JP6842820B2 - ポリアミンを有効成分とする、造精機能障害を改善するための組成物 - Google Patents

ポリアミンを有効成分とする、造精機能障害を改善するための組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミンを有効成分とする、造精機能障害を改善するための組成物に関する。また、ポリアミンを非ヒト動物に摂取させる工程を含む、該非ヒト動物の造精機能障害を改善するための方法に関する。
不妊症は、自然な状態にて妊娠に至れないか、妊娠を一定期間以上維持することができない状態のことであり、日本では約10%の夫婦がこの症状に対して不安や悩みを抱えており、その割合も年々増加の一途を辿っており、社会的な問題となっている。
不妊症の原因は、男性側、女性側とも多岐に亘ることが明らかになっているが、男性側に主たる原因がある男性不妊は、不妊原因の約50%を占め、その約90%は精巣原発の造精機能障害による精液所見不良であると言われている。
造精機能障害は、精巣で精子を造る機能に異常がある症状のことをいい、精子を造る能力が低下している乏精子症、精子を造る能力が全くない無精子症、運動能力に乏しい精子が多く造られる精子無力症、奇形の精子が多く造られる精子奇形症等を統合した疾患である。また、その原因は、おたふくかぜ等の高熱によって生じる精巣炎、喫煙、精神的ストレス、ホルモンバランスの崩れ、肥満、抗がん剤の服用、放射線被爆、遺伝的要因等、多様であることもあり、精子の数を増やすといった、造精機能障害自体に対する有効な改善法は確立されていないのが現状である。
そして、かかる現状ゆえ、造精機能障害による不妊症の解決方法として、一般的には、人工授精、体外受精・顕微授精等が用いられている。しかしながら、これらの生殖補助医療は、女性側に身体的・精神的な負担を課すものであり、また経済的な負担を夫婦に強いるものである。
したがって、夫婦共々に対し、身体面でも負担をかけることなく安全性高く、また精神面でも、経済的な面でも負担をかけない造精機能障害の改善法の開発が試みられており、特に、経口投与等の非侵襲性投与によって造精機能障害の改善を促すことができる物質の探索が進められている。例えば、タモキシフェン、ゴナドトロビン、LH−RH等のホルモン摂取や、ビタミンB12(メコバラミン等)の摂取が、造精機能障害において有効であることが示唆されている(非特許文献1)。しかしながら、かかる化学物質の投与による造精機能障害の改善効果は不十分であり、またホルモンバランスの崩れ等による副作用を伴うおそれがあり、上述の通り、身体面でも負担をかけることなく、安全性高くかつ有効な、精機能障害の改善法は確立されていないのが現状である。
また、造精機能障害による不妊症はヒトのみならず、ウシやブタ等の家畜においても、いわゆる夏季不妊症として問題となっている。すなわち、高温多湿の夏季においては、オスの造精機能が一時的に減退し、精液の不良化が生じ、ひいては受胎率が低下することとなる。そのため、畜産業においても、家畜の安定した生産のため、造精機能障害の改善法の開発が強く望まれている。しかしながら、ヒト同様に有効な改善法が確立されていないのが現状である。
尾崎 覚ら、日薬理誌、1988年、91巻、197〜207ページ
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、身体面でも負担をかけることなく、安全性高く、造精機能障害を改善するための組成物又は方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく、ポリアミンによる造精機能障害の改善効果について、該障害のモデルマウスを用いて検証した。その結果、ポリアミン非含有飼料を摂取させたマウスの精巣においては精子細胞の脱落が認められたのに対し、ポリアミン(スペルミン及びスペルミジン)含有飼料を摂取させたマウスにおいて、かかる脱落はほぼ抑制されており、造精機能障害からの回復が認められた。また、大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物を混合した飼料を摂取させたマウスにおいても、前記ポリアミン含有飼料同様に、造精機能障害に対する高い改善効果が認められた。なお、ポリアミンは、大豆に限らず、食経験豊富な様々な植物、動物に含有されているので、副作用の少ない安全な物質である。
すなわち、ポリアミンは造精機能障害の改善を促進する活性を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を提供するものである。
<1> ポリアミンを有効成分とする、造精機能障害を改善するための組成物。
<2> 前記ポリアミンが、スペルミン及びスペルミジンからなる群から選択される少なくとも一の化合物である、<1>に記載の組成物。
<3> ポリアミンを非ヒト動物に摂取させる工程を含む、該非ヒト動物の造精機能障害を改善するための方法。
<4> 前記ポリアミンが、スペルミン及びスペルミジンからなる群から選択される少なくとも一の化合物である、<3>に記載の方法。
本発明によれば、造精機能障害を改善することが可能となる。本発明の組成物の有効成分であり、また本発明の方法において摂取させる対象であるポリアミンは、食経験豊富な様々な植物、動物に含有されているので、本発明は副作用少なく安全に造精機能障害を改善することができる。また安全性の高さ故、長期、連続的に適用することもできるため、造精機能障害の治療のみならず、高温多湿の夏季に家畜において生じる夏季不妊症を予防すること等を目的とし、一定期間常用させることも可能である。さらに、後述の実施例において示す通り、ポリアミンは経口投与でも高い改善効果を奏することができるため、本発明は、非侵襲性投与によって身体面においても負担をかけることなく、造精機能障害を改善することができる。
ポリアミン非含有試験飼料を摂取させた造精機能障害モデルマウス(実施例1)の精巣(曲精細管)断面を、観察した結果を示す顕微鏡写真である。 ポリアミン含有試験飼料を摂取させた造精機能障害モデルマウス(実施例2)の精巣(曲精細管)断面を、観察した結果を示す顕微鏡写真である。 大豆由来ポリアミン含有試験飼料を摂取させた造精機能障害モデルマウス(実施例2)の精巣(曲精細管)断面を、観察した結果を示す顕微鏡写真である。 図1に示す顕微鏡写真をモノクロ化し、さらに白黒を反転させた結果を示す図である。 図2に示す顕微鏡写真をモノクロ化し、さらに白黒を反転させた結果を示す図である。 図3に示す顕微鏡写真をモノクロ化し、さらに白黒を反転させた結果を示す図である。 ポリアミン非含有試験飼料、ポリアミン含有試験飼料及び大豆由来ポリアミン含有試験飼料を各々摂取させた造精機能障害モデルマウス(比較例1、実施例1及び2)の精巣断面において、精子細胞の脱落の程度を解析した結果を示すグラフである。当該精巣断面の顕微鏡写真をモノクロ化し、さらに白黒を反転させた画像(曲精細管の中央部直径100μmの領域)におけるグレイ値(平均値)を縦軸に示す。また、グラフに付したバーは標準偏差を示す。
<造精機能障害を改善するための組成物>
後述の実施例において示すとおり、造精機能障害モデルマウスにポリアミンを摂取させたところ、当該障害に対する高い改善効果が認められた。したがって、本発明は、ポリアミンを有効成分とする、造精機能障害を改善するための組成物を提供するものである。
本発明において、「造精機能障害」とは、精巣で精子細胞を造る機能に異常がある状態のことをいい、乏精子症、無精子症、精子無力症、精子奇形症等が含まれる。また、その原因について特に制限はなく、例えば、本発明にかかる造精機能障害には、熱ストレス性の造精機能障害(おたふくかぜ等罹患における高熱、夏季の高温多湿等による、造精機能障害)、喫煙による造精機能障害、精神的ストレス性の造精機能障害、ホルモンバランスの失調による造精機能障害、肥満による造精機能障害、抗がん剤の服用による造精機能障害、放射線被爆による造精機能障害、遺伝性の造精機能障害が含まれる。
本発明において、「造精機能障害の改善」とは、精巣において造られる精子細胞の数が増加すること又はその低減を抑制することを含む意味であり、造精機能障害によって低減した精子細胞の数を回復させる治療や、熱ストレス等によって生じる精子細胞の低減を抑制する予防が含まれる。また、本発明において「精子細胞」には、成熟して尾部を有する精子のみならず、未成熟で尾部をまだ有していない円形精子細胞も含まれる。
また、本発明の適用対象としては、動物のオス個体であればよく、例えば、ヒト男性又は非ヒト動物(例えば、ヒト以外の哺乳類(ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、マウス、ラット、サル等)、鳥類(ニワトリ、カモ、ダチョウ、アヒル等)、魚類、爬虫類、両生類)のオス個体が挙げられるが、特に制限されるものではない。また、本発明にかかる動物としては、家畜又は家禽であってもよく、愛玩動物であってもよく、展示用動物であってもよく、また実験動物であってもよい。
本発明において、「ポリアミン」とは、第一級アミノ基を2つ以上含む脂肪族炭水化物を意味し、例えば、ジアミン、トリアミン、テトラアミン、ペンタアミン、ヘキサアミンが挙げられ、より具体的には、プトレスシン、カダベリン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、スペルミジン、カルジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、スペルミン、テルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、アミノプロピルホモスペルミン、カナバルミン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、アミノプロピルカナバルミン、ビス(アミノプロピル)ホモスペルミン、ビス(アミノプロピル)ノルスペルミン、アミノブチルカナバルミン、アミノプロピルホモスペルミン、ホモペンタミン、カルドヘキサミン、ホモカルドヘキサミン、セルモヘキサミン、ホモセルモヘキサミンが挙げられる。本発明においては、このようなポリアミンが単種又は複数種用いてもよい。また、これらポリアミンの中では、造精機能障害の改善を促進する活性が高く、また細胞内に主に存在しているポリアミンであるため、生体内において利用され易いという観点から、本発明においては、スペルミジン[NH(CHNH(CHNH]及びスペルミン[NH(CHNH(CHNH(CHNH〕のうちの少なくとも1の化合物を用いることが好ましい。
また、本発明において「ポリアミン」は、薬理学的に許容な塩の形態であってもよい。かかる塩としては、例えば、クエン酸、酢酸、トリクロル酢酸、スルホサリチル酸等の有機酸の塩(有機酸付加塩)、硫酸、塩酸、酢酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸の塩(無機酸付加塩)が挙げられる。
ポリアミンは、種々の植物、動物の組織、細胞内に普遍的に存在するので、これら組織等、特にサケ等魚類の白子、牛や豚等の動物の精子から、公知の手法に沿って抽出することができる。また、後述の実施例に示す通り、大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物も、本発明において好適に用いられる(「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」については、後記を参照のこと)。さらに、ポリアミンは、化学合成又は酵素や微生物を用いた生化学的合成等によっても調製することができる。また、和光純薬工業株式会社やSIGMA社等から、購入することによりポリアミンを得ることもできる。さらに、前記ポリアミンンの酸付加塩は、遊離の塩基形態のポリアミンと、適当な酸とを、常法にて接触させることにより、調製することができる。
そして、このようなポリアミンは、後述の実施例に示す通り、造精機能障害の改善を促進する優れた活性を有する。したがって、ポリアミンを有効成分とする、本発明の造精機能障害を改善するための組成物は、造精機能障害の治療又は予防のための医薬組成物、造精機能障害を改善するための飲食品として用いることができる。また、造精機能障害を改善するための試薬として用いることができる。
本発明の組成物におけるポリアミンの含有量としては、造精機能障害の改善を奏せる量であればよく、摂取対象の種類(ヒト、ウシ等)、年齢、体重、健康状態、組成物の種類(医薬品、飲食品等)等に応じて、適宜選択されるが、通常は、0.001〜100質量%のポリアミンを含有し、0.01〜50質量%のポリアミンを含有することが好ましく、0.03〜10質量%のポリアミンを含有することがより好ましい。また、本発明にかかるポリアミンとしてスペルミジン及びスペルミンを用いる場合には、スペルミジン及びスペルミンを各々0.0008〜80質量%及び0.0002〜20質量%含有することが好ましく、各々0.02〜8質量%及び0.008〜2質量%含有することがより好ましい。
本発明の造精機能障害を改善するための組成物は、公知の製剤学的方法により製剤化することができる。例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、液剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、フィルムコーティング剤、ペレット剤、トローチ剤、舌下剤、咀嚼剤、バッカル剤、ペースト剤、シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤、乳剤、塗布剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、経皮吸収型製剤、ローション剤、吸引剤、エアゾール剤、注射剤、坐剤等として、経口的又は非経口的に使用することができる。しかしながら、投与対象への負担が少ないという観点から、本発明の組成物は、経口用組成物として用いることが好ましい。
これら製剤化においては、薬理学上若しくは飲食品として許容される担体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、溶剤、基剤、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、芳香剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤、希釈剤、等張化剤、無痛化剤、増量剤、崩壊剤、緩衝剤、コーティング剤、滑沢剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等と適宜組み合わせることができる。
また、本発明の造精機能障害を改善するための組成物を飲食品として用いる場合、当該飲食品は、例えば、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、病者用食品、食品添加物、動物用飼料又は飼料用添加剤であり得る。本発明の飲食品は、上記のような組成物として摂取することができる他、種々の飲食品として摂取することもできる。飲食品の具体例としては、食用油、ドレッシング、マヨネーズ、マーガリンなどの油分を含む製品;スープ類、乳飲料、清涼飲料水、茶飲料、アルコール飲料、ドリンク剤、ゼリー状飲料、機能性飲料等の液状食品;飯類、麺類、パン類等の炭水化物含有食品;ハム、ソーセージ等の畜産加工食品;かまぼこ、干物、塩辛等の水産加工食品;漬物等の野菜加工食品;ゼリー、ヨーグルト等の半固形状食品;みそ、発酵飲料等の発酵食品;洋菓子類、和菓子類、キャンディー類、ガム類、グミ、冷菓、氷菓等の各種菓子類;カレー、あんかけ、中華スープ等のレトルト製品;インスタントスープ,インスタントみそ汁等のインスタント食品や電子レンジ対応食品等が挙げられる。さらには、粉末、穎粒、錠剤、カプセル剤、液状、ペースト状又はゼリー状に調製された健康飲食品も挙げられる。
本発明における飲食品の製造は、当該技術分野に公知の製造技術により実施することができる。当該飲食品においては、他の機能性食品と組み合わせることによって、多機能性の飲食品としてもよい。
本発明の組成物の製品(医薬品、飲食品、試薬)又はその説明書は、造精機能障害を改善するために用いられる旨の表示を付したものであり得る。ここで「製品又は説明書に表示を付した」とは、製品の本体、容器、包装等に表示を付したこと、あるいは製品の情報を開示する説明書、添付文書、宣伝物、その他の印刷物等に表示を付したことを意味する。
なお、本発明の造精機能障害を改善するための組成物の有効成分である、ポリアミンは、食経験豊富な様々な植物、動物に含有されているので、副作用の少ない安全な物質である。また、本発明の組成物は、経口投与でも高い改善効果を奏するため、非侵襲的に造精機能障害を改善することができる。したがって、本発明は、身体面でも負担をかけることなく、安全性高く、造精機能障害を改善することのできる組成物を提供することができる。
<造精機能障害を改善するための方法>
後述の実施例において示すとおり、造精機能障害モデルマウスにポリアミンを摂取させたところ、当該障害に対する高い改善効果が認められた。したがって、本発明は、ポリアミンを非ヒト動物に摂取させる工程を含む、該非ヒト動物の造精機能障害を改善するための方法を提供する。
本発明の方法においても、「ポリアミン」、「非ヒト動物」、「造精機能障害」及びその「改善」等については上述の通りである。また、ポリアミンを摂取させる方法としては特に制限はなく、上述の通り、公知の製剤化技術、担体等を利用して、経口的又は非経口的に摂取させることが可能であるが、投与対象における身体面の負担がより少ないという観点から、経口的に摂取させることが好ましい。
また、その摂取量は、造精機能障害の改善を奏せる量であればよく、対象の種類(ウシ、ブタ等)、年齢、体重、健康状態、組成物の種類(飼料、医薬品等)等に応じて、適宜選択されるが、1日に、0.01〜100mg/kgのポリアミンを1回若しくは数回に分けて摂取させることが好ましく、1日に、0.1〜50mg/kgのポリアミンを1回若しくは数回に分けて摂取させることがより好ましい。また、1日に、スペルミジン及びスペルミンを各々0.008〜80mg/kg及び0.002〜20mg/kg、1回若しくは数回に分けて摂取させることが好ましく、1日に、スペルミジン及びスペルミンを各々0.08〜40mg/kg及び0.02〜10mg/kg、1回若しくは数回に分けて摂取させることがより好ましい。
また、本発明の方法は、非ヒト動物のみならずヒトにおいても有効である。したがって、本発明は、ポリアミンを対象に摂取させる工程を含む、造精機能障害を改善するための方法を提供する。
なお、本発明の方法をヒトに適用する場合に、その摂取量は、造精機能障害の改善を奏せる量であればよく、対象の年齢、体重、健康状態、組成物の種類(医薬品、飲食品等)等に応じて、適宜選択されるが、1日に、0.01〜100mg/kgのポリアミンを1回若しくは数回に分けて摂取させることが好ましく、1日に、0.1〜50mg/kgのポリアミンを1回若しくは数回に分けて摂取させることがより好ましい。また、1日に、スペルミジン及びスペルミンを各々0.008〜80mg/kg及び0.002〜20mg/kg、1回若しくは数回に分けて摂取させることが好ましく、1日に、スペルミジン及びスペルミンを各々0.08〜40mg/kg及び0.02〜10mg/kg、1回若しくは数回に分けて摂取させることがより好ましい。
<大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物>
後述の実施例において示す通り、大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物でも、造精機能障害に対する高い改善効果が認められた。以下に、当該組成物の好適な態様を示す。
本発明において、「大豆胚芽」とは、大豆のやがて生長して芽及び根になる部分のこと、すなわち、大豆の胚において子葉を除いた部分(胚軸、幼芽及び幼根の部分)を意味する。また、後述の酸抽出の前に、表面に付着した夾雑物を除去し、ポリアミン組成物の抽出効率を上げるという観点から、大豆胚芽を水又は弱塩基性水溶液にて洗浄してもよい。かかる弱塩基性水溶液としては特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム水溶液(pH10〜14)が挙げられる。さらに、細胞壁に損傷を与え、ポリアミン組成物の抽出効率を上げるという観点から、大豆胚芽を、ミキサー、ブレンダー、ホモジナイザー、乳鉢、超音波破砕機等により破砕した上で、後述の酸抽出に供してもよい。
本発明において、かかる大豆胚芽から、造精機能障害を改善するために有効なポリアミン組成物を抽出するために有効な酸性条件は、pHが5以下の条件であり、好ましくはpHが4以下である。酸性条件下になるように、ポリアミン組成物を抽出するための液に添加される酸としては、硫酸、塩酸、酢酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸、クエン酸、酢酸、トリクロル酢酸、スルホサリチル酸等の有機酸が挙げられる。また、これら酸の添加濃度は、用いる酸の種類によって適宜調製され得るが、通常0.001〜1Mであり、好ましくは0.05〜0.5Mである。また、ポリアミン組成物を抽出するための液としては、特に制限はなく、例えば、水、アルコール類、有機溶媒が挙げられる。
かかる酸性条件下における、大豆胚芽から造精機能障害を改善するために有効な組成物を抽出するその他の条件としては、大豆胚芽と、前記酸が添加されたポリアミン組成物を抽出するための液(以下「酸性溶液」とも称する)との比率は、通常1〜1000g/Lである。また、大豆胚芽からポリアミン組成物を抽出するために、通常攪拌を行うが、かかる攪拌の時間としては、通常、0.5〜10時間であり、温度は、通常、25〜100℃である。
このようにして、大豆胚芽に含まれていたポリアミン等を酸性溶液中(液体画分)に十分に抽出した後に、遠心分離やろ過によって残渣と分離することによって、本発明にかかる「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」を調製することができる。遠心分離の条件としては、特に制限はないが、通常、100〜10000×Gの遠心力を0.1〜60分間かけて行うことができる。ろ過の条件としても、特に制限はなく、通常、1〜5000μmの孔径のフィルターを用いて行うことができる。また、「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」(前記液体画分)は、必要に応じて、イオン交換法、ゲルろ過法、膜分画法、電気透析法、溶媒抽出法、減圧濃縮法、加熱処理法等により、濃縮してもよい。
さらに、「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」は、必要に応じて、中和処理してもよい。かかる中和処理においては、中和剤として、例えば、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム等のアルカリ金属の水酸化物、弱酸塩が用いられる。
また、安全性の観点から、「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」には、殺菌処理を施してもよい。かかる殺菌処理としては、加熱殺菌、加圧殺菌、放射線殺菌、フィルター除菌等が挙げられる。
さらに、「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」は、必要に応じて、スプレードライやフリーズドライ等の処理を施すことにより、乾燥させ、粉末としてもよい。
本発明にかかる「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」のポリアミン含有比率としては、好ましくは、0.01〜50質量%であり、より好ましくは、0.05〜5質量%である。また、「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」のスペルミジン及びスペルミンの含有比率としては、好ましくは、各々0.008〜40質量%及び0.002〜10質量%であり、より好ましくは、各々0.04〜4質量%及び0.01〜1質量%である。
また、このようにして調製される「大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物」は、例えば、そのまま、本発明の造精機能障害を改善するための組成物として使用してもよいし、後述の通り、他の成分と組み合わせることにより、本発明の造精機能障害を改善するための組成物として使用してもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、本実施例は、下記飼料及び実験動物、並びに試験方法を用いて行った。
(ポリアミン含有試験飼料)
ポリアミン非含有試験飼料は、標準的なげっ歯類用飼料(オリエンタルバイオ株式会社製)製造の際に、該飼料の成分である大豆油(ポリアミンを豊富に含有する原材料)の代わりに、コーン油を混合することにより、調製した。
ポリアミン含有試験飼料は、合成スペルミジン及びスペルミン(和光純薬工業株式会社製)を前記ポリアミン非含有試験飼料に各々、飼料中のポリアミン含有率が0.01及び0.04質量%になるよう混合して調製した。なお、高速液体クロマトグラフ法により、当該試験飼料中のポリアミン濃度(スペルミジン及びスペルミンの濃度)を測定した結果、0.034質量%であり、スペルミジンの濃度は240μg/gであり、スペルミンの濃度は94μg/gであった。
また、下記大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物と、ポリアミン非含有試験飼料とを、質量比5対95にて混合して、大豆由来ポリアミン含有試験飼料を調製した。なお、高速液体クロマトグラフ法により、当該試験飼料中のポリアミン濃度(スペルミジン及びスペルミンの濃度)を測定した結果、0.012質量%であり、スペルミジンの濃度は80μg/gであり、スペルミンの濃度は31μg/gであった。
なお、これら試料はペレットにして、後述のマウスに与えた。
(大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物)
大豆胚芽から酸抽出にてポリアミン組成物を調製するために、先ず、大豆(品種名;銀河、WONDER等)の胚芽を採取した。そして、得られた胚芽を水又は弱塩基性溶液(pH12〜13の水酸化ナトリウム水溶液)にて洗浄し、ポリアミンの抽出効率を上げるために、該胚芽に付着した夾雑物を除去した。次いで、洗浄した胚芽を、pH2.5〜3.5の酸性溶液(0.1Mのクエン酸水溶液)に加え、60℃にて攪拌しながら、1時間かけて処理した。そして、この処理物を100メッシュフィルター(孔径:150μm)に通した後、さらにろ紙(孔径:5μm)に通すことにより、試料残渣を大豆胚芽の酸抽出液から除去した。そして、回収した酸抽出液を減圧濃縮にて濃縮した。次いで、得られた濃縮物に水酸化ナトリウムを加えることにより中和処理し、スプレードライすることにより粉末化した。
(実験動物)
BRIAN L.SAILERら、Journal of Andrology、1997年、18巻、3号、294〜301ページに記載の方法を参照し、熱ストレス性の造精機能障害モデルマウスを調製した。すなわち、ICRマウス(オス、7週齢)を麻酔下にて、その下半身を42℃の温水に30分浸水させ、精巣に熱ストレスを負荷させることにより、造精機能障害モデルマウスを調製した。なお、この熱ストレスを負荷させる前は、ポリアミン非含有試験飼料を与えて飼育した。
また、精子細胞の形成は、精巣の曲精細管内にて行われる。曲精細管内では、その一番外側(基底膜)に精原細胞(精祖細胞)があり、そこから管の中央に向かって、当該細胞が、精母細胞、未熟な精子細胞(円形精子細胞)、成熟した精子細胞(精子)へと分化、増殖しながら移動する。したがって、曲精細管の断面の中心付近には精子細胞が局在することとなる。
しかしながら、前記造精機能障害モデルマウスの曲精細管内では、熱ストレスにより造精機能が低減しているため、曲精細管の断面の中心付近には精子細胞がほぼ存在せず、脱落した状態になっていることが知られている。
(試験方法)
前述の通り、ICRマウスに熱ストレスを負荷した後、摂取させる飼料を、ポリアミン非含有試験飼料から、前記ポリアミン含有試験飼料(実施例1)又は大豆由来ポリアミン含有試験飼料(実施例2))に切り替えて、1週間飼育した。また、熱ストレス付与後も引き続き、ポリアミン非含有試験飼料を1週間摂取させたマウス(比較例1)も用意した。なお、飼育は、温度・湿度制御環境下、12時間毎の明/暗サイクルにて、前記試験飼料、及び水を不断に与えて飼育した。また、本実施例における全ての動物実験は、自治医科大学動物実験指針に従って行った。
そして、前記1週間飼育後に、精巣を摘出し、常法に従って、10%ホルマリンにて固定して、精巣の曲精細管の断面を切片にし、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を施した(三菱化学メディエンス株式会社にて実施)。その後、このようにして作製した組織標本を、光学顕微鏡にて病理学的観察した。得られた拡大画像を図1〜3に示す。
また、得られた拡大画像を、画像解析ソフト(image Jソフトウェア、http://rsb.info.nih.gov/ij)を用いて解析し、曲精細管の断面において、精子細胞の脱落の程度を評価した。より具体的には、得られた拡大画像をモノクロにした後、さらに白黒を反転させた(図4〜6 参照)。そして、各例において、このようにして処理した複数の画像から、任意に曲精細管断面を6個選択し、それら中央部(直径100μmの領域)のグレイ値を各々測定し、平均値を算出した。曲精細管の断面において、精子細胞の脱落した箇所は、前記白黒反転処理後には黒一色となる。また、グレイ値において黒は0であるため、曲精細管中央部において精子細胞の脱落した箇所が大きい程、グレイ値は小さくなる。このようにして解析して得られたグレー値を図7に示す。
図1〜6に示す通り、ポリアミン非含有飼料を摂取させたマウス(比較例1)の精巣においては精子細胞の脱落が認められたのに対し、ポリアミン(スペルミン及びスペルミジン)含有飼料を摂取させたマウス(実施例1)において、かかる脱落はほぼ抑制されており、造精機能障害からの回復が認められた。さらに、大豆胚芽を酸抽出して得られるポリアミン組成物を混合した飼料を摂取させたマウス(実施例2)においても、前記ポリアミン含有飼料同様に、造精機能障害に対する高い改善効果が認められた。また、図7に示した結果から明らかな通り、比較例1におけるグレイ値に比して、実施例1及び2におけるそれらはいずれも2倍以上であり、前述の通り、ポリアミン摂取による造精機能障害からの高い回復効果が認められた。さらに、得られたグレイ値に関し、分散分析法にて解析した結果、比較例1と実施例1及び2との間にて、統計上の有意差(p<0.01)が認められた。
したがって、ポリアミンは、造精機能障害に対する高い改善効果を有していることが明らかになった。
以上説明したように、本発明によれば、造精機能障害を改善することが可能となる。本発明の組成物の有効成分であり、また本発明の方法において摂取させる対象であるポリアミンは、食経験豊富な様々な植物、動物に含有されているので、本発明は副作用少なく安全に造精機能障害を改善することができる。さらに、ポリアミンは経口投与でも高い改善効果を奏することができるため、本発明は、非侵襲性投与によって身体面においても負担をかけることなく、造精機能障害を改善することができる。
したがって、本発明は、造精機能障害及びそれによる不妊症の治療及び予防において有用である。さらに、家畜を対象としても、高温多湿の夏季において生じる夏季不妊症の改善において、本発明は有用である。

Claims (2)

  1. スペルミン及びスペルミジンからなる群より選択される少なくとも一の化合物を有効成分とする、熱ストレス性の造精機能障害を改善するための組成物。
  2. スペルミン及びスペルミジンからなる群より選択される少なくとも一の化合物非ヒト動物に摂取させる工程を含む、該非ヒト動物の熱ストレス性の造精機能障害を改善するための方法。
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