JP5742060B2 - ネギ属由来の成分を含む免疫賦活剤及び免疫賦活剤の製造方法 - Google Patents

ネギ属由来の成分を含む免疫賦活剤及び免疫賦活剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、免疫賦活剤、免疫賦活剤の製造方法、免疫賦活成分を含む食品組成物、及び免疫賦活成分を用いた免疫賦活方法に関する。
ネギ属に属する植物は、栄養学的に、カロチン、ビタミンC、カリウム等の成分を多量に含む野菜とされている。また、ネギ属に属する植物は、独特の刺激臭があり、さらに辛みの元となるアリイン等のS−アリル(アルケニル)システインスルホキシド類を含むことがその特徴として知られている。これらの特徴により、ネギ属に属する植物は、交感神経を刺激してビタミンB1の吸収を高め、消化液の分泌を促す効果があるとされている。
ネギ属に属する植物のいくつかは、その機能性により健康食品等に利用されている。健康食品等に利用されるネギ属に属する植物の機能性として、タマネギの外皮由来のケルセチンによる抗酸化作用、ニンニクのアリシンによる滋養強壮作用、発酵黒ニンニクによる抗酸化作用等が知られている。
ネギ属に属する植物のうち、特にアジア圏で広く利用されているネギ(葱、Allium fistulosum)は、日本において収穫量が年間約50万トンに及ぶ主要作物である。ネギは、従来、民間伝承的に風邪等の予防に効果的であるとされており、その免疫賦活作用が期待されている。ネギと同様にネギ属に属するタマネギ(Allium cepa)は、世界での年間生産量は6600万トンにおよび、入手が容易である。なお、タマネギについては、ネギについて知られているような免疫賦活に関する民間伝承は知られていない。
特許文献1〜4には、ネギが免疫賦活作用を有することが記載されており、これを利用した食品又は飲料に関する技術が、特許文献1〜4に記載されている。また、ネギから抽出した成分において、インフルエンザに対する有用性を評価した調査が発表されている(非特許文献1)。さらに、非特許文献2〜4には、タマネギ由来の成分がサイトカイン産生、又はこれに関連するシグナル伝達に影響を及ぼすことが記載されている。
日本国公開特許公報「特開2001−190251号公報(2001年7月17日公開)」 日本国公開特許公報「特開2001−190252号公報(2001年7月17日公開)」 日本国公開特許公報「特開2004−357509号公報(2004年12月24日公開)」 日本国公開特許公報「特開2002−020305号公報(2002年1月23日公開)」
高野美耶ら、2009年度日本農芸化学会関西・中四国・西日本支部、日本栄養・食糧学会九州・沖縄支部、日本食品科学工学会西日本支部、合同沖縄大会要旨集,p72 Lin JY, Tang CY, Journal of Food Composition and Analysis, 21(1), p45-53(2008) Tang CH, et al., Osteoporosis International, 20(1), p93-103(2009) Ban JO, et al., Archives of Pharmacal Research, 30(11), p1455-1463(2007)
しかしながら、特許文献1〜4においては、ネギの免疫賦活作用の作用機序、有効成分、物性等は明らかにされておらず、さらに記載された技術による免疫賦活作用の評価もされていない。したがって、特許文献1〜4に記載の技術によって、実際に免疫賦活作用が得られるのか否かは明らかではない上に、ネギに含まれるいずれの成分により免疫賦活作用が得られるのかが不明であるため、その成分を効率よく取り出して利用することができない。
また、非特許文献1においても、同様に、ネギに含まれるいずれの成分がインフルエンザに対して有用であるのかが不明であるため、ネギ全体から有用な成分を取り出す必要があり、その他の部分が無駄になってしまう。さらに、非特許文献2〜4に記載の技術においても、タマネギの可食部位から抽出した成分を利用しており、必要な成分を抽出した後の残渣が無駄になり、食用部分を大量に廃棄することになってしまう。したがって、ネギ及びタマネギから目的とする有用な成分を効率よく取り出し、食用部分を無駄にすることなく利用することができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ネギ又はタマネギから免疫賦活作用を有する成分を効率よく取り出し、これを利用した免疫賦活剤、免疫賦活剤の製造方法、食品組成物、及び免疫賦活方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る免疫賦活剤は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部(可食部(鱗茎部)を除いた葉鞘部及び葉身部を含む部位)から抽出された免疫賦活成分を含むことを特徴としている。
本発明に係る免疫賦活剤の製造方法は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を抽出する抽出工程を含むことを特徴としている。
本発明に係る食品組成物は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された後に乾燥された免疫賦活成分と、当該免疫賦活成分以外の添加剤を含むことを特徴としている。
本発明に係る免疫賦活方法は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分を投与する投与工程を含むことを特徴としている。
本発明に係る免疫賦活剤は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分を含んでいるので、ネギ又はタマネギから効率よく取り出された免疫賦活成分を含む免疫賦活剤を提供することができる。
図1中の(a)〜(b)は、本発明の一実施形態に係る免疫賦活剤によるサイトカインの生成促進効果を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る免疫賦活剤によるマクロファージの貪食作用促進効果を示すグラフである。 図3中の(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る免疫賦活剤において、サイトカインの生成促進効果に及ぼす免疫賦活成分の抽出部位の影響を調査したグラフである。 本発明の一実施形態に係る免疫賦活剤において、免疫賦活成分の耐熱性を調査したグラフである。 本発明の一実施形態に係る免疫賦活剤において、サイトカインの生成促進効果に及ぼす免疫賦活成分の抽出方法の影響を調査したグラフである。 ネギ由来の免疫賦活成分とタマネギ由来の免疫賦活成分とにおいて、サイトカインの生成促進効果を比較したグラフである。
〔免疫賦活剤〕
本発明に係る免疫賦活剤は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部(可食部(鱗茎部)を除いた葉鞘部及び葉身部を含む部位)から抽出された免疫賦活成分を含んでいる。
本発明において用いられるネギは、ユリ科ネギ属に属する植物であり、Allium fistulosumの学名で表されるものが意図される。本発明において用いられるネギは、根深ネギであっても葉ネギであってもよく、その品種や栽培方法、採集時期等も限定されない。
根深ネギとして、加賀群加賀系のネギ、加賀群下仁田系のネギ、千住群黒柄系のネギ、千住合黒系のネギ、千住合柄系のネギ、千住赤柄系のネギ、九条群越津系のネギ、晩抽性のネギ、不抽苔性のネギ、赤ネギ等が挙げられる。また、葉ネギとして、九条群九条太系のネギ、九条群九条細系のネギ、九条群越津系のネギ、加賀群岩槻系のネギ、不抽苔性のネギ、やぐら性のネギ等が挙げられる。さらに、上述したもの以外の、中国、モンゴル等の外国原産のネギも好適に使用可能である。
ネギは、主に緑色の葉身部、白色の葉鞘部、及び根部により構成される。根深ネギの場合、食用とする葉鞘部に土寄せを行い、光を当てないようにして栽培され、従来葉身部は収穫後に廃棄されている。本発明においては、特にネギの葉身内部に含まれる免疫賦活成分が用いられる。したがって、本発明によれば、通常廃棄されている根深ネギの葉身部を有効利用することができる。
後述する実施例において示すように、本発明における免疫賦活成分は、ネギの葉鞘部にはあまり含まれていない。本発明における免疫賦活成分はネギの葉身部から抽出した免疫賦活成分を用いているので、ネギ全体を使用する場合と比較して、免疫賦活成分の抽出後に無駄になる部分が少なく、効率よく免疫賦活成分を抽出することができる。また、ネギの葉身部から抽出した免疫賦活成分は、ネギの葉鞘部から抽出した免疫賦活成分と比較して、その免疫賦活効果が高いため、これを免疫賦活剤に用いることによって、より効果的に免疫賦活効果を得ることができる。
本発明において用いられるタマネギは、ユリ科ネギ属に属する植物であり、Allium cepaの学名で表されるものが意図される。本発明において用いられるタマネギにおいて、その品種や栽培方法、採集時期等は限定されず、例えば、黄タマネギ、赤タマネギ、白タマネギが挙げられる。
タマネギは、主に葉身部、鱗茎部(食用にされる球状の部位)を含む葉鞘部、並びに根部により構成され、葉身部及び葉鞘部の鱗茎部以外の部分(通称:茎葉部)は廃棄されている。本発明においては、特にタマネギの茎葉内部に含まれる免疫賦活成分が用いられる。このように、通常廃棄されている茎葉部から免疫賦活成分を抽出しているので、食用とされる鱗茎部を無駄にすることなく、効率よく免疫賦活成分を抽出することができる。
さらに、タマネギの茎葉部から抽出した免疫賦活成分は、後述する実施例において示すように、タマネギの鱗茎部から抽出した免疫賦活成分よりも免疫賦活効果が極めて高い上に、ネギの葉身部から抽出した免疫賦活成分よりも免疫賦活効果が極めて高い。したがって、これを免疫賦活剤に用いることによって、より効果的に免疫賦活効果を得ることができる。
本発明において、免疫賦活成分は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出されたものである。ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を抽出する方法としては、特に限定されず、水抽出法、熱水抽出法、加圧熱水抽出法、超臨界抽出法等が挙げられる。後述する実施例において示すように、水抽出方法によれば、免疫賦活成分の収率が高く、得られる免疫賦活成分の物性も優れているため、特に好ましい。特に、後述する実施例に示すように、水抽出方法により得られた免疫賦活成分の免疫賦活効果は、熱水抽出方法により得られたものと比較して、非常に高い。
水抽出方法は、水を溶剤として、水に可溶な成分を溶出させる方法である。使用する水の温度は、70℃未満であれば特に限定されない。ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を水抽出方法により抽出する場合、例えば、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部を長手方向に切断し、切断面に水を浸透させた後に、切断面を手でしごくように外力を加えることによって、免疫賦活成分を水中に溶出させればよい。また、このような仕組みに基づいて構成された機器等を適宜使用してもよい。
水抽出方法により抽出した場合、得られた免疫賦活成分を含む抽出物は、葉身部の組織等の不要物質の含有量が少なく、有効成分である免疫賦活成分の含有率が高い。水抽出方法により抽出された免疫賦活成分は、ネギ属植物特有の刺激臭がほとんどなく無臭であり、無色透明の粘性物質である。
熱水抽出方法は、水抽出方法において用いられる水よりも温度が高い熱水を溶剤として用い、熱水に可溶な成分を溶出させる方法である。使用する熱水の温度は、70〜100℃であり、より好ましくは90〜100℃である。また、その抽出時間は10分〜30分であることが好ましい。ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から熱水抽出方法により免疫賦活成分を抽出する場合、葉身部又は茎葉部の前処理は特に必用なく、上記条件において葉身部又は茎葉部を煎じて、その煮汁を回収すればよい。なお、熱水抽出方法の場合、水抽出方法と比較して免疫賦活成分の組織への残存量が多いので、抽出残渣を潰す、絞る等してさらに抽出処理を行うことがより好ましい。また、熱水抽出方法により抽出した場合、得られた免疫賦活成分を含む抽出物は、葉身部の組織等を多く含むため、抽出物全体としての収量は多いが、有効成分である免疫賦活成分の含有率は低く、ネギ属植物特有の刺激臭を有しており、茶色く濁った粘度の低い物質である。
また、免疫賦活成分は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された後に、さらに乾燥されてもよい。抽出された免疫賦活成分を乾燥させる方法としては、特に限定されないが、例えば、抽出物をろ過した後にフリーズドライ、ドラムドライ、スプレードライ等により乾燥させる方法等が挙げられる。
水抽出方法による抽出物を乾燥させた場合、無臭で、粒の細かい白色の粉末が得られる。一方、熱水抽出方法による抽出物を乾燥させた場合、わずかに刺激臭のする、粒の粗い茶色の粉末が得られる。免疫賦活成分を乾燥させることによって、免疫賦活成分の使用及び管理が容易となる。
本発明に係る免疫賦活剤に含まれる免疫賦活成分は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部に含まれるものであり、生体内に投与することによって、当該生体における免疫能を増強するものである。免疫賦活成分は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出することによって抽出される。免疫賦活成分は水溶性であり、この性質を利用して、水、熱水等を溶剤として抽出することができる。また、抽出された免疫賦活成分は、耐熱性がある。
ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分の物性は、その抽出方法によって異なっており、水抽出方法で抽出した場合には、得られた抽出物は粘性があり、ネギ属植物特有の刺激臭がなく、無臭であり、かつ無色透明である。一方、熱水抽出方法で抽出した抽出物は、ネギ属植物特有の刺激臭があり、茶色く濁っており、かつ水抽出方法で抽出した抽出物と比較して粘度が低い。熱水抽出方法においては、抽出物中に、免疫賦活成分以外の葉身部組織等の不要な物質がより多く含まれるため、水抽出方法による抽出物とその物性が異なる。
本発明に係る免疫賦活剤に含まれる免疫賦活成分は、サイトカインの生成を促進する、又はマクロファージの貪食作用を促進することによって、生体の免疫能力を増強させる。すなわち免疫賦活成分は、生体内の免疫機構において、特に、抗体生成よりも前段階の免疫初期の反応を活性化する。なお、本明細書において免疫賦活とは、生体の有する免疫機能を活性化する効果のみならず、高齢、若齢、疾病、ストレス等の理由で生体の免疫機能が低下している場合には、その機能を通常の状態まで回復させる効果をも含む。
免疫賦活成分が、免疫賦活作用を有しているか否かは、例えば、本発明に係る免疫賦活剤を投与した生体におけるサイトカインの生成量と、当該免疫賦活剤を投与していない生体におけるサイトカインの生成量とを比較することによって確認することができる。
本発明に係る免疫賦活剤は、生体内に経口的又は非経口的に投与されることによって、免疫賦活成分を生体内に吸収させる。生体内において、多形核白血球(PMN)やマクロファージは、血流にのって全身をパトロールする役割を担っている。
本発明に係る免疫賦活剤に含まれる免疫賦活成分は、経口投与された場合に、消化管から活性を維持した状態で吸収され、血流を介して全身に運ばれ、白血球からのサイトカインの生成を促し、マクロファージの貪食作用を向上させる。
本発明に係る免疫賦活剤の免疫賦活活性は、例えば免疫賦活成分を投与した生体におけるTNF(tumor necrosis factor)−αの生成量(pg/mL)により表される。本発明に係る免疫賦活剤の免疫賦活成分が経口投与において効果的であることは後述する実施例で証明しており、かつin vitroでも再現可能であることを示しているため、便宜的にはRAW264細胞、J774.1細胞等のマクロファージ系細胞株の培養系に、評価対象(サンプル)を添加した際におけるTNF−α等の炎症性サイトカインの生成量を指標としてもよい。
具体的には、上記の細胞等を(1×10cells/200μL/well)に調整後に96穴プレートに播種し、数時間のプレインキュベーション後、PBS(−)等で洗浄し、FCS(牛胎児血清)を添加したRPMI1640、E’MEM等の培地に溶解したサンプル(1〜1000μg/mL)を添加し、18時間後に、培養上清を採取する。上清中のTNF−α等の炎症性サイトカインをELISA(酵素免疫定量)、バイオアッセイ等で測定する。なお、実験条件は、用いる実験施設や実験条件等により、適宜アレンジしてもよい。また、例えば、サンプルの添加量を1mg/mLに定めた場合のサイトカイン誘導活性をロット管理、規格値等の指標としてもよい。なお、規格値を設けるには、細胞の培養条件、状態等により、活性が振れる場合があるので、ネガティブ・コントロール(培地のみ)やポジティブ・コントロール(LPS(リポ多糖)等)を設け、それらの活性と比較した相対値として取り扱うことが好ましい。また、TNF−αに限らず、IL(interleukin)−1、IL−6、IL−12、MCP(monocyte chemotactic protein)−1等の他の炎症性サイトカインの生成量を指標としてもよいし、本実験系に限らず、real time PCR等の他の実験系によりサイトカイン遺伝子の発現量を把握してもよい。
本発明に係る免疫賦活剤は、免疫賦活成分と薬学的に許容される担体とを混合し、錠剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等として経口投与してもよく、また注射剤、坐薬、舌下錠等として、静脈内、皮下及び筋肉内等に非経口投与してもよい。薬学的に許容される担体として、従来公知の各種有機又は無機担体物質を用いることが可能であり、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。また、免疫賦活剤は、必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加剤を含んでいてもよい。
経口的又は非経口的に生体内に投与される免疫賦活剤における免疫賦活成分の濃度は、特に限定されない。また、免疫賦活剤の投与量は、投与の対象となる生体の年齢、体重、性別、目的とする免疫賦活効果の程度等によって適宜選択可能である。また、免疫賦活剤の投与期間についても、目的とする免疫賦活効果が得られるように適宜選択することができる。本発明に係る免疫賦活剤の投与量は、例えば、投与対象の体重1kgに対して、1日あたり0.3〜3mgであってもよく、投与期間は、例えば、少なくとも1日〜2日間であってもよい。本発明に係る免疫賦活剤は、生体内の免疫機構における比較的初期段階の免疫反応に作用するので、生体内においてその免疫賦活効果が投与開始から早期に現れる。
本発明に係る免疫賦活剤は、感染やストレス、老化、疾病等による生体の免疫能力の低下に基づくと考えられる各種疾患を予防、初期の癌細胞の排除、過剰な脂質や糖質の排除、自己老廃物の排除等の作用を向上させるために使用することが可能である。より具体的には、本発明に係る免疫賦活剤は、哺乳動物(例えば、マウス、ネコ、イヌ、牛、馬、羊、山羊、家兎、ヒト等)、鳥類、魚類、軟体動物(貝類等)等に対して免疫賦活作用を発揮し、各種細菌、真菌、ウイルス感染症等の治療または予防に有用である。例えば、本発明に係る免疫賦活剤を、腫瘍を保持する哺乳動物に投与することにより、延命効果を発揮することができる場合がある。
本発明に係る免疫賦活剤を用いることができる対象疾患としては、各種白血病、悪性リンパ腫、骨肉腫、悪性黒色腫、悪性絨毛上皮、筋肉腫、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、膵癌、胃及び腸等の消化器癌、肺癌、食道癌、頚頭部腫瘍、脳腫瘍、肝癌等のウイルス性腫瘍等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明に係る免疫賦活剤を、細菌やウイルスの感染等に先立って予め摂取しておくと、感染しにくく、さらに、感染しても治りやすいという予防的作用が得られる。したがって、本発明に係る免疫賦活剤を、健康食品や医薬品として生体に日頃から摂取させておいてもよい。また、本発明に係る免疫賦活剤は、鳥類、魚類、軟体動物(貝類等)等の養殖用飼料に配合して用いてもよい。
本発明に係る免疫賦活剤は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分を含んでいるので、ネギ又はタマネギの他の部分から抽出された成分を含む場合よりも免疫賦活作用が高い。また、ネギ又はタマネギ全体から免疫賦活成分を抽出する場合と比較して、抽出後に無駄になる部分が少なく、効率よく免疫賦活成分を抽出することができる。特に、根深ネギを用いた場合や、タマネギを用いた場合には、従来食用とされずに廃棄されていた部位をリサイクルすることができるので、廃棄コストの低減及び資源の有効利用を図ることができる。
現在、特に根深ネギの大規模生産地では、自動ネギ収穫機によりネギを収穫し、自動根切機、自動皮剥機、自動葉切機等によって処理して規格化し、出荷する。このようなシステムが導入されていない産地であっても、葉身部は圃場又は集荷場で切り取られて廃棄されている。大量に生じた不要な葉身部は、その廃棄に手間がかかり、問題とされている。
本発明によれば、このように通常廃棄されている部位を利用するので、未利用資源の利用を促進することができる。また、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部からの有効成分の抽出方法も既存の施設を利用して対応可能なことから、産業化も容易である。したがって、廃棄物の減量化、リサイクルの推進、及び農家の副次産業化にも繋がる。また、得られた免疫賦活成分を健康食品産業に利用可能であり、各種疾患予防にも貢献するという有用情報が普及することによって、ネギ及びタマネギの消費拡大に繋がり、農業の活性化に寄与し得る。
〔免疫賦活剤の製造方法〕
本発明に係る免疫賦活剤の製造方法は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を抽出する抽出工程を含んでいる。本発明に係る免疫賦活剤の製造方法において抽出される免疫賦活成分は、上述した本発明に係る免疫賦活剤に含まれる免疫賦活成分と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
(抽出工程)
本発明に係る免疫賦活剤の製造方法の抽出工程においては、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を抽出する。抽出工程においてネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を抽出する方法としては、特に限定されず、上記免疫賦活剤の項目で列挙した抽出方法を採用することができる。抽出工程においては、上述したいずれかの抽出方法によって、免疫賦活成分を可溶な溶剤を用いて、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を溶出させればよい。
抽出工程において得られた抽出物は、水抽出方法を用いた場合には、ネギ属植物特有の刺激臭がほとんどなく、無色透明の粘性物質である。また、熱水抽出方法を用いた場合には、抽出工程において得られた抽出物は、ネギ属植物特有の刺激臭を有しており、茶色く濁った粘度の低い物質である。抽出工程において、水抽出方法により抽出した抽出物中に含まれる免疫賦活成分以外の不要物質の含有量は、他の方法によるものよりも少なく、有効成分である免疫賦活成分が高い収率で得られるため好ましい。
また、抽出工程においてネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出物を得た後に、ネギ又はタマネギの抽出残渣をホモジェナイズして絞る等によって、抽出残渣に残存する免疫賦活成分をさらに取り出してもよい。
(乾燥工程)
さらに、本発明に係る免疫賦活剤の製造方法は、抽出工程において、免疫賦活成分を抽出した後、当該免疫賦活成分を乾燥させる乾燥工程をさらに含んでいてもよい。抽出された免疫賦活成分を乾燥させる方法としては、上記免疫賦活剤の項目で列挙した乾燥方法を採用することができる。
水抽出方法により抽出された抽出物を乾燥工程において乾燥させた場合、無臭で、粒の細かい白色の粉末が得られる。一方、熱水抽出方法により抽出された抽出物を乾燥工程において乾燥させた場合、わずかに刺激臭のする、粒の粗い茶色の粉末が得られる。
本発明に係る免疫賦活剤の製造方法によれば、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から免疫賦活成分を抽出するので、より免疫賦活作用の高い免疫賦活成分を抽出することが可能である。また、本発明に係る免疫賦活剤の製造方法によれば、ネギ又はタマネギ全体から免疫賦活成分を抽出する場合と比較して、抽出後に無駄になる部分が少なく、効率よく免疫賦活成分を抽出することができる。
〔食品組成物〕
本発明に係る食品組成物は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分を含んでいる。また、本発明に係る食品組成物は、当該免疫賦活成分以外の添加剤をさらに含んでいてもよい。本発明に係る食品組成物に含まれる免疫賦活成分は、上述した本発明に係る免疫賦活剤に含まれる免疫賦活成分と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
本発明に係る食品組成物に含まれる免疫賦活成分以外の添加剤としては、免疫賦活成分の免疫賦活効果を損なわない限り、任意の所望成分であればよく、例えば、pH調整剤、有機酸、糖アルコール、甘味料、香料、ビタミン類、骨代謝ビタミン類、抗酸化剤、賦形剤、可溶化剤、結合剤、滑沢剤、懸濁剤、湿潤剤、皮膜形成物質、矯味剤、矯臭剤、着色料、保存剤、抗菌剤、殺菌剤、抗炎症剤等の食品組成物において通常用いられている添加剤が挙げられる。
本発明に係る食品組成物は、生体に経口摂取させることによって、当該生体内に免疫賦活成分を吸収させ、当該生体内における免疫機能を増強させる。したがって、当該食品組成物は、経口摂取が容易な形態であることが好ましく、例えば、トローチ、タブレット、カプセル、顆粒、粉末ジュース、チューインガム、キャンディ、グミキャンディ等の形態であればよい。また、本発明に係る食品組成物は、鳥類、魚類、軟体動物(貝類等)等の養殖用飼料に配合して用いてもよい。
本発明に係る食品組成物は、上述した免疫賦活成分の抽出方法によって抽出された免疫賦活成分と上記添加剤とを混合することによって製造することができる。また、免疫賦活成分と添加剤とは、同時に又は別々に混合してもよく、その形態又は剤型において従来公知の方法により調製することができる。
本発明に係る食品組成物に含まれる免疫賦活成分の量は、食品組成物の形態、摂取させる生体の年齢、体重、性別、目的とする免疫賦活効果の程度等に応じて適宜設定することが可能である。また、本発明に係る食品組成物の摂取量及び摂取期間についても、適宜設定することが可能であるが、例えば、投与対象の体重1kgに対して、1日あたり0.3〜3mgを、少なくとも1日〜2日間摂取すればよい。
本発明に係る食品組成物は、感染やストレス、老化、疾病等による生体の免疫能力の低下に基づくと考えられる各種疾患を予防、初期の癌細胞の排除、過剰な脂質や糖質の排除、自己老廃物の排除等の作用を向上させるために使用することが可能である。本発明に係る食品組成物を、細菌やウイルスの感染等に先立って予め摂取しておくと、感染しにくく、さらに、感染しても治りやすいという予防的作用が得られる。したがって、本発明に係る食品組成物を、健康食品や医薬品として生体に日頃から摂取させておいてもよい。
本発明に係る食品組成物には、免疫賦活成分を含む保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品等)及び栄養補助食品等のいわゆる健康食品が含まれる。また、本発明に係る食品組成物には、免疫賦活成分を飲食物の製造原料の一つとして用いて調製された健康食品を含む一般食品の他、免疫賦活成分を飲食物の製造原料の一つとして用いて調製された保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品等も含まれる。
なお、特定保健用食品(条件付き特定保健用食品を含む)は、その包装容器などに、日本国厚生労働省が承認または認可した機能表示または保健用途の表示をすることが可能な食品である。本発明において特定の保健の目的は、免疫機能の活性化、具体的には免疫機能の低下に起因する疾患の治療および改善であり、表示の一例として、関係法規の許される範囲で「免疫賦活作用」を挙げることができる。特定保健用食品において、このような表示が認められれば、一般食品と差別化を図ることができるため、本発明に係る食品組成物の好適な一態様である。
本発明に係る食品組成物は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分を含んでいるので、短期間の摂取でより効率よく免疫賦活効果が得られる食品組成物を提供することができる。また、当該食品組成物に含まれる免疫賦活成分は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出されるので、ネギ又はタマネギ全体から抽出する場合と比較して、抽出後に無駄になる部分が少なく、効率よく抽出された免疫賦活成分を利用することができる。
〔免疫賦活方法〕
本発明に係る免疫賦活方法は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分を投与する投与工程を含んでいる。本発明に係る免疫賦活方法において用いられる免疫賦活成分は、上述した本発明に係る免疫賦活剤に含まれる免疫賦活成分と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
本発明に係る免疫賦活方法の投与工程において、免疫賦活成分は、生体内に経口的又は非経口的に投与されてもよい。当該投与工程において生体(投与対象)内に投与された免疫賦活成分は、生体内に吸収され、血流を介して末梢組織に運ばれ、サイトカインの生成を促し、マクロファージの貪食作用を向上させる。
本発明に係る免疫賦活方法の投与工程において、免疫賦活成分は、薬学的に許容される担体とともに生体内に投与されてもよい。また、投与する免疫賦活成分の形態は、特に限定されず、錠剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等として経口投与してもよく、また注射剤、坐薬、舌下錠等として、静脈内、皮下及び筋肉内等に非経口投与してもよい。薬学的に許容される担体として、上記免疫賦活剤の項目で列挙したものを採用することができる。
本発明に係る免疫賦活方法の投与工程において、経口的又は非経口的に生体内に投与される免疫賦活成分の投与量は、投与の対象となる生体の年齢、体重、性別、目的とする免疫賦活効果の程度等によって適宜選択可能である。また、免疫賦活成分の投与期間についても、目的とする免疫賦活効果が得られるように適宜選択することができる。本発明に係る免疫賦活方法の投与工程において、免疫賦活成分の投与量は、例えば、投与対象の体重1kgに対して、1日あたり0.3〜3mgであってもよく、投与期間は、例えば、少なくとも1日〜2日間であってもよい。
本発明に係る免疫賦活方法によれば、投与工程においてネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された免疫賦活成分を投与するので、投与された生体内において、短期間でより効率よく免疫賦活効果が得られる。また、投与される免疫賦活成分は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出されるので、ネギ又はタマネギ全体から抽出する場合と比較して、抽出後に無駄になる部分が少なく、効率よく抽出された免疫賦活成分を利用することができる。
また、本発明に係る免疫賦活剤において、上記免疫賦活成分は、上記ネギの葉身部、又は上記タマネギの茎葉部から水抽出されたものであることが好ましい。さらに、本発明に係る免疫賦活剤において、上記免疫賦活成分は、粘性物質であることが好ましく、さらに無臭であることが好ましい。また、本発明に係る免疫賦活剤において、上記免疫賦活成分は、抽出された後に乾燥されたものであることが好ましく、さらに白色の粉体であることが好ましい。
さらに、本発明に係る免疫賦活剤は、サイトカインの生成、又はマクロファージの貪食作用を促進することが好ましい。
また、本発明に係る免疫賦活剤は、経口投与されることが好ましく、さらに、投与対象の体重1kgに対して、1日あたり0.3〜3mgを、少なくとも1〜2日間投与されることが好ましい。
また、本発明に係る免疫賦活剤の製造方法は、上記抽出工程において、上記免疫賦活成分を水抽出することが好ましい。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(1:免疫賦活成分の抽出)
農研機構 野菜茶業研究所(三重県津市)において12ヶ月間(2008年4月8日播種、2009年4月8日収穫)栽培され、抽出処理の1日前に収穫された下仁田ネギの葉身部を長手方向に垂直に切断し、約20℃の蒸留水中にその切断面全体を30分間浸した。葉身部を手でしごくようにして、吸水してゲル状になった葉身内部の成分を削ぎ落とした後、葉身部組織を取り出し、残った液体を口径1mmのナイロンメッシュ(サンプラテック社製)でろ過した。ろ過により得られた液体は、一定の粘度のある粘液であり、ネギ特有の刺激臭がなく、無色透明であった。
この粘液をアルミトレイに移し、−20℃で凍結後、EYELA製棚式凍結乾燥機(FD−550)にて2日間乾燥させた。その結果、11本の下仁田ネギ(5.5kg:うち葉身部は3.2kg)から約38.5gの凍結乾燥物が得られた。得られた凍結乾燥物は、非常に軽いスポンジ状であり、容易に粉砕出来、生成した粉末は白色であった。
(2:サイトカインの生成の促進)
日本SLCから5週齢で入手し、1週間の予備飼育後、体重29〜32gの6週齢のICRマウスのオスに、上記1.で得られた粉末10mgを400μLの蒸留水に溶解させて調整したネギ粘液を胃ゾンデにより胃内に経口投与した(n=7:同様の実験を3回実施)。コントロール群のマウスには、蒸留水400μLを同様に投与した。投与から24時間後に再度同様にネギ粘液を経口投与した。2回目の投与の3時間後に、マウスの腹腔に22G注射針付5ミリシリンジを用いて、4℃に冷却したPBS(−)5mLを投与した後、これをすぐに採集して、腹腔細胞を含む腹腔液を得た。採取した腹腔液の量はシリンジの目盛より把握した(概ね3〜4mL回収)。
次いで、採集した上記腹腔液を遠心して、遠心上清をアスピレーターにて除去した後、1×10cells/mLになるように10%FCSを添加したRPMI1640に浮遊させ、96穴プレートに200μL播種した。COインキュベーターにて18時間培養した後、培養上清を採取し、ELISAキット(BioLegend社製)を用いて、TNF−α及びIL−12の生成量を測定した。結果を図1中の(a)及び(b)に示す。
図1に示すように、ネギ粘液を2回経口投与したマウスから採取した腹腔細胞においては、コントロール(図1中の(a)及び(b)におけるDDW)と比較してTNF−α及びIL−12の生成量が有意に増加した。なお、P<0.05は2標本t検定による有意差を示す。
(3:マクロファージの貪食作用の促進)
上記2.と同様に細胞数を調整した腹腔液を96穴プレートに播種し、酵母由来のザイモザンで、かつ、貪食された際に450nmの波長で発色する特殊加工がなされた試薬(CytoSelect:コスモ・バイオ社製)を添加し、その貪食作用を調べた。結果を図2に示す。
図2に示すように、ネギ粘液を2回経口投与したマウスから採取した腹腔細胞においては、コントロール(図2中のDDW)と比較してザイモザンの貪食能が有意に向上した。
(4:抽出部位の比較)
免疫賦活成分の免疫賦活作用を、その抽出部位により比較した。まず、上記1.と同様に、ネギの葉身部から粘液を抽出した。粘液を抽出した葉身部の残渣と、葉鞘部とをそれぞれホモジェナイズした後、口径1mmのナイロンメッシュ(サンプラテック社製)でろ過した。ろ液をフリーズドライにより乾燥させ、葉身部残渣由来の粉末3.3gと、葉鞘部由来の粉末68.2gとをそれぞれ得た。
粘液由来の粉末、葉身部残渣由来の粉末、及び葉鞘部由来の粉末を、各種濃度で10%FCS−E’−MEM培地に溶解させた溶液を作製し、1×10 cells/200μL/wellに調整して96穴プレートに播種し、6時間前培養したマクロファージ系細胞株RAW264(理化学研究所バイオソースセンターより購入)の培養系にそれぞれ添加した。添加18時間後に上清を採取し、ELISAキット(BioLegend社製)を用いて各種サイトカイン量を測定した。結果を図3中の(a)〜(c)に示す。
図3中の(a)〜(c)に示すように、TNF−α(図3中の(a))、IL−6(図3中の(b))、及びMCP−1(図3中の(c))の何れも、粘液由来の粉末を含む溶液に対して、濃度依存的に増加した。したがって、ネギに含まれる免疫賦活成分は、葉身内部の粘液中に含まれていることが示された。なお、葉身部残渣由来の粉末を含む溶液に対して、わずかに各サイトカイン量が増加しているのは、残渣中に残存する粘液の作用によるものであると言える。なお、図3中のアスタリスク(*)は、*がP<0.05、**がP<0.01、***がP<0.001(Dunnett検定による)を示す。
(5:耐熱性の検討)
上記1.と同様に、ネギの葉身部から抽出した免疫賦活成分をプラスチック製フタ付試験管に5mg計り取り、蒸留水にて1mg/mLになるように溶解させた。これらを種々の条件(40〜100℃で10分間、100℃で5〜60分間、オートクレーブ)で加熱処理後、−20℃で凍結させた後、EYELA製棚式凍結乾燥機(FD−550)にて1日間フリーズドライした。これらに、10%FCS−E’−MEM培地を添加し、再度1mg/mLになるように溶解させた。これらを、96穴プレートに1×10 cells/200μL/wellの細胞濃度で播種し、6時間前培養したマクロファージ系細胞株RAW264(理化学研究所バイオソースセンターより購入)の培養系に培地交換後に添加した。添加18時間後に上清を採取し、ELISAキット(BioLegend社製)を用いてTNF−α量を測定した。結果を図4に示す。
図4に示すように、TNF−α誘導活性が各種熱処理で失活しなかったことから、本免疫賦活物質は耐熱性であることが示された。
(6:抽出方法の比較)
免疫賦活成分の免疫賦活作用を、その抽出方法により比較した。まず、上記1.と同様の方法でネギ(品種は吉蔵)の葉身部から粘液を水抽出した。得られた粉末(水抽出物)の収率(対葉身部重量)は0.32%であった。
次に、別途用意した上記ネギ(品種は吉蔵)の葉身部を100℃の熱水で30分間煮出した。得られた液体は、粘性がなく、ネギ特有の刺激臭があり、茶色く濁っていた。この液体をアルミトレイに移し、−20℃で凍結後、EYELA製棚式凍結乾燥機(FD−550)にて2日間フリーズドライさせた。熱水抽出物の乾燥粉末は、若干の刺激臭があり、茶色く、粒度の荒く、収率は、2.37%であった。
また、熱水抽出後の抽出残渣に活性成分である粘液が残存したので、それをホモジェナイズした後、口径1mmのナイロンメッシュ(サンプラテック社製)でろ過し、得られたろ液をフリーズドライにより乾燥させ、粉末を得た。熱水抽出(残渣)の粉末の収率は2.79%であった。
水抽出物、熱水抽出物、及び熱水抽出(残渣)を、各種濃度で10%FCS−E’−MEM培地に溶解させた溶液を作製し、1×10 cells/200μL/wellに調整し、96穴プレートに播種し、6時間前培養したマクロファージ系細胞株RAW264(理化学研究所バイオソースセンターより購入)の培養系にそれぞれ添加した。添加18時間後に上清を採取し、ELISAキット(BioLegend社製)を用いてTNF−α量を測定した。結果を図5に示す。
図5に示すように、水抽出物を添加したときのTNF−α量は、熱水抽出物、及び、熱水抽出(残渣)を添加したときのTNF−α量より高く、比活性(同等の活性を得るのに要する必要量)が約10倍も高いことが示された。上記4.において粘液以外には免疫賦活成分が含まれておらず、また、上記5.において本免疫賦活成分が耐熱性であることが示されたことから、熱水抽出物および熱水抽出残渣の活性が水抽出物の活性より劣ったのは、活性に関与しない成分も抽出されたためと考えられる。したがって、本免疫賦活成分は熱水抽出によっても抽出可能であるが、得られる抽出物は性状及び風味が全く異なるのみならず、活性も低くなると考えられる。
(7:ネギ由来の免疫賦活成分とタマネギ由来の免疫賦活成分との比較)
免疫賦活成分の免疫賦活作用を、抽出する植物により比較した。まず、上記1.と同様にネギの葉身部から粘液を水抽出した、得られた粉末(水抽出物)の収率(対葉身部重量)は0.32%であった。
また、タマネギの茎葉部からも同様の方法により抽出を行い、得られた粉末(水抽出物)の収率(対茎葉部重量)は1.09%であった。それぞれ以下に示す方法で粘液を水抽出した。
タマネギの茎葉部粘液由来の粉末、及びネギの葉身部粘液由来の粉末を、各種濃度で10%FCS−E’−MEM培地に溶解させた溶液を作製し、1×10 cells/200μL/wellに調整し、96穴プレートに播種し、6時間前培養したマクロファージ系細胞株RAW264(理化学研究所バイオソースセンターより購入)の培養系にそれぞれ添加した。添加18時間後に上清を採取し、ELISAキット(BioLegend社製)を用いてTNF−α量を測定した。結果を図6に示す。
図6に示すように、タマネギの茎葉部由来の粉末を添加したときのTNF−α量は、ネギの葉身部粘液由来の粉末を添加したときのTNF−α量よりも極めて高く、比活性は約100倍も高いことが示された。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、ネギの葉身部、又はタマネギの茎葉部から抽出された、免疫賦活作用を有する免疫賦活成分を利用するものであるので、医薬品、健康食品、動物飼育用飼料、畜産用飼料、養殖用飼料等の分野において、幅広く利用することができる。

Claims (12)

  1. ネギの葉身部から抽出された、又は、タマネギの鱗茎部を除く葉鞘部及びタマネギの葉身部から抽出された免疫賦活成分を含み、
    上記免疫賦活成分は、上記ネギの葉身内部の粘液由来であるか、又は上記タマネギの葉身内部の粘液及びタマネギの鱗茎部を除く葉鞘内部の粘液由来であることを特徴とする免疫賦活剤(食品を除く)。
  2. 上記免疫賦活成分は、上記ネギの葉身部から水抽出されたものであるか、又は上記タマネギの鱗茎部を除く葉鞘部及び葉身部から水抽出されたものであることを特徴とする請求項1に記載の免疫賦活剤。
  3. 上記免疫賦活成分は、粘性物質であることを特徴とする請求項1又は2に記載の免疫賦活剤。
  4. 上記免疫賦活成分は、無臭であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の免疫賦活剤。
  5. 上記免疫賦活成分は、抽出された後に乾燥されたものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の免疫賦活剤。
  6. 上記免疫賦活成分は、白色の粉体であることを特徴とする請求項5に記載の免疫賦活剤。
  7. サイトカインの生成、又はマクロファージの貪食作用を促進することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の免疫賦活剤。
  8. 経口投与されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の免疫賦活剤。
  9. 投与対象の体重1kgに対して、1日あたり0.3〜3mgを、少なくとも1〜2日間投与されることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の免疫賦活剤。
  10. 上記免疫賦活成分は、上記ネギの葉身の内部由来であるか、又は上記タマネギの葉身の内部及び上記タマネギの鱗茎部を除く葉鞘の内部由来であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の免疫賦活剤。
  11. ネギの葉身部から免疫賦活成分を抽出するか、又はタマネギの鱗茎部を除く葉鞘部及びタマネギの葉身部から免疫賦活成分を抽出する抽出工程を含み、
    上記免疫賦活成分は、ネギの葉身内部の粘液由来であるか、又はタマネギの葉身内部の粘液及びタマネギの鱗茎部を除く葉鞘内部の粘液由来であることを特徴とする免疫賦活剤(食品を除く)の製造方法。
  12. 上記抽出工程において、上記免疫賦活成分を水抽出することを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
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