JP2019187102A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】並列接続された複数の共振形コンバータの出力電流をバランスさせつつ効率の高い電力変換装置を提供する。【解決手段】互いに並列接続された複数の共振形コンバータ10、20と、複数の共振形コンバータ10、20を制御する制御部2と、を備える。共振形コンバータ10、20は、入力した直流電圧を、異なる電圧の直流電圧に変換して出力する。制御部2は、複数の共振形コンバータ10、20のスイッチング周波数を一致させ、複数の共振形コンバータ10、20間の位相差を制御し、複数の共振形コンバータ10、20が出力する電流の大きさを均一化する。【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換装置に関する。
近年、地球環境保全への意識の高まりから、蓄電池や太陽電池、燃料電池などの直流電源を備えたシステムが開発されている。これらのシステムにおいては、直流電源から負荷や他の直流電源に高い変換効率で給電するDC−DCコンバータが求められている。効率が高い絶縁型DC−DCコンバータの回路方式としては、キャパシタンスとインダクタンスの共振現象を利用した共振形コンバータが知られている。
共振形コンバータでは、スイッチング素子に流れる電流が共振により小さくなったタイミングでスイッチング素子をターンオフすると、遮断電流が小さいためスイッチング損失が小さくなり、高い効率を得ることができる。しかし、一般的に共振形コンバータでは、その共振特性を利用し、スイッチング周波数を変化させて出力を制御している。このため、複数の共振形コンバータを並列接続した場合には、回路部品特性のばらつきにより、それぞれの共振形コンバータが異なったスイッチング周波数で動作することになって、出力コンデンサのリプル電流を低減するなどの並列動作のメリットが活かせない場合がある。
特許文献1には、回路部品の特性ばらつきがある場合にも、各DC−DCコンバータから出力コンデンサに供給される電流のピーク値を均一化し、出力コンデンサのリプル電流を低減するDC−DCコンバータの技術が開示されている。
特許文献2には、回路部品の特性ばらつき等により共振周波数が異なる複数の共振形DC−DCコンバータを、位相のずれた略同一周波数で動作させ、共振動作と並列動作の利点を活かすDC−DCコンバータ装置の技術が開示されている。
また、特許文献3には、さらに並列接続された複数の共振形コンバータの出力電流をバランスさせる技術が開示されている。
また、特許文献4には、並列に接続された複数の共振形DC/DCコンバータを略同一周波数で位相をずらして駆動する技術が開示されている。
なお、特許文献1や特許文献2には、スイッチング周波数を変えずに出力を制御するDC−DCコンバータの技術が開示されている。
特開昭63−190556号公報 特開2010−11625号公報 特開2010−41855号公報 国際公開第2007/023603号
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、一つの共振型DC−DCコンバータで構成しているため、出力電流に脈動(リプル)が比較的に多く含まれやすいことや、回路ばらつきによる出力の安定性に懸念があるという課題がある。
また、特許文献2では、回路構成上、出力電圧を制御するには向いているが、出力電流を安定させることは不十分であるという課題がある。
また、特許文献3では、複数の共振形コンバータの出力電流をバランスさせるために、共振回路に電圧が印加されるのをバイパスさせるように動作する。しかし共振形コンバータは、トランスの巻数比より高い出力電圧を得る場合など、共振回路に電圧が印加されない期間があると効率が低下することがあるという課題がある。また、回路方式もフルブリッジ回路などに限定されやすく、例えばより安価なハーフブリッジ回路をそのまま適用することは困難であるという課題がある。
また、特許文献4では、複数の共振形DC/DCコンバータの出力電流がバランスしない場合があるので、DC/DCコンバータ装置の小型化が難しいという課題がある。
本発明は、前記した課題に鑑みて創案されたものであって、並列接続された複数の共振形コンバータの出力する電流をバランスさせつつ、効率の高い電力変換装置を提供することを課題(目的)とする。
前記の課題を解決するために、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の電力変換装置は、互いに並列接続された複数の共振形コンバータと、複数の前記共振形コンバータを制御する制御部と、を備え、前記共振形コンバータは、入力した直流電圧を、異なる電圧の直流電圧に変換して出力し、前記制御部は、複数の前記共振形コンバータのスイッチング周波数を一致させ、複数の前記共振形コンバータ間の位相差を制御し、複数の前記共振形コンバータが出力する電流の大きさを均一化する、ことを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、並列接続された複数の共振形コンバータの出力する電流をバランスさせつつ、効率の高い電力変換装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振形コンバータのスイッチング素子の制御信号の波形例を示す図である。 モード(A1−2)における共振形コンバータのスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示している。 モード(A2)における共振形コンバータのスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。 モード(A3−0)における共振形コンバータのスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。 モード(A3−1)における共振形コンバータのスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。 モード(A3−2)における共振形コンバータのスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振形コンバータの動作と動作波形例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る共振形コンバータの出力電流をバランスさせるための動作方法の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の回路構成例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。
≪第1実施形態≫
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置1の回路構成例を示す図である。
電力変換装置1は、直流電源3から直流電力(直流電圧)を入力し、DC−DC変換して、変換した直流電力(直流電圧)を出力して負荷4に給電する。
<電力変換装置1の概要の構成>
電力変換装置1は、共振形コンバータ10,20と、平滑コンデンサC1,C2,C3と、平滑インダクタL1と、電圧センサ5と、制御部2とを備えている。
共振形コンバータ10と共振形コンバータ20は、それぞれの入力端子および出力端子が、互いに並列接続されている。
平滑コンデンサC1の両端子間に入力された直流電源3の電力(直流電力)は、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20のそれぞれの入力端子に供給される。
共振形コンバータ10と共振形コンバータ20のそれぞれの出力端子の出力電力は、平滑コンデンサC2に供給される。
平滑コンデンサC2の電力(電圧)は、平滑インダクタL1と平滑コンデンサC3によって、さらに平滑化され、平滑コンデンサC3の両端子間から出力して、負荷4に電力(直流電力)を供給する。
電圧センサ5は、平滑コンデンサC2の電圧を検出して制御部2に供給する。
後記するように、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20は、それぞれスイッチング回路11,21および出力電流を検出する電流センサ16,26を備えている。
制御部2は、電圧センサ5の電圧信号と電流センサ16,26の電流信号を入力し、それらの信号を参照して、共振形コンバータ10,20に配置されているスイッチング回路11,21を制御する。
共振形コンバータ10,20および電力変換装置1の詳細な構成および動作については、次に順に説明する。
<共振形コンバータ10,20>
共振形コンバータ10,20について説明する。共振形コンバータ10,20については、同一の回路構成であるので、共振形コンバータ10を代表として主に説明する。
共振形コンバータ10は、スイッチング回路11、整流回路12、平滑コンデンサC11,C12、共振コンデンサCr1、共振インダクタLr1、トランスT1、電流センサ16を備えている。
平滑コンデンサC11は、電力変換装置1における平滑コンデンサC1の入力電圧を、共振形コンバータ10において、さらに安定化、平滑化する。
スイッチング回路11の詳細な構成と動作については、後記する。
共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1は、共振回路を形成している。この共振回路に、スイッチング回路11の出力電力(出力電圧)を取り込み、トランスT1の1次側に送る。
トランスT1は、1次側の巻線N11と、巻線N11と磁気結合した2次側の巻線N12とを有しており、1次側から2次側へ変圧して電力(電圧)を伝送する。なお、トランスT1の励磁インダクタンスを励磁インダクタンスLm1として表記している。
整流回路12は、整流ダイオードD15〜D18のブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。
平滑コンデンサC12は、整流回路12の直流出力側に接続され、出力された電力(電圧)を平滑化する。
電流センサ16は、整流回路12の直流出力側に流れる電流を検出する。
<スイッチング回路11>
スイッチング回路11について詳しく説明する。
スイッチング回路11は、上アームスイッチング素子Q11と下アームスイッチング素子Q12をノードNd11で直列接続したものと、上アームスイッチング素子Q13と下アームスイッチング素子Q14をノードNd12で直列接続したものと、を並列接続して構成されている。つまり、スイッチング回路11は、4個のスイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14によってフルブリッジ回路で構成されている。
このスイッチング回路11は、平滑コンデンサC11(平滑コンデンサC1)の両端子間の電圧(直流電圧)を交流電圧(矩形波)に変換して、ノードNd11,Nd12間に出力する。
スイッチング回路11の上アームスイッチング素子Q11、下アームスイッチング素子Q12、上アームスイッチング素子Q13、下アームスイッチング素子Q14のオン・オフ(ON/OFF)は、制御部2によって制御される。
スイッチング回路11においては、上アームスイッチング素子Q11と下アームスイッチング素子Q14が組となって、同時にオン・オフする。また、下アームスイッチング素子Q12と上アームスイッチング素子Q13が組となって、同時にオン・オフする。
また、上アームスイッチング素子Q11がオンするときは、下アームスイッチング素子Q12はオフする。また、上アームスイッチング素子Q13がオンするときは、下アームスイッチング素子Q14はオフする。
なお、スイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14の制御波形については、後記するように、図2を参照し、《共振形コンバータ10のスイッチング素子の制御信号波形》において、詳細を説明する。
このような、上アームスイッチング素子Q11、下アームスイッチング素子Q12、上アームスイッチング素子Q13、下アームスイッチング素子Q14のオン・オフ動作によって、ノードNd11,Nd12間には、交流電圧(矩形波)が出力される。
すなわち、上アームスイッチング素子Q11と下アームスイッチング素子Q14が共にオンのとき、ノードNd11,Nd12間には、正の電圧が出力され、下アームスイッチング素子Q12と上アームスイッチング素子Q13が共にオンのとき、ノードNd11,Nd12間には、負の電圧が出力される(後記する図8の電圧V1の波形を参照)。なお、正の電圧、負の電圧は、ノードNd12の電位を基準とした場合である。
また、「上アームスイッチング素子」、「下アームスイッチング素子」を、単に「スイッチング素子」と、適宜、簡略化して表記する。
また、スイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14には、逆並列にダイオードD11,D12,D13,D14がそれぞれ接続されている。
なお、スイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14をMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)で構成する場合には、MOSFETに構造上、寄生して形成される寄生ダイオードを、ダイオードD11,D12,D13,D14として利用してもよい。
<共振形コンバータ20>
以上において、共振形コンバータ10の構成について説明したが、次に、共振形コンバータ20の構成について説明する。
図1において、共振形コンバータ20は、スイッチング回路21、整流回路22、平滑コンデンサC21,C22、共振コンデンサCr2、共振インダクタLr2、トランスT2、電流センサ26を備えている。
共振形コンバータ20は、共振形コンバータ10と同じ回路構成であるので、共振形コンバータ20の回路の各構成要素は、共振形コンバータ10の回路の各構成要素に対応している。
すなわち、共振形コンバータ20の平滑コンデンサC21,C22は、共振形コンバータ10の平滑コンデンサC11,C12にそれぞれ対応している。
同様に、共振コンデンサCr2と共振インダクタLr2は、それぞれ共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1に対応している。
トランスT2は、トランスT1に対応している。なお、トランスT2における巻線N21、巻線N22、励磁インダクタンスLm2は、トランスT1における巻線N11、巻線N12、励磁インダクタンスLm1にそれぞれ対応している。
整流回路22は、整流回路12に対応している。なお、整流回路22における整流ダイオードD25〜D28は、整流回路12における整流ダイオードD15〜D18に、それぞれ対応している。
電流センサ26は、電流センサ16に対応している。
スイッチング回路21は、スイッチング回路11に対応している。なお、スイッチング回路21における上アームスイッチング素子Q21、下アームスイッチング素子Q22、上アームスイッチング素子Q23、下アームスイッチング素子Q24は、スイッチング回路11における上アームスイッチング素子Q11、下アームスイッチング素子Q12、上アームスイッチング素子Q13、下アームスイッチング素子Q14に、それぞれ対応している。
また、スイッチング回路21におけるノードNd21,Nd22は、スイッチング回路11におけるノードNd11,Nd12にそれぞれ対応している。
以上のように、共振形コンバータ20およびそれを構成する各要素は、共振形コンバータ10およびそれを構成する各要素に対応して、事実上、同じ構成であるので、重複する説明は省略する。
また、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20とを構成する各要素は、前記のように対応しているので、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20の出力能力は、仕様上においては、同一の特性を有している。
<電力変換装置1の動作>
電力変換装置1の動作について、まず共振形コンバータ10の動作について詳しく説明する。そして、その後で共振形コンバータ20の動作について説明し、そして共振形コンバータ10と共振形コンバータ20とを含む電力変換装置1の全体の動作について、順に説明する。
<共振形コンバータ10の動作の概要>
共振形コンバータ10におけるスイッチング回路11には、前記のように直流電源3の直流電力(直流電圧)が平滑コンデンサC1と平滑コンデンサC11とを介して、供給されている。
スイッチング回路11は、制御部2によって、上アームスイッチング素子Q11と下アームスイッチング素子Q14との組が、また下アームスイッチング素子Q12と上アームスイッチング素子Q13との組が、それぞれ同時にオン・オフすることによって、前記したように、交流(矩形波)電圧をノードNd11,Nd12間に出力する(図8の電圧V1の波形)。
ノードNd11,Nd12間に出力した交流(矩形波)電圧V1は、共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1とトランスT1の巻線N11との直列回路に入力する。
交流(矩形波)電圧V1が共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1とトランスT1の1次側の巻線N11に印加される。
巻線N11とトランスT1で磁気結合した巻線N12には、変圧された交流電圧が生成されて出力する。この2次側に出力された交流電圧(交流電力)が整流回路12で整流され直流電圧(直流電力)が平滑コンデンサC12の両端に生成される。この生成された直流電圧(直流電力)は、平滑コンデンサC12で平滑化され、共振形コンバータ10の出力電圧として出力する。
なお、整流回路12で直流電圧(直流電力)に整流された出力に流れる電流(I1、図8)は、電流センサ16で検出される。
<共振形コンバータ10の動作の詳細>
共振形コンバータ10の動作の詳細について、図2〜図7を参照して、説明する。
《共振形コンバータ10のスイッチング素子の制御信号波形》
図2は、本発明の第1実施形態に係る共振形コンバータ10のスイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14の制御信号の波形例を示す図である。
図2において、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q14が組をなして一対で動作する。また、スイッチング素子Q12とスイッチング素子Q13が組をなして一対で動作する。スイッチング素子Q11,Q14の組と、スイッチング素子Q12,Q13の組は、原則的に正負が逆の関係でオン・オフを制御される。
例えば、スイッチング素子Q11,Q14の制御信号が正から負に変化すると、スイッチング素子Q12,Q13の制御信号は負から正に変化する関係にある。ただし、スイッチング素子Q11,Q14の制御信号が正から負に変化する際に、所定の時間Δtの遅れ時間があってからスイッチング素子Q12,Q13が負から正に変化するように制御されている。
また、スイッチング素子Q12,Q13の制御信号が正から負に変化すると、所定の時間Δtの遅れ時間があってから、スイッチング素子Q11,Q14の制御信号は負から正に変化する関係にある。
すなわち、スイッチング素子Q12,Q14とスイッチング素子Q12,Q13の制御信号が共に正になることを避けている。例えばスイッチング素子Q11とスイッチング素子Q12が共にオンする時間が瞬間であっても存在すると、平滑コンデンサC11の電圧が短絡され、大きな短絡電流が流れる可能性があるからである。
《共振形コンバータ10の各モードに流れる電流》
図3から図7は、本発明の第1実施形態に係る共振形コンバータ10の動作の特徴を反映した各モードにおける、共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と、その際に流れる電流の経路を示す図である。
図3は、モード(A1−2)における共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示している。また、図4はモード(A2)、図5はモード(A3−0)、図6はモード(A3−1)、図7はモード(A3−2)について、それぞれのモードにおける共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と流れる電流の経路を示している。
なお、図3から図7における平滑コンデンサC11には、平滑コンデンサC1(図1)を介して直流電源3(図1)から直流電力が供給されているが、図3から図7においては、平滑コンデンサC1と直流電源3についての記載を省略している。
また、実際には、後記するような(A1−0)、(A1−1)、(A4)のモードもあるが、後記する理由から、図示することを省略している。
また、以下の説明においては、オン状態のスイッチング素子の両端の電圧や、ダイオードの順方向降下電圧と同等程度かそれ以下の電圧をゼロ電圧と呼称する。また、スイッチング素子の両端の電圧がゼロ電圧のときに、このスイッチング素子をターンオンすることをゼロ電圧スイッチングと呼称する。なお、ゼロ電圧スイッチングには、スイッチング損失を抑える効果がある。
《モード(A1−2)における電流について》
前記したように、図3は、モード(A1−2)における共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。
図3に示すモード(A1−2)では、スイッチング素子Q11,Q14がオン状態,スイッチング素子Q12,Q13がオフ状態である。
この状態において、入力側に配置された平滑コンデンサC11の電圧がスイッチング回路11のノードNd11(図1)とノードNd12(図1)との間から出力される。なお、ノードNd11の電位の方がノードNd12の電位より高い。
そして、その出力電圧V1(図1、図8)が、共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1とトランスT1の1次側の巻線N11との直列回路に印加されている。
そのため、共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1と巻線N11とで構成される直列回路に電流が流れる。また、巻線N11に電流が流れることによって、トランスT1の2次側の巻線N12に誘導された電流が、整流ダイオードD15と整流ダイオードD18とを通り、出力側に配置された平滑コンデンサC12の両端へ流れている。
この過程において、入力側に配置された平滑コンデンサC11の電力(直流電力)が出力側に配置された平滑コンデンサC12へ送られる。
なお、このモード(A1−2)において流れる電流は、後記する図8における電圧V1が正の区間における電流(電流波形)I1に対応している。
また、後記する図8で電圧V1が正の区間における電流I1が正弦波に近い波形であるのは、共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1の共振回路が備えられているためである。また、共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1(および巻線N11)の共振回路の共振電圧は変化する。
《モード(A2)における電流について》
図4は、モード(A2)における共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。
図4に示すモード(A2)では、スイッチング素子Q11,Q14がオン状態,スイッチング素子Q12,Q13がオフ状態であって、スイッチング素子のオン・オフ状態は、前記のモード(A1−2)と同じである。
モード(A1−2)の状態が続いた後に、共振コンデンサCr1に電荷が蓄積し、共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1と励磁インダクタンスLm1とによる共振電流の流れが低減する区間に入ると、モード(A2)の状態になる。
トランスT1には励磁インダクタンスがあり、巻線N11に並列に表記された励磁インダクタンスLm1に起因するトランスT1の励磁電流が、共振コンデンサCr1、共振インダクタLr1、巻線N11(励磁インダクタンスLm1)に流れている。
このモード(A2)の状態において、トランスT1の2次側の巻線N12に誘起される電圧は、出力の平滑コンデンサC12の電圧より低く、かつ整流ダイオードD15,D18があることによって、巻線N12には電流が流れていない。
なお、この巻線N12に電流が流れていない状態は、後記する図8の電圧V1が正の区間における電流I1が0である区間に対応している。
《モード(A3−0)における電流について》
図5は、モード(A3−0)における共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。
モード(A3−0)においては、スイッチング素子Q11,Q14がオフされる。そのため、図5に示すようにスイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14は、すべてオフ状態である。
この図5に示すスイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14がすべてオフ状態であるモード(A3−0)は、図2におけるスイッチング素子Q11,Q14の制御信号が正から負に変化して、スイッチング素子Q12,Q13の制御信号が負から正へ変化する前のスイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14の制御信号が負である時間Δt(図2)の区間の状態を示している。
図5に示すモード(A3−0)においては、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q14が新たにオフとなる。そのため、図4のモード(A2)でスイッチング素子Q11とスイッチング素子Q14に流れていた電流が流れなくなる。
しかしながら、共振回路を形成している共振インダクタLr1には電流が流れているため、この電流はダイオードD12とダイオードD13を介して、平滑コンデンサC11に流れる。
このモード(A3−0)の状態で、共振コンデンサCr1、共振インダクタLr1による共振回路の発生する電圧は、低減する区間となる。また、ダイオードD12,D13に電流が流れている状態で、スイッチング素子Q12の間、およびスイッチング素子Q13の間の、それぞれの電圧は、共に非常に小さい電圧(ゼロ電圧)となっている。
そのため、このダイオードD12,D13に電流が流れている状態で、スイッチング素子Q12およびスイッチング素子Q13をオンすれば、それぞれゼロ電圧スイッチングが可能となる。すなわち、スイッチングによる損失が少ない状態でスイッチング素子Q12,Q13をオンすることが可能な状況になる。
《モード(A3−1)における電流について》
図6は、モード(A3−1)における共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。
図5に示したモード(A3−0)の状態から、スイッチング素子Q12,Q13をターンオンすると、図6に示すモード(A3−1)の状態になる。
なお、スイッチング素子Q12,Q13をターンオンするタイミングは、前記したゼロ電圧スイッチングができるタイミングである。
図6に示すモード(A3−1)においては、図5に示したモード(A3−0)と同様に、共振インダクタLr1の電流が平滑コンデンサC11に流れている。
スイッチング素子Q12,Q13がオンしたことによって、ダイオードD12,D13に流れていた電流がスイッチング素子Q12,Q13に流れる。
平滑コンデンサC11の電圧が共振回路に印加され、共振インダクタLr1の電流は減少していく。
《モード(A3−2)における電流について》
図7は、モード(A3−2)における共振形コンバータ10のスイッチング素子のオン・オフの状態と、流れる電流の経路を示す図である。
図7におけるモード(A3−2)のスイッチング素子のオン・オフの状態は、図6に示したモード(A3−1)のスイッチング素子のオン・オフの状態と同じである。
モード(A3−2)において、共振インダクタLr1の電流がさらに減少して向きが反転した状態が、図7に示すモード(A3−2)である。
つまり、モード(A3−2)(図7)では、1次側の巻線N11に印加される電圧と流れる電流の方向がモード(A1−2)(図3)と逆になる。
したがって、2次側の巻線N12に生成される電圧と、流れる電流の方向は、図3に示したモード(A1−2)と逆になる。
このように、巻線N12に生成する電圧の高低が逆になるので整流ダイオードD16,D17に電流が流れるようになる。
すなわち、モード(A3−2)においては、平滑コンデンサC11から供給された電力が、トランスT1を経て、整流回路12の整流ダイオードD16,D17を介して平滑コンデンサC12に供給される。
このモード(A3−2)の状態で流れる出力電流は、後記する図8の電圧V1が負の区間における電流(電流波形)I1に対応している。
なお、モード(A3−2)の状態は、前記したモード(A1−2)の状態とは、スイッチング回路11におけるスイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14のオン・オフ状態、1次側の巻線N11に流れる電流の方向、2次側の巻線N12に流れる電流の方向、整流回路12で整流動作する整流ダイオードD15,D16,D17,D18の関係が、反対になっている。すなわち、モード(A3−2)の状態は、モード(A1−2)の対称動作である。
以降、モード(A2)の対称動作であるモード(A4)、モード(A3−0)の対称動作であるモード(A1−0)、モード(A3−1)の対称動作であるモード(A1−1)と続き、その後にモード(A1−2)へ戻る。
以上のように、モード(A4)、モード(A1−0)、モード(A1−1)については、前記した各モードの対称動作であるので、事実上、重複する説明を省略した。
また、図3のモード(A1−2)の前に、モード(A1−0)、モード(A1−1)があるが、モード(A1−0)からの説明は分かり難いと考えられるので、最初に示した図3においては、モード(A1−2)からの説明とした。
<共振形コンバータ20>
図1に示す共振形コンバータ20におけるスイッチング回路21、平滑コンデンサC21、共振コンデンサCr2、共振インダクタLr2、トランスT2(巻線N21、巻線N22)、整流回路22、平滑コンデンサC22については、前記した共振形コンバータ10における対応する各構成は同一である。
また、共振形コンバータ20の動作は、共振形コンバータ10の動作と同様である。
ただし、共振形コンバータ10,20におけるスイッチング回路11,21は、共に制御部2によって制御されるが、制御信号によるスイッチング素子のタイミングが異なる。後記する図8のそれぞれ電圧V1と電圧V2で示すように、スイッチング回路11とスイッチング回路21の出力は、それぞれのオン・オフ動作のタイミングが異なる。
次に、共振形コンバータ10,20の動作を、動作波形を参照して説明する。
<共振形コンバータ10,20の動作と動作波形>
図8は、本発明の第1実施形態に係る共振形コンバータ10,20の動作と動作波形例を示す図であり、共振形コンバータ10,20の有するスイッチング回路11,21のそれぞれの出力電圧(出力電圧波形)V1,V2と、整流回路12,22のそれぞれの出力電流(出力電流波形)I1,I2を示している。
図8において、縦軸方向に上段から下段に向って順に、スイッチング回路11の出力電圧V1、スイッチング回路21の出力電圧V2、整流回路12の出力電流I1、整流回路22の出力電流I2を表し、横軸は、出力電圧波形(V1,V2)および出力電流波形(I1,I2)の電気角を表している。電気角の単位はdeg(度)である。ただし、横軸は時間軸にも対応している。
また、図8に示した位相差θは、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20との位相差を表している。
なお、スイッチング回路11の出力電圧V1とスイッチング回路21の出力電圧V2のそれぞれの動作波形には、前記した位相差θがあるが、出力電圧V1と出力電圧V2の動作波形の周波数は同じである。すなわち、スイッチング回路11とスイッチング回路21のスイッチング周波数は、同じ周波数である。なお、位相差θを変化させる過程においては、異なる周波数成分が含まれるが、図8に示した状態における出力電圧V1と出力電圧V2の動作波形の周波数(基本波成分)は同じである。
また、スイッチング回路11(図1)の出力電圧V1は、ノードNd12から見たノードNd11の電圧を正とする。スイッチング回路21の出力電圧V2は、ノードNd22から見たノードNd21の電圧を正とする。
スイッチング回路11は、スイッチング素子Q11とスイッチング素子Q14の組、およびスイッチング素子Q12とスイッチング素子Q13の組を交互にオン・オフを繰り返すので、図8の出力電圧V1および出力電圧V2は、矩形波状の交流電圧となっている。
また、出力電流I1は、図1における共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1との共振回路、および整流回路12を経ているので、略正弦波形の半波を繰り返す波形となっている。また、出力電流I2は、共振コンデンサCr2と共振インダクタLr2との共振回路、および整流回路22を経ているので、同様に略正弦波形の半波を繰り返す波形となっている。
また、整流回路12の出力電流I1は、電流センサ16で検出され、整流回路22の出力電流I2は、電流センサ26で検出される。
なお、図8において、出力電圧(出力電圧波形)V1が正で、出力電流I1が流れている区間は、前記したモード(A1−2)に対応している。
また、出力電圧(出力電圧波形)V1が正で、出力電流I1が0の区間は、前記したモード(A2)に対応している。
また、出力電圧(出力電圧波形)V1が正から負に切り換わってから、スイッチング素子Q12とスイッチング素子Q13をオンにするまでの区間は、モード(A3−0)に対応している。
また、スイッチング素子Q12とスイッチング素子Q13をオンした直後の区間は、モード(A3−1)に対応している。
また、出力電圧(出力電圧波形)V1が負で、出力電流I1が流れ終わるまでの区間は、前記したモード(A3−2)に対応している。
また、図8において、前記したように、位相差θは共振形コンバータ10と共振形コンバータ20との位相差を表しており、共振形コンバータ10に対して共振形コンバータ20の位相を遅らせて動作させている。このように位相差を設けて動作させることにより、共振形コンバータ10の出力電流I1と共振形コンバータ20の出力電流I2のピーク電流をずらすと共に、出力電流I1と出力電流I2の電流値の大きさを概ね等しくなるように制御する。
なお、出力電流I1は、平滑コンデンサC12で蓄積・平滑化され、出力電流I2は、平滑コンデンサC22で蓄積・平滑化される。そして、出力電流I1と出力電流I2は、平滑コンデンサC2において合成される。
電力変換装置1(図1)は、共振形コンバータ10の出力電流I1と共振形コンバータ20の出力電流I2が合成され平滑化された電力を出力する。
また、図8において、出力電圧(出力電圧波形)V1,V2のそれぞれの一周期は、360degである。それに対して、出力電流(出力電流波形)I1,I2の一周期は、180degである。出力電流(出力電流波形)I1,I2の一周期が180degである理由は、前記したように、整流ダイオードD15〜D18のフルブリッジで構成される整流回路12で、出力電流が整流されるため、整流回路12の入力がそれぞれ正電圧の周期と負電圧の周期で同じ電流値が出力されるからである。
また、出力電流I1と出力電流I2は周期的に変化しており、脈動(リプル)成分を含んでいるため、並列接続された共振形コンバータ10,20の出力電流を均一化(バランス)させる際に、回路部品の特性にばらつきがない場合の理想的な位相差は、90degとなる。
ただし、後記する理由から、位相差θを調整することがある。ただし、90degを中心として90degの範囲、つまり45deg〜135degの範囲に位相差θを制限して動作をさせる。すなわち、位相差θは、(45deg≦θ≦135deg)と表記される範囲である。
<複数の共振形コンバータの相互干渉>
図1において、特性が同じ仕様の共振形コンバータ10,20を用いても、共振形コンバータ10,20の回路部品の製造上におけるばらつきによって、共振形コンバータ10,20のそれぞれの出力電流が異なることがある。
さらに、図1に示したように、2台(複数)の共振形コンバータ10,20を並列に接続したときには、例えば共振形コンバータ20は、共振形コンバータ20が単独で動作していたときと同じ出力電流を出力するとは限らない。
1台目の共振形コンバータ(10)が、ある出力電流で出力の平滑コンデンサC2を充電する場合に、平滑コンデンサC2の電圧は変動する。
したがって、2台目の共振形コンバータ(20)が平滑コンデンサC2を充電する場合に、平滑コンデンサC2の電圧の変動の状況によって、充電過程が影響される。
つまり、2台目の共振形コンバータ(20)が平滑コンデンサC2を充電する際には、平滑コンデンサC2の電圧によって、共振形コンバータ(20)の出力電流が変化する。
すなわち、2台目の共振形コンバータ(20)は、単独で充電する出力電流と同じ出力電流で平滑コンデンサC2を充電できる訳ではない。
同様に、1台目の共振形コンバータ(10)も2台目の共振形コンバータ(20)の影響を受ける。つまり、1台目の共振形コンバータと2台目の共振形コンバータとは互いに独立して平滑コンデンサC2を充電する訳ではない。
例えば1台目の共振形コンバータ10が動作していて、その出力電流によって、平滑コンデンサC2に充電された電圧の高低によって、2台目の共振形コンバータ20の平滑コンデンサC2への充電に微妙に影響を与えることがある。
例えば、1台目の共振形コンバータ10の充電によって、平滑コンデンサC2の電圧が高いと、共振形コンバータ20の平滑コンデンサC2への充電の際の出力電流が減少することがある。これらの現象の原因は、共振形コンバータ20の整流回路22の整流における過程で平滑コンデンサC22の電圧の大小によって、共振形コンバータ20の動作点が変化するためである。
また、例えば、図3のモード(A1−2)から図4のモード(A2)への移行時期は、平滑コンデンサC12の電圧の影響を受ける。すなわち、出力電流I1や出力電流I2は、平滑コンデンサC2の電圧の影響を受ける。また、負荷4の大小や、変動などによっても影響を受ける。
これらの現象によって、1台目の共振形コンバータ10の出力電流I1と2台目の共振形コンバータ20の出力電流I2とは、互いに影響し合う。
図8においては、前記したように、共振形コンバータ10のスイッチング回路の出力電圧V1と、共振形コンバータ20のスイッチング回路の出力電圧V2とを90deg位相をずらして、共振形コンバータ10の出力電流I1と共振形コンバータ10の出力電流I2のピーク電流の重なりを避けて、電力変換装置1の出力電流を均一化(バランス)することが望ましい。
しかし、前記したように、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20は、相互に影響して、共振形コンバータ10の出力電流I1と共振形コンバータ20の出力電流I2のそれぞれの平均電流、もしくは最大値の大きさが予定とおり、あるいは仕様とおりに出力されない状況が起こりうる。
図8において、1台目の共振形コンバータ10の平滑コンデンサC2への充電による出力電流I1が少ない領域の方が、共振形コンバータ20の出力電流I2は大きくなりやすい。つまり、本来は、1台目の共振形コンバータ10と2台目の共振形コンバータ20との間は、前記した理由でθ=90degが望ましいが、1台目の共振形コンバータ10の出力電流I1が2台目の共振形コンバータ20の出力電流I2に前記の理由で影響を与える場合がある。
このため、例えば、1台目の共振形コンバータ10に対して、2台目の共振形コンバータ20の出力電流を流す区間をθ=90deg超とすることにより、2台目の共振形コンバータ20の出力電流I2の大きさが回復することがある。
逆に、2台目の共振形コンバータ20の出力電流I2が1台目の共振形コンバータ10の出力電流I1より大きい場合には、θを90deg未満とすれば、2台目の共振形コンバータ20の出力電流I2が1台目の共振形コンバータ10の出力電流I1より相対的に小さくなる、すなわち、1台目の共振形コンバータ10の出力電流I1が回復するというような現象がある。
<出力電流をバランスさせるための動作方法>
図9は、本発明の第1実施形態に係る共振形コンバータ10,20の出力電流をバランスさせるための動作方法の一例を示す図である。
図9において、横軸は出力電流代表値Io1であり、縦軸は出力電流代表値Io2である。また、Io1=Io2の直線と横軸の出力電流代表値Io1とに挟まれた領域は、Io1>Io2の関係があって、Δθを正、すなわち位相差θを大きくすることが望ましい領域である。
また、Io1=Io2の直線と縦軸の出力電流代表値Io2とに挟まれた領域は、Io1<Io2の関係があって、Δθを負、すなわち位相差θを小さくすることが望ましい領域である。
なお、図9において、出力電流代表値Io1,Io2は、それぞれ共振形コンバータ10,20の出力電流を代表する出力電流値である。例えば出力電流I1,I2の平均値であって、電流センサ16,26の検出値を平滑して得ることができる。また、出力電流代表値Io1,Io2を電流センサ16,26の検出した電流値(出力電流I1,I2)のピーク値や、2台の共振形コンバータ10,20がそれぞれ対応する所定のタイミングで検出した値で代用してもよい。
また、出力電流代表値Io1,Io2の算出にあたっては、電流センサ16,26で出力電流I1,I2(図8)をそれぞれ検出し、制御部2で出力電流の平均値やピーク値を演算、生成してもよい。
また、図9におけるΔθは、図8に示した出力電流I1と出力電流I2との間の位相差θの変化量を表している。なお、出力電流I1と出力電流I2との間の位相差θは、出力電圧V1と出力電圧V2との間の位相差θでもある。
図9に示すように、共振形コンバータ10の出力電流代表値Io1よりも、共振形コンバータ20の出力電流代表値Io2の方が小さい場合には、Δθを正として、位相差θが大きくなるようにする。
逆に、共振形コンバータ10の出力電流代表値Io1よりも、共振形コンバータ20の出力電流代表値Io2の方が大きい場合には、Δθを負として、位相差θが小さくなるようにする。
この方法によって、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20の出力電流の差が小さくなり、出力電流代表値Io1と出力電流代表値Io2とをバランス(均一化)させることが可能となる。
なお、本(第1)実施形態では、共振形コンバータ10,20の並列台数は2台であって、回路部品の特性にばらつきがない場合の理想的な位相差θは、前記したように、90degとなる。すなわち、共振形コンバータ10,20の出力電流I1,I2のそれぞれの電流値が均一化すると共に、位相差θが90degのときに、出力電流I1,I2の合成波形においても脈動(リプル)成分や合成電流の変動が最も低減する。
また、共振形コンバータ10,20の特性が正確に一致していない場合には、位相差θを90degからずらして調整する。すなわち、出力電流代表値Io1と出力電流代表値Io2とをバランス(均一化)させることを優先する。
ただし、理想としての位相差θである90degを中心として90degの範囲、つまり45deg〜135degの範囲に、位相差θを制限している。
この範囲の調整により、回路部品の特性ばらつきが想定より大きい場合でも、位相差θを安定させて動作させることができる。
また、以上においては、共振形コンバータ10に対して共振形コンバータ20の位相を遅らせた場合について説明したが、逆に共振形コンバータ20に対して共振形コンバータ10の位相を遅らせて動作させる場合もある。つまり、並列接続した共振形コンバータのうち、位相を遅らせた方の出力電流が小さい場合に、位相差が大きくなるように動作させればよい。
なお、実際には、負荷の変動もあって、出力電流I1と出力電流I2との間に、理想的な位相差θが安定して継続する訳ではない。
共振形コンバータ10と共振形コンバータ20のそれぞれの出力電流代表値Io1と出力電流代表値Io2の電流値のバランスが崩れている場合、すなわち、出力電流I1と出力電流I2のバランスが崩れている場合、前記したように、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20との位相差θを変化させる。
例えば、出力電流代表値Io2が出力電流代表値Io1より小さい場合には、位相差θを大きくして、出力電流代表値Io2が出力電流代表値Io1に近づける。
逆に、出力電流代表値Io2が出力電流代表値Io1より大きくなってしまった場合には、位相差θを逆方向に変化させて、出力電流代表値Io1(出力電流I1)と出力電流代表値Io2(出力電流I2)の電流値のバランス(均一化)がとれるように制御する。
ただし、前記したような制御によって、出力電流代表値Io1(出力電流I1)と出力電流代表値Io2(出力電流I2)とが近い電流値になったとしても、安定している保証はない。
そのため、実際には、この出力電流代表値Io1,Io2の出力電流の比較と、位相差をつける(遅らせる)動作を定常的、あるいは頻繁に繰り返す。
<電力変換装置1の出力段の構成と動作>
図1において、電力変換装置1は、以上に記したように、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20のそれぞれの出力電流I1,I2の出力電流を均一化するように調整しながら出力電流I1,I2を合成(加算)して出力する。
出力電流I1,I2を合成するため、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20のそれぞれの出力電圧を共に平滑コンデンサC2に加える。
平滑コンデンサC2(第1の平滑コンデンサ)に印加された電圧は、平滑インダクタL1と平滑コンデンサC3(第2の平滑コンデンサ)の直列回路で、さらに平滑化されて、電力変換装置1から出力され、負荷4に供給される。
すなわち、電力変換装置1が出力する出力電圧は、概ね安定した所定の電圧であり、出力する電流は、図8に示した出力電流I1,I2のような脈動(リプル)成分は低減されている。また、電力変換装置1が出力する電流は、実質的には、負荷4の状況、状態によって定まる。
なお、前記したように、電力変換装置1の出力段の近傍に、電力変換装置1の出力電圧を反映する平滑コンデンサC2の電圧を検出する電圧センサ5がある。
また、制御部2は、平滑コンデンサC2の電圧を検出する電圧センサ5の電圧信号と、共振形コンバータ10,20のそれぞれの出力電流を検出する電流センサ16,26の電流信号を入力して、前記したようにスイッチング回路11,21を制御する。
本発明の電力変換装置1(図1)では、制御部2に制御の基に、図8で示した共振形コンバータ10と共振形コンバータ20との間の位相差θを変化させることで、共振形コンバータ10と共振形コンバータ20の出力電流をバランス(均一化)させて、安定した大きな直流電力(直流電圧および直流電流)を出力する。
<第1実施形態の効果>
本発明によれば、並列接続された複数の共振形コンバータの出力する電流をバランスさせつつ、効率の高い電力変換装置を提供することができる。
また、回路部品の特性ばらつきが想定より大きい場合でも、位相差θを安定させて動作させることができる。
また、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置では、並列接続された複数の共振形コンバータが備えたスイッチング回路の出力がゼロ電圧となる期間を設けなくても、各共振形コンバータの出力電流をバランスさせることができる。そのため、特にトランスの巻数比を超える高い出力電圧を得る動作(昇圧動作)の場合にも、比較的高い効率を得ることができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態の電力変換器装置について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置1aの回路構成例を示す図である。図10において、電力変換装置1aは、直流電源3aから直流電力(直流電圧)を入力し、DC−DC変換して、変換した直流電力を出力して負荷4aに給電する。
<電力変換装置1aの構成>
図10において、電力変換装置1aは、共振形コンバータ30,40,50と、平滑コンデンサC1a,C2a,C3aと、平滑インダクタL1aと、電圧センサ5aと、制御部2aとを備えている。
共振形コンバータ30と共振形コンバータ40と共振形コンバータ50は、入力端子および出力端子を、それぞれ互いに並列接続されている。
平滑コンデンサC1aの両端子間に入力された直流電源3aの電力(直流電力)は、共振形コンバータ30と共振形コンバータ40と共振形コンバータ50のそれぞれの入力端子間に供給される。
共振形コンバータ30と共振形コンバータ40と共振形コンバータ50において、それぞれの出力端子の出力電力(出力電圧)は、平滑コンデンサC2aに供給される。
平滑コンデンサC2aの電力(電圧)は、平滑インダクタL1aと平滑コンデンサC3aによって平滑化され、平滑コンデンサC3aの両端子間から出力して、負荷4aに電力(直流電力)を供給する。
第2実施形態における電力変換装置1aが第1実施形態における電力変換装置1と異なる主な点は、次の3点である。
第1の異なる点は、スイッチング回路31,41,51の回路方式として,フルブリッジ回路からシングルエンドプッシュプル回路になっている。
第2の異なる点は、整流回路32,42,52の回路方式として、フルブリッジ回路からハーフブリッジ回路(かつ倍電圧整流回路)になっている。
第3の異なる点は、並列接続された共振形コンバータ(30,40,50)の台数が2台から3台になっている。
以上の第1の異なる点において、例えば、スイッチング回路31は、上アームスイッチング素子Q31と下アームスイッチング素子Q32で構成されている。
この回路構成において、上アームスイッチング素子Q31をオン、下アームスイッチング素子Q32をオフにすれば、共振コンデンサCr3と共振インダクタLr3とトランスT3の巻線N31との直列回路に、正の電圧が加わる。
また、上アームスイッチング素子Q31をオフ、下アームスイッチング素子Q32をオンにすれば、共振コンデンサCr3と共振インダクタLr3とトランスT3の巻線N31との直列回路に、ゼロの電圧が加わる。
すなわち、スイッチング回路31の制御によって、共振コンデンサCr3と共振インダクタLr3とトランスT3の巻線N31との直列回路には、交流(矩形波)電圧が印加される。
以上の第2の異なる点においては、例えば整流回路32は、整流ダイオードD33と整流ダイオードD34、および平滑コンデンサC33と平滑コンデンサC34との構成によるハーフブリッジ回路(倍電圧整流回路)を構成している。
整流ダイオードD33,D34のハーフブリッジではあるが、平滑コンデンサC33と平滑コンデンサC34の直列回路を設け、それら平滑コンデンサC33,C34の接続点と、前記の整流ダイオードD33,D34の接続点との間に、トランスT3の巻線N32の出力電圧を加えているため2倍の電圧となる倍電圧整流回路の構成となっている。
以上の第3の異なる点においては、前記したように、並列接続された共振形コンバータ(30,40,50)の台数が2台から3台になっている。
これらの並列接続された共振形コンバータ30,40,50の出力電流を均一化するために、3台のうちの出力電流が小さい共振形コンバータの位相を遅らせるように動作させる。
具体的には、第1の方法としては、共振形コンバータ30,40,50の出力電流(出力電流代表値)の平均値よりも小さい共振形コンバータの位相を遅らせる方法がある。なお、このとき、平均値よりも低いと判定される共振形コンバータが1台である場合も2台である場合もある。
また、第2の方法としては、共振形コンバータ30,40,50における出力電流(出力電流代表値)が最も大きい共振形コンバータに対して、出力電流(出力電流代表値)が小さい他の2台の共振形コンバータの位相を遅らせる方法がある。
なお、図10における共振形コンバータ30,40,50は、計3台が並列に接続されているので、回路部品の特性にばらつきがない場合の理想的な各共振形コンバータ間の位相差θは、60degとなる。
この60degを中心として60degの範囲、つまり30deg〜90degの範囲に位相差を制限して動作させればよい。
以上において、図10が図1と異なる点について、主として説明したが、それらの点を除いて、事実上、同一であるので、重複する説明は省略する。
また、図10において、共振形コンバータ30,40,50をそれぞれ構成する平滑コンデンサC31,C32,C41,C42,C51,C52、スイッチング素子Q31,Q32,Q41,Q42,Q51,Q52、逆並列のダイオードD31,D32,D41,D42,D51,D52、共振コンデンサCr3,Cr4,Cr5、共振インダクタLr3,Lr4,Lr5、励磁インダクタンスLm3,Lm4,Lm5、トランスT3,T4,T5、1次側の巻線N31,N41,N51、2次側の巻線N32,N42,N52、整流ダイオードD33,D34,D43,D44,D53,D54、平滑コンデンサC33,C34,C43,C44,C53,C54、電流センサ36,46,56については、図10および図1において、それぞれ対応する素子と概ね同一の機能、作用を有しているものであるので、詳細な説明は省略する。
<第2実施形態の効果>
第2実施形態においては、3台の並列接続された共振形コンバータを用いているので、電力変換装置1aとしての出力電流における脈動(リブル)が低減される効果がある。
また、スイッチング回路31が、シングルエンドプッシュプル回路で構成されているので、低コストとなる効果がある。
また、整流回路32がハーフブリッジ回路(倍電圧整流回路)で構成されているので、より高い出力電圧が供給できるという効果がある。
<電力変換装置の適用例>
本発明の第1実施形態、第2実施形態で説明した電力変換装置(1,1a)は、絶縁型のDC−DC変換機能を必要とした装置に広く適用して効果を得ることが可能である。
例えば、太陽電池や燃料電池の電力を変換するコンバータ、電気自動車の充電器や補機用DC−DCコンバータ、バッテリー充放電用のコンバータ、ソリッドステートトランス用の双方向コンバータなどの電力変換装置に広く適用できる。
さらに、サーバー等の情報機器向け電源、X線管用電源やレーザー加工機用電源、あるいは非接触給電装置などの電力変換装置に広く適用できる。
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《N台の共振形コンバータ》
第1実施形態と第2実施形態の電力変換装置における共振形コンバータの台数は、それぞれ2台と3台の場合について示した。しかし、共振形コンバータの台数は、前記の台数に限定されない。例えば4台以上で構成してもよい。
なお、並列台数を一般化してN台とすれば、(180/N)degを中心として(180/N)degの範囲、つまり(90/N)deg〜(270/N)degの範囲に位相差を制限して動作させればよい。
そして、出力電流(出力電流代表値)が、例えば平均よりも小さい共振形コンバータの位相を遅らせるように動作させればよい。あるいは、出力電流(出力電流代表値)が最も大きい共振形コンバータに対して、出力電流(出力電流代表値)が低い他の共振形コンバータの位相を遅らせるように動作させればよい。
《第1実施形態と第2実施形態の組み合わせ》
第1実施形態と第2実施形態の相違は、共振形コンバータの台数のみではない。
例えば、第1実施形態におけるスイッチング回路11は、4個のスイッチング素子Q11,Q12,Q13,Q14で構成されたフルブリッジ回路であるのに対し、第2実施形態におけるスイッチング回路31は、2個のスイッチング素子Q31,Q32で構成されたシングルエンドプッシュプル回路である。
また、第1実施形態における整流回路12は、整流ダイオードD15,D16,D17,D18のフルブリッジ回路であるのに対し、第2実施形態における整流回路32は、ハーフブリッジ回路である。さらに整流回路32においては2個の平滑コンデンサC33,C34を直列に用いて倍電圧整流回路を構成している。
これらの第1実施形態と第2実施形態のそれぞれのスイッチング回路や整流回路を相互に入れ替えて用いてもよい。
《スイッチング回路》
第1実施形態および第2実施形態においては、スイッチング回路としてフルブリッジ回路とシングルエンドプッシュプル回路を用いて説明したが、ハーフブリッジ回路やプッシュプル回路などの他の回路方式に変更してもよい。
《整流回路》
第1実施形態および第2実施形態においては、整流回路として、フルブリッジ回路とハーフブリッジ回路(倍電圧整流回路)を用いて説明したが、センタタップ整流回路(プッシュプル整流回路)などの他の回路方式に変更してもよい。
《平滑コンデンサ》
第1実施形態において、平滑化を図るコンデンサとして、平滑コンデンサC1,C11,C21が用いられている。しかし、平滑コンデンサC1,C11,C21は並列接続されているため、これらの平滑コンデンサのうちの一つで兼用してもよい。
また、平滑コンデンサC1,C11,C21において、例えば、平滑コンデンサC11,C21は、高周波の脈動(リプル)を除去する特性に特徴があり、平滑コンデンサC1は、静電容量が大容量であることに特徴があるものを用いるというように、コンデンサの特性を使い分けてもよい。
また、平滑コンデンサC2,C12,C22についても同様の理由により、一つの平滑コンデンサで兼用してもよい。
また、第2実施形態における平滑コンデンサC1a,C31,C41,C51についても同様の理由により、一つの平滑コンデンサで兼用してもよい。また、平滑コンデンサC2a,C32,C42,C52についても同様の理由により、一つの平滑コンデンサで兼用してもよい。
《平滑インダクタ》
第1実施形態において、電力変換装置1の出力電圧として脈動(リプル)が許容される場合には、平滑インダクタL1と平滑コンデンサC3を省略し、平滑コンデンサC2の両端子間から負荷4に給電するようにしてもよい。
また、第2実施形態において、電力変換装置1aの出力電圧として脈動(リプル)が許容される場合には、平滑インダクタL1aと平滑コンデンサC3aを省略し、平滑コンデンサC2aの両端子間から負荷4aに給電するようにしてもよい。
《共振コンデンサと共振インダクタの共振回路構成》
第1実施形態において、共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1は、トランスT1の1次側の巻線N11と直列に接続されている。しかし、共振回路を構成するためには、前記の接続方法に限定されない。
共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1は、スイッチング回路11の出力と平滑コンデンサC12との間に存在すればよい。そのため、例えば、共振インダクタLr1をトランスT1の2次側の巻線N12と直列に挿入してもよい。
また、共振インダクタLr1として、トランスT1の漏れインダクタンスを利用してもよい。
なお、第1実施形態における共振コンデンサCr2と共振インダクタLr2についても、前記した共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1について述べた接続方法を同様に用いてもよい。
また、第2実施形態における共振コンデンサCr3と共振インダクタLr3についても、前記した第1実施形態における共振コンデンサCr1と共振インダクタLr1について述べた接続方法を同様に用いてもよい。
また、第2実施形態において共振インダクタLr3として、トランスT3の漏れインダクタンスを利用してもよい。
なお、第2実施形態における共振コンデンサCr4,Cr5と共振インダクタLr4,Lr5についても、前記した共振コンデンサCr3と共振インダクタLr3について述べた接続方法を同様に用いてもよい。
また、第2実施形態において共振インダクタLr4,Lr5として、トランスT4,T5のそれぞれの漏れインダクタンスを利用してもよい。
《電流センサの接続位置》
第1実施形態における電流センサ16は、整流回路12の直流側の一方の端子と平滑コンデンサC12の一方の端子との間に接続されているが、電流センサ16の接続位置は、この構成に限定されない。
例えば、電流センサ16を平滑コンデンサC12の一方の端子と平滑コンデンサC2の一方の端子との間に接続してもよい。
同様に、第1実施形態における電流センサ26を平滑コンデンサC22の一方の端子と平滑コンデンサC2の一方の端子との間に接続してもよい。
また、第2実施形態の電流センサ36,46,56についても、第1実施形態と同様に接続位置を変更してもよい。
《電圧センサの接続位置》
第1実施形態における電圧センサ5は、平滑コンデンサC2の端子に接続されている。しかし、電圧センサ5の接続位置は、この接続位置に限定されない。
例えば、平滑コンデンサC3の端子に接続してもよい。
また、第2実施形態における電圧センサ5aについても、同様に接続位置は限定されない。
1,1a 電力変換装置
2,2a 制御部
3,3a 直流電源
4,4a 負荷
5,5a 電圧センサ
10,20,30,40,50 共振形コンバータ
11,21,31,41,51 スイッチング回路
12,22,32,42,52 整流回路
16,26,36,46,56 電流センサ
C1,C2,C3,C1a,C2a,C3a,C11,C12,C21,C22,C31,C32,C33,C34,C41,C42,C43,C44,C51,C52,C53,C54 平滑コンデンサ
Cr1〜Cr5 共振コンデンサ
D11〜D14,D21〜D24,D31〜D32,D41〜D42,D51〜D52 ダイオード、逆並列ダイオード
D15〜D18,D25〜D28,D33〜D34,D43〜D44,D53〜D54 ダイオード、整流ダイオード
L1,L1a 平滑インダクタ
Lm1〜Lm5 励磁インダクタンス
Lr1〜Lr5 共振インダクタ
N11,N12,N21,N22,N31,N32,N41,N42,N51,N52 巻線
Nd11,Nd12,Nd21,Nd22 ノード
Q11,Q13,Q21,Q23,Q31,Q41,Q51 上アームスイッチング素子、スイッチング素子
Q12,Q14,Q22,Q24,Q32,Q42,Q52 下アームスイッチング素子、スイッチング素子
T1〜T5 トランス

Claims (13)

  1. 互いに並列接続された複数の共振形コンバータと、
    複数の前記共振形コンバータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記共振形コンバータは、入力した直流電圧を、異なる電圧の直流電圧に変換して出力し、
    前記制御部は、
    複数の前記共振形コンバータのスイッチング周波数を一致させ、
    複数の前記共振形コンバータ間の位相差を制御し、
    複数の前記共振形コンバータが出力する電流の大きさを均一化する、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、
    前記共振形コンバータは、
    1次巻線と2次巻線とを有して前記1次巻線と前記2次巻線とを磁気結合するトランスと、
    直流電圧を入力し、共振コンデンサを介して前記1次巻線に交流電圧を印加するスイッチング回路と、
    前記2次巻線に流れる電流を整流して平滑コンデンサの両端子間に出力する整流回路と、
    を備える、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項2において、
    前記共振コンデンサと前記1次巻線との間に共振インダクタを備える、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項2において、
    前記スイッチング回路は、4個のスイッチング素子を有するフルブリッジ回路で構成されている、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項4において、
    前記スイッチング素子は、MOSFETで構成されている、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項2において、
    前記整流回路は、4個のダイオードを有するフルブリッジ回路で構成されている、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項2において、
    前記整流回路は、2個のダイオードと2個のコンデンサを有するハーフブリッジの倍電圧整流回路で構成されている、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項1において、
    前記共振形コンバータは、2台が並列接続されて構成され、
    前記制御部は、位相差のある2台の前記共振形コンバータにおいて、位相を遅らせた方の前記共振形コンバータの出力電流が小さい場合に、2台の前記共振形コンバータの位相差を大きくする制御をする、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項8において、
    前記制御部は、2台の前記共振形コンバータ間の位相差を45deg以上、135deg以下の範囲で制御をする、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項1において、
    前記制御部は、一つの前記共振形コンバータの出力電流が複数の前記共振形コンバータの出力電流の平均より小さい場合に、一つの前記共振形コンバータの位相を遅らせる制御をする、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項1において、
    前記制御部は、複数の前記共振形コンバータの中で出力電流が最も大きい前記共振形コンバータを除く、他の前記共振形コンバータの位相を遅らせる制御をする、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  12. 請求項10または請求項11において、
    前記共振形コンバータがN台(N≧2)並列接続され、
    前記制御部は、N台の前記共振形コンバータ間の位相差を(90/N)deg以上、(270/N)deg以下の範囲で制御する、
    ことを特徴とする電力変換装置。
  13. 請求項1において、
    負荷へ電力を出力する出力側に、出力電圧を平滑する第1の平滑コンデンサと第2の平滑コンデンサと平滑インダクタとを備え、
    前記平滑インダクタは、前記第1の平滑コンデンサと前記第2の平滑コンデンサとの間に配置される、
    ことを特徴とする電力変換装置。
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