JP2019187311A - テストステロン産生促進剤、テストステロン産生促進用飲食品添加剤及びテストステロン産生促進用飲食品 - Google Patents

テストステロン産生促進剤、テストステロン産生促進用飲食品添加剤及びテストステロン産生促進用飲食品 Download PDF

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史子 小幡
Fumiko Obata
史子 小幡
美保 花井
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美保 花井
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Abstract

【課題】容易に入手することができ、安全性が高く、優れたテストステロン産生促進作用を有するテストステロン産生促進剤、テストステロン産生促進用飲食品添加剤及びテストステロン産生促進用飲食品を提供する。【解決手段】含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有するテストステロン産生促進剤、並びに前記テストステロン産生促進剤を含有するテストステロン産生促進用飲食品添加剤及びテストステロン産生促進用飲食品である。【選択図】なし

Description

本発明は、有効成分として、含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有するテストステロン産生促進剤、前記テストステロン産生促進剤を含有するテストステロン産生促進用飲食品添加剤又はテストステロン産生促進用飲食品に関する。
近年、少子化という社会問題が指摘されている一方で、不妊症に悩む夫婦は年々増加している。
不妊症に関連する問題として、最近では、シフト勤務等の働き方の多様化、長時間労働等の過酷な労働状況により寝る時間を十分に確保することができないような不規則な生活や、食生活の乱れ等による低栄養状態などにより、男性の精子量が減少するという問題がある。
精子量が減少するという問題に対しては、男性ホルモンの一種であるテストステロンの体内での産生を増加させることが考えられる。
これまでに、プロペニルシステイン又はグルタミル−プロペニルシステインを有効成分とするテストステロン産生促進剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記提案の有効成分は、プロペニル基を有することを必須とする化合物であり、ニンニクなどの植物に由来のものである。
しかしながら、前記提案の有効成分は、煩雑な製造工程を経る必要があり、容易に入手できるとは言えないという問題がある。
したがって、容易に入手することができ、安全性が高く、優れたテストステロン産生促進作用を有する新たな素材の提供が強く求められているのが現状である。
特開2015−196688号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、容易に入手することができ、安全性が高く、優れたテストステロン産生促進作用を有するテストステロン産生促進剤、テストステロン産生促進用飲食品添加剤及びテストステロン産生促進用飲食品を提供すること目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種が、体内におけるテストステロン産生を促進することを見出し、更に、精子数の増加への効果的な素材であることを知見した。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするテストステロン産生促進剤である。
<2> 前記含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種が、システイン、メチオニン及びシスチンからなる群から選択される少なくとも1種を含有する前記<1>に記載のテストステロン産生促進剤である。
<3> 精子形成促進作用、精巣へのコレステロールの取込み促進作用、細胞膜におけるリポ蛋白受容体の活性亢進作用及びテストステロン産生系遺伝子群の発現増強作用からなる群から選択される少なくとも1種の作用を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のテストステロン産生促進剤である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のテストステロン産生促進剤を含有することを特徴とするテストステロン産生促進用飲食品添加剤である。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のテストステロン産生促進剤を含有することを特徴とするテストステロン産生促進用飲食品である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、容易に入手することができ、安全性が高く、優れたテストステロン産生促進作用を有するテストステロン産生促進剤、テストステロン産生促進用飲食品添加剤及びテストステロン産生促進用飲食品を提供することができる。
図1は、試験例1の血中テストステロン濃度を測定した結果を示す図である。 図2Aは、試験例2のD9%における精巣曲精細管中の精子を観察した組織染色像を示す図である。 図2Bは、試験例2のDCysにおける精巣曲精細管中の精子を観察した組織染色像を示す図である。 図3Aは、試験例3のD9%における精子形成の割合を計測した結果を示す図である。 図3Bは、試験例3のDCysにおける精子形成の割合を計測した結果を示す図である。 図4Aは、試験例4のD9%におけるLDLR遺伝子のmRNA発現量と、血清テストステロン濃度との相関関係を検証した結果を示す図である。 図4Bは、試験例4のD9%におけるSR−BI遺伝子のmRNA発現量と、血清テストステロン濃度との相関関係を検証した結果を示す図である。 図4Cは、試験例4のDCysにおけるLDLR遺伝子のmRNA発現量と、血清テストステロン濃度との相関関係を検証した結果を示す図である。 図4Dは、試験例4のDCysにおけるSR−BI遺伝子のmRNA発現量と、血清テストステロン濃度との相関関係を検証した結果を示す図である。
(テストステロン産生促進剤)
本発明のテストステロン産生促進剤は、有効成分として含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種>
前記含硫アミノ酸は、硫黄原子を有するアミノ酸である。
前記含硫アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチオニン、システインなどが挙げられる。
前記含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シスチンなどが挙げられる。
前記含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物(以下、「含有アミノ酸等」と称することがある。)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含硫アミノ酸等の中でも、テストステロン産生促進作用が優れる点で、システイン、メチオニン及びシスチンからなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
前記含硫アミノ酸等は、市販品を用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
前記含硫アミノ酸等の前記テストステロン産生促進剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記テストステロン産生促進剤は、前記含硫アミノ酸等のみからなるものであってもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、剤型などに応じて適宜選択することができ、例えば、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、植物抽出エキス類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、アルコール、多価アルコール、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等の添加剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の前記テストステロン産生促進剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<使用>
前記テストステロン産生促進剤は、単独で使用してもよいし、他の成分を有効成分とする医薬等と併せて使用してもよい。また、前記テストステロン産生促進剤は、他の成分を有効成分とする医薬等に配合された状態で使用してもよい。
前記テストステロン産生促進剤の使用態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、経皮、経腸、経粘膜、経静脈、経動脈、皮下、筋肉内などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。これらの中でも、経口が好ましい。
前記テストステロン産生促進剤の剤型としては、特に制限はなく、使用態様などに応じて公知の剤型を適宜選択することができる。前記剤型は、固形状であってもよいし、半固形状であってもよいし、液状であってもよく、例えば、錠剤、顆粒剤、粉剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、シロップ剤等の経口投与製剤;液剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、噴霧剤、貼付剤、吸入剤、坐剤等の経皮又は経粘膜投与製剤;注射剤等が挙げられる。
前記テストステロン産生促進剤の製造方法としては、特に制限はなく、剤型などに応じて公知の方法を適宜選択することができる。
前記テストステロン産生促進剤の使用量(「摂取量」、「投与量」と称することもある。)としては、特に制限はなく、対象とする個体の年齢、体重、所望の効果の程度などに応じて適宜選択することができる。
例えば、使用態様が経口の場合は、有効成分である前記含硫アミノ酸等の量として、体重60kgの個体1日あたり、0.000001g〜100gが好ましく、0.00001g〜100gがより好ましく、0.001g〜100gが更に好ましく、1g〜100gが特に好ましい。
前記テストステロン産生促進剤の使用頻度としては、特に制限はなく、対象とする個体の年齢、体重、所望の効果の程度などに応じて適宜選択することができ、1日1回でもよいし、1日2回以上であってもよい。また、毎日継続して使用してもよいし、一定の間隔を空けて使用してもよい。
前記テストステロン産生促進剤の使用時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、精子量の減少が認められた後に使用してもよいし、精子量の減少が認められる前に予防的に使用してもよい。
前記テストステロン産生促進剤の対象とする個体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウシ、ブタ、サル、イヌ、ネコなどが挙げられる。これらの中でも、ヒトが好ましい。
また、前記個体は、テストステロンの産生を促進することが求められる個体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、不規則な生活や低栄養状態などにより精子量が減少した個体が好適に挙げられる。
本発明のテストステロン産生促進剤は、後述の試験例で示すように、優れたテストステロン産生促進作用を有し、また、精子形成促進作用、精巣へのコレステロールの取込み促進作用、細胞膜におけるリポ蛋白受容体の活性亢進作用及びテストステロン産生系遺伝子群の発現増強作用からなる群から選択される少なくとも1種の作用も有する。
したがって、本発明は、前記含硫アミノ酸等を含有する精子形成促進剤、精巣へのレステロールの取込み促進剤、細胞膜におけるリポ蛋白受容体の活性亢進剤、テストステロン産生系遺伝子群の発現増強剤にも関する。
前記リポ蛋白受容体は、精巣へのコレステロールの取込みに関与する受容体であり、例えば、LDL受容体、スカベンジャー受容体クラスBタイプ1などが挙げられる。
前記テストステロン産生系遺伝子群は、テストステロンの産生に関与する遺伝子群であり、例えば、上記リポ蛋白受容体などが挙げられる。
本発明のテストステロン産生促進剤は、容易に入手することができ、安全性が高く、また、不規則な生活や低栄養状態などにより精子量が減少した個体においてもテストステロン産生を増加させることができるという優れたテストステロン産生促進作用を有する。したがって、本発明は、個体、特に不規則な生活や低栄養状態などにより精子量が減少した個体に、本発明のテストステロン産生促進剤を投与することを特徴とするテストステロンの産生促進方法にも関する。
前記テストステロン産生促進剤は、医薬品、飲食品添加剤、飲食品、飼料、化粧品等の各種製品に配合して使用することもできる。
(テストステロン産生促進用飲食品添加剤)
本発明のテストステロン産生促進用飲食品添加剤は、本発明のテストステロン産生促進剤を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<テストステロン産生促進剤>
前記テストステロン産生促進剤は、上記した本発明のテストステロン産生促進剤である。
前記テストステロン産生促進剤のテストステロン産生促進用飲食品添加剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(テストステロン産生促進剤)の<使用>の項目に記載した使用量などに応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の飲食品添加剤に用いられる成分を目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分のテストステロン産生促進用飲食品添加剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記テストステロン産生促進用飲食品添加剤は、前記テストステロン産生促進剤のみからなるものであってもよい。
(テストステロン産生促進用飲食品)
本発明のテストステロン産生促進用飲食品は、本発明のテストステロン産生促進剤を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<テストステロン産生促進剤>
前記テストステロン産生促進剤は、上記した本発明のテストステロン産生促進剤である。
前記テストステロン産生促進剤のテストステロン産生促進用飲食品における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(テストステロン産生促進剤)の<使用>の項目に記載した使用量などに応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の飲食品に用いられる成分を目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分のテストステロン産生促進用飲食品における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記テストステロン産生促進用飲食品は、前記テストステロン産生促進剤のみからなるものであってもよい。
<飲食品>
前記飲食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般の飲食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品などが挙げられる。
前記飲食品の具体例としては、パン類、麺類等の主菜;チーズ、ハム、ウインナー、魚介加工品等の副菜;果汁飲料、炭酸飲料、乳酸飲料等の飲料;クッキー、ケーキ、ゼリー、アイス、プリン、キャンディー、ヨーグルト等の嗜好品;錠剤、顆粒、粉剤、カプセル、ソフトカプセル、栄養ドリンク等のサプリメントなどが挙げられる。
(テストステロン産生促進用飼料)
前記テストステロン産生促進用飼料は、本発明のテストステロン産生促進剤を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<テストステロン産生促進剤>
前記テストステロン産生促進剤は、上記した本発明のテストステロン産生促進剤である。
前記テストステロン産生促進剤のテストステロン産生促進用飼料における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した(テストステロン産生促進剤)の<使用>の項目に記載した使用量などに応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の飼料に用いられる成分を目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分のテストステロン産生促進用飼料における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記テストステロン産生促進用飼料は、前記テストステロン産生促進剤のみからなるものであってもよい。
<飼料>
前記飼料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペットフード、家畜飼料などが挙げられる。
(テストステロン産生促進用化粧品)
前記テストステロン産生促進用化粧品は、本発明のテストステロン産生促進剤を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<テストステロン産生促進剤>
前記テストステロン産生促進剤は、上記した本発明のテストステロン産生促進剤である。
前記テストステロン産生促進剤のテストステロン産生促進用化粧料における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、皮膚外用剤とする場合、化粧料の形態等に応じて異なるが、例えば、前記含硫アミノ酸等の量として、0.0000001質量%〜10質量%とするなどが挙げられる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の化粧品に用いられる成分を目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分のテストステロン産生促進用化粧品における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記テストステロン産生促進用化粧品は、前記テストステロン産生促進剤のみからなるものであってもよい。
<化粧品>
前記化粧品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳液、クリーム、化粧水(ローション)、パック、美容液、洗浄剤、メーキャップ化粧品などが挙げられる。
以下、試験例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の試験例に制限されるものではない。
(試験例1)
本発明のテストステロン産生促進剤の有効成分の一例であるシスチンのテストステロン産生促進作用を以下のようにして検証した。
Fischer系4週齢雄ラットを飼料の違いにより以下の2群に群別した(各群24〜26匹)。なお、低たんぱく質食とすることで、低栄養状態を反映したモデルとすることができる。
・ 群1 : 飼料を、低たんぱく質食とした群(以下、「D9%」と称することがある。)
・ 群2 : 飼料を、前記低たんぱく質食にシスチンを添加したものとした群(以下、「DCys」と称することがある。)
前記低たんぱく質食は、AIN−93G飼料に準拠したものとした。具体的には、100gあたりのAIN−93G飼料において、L―シスチンを除き、カゼインの量を20gから9gに減らし、α−コーンスターチの量を52.9486gから64.2486gに増やしたものを前記低たんぱく質食とした。なお、前記低たんぱく質食ではカゼインの量を減らすことにより、カゼイン由来のリンも減少するため、減少した分のリンを補うために、ミネラル混合に減少分のリンを追加した。
前記DCysにおける飼料は、100gあたりの前記低たんぱく質食において、L−シスチンを0.135gとなるように加え、α−コーンスターチの量を64.2486gから64.1136gに減らしたものとした。
前記ラットは、明期がない連続暗黒下で、4週間(7週齢の終わりまで)飼育した。なお、ラットは夜行性であることから、連続暗黒下で飼育することにより、ヒトでの睡眠を十分に取れずに働いている状況を反映したモデルとすることができる。
前記飼育期間中、飼料及び水は、自由摂取とした。なお、ラットの1日あたりの飼料の摂取量は、12g程度であり、これは、1日あたり、0.016g程度のシスチンを摂取したこととなる。なお、これを体重60kgのヒトに換算すると、1日あたり、6.5g程度のシスチンを摂取する量となる。
飼育後のラットを採血し、血中テストステロン濃度を測定した。結果を図1に示す。
図1に示されるように、低たんぱく質食にシスチンを添加した飼料で飼育したDCysでは、低たんぱく質食で飼育したD9%と比較して、テストステロン量が有意に増加することが確認された。なお、図1中の「*」は、p=0.012を表す。
(試験例2)
試験例1と同様の方法によりラットを飼育した後、解剖した。精巣を10%中性ホルマリンで固定後、パラフィン切片を作製し、次いで過ヨウ素酸シッフ(Periodic Acid Schiff:PAS)で染色し観察した。精巣曲精細管中の精子の観察結果を図2A(D9%)及びB(DCys)に示す。
図2Aに示されるように、低たんぱく質食で飼育したD9%では、精子形成の見られない精巣曲精細管が多数存在した。これに対し、図2Bに示されるように、低たんぱく質食にシスチンを添加した飼料で飼育したDCysでは、正常精子の形成が見られる精巣曲精細管が増加しており、精子形成促進作用を有することが確認された。なお、図2A及びB中、「矢印」は精子を示し、棒目盛は50μm(対物レンズ40倍使用)を示す。
(試験例3)
試験例2のPAS染色切片において、精巣曲精細管中に精子を形成した割合を計測した。結果を図3A(D9%)及びB(DCys)に示す。
図3A及びBでは、横軸にラット体重で補正した精巣重量を示し、縦軸に精子形成の見られた精巣曲精細管が計測した精巣曲精細管全体に占める割合を示し、ラット個体ごとの値を描画した。また、正常な精子形成を行う条件で飼育した群において、すべてのラットが含まれる精子形成陽性の精巣曲精細管の割合から、閾値を77.6%とし、図3A及びB中の黒線で示した。
図3Aに示されるように、低たんぱく質食で飼育したD9%では、閾値を超えた割合(=正常に精子を形成していると推測される精巣曲精細管の割合)を示した個体の割合は61.5%であった。これに対し、図3Bに示されるように、低たんぱく質食にシスチンを添加した飼料で飼育したDCysでは、閾値を超えた割合を示した個体の割合は84.6%に増加し、この計測からも、精子形成促進作用を有することが確認された。なお、前記二群間のカイ二乗検定によるp値は0.06であった。
(試験例4)
テストステロン合成の基質となるコレステロールの血中から精巣への取り込みを評価するために、試験例1と同様の方法によりラットを飼育した後、解剖し、以下のようにして遺伝子の発現量を測定するための試料を調製した。
<試料の調製>
採取した精巣の一部はRNAレーター(RNAlaterTM Soln. Invitrogen社製)に浸漬後、−80℃に保存した。保存した精巣から総RNAを抽出(NucleoSpin RNA、マッハライ・ナーゲル社製)し、相補的DNA(cDNA)を調製(PrimScriptTMRTreagent Kit、タカラバイオ株式会社製)した。
前記調製した試料中の、リポ蛋白受容体遺伝子であるLDL受容体(以下、「LDLR」と称することがある。)及びスカベンジャー受容体クラスBタイプ1(以下、「SR−BI」と称することがある。)のmRNAの発現量をリアルタイムPCR法(Thermal Cycler Dice Real Time SystemTP800、タカラバイオ株式会社製)により、測定した。リアルタイムPCR法は、サイバーグリーン(SYBR(登録商標)Premix Ex TagTMII、タカラバイオ株式会社製)を用いるインターカレーター法にて行った。
図4A〜Dに、試験例1で測定した血清テストステロン濃度と、上記で測定した各遺伝子のmRNAの発現量との相関関係を検証した結果を示した。なお、前記リポ蛋白受容体遺伝子のmRNAの発現量は、Rplp2遺伝子(一定量発現しているリファレンス遺伝子の1つ)のmRNAの発現量で補正した値である。
図4A〜Dでは、横軸に血清テストステロン濃度、縦軸に精巣中のリポ蛋白受容体遺伝子のmRNAの発現量を示し、これらの相関係数をPearsonの積率相関係数rで表し、その有意差を検定した(p<0.05で相関は有意であるとした)。
その結果、低たんぱく質食で飼育したD9%では、血清テストステロン濃度(T)と、LDLR又はSR−BI遺伝子のmRNAの発現量との間に有意な相関は見られなかった(T対LDLR:p=0.202(図4A)、T対SR−BI:p=0.635(図4B))。
一方、低たんぱく質食にシスチンを添加した飼料で飼育したDCysでは、これらの間に有意な正の相関が認められた(T対LDLR:p=0.00002(図4C)、T対SR−BI:p=0.0355(図4D))
以上のことから、低たんぱく質食にシスチンを添加した飼料で飼育したDCysでは、テストステロン合成の材料となるコレステロールを血中から精巣に取り込むためのリポ蛋白受容体遺伝子の発現が高まることで、コレステロールの取り込みが進み、テストステロン合成が促進されることが推察された。

Claims (5)

  1. 含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするテストステロン産生促進剤。
  2. 前記含硫アミノ酸及び含硫アミノ酸の水硫基により生成するジスルフィド結合を有する化合物からなる群から選択される少なくとも1種が、システイン、メチオニン及びシスチンからなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1に記載のテストステロン産生促進剤。
  3. 精子形成促進作用、精巣へのコレステロールの取込み促進作用、細胞膜におけるリポ蛋白受容体の活性亢進作用及びテストステロン産生系遺伝子群の発現増強作用からなる群から選択される少なくとも1種の作用を有する請求項1から2のいずれかに記載のテストステロン産生促進剤。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のテストステロン産生促進剤を含有することを特徴とするテストステロン産生促進用飲食品添加剤。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のテストステロン産生促進剤を含有することを特徴とするテストステロン産生促進用飲食品。
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Citations (2)

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