する。
第2出力回路146から出力される信号は、実質的に遊技球センサ123から出力される信号と同じ信号値となる。したがって、遊技球管理装置30は、遊技球センサ123から出力される信号のエッジの立ち上り又は立ち下りをカウントして、遊技領域2に向けて発射された遊技球の数をカウントすることができる。
なお、球送り制御部14の第2出力回路146は、遊技球センサ123から出力される信号の代わりに、第2装填駆動信号を遊技球管理装置30に出力してもよい。この場合、遊技球管理装置30は、第2装填駆動信号に基づいて、遊技領域2に向けて発射された遊技球の数をカウントすることができる。これにより、遊技球発射装置10は、遊技球管理装置30が発射された遊技球の数を正確にカウントすることを可能とする。
図6は、第1実施形態に係る遊技球発射装置10の制御方法を示すタイミングチャートである。図6は、遊技球センサ123に対して不正が行われていない場合のタイミングチャートを示している。
図6には、上から順に、タッチセンサ41の出力波形601、ストップスイッチ42の出力回路の出力波形602、発射許可信号の波形603、パルス信号の波形604、第1装填駆動信号の波形605、遊技球センサ123の出力の波形606、第2装填駆動信号の波形607、及び発射駆動信号の波形608が示されている。図6の横軸は時間を表している。
時刻t1において、遊技者が回転ハンドル4を握ると、タッチセンサ41は回転ハンドル4に遊技者が接触したことを検知して、相対的に低い電圧を出力する。このとき、ストップスイッチ42は押されておらず、ストップスイッチ42の出力回路は、ストップスイッチ42が押されていないことを表す相対的に高い電圧を出力している。発射許可部111は、タッチセンサ41から相対的に低い電圧が出力され、かつ、ストップスイッチ42の出力回路から相対的に高い電圧が出力されているため、遊技球の発射を許可することを表す相対的に高い電圧を発射許可信号として出力する。
時刻t2において、装填駆動信号生成部115は、発射許可部111から出力される発射許可信号が遊技球の発射を許可することを表す相対的に高い電圧であるため、パルス生成部112から供給されるパルス信号を、第1装填駆動信号として出力する。
球送り制御部14は、遊技球センサ123から出力される信号が遊技球を検知していることを表す相対的に低い電圧であるため、第1装填駆動信号と一致する信号を第2装填駆動信号として出力する。
時刻t3において、球送り部12の装填駆動装置122は、第2装填駆動信号に従って可動部材121を駆動して、遊技球を発射部13へ装填する。この結果、遊技球センサ123から出力される信号は遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧となる。
時刻t4において、発射駆動信号生成部114は、発射許可部111から出力される発射許可信号が遊技球の発射を許可することを表す相対的に高い電圧であるため、PWM信号生成部113から供給されるPWM信号を出力する。この結果、発射部13の発射駆動装置131は、回転ハンドル4の回転角度に応じたデューティ比で発射槌132を駆動して遊技球を発射する。その後、別の遊技球が球送り部12に供給されて、時刻t2〜t4と同様の球送り処理が繰り返される。
時刻t5において、遊技者によってストップスイッチ42が押されると、ストップスイッチ42の出力回路は、ストップスイッチ42が押されていることを表す相対的に低い電圧を出力する。発射許可部111は、ストップスイッチ42から相対的に低い電圧が出力されているため、遊技球の発射を禁止することを表す相対的に低い電圧を発射許可信号として出力する。
装填駆動信号生成部115は、発射許可部111から出力される発射許可信号が遊技球の発射を禁止することを表す相対的に低い電圧であるため、球送り部12の可動部材121を駆動しないことを表す相対的に高い電圧を第1装填駆動信号として出力する。
球送り制御部14は、遊技球センサ123から出力される信号が遊技球を検知していることを表す相対的に低い電圧であるため、第1装填駆動信号と一致する信号を第2装填駆動信号として出力する。ただし、第1装填駆動信号の信号値が球送り部12の可動部材121を駆動しないことを表す電圧であるため、球送り部12の可動部材121は駆動されず球送りが停止される。
時刻t6において、遊技者によってストップスイッチ42が離されると、ストップスイッチ42の出力回路は、ストップスイッチ42が押されていないことを表す相対的に高い電圧を出力する。発射許可部111は、タッチセンサ41から相対的に低い電圧が出力され、かつ、ストップスイッチ42の出力回路から相対的に高い電圧が出力されているため、遊技球の発射を許可することを表す相対的に高い電圧を発射許可信号として出力する。以降、時刻t2〜t4と同様の球送り処理が繰り返される。
時刻t7において、遊技者によって回転ハンドル4が離されると、タッチセンサ41は遊技者が回転ハンドル4に接触していないことを表す相対的に高い電圧を出力する。発射許可部111は、タッチセンサ41から相対的に高い電圧が出力されているため、遊技球の発射を禁止することを表す相対的に低い電圧を発射許可信号として出力する。
装填駆動信号生成部115は、発射許可部111から出力される発射許可信号が遊技球の発射を禁止することを表す相対的に低い電圧であるため、球送り部12の可動部材121を駆動しないことを表す相対的に高い電圧を第1装填駆動信号として出力する。この結果、球送り部12において球送りが停止される。
図7は、第1実施形態に係る遊技球発射装置10の制御方法を示す他のタイミングチャートである。図7は、遊技球センサ123に対して不正が行われた場合のタイミングチャートを示している。図7の横軸は時間を表している。
図7には、上から順に、球送り部12の受け口125aに遊技球が滞留しているか否かを示す波形701、遊技球センサ123に対して不正が行われているか否かを示す波形702、発射許可信号の波形703、パルス信号の波形704、第1装填駆動信号の波形705、遊技球センサ123の出力の波形706、第2装填駆動信号の波形707、及び発射駆動信号の波形708が示されている。
時刻t4までの動作は、図6と同じであるため説明は省略する。時刻t5において、球送り部12の受け口125aに滞留した遊技球がなくなって球送り部12に遊技球が供給されなくなると、遊技球センサ123から出力される信号は遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧となる。
球送り制御部14は、遊技球センサ123から出力される信号が遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧であるため、球送り部12の可動部材121を駆動しないことを表す相対的に高い電圧を第2装填駆動信号として出力する。この結果、球送り部12において球送りが停止される。
時刻t6において、遊技球センサ123に対して不正が行われ、遊技球センサ123から出力される信号が強制的に遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧とされる。
時刻t7において、球送り部12に遊技球が供給されるが、遊技球センサ123に対して不正が行われているため、遊技球センサ123から出力される信号は、遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧のままである。ここで仮に、第1装填駆動信号が、球送り制御部14を介さずに直接的に球送り部12の装填駆動装置122へ出力されるとする。この場合、発射許可信号が遊技球の発射を許可することを表しているときは、装填駆動信号生成部115は、遊技球センサ123が遊技球を検知しているか否かにかかわらず、パルス生成部112から出力されるパルス信号を第1装填駆動信号として出力する。この結果、球送り部12において球送りが行われ、検知されていない遊技球が遊技領域2へ発射されてしまう。
そこで、本実施形態では、第1装填駆動信号は、球送り制御部14を介して間接的に球送り部12の装填駆動装置122へ出力される。球送り制御部14は、遊技球センサ123が遊技球を検知しているときに限り第1装填駆動信号を第2装填駆動信号として出力し、その他のときには可動部材121を駆動しない信号を第2装填駆動信号として出力する。時刻t7においては、遊技球センサ123から出力される信号が遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧であるため、球送り制御部14は、球送り部12の可動部材121を駆動しないことを表す相対的に高い電圧を第2装填駆動信号として出力する。この結果、球送り部12において球送りが停止される。したがって、球送り制御部14は、検知されていない遊技球が遊技領域2へ発射されてしまうことを防止することができる。
時刻t8において、球送り部12の受け口125aに滞留した遊技球がなくなって球送り部12に遊技球が供給されなくなると、遊技球センサ123から出力される信号は遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧となる。
球送り制御部14は、遊技球センサ123から出力される信号が遊技球を検知していないことを表す相対的に高い電圧であるため、球送り部12の可動部材121を駆動しないことを表す相対的に高い電圧を第2装填駆動信号として出力する。この結果、球送り部12において球送りが引き続いて停止される。
時刻t9において、遊技者によって回転ハンドル4が離されると、タッチセンサ41は遊技者が回転ハンドル4に接触していないことを表す相対的に高い電圧を出力する。発射許可部111は、タッチセンサ41から相対的に高い電圧が出力されているため、遊技球の発射を禁止することを表す相対的に低い電圧を発射許可信号として出力する。
装填駆動信号生成部115は、発射許可部111から出力される発射許可信号が遊技球の発射を禁止することを表す相対的に低い電圧であるため、球送り部12の可動部材121を駆動しないことを表す相対的に高い電圧を第1装填駆動信号として出力する。この結果、球送り部12において球送りが引き続いて停止される。
図8は、第1実施形態に係る球送り制御部14における球送り処理を示すフローチャートである。
ステップS101において、球送り制御部14は、遊技球センサ123から出力される電圧が遊技球を検知していることを表す電圧であるか否かを判定する(ステップS101)。遊技球センサ123から出力される電圧が遊技球を検知していることを表す電圧であるときは(ステップS101:Yes)、球送り制御部14は、装填駆動信号生成部115から出力される第1装填駆動信号の電圧値が可動部材121を駆動する電圧値であるか否かを判定する(ステップS102)。第1装填駆動信号の電圧値が可動部材121を駆動する電圧であるときは(ステップS102:Yes)、球送り制御部14は、可動部材121を駆動する電圧を第2装填駆動信号として出力する(ステップS103)。そして、球送り制御部14は、球送り処理を終了する。
一方、第1装填駆動信号の電圧値が可動部材121を駆動する電圧でないとき(ステップS102:No)、又は、遊技球センサ123から出力される電圧が遊技球を検知していることを表す電圧でないとき(ステップS101:No)は、球送り制御部14は、可動部材121を駆動しない電圧を第2装填駆動信号として出力する(ステップS104)。そして、球送り制御部14は、球送り処理を終了する。
本実施形態の球送り制御部14は、図8のフローチャートに示される処理をマイクロプロセッサによって実行する構成とすることも可能である。この場合、マイクロプロセッサには、遊技球センサ123から出力される信号、及び、発射許可部111から出力される第1装填駆動信号が入力され、マイクロプロセッサは第2装填駆動信号を生成して出力する。
以上のように、本実施形態の遊技球発射装置は、遊技球を発射する発射部へと遊技球を誘導する誘導経路上において遊技球を検知する遊技球センサを有する。そして遊技球発射装置は、遊技球センサが遊技球を検知し、かつ、遊技球を発射部へ装填する信号を受信すると、遊技球を発射部へ装填する。
これにより、遊技球センサに対して遊技球が検知されないようにする不正が行われたときは、遊技球が発射部へ装填されなくなるため、遊技球発射装置は、検知されていない遊技球が遊技領域へ発射されてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態の遊技球発射装置の構成は、球送り制御部14を新たに追加するだけで実現されるため、構成を大きく変更する必要がなく実現が容易である。
[第2実施形態]
本実施形態の遊技球発射装置は、第1実施形態と球送り部の構造が異なる。本実施形態の球送り部の可動部材と遊技球センサは一体化されており、遊技球センサは遊技球が通過する貫通口を有する。そして可動部材は、装填駆動装置によって駆動されて、遊技球が流下不能となる第1の位置と、遊技球が貫通口を通過して流下可能となる第2の位置との間で移動可能となるように配置され、遊技球センサは貫通口を通過する遊技球を検知する。また、球送り制御部は省略されてもよい。
図9(a)は、第2実施形態における、組み合わされた状態の球送り部22及び発射部13の構造を示した斜視図であり、図9(b)は、分離された状態の球送り部22及び発射部13の構造を示した部品展開斜視図である。また、図9(c)は、球送り部22の側面断面図である。本実施形態の遊技球発射装置10は、第1実施形態と球送り部22の構造が異なる以外は概ね第1実施形態と同じであるため、以下では第1実施形態と異なる点について説明する。
球送り部22は、筐体220と、可動部材221と、装填駆動装置222と、遊技球センサ223を有する。球送り部22は、図1に示された玉受け部3から供給される遊技球を受け口225aから取り込み、送り口225bから発射部13へ装填する。受け口225aから送り口225bへと遊技球を誘導する誘導経路225は、球送り部22の筐体220によって形成される。筐体220は、例えば、樹脂等で形成される。
本実施形態の可動部材221と遊技球センサ223は一体化されており、遊技球センサ223は遊技球が通過する貫通口226を有している。可動部材221は、受け口225aと送り口225bの間に誘導経路225と交差するように配置される。可動部材221の不図示の磁性体に装填駆動装置222によって磁力が作用すると、可動部材221は、遊技球が流下する誘導経路225の方向と直交する図中に示す矢印Cの方向に往復動作する。
可動部材221が図9(c)中の右側の第1の位置に移動した状態においては、可動部材221の貫通口が誘導経路225上に位置しないため、受け口225aから流れ込んだ遊技球は誘導経路225を通過して流下することができない。
一方、可動部材221が図9(c)中の左側の第2の位置に移動した状態においては、可動部材221の貫通口が誘導経路225上に位置するため、遊技球が貫通口を通過して送り口225bから発射部13の発射位置135へ流下することが可能となる。
装填駆動装置222は、可動部材221が往復運動する方向に隣接して配置され、発射許可部111から出力される第1装填駆動信号に従って可動部材221を駆動する。装填駆動装置222は、例えば、ソレノイドを有することができる。そして、装填駆動装置222は、ソレノイドを流れる第1装填駆動信号の電流によって発生する磁場を可動部材221の不図示の磁性体に作用させて、遊技球が通過する誘導経路225の方向と直交する図中の矢印Cの方向に可動部材221を往復動作させる。
遊技球センサ223は、貫通口を通過する遊技球を検知する。遊技球センサ223は、例えば、フォトセンサとすることができる。
図10(a)及び図10(b)は、図中の紙面奥側から流れ込んだ遊技球が、球送り部22によって、紙面手前側の発射部13へ装填される一連の動作を示している。
図10(a)は、図中の紙面奥側から流れ込んだ遊技球が、受け口225aにおいて可動部材221によって阻止されている状態を示している。図10(a)に示された可動部材221は、装填駆動装置222によって駆動されておらず、可動部材221は図中の右側に移動している。この状態では貫通口が誘導経路225上に位置していないため、遊技球は誘導経路225を横切ることを可動部材221によって阻止される。
図10(b)は、可動部材221が装填駆動装置222によって駆動されて、図中の左側に移動した状態を示している。この状態では貫通口が誘導経路225上に位置しているため、遊技球は貫通口を通過して、送り口225bから送り出されて発射部13へ装填される。以降、同様の球送り動作が繰り返されて、図中の紙面奥側から受け口225aに流れ込んだ遊技球が、一球ずつ、送り口225bから紙面手前側の発射部13へと装填される。
以上のように、本実施形態の可動部材と遊技球センサは一体化されており、遊技球センサは遊技球が通過する貫通口を有し、装填駆動装置は、発射制御部から可動部材を第2の位置に移動させる信号を受信したときに、貫通口を通過して遊技球が流下可能となるように、可動部材を駆動して第2の位置に移動させ、遊技球センサは貫通口を通過する遊技球を検知する。これにより、本実施形態の遊技球発射装置では、発射部へ装填される遊技球は貫通口を通過する際に必ず遊技球センサによって検知される。このため、遊技球発射装置は、球送り制御部を有さない構成であっても、検知されていない遊技球が遊技領域へ発射されてしまうことを防止することができる。また、遊技球発射装置が小型化される。
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態に係る球送り制御部14bの構成を示す回路図である。本実施形態の球送り制御部14bは、図5に示された第1実施形態の球送り制御部14のカウントディレイ回路143及び合成回路144の代わりに、フリップフロップ140を有している。その他については第1実施形態と同じであるため、以下では第1実施形態と異なる点について説明する。
フリップフロップ140のD端子には、遊技球センサ123から出力される信号が反転されて出力される。またフリップフロップ140のCK端子及び反転CLR端子には発射制御部11から出力される第1装填駆動信号が反転されて出力される。また、フリップフロップ140の反転PR端子には、内部電源電圧V1が供給される。
図11に示されたフリップフロップ140は、D端子及び反転CLR端子に入力される電圧がともに相対的に高い電圧のときに限り相対的に高い電圧を出力し、その他のときには相対的に低い電圧を出力する。この際、フリップフロップ140は、CK端子に入力される電圧の立ち上がりと同期して電圧値を遅延させて出力する。
したがって、図11に示されたフリップフロップ140は、図5に示された球送り制御部14のカウントディレイ回路143及び合成回路144と同等の動作を行う。このため、図11に示された球送り制御部14bは、図5に示された第1実施形態の球送り制御部14と回路的に実質的に等価であるため、このような本実施形態の回路構成によっても、第1実施形態の球送り制御部14と同様の機能が実現される。また、本実施形態の球送り制御部14bは、第1実施形態の球送り制御部14を同様にマイクロプロセッサによって実行される構成とすることも可能である。
上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。