以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。尚、本実施の形態で用いる用語の概念として、「遊技機器」は、遊技機(パチンコ機等)、カードユニット、ジェットカウンタ、カード発行装置、清算装置、ホール用管理装置、景品交換装置等の遊技場に設置される全ての機器を含む概念であり、「遊技用装置」は、上記、「遊技機器」から遊技機のみを排除した概念である。
まず、図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)に遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下パチンコ機またはP台と略称する)2が併設されている。このパチンコ機2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル13を操作することにより、発射装置14に含まれる発射ソレノイド41(図8〜図11参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、発射操作手段の一例である打球操作ハンドル13の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル13を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射ソレノイド41が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル13の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口61に回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口61に回収されたパチンコ玉は再度パチンコ機2内の回収経路(循環経路)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル13を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
パチンコ機2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、多様の表示画面を遊技者に表示する。
図2は、ガラス扉11を開けた状態におけるパチンコ機2内部の正面(前面)側、すなわちガラス扉11および表示器54の背面側に配置される、遊技玉の循環経路の一部を含む部材を示しており、図3は、パチンコ機2内部の背面側に配置される、遊技玉の循環経路の一部を含む部材を示している。図2を参照して、パチンコ機2の所定側の側方位置に該パチンコ機2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を用いて対応するパチンコ機2における遊技媒体の一例の封入玉を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。尚、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。パチンコ機2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320で受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数や後述するエラー情報などその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてパチンコ機2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、パチンコ機2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。尚、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落すための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引き落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
尚、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施の形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
尚、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28(図16参照)が操作されて計数処理が行われるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどがある。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
カードユニット3の前面側には、さらに、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と返却ボタン322とが設けられている。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残高を引落してパチンコ機2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行うボタンである。返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。尚、返却ボタン322は遊技機に設けられていて、返却ボタン322操作時の信号自体はカードユニットに入力されるようにしてもよい。
図2をさらに参照して、パチンコ機2の正面(前面)側における遊技領域27およびアウト口61の下方には、遊技玉の表面を研磨する研磨装置23と、余剰玉用穴部66、余剰玉用経路67、余剰玉用経路出口68、余剰玉停留部69などが配置されている。研磨装置23は遊技玉の循環経路の一部であり、余剰玉用穴部66、余剰玉用経路67、余剰玉用経路出口68および余剰玉停留部69は循環経路と接続された領域である。これらについては後に詳述する。
図3を参照して、パチンコ機2の背面側には、主制御基板16と、払出制御基板17と、電源装置21と、搬送スクリュー72と、玉揚送装置25と、発射装置14、などが配置されており、これらは前枠6に囲まれている。主制御基板16は、遊技盤26に設けてあり、パチンコ機2の遊技の進行制御を行う。払出制御基板17および電源装置21は図3の左下に示す扉の後ろ側(パチンコ機2の前面側)に配置されており、前枠6に固定するように設けてある。払出制御基板17は遊技玉を管理・記憶する。搬送スクリュー72は後述するように研磨装置23の一部であり、循環経路の一部である。搬送スクリュー72は、循環しながら研磨される遊技玉を搬送する。玉揚送装置25は遊技玉をパチンコ機2の上方へ搬送(揚送)する装置であり、循環経路の一部である。発射装置14はパチンコ機2の上方に配置されており、遊技のために遊技玉を遊技領域27へ向けて発射する装置である。発射装置14も循環経路の一部である。このように本実施の形態におけるパチンコ玉の循環経路とは、基本的に研磨装置23と玉揚送装置25と発射装置14とを含むようにパチンコ機2内を一周してもとの位置(たとえば発射装置14の発射位置43)に戻るように構成された経路である。尚、上記の各部材に加え、さらに遊技領域27を含めて循環経路と考えてもよい。
図4はアウト口61と余剰玉用穴部66などを含む領域の断面の態様を詳細に示す拡大断面斜視図であり、遊技領域27から出た遊技玉の流れを示すものである。図4においては図の前方(向かって右手前側)がパチンコ機2の前面側である。図4を参照して、前述したように遊技のため遊技領域27に打込まれた遊技玉(パチンコ玉)10のうち入賞しなかったもの(アウト玉という)はアウト口61を通って図中の矢印が示す方向に落下し、遊技領域27の下方の玉誘導経路等からなる充填空間63に到達する。このアウト口61から回収されたアウト玉はアウト玉検出スイッチ88により検出され、その検出信号が後述する払出制御部171へ入力される。
これに対していずれかの入賞口に入賞したもの(入賞玉またはセーフ玉という)はたとえば入賞玉経路62を通って図中の矢印が示す方向に落下し、充填空間63に到達する。遊技が開始され充填空間63にパチンコ玉10が到達し始めたことを研磨入口玉検出スイッチ701が検知すれば、循環経路を構成する研磨装置23の研磨モータ71が駆動し始め、循環経路内でパチンコ玉を移送可能な状態となる。
ただし、循環経路は、上記のように研磨入口玉検出スイッチ701が、パチンコ玉が投入され始めたことを検出することにより駆動を始めてパチンコ玉の循環が開示されるように設定されていてもよいが、変形例として、循環経路に備えられるセンサ(研磨入口玉検出スイッチ701および後述する第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40)がすべてパチンコ玉を検出しない状態であってもパチンコ機2の電源投入時から継続してパチンコ玉を循環させる動作を行う仕様であってもよい。
ところが、充填空間63が収納可能な遊技媒体の数に対して充填空間63に入ろうとするパチンコ玉(たとえばアウト口61から投入するパチンコ玉)の個数が過剰な状態になることがある。たとえば充填空間63が40個のパチンコ玉を収納可能な場合、40個のパチンコ玉が充填空間63に入れば、充填空間63においては充填空間最上部64にまでパチンコ玉が充填し満杯となった状態である。この状態になった後にさらに充填空間63に入ろうとする(41個目以降の)パチンコ玉は、充填空間63から溢れ出すため、充填空間最上部64の直上前方の余剰玉用穴部66に入る。
図5を参照して、余剰玉用穴部66の方へ進んだ余剰の(たとえば41個目以降の)パチンコ玉は、余剰玉用穴部66から繋がり、充填空間63の前方に設けられたパチンコ玉用の流路である余剰玉用経路67を通って、余剰玉用経路出口68から余剰玉停留部69に案内され、余剰玉停留部69に貯留される。すなわち余剰玉停留部69はパチンコ機2の前面側の所定位置に配置されている。
尚、扉被覆面65の前方部には、図1に示す表示器54や打球操作ハンドル13等が設けられた開成用扉により覆われており、余剰玉停留部69などもこの開成用扉により覆われている。この開成用扉は、遊技場の係員が所持する鍵により通常時は施錠(ロック)されており、遊技者は解錠できず遊技場の係員が解錠して開放できる。このため遊技者は余剰玉停留部69に貯留されたパチンコ玉を自力で取出すことはできず、遊技場の係員のみ取出すことができる。遊技場の係員は、余剰玉停留部69に貯留されたパチンコ玉を取出すことにより、余剰玉停留部69に貯留されたパチンコ玉をパチンコ機2の外部に排出させることができる。たとえば図1の表示器54が設置された部分を開放したときに露出する位置に余剰玉停留部69が配置されれば、図1の表示器54が設置された部分を開放するだけでパチンコ玉を容易に取出すことができる。尚、余剰玉停留部69を開成用扉の前面側(遊技者側)に設けてもよい。
図5のように満杯になった充填空間63から溢れ出して余剰玉用穴部66から余剰玉停留部69の方へ流れるパチンコ玉は、駆動力などを用いることなく、たとえば重力を利用して余剰玉用穴部66から余剰玉停留部69の方へ自然流下する構成となっている。このため余剰玉停留部69の方へパチンコ玉を案内するための駆動力として用いる部材を追加で設ける必要がなく、設備の構成の簡易化を図ることができる。
また余剰玉停留部69に案内された余剰のパチンコ玉は遊技場の係員により容易に取り出せるため、余剰玉停留部69を、余剰のパチンコ玉を収納する場所としてのみならず、サービス玉として利用するパチンコ玉を貯留する場所として共用することができる。このため、余剰玉停留部69とサービス玉貯留場所とが別の場所として設けられる場合に比べて、省スペース化を図ることができる。
さらに、たとえばメンテナンスのためにいったんパチンコ機2内のパチンコ玉を外部に取出した(抜き取った)後に電源を投入して再度パチンコ機2内にパチンコ玉を投入する(たとえばアウト口61から投入する)場合に、パチンコ機2の循環経路内全体で収納可能な玉の個数がたとえば40個と決まっており、アウト口61からパチンコ玉を循環経路に供給する際に、ちょうど40個供給されたときに充填空間63におけるパチンコ玉が満杯となるように構成されている。そして40個を超えたパチンコ玉は充填空間63からオーバフローして余剰玉停留部69の方へパチンコ玉の流入が始まる。その結果、パチンコ機2の循環経路に正常にパチンコ玉を循環させるために必要な個数(40個)のパチンコ玉の供給が終了したことを容易に確認することができる。また余剰なパチンコ玉が自然に余剰玉停留部69の方へ移動する構成となっているため、パチンコ玉をパチンコ機2内に投入する際にその個数を正確にカウントする必要がなくなり、無造作にパチンコ玉を投入することができる。このため、所定個数のパチンコ玉を容易にパチンコ機2(循環経路)内に投入することができる。
また、上記のように容易に所定個数のパチンコ玉がパチンコ機2の内部に投入できるため、たとえば本実施の形態のように発射装置14がパチンコ機2の上方にある場合においても、発射装置14を含む循環経路の全体に容易に規定数(たとえば40個)のパチンコ玉を行き渡らせるように供給することができる。
図6は、パチンコ機2に取付けられた研磨装置23をパチンコ機の背面側から見た拡大図であり、実際には、搬送スクリュー72はその背面側がカバーで覆われるが、図6においては搬送スクリュー72を見やすくするために、カバーを省略している。
図6に示すように、一般公知の通路等により、たとえば充填空間63から移動したパチンコ玉が、搬送スクリュー72の研磨開始端部78に進入する。ここで研磨カセット73が搬送スクリュー72の前面に対向するようにセットされた状態で搬送スクリュー72の研磨開始端部78にパチンコ玉が進入すると、該パチンコ玉は研磨開始端部78と、研磨カセット73内の研磨部材とに挟まれるように設置される。そして研磨入口センサ(研磨入口玉検出スイッチとも言う)701によりパチンコ玉が検知され、後述する第1充満検出センサ75が玉の充満状態を検出していないことを条件として研磨モータ71が駆動を始める。研磨モータ71の駆動は前述した払出制御基板17により制御される。研磨モータ71が駆動すると、研磨モータ71に備えられたモータギアが回転することにより、モータギアと連結するギアに固定された搬送スクリュー72が回転駆動を始める。また特に常時移動等を行う研磨部材を用いる場合には、前述したように研磨部材も駆動を始める場合もある。
搬送スクリュー72の回転駆動により、これに接触するパチンコ玉は、搬送スクリュー72の(研磨開始端部78に対する他方の)端部である研磨終了端部79の方へ搬送されながら、その表面が研磨部材により研磨され、表面の汚れが除去される。
また、研磨装置23(ここでは研磨終了端部79)の近傍(パチンコ機2の背面側)には、第1充満検出センサ75と、玉抜き穴76と、玉抜き穴用カバー(図示略)とが配置されている。第1充満検出センサ75は、循環経路の一部(特に第1充満検出センサ75が配置される、研磨装置23の移動下手側)に配置されるパチンコ玉が充満したことを検出するセンサであり、第1充満検出センサ75は、遊技の開始により玉揚送装置25にパチンコ玉が投入され始めたことを検出するセンサとしての機能も兼用している。すなわち第1充満検出センサ75は、第1充満検出センサ75の領域にパチンコ玉が入り始めたことを検出して第2充満検出センサ40が玉の充満状態を検出していないことを条件として玉揚送装置25の駆動を始める機能と、パチンコ玉が充満したことを検出して研磨モータ71の駆動を停止しそれ以上のパチンコ玉が研磨装置23の移動下手側に送られない状態とさせる機能とを兼用している。
逆にいえば、研磨モータ71が駆動を始めてから、パチンコ玉が充満したことを第1充満検出センサ75が検出するまでの間は(検出していない間は)、研磨モータ71および搬送スクリュー72の駆動によりパチンコ玉が研磨開始端部78から研磨終了端部79の方へ移動する。すなわち第1充満検出センサ75が研磨装置23においてパチンコ玉が充満したことを検出したときに研磨モータ71の駆動を停止するための停止手段が備えられている。また第1充満検出センサ75がパチンコ玉10の投入を検知すれば、循環経路を構成する玉揚送装置25の揚送モータが駆動し始め、循環経路がパチンコ玉を玉揚送装置25の方へ移送可能な状態となる。
玉抜き穴76は、たとえばメンテナンス時など循環経路の内部に配置されるパチンコ玉をパチンコ機2の外部へ排出させたいときの排出口である。したがって通常の遊技動作中に玉抜き穴76からのパチンコ玉を排出する動作がなされてもよいが、パチンコ機2をメンテナンスモードに設定した上で玉抜き穴76からパチンコ玉を排出する動作がなされてもよい。たとえばメンテナンスモードに設定した上で玉抜き穴76からパチンコ玉を排出する場合には、通常の遊技動作中に玉抜き穴76からパチンコ玉を排出する場合よりも高速でパチンコ玉を排出する制御を行うことにより、玉を排出する動作を迅速化させることもできる。これはメンテナンスモードに設定することにより払出制御部171が通常の遊技時とは異なる高速で研磨モータ71や揚送モータ93を駆動制御するためである。
また玉抜き穴用カバー(図示略)は、たとえば通常の使用中などにおいて玉抜き穴76からパチンコ玉が排出されないように排出口を覆うカバーである。たとえば遊技場の係員が玉抜き穴用カバー(図示略)の着脱を行うことにより、これが開放され玉抜き穴76が開放され、パチンコ玉を排出させることが可能な開放状態と、該玉抜き穴用カバー(図示略)が閉じられ玉抜き穴76が塞がれ、パチンコ玉が排出されない閉塞状態との間を自在に切り替え可能となっている。
玉抜き穴76および玉抜き穴用カバー(図示略)は、研磨装置23の研磨終了端部79の近傍に設けられている。すなわち玉抜き穴76から排出されるパチンコ玉は、研磨装置23により研磨された直後(研磨装置23を通過した直後)の表面が清浄なものとすることができる。
玉抜き穴用カバー(図示略)を開放することにより、循環経路を含むパチンコ機2の内部において、どの部材からの拘束も受けないパチンコ玉は、たとえば重力の作用により自然に落下し、玉抜き穴76からパチンコ機2の外部へ排出させることができる。上記の自然に落下するパチンコ玉はいかなる駆動力も受けずに自然に排出されるため、より容易に(単純な方法で)パチンコ玉を排出させることを可能とする。
ただし、例えば研磨装置23の搬送スクリュー72と研磨部材との間に挟まれ研磨中であるパチンコ玉など、パチンコ機2の内部において機械的な拘束を受けるパチンコ玉については、後述する玉抜き操作ボタン(図示略)を押すことにより作動する自動作動手段(S32)の働きにより玉抜き穴76から排出される。
ここで、例えば玉抜き穴用カバー(図示略)が循環経路の最下点に設けられれば、玉抜き穴用カバー(図示略)を開放したときに、どの部材からも拘束を受けないために重力の作用により自然落下することで玉抜き穴76から排出可能なパチンコ玉の個数がより増加する。このためパチンコ玉を排出させる効率をさらに高めることができる。したがって玉抜き穴76および玉抜き穴用カバー(図示略)は、パチンコ機2内のうち、より下方に設けられることがより好ましい。
パチンコ機2の背面側の側方(図における向かって右側すなわちパチンコ機2の前方から見て左側)には、図6に示すように、鉛直方向に玉揚送装置25が延在している。一般公知の通路等により、研磨終了端部79から移動したパチンコ玉が、玉揚送装置25の方に進入する。
図6及び図7に示すように、玉揚送装置25は、揚送玉入口92と、揚送モータ93と、揚送スクリュー94と、揚送チューブ95と、揚送玉出口96とを主に有している。揚送玉入口92から玉揚送装置25内に入ったパチンコ玉は、揚送スクリュー94と揚送チューブ95との間に挟まれるように設置される。センサが感知することにより、前述した研磨モータ71、搬送スクリュー72およびカセットモータ74と同様の要領で、揚送モータ93、揚送スクリュー94が駆動し始める。すると揚送スクリュー94に接触するパチンコ玉は揚送スクリュー94に沿って上方へ移送され、揚送玉出口96から玉揚送装置25の外へ出る。
図8〜図12は発射装置のみの構成をより詳細に示しており、図8においては図の前方がパチンコ機2の前面側であり、図9および図10においては図の前方がパチンコ機2の右側側方に相当する。図11においては図の前方がパチンコ機2の背面側である。
発射装置14は、ファール玉検出スイッチ33と、発射ソレノイド41と、打球ハンマ42と、発射位置43と、第1玉通路44と、第2玉通路45と、発射玉入口46と、玉送りソレノイド47と、リンク48と、支点49とを主に有している。また発射装置14の近傍(背面側)には第2充満検出センサ40を有している。第2充満検出センサ40は、循環経路の所定位置(特に図8〜図12において第2充満検出センサ40が配置される、第1玉通路44への流入部近傍の第1検知位置)に配置されるセンサであり、第2充満検出センサ40は、第1玉通路44に所定数(本実施例では4つ)の標準径のパチンコ玉が存在する第1状態となっているか否かを検出し、所定数のパチンコ玉が存在しない場合(第1玉通路44に存在するパチンコ玉数が3以下であって、第1検知位置においてパチンコ玉を検出していない場合)、及び、所定数のパチンコ玉が存在していても、標準のパチンコ玉10よりも小さい小径玉(例えば、直径約10.7mmなど、11.0mm以下のパチンコ玉)が含まれている第2状態となっている場合に、玉揚送装置25からパチンコ玉を第1玉通路44に供給させるためのセンサであるとともに、第1玉通路44に全くパチンコ玉が存在しない状態において遊技が開始されたときに、玉揚送装置25から第1玉通路44に供給されたパチンコ玉が第1検知位置を通過することで、第1玉通路44にパチンコ玉の供給が開始されたことを検出する(確認する)ためのセンサでもある。すなわち第2充満検出センサ40は、第1玉通路44にパチンコ玉の供給が開始されたことを検出する機能とともに、第1玉通路44に所定数である4つの標準径のパチンコ玉が存在する第1状態であることを検出して揚送モータ93の駆動を停止し、それ以上のパチンコ玉が玉揚送装置25から第1玉通路44に供給されない状態とする機能とを兼用している。
逆にいえば、揚送モータ93が駆動を始めて、第2充満検出センサ40にて間歇的にパチンコ玉を検出して第1玉通路44へのパチンコ玉の供給開始を検出してから、第1玉通路44が第1状態となって第2充満検出センサ40がパチンコ玉を継続して検出する状態となるまでの間は、揚送モータ93の駆動によりパチンコ玉が玉揚送装置25を上方へ移動して第1玉通路44へ供給される。
尚、第2充満検出センサ40の上記機能の兼用は、単なる一例にすぎず、それぞれの機能に応じて別々のセンサを設けてもよい。
さらに、研磨モータ71と揚送モータ93の駆動制御は、それぞれにおける玉移動上手側のセンサ(研磨入口玉検出スイッチ701、第1充満検出センサ75)による玉の検出の有無にかかわらず、それぞれにおける玉移動下手側のセンサ(第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40)で玉の充満状態が検出されなくなったときに駆動開始させるように制御してもよい。
第2充満検出センサ40が玉揚送装置25によって標準径のパチンコ玉が第1玉通路44に充満したこと、つまり第1状態となったことを検出すれば、揚送モータ93の駆動が停止してそれ以上のパチンコ玉が玉揚送装置25から第1玉通路44に供給されない状態となる。すなわち第2充満検出センサ40が、パチンコ玉を検出したときに揚送モータ93の駆動を停止するための停止手段が備えられている。また、第2充満検出センサ40がパチンコ玉10を検出していなければ、循環経路(玉揚送装置25)がパチンコ玉を発射装置14の方へ移送可能な状態となる。尚、第1玉通路44にパチンコ玉が供給されて該第1玉通路44の下流側位置(第2検知位置)に設けられた発射玉検出センサ99によってパチンコ玉が検出されることで第2玉通路45にパチンコ玉が供給可能な状態、つまり、パチンコ玉の発射が可能な状態となる。
発射位置43は発射玉入口46に対し、パチンコ玉が発射されるために発射装置14から出る出口に相当する。第1玉通路44及び第2玉通路45は発射玉入口46から発射位置43まで発射装置14の内部を通るパチンコ玉通路である。
玉送りソレノイド47は第1玉通路44のパチンコ玉を発射位置43に向けて供給させるためのソレノイドである。またリンク48および支点49は第1玉通路44のパチンコ玉の発射位置43(第2玉通路45)への供給を制御する。具体的には、玉送りソレノイド47が払出制御基板17の制御により駆動を始めると、玉送りソレノイド(ソレノイドコイル)47の励磁によりリンク48が玉送りソレノイド47に吸引される。その結果、リンク48は支点49を中心として回転する。リンク48は、玉送りソレノイド47に吸引されていない状態では図9に示すように後続のパチンコ玉の供給(流下)をストップさせているが、玉送りソレノイド47に吸引されるとリンク48が上方へ揺動しパチンコ玉の供給(流下)が許容され、パチンコ玉が1個だけ第1玉通路44の下流側の第2玉通路45に向けて供給(流下)される。尚、リンク48はパチンコ玉と接する部位が吸引されると当該部位に移動上手側のパチンコ玉が1個入り込む態様となっており、玉送りソレノイド47の励磁および励磁解除を繰り返すことにより、1個ずつパチンコ玉を送り出すように動作する。
リンク48の少し玉流下上手側には発射玉検出センサ99が設けられている。リンク48の揺動により玉が1個送り出され、第1玉通路44に存在している次の玉がリンク48に当接する位置まで流下するまでの短い期間において、発射玉検出センサ99が一瞬玉非検出状態となり、その検出信号が払出制御部171に入力されることで、払出制御部171は、玉が1個発射されたと判断する。
発射ソレノイド41はパチンコ玉を発射位置43から遊技領域27へ向けて発射するために駆動するソレノイドであり、打球ハンマ42はパチンコ玉を発射するためにパチンコ玉を打撃するハンマである。打球ハンマ42は回動軸51とコイル吸引部52とを有し、アーム状の部材であり、回動軸51を中心としてアームが運動することによりパチンコ玉に打撃力を与えてこれを遊技領域27に向けて発射させる。具体的には、発射ソレノイド41(ソレノイドコイル)が励磁されることにより、打球ハンマ42は、回動軸51を中心として、アームに形成されたコイル吸引部52がソレノイドコイル内の励磁領域に吸引されたり、ソレノイドコイルの励磁解除によりばね(図示省略)の復元力で元の位置に復帰されたりの往復運動が起こり、この往復運動を利用してパチンコ玉を発射させる。尚、パチンコ玉の発射の強度は、打球操作ハンドル13の回動操作量により抵抗値が変化する可変抵抗などにより調整される。
ファール玉検出スイッチ33は第2玉通路45の経路の途中に設けられており、第2玉通路45にパチンコ玉が溜まって停滞している状態を検出するスイッチである。ファール玉検出スイッチ33が第2玉通路45の経路の途中におけるパチンコ玉が発射されずに停滞していることを検知すれば、パチンコ玉が第1玉通路44から第2玉通路45に向けて供給される送り動作が停止され、専ら発射位置43から遊技領域27へパチンコ玉を発射する動作が行われる。具体的にはたとえば、パチンコ玉の発射動作が3回繰り返される(3個のパチンコ玉が発射位置43から発射される)間は、玉送りソレノイド47の励磁が停止されてパチンコ玉の第1玉通路44から第2玉通路45への流下がリンク48により阻止され、もっぱら第2玉通路45からの玉の排出(発射)のみが行われる。このようにして、第2玉通路45に存在するパチンコ玉が超過状態となることが抑制される。
ここで、打球ハンマ42の打球発射動作と玉送りソレノイド47の発射位置43へのパチンコ玉の供給動作とは、各々独立して時間制御で行っている。すなわち打球ハンマ42がパチンコ玉を発射する動作と玉送りソレノイド47が発射位置43へ向けてパチンコ玉を供給する動作とは、両者同じ速度(0.6秒で1個)となるように制御されている。
ファール玉検出スイッチ33がたとえば発射位置43により発射されるパチンコ玉の遊技領域27における軌道(発射軌道)上(発射位置43の近傍を含む)にあれば、該ファール玉検出スイッチ33が発射されたパチンコ玉や打球ハンマ42の衝撃を受けて破損する可能性がある。しかし本実施の形態のようにファール玉検出スイッチ33は、発射位置43により発射されるパチンコ玉の発射軌道上とは異なる箇所(第2玉通路45)に設けられることになる。したがってパチンコ玉の打球に起因する破損の発生を抑制することができる。
次に、図12〜図14に基づいて、第1玉通路44における発射玉検出センサ99と第2充満検出センサ40のパチンコ玉10の検出状況について説明する。
図12及び図13(a)に示すように、第1玉通路44は、直線状の第1通路部44Aと、該第1通路部44Aから曲り部44Cを介して側方に延設される直線状の第2通路部44Bと、から平面視略L字状に形成されている。第1通路部44Aの上流側の端部には発射玉入口46が設けられ、第2通路部44Bの下流側の端部にはリンク48が設けられている。また、第1玉通路44は、底壁及び両側壁により断面視上向きコ字形に形成され、底壁は発射玉入口46からリンク48に向けて下方に傾斜するように形成されている。また、上面は図示しないカバー部材により覆われて筒状に構成されている。
また、第1玉通路44の上流側となる第1通路部44Aの第1検知位置には第1検知手段としての第2充満検出センサ40が、例えば、下流側から4個目の標準径のパチンコ玉10Dを検知可能に設けられている。また、第1検知位置よりも第1玉通路44の下流側となる第2検知位置には、第2検知手段としての発射玉検出センサ99が、最下流側のパチンコ玉10A(第1検知位置に位置するパチンコ玉10Dとは異なるパチンコ玉)を検知可能に設けられている。
第2充満検出センサ40と発射玉検出センサ99は、光学式のフォトセンサであり、第1玉通路44の両側方に発光素子である投光部(図示略)と受光部(図示略)とが対向して配置されるように設けられ、投光部から投光される光軸Rがパチンコ玉10により遮断され受光部に受光されないと玉検出状態となり、光軸Rがパチンコ玉10により遮断されずに受光部に受光されると玉非検出状態となる。
また、図13(a)に示すように、第2充満検出センサ40は、第1玉通路44に4つの標準径のパチンコ玉10が存在する第1状態において、投光部から投光された光軸Rが、第1検知位置に存在するパチンコ玉10Dの上部にて遮断されるように設けられている。一方、図14(a)に示すように、発射玉検出センサ99は、第1状態および第2状態(小径玉が含まれている状態)において、投光部から投光された光軸Rが、第2検知位置に存在するパチンコ玉10Aの下部にて遮断されるように設けられている。
パチンコ機2に封入され、発射装置14により遊技領域27に打ち出されるパチンコ玉10は、遊技領域27に複数設けられる図示しない障害釘により各種入賞口へ誘導されるようになっている。これら障害釘のうち、特に各種入賞口の近傍に互いに離間して並設される一対の障害釘(いわゆる命釘など)は、パチンコ玉10の入賞口への入賞率、つまり、入賞により遊技者に付与される遊技価値(例えば、パチンコ玉数や大当りなど)の大きさを左右するものである。
パチンコ機2には、標準のパチンコ玉10として、所定の大きさ(例えば、直径約11mm)の遊技玉が封入され、該標準のパチンコ玉10を基準として上記した命釘等を含む障害釘の配列(いわゆるゲージ)等が設計されているため、標準のパチンコ玉10よりも小さい小径玉が、不正者により故意に混入されたり、あるいは、何らかの理由により混入し、遊技領域27に打ち出されてしまった場合、各種入賞口の入賞確率が過度に高まってしまうという問題がある。
そこで、第1玉通路44に、第2充満検出センサ40や発射玉検出センサ99とは別個に、第1玉通路44を通過するパチンコ玉10の大きさが所定の大きさであるか否かを検知することができるセンサ等を設け、該センサの検知結果に基づいて小径玉が第1玉通路44に混入したことを検知できるようにすることが考えられるが、センサの個数が増加するため、払出制御部171の制御負荷が増大するとともに、製造コストも嵩んでしまう。
そのため、本実施の形態では、第2充満検出センサ40や発射玉検出センサ99とは別個に新たなセンサを設けることなく、第2充満検出センサ40と発射玉検出センサ99とによるパチンコ玉10の検知状況に基づいて、第1玉通路44に小径玉が混入したことを特定できるようにし、特定した場合は後述するエラー報知処理を実行するようになっている。
以下、発射玉検出センサ99と第2充満検出センサ40によるパチンコ玉10の検知状況について説明する。
図13(a)及び図14(a)に示すように、玉揚送装置25からのパチンコ玉の供給が停止される状態では、第1玉通路44には4個の標準径のパチンコ玉10A〜10Dが滞留している(第1状態)。第1玉通路44は、底壁が発射玉入口46からリンク48に向けて下方に傾斜しているため、4個のパチンコ玉10A〜10Dはリンク48から上流側へ向けて数珠つなぎ状態で滞留している。この第1状態において、第2充満検出センサ40と発射玉検出センサ99とは、第1検知位置に存在するパチンコ玉10Dや第2検知位置に存在するパチンコ玉10Aを検出している玉検出状態となっている。尚、第1玉通路44は曲り部44Cを有するため、第1通路部44Aにあるパチンコ玉10Dの玉圧により下流側のパチンコ玉10A〜10C及びリンク48にかかる負荷が軽減されている。
リンク48が上方へ揺動しパチンコ玉10Aが1個だけリンク48の下流側の第2玉通路45へ流下すると、発射玉検出センサ99が一瞬玉非検出状態となり、その検出信号が払出制御部171に入力されて玉が1個発射されたと判断する。具体的には、発射玉検出センサ99から出力される検出信号によって特定される発射玉検出センサ99の検出状態が、検出状態から非検出状態となったときに、払出制御部171は、1個のパチンコ玉が第2玉通路45へ供給されて発射されたものと判断する。尚、本実施例では、発射玉検出センサ99をリンク48の上流位置に配置しているために、センサによるパチンコ玉の検出状態が、検出状態から非検出状態となったことで1個のパチンコ玉の発射と判断する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発射可能な玉が存在するか否かを検出するための発射玉検出センサ99とは個別に、実際に第2玉通路45へ供給されたパチンコ玉を検出する専用のセンサを第2玉通路45の経路上に設けておき、該専用のセンサによるパチンコ玉の検出状態が、非検出状態から検出状態となったことで1個のパチンコ玉の発射と判断するようにしても良い。
そして、パチンコ玉10Aが1個だけリンク48の下流側の第2玉通路45へ流下することに伴って後続のパチンコ玉10B〜10Dが流下(移動)し、最上流のパチンコ玉10Dが第2充満検出センサ40を通過して第2充満検出センサ40が玉非検出状態となったことに基づき、玉揚送装置25により新たな標準径のパチンコ玉10が揚送されて第1玉通路44に供給され、第1玉通路44に標準径の4個のパチンコ玉10A〜10Dが滞留する。つまり、第1状態では、パチンコ玉10が1個発射されるごとに1個のパチンコ玉10が送り出され、1個のパチンコ玉10が供給される動作が繰り返し行われる。
次に、小径玉が第1玉通路44に混入した場合について説明する。尚、本実施の形態では、図13(b)に示すように、第1玉通路44に滞留する4個のパチンコ玉10のうち、例えば、上流側の2個が小径玉10c,10d(例えば、直径約10.7mm)である場合について説明するが、1個の小径玉が混入した場合でも、3個または4個のパチンコ玉が混入した場合でも、以下に説明する内容と同様の事象が生じるようになっている。よって、第1玉通路44に4個のパチンコ玉10が滞留している状態であって、該4個のうちに1個以上の小径玉が混入している状態が、本実施の形態における第2状態である。
小径玉は、標準のパチンコ玉10よりも直径が短寸である分、標準のパチンコ玉10が滞留している場合に比べ、最上流の小径玉10dの位置が下流側へずれるため、第1玉通路44に4個のパチンコ玉が滞留している状態でも、第2充満検出センサ40の光軸Rが小径玉10dにより遮断されなくなる。つまり、第2充満検出センサ40が玉非検出状態となる。
尚、第2充満検出センサ40の光軸Rはパチンコ玉の上部により遮断され得る位置に設けられているため、図13(a)に示すように小径玉10dの位置が下流側へずれることで光軸Rは遮断されなくなるが、光軸Rの直下には小径玉10dが差し掛かっている状態である。
そして、第2充満検出センサ40が玉非検出状態となったことに基づき、図13(c)に示すように、玉揚送装置25により新たなパチンコ玉10Eが揚送され発射玉入口46から第1玉通路44に供給される。つまり、第1玉通路44に4個のパチンコ玉10A,10B、小径玉10c,10dが滞留している状態であるが、第2充満検出センサ40が玉非検出状態となったことにより新たなパチンコ玉10Eが供給されることで、第1玉通路44は、4つのパチンコ玉が滞留している状態よりもパチンコ玉が1個多く滞留している過供給状態へ変化する。尚、ここでは新たに供給されるパチンコ玉10Eは標準のパチンコ玉としているが、小径玉の場合も考えられ、小径玉であっても良い。また、本実施例では、第1玉通路44に供給可能な最大玉数が5つとされているので、過供給状態を、第1状態や第2状態よりもパチンコ玉が1個だけ多い状態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら過供給状態を、第1状態や第2状態よりもパチンコ玉が2個以上多い状態としても良い。
過供給状態へ変化すると、新たに供給されたパチンコ玉10Eの玉圧が下流側の小径玉10d,10c及びパチンコ玉10B,10Aにかかる。第1玉通路44は、5個目のパチンコ玉10Eの玉圧がかかった場合、小径玉10cとパチンコ玉10Eとの間に挟まれた小径玉10dがパチンコ玉10Eに押されて上方へせり上がるとともに、リンク48に接触している最下流のパチンコ玉10Aがパチンコ玉10Bに押されて上方へせり上がるようになっている。
小径玉10dの下流側にある小径玉10cは、1個のパチンコ玉10Eの玉圧しかかからないものの、曲り部44Cにより第1通路部44Aから側方の第2通路部44B寄りにあることで、小径玉10dの小径玉10cとの接点がパチンコ玉10Eの流下方向に対し側方にずれるとともに、小径玉10dの滞留位置から曲り部44Cに向けて第1玉通路44が傾斜していることにより、小径玉10cが流下方向の下流側にある場合に比べて小径玉10dは上方へせり上がる。そしてこのように小径玉10dが上方へせり上がることで、第2充満検出センサ40の光軸Rが小径玉10dにより遮断され、第2充満検出センサ40は玉非検出状態から玉検出状態へ変化する。
また、最下流にあるパチンコ玉10Aは、上流側にある全てのパチンコ玉10B、小径玉10c,10d、パチンコ玉10Eの玉圧が上流側からかかり、下流側はリンク48に当接しているので、パチンコ玉10Bとリンク48との間に挟まれた状態で、第1状態や第2状態よりも大きな玉圧がかかることにより、上方へせり上がる。尚、過供給状態ではない状態(第1状態、第2状態、並びに第1玉通路44に3個以下のパチンコ玉が滞留している状態)においては、パチンコ玉10Aに印加される玉圧が小さいため、パチンコ玉10Aがせり上がって非検出状態となることはない。また、パチンコ玉10Aは、前述したように、小径のパチンコ玉であっても、標準のパチンコ玉であっても、同様にせり上がる。
このようにパチンコ玉10Aが上方へせり上がることで、パチンコ玉10Aにより遮断されていた発射玉検出センサ99の光軸Rが受光部へ投光されるため、発射玉検出センサ99は玉検出状態から玉非検出状態へ変化する。尚、本実施例では、第1玉通路44が曲り部44Cを有していることで、上記した過供給状態となって玉圧が増加してもリンク48に過度な玉圧がかかって該リンク48が破損してしまうことがないようになっている。
図15は、第2充満検出センサ40及び発射玉検出センサ99のパチンコ玉の検知状況に基づくエラー報知処理の実行状況を示している。第2充満検出センサ40と発射玉検出センサ99とが玉検出状態である場合、つまり、第1玉通路44に4個の標準径のパチンコ玉10が滞留する第1状態では、エラー報知処理は実行されない。第2充満検出センサ40が玉検出状態で、発射玉検出センサ99が玉非検出状態である場合、つまり、上記したように第1玉通路44が第2状態を経て過供給状態へ変化し、第2検知位置にあるパチンコ玉10Aと第1検知位置にある小径玉10dとが上方へせり上がった場合は、過供給状態が発生したとして、後述するエラー報知処理が実行される。
第2充満検出センサ40が玉非検出状態で、発射玉検出センサ99が玉検出状態である場合、つまり、新たなパチンコ玉10が供給されるまでの状態では、エラー報知処理は実行されない。第2充満検出センサ40と発射玉検出センサ99とが玉非検出状態である場合、つまり、最下流のパチンコ玉10が下流側へ流下し、新たなパチンコ玉10が供給されるまでの状態では、エラー報知処理は実行されない。
このように、標準径のパチンコ玉よりも小径の小径玉が混入することにより、通常では起こりえない過供給状態へ変化する。そして、過供給状態へ変化することで、上記したように、第2充満検出センサ40により検知可能な第1検知位置に位置する小径玉10dと、発射玉検出センサ99により検知可能な第2検知位置に位置するパチンコ玉10Aとが新たに供給された5個目のパチンコ玉10Eの玉圧により上方へせり上がることで、第2充満検出センサ40が玉検出状態で、かつ、発射玉検出センサ99が玉非検出状態となる。このように、第2充満検出センサ40が玉検出状態で、かつ、発射玉検出センサ99が玉非検出状態となった場合、払出制御部171は、第1玉通路44に小径の小径玉が混入していることによって過供給状態となったとして後述するエラー報知処理を実行する。
尚、本実施の形態では、第1玉通路44は、5個のパチンコ玉10A〜10Eが滞留している場合、5個目のパチンコ玉10Eの玉圧が下流側のパチンコ玉10A〜10Dにかかると、パチンコ玉10A,10Dが上方へせり上がるようになっている。しかし、4個の標準径のパチンコ玉10A〜10Dが滞留している第1状態の場合には、第2充満検出センサ40が玉非検出状態になって新たなパチンコ玉10Eが供給され過供給状態となることがないので、エラー報知処理が実行されてしまうことはない。
また、前述したように、第1玉通路44の上面は図示しないカバー部材により覆われて筒状に構成されているが、底壁から上壁までの上下寸法は、第1玉通路44が過供給状態となったときにパチンコ玉10Aと小径玉10dとが上方へせり上がることができる長さ(例えば、約13〜15mmなど)を有している。さらに、第1検知位置と第2検知位置における底壁から上壁までの上下寸法をパチンコ玉10Aと小径玉10dとが上方へせり上がることができる長さ寸法とし、第1検知位置及び第2検知位置以外の個所の上下寸法をパチンコ玉10Bや小径玉10cが上方へせり上がることができない上下寸法としておくことで、新たなパチンコ玉10Eが供給されたときに、第1検知位置にあるパチンコ玉と第2検知位置にあるパチンコ玉だけを上方へせり上がるようにすることができるため、第1検知位置及び第2検知位置以外の個所のパチンコ玉が上方へせり上がることを回避することができる。
図16は、カードユニット3とパチンコ機2との構成を示すブロック図である。図16を参照して、カードユニット3とパチンコ機2との制御回路の概略を説明する。
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central ProcessingUnit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行うホールサーバ(図示省略)と通信を行うための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、パチンコ機2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行うためのセキュリティ基板325が設けられている。カードユニット3にはパチンコ機2側への接続部(図示略)が設けられており、パチンコ機2にはカードユニット3側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325とP台側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、パチンコ機2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からパチンコ機2に通知されるパチンコ玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ(図示省略)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバから基板制御情報として通知される。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323に入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312が表示する。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。尚、玉貸ボタン321は、カードユニット3に設ける構成に限定されるものではなく、パチンコ機2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
パチンコ機2には、パチンコ機2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射ソレノイド41を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置(図示略)とが備えられている。
前述したように主制御基板16は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。尚、遊技盤26には、さらに可変表示装置(図示略)等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17は、前枠6(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(ReadOnly Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
その他、払出制御基板17には、玉抜き操作ボタン19(自動作動手段)が設けられている。玉抜き操作ボタン19とは、たとえば前述した玉抜き穴76(玉抜き穴用カバー77)および余剰玉停留部69などからのパチンコ玉の排出時に、研磨装置23などから機械的な拘束を受けるために玉抜き穴用カバー77を開けただけでは玉抜き穴76から自動流下により排出できないパチンコ玉を排出させるための(パチンコ機2内にある)駆動源(具体的には研磨モータ71、揚送モータ93、玉送りソレノイド47、発射ソレノイド41)を自動的に作動させるためのボタンである。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出センサ99、研磨入口玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33、揚送モータ93、研磨モータ71、玉送りソレノイド47、第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信する不正行為を検知するためのものである。
この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示略)を介して払出制御部171へ入力される。
ところが不正電波が発生すれば、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。ここでは発射玉検出センサ99が電波による不正の対象となる虞がある。つまり、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出センサ99で検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がパチンコ機2からカードユニット3へ送信されることになる。しかし、この発射玉検出センサ99にも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がパチンコ機2からカードユニット3へ送信されなくなる不都合が生じる。本実施の形態では、このような発射玉検出センサ99に対して発信される不正電波も、電波センサ173で検出するため、前述の不都合を防止し得る。
また、玉送りソレノイド47より少し玉移動上手側に、発射玉検出センサ99が設けられており(図9、図10参照)、この発射玉検出センサ99によるパチンコ玉の検出状態が、前述したように、検出状態から非検出状態となるごとに、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。具体的には、減算玉数カウンタを「1」加算更新するとともに、遊技玉数を「1」減算更新する。
遊技玉数を「1」減算更新するその他の変形例として、ファール玉検出スイッチ33を利用する方法もある。本来、ファール玉検出スイッチ33は、後述するように、第2玉通路45においてファール玉が充満した場合、その充満したファール玉を検出するのである。この場合には、ファール玉検出スイッチ33は瞬間的なパルス信号ではなく継続した検出信号が出力されることになり、その継続した検出信号を受信した払出制御部171は第2玉通路45にファール玉が充満していると判断して、後述する図17(d)のS26によりYESの判断を行うこととなる。一方、玉送りソレノイド47が1回励磁されることにより1個のパチンコ玉が第2玉通路45を流下してその通過玉がファール玉検出スイッチ33により検出されたときには瞬間的なパルス信号がファール玉検出スイッチ33から出力される。その瞬間的なパルス信号を受信した払出制御部171は、減算玉数カウンタを「1」加算更新するとともに、遊技玉数を「1」加算更新するように制御してもよい(図19参照)。
このように、ファール玉検出スイッチ33を、遊技玉数を減算するために第2玉通路45を通過するパチンコ玉を検出するとともに第2玉通路45を充満したファール玉を検出するように構成して両者を検出する兼用のスイッチとして構成してもよい。
また、払出制御部171は、前述したように、第1玉通路44に小径玉が混入していることにより過供給状態に変化することにより、第2充満検出センサ40が玉検出状態となり、かつ、発射玉検出センサ99が玉非検出状態となった場合、エラー報知処理を実行する。本実施の形態では、払出制御部171は、エラー報知処理として、第1玉通路44が過供給状態となったことを示すエラー信号をCU制御部323へ出力し、第1玉通路44が過供給状態となったことを示すエラー情報(図示略)を表示器54に表示させる処理を実行する。このように表示器54にエラー情報が表示されることで、遊技場の店員等が第1玉通路44でエラーが発生したことを把握しやすくなるため、不正行為を抑制することができる。
尚、本実施の形態では、第2充満検出センサ40が玉検出状態となり、かつ、発射玉検出センサ99が玉非検出状態となったことに基づいて、払出制御部171がCU制御部323へ第1玉通路44が過供給状態となったことを示すエラー信号を出力することで、CU制御部323を介して表示器54にエラー情報(図示略)を表示させていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、払出制御部171が、主制御基板16に接続される演出制御基板(図示略)に設けられた演出制御部に対し第1玉通路44が過供給状態となったことを示すエラー信号を出力することで、演出制御部が所定の表示器(例えば、演出表示装置など)を介してエラー情報を表示するようにしてもよい。
尚、本実施の形態では、第1玉通路44が過供給状態となったことを示すエラー報知として表示器54に所定のエラー情報を表示させるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ機2に設けられたLED等の発光手段(図示略)を発光させたり、あるいは、スピーカ(図示略)等から所定の音を出力させる処理を行うようにしてもよい。
さらに、払出制御部171が、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行うホールサーバ(図示略)などの外部装置に対し、カードユニット3を介すことなく第1玉通路44が過供給状態となったことを示すエラー信号をパチンコ機2から直接外部へ出力する処理を行うようにしてもよい。つまり、表示器にエラー情報を表示させたり、発光手段を発光させたり、音を出力するなどのエラー報知を行う処理に限定されるものではなく、外部装置に出力信号を出力する処理を行うだけでもよい。このようにすることで、不正者に気が付かれることがないように遊技場側で不正行為を監視することができるため、エラー報知により不正者が逃げてしまうことを回避できる。
さらに、過供給状態となったことを示すエラー信号等を出力する処理だけでなく、例えば、発射装置14(玉送りソレノイド47)の駆動を停止させるなど、遊技の進行を停止させるための処理を行うようにしてもよい。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、パチンコ機2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、パチンコ機2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行う。このことに関しては後に詳しく説明する。
始動入賞口入賞情報とは、第1始動入賞口または第2始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト口61から回収されたアウト玉はアウト玉検出スイッチ88(図4参照)により検出され、アウト玉検出信号が払出制御部171に入力される。尚、アウト玉検出スイッチ88は充填空間63から余剰玉停留部69へ余剰の玉を案内する余剰玉用経路67よりもパチンコ玉の移動上手側に配置される。
研磨入口玉検出スイッチ701から払出制御基板17へ検出信号が入力される。この検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。発射玉検出センサ99から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
カードユニット3のセキュリティ基板325とパチンコ機2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ詳細要求、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、後述するように、パチンコ機2に対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ要求を受けてパチンコ機2のリカバリ情報をカードユニット3に通知する。リカバリ詳細要求は、パチンコ機2に対してリカバリ詳細情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、リカバリ詳細要求を受けてパチンコ機2のリカバリ詳細情報をカードユニット3に通知する。通信開始要求は、パチンコ機2に対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信開始要求を受けてカードユニット3に対して通信開始を応答する。通信終了要求は、パチンコ機2に対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17は、通信終了要求を受けてカードユニット3に対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、パチンコ機2に対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17は、状態情報要求を受けてパチンコ機2の状態情報をカードユニット3に通知する。カード挿入通知は、パチンコ機2に対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード挿入通知を受けてカードユニット3に対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、パチンコ機2に対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17は、カード返却通知を受けてカードユニット3に対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、パチンコ機2に対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17は、通信テスト要求を受けてカードユニット3に対してテストデータを応答する。
払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、リカバリ応答、リカバリ詳細応答、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠6(遊技枠)には、発射制御基板31、発射ソレノイド41が設けられている。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル13に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射ソレノイド41励磁出力を発し、発射ソレノイド41を駆動させる。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射ソレノイド41を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。
前枠6(遊技枠)には、表示器54が設けられている。表示器54は、カードユニット3の表示制御部350からの表示データを受信し、表示画面を表示させる。尚、このように、本実施の形態では、P台側の表示器54がCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54を表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。尚、図16では図示を省略しているが、アウト玉検出スイッチ88の検出信号と発射玉検出センサ99の検出信号とが払出制御部171へ入力される。
次に以上に述べた構成(循環経路)を有するパチンコ機2の駆動時における一連の玉移動制御処理の流れについて、図17および図18を用いて詳細に説明する。図17(a)を参照して、パチンコ玉がパチンコ機2(循環経路)の内部を移動(循環)する処理は、玉補給処理(S1)、通常時玉循環処理(S2)、玉送り処理(S3)および玉抜き処理(S4)が周期的に行われることによりなされる。ここで上記S1からS4まで1通り行う所要時間はたとえば2msecである。
図17(b)は、図17(a)のS1で示される玉補給処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図17(b)を参照して、S10で循環経路における貯留玉の有無が判別される。ここでの貯留玉とは、たとえば図4に示す充填空間63などに貯留する、前述した循環経路を循環する(前述したようにたとえば40個収納可能な)パチンコ玉を意味する。貯留玉が循環経路に1個も入っていなければ(S10のYES)、まだ動作が始まっていないと判断し、玉補給および玉循環処理を行うことなくすぐに該サブルーチンプログラムが終了する。具体的には、貯留玉が循環経路に入っていない(S10のYES)ことは、たとえば第1充満検出センサ75および第2充満検出センサ40のいずれにもパチンコ玉が入っていないことを検出することにより判断することができる。
アウト口61から循環経路内にパチンコ玉を投入してそのパチンコ玉が研磨入口玉検出スイッチ701に検出されれば、S10によりNOの判断がなされて、S11に制御が進む。すなわち貯留玉が循環経路に全く入っていない(S10におけるYESの)状態から、補給されたパチンコ玉が研磨入口玉検出スイッチ701で検出されることにより、循環経路におけるパチンコ玉の投入が始まったことが認識され、制御がS12に進み、通常の玉循環処理が行われる。このS11でYESの判定がなされるのは、遊技場の係員が玉補給をするべくパチンコ玉をアウト口61から投入したときである。これに対して研磨入口玉検出スイッチ701がパチンコ玉を検出しない場合(S11のNO)には、通常時玉循環処理を行うことなくすぐに該サブルーチンプログラムが終了する。
このS12の通常時玉循環処理により、たとえばアウト口61から投入された玉が循環経路内を循環搬送されてリンク48の手前まで供給された状態となる。
以上の図17(b)の説明は、研磨入口玉検出スイッチ701がパチンコ玉を検出することにより循環経路におけるパチンコ玉の循環が開始する仕様のパチンコ機2に適用されるプログラムであり、たとえば前述したような、第1充満検出センサ75、第2充満検出センサ40のいずれもがパチンコ玉を検出しない状態であってもパチンコ機2の電源が投入されさえすれば研磨モータ71と揚送モータ93とが駆動開始する場合には、S10とS11とのステップは不要となる。
尚、玉補給を行う場合に、前述のアウト口61から玉を投入する代わりに、たとえば遊技領域27設けられた入賞口から玉を投入するようにしてもよい。
この玉補給を行う作業において、前述したように循環経路内にちょうど40個玉補給されたときに充填空間63におけるパチンコ玉が満杯となるように構成されている。そして40個を超えたパチンコ玉は充填空間63からオーバフローして余剰玉停留部69の方へパチンコ玉の流入が始まる。その結果、パチンコ機2の循環経路に正常にパチンコ玉を循環させるために必要な個数(40個)のパチンコ玉の補給が終了したことを容易に確認することができる。つまり、玉補給することによりすぐに遊技が可能な状況に循環経路内に玉が充満されるとともに、そのまま玉を補給(アウト口等から玉を投入)し続けることにより余剰玉が発生するまで補給し続ければ適正な玉量(40個)が循環経路内に充満されるため、補給作業楽でかつ分かりやすいという利点がある。
しかも、入賞口からパチンコ玉を投入して玉補給する場合と比べて、アウト口が入賞口よりも大きいため、パチンコ玉を投入しやすく楽に玉補給を行ない得る利点がある。
図17(c)は、図17(a)のS2で示される通常時玉循環処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図17(c)を参照して、S15で第1充満検出センサ75がONか否かを判別する。図7に示される第1充満検出センサ75は前述したように、研磨装置23から玉揚送装置25に向けて送られるパチンコ玉が、研磨装置23と玉揚送装置25とを橋渡しする領域の近傍において充満したときにONになる(S15のYES)。ここでの充満とは、図17(b)(図17(a)のS1)に示す玉補給処理により循環装置におけるパチンコ玉の補充が進んだときに発生する。具体的には、パチンコ玉の通過の検出時に第1充満検出センサ75から出力される瞬間的なパルス信号ではなく、パチンコ玉が第1充満検出センサ75の検出箇所に留まり所定時間(たとえば1秒間)継続して玉検出信号が出力される状態となったときにS15によりYESと判定される。後述するS18によるYESの判定とS26によるYESの判定も同様である。S15によりYESと判定された結果、S17に制御が進んで研磨モータ71が停止する。このことにより研磨装置23の移動下手側へのパチンコ玉の搬送が停止され、より下手側のパチンコ玉が専ら移動するために、研磨装置23の移動下手側におけるパチンコ玉の充満が解消する方向に制御が進む。しかし第1充満検出センサ75が未だパチンコ玉の充満を検出しない場合には(S15のNO)、S16に制御が進んで研磨モータ71が駆動する(駆動を続ける)。
次に、S18で第2充満検出センサ40がONか否かを判別する。第2充満検出センサ40は前述したように、玉揚送装置25から発射装置14に向けて送られるパチンコ玉が、玉揚送装置25と発射装置14とを橋渡しする領域の近傍において充満したときにONになる(S18のYES)。ここでの充満とは、図17(b)(図17(a)のS1)に示す玉補給処理により循環装置におけるパチンコ玉の補充が進んだときに発生する。その結果、S20に制御が進んで揚送モータ93が停止する。このことにより玉揚送装置25の第1玉通路44へのパチンコ玉の供給が停止され、より下手側のパチンコ玉が専ら移動するために、玉揚送装置25の移動下手側におけるパチンコ玉の充満が解消する方向に制御が進む。しかし第2充満検出センサ40が未だパチンコ玉の充満を検出しない場合には(S18のNO)、S19に制御が進んで揚送モータ93が駆動する(駆動を続ける)。
以上の図17(c)のサブルーチンプログラムにより、循環経路においてパチンコ玉が充満されればその移動上手側からの搬送を(停止手段により)一旦停止して移動下手側のパチンコ玉をより下手側に移送させることに専念し、移動下手側のパチンコ玉の充満が解消されれば再度移動上手側からパチンコ玉を送り出すというサイクルが繰り返される。
尚、前述の玉補給処理においてS12の通常玉循環処理が行われた後玉送りソレノイド47を1回励磁して1個の玉だけ発射位置に供給しておいてもよい。そうすれば、遊技者が打球操作ハンドル13を操作した瞬間から玉が遊技領域27に発射される。
また、前述したように循環経路における移動上手側の方が移動下手側よりもパチンコ玉の移動速度が速いため、たとえ移動下手側においてパチンコ玉の個数が一時的に足りなくなった場合においても、移動上手側から常時遊技領域27に向けて発射可能な状態が確保できるため、移動下手側においてパチンコ玉が不足する状態を解消することができる。
以上の通常時玉循環処理は、図17(a)のS2における遊技者が打球操作している通常遊技時での玉循環処理と、図17(b)のS12における玉補給時に玉を循環経路内に行き渡らせるための処理とに、兼用される。
図17(d)は、図17(a)のS3で示される玉送り処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図17(d)を参照して、玉送り処理においてはまずS24で発射玉検出センサ99がONか否かを判別する。発射玉検出センサ99がONであれば(S24のYES)、つまり、第1玉通路44の第2検知位置にパチンコ玉がある場合には、S25へ進む。また、発射玉検出センサ99がOFFであれば(S24のNO)、つまり、第1玉通路44の第2検知位置にパチンコ玉がない場合には、玉送り処理を終了する。すなわち、第1玉通路44の第2検知位置にパチンコ玉がない場合は、以下に説明するS25〜S28の発射駆動処理が行われないため、打球操作ハンドル13が操作されてもパチンコ玉10が発射されることはないため、図14(b)にて説明したように第1玉通路44に小径玉10c,10dが存在する場合に発射が行われることを防ぐことができる。
S25では、発射操作の検出の有無が判別される。これは具体的には、発射位置43から遊技領域27へのパチンコ玉の発射操作の有無を判別する工程である。
前述したように図1に示される打球操作ハンドル13の周囲に設けられる、タッチセンサと称する金属プレート状のセンサが遊技者の手に触れると、パチンコ機2が発射操作を検出し(S25のYES)、S26に制御が進んで、ファール玉検出スイッチ33(図12参照)が玉を検出しているか否か判定される。通常では第2玉通路45(図12参照)にファール玉が停滞することはなくS26でNOの判定がなされてS27により玉送りソレノイド47が駆動制御されて玉が第2玉通路45を経由して玉発射位置に供給される。その供給されてきたパチンコ玉がS28による発射ソレノイド41の駆動(励磁)により遊技領域27に発射される。
一方、S25においてタッチセンサが遊技者の手に触れずにパチンコ機2が発射操作を検出しなければ(S25のNO)、発射ソレノイド41が駆動することなくサブルーチンプログラムを終了する。この場合は第1玉通路44、第2玉通路45におけるパチンコ玉の移送は行われない。
玉発射力が極端に弱かった場合等何らかの理由で玉が発射されずに玉発射位置に残る場合がある、この残ったファール玉が所定個数溜まった場合には、ファール玉が第2玉通路45内で停滞し、ファール玉検出スイッチ33により停滞しているファール玉が検出されてS26によりYESの判定がなされる。すると、玉送りソレノイド47の駆動が停止され、所定個数(たとえば3個)のパチンコ玉が発射位置43から発射される間は、専ら発射位置43から遊技領域27へパチンコ玉を発射する動作が行われる(S29)。ただし3個以外の個数のパチンコ玉が発射位置43から発射される時間であってもよい。こうして第2玉通路45におけるパチンコ玉の充満が解消する方向に制御が進む。上記の専ら発射位置43から遊技領域27へパチンコ玉を発射する動作が行われた後、再び発射ソレノイド41が駆動可能な状態となるように制御される(S28)。
ただしS27、S28において玉送りソレノイド47および発射ソレノイド41は図17(a)のプログラムの周期である2msecごとに駆動可能な状態とするための制御がなされるが、実際の駆動、たとえば打球ハンマ42の駆動による発射位置43から遊技領域27へのパチンコ玉の発射、はたとえば約600msecごとに行われるが、これより長い時間周期であってもよいし、これより短い時間周期であってもよい。すなわち通常通りに発射ソレノイド41が駆動している場合には、1分間に100回の割合でパチンコ玉が発射装置14から遊技領域27に発射される。以上のようにS27とS28との共同作業により、発射装置14は発射位置43に向けてパチンコ玉を供給し、かつ発射位置43からパチンコ玉を発射する。S29により玉送りソレノイド47の励磁が停止されている間でのS28による発射ソレノイド41の駆動もたとえば約600msecごとに行われるが、これより長い時間周期であってもよいし、これより短い時間周期であってもよい。
S26の発射ソレノイド41の駆動(励磁)するタイミングは、実際にはS28の玉送りソレノイド47の駆動(励磁)するタイミングに対して所定の時間差が設けられてもよい。具体的には、玉送りソレノイド47がパチンコ玉を送る駆動を行った後該パチンコ玉が発射位置43に到達するのに要する時間だけ遅らせて発射ソレノイド41を駆動(励磁)する。
以上の図17(d)のサブルーチンプログラムにより、第2玉通路45においてパチンコ玉が充満されればその移動上手側の第1玉通路44からの供給を一旦停止して移動下手側のパチンコ玉を発射することに専念し、移動下手側のパチンコ玉の充満が解消されれば再度移動上手側からパチンコ玉を送り出すというサイクルが繰り返される。
尚、前述したように、S26による判定は、所定時間(たとえば1秒間)継続してファール玉検出スイッチ33から玉検出信号が出力される状態となったときにYESと判定されるが、その代わりに、玉送りソレノイド47の励磁によって送られてくる玉がファール玉検出スイッチ33の玉検出位置を通過する瞬間のタイミングを避けたタイミングで玉を検出するように制御してもよい。
具体的な制御方法としては、たとえば、玉送りソレノイド47の励磁に伴って送りだされたパチンコ玉が第2玉通路45を流下してファール玉検出スイッチ33の玉検出位置にまで到達する時間(到達時間)をパチンコ機2の製造段階で払出制御部171に記憶させておき、玉送りソレノイド47の励磁を契機にタイマの計時を開始し、タイマの計時値が上記到達時間の近辺の値(例えば到達時間±0.1秒)になっていない時にファール玉検出スイッチ33による玉の検出動作を行うように制御する。そして、タイマの計時値が上記到達時間の近辺の値(例えば到達時間±0.1秒)になっていない時にファール玉検出スイッチ33による玉の検出動作を行って玉ありの検出信号が払出制御部171に入力されると、ファール玉が存在すると払出制御部171が判定する。
図18は、図17(a)のS4で示される玉抜き処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。玉抜き処理は、たとえば前述した図16の玉抜き操作ボタン19を押すことにより、前述した図7の玉抜き穴76からパチンコ機2の内部のパチンコ玉を外部に排出する処理である。
図18を参照して、玉抜き操作ボタン(図16の玉抜き操作ボタン19)の操作がなければ(S30のNO)、そのままサブルーチンプログラムが終了するが、玉抜き操作ボタンが操作されれば(S30のYES)、球抜き処理に要する時間(たとえば25秒)がパチンコ機2の内部においてセットされる(S31)。そして循環経路における研磨モータ71、揚送モータ93、玉送りソレノイド47、発射ソレノイド41を駆動し(S32)、これらの各装置の機械的拘束を受けているパチンコ玉が玉抜き穴76に向けて搬送される。S32の操作は、S31においてセットされたタイマがタイムアウトになれば終了する(S33、S34)が、タイムアウトになるまで繰り返される。
ただしS31のように玉抜き操作を行う時間を予め設定することに代えて、たとえばパチンコ機2内のパチンコ玉がすべて排出されるまで(たとえば第1充満検出センサ75がたとえば3秒間玉を検出しない状態になるまで)S32の操作を繰り返してもよい。このようにすれば、確実にすべてのパチンコ玉を排出させることができる。
また、たとえば充填空間最上部64から溢れてパチンコ機2の前面側の余剰玉停留部69に入ったパチンコ玉も、玉抜き処理に伴って排出させるようにしてもよい。具体的には、余剰玉停留部69の玉を循環経路内に導く玉抜き用通路を設け、通常時はその玉抜き用通路がシャッターで閉塞されており、図18の玉抜き処理の実行時にそのシャッターを開放して余剰玉停留部69の玉を環経路内に導いて玉抜き排出する。
パチンコ機2内のパチンコ玉がすべて排出されたか否かの判定方法としては、第1充満検出センサ75から所定時間(たとえば3秒間)玉検出しないことに代えて、他の検出センサ(検出スイッチ)の検出信号より判定してもよい。その場合には、研磨装置23による玉の研磨移動がすべて完全に終わるまでの期間を考慮して玉抜き処理を完了させる必要がある。
図18の玉抜き処理でのS32による駆動制御は、遊技者が遊技している通常遊技時と同じ駆動制御(同じ速度での駆動制御)である。しかし、玉抜き処理時ではこれを高速化してもよい。前述したように、通常の遊技動作中では0.6秒に1発玉発射する関係上、循環経路内でのパチンコ玉の循環移動速度をその発射速度以上に高速化することができない。しかし、メンテナンスモード時など遊技が行われていないときには0.6秒に1発の発射速度に拘束されないため、循環経路内でのパチンコ玉の循環移動速度を通常遊技時よりも高速に制御して高速で玉抜き処理を行うようにしてもよい。具体的には、図18の玉抜き処理中では、S32による研磨モータ71、揚送モータ93、玉送りソレノイド47および発射ソレノイド41の駆動速度を、通常の遊技動作中に比べて高速で回転させる。これにより、玉抜き処理の効率化を図ることができる。
尚、図18の玉抜き処理は、遊技者による遊技が行われていないことを条件として実行するように制御してもよい。ここで遊技が行われていない状態を払出制御部171が判断する方法としては、具体的には、たとえば発射ソレノイド41が長時間(たとば1分間)動作していない(励磁していない)状態や、遊技玉数が0である状態を基に、払出制御部171が判断する。
以上説明したように、本発明の実施の形態の一例であるパチンコ機2にあっては、第1玉通路44が過供給状態へ変化し、第2充満検出センサ40がパチンコ玉を検出していて発射玉検出センサ99がパチンコ玉を検出していない場合に、払出制御部171がCU制御部323へ第1玉通路44が過供給状態となったことを示すエラー信号を出力することで、CU制御部323を介して表示器54にエラー情報(図示略)を表示させる処理を行うようにしている。このようにすることで、小径玉が存在することを検知するための検出センサの数を増やすことなく、例えば、エラー報知等の特定処理を行うことができる。
また、第2充満検出センサ40と発射玉検出センサ99とは、発射位置43へパチンコ玉10を1個ずつ切り分けて送り出すリンク48よりも上流側にある第1玉通路44に設けられているため、小径玉が混入したことを検出したときに、エラー報知を行うだけでなく、例えば、発射装置14の駆動を停止させる処理を行うことで、小径玉が発射位置43へ送り出され遊技領域27へ打ち出されることを未然に防止することが可能となる。
また、パチンコ機2が、玉送り処理におけるS24で発射玉検出センサ99がONであれば(S24のYES)であるときに、S25で発射操作が検出された場合に、S26〜S28の処理を実行することで、小径玉が存在する場合に発射が行われることを防ぐことができる。
また、第1玉通路44は、過供給状態へ変化すると、5個目のパチンコ玉10Eの玉圧がかかった場合、小径玉10cとパチンコ玉10Eとの間に挟まれた小径玉10dがパチンコ玉10Eに押されて上方へせり上がることで、第2充満検出センサ40は玉非検出状態から玉検出状態へ変化し、最下流にあるパチンコ玉10Aは、上流側にある全てのパチンコ玉10B、小径玉10c,10d、パチンコ玉10Eの玉圧がかかり上方へせり上がることで、発射玉検出センサ99は玉検出状態から玉非検出状態へ変化する。よって、小径玉の検出精度を高めることができる。
また、第1玉通路44は、少なくとも1の曲り部(例えば、曲り部44C)を有することで、小径玉の検出精度を高めることができる。
また、第1玉通路44は、図13(a)のパチンコ玉10Dがある位置において下流側に向かって傾斜していることで、小径玉の検出精度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、複数の遊技媒体が滞留可能な滞留経路の一例として、発射装置14の第1玉通路44を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発射装置14以外の個所に設けられた滞留経路(例えば、パチンコ玉10の循環経路における他の部分など)であってもよい。
また、前記実施の形態では、第1玉通路44は4個のパチンコ玉10A〜10Dが滞留する状態が第1状態となる長さに形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、4個以外(例えば、3個や10個など)のパチンコ玉10が滞留可能な長さに形成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1玉通路44は曲り部44Cを有し、平面視略L字形をなす滞留経路として形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、曲り部は約90度屈曲するものに限定されるものではなく、90度以下の角度で屈曲する曲り部であってもよい。さらに、屈曲するものでなく、R状に形成される湾曲状の曲り部であってもよい。
また、前記実施の形態では、第1玉通路44は一の曲り部44Cを有していたが、2以上の複数の曲り部を有していてもよい。あるいは、曲り部がない直線状の滞留経路であってもよい。
また、前記実施の形態では、第1検知手段としての第2充満検出センサ40は、下流側から4個目のパチンコ玉10Dを検出可能な位置に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1個目のパチンコ玉10Aとは異なるパチンコ玉を検出可能な位置に設けられていれば、パチンコ玉10B,10Cを検出可能に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1検知手段及び第2検知手段として光学式のフォトセンサを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光センサ以外のセンサ(例えば、スイッチセンサなど)を適用してもよい。
また、前記実施の形態では、第1検知手段及び第2検知手段として同一種類のフォトセンサを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1検知手段及び第2検知手段を、遊技媒体の検出手法や検出形態が異なるセンサや異なる種類のセンサを用いることで、これらセンサを誤動作させることによる不正を実行され難くするようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第1玉通路44が過供給状態へ変化したとき、パチンコ玉10Aと小径玉10dは通路の底壁から上方へせり上がるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、通路の側方へ移動するようになっていてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技媒体が指触不能に封入されて循環使用される封入式遊技機を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体を外部に排出する通常の遊技機に適用しても良く、例えば、通常のパチンコ遊技機において発射装置に遊技媒体(パチンコ玉)を誘導する玉通路に所定間隔を有して設けられたセンサを用いて、小径のパチンコ玉(遊技媒体)が存在することを検知するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、発射装置を、パチンコ機2の左上方に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、発射装置を、通常のパチンコ遊技機と同様に、遊技機の右下方位置や左下方位置に設けたり、その他の位置に設けるようにしたものであってもよい。
また、前記実施の形態では、第1玉通路44に存在する玉数を、第1状態において4個とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1状態において第1玉通路44に存在する玉数は、これが多いと、小径の玉が存在することを検出しやすくできるものの、発射装置が大型化してしまうことから、発射装置が大型化しない範囲で十分な検知精度が得られる最大数とすればよい。
また、前記実施の形態では、第1玉通路44を発射位置43と離間した通路とすることで、パチンコ玉の発射により生じる振動によりセンサの誤検出を防止するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、玉通路を発射位置の近くに設けるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技者の発射操作がされていないことにより、玉送りソレノイド47によりリンク48が動作されていない状態において、上記したように、過供給状態が形成されて小径玉が存在することが検知されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発射操作が実行されて発射が行われている場合においても、例えば、リンク48が動作されて1のパチンコ玉が第2玉通路45に供給されてから、次にリンク48が動作されて1のパチンコ玉が第2玉通路45に供給されるまでの間における、パチンコ玉が第2検出位置に到達する特定のタイミングにおいて第2充満検出センサ40と発射玉検出センサ99の検出状態を把握することで、継続して発射が行われている状態においても、小径玉が存在することを検知するようにしても良い。
また、前記実施の形態では、小径玉が第1玉通路44に幾つ存在するかや、小径玉が第1玉通路44のどの位置に存在するかに関係なく、小径玉が存在することを検知する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小径玉が第1玉通路44における特定位置(例えば、パチンコ玉10Cの位置)に1つだけ存在している場合においてのみ、検知できるものであっても良い。
また、前記実施の形態では、発射玉検出センサ99は、標準径のパチンコ玉と小径のパチンコ玉のいずれであってもせり上がりにより非検知状態となる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小径のパチンコ玉の場合にだけ、非検知状態となるセンサとしても良い。
また、前記実施の形態では、発射玉検出センサ99と第2充満検出センサ40によるパチンコ玉10の検出・非検出を、検出信号が検出・非検出に対応する状態となったことにより把握する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、信号のノイズ等を考慮して、検出信号の入力状態が、所定の判断閾値期間(例えば、タイマ割り込みが所定回数となるまでの期間)に亘って、パチンコ玉10の検出に対応する状態や、パチンコ玉10の非検出に対応する状態となっている場合において、パチンコ玉10の検出・非検出と判断するようにしても良い。