以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することによって重複した説明を省く。
本発明の一実施形態のフォーカスリング交換方法は、処理室を大気開放することなく、搬送装置により処理室内からフォーカスリングを搬出し、処理室内をクリーニング処理し、搬送装置により処理室内にフォーカスリングを搬入するものである。フォーカスリングは、処理室の内部に設けられ、基板を載置する載置台の上面において、基板の周囲を囲むように載置されている部材であり、エッチングの均一性を向上させるためのものである。
本発明の一実施形態のフォーカスリング交換方法は、フォーカスリングが用いられる各種のプラズマ処理装置に適用可能である。
(プラズマ処理システム)
まず、本発明の一実施形態のプラズマ処理システムについて説明する。図1は、一実施形態のプラズマ処理システムを示す概略構成図である。
図1に示されるように、プラズマ処理システムは、処理ユニットPUと、搬送ユニットTUとを有するクラスタツールである。
処理ユニットPUは、半導体ウエハ(以下、「ウエハW」という。)等の基板に対し、成膜処理、エッチング処理等の所定の処理を行うユニットである。処理ユニットPUは、プロセスモジュールPM1〜PM6と、トランスファモジュールTMと、ロードロックモジュールLL1、LL2とを有する。なお、プロセスモジュールPM及びロードロックモジュールLLの数は、上記に限定されるものではない。
プロセスモジュールPM1〜PM6は、トランスファモジュールTMの周囲に接続されており、ウエハWに対し、成膜処理、エッチング処理等の所定の処理を行う。なお、プロセスモジュールPM1〜PM6は、同種の処理を行うものであってもよく、異種の処理を行うものであってもよい。
プロセスモジュールPM1〜PM6の内部には、ウエハWを載置するための載置台3がそれぞれ設けられている。また、プロセスモジュールPM1〜PM6には、図示は省略するが、例えばパージガスを導入するガス導入系、処理ガスを導入するガス導入系及び真空引き可能な排気系が設けられている。
プロセスモジュールPM1〜PM6では、予め制御部CUの記憶部等に記憶された処理ステップを示すレシピ等に基づいて、ウエハWに所定の処理が行われる。また、プロセスモジュールPM1〜PM6では、予め制御部CUの記憶部等に記憶された所定のタイミングでフォーカスリングの交換が行われる。なお、プロセスモジュールPMの詳細及びフォーカスリング交換方法の詳細については後述する。
トランスファモジュールTMは、対向する一対の辺が他の辺よりも長い六角形状に形成されている。トランスファモジュールTMの先端側の短い2辺には、それぞれゲートバルブG3、G4を介してプロセスモジュールPM3、PM4が接続されている。トランスファモジュールTMの基端側の短い2辺には、それぞれゲートバルブG7、G8を介してロードロックモジュールLL1、LL2が接続されている。トランスファモジュールTMの一方の長い辺には、それぞれゲートバルブG1、G2を介してプロセスモジュールPM1、PM2が接続されている。トランスファモジュールTMの他方の長い辺には、それぞれゲートバルブG5、G6を介してプロセスモジュールPM5、PM6が接続されている。
トランスファモジュールTMは、プロセスモジュールPM1〜PM6の間、及び、プロセスモジュールPM1〜PM6とロードロックモジュールLL1、LL2との間でウエハW及びフォーカスリングを搬送(搬出及び搬入)する機能を有する。トランスファモジュールTMには、図示は省略するが、例えばパージガスを導入するガス導入系及び真空引き可能な排気系が設けられている。
トランスファモジュールTMの内部には、プロセスモジュールPM1〜PM6、ロードロックモジュールLL1、LL2の各モジュール間でウエハW及びフォーカスリングを搬送するための処理ユニット側搬送装置TR1が設けられている。なお、処理ユニット側搬送装置TR1の詳細については後述する。
トランスファモジュールTMのゲートバルブG1の近傍であって、トランスファモジュールTMからプロセスモジュールPM1へ搬送されるウエハW及びフォーカスリングの搬送経路上には、位置検出センサS11、S12が設けられている。位置検出センサS11、S12は、互いの距離がウエハWの外径よりも小さく、フォーカスリングの内径よりも小さくなるように配置されている。これにより、プロセスモジュールPM1へ搬送されるウエハW及びフォーカスリングの位置を補正することができる。なお、位置検出センサS11、S12の詳細については後述する。
また、トランスファモジュールTMのゲートバルブG2〜G6の近傍であって、トランスファモジュールTMからプロセスモジュールPM2〜6へ搬送されるウエハW及びフォーカスリングの搬送経路上にも同様に、位置検出センサが設けられている。即ち、トランスファモジュールTMには、位置検出センサS11、S12、S21、S22、S31、S32、S41、S42、S51、S52、S61、S62が設けられている。
ロードロックモジュールLL1、LL2は、それぞれゲートバルブG9、G10を介して搬送モジュールLMに接続されている。ロードロックモジュールLL1、LL2は、搬送モジュールLMから搬送されるウエハWを一時的に保持して圧力調整後にトランスファモジュールTMへ搬送する機能を有している。また、ロードロックモジュールLL1、LL2は、トランスファモジュールTMから搬送されるウエハWを一時的に保持して圧力調整後に搬送モジュールLMへ搬送する機能を有している。
ロードロックモジュールLL1、LL2の内部には、それぞれウエハWを載置可能な受渡し台が設けられている。また、ロードロックモジュールLL1、LL2には、図示は省略するが、残留物等のパーティクルをパージ及び排気可能な排気系が設けられている。
このような処理ユニットPUでは、プロセスモジュールPM1〜PM6とトランスファモジュールTMとの間及びトランスファモジュールTMとロードロックモジュールLL1、LL2との間はそれぞれ気密に開閉可能となっている。また、搬送モジュールLMとロードロックモジュールLL1、LL2との間もそれぞれ気密に開閉可能となっている。
搬送ユニットTUは、後述するFOUP(Front Opening Unified Pod)と処理ユニットPUとの間でウエハWを搬送するユニットであり、搬送モジュールLMを有している。
搬送モジュールLMは、矩形状に形成されている。搬送モジュールLMの一方の長辺には、複数のロードポートLP1〜LP3が並設されている。ロードポートLP1〜LP3は、それぞれFOUPを載置することが可能である。なお、図1では、ロードポートLP1〜LP3のすべてにFOUPが載置されている場合を示している。FOUPは、例えば25枚のウエハWを等ピッチで多段に載置して収容可能な容器である。FOUPは、その内部に例えばN2ガスが充填された密閉構造となっている。FOUPは、開閉ドアD1〜D3を介して搬送モジュールLMと接続されている。なお、ロードポートLPの数は上記に限定されるものではない。
搬送モジュールLMの一方の短辺には、アライナAUが設けられている。アライナAUは、その内部にウエハWを載置する回転載置台と、ウエハWの外周縁部を光学的に検出する光学センサとを有する。アライナAUでは、例えばウエハWのオリエンテーションフラット、ノッチ等を検出して、ウエハWの位置合わせを行う。
搬送モジュールLMの内部には、ロードロックモジュールLL1、LL2、FOUP、アライナAUの各モジュール間でウエハW及びフォーカスリングを搬送するための搬送ユニット側搬送装置TR2が設けられている。搬送ユニット側搬送装置TR2は、旋回機構によって旋回可能に基台231に取付けられた搬送アームを備え、スライド機構によって搬送モジュールLMの長手方向に沿ってスライド可能となっている。搬送ユニット側搬送装置TR2の搬送アームは、例えば図1に示されるように、一対の多関節アームを有するダブルアーム機構である。図1に示す搬送アームは、上下に併設された伸縮可能な多関節アームである第1アーム211と第2アーム221とを含む。
搬送ユニット側搬送装置TR2のスライド機構は、例えばリニアモータを有する。具体的には、搬送モジュールLMの内部に長手方向に沿って案内レール232が設けられ、搬送アームが取付けられた基台231は案内レール232に沿ってスライド可能に設けられている。基台231及び案内レール232には、それぞれリニアモータの可動子と固定子とが設けられており、案内レール232の端部には、リニアモータを駆動するためのリニアモータ駆動機構233が設けられている。リニアモータ駆動機構233には、制御部CUが接続されている。これにより、制御部CUからの制御信号に基づいてリニアモータ駆動機構233が駆動し、搬送ユニット側搬送装置TR2が基台231と共に案内レール232に沿って矢印方向へ移動するようになっている。なお、搬送ユニット側搬送装置TR2のスライド機構は、上記に限定されるものではなく、他の機構を有していてもよい。
搬送ユニット側搬送装置TR2の搬送アームである第1アーム211及び第2アーム221はそれぞれ先端にピック212、222を有しており、一度に2枚のウエハW又は2つのフォーカスリングを保持することができるようになっている。これにより、例えばロードロックモジュールLL1、LL2、FOUP、アライナAUに対してウエハW及びフォーカスリングを搬送する際、ウエハW及びフォーカスリングを交換するように搬送することができる。なお、一度に1枚のウエハWと1つのフォーカスリングとを保持して搬送してもよい。また、搬送ユニット側搬送装置TR2の搬送アームの数は上記のものに限定されるものではなく、例えば1つのみのアームを有するシングルアーム機構であってもよい。
また、搬送ユニット側搬送装置TR2は、搬送アームを旋回、伸縮及び昇降させるための図示しない旋回用モータ、伸縮用モータ及び昇降用モータを有する。各モータは、制御部CUに接続され、制御部CUからの制御信号に基づいて搬送ユニット側搬送装置TR2の搬送アームの制御を行うことができるようになっている。
プラズマ処理システムには、プラズマ処理システムの各部、例えば処理ユニット側搬送装置TR1、搬送ユニット側搬送装置TR2、ゲートバルブG1〜G10、開閉ドアD1〜D3、アライナAU等を制御する制御部CUが設けられている。
(プラズマ処理装置)
次に、本発明の一実施形態のプラズマ処理装置について、図2に基づき説明する。図2は、一実施形態のプラズマ処理装置を示す概略断面図である。図2に示すプラズマ処理装置は、前述のプラズマ処理システムにおけるプロセスモジュールPM1〜PM6として用いることができる装置である。
図2に示されるように、プラズマ処理装置は、略円筒状の処理室10を有する。処理室10の内壁面は、例えば陽極酸化されたアルミニウムにより形成されている。処理室10は接地されている。
処理室10には、処理ガスを導入するためのガスシャワーヘッド2が設けられている。ガスシャワーヘッド2は上部電極として機能する。処理室10の内部には、ガスシャワーヘッド2と対向するように載置台3が設けられている。載置台3は、下部電極として機能する。
ガスシャワーヘッド2(上部電極)の下面側には、ガス供給路21及びバッファ室21aを介して連通する複数のガス吐出口22が形成されている。複数のガス吐出口22により、載置台3に載置されたウエハWに向かって処理ガスが吐出される。ガス供給路21は、基端側がガス導入系23に接続されている。
ガス導入系23は、ウエハWに対して成膜処理に用いられる処理ガスの供給源と、ウエハWに対してエッチング処理に用いられる処理ガスの供給源とを有する。また、ガス導入系23は、処理室10をクリーニング処理に用いられる処理ガスの供給源と、処理室10をシーズニング処理に用いられる処理ガスの供給源とを有する。ガス導入系23は、バルブ、流量調整部等の供給制御機器等を有し、所定の流量の処理ガスを処理室10内に供給することができる。
上部電極には、整合器25を介して高周波電力を供給するための高周波電源部26が接続されている。上部電極は、絶縁部材27により処理室10の側壁部分と絶縁されている。
載置台3は、本体部30と、静電チャック31とを有する。
本体部30は、例えばアルミニウム等の導電性部材により形成されている。本体部30の内部には、温調機構として機能する図示しない冷媒流路が設けられている。冷媒流路に供給される冷媒の温度が調整することにより、静電チャック31に保持されたウエハWの温度が制御される。
本体部30の上には、ウエハWとウエハWを囲むように配置されるフォーカスリングFRの両方を吸着可能な静電チャック31が設けられている。静電チャック31の上側中央部には凸状の基板載置部32が形成されており、基板載置部32の上面はウエハWを載置する基板載置面33を構成する。基板載置面33の周囲の低い部分の上面はフォーカスリングFRを載置するフォーカスリング載置面34を構成する。
静電チャック31は、絶縁材の間に電極35が介在された構成となっている。電極35は、ウエハWとフォーカスリングFRの両方を吸着できるように、基板載置面33の下側のみならず、フォーカスリング載置面34の下側まで延出して設けられている。
静電チャック31は、スイッチ36を介して電極35に接続された直流電源37から所定の直流電圧が印加される。これにより、ウエハW及びフォーカスリングFRが静電チャック31に静電吸着される。なお、基板載置部32は、例えば図2に示されるように、ウエハWの径よりも小径に形成し、ウエハWを載置したときにウエハWのエッジ部が基板載置部32から張り出すようにする。
載置台3には、ウエハWの裏面とフォーカスリングFRの裏面に別々に伝熱ガス(例えばヘリウム(He)ガス)を供給する伝熱ガス供給部38が設けられている。
伝熱ガス供給部38は、基板載置面33に載置されたウエハWの裏面に第1伝熱ガスを供給する第1伝熱ガス供給部38aと、フォーカスリング載置面34に載置されたフォーカスリングFRの裏面に第2伝熱ガスを供給する第2伝熱ガス供給部38bとを備える。
フォーカスリングFRは、静電チャック31の上に載置されている。フォーカスリングFRの上面には段差が形成され、内周部分よりも外周部分が高く形成されている。また、フォーカスリングFRの内周部分は、載置台3よりも外側に突出しているウエハWの外周部分の下側に食い込むように形成されている。即ち、フォーカスリングFRの内径は、ウエハWの外径よりも小さく形成されている。これにより、ウエハWに対してエッチング処理を行う際、静電チャック31がプラズマから保護される。
載置台3には、整合器39を介してバイアス用の電力を印加する高周波電源部40が接続されている。また、載置台3の内部には、図1に記載の処理ユニット側搬送装置TR1に対してウエハW及びフォーカスリングFRの受渡しを行うことが可能な図示しない昇降ピンが設けられている。処理ユニット側搬送装置TR1によるフォーカスリングFRの受渡しの際には、昇降ピンを上昇させてフォーカスリングFRを載置台3から離間させる。
処理室10の側壁には、開閉自在なゲートバルブG1を有する開口部13が形成されている。ウエハW及びフォーカスリングFRは、開口部13を介して搬送される。
処理室10の内壁には、内壁に沿ってデポシールド41が着脱自在に設けられている。デポシールド41は、載置台3の外周にも設けられている。デポシールド41は、エッチングにより生じる反応生成物が処理室10の内壁面に付着することを防止するものであり、例えばアルミニウムにY2O3等のセラミックスを被覆することにより形成されている。
載置台3の周囲には、処理室10内を均一に排気するため、多数の排気孔を有するバッフル板42が設けられている。バッフル板42は、例えばアルミニウムにY2O3等のセラミックスを被覆することにより形成されている。バッフル板42の下方には、排気管11を介して、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ等の真空ポンプ12が接続されている。
プラズマ処理装置は、各部を制御する制御部50を有する。制御部50は、例えばCPUとプログラムとを有するコンピュータである。プログラムには、プラズマ処理装置によるウエハWへの成膜処理やエッチング処理を行うための例えばガス導入系23からの各ガスの供給、高周波電源部26、40からの電力供給の制御等についてのステップ(命令)群が組まれている。プログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、記憶媒体からコンピュータにインストールされる。
(フォーカスリング交換方法)
次に、本発明の一実施形態のフォーカスリング交換方法について、図3に基づき説明する。図3は、一実施形態のフォーカスリング交換方法を説明するためのフローチャートである。
以下では、前述のプロセスモジュールPM1の載置台3に載置されているフォーカスリングFRを交換する場合を例に挙げて説明する。具体的には、プロセスモジュールPM1において使用されたフォーカスリングをFOUPに収容し、FOUPに予め収容された未使用のフォーカスリングに交換する場合について説明する。なお、プロセスモジュールPM1以外のプロセスモジュールPM2〜PM6の載置台3に載置されているフォーカスリングFRについても、同様の方法により交換することが可能である。また、本発明の一実施形態のフォーカスリング交換方法は、制御部CUによりプラズマ処理システムの各部が制御されることにより行われる。
図3に示されるように、一実施形態のフォーカスリング交換方法は、消耗度判定ステップS10と、交換可否判定ステップS20と、第1のクリーニングステップS30と、搬出ステップS40と、第2のクリーニングステップS50と、搬入ステップS60と、シーズニングステップS70とを有する。以下、各々のステップについて説明する。
消耗度判定ステップS10は、プロセスモジュールPM1の載置台3に載置されているフォーカスリングFRの交換が必要か否かを判定するステップである。消耗度判定ステップS10では、制御部CUは、プロセスモジュールPM1の載置台3に載置されているフォーカスリングFRの交換が必要であるか否かを判定する。具体的には、制御部CUは、例えばRF積算時間、RF積算電力、レシピの特定ステップの積算値に基づいて、フォーカスリングFRの交換が必要であるか否かを判定する。RF積算時間とは、所定のプラズマ処理の際にプロセスモジュールPM1において高周波電力が供給された時間の積算値である。RF積算電力とは、所定のプラズマ処理の際にプロセスモジュールPM1において供給された高周波電力の積算値である。レシピの特定ステップの積算値とは、プロセスモジュールPM1において行われる処理のステップのうちフォーカスリングFRが削られるステップにおいて高周波電力が供給された時間の積算値や高周波電力の積算値である。なお、RF積算時間、RF積算電力及びレシピの特定ステップの積算値は、例えば装置が導入された時点、メンテナンスが実施された時点等、フォーカスリングFRを交換した時点を起点として算出される値である。
RF積算時間に基づいてフォーカスリングFRの交換が必要であるか否かを判定する場合、制御部CUは、RF積算時間が閾値に達した場合、フォーカスリングFRを交換する必要があると判定する。これに対し、制御部CUは、RF積算時間が閾値に達していない場合、フォーカスリングFRを交換する必要がないと判定する。なお、閾値は、予備実験等により、フォーカスリングFRの材質等の種類に応じて定められる値である。
RF積算電力に基づいてフォーカスリングFRの交換が必要であるか否かを判定する場合、制御部CUは、RF積算電力が閾値に達した場合、フォーカスリングFRを交換する必要があると判定する。これに対し、制御部CUは、RF積算電力が閾値に達していない場合、フォーカスリングFRを交換する必要がないと判定する。なお、閾値は、予備実験等により、フォーカスリングFRの材質等の種類に応じて定められる値である。
レシピの特定ステップの積算値に基づいてフォーカスリングFRの交換が必要であるか否かを判定する場合、制御部CUは、特定のステップにおけるRF積算時間又はRF積算電力が閾値に達した場合、フォーカスリングFRの交換が必要である判定する。これに対し、制御部CUは、特定ステップにおけるRF積算時間又はRF積算電力が閾値に達していない場合、フォーカスリングFRを交換する必要がないと判定する。レシピの特定ステップの積算値に基づいてフォーカスリングFRの交換が必要であるか否かを判定する場合、高周波電力が印加され、フォーカスリングFRが削られるステップに基づいて、フォーカスリングFRを交換するタイミングを算出することができる。このため、特に高い精度でフォーカスリングFRを交換するタイミングを算出することができる。なお、閾値は、予備実験等により、フォーカスリングFRの材質等の種類に応じて定められる値である。
消耗度判定ステップS10において、プロセスモジュールPM1の載置台3に載置されているフォーカスリングFRの交換が必要であると判定した場合、制御部CUは、交換可否判定ステップS20を行う。消耗度判定ステップS10において、プロセスモジュールPM1の載置台3に載置されているフォーカスリングFRの交換が必要でないと判定した場合、制御部CUは、消耗度判定ステップS10を繰り返す。
交換可否判定ステップS20は、プラズマ処理システムの状態が、フォーカスリングFRの交換を行うことができる状態であるか否かを判定するステップである。交換可否判定ステップS20では、制御部CUは、プラズマ処理システムの状態が、フォーカスリングFRの交換を行うことができる状態であるか否かを判定する。具体的には、制御部CUは、例えばフォーカスリングFRの交換を行うプロセスモジュールPM1においてウエハWに処理が行われていない場合、フォーカスリングFRの交換が可能であると判定する。これに対し、制御部CUは、プロセスモジュールPM1においてウエハWに処理が行われている場合、フォーカスリングFRの交換が可能ではないと判定する。また、制御部CUは、例えばフォーカスリングFRの交換を行うプロセスモジュールPM1において処理が行われているウエハWと同一のロットのウエハWの処理が終了した場合、フォーカスリングFRの交換が可能であると判定してもよい。この場合、制御部CUは、プロセスモジュールPM1において処理が行われているウエハWと同一のロットのウエハWの処理が終了するまでの間、フォーカスリングFRの交換が可能ではないと判定する。
交換可否判定ステップS20において、プラズマ処理システムの状態が、フォーカスリングFRの交換を行うことができる状態であると判定した場合、制御部CUは、第1のクリーニングステップS30を行う。交換可否判定ステップS20において、プラズマ処理システムの状態が、フォーカスリングFRの交換を行うことができない状態であると判定した場合、制御部CUは、交換可否判定ステップS20を繰り返す。
第1のクリーニングステップS30は、プロセスモジュールPM1のクリーニング処理を行うステップである。第1のクリーニングステップS30では、制御部CUは、ガス導入系、排気系、電力導入系等を制御することにより、プロセスモジュールPM1のクリーニング処理を行う。クリーニング処理とは、プラズマ処理によって発生したプロセスモジュールPM1内の堆積物を処理ガスのプラズマ等により除去し、プロセスモジュールPM1内をクリーンな状態で安定させる処理である。第1のクリーニングステップS30を行うことにより、搬出ステップS40において載置台3からフォーカスリングFRを搬出する際、処理室10内の堆積物が巻き上がることを抑制することができる。処理ガスとしては、例えば、酸素(O2)ガス、フッ化炭素(CF)系ガス、窒素(N2)ガス、アルゴン(Ar)ガス、Heガス、あるいは、これらの二種以上の混合ガスを用いることができる。また、プロセスモジュールPM1のクリーニング処理を行う際、処理条件によっては載置台3の静電チャックを保護するために、静電チャックの上面にダミーウエハ等のウエハWを載置した状態でクリーニング処理を行ってもよい。なお、処理室10に堆積物が存在しない場合等、堆積物が巻き上がることがない場合には、第1のクリーニングステップS30を行わなくてもよい。また、静電チャックによりフォーカスリングFRが載置台3に吸着している場合には、次の搬出ステップS40までに除電処理を行う。
搬出ステップS40は、プロセスモジュールPM1を大気開放することなく、プロセスモジュールPM1内からフォーカスリングFRを搬出するステップである。搬出ステップS40では、制御部CUは、プロセスモジュールPM1を大気開放することなく、プロセスモジュールPM1内からフォーカスリングFRを搬出するようにプラズマ処理システムの各部を制御する。具体的には、ゲートバルブG1を開き、処理ユニット側搬送装置TR1により、プロセスモジュールPM1の内部の載置台3に載置されたフォーカスリングFRをプロセスモジュールPM1から搬出する。続いて、ゲートバルブG8を開き、処理ユニット側搬送装置TR1により、プロセスモジュールPM1から搬出されたフォーカスリングFRをロードロックモジュールLL2の受渡し台に載置する。続いて、ゲートバルブG8を閉じ、ロードロックモジュールLL2内の圧力調整後、ゲートバルブG10を開き、搬送ユニット側搬送装置TR2により、受渡し台に載置されたフォーカスリングFRをトランスファモジュールTMへ搬送する。続いて、開閉ドアD3を開き、搬送ユニット側搬送装置TR2により、ロードポートLP3に載置されたFOUPにフォーカスリングFRを収容する。
第2のクリーニングステップS50は、プロセスモジュールPM1の載置台3のフォーカスリングFRが載置される面(フォーカスリング載置面34)をクリーニング処理するステップである。第2のクリーニングステップS50では、制御部CUは、ガス導入系、排気系、電力導入系等を制御することにより、プロセスモジュールPM1の載置台3のフォーカスリングFRが載置される面のクリーニング処理を行う。第2のクリーニングステップS50におけるクリーニング処理は、例えば第1のクリーニングステップS30と同様の方法で行うことができる。即ち、処理ガスとしては、例えば、O2ガス、CF系ガス、N2ガス、Arガス、Heガス、あるいは、これらの二種以上の混合ガスを用いることができる。また、プロセスモジュールPM1のクリーニング処理を行う際、処理条件によっては載置台3の静電チャックを保護するために、静電チャックの上面にダミーウエハ等のウエハWを載置した状態でクリーニング処理を行ってもよい。
搬入ステップS60は、プロセスモジュールPM1を大気開放することなく、プロセスモジュールPM1内にフォーカスリングFRを搬入し、載置台3に載置するステップである。搬入ステップS60では、制御部CUは、プロセスモジュールPM1を大気開放することなく、プロセスモジュールPM1内にフォーカスリングFRを搬入するようにプラズマ処理システムの各部を制御する。具体的には、例えば開閉ドアD3を開き、搬送ユニット側搬送装置TR2により、ロードポートLP3に載置されたFOUPに収容された未使用のフォーカスリングFRを搬出する。続いて、ゲートバルブG9を開き、搬送ユニット側搬送装置TR2により、未使用のフォーカスリングFRをロードロックモジュールLL1の受渡し台に載置する。続いて、ゲートバルブG7及びゲートバルブG1を開き、処理ユニット側搬送装置TR1により、ロードロックモジュールLL1の受渡し台に載置された未使用のフォーカスリングFRを搬出し、プロセスモジュールPM1に搬入し、載置台3に載置する。
シーズニングステップS70は、プロセスモジュールPM1のシーズニング処理を行うステップである。シーズニングステップS70では、制御部CUは、ガス導入系、排気系、電力導入系等を制御することにより、プロセスモジュールPM1のシーズニング処理を行う。シーズニング処理とは、所定のプラズマ処理を行うことにより、プロセスモジュールPM1内の温度や堆積物の状態を安定させるための処理である。また、シーズニングステップS70では、プロセスモジュールPM1のシーズニング処理の後、プロセスモジュールPM1内に品質管理用ウエハを搬入し、品質管理用ウエハに対し、所定の処理を行ってもよい。これにより、プロセスモジュールPM1の状態が正常であるか否かを確認することができる。
以上のステップにより、フォーカスリングFRを交換することができる。
以上に説明したように、本発明の一実施形態のフォーカスリング交換方法では、処理室10を大気開放することなく、処理ユニット側搬送装置TR1により処理室10内からフォーカスリングFRを搬出し、処理室10内をクリーニング処理し、処理ユニット側搬送装置TR1により処理室10内にフォーカスリングFRを搬入する。これにより、作業者が手動でフォーカスリングFRの交換を行う必要がない。このため、フォーカスリングFRの交換に要する時間を短縮することができ、生産性が向上する。また、フォーカスリングFRの搬入前にフォーカスリング載置面34がクリーニングされることにより、フォーカスリングFRとフォーカスリング載置面34との間に堆積物が存在することを抑制できる。その結果、両者の接触が良好となることでフォーカスリングFRの温度制御性を良好に維持することができる。
(処理ユニット側搬送装置)
次に、処理ユニット側搬送装置TR1の一例について、図4に基づき説明する。図4は、図1の処理ユニット側搬送装置を説明するための図である。
まず、処理ユニット側搬送装置TR1のスライド機構の一例について説明する。処理ユニット側搬送装置TR1の搬送アーム(第1アーム111、第2アーム121)は、例えば図4(a)に示されるように、基台131上に取付けられている。基台131は、案内レール132a、132b上をスライド軸であるY軸の方向(トランスファモジュールTMの長手方向)にスライド可能になっている。そして、例えばY軸用モータ133によって駆動するボールスクリュー134を基台131に螺合させ、Y軸用モータ133を駆動制御することにより、処理ユニット側搬送装置TR1の搬送アームのスライド駆動を制御できる。
次に、処理ユニット側搬送装置TR1の旋回機構の一例について説明する。処理ユニット側搬送装置TR1の搬送アーム(第1アーム111、第2アーム121)は、例えば図4に示されるように、基台131上に旋回軸であるθ軸の方向に旋回可能に設けられた回転板135を介して取付けられている。回転板135は、例えば基台131上に設けられたθ軸用モータ136により駆動するようになっている。これにより、θ軸用モータ136を駆動制御することによって、処理ユニット側搬送装置TR1の搬送アームの旋回駆動を制御できる。
なお、処理ユニット側搬送装置TR1の搬送アームである第1アーム111及び第2アーム121は、それぞれ先端にピック112、122を備え、一度に2枚のウエハW又は2つのフォーカスリングFRを保持することができるようになっている。これにより、例えばプロセスモジュールPM1〜PM6、ロードロックモジュールLL1、LL2に対してウエハW又はフォーカスリングFRを搬送する際、ウエハW又はフォーカスリングFRを交換するように搬送することができる。なお、処理ユニット側搬送装置TR1の搬送アームの数は上記のものに限定されず、例えば1つのみのアームを有するシングルアーム機構であってもよい。
また、処理ユニット側搬送装置TR1は、搬送アームを伸縮させるための図示しない伸縮用モータを有する。伸縮用モータは、例えばθ軸用モータ136の下側に取付けられ、θ軸用モータ136とは独立して制御可能である。なお、処理ユニット側搬送装置TR1を駆動するモータとしては、上記の他、搬送アームを昇降させる昇降用モータ(図示しない)を設けるようにしてもよい。
処理ユニット側搬送装置TR1を駆動するためのθ軸用モータ136、Y軸用モータ133等は、それぞれ制御部CUに接続されており、制御部CUからの指令に基づいて駆動制御されるようになっている。
なお、処理ユニット側搬送装置TR1の基台131には、例えば図1に示されるように、θ軸用モータ136等の配線を通すためのフレキシブルアーム137が接続されている。フレキシブルアーム137は、例えば筒状に形成されたアーム機構からなる。フレキシブルアーム137は気密に接続され、その内部はトランスファモジュールTMの底部に形成された孔部を介して大気と連通している。これにより、トランスファモジュールTM内は真空状態になっていても、フレキシブルアーム137内は大気圧状態であるため、配線の損傷等を防止することができる。
このように処理ユニット側搬送装置TR1によれば、案内レール132a、132bに沿ってスライド駆動させると共に搬送アームを伸縮させることができる。これにより、プロセスモジュールPM1〜PM6及びロードロックモジュールLL1、LL2の各モジュール間でウエハW及びフォーカスリングFRを搬送することができる。
次に、処理ユニット側搬送装置TR1のピック112の一例について説明する。図5は、図1の処理ユニット側搬送装置がウエハを保持した状態を示す図である。図5(a)は、ウエハWを保持したピック112を側面から見た図であり、図5(b)は、ウエハWを保持したピック112を上面から見た図である。図6は、図1の処理ユニット側搬送装置がフォーカスリングを保持した状態を示す図である。図6(a)は、フォーカスリングFRを保持したピック112を側面から見た図であり、図6(b)は、フォーカスリングFRを保持したピック112を上面から見た図である。なお、図5及び図6では、ピック112を例に挙げて説明するが、ピック122についても同様とすることができる。
図5に示されるように、ピック112には、ウエハWの外周縁部を保持する複数(例えば3つ)の突起部113が形成されている。突起部113は、例えば円錐台形状であり、ウエハWの外周縁部に沿うように配置され、突起部113が円錐台形状のテーパ部114においてウエハWの外周縁部と当接することによってピック112に対するウエハWの位置ずれを防止する。突起部113は、例えばエラストマーにより形成されている。
また、図6に示されるように、突起部113は、円錐台形状の上面115においてフォーカスリングFRの下面と当接することによってフォーカスリングFRを保持することが可能となっている。これは、前述したように、フォーカスリングFRの内径がウエハWの外径よりも小さく形成されているからである。このように処理ユニット側搬送装置TR1は、1つのピック112により、ウエハW及びフォーカスリングFRを保持することができるようになっている。
以上に説明したように、ピック112は、突起部113のテーパ部114でウエハWを保持し、突起部113の上面115でフォーカスリングFRを保持するので、ピック112の長さを長くすることなく、フォーカスリングFRを保持することができる。これにより、ピック112によりウエハWやフォーカスリングFRを搬送する際、ピック112の先端が他の部位(例えばFOUPの内壁面)に接触することを防止できる。なお、図5及び図6では、突起部113が3つの場合を例に挙げて説明したが、突起部113の数はこれに限定されるものではない。
また、処理ユニット側搬送装置TR1は、フォーカスリングFRを保持した状態で旋回する際、旋回半径が最小となるように旋回することが好ましい。これにより、ピック112に保持されたフォーカスリングFRが他の部位に接触することを防止することができる。さらに、2つのピック112、122が略同一の平面において旋回する場合、一方のピック112でウエハWを保持し、他方のピック122でフォーカスリングFRを保持した場合であっても、ウエハWとフォーカスリングFRとが接触することを防止できる。
(位置検出センサ)
次に、位置検出センサの一例について、図7に基づき説明する。図7は図1の位置検出センサを説明するための図であり、図1における一点鎖線1A−1Bにおいて切断した断面の一部を示している。
図7に示されるように、位置検出センサS11は、投光部310と受光部320とを有する。投光部310はトランスファモジュールTMの上壁330に設けられ、受光部320はトランスファモジュールTMの下壁340に設けられている。投光部310は、受光部320に向けてレーザ光Lを照射する。受光部320は、投光部310から照射されたレーザ光Lの受光の有無を検出する。なお、図7では、位置検出センサS11の投光部310及び受光部320を例示しているが、位置検出センサS12についても、位置検出センサS11と同様に投光部及び受光部を有している。これにより、位置検出センサS11の投光部310から受光部320へ照射されたレーザ光Lは、トランスファモジュールTMからプロセスモジュールPM1へ搬送されるウエハW又はフォーカスリングFRにより所定の時間だけ遮られる。また、位置検出センサS12の投光部から受光部へ照射されたレーザ光Lは、トランスファモジュールTMからプロセスモジュールPM1へ搬送されるウエハW又はフォーカスリングFRにより所定の時間だけ遮られる。
次に、ウエハW及びフォーカスリングFRの位置を補正する方法に説明する。
本発明の一実施形態のウエハW及びフォーカスリングFRの位置を補正する方法では、制御部CUが、ウエハWの位置補正及びフォーカスリングFRの位置補正を同一の位置検出センサにより行う。以下、具体的に説明する。
まず、トランスファモジュールTMからプロセスモジュールPM1へウエハWを搬送する場合について、図8に基づき説明する。図8は、ウエハの位置を補正する方法を説明するための図である。図8(a)は、ウエハWの位置と位置検出センサの位置との関係を示している。図8(b)は、ウエハWが図8(a)における位置P11を起点としてウエハWを位置P14まで搬送したときの位置検出センサS11、S12のセンサ出力の変化を示している。なお、図8(b)において、位置P11での時刻をt11、位置P12での時刻をt12、位置P13での時刻をt13、位置P14での時刻をt14で示している。
制御部CUは、位置検出センサS11、S12により検出されるウエハWの位置と予め定められた基準位置とに基づいて、ピック112に保持されたウエハWの基準位置からのずれ量を算出する。続いて、制御部CUは、処理ユニット側搬送装置TR1により、算出されたずれ量を補正するようにプロセスモジュールPM1の載置台3にウエハWを載置する。これにより、ピック112に保持されたウエハWの位置が基準位置からずれていた場合であっても、プロセスモジュールPM1の載置台3の所定の位置にウエハWを載置することができる。
ピック112に保持されたウエハWの位置は、ウエハWの外周縁部が位置検出センサS11、S12を通過することにより生じる位置検出センサS11、S12のセンサ出力の変化に基づいて算出することができる。例えば図8(a)に示されるように、位置P11から位置P14までウエハWを搬送する場合、位置検出センサS11、S12がウエハWにより遮光される位置P12から位置P13までの時間T1に基づいて算出することができる。具体的には、図8(b)に示されるように、位置P12での時刻t12及び位置P13での時刻t13を用いて、T1=t13−t12により算出することができる。なお、図8では、ウエハWにより位置検出センサS11が遮光されるときの位置と位置検出センサS12が遮光されるときの位置とが同じ場合を示しているが、これらの位置は異なっていてもよい。
基準位置は、例えば処理ユニット側搬送装置TR1の第1アーム111の旋回用モータ及び伸縮用モータのエンコーダ位置に基づいて算出することができる。なお、基準位置を算出する方法は、これに限定されず、各種の既存の方法を用いることができる。
次に、トランスファモジュールTMからプロセスモジュールPM1へフォーカスリングFRを搬送する場合について、図9に基づき説明する。図9は、フォーカスリングの位置を補正する方法を説明するための図である。図9(a)は、フォーカスリングFRの位置と位置検出センサの位置との関係を示している。図9(b)は、フォーカスリングFRが図9(b)における位置P21を起点としてフォーカスリングFRを位置P24まで搬送したときの位置検出センサS11、S12のセンサ出力の変化を示している。なお、図9(b)において、位置P21での時刻をt21、位置P22での時刻をt22、位置P23での時刻をt23、位置P24での時刻をt24で示している。
制御部CUは、位置検出センサS11、S12により検出されるフォーカスリングFRの位置と予め定められた基準位置とに基づいて、フォーカスリングFRの基準位置からのずれ量を算出する。続いて、制御部CUは、処理ユニット側搬送装置TR1により、算出されたずれ量を補正するようにプロセスモジュールPM1の載置台3にフォーカスリングFRを載置する。これにより、ピック112に保持されたフォーカスリングFRの位置が基準位置からずれていた場合であっても、プロセスモジュールPM1の載置台3の所定の位置にフォーカスリングFRを載置することができる。
ピック112に保持されたフォーカスリングFRの位置は、フォーカスリングFRの内周縁部が位置検出センサS11、S12を通過することにより生じる位置検出センサS11、S12の出力の変化に基づいて算出することができる。例えば図9(a)に示されるように、位置P21から位置P24までフォーカスリングFRを搬送する場合、位置P22から位置P23までフォーカスリングFRが移動する時間T2に基づいて算出することができる。位置P22は、位置検出センサS11、S12のセンサ出力がロー(L)レベルからハイ(H)レベルに変化する位置であり、位置P23は、位置検出センサS11、S12のセンサ出力がハイ(H)レベルからロー(L)レベルに変化する位置である。具体的には、図9(b)に示されるように、位置P22での時刻t22及び位置P23での時刻t23を用いて、T2=t23−t22により算出することができる。なお、図9では、フォーカスリングFRにより位置検出センサS11が遮光される位置と位置検出センサS12が遮光される位置とが同じ場合を示しているが、これらの位置は異なっていてもよい。
また、搬送中にフォーカスリングFRが破損ないし落下した場合、図9にて示される波形を検出できない。この場合には、フォーカスリング搬送の異常と判断し、搬送処理を中断する。
基準位置は、例えば処理ユニット側搬送装置TR1の第1アーム111の旋回用モータ及び伸縮用モータのエンコーダ位置に基づいて算出することができる。なお、基準位置を算出する方法は、これに限定されず、各種の既存の方法を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
上記の実施形態では、第1のクリーニングステップS30及び第2のクリーニングステップS50において、プラズマを用いたクリーニング処理を行う場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、プラズマを用いずにガス衝撃力、ガス粘性力及び電磁応力を用いて処理室内部の構成部品からパーティクルを剥離させると共に処理室内部から排出するNPPC(Non Plasma Particle Cleaning)を用いた処理であってもよい(特開2005−101539号公報)。