JP2019186399A - 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 - Google Patents
粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019186399A JP2019186399A JP2018076036A JP2018076036A JP2019186399A JP 2019186399 A JP2019186399 A JP 2019186399A JP 2018076036 A JP2018076036 A JP 2018076036A JP 2018076036 A JP2018076036 A JP 2018076036A JP 2019186399 A JP2019186399 A JP 2019186399A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive
- tape
- peeling
- pressure
- protective tape
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/67—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/67005—Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/67011—Apparatus for manufacture or treatment
- H01L21/67132—Apparatus for placing on an insulating substrate, e.g. tape
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/02—Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/67—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/67005—Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/67011—Apparatus for manufacture or treatment
- H01L21/67126—Apparatus for sealing, encapsulating, glassing, decapsulating or the like
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/67—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/683—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for supporting or gripping
- H01L21/6835—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for supporting or gripping using temporarily an auxiliary support
- H01L21/6836—Wafer tapes, e.g. grinding or dicing support tapes
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L24/00—Arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies; Methods or apparatus related thereto
- H01L24/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L24/50—Tape automated bonding [TAB] connectors, i.e. film carriers; Manufacturing methods related thereto
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L24/00—Arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies; Methods or apparatus related thereto
- H01L24/74—Apparatus for manufacturing arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies
- H01L24/79—Apparatus for Tape Automated Bonding [TAB]
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L24/00—Arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies; Methods or apparatus related thereto
- H01L24/80—Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected
- H01L24/86—Methods for connecting semiconductor or other solid state bodies using means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected using tape automated bonding [TAB]
Abstract
【課題】剥離テープを用いることなく粘着テープをウエハから精度よく剥離除去することのできる粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置を提供する。【解決手段】剥離ユニット23は粘着ローラ27を備えている。粘着ローラ27は外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備えている。粘着ローラ27は、当該粘着面に保護テープPTを粘着させた状態で、ウエハWに対してテープ剥離方向Pへ相対的に移動することによって、保護テープPTをウエハWから剥離させる。粘着ローラ27による粘着力を用いて保護テープPTを剥離するので、剥離テープなどの副部材を用いることなく、精度良くウエハWから剥離することができる。【選択図】図7
Description
本発明は、半導体ウエハ(以下、適宜「ウエハ」という)に貼り付けられた粘着テープを剥離するための、粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置に関する。
ウエハの表面に回路パターン形成処理を行った後、ウエハの裏面全体を均一に研削して薄型化するバックグラインド処理が施される。当該バックグラインド処理を行う前に、回路を保護するべくウエハの表面に保護用の粘着テープ(保護テープ)を貼り付けている。ウエハを薄型化した後、ダイシング工程などの各処理をおこなうべく保護テープを剥離する。
ウエハから保護テープを剥離する従来の方法としては、裏面研削後に保護テープの表面に剥離用の粘着テープ(剥離テープ)を貼り付けて当該剥離テープを剥離することによって、剥離テープと保護テープとを一体として剥離する方法が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
また保護テープをウエハから剥離する他の方法としては、吸着ローラと把持部材とを併用する方法が提案されている。すなわち、保護テープを吸着ローラで吸着しながら水平移動することにより、保護テープの端部のごく一部がウエハから剥離され、剥離開始端が形成される。そして形成された剥離開始端を吸着ローラと把持部材とで把持しながら保護テープをウエハから剥離する(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、上記従来装置では次のような問題がある。
すなわち、特許文献1に係る従来の剥離方法では、保護テープを剥離するたびに剥離テープが必要となる。また剥離テープを保護テープへと案内させる構成、および剥離テープを保護テープと一体としてウエハから剥離させる構成は複雑であるので、剥離装置のランニングコストが上昇する問題が懸念される。
すなわち、特許文献1に係る従来の剥離方法では、保護テープを剥離するたびに剥離テープが必要となる。また剥離テープを保護テープへと案内させる構成、および剥離テープを保護テープと一体としてウエハから剥離させる構成は複雑であるので、剥離装置のランニングコストが上昇する問題が懸念される。
また、近年では、粘着力がより強い材料がテープの粘着材として用いられる傾向にある。そのため、特に特許文献2の構成では確実に保護テープなどの粘着テープをウエハから剥離することが困難となっている。
ここで従来の構成では粘着テープの剥離が困難である一因について、特許文献2の構成を用いて説明する。すなわち、ウエハの端部付近における保護テープとウエハとの粘着面積は、ウエハの中央部分における粘着面積よりも小さい。すなわち剥離開始端付近ではウエハと保護テープとの粘着力が低いので、吸着ローラと把持部材とによって、保護テープをウエハから剥離して剥離開始端を形成されることはできる。
しかしながら、中央部分に向かうにつれてウエハと保護テープとの粘着面積が大きくなり、ウエハと保護テープとの粘着力が増大する。そのため、吸着ローラおよび把持部材による保護テープの保持力よりもウエハと保護テープとの粘着力が上回り、吸着ローラおよび把持部材から保護テープが外れてウエハに落下して再付着するといった問題が生じている。
また特許文献2に係る方法では、吸着ローラによって剥離開始端が形成された後、把持部材を水平方向に進行させ、保護テープの剥離開始端とウエハとの間に把持部材を挿入させる。このとき、剥離開始端とウエハとの間隙は狭いので、把持部材を精度良く当該間隙に挿入させることは困難である。特に把持部材の位置精度が低い場合、把持部材がウエハの側面に接触し、ウエハが損傷を受けるという問題も懸念される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、剥離テープを用いることなく粘着テープをウエハから精度よく剥離除去できる粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置を提供することを主たる目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る粘着テープ剥離方法は、ワークに貼り付けられた粘着テープを前記ワークから剥離する粘着テープ剥離方法であって、
外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材を、前記粘着テープの表面に粘着させる粘着過程と、
前記粘着テープを粘着させた前記粘着部材を、前記ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させ、前記ワークから前記粘着テープを剥離させる剥離過程と、
剥離された前記粘着テープを前記粘着部材から除去する除去過程と、
を備えたことを特徴とする。
すなわち、本発明に係る粘着テープ剥離方法は、ワークに貼り付けられた粘着テープを前記ワークから剥離する粘着テープ剥離方法であって、
外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材を、前記粘着テープの表面に粘着させる粘着過程と、
前記粘着テープを粘着させた前記粘着部材を、前記ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させ、前記ワークから前記粘着テープを剥離させる剥離過程と、
剥離された前記粘着テープを前記粘着部材から除去する除去過程と、
を備えたことを特徴とする。
(作用・効果)この構成によれば、粘着過程において、外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材を、粘着テープの表面に粘着させる。そして剥離過程において、粘着テープを粘着させた粘着部材を、ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させ、ワークから前記粘着テープを剥離させる。
この場合、剥離用の剥離テープや粘着テープを把持する把持部材といった副部材を用いることなく、粘着部材の粘着力によって粘着テープをワークから剥離できる。従って、粘着テープの剥離に要するコストを低減できる。
また、上述した発明において、前記粘着部材は粘着ローラであり、
前記剥離過程は、前記粘着テープを粘着させた前記粘着ローラを転動させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ巻き取ることによって前記ワークから前記粘着テープを剥離させることが好ましい。
前記剥離過程は、前記粘着テープを粘着させた前記粘着ローラを転動させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ巻き取ることによって前記ワークから前記粘着テープを剥離させることが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着部材として粘着ローラを用いる。そして剥離過程では、粘着テープを粘着させた粘着ローラを転動させ、粘着テープを粘着面に粘着させつつ巻き取ることによってワークから粘着テープを剥離させる。この場合、剥離された粘着テープは粘着ローラの粘着面に粘着するので、当該粘着テープは粘着ローラの外周面に密着するように巻き取られる。すなわち剥離された粘着テープをコンパクトな状態にしつつ、剥離過程を実行できる。従って、粘着テープが周囲の部材に粘着して剥離エラーが発生する事態を確実に回避できる。
また、上述した発明において、前記粘着過程は、前記粘着面に吸着孔が設けられている前記粘着部材を前記粘着テープに当接させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ前記粘着テープを前記吸着孔で吸着することが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着部材は吸着孔を備えている。そして剥離過程では粘着テープを粘着面に粘着させつつ粘着テープの吸着も行う。従って、吸着孔による吸着力と粘着面による粘着力が協働するので、粘着テープに対する粘着部材の保持力を向上できる。
また、上述した発明において、前記粘着テープが除去された前記粘着部材の前記粘着面を洗浄して前記粘着面の粘着力を回復させる粘着力回復過程を備えることが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着テープの除去後に粘着面を洗浄して当該粘着面の粘着力を回復させる。そのため、粘着部材を繰り返し使用しても粘着力の低下による粘着エラーが発生する事態を寄り確実に回避できる。
また、上述した発明において、前記粘着過程は、前記粘着部材の前記粘着面を冷却させる冷却過程を有することが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着面を冷却させる冷却過程を有している。この場合、粘着テープとワークとの粘着力を低減すべく粘着テープを加熱した場合であっても、粘着部材の粘着面において高温による粘着力の低下が発生する事態を防止できる。よって、粘着テープとワークとの粘着力を低減させつつ、粘着テープと粘着部材との粘着力を向上できる。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとってもよい。
すなわち、本発明に係る粘着テープ剥離装置は、ワークに貼り付けられた粘着テープを前記ワークから剥離する粘着テープ剥離装置であって、
前記粘着テープが貼り付けられた前記ワークを載置保持する保持テーブルと、
外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材と、
前記粘着部材を前記粘着テープの表面に粘着させる粘着制御機構と、
前記粘着テープを粘着させた前記粘着部材を、前記ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させ、前記ワークから前記粘着テープを剥離させる剥離機構と、
剥離された前記粘着テープを前記粘着部材から除去する除去機構と、
を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る粘着テープ剥離装置は、ワークに貼り付けられた粘着テープを前記ワークから剥離する粘着テープ剥離装置であって、
前記粘着テープが貼り付けられた前記ワークを載置保持する保持テーブルと、
外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材と、
前記粘着部材を前記粘着テープの表面に粘着させる粘着制御機構と、
前記粘着テープを粘着させた前記粘着部材を、前記ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させ、前記ワークから前記粘着テープを剥離させる剥離機構と、
剥離された前記粘着テープを前記粘着部材から除去する除去機構と、
を備えることを特徴とする。
(作用・効果)この構成によれば、粘着制御機構は、外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材を、粘着テープの表面に粘着させる。そして剥離機構は、粘着テープを粘着させた粘着部材を、前記ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させてワークから前記粘着テープを剥離させる。
この場合、剥離用の剥離テープや粘着テープを把持する把持部材といった副部材を用いることなく、粘着部材の粘着力によって粘着テープをワークから剥離できる。従って、上記方法を好適に実現できる。
また、上述した発明において、前記粘着部材は粘着ローラであり、前記剥離機構は、前記粘着テープを粘着させた前記粘着ローラを転動させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ巻き取ることによって前記ワークから前記粘着テープを剥離させることが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着テープを粘着させた粘着ローラを転動させ、粘着テープを粘着面に粘着させつつ巻き取ることによってワークから粘着テープを剥離させる。この場合、剥離された粘着テープは粘着ローラの粘着面に粘着するので、当該粘着テープは粘着ローラの外周面に密着するように巻き取られる。従って、粘着テープが周囲の部材に粘着して剥離エラーが発生する事態を確実に回避できる。
また、上述した発明において、前記粘着部材は前記粘着テープを吸着する吸着孔を前記粘着面に備えており、前記粘着制御機構は、前記粘着部材を前記粘着テープに当接させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ前記粘着テープを前記吸着孔で吸着することが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着部材は吸着孔を備えている。そして粘着テープを粘着面に粘着させるとともに、粘着テープを粘着部材で吸着する。従って、吸着孔による吸着力と粘着面による粘着力が協働するので、粘着テープに対する粘着部材の保持力を向上できる。
また、上述した発明において、前記粘着テープが除去された前記粘着部材の前記粘着面を洗浄して前記粘着面の粘着力を回復させる粘着力回復機構を備えることが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着テープの除去後に粘着面を洗浄して当該粘着面の粘着力を回復させる。そのため、粘着部材を繰り返し使用しても粘着力の低下による粘着エラーが発生する事態を寄り確実に回避できる。
また、上述した発明において、前記粘着部材の前記粘着面を冷却させる冷却機構を有することが好ましい。
(作用・効果)この構成によれば、粘着面を冷却させる冷却機構を有している。この場合、粘着テープとワークとの粘着力を低減すべく粘着テープを加熱した場合であっても、粘着部材の粘着面において高温による粘着力の低下が発生する事態を防止できる。よって、粘着テープとワークとの粘着力を低減させつつ、粘着テープと粘着部材との粘着力を向上できる。
本発明に係る粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置によれば、粘着面を備えた粘着部材を粘着テープに粘着させた状態で、ワークと粘着部材とを相対的に移動させることによって粘着テープをワークから剥離させる。そのため、剥離テープや把持部材といった副部材を用いることなく粘着テープをワークから剥離できる。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は実施例1に係る粘着テープ剥離装置1の正面図であり、図2は粘着テープ剥離装置1の平面図であり、図3は粘着テープ剥離装置1の右側面図である。実施例1においては、予め表面に保護テープPTが貼り付けられている半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」と略称する)から保護テープPTを剥離する構成を例にとって説明する。すなわち実施例1では、保護テープPTを例とする粘着テープが貼り付けられている対象(ワーク)として、ウエハWを用いる場合を例示する。
<全体構成の説明>
この粘着テープ剥離装置1は、図示しない搬送ロボットにより搬送されたウエハWを載置して保持する保持テーブル3、テープ剥離機構5、およびテープ回収部7などが備えられている。
この粘着テープ剥離装置1は、図示しない搬送ロボットにより搬送されたウエハWを載置して保持する保持テーブル3、テープ剥離機構5、およびテープ回収部7などが備えられている。
保持テーブル3は金属製のチャックテーブルであり、図3に示すように、表面に複数個の吸着孔9を備えている。吸着孔9の各々は、図5などに示すように流路10を介して外部の真空装置11と連通接続されている。すなわち、真空装置11を用いて真空吸引を行うことにより、保持テーブル3は載置されたウエハ1を吸着保持する。保持テーブル3は、複数本の支持ピン13が装備されているとともに、ウエハWおよび保護テープPTを加熱するヒータ14が内蔵されている。
保持テーブル3は金属製に限定されることはなく、セラミックの多孔質で形成された構成などを適宜代用してもよい。また、吸着孔9および真空装置11は必須な構成ではなく、ウエハWを安定に保持できる構成であれば、保持テーブル3はウエハWを吸着する構成でなくともよい。
支持ピン13は、保持テーブル3の所定の円周上に等間隔をおいて配備されている。すなわち支持ピン13は、シリンダ15によって保持テーブル3の保持面に対して出退昇降可能に構成されている。
テープ剥離機構5は、図1および図2に示すように、レール17に沿ってx方向へ水平に往復移動可能な可動台19から下向きに延出された昇降軸21を介して剥離ユニット23が装着されている。
可動台19は、遊転プーリとモータの駆動軸に装着された駆動プーリとに張架された無端ベルトによって水平移動するように構成されている。剥離ユニット23は可動台19の水平移動に従って、x方向へ往復移動が可能となっている。昇降軸21は、モータ25の正逆転駆動によって剥離ユニット23の全体を昇降させるよう構成されている。可動台19は本発明における駆動機構に相当する。
剥離ユニット23は図1および図4などに示すように、保護テープPTをウエハWから剥離させる粘着ローラ27が設けられている。粘着ローラ27は、中空の回転軸29に装着されたプーリ31とモータ33の駆動軸に装着された駆動プーリ35とに張架された無端ベルト36によって自転可能に構成されている。
また、剥離ユニット23は冷却ノズル37を備えている。冷却ノズル37は図示しない気体供給部と接続されており、粘着ローラ27の外周面に気体を吹き付けることにより、粘着ローラ27を冷却させるように構成されている。冷却ノズル37は本発明における冷却機構に相当する。
粘着ローラ27は、外周面の少なくとも一部が粘着性を有する粘着面となるように構成されている。本実施例では粘着ローラ27は外周面の全体が粘着面となるように構成されるものとする。粘着ローラ27の外周面を構成する、粘着性を備える材料の例としては、ゴム、エラストマー、またはゲル状の高分子材料などが挙げられる。
また、粘着ローラ27の外周面を構成する材料として、特に水などを用いた洗浄によって粘着力が回復する材料であることが好ましい。好ましい材料の一例としては、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。粘着ローラ27は粘着面を介して保護テープPTと粘着することによって、保護テープPTをウエハWから剥離するとともに、ウエハWから剥離された保護テープPTを保持できる。
テープ回収部7は図1などに示すように、テープ剥離方向Pにおいて保持テーブル3よりも前方に設けられており、把持ユニット39と回収ボックス41とを備えている。把持ユニット39は、ウエハWから剥離されて粘着ローラ27に粘着保持されている保護テープPTの端部を把持する。
把持ユニット39が保護テープPTを把持した状態で粘着ローラ27を適宜移動させることにより、粘着ローラ27から保護テープPTを除去する。回収ボックス41は、粘着ローラ27から除去された保護テープPTを内部に収納する。実施例1において、把持ユニット39は本発明における除去機構に相当する。
粘着テープ剥離装置1は、さらに洗浄ノズル43を備えている。洗浄ノズル43は図示しない洗浄液供給装置と連通しており、粘着ローラ27の粘着面に洗浄液を吹き付けるように構成される。本実施例において、水を洗浄液として用いることとする。洗浄液を吹き付けることにより、粘着ローラ27の粘着面から塵埃や保護テープPTを構成する粘着材などが除去され、粘着ローラ27の粘着面における粘着力が回復する。洗浄ノズル43は本発明における粘着力回復機構に相当する。
<動作の説明>
次に、実施例1に係る粘着テープ剥離装置1を用いて、保護テープPTをウエハWから剥離するための一連の動作を説明する。なお、保護テープPTとして、加熱によって粘着力が低減する片面テープを用いることとする。
次に、実施例1に係る粘着テープ剥離装置1を用いて、保護テープPTをウエハWから剥離するための一連の動作を説明する。なお、保護テープPTとして、加熱によって粘着力が低減する片面テープを用いることとする。
ステップS1(条件設定の入力)
先ず、図示しない操作部を操作して各種条件設定を入力する。各種条件設定の一例として、ヒータ14の加熱温度および加熱時間や、保持テーブル3の保持面の高さに関する情報などが挙げられる。ヒータ14の加熱温度や加熱時間は、保護テープPTの粘着層が加熱により発泡膨張して粘着力を減滅する程度に設定する。
先ず、図示しない操作部を操作して各種条件設定を入力する。各種条件設定の一例として、ヒータ14の加熱温度および加熱時間や、保持テーブル3の保持面の高さに関する情報などが挙げられる。ヒータ14の加熱温度や加熱時間は、保護テープPTの粘着層が加熱により発泡膨張して粘着力を減滅する程度に設定する。
ステップS2(ウエハの搬送および保持)
各種設定が完了すると、粘着テープ剥離装置1を作動させる。作動開始により、保護テープPTが予め貼り付けられているウエハWが、図示しないロボットアームによって、アライメントステージで位置合わせされた後に保持テーブル3上に搬送される。このとき、ヒータ14による加熱が開始され、保持テーブル3はヒータ14によって加熱される。
各種設定が完了すると、粘着テープ剥離装置1を作動させる。作動開始により、保護テープPTが予め貼り付けられているウエハWが、図示しないロボットアームによって、アライメントステージで位置合わせされた後に保持テーブル3上に搬送される。このとき、ヒータ14による加熱が開始され、保持テーブル3はヒータ14によって加熱される。
ロボットアームによって裏面吸着されているウエハWは、図5に示すように、保持テーブル3から突出している複数本の支持ピン13に載置される。その後、支持ピン13が下降し、ウエハWの裏面全面が保持テーブル3の上面に所定の姿勢および位置で載置される。さらに、ウエハWは、保持テーブル3の外周に配備された位置決め機構によって外周から把持されて位置合わされる。
その後、真空装置11が作動して真空吸引を開始することにより、ウエハWは保持テーブル3に吸着保持される。吸着保持されたウエハW上の保護テープPTがヒータ14に加熱されることにより、保護テープPTにおける加熱剥離性の粘着層は発泡膨張し、保護テープPTとウエハWとの粘着力が低減される。
ステップS3(粘着ローラの粘着)
所定時間の加熱が完了すると、ヒータ14を停止させるとともにテープ剥離機構5を作動させる。作動開始の指示により、図示しない制御部は可動台19およびモータ25を制御して、テープ剥離機構5の剥離ユニット23を水平方向および上下方向に適宜移動させる。当該制御により、剥離ユニット23に設けられている粘着ローラ27は、初期位置から剥離開始位置に移動する。なお剥離開始位置は図6(a)に示すように、保護テープPTの一端(剥離開始端)となるように設定されている。
所定時間の加熱が完了すると、ヒータ14を停止させるとともにテープ剥離機構5を作動させる。作動開始の指示により、図示しない制御部は可動台19およびモータ25を制御して、テープ剥離機構5の剥離ユニット23を水平方向および上下方向に適宜移動させる。当該制御により、剥離ユニット23に設けられている粘着ローラ27は、初期位置から剥離開始位置に移動する。なお剥離開始位置は図6(a)に示すように、保護テープPTの一端(剥離開始端)となるように設定されている。
剥離開始位置に粘着ローラ27が移動すると、図6(b)に示すように、モータ25によって剥離ユニット23を下降させる。剥離ユニット23が下降することにより、粘着ローラ27は保護テープPTを押圧し、粘着ローラ27の外周に設けられている粘着面が保護テープPTに粘着する。このとき、粘着ローラ27の粘着面のうち、保護テープPTを含むxy平面に接する範囲を当接範囲Vとする。
図6(c)に示すように、粘着ローラ27の幅にも相当する当接範囲Vの幅B1は、保護テープPTのうち粘着ローラ27に粘着する範囲Hの幅B2より広くなるように、粘着ローラ27が構成される。すなわち保護テープPTに対して、粘着ローラ27は幅広となっている粘着面を押圧させることによって粘着する。
従って、保護テープPTの幅方向にわたって均一に力を作用させて保護テープPTを粘着保持しつつ、保護テープPTをウエハWから剥離させることができる。なお、粘着ローラ27は保護テープPTの径より幅広であることが特に好ましい。この場合、確実に当接範囲Vは範囲Hよりも幅広となるので、より確実に保護テープPTの幅方向にわたって均一な力を作用させることができる。
粘着ローラ27を保護テープPTに粘着させる際に、冷却ノズル37は粘着ローラ27に気体Rを吹き付け、粘着ローラ27を冷却させる。当該冷却により、ヒータ14によって保護テープPTが高温となっている場合であっても、粘着ローラ27が過度に高温となって粘着ローラ27の粘着面における粘着力が低下するという事態をより確実に防止できる。冷却ノズル37により、粘着ローラ27における当接範囲Vの温度は40℃以下に維持されることが好ましく、10℃以上30℃以下に維持されることが特に好ましい。
ステップS4(テープの剥離)
粘着ローラ27の粘着面に保護テープPTの一端側を粘着させた後、図7(a)において矢印Dで示すように、剥離ユニット23をテープ剥離方向Pの前方へ斜め上向きに移動させる。すなわち、保護テープPTの面と平行なテープ剥離方向Pに剥離ユニット23を駆動させるとともに、ウエハWから離反する方向にも剥離ユニット23を駆動させることによって、剥離ユニットは斜め上向きの方向Dへと移動する。
粘着ローラ27の粘着面に保護テープPTの一端側を粘着させた後、図7(a)において矢印Dで示すように、剥離ユニット23をテープ剥離方向Pの前方へ斜め上向きに移動させる。すなわち、保護テープPTの面と平行なテープ剥離方向Pに剥離ユニット23を駆動させるとともに、ウエハWから離反する方向にも剥離ユニット23を駆動させることによって、剥離ユニットは斜め上向きの方向Dへと移動する。
剥離ユニット23がテープ剥離方向Pの前方へと駆動されるに伴い、粘着ローラ27はウエハWに対してテープ剥離方向Pへ相対的に移動する。当該相対的な移動により、ウエハWから保護テープPTが剥離されていく。
なお、剥離ユニット23とウエハWとの干渉を防止すべく、剥離ユニット23の底面の高さがウエハWの表面より高くなる程度に剥離ユニット23をわずかに上昇させた後、剥離ユニット23を前方の斜め上向きである方向Dに移動させてもよい。また剥離ユニット23をわずかに上昇させた後、テープ剥離方向Pへ水平移動させてもよい。
剥離ユニット23が一定の位置まで斜め上向きに移動した後、テープ剥離方向Pの前方へと剥離ユニット23を水平移動させる。図7(b)に示すように、当該水平移動により剥離ユニット23は剥離終了端側へと移動し、保護テープPTは完全にウエハWから剥離される。剥離ユニット23は保護テープPTの他端側を垂れ下げた状態で、さらにテープ回収部7の上方へと移動する。
ステップS5(テープの回収)
剥離ユニット23をテープ回収部7へと移動させた後、粘着ローラ27の位置を適宜制御させ、図8(a)に示すように保護テープPTの他端部分を把持ユニット39によって把持させる。把持ユニット39が保護テープPTを把持した後、図8(b)に示すように剥離ユニット23をテープ剥離方向Pの後方へと移動させつつ、粘着ローラ27を逆方向へ回転させる。剥離ユニット23の移動および粘着ローラ27の逆回転により、粘着ローラ27によって粘着保持されていた保護テープPTは、粘着ローラ27から離れて除去される。粘着ローラ27から除去された保護テープPTは回収ボックス41に落下して回収される。
剥離ユニット23をテープ回収部7へと移動させた後、粘着ローラ27の位置を適宜制御させ、図8(a)に示すように保護テープPTの他端部分を把持ユニット39によって把持させる。把持ユニット39が保護テープPTを把持した後、図8(b)に示すように剥離ユニット23をテープ剥離方向Pの後方へと移動させつつ、粘着ローラ27を逆方向へ回転させる。剥離ユニット23の移動および粘着ローラ27の逆回転により、粘着ローラ27によって粘着保持されていた保護テープPTは、粘着ローラ27から離れて除去される。粘着ローラ27から除去された保護テープPTは回収ボックス41に落下して回収される。
ステップS6(粘着ローラの洗浄)
保護テープPTを粘着ローラ27から除去して回収した後、粘着ローラ27を洗浄ノズル43の近傍へと移動させる。図9に示すように、洗浄ノズル43は粘着ローラ27の粘着面に対して洗浄液Sを吐出させ、粘着ローラ27の粘着面を洗浄する。当該洗浄により、粘着ローラ27の粘着面から塵埃や保護テープPTの欠片などが除去されるので、粘着ローラ27の粘着面における粘着力が回復する。洗浄により粘着力が回復した粘着ローラ27は、初期位置へと復帰する。
保護テープPTを粘着ローラ27から除去して回収した後、粘着ローラ27を洗浄ノズル43の近傍へと移動させる。図9に示すように、洗浄ノズル43は粘着ローラ27の粘着面に対して洗浄液Sを吐出させ、粘着ローラ27の粘着面を洗浄する。当該洗浄により、粘着ローラ27の粘着面から塵埃や保護テープPTの欠片などが除去されるので、粘着ローラ27の粘着面における粘着力が回復する。洗浄により粘着力が回復した粘着ローラ27は、初期位置へと復帰する。
粘着ローラ27の洗浄と同期して、支持ピン13を上昇させて保持テーブル3から突き出し、ウエハWを保持テーブル3から離間させる。ウエハWと保持テーブル3の間にロボットアームの先端が進入し、裏面からウエハWを吸着保持して次工程に向けて搬出する。以上で一巡の動作が終了し、以後同じ動作が繰り返される。
<実施例1の構成による効果>
実施例1に係る粘着テープ剥離装置によれば、粘着性を有する粘着面を外周面に備える粘着ローラ27を用いることにより、ウエハWから保護テープPTを剥離する。この場合、ウエハWから保護テープPTを剥離する際に、剥離テープや当該剥離テープの操作に要する構成、把持部材などを粘着テープ剥離装置に備える必要がない。よって、粘着テープ剥離装置のランニングコストを向上できる。
実施例1に係る粘着テープ剥離装置によれば、粘着性を有する粘着面を外周面に備える粘着ローラ27を用いることにより、ウエハWから保護テープPTを剥離する。この場合、ウエハWから保護テープPTを剥離する際に、剥離テープや当該剥離テープの操作に要する構成、把持部材などを粘着テープ剥離装置に備える必要がない。よって、粘着テープ剥離装置のランニングコストを向上できる。
また従来構成において、爪状やピン状などの把持部材を用いて保護テープを剥離する場合、保護テープにおける一部の狭い領域に剥離するための力が集中し、保護テープが破損する問題も懸念される。具体的には図6(d)に示すように、把持部材V1を用いて保護テープPTを把持する場合、把持部材V1の幅B3は、把持部材V1の先端部分Jにおける保護テープPTの幅B4より狭くなることが一般的である。
そのため、保護テープPTのうち、把持部材V1によって把持される部分と把持されない部分との間において、作用する力に大きな差が発生する。その結果、把持部材V1で保護テープPTを把持しながら保護テープPTをウエハWから剥離する際に、特に把持部材V1が把持する部分の周辺部分において保護テープPTが破損するという問題が懸念される。
一方、本実施例では図6(c)に示すように、幅広の粘着ローラ27を保護テープPTに粘着させる。そのため、保護テープPTの幅方向にわたって均一に力を作用させて保護テープPTをウエハWから剥離させる。従って、剥離過程の際に保護テープPTの一部に過度な力が作用して保護テープPTが破損するという事態を回避できる。
さらに本発明では粘着ローラ27の外周面における粘着力を利用して保護テープPTを剥離させるので、当該外周面を洗浄することによって容易に粘着力を回復させることができる。このような洗浄過程を行うことにより、粘着ローラ27の粘着面を繰り返し利用できるので、粘着ローラ27の交換頻度を低くすることができる。よって、粘着テープ剥離装置のランニングコストを向上できる。
次に、本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と実施例2において共通する構成については同一符号を付し、実施例2において実施例1と相違する構成である、粘着ローラ27Aについて図面を用いて説明する。
実施例2に係る粘着ローラ27Aは図10に示すように、外周面の一部に平坦面45を有している。平坦面45には吸着孔47が設けられている。吸着孔47の各々は、図示しない吸引装置に連通接続されており、吸着孔47を介して粘着ローラ27Aは保護テープPTを吸着保持できるように構成されている。
また、粘着ローラ27Aの内部を負圧から正圧にすることにより、吸着孔47を介して気体を排出できるように構成されている。平坦面45において吸着孔47が設けられている位置は、保護テープPTと当接する範囲Hと対応する位置となるように構成されている。
なお、外周面の一部が粘着性を有する粘着面となっている構成の一例として、実施例2では、粘着ローラ27Aの外周面のうち斜線で示されている範囲Hが粘着面となるように構成されているものとする。図10に示す構成は粘着ローラ27Aの一例であり、粘着面および吸着孔47が配設される位置は適宜変更してよい。例えば実施例1と同様に、外周面の全体が粘着面となってもよいし、外周面のうち平坦面45が粘着面となっている構成でもよい。また、外周面のうち平坦面45以外の曲面となっている部分に吸着孔47が設けられていてもよい。
実施例2に係る、保護テープPTをウエハWから剥離するための一連の動作について、実施例1と相違する部分を重点的に説明する。なお、ステップS1およびステップS2は実施例1と共通するため、説明を省略する。
ステップS3(粘着ローラの粘着)
保護テープPTの加熱が完了すると、テープ剥離機構5を作動させて剥離ユニット23を剥離開始位置へ移動させる。剥離開始位置に粘着ローラ27Aが移動すると、図11(a)に示すように、粘着ローラ27Aを自転させて吸着孔47が下向きとなるように調整する。なお、図11以降の各図では説明の便宜上、剥離ユニット23の構成の一部を省略している。
保護テープPTの加熱が完了すると、テープ剥離機構5を作動させて剥離ユニット23を剥離開始位置へ移動させる。剥離開始位置に粘着ローラ27Aが移動すると、図11(a)に示すように、粘着ローラ27Aを自転させて吸着孔47が下向きとなるように調整する。なお、図11以降の各図では説明の便宜上、剥離ユニット23の構成の一部を省略している。
剥離開始位置で粘着ローラ27Aの位置調整が完了すると、図11(b)に示すようにモータ25によって剥離ユニット23を下降させる。このとき、冷却ノズル37は気体Rを吹き付けて粘着ローラ27Aの粘着面を冷却している。剥離ユニット23が下降することにより、粘着ローラ27Aは保護テープPTを適度に押圧する。そして平坦面45に設けられている粘着面を介して、粘着ローラ27Aが保護テープPTに粘着する。
粘着ローラ27Aが保護テープPTに粘着すると同時に吸引装置を作動させ、吸着孔47を介して保護テープPTを吸着させる。このとき、平面視における平坦面45、吸着孔47、粘着面が設けられている範囲H、および保護テープPTの位置関係は、図11(c)に示される通りである。
すなわち、粘着ローラ27Aに設けられている粘着面と吸着孔47とが協働して保護テープPTを保持する。吸着孔47を介した吸着力と、範囲Hに設けられている粘着面を介した粘着力とがそれぞれ作用することにより、粘着ローラ27Aは保護テープPTをより安定して保持できる。
また、粘着面と吸着孔47との各々を平坦面45に設け、平坦面45を介して平坦な保護テープPTの粘着保持および吸着保持を行うことにより、粘着ローラ27Aは比較的広範囲にわたって保護テープPTを保持できる。よって、粘着ローラ27Aによる保護テープPTの保持力をより向上できる。
粘着ローラ27Aによって保護テープPTの一端側を粘着および吸着させると、図12(a)に示すように、平坦面45を下向きにした状態で粘着ローラ27Aをテープ剥離方向Pの前方へ斜め上向きに移動させる。当該移動により、粘着ローラ27AはウエハWに対してテープ剥離方向Pへ相対的に移動し、保護テープPTはウエハWから剥離されていく(ステップS4)。
そして粘着ローラ27Aは保護テープPTを保持した状態で回収ボックス41の上方へと移動する。回収ボックス41の上方へ移動した後、図12(b)に示すように負圧から正圧に切り換えて吸着孔47から気体Nを排出させる。吸着孔47から気体Nを排出させることにより、保護テープPTは粘着ローラ27Aから離れて除去される。除去された保護テープPTは回収ボックス41に落下して回収される(ステップS5)。
保護テープPTが除去された後、粘着ローラ27Aの粘着面を洗浄ノズル43で洗浄し、粘着力を回復させるとともに、保護テープPTが剥離された後のウエハWを搬出する(ステップS6)。
実施例1では粘着ローラ27の外周に設けられた粘着面の粘着力によって保護テープPTを粘着保持する。一方、実施例2に係る粘着ローラ27Aはさらに吸着孔47が配設されており、粘着ローラ27Aの粘着力で保護テープを粘着保持すると同時に、吸着孔を介して保護テープPTを吸着保持する。そのため、実施例2の構成では粘着ローラ27Aによる保護テープPTの保持力をより高めることができるので、保護テープPTを剥離する際に粘着ローラ27Aから保護テープPTが落下する事態をより確実に防止できる。
また、実施例2では吸着孔47から気体Nを排出させることによって、粘着ローラ27Aによる保護テープPTの保持を解除させる。この場合、粘着ローラ27Aが保護テープPTを吸着する際に、保護テープPTの一部が吸着孔47の内部に引き込まれていた場合であっても、吸着孔47から保護テープPTを確実に排出できる。よって、保護テープPTを粘着ローラ27Aから除去する動作にエラーが発生する事態を確実に回避できる。
次に、本発明の実施例3を説明する。実施例3に係る粘着テープ剥離装置1の構成は実施例1の構成と共通するので、装置構成については説明を省略する。但し、実施例3は、保護テープPTに粘着させる構成として粘着ローラ27を用いる。また、実施例3に係る剥離過程は、保護テープPTを粘着させた粘着ローラ27を転動させながら保護テープPTをウエハWから剥離させるという点で、実施例1に係るステップS4の剥離過程と相違する。そこで、実施例3に係るステップS4以降の動作について、以下説明する。
ステップS4(テープの剥離)
実施例3に係る工程を開始すると、まず、実施例1と同様にステップS1からステップS3までの工程を行う。ステップS3の工程が完了することにより、粘着ローラ27は保護テープPTの一端側を適度に押圧し、粘着ローラ27の外周に設けられている粘着面に当該保護テープPTの一端側が粘着される(図6(b))。
実施例3に係る工程を開始すると、まず、実施例1と同様にステップS1からステップS3までの工程を行う。ステップS3の工程が完了することにより、粘着ローラ27は保護テープPTの一端側を適度に押圧し、粘着ローラ27の外周に設けられている粘着面に当該保護テープPTの一端側が粘着される(図6(b))。
実施例1に係るステップS4の工程では、粘着ローラ27に保護テープPTを粘着させた状態で粘着ローラ27を斜め前方へ移動させることにより、保護テープPTをウエハWから剥離する(図7(a))。一方、実施例3に係るステップS4の工程では、図13(a)に示すように、粘着ローラ27に保護テープPTを粘着させた状態で、粘着ローラ27を転動させながらテープ剥離方向Pの前方へ移動させる。
実施例3では粘着ローラ27を転動させることにより、保護テープPTは粘着ローラ27の外周面に設けられている粘着面に粘着していくことにより、ウエハWから剥離される。つまり粘着面が外周面に設けられている粘着ローラを転動させることにより、ウエハWから剥離された保護テープPTは、粘着ローラ27の外周面に密着するように巻き取られていく。
そのため、粘着ローラ27が転動しながら保護テープPTの剥離終了端に到達することにより、保護テープPTの全体がウエハWから剥離され、粘着ローラ27に密着するように巻き取られることとなる。すなわち、保護テープPTの全体をウエハWから剥離するために、保持テーブル3から粘着ローラ27を大きく離れさせる必要がない。
ステップS5(テープの除去)
保護テープPTをウエハWから剥離した後、粘着ローラ27に巻き取られた保護テープPTを粘着ローラ27から除去する。粘着ローラ27を、ステップS4において転動させた回転方向とは逆方向に自転させながら、粘着ローラ27をテープ回収部7の上方へと移動させる。
保護テープPTをウエハWから剥離した後、粘着ローラ27に巻き取られた保護テープPTを粘着ローラ27から除去する。粘着ローラ27を、ステップS4において転動させた回転方向とは逆方向に自転させながら、粘着ローラ27をテープ回収部7の上方へと移動させる。
保護テープPTの粘着力は低減されているので、粘着ローラ27を逆方向に自転させることにより、保護テープPTの他端は粘着ローラ27から離れて垂れ下がる(図14(a))。そして図14(b)に示すように、粘着ローラ27から垂れ下がっている保護テープPTの他端部分を把持ユニット39で把持させる。当該把持を維持した状態で粘着ローラ27をさらに逆回転させつつテープ剥離方向Pの後方へ移動させることにより、保護テープPTは粘着ローラ27の粘着面から離れて除去される(図8(b)を参照)。
ステップS6(粘着ローラの洗浄)
粘着ローラ27から保護テープPTを除去した後、他の実施例と同様に、洗浄ノズル43から吐出される洗浄液によって粘着ローラ27の粘着面を洗浄する。そして保護テープPTが剥離されたウエハWを搬出する。以上の動作により、実施例3に係る一連の工程は完了する。
粘着ローラ27から保護テープPTを除去した後、他の実施例と同様に、洗浄ノズル43から吐出される洗浄液によって粘着ローラ27の粘着面を洗浄する。そして保護テープPTが剥離されたウエハWを搬出する。以上の動作により、実施例3に係る一連の工程は完了する。
実施例3では粘着性を有する粘着面を備えた粘着ローラ27を用いて、粘着ローラ27の粘着力によって保護テープPTをウエハWから剥離する。すなわち他の実施例と同様に、把持部材や剥離テープなどの副部材を用いることなく保護テープPTの剥離を行えるので、装置のランニングコストを低減する効果を得ることができる。
また実施例3では、外周に粘着面を有する粘着ローラ27を転動させて保護テープPTを粘着面に粘着させながら保護テープPTをウエハWから剥離させる。そのため、ウエハWから剥離された保護テープPTは粘着ローラ27の外周面に密着するように巻き取られていくので、剥離された保護テープPTは粘着ローラ27を中心にコンパクトにまとまった形状となる(図13(b))。すなわち、図7(b)のような、剥離された保護テープPTの他端側が粘着ローラ27から大きく垂れ下がるという事態を、実施例3では回避できる。
保護テープPTが粘着ローラ27から大きく垂れ下がる場合、垂れ下がった保護テープPTが装置の構成に接触して粘着し、保護テープPTの搬送エラーが発生する事態が懸念される。当該事態を回避するためには、剥離された保護テープPTを保持・搬送する粘着ローラ27の周囲に広いスペースを確保する必要がある。その結果、装置の大型化を回避することは困難となる。
一方で実施例3では、剥離された保護テープPTの他端側は粘着ローラ27に巻き取られており、粘着ローラ27から離れていない。よって、広い空間を確保しなくとも、保護テープPTがウエハWや装置の構成に粘着して搬送エラーが発生するリスクを回避できる。
また、実施例1では保護テープPTを粘着させた粘着ローラ27を前方または上方へ引っ張るようにして保護テープPTを剥離させる。このような構成では、保護テープPTの全体を剥離するには、保持テーブル3の他端(保護テープPTの剥離終了端)から前方または上方へ離れた位置まで粘着ローラ27を移動させる必要がある。
一方、実施例3では粘着ローラ27を転動させて保護テープPTを密着するように巻き取って剥離させるので保護テープPTの剥離終了端へ移動した時点で保護テープPTは全て剥離される。よって、保持テーブル3の周囲に広い空間を確保しなくとも、粘着ローラ27による保護テープPTの剥離を確実に実行できる。
さらに、実施例3では保護テープPTの上を転動しながら粘着させて当該保護テープPTをウエハWから剥離するので、保護テープPTの剥離エラーが発生する事態や、保護テープPTまたはウエハWの破損が発生する事態を回避できる。当該効果について、図を用いて説明する。
ステップS4の開始直後において、保護テープPTの一端側に相当する位置T1において、粘着ローラ27は保護テープPTに粘着している(図13(a))。位置T1において保護テープPTが粘着ローラ27に当接して粘着する範囲M1は比較的狭いので、保護テープPTに対する粘着ローラ27の粘着力は比較的小さい(図13(c)、図14(c))。
しかし、範囲M1は位置T1において保護テープPTとウエハWとが粘着する範囲にも相当する。すなわち、位置T1における保護テープPTとウエハWとの粘着力も小さい。従って、保護テープPTに対する粘着ローラ27の粘着力が小さくとも、当該粘着力によって保護テープPTをウエハWから剥離できる。
そして粘着ローラ27がテープ剥離方向Pへ転動することにより、保護テープPTの中央部に相当する位置T2へと移動する。このとき、位置T2において保護テープPTとウエハWとが粘着する範囲M2は比較的広いので、中央部である位置T2では保護テープPTとウエハWとの粘着力は比較的大きくなる。
しかし、範囲M2は位置T2において保護テープPTが粘着ローラ27に当接して粘着する範囲にも相当する。すなわち、位置T2において保護テープPTに対する粘着ローラ27の粘着力も大きくなる。従って、保護テープPTとウエハWとの粘着力が大きい中央部T2であっても、当該比較的大きい粘着力によって保護テープPTをウエハWから剥離できる。
このように、実施例3では粘着ローラ27が保護テープPTの端部から中央部に向かうにつれて発生する、保護テープPTとウエハWとの粘着力の変化に応じて、粘着ローラ27と保護テープPTとの粘着力も適宜変化させることができる。そのため、保護テープPTを剥離しにくい中央部分においても、保護テープPTを確実にウエハWから剥離できる。
さらに、実施例3では特に保護テープPTの端部を剥離する際に保護テープPTやウエハWが破損する事態を回避できる。すなわち、保護テープPTの端部においては保護テープPTとウエハWとの粘着力は比較的低い。そのため、当該端部に対して過度に大きい力を作用させて保護テープPTを剥離しようとすると、保護テープPTとともにウエハWまで引き上げられる。その結果、ウエハWが変形・破損する事態が懸念される。また、保護テープPTに対して過度に大きい力が作用することにより、保護テープPTが破損する事態も懸念される。
従来のように保護テープを吸着または把持によって保持しつつ保護テープをウエハから剥離する場合、保護テープの保持力は保護テープの端部であっても中央部であっても一定である。そのため、従来の剥離方法では保護テープの端部に対して過度に大きい力が作用して保護テープやウエハが破損する場合がある。また、保護テープの中央部では保護テープの保持力が保護テープとウエハとの粘着力が下回り、保護テープの剥離エラーが発生する場合もある。
これに対し、実施例3では粘着面を有する粘着ローラ27を保護テープPTの上で転動させながら保護テープPTを粘着させつつ巻き取って剥離する。この場合、保護テープPTの端部では、粘着ローラ27の粘着力すなわち保護テープPTを剥離する力を小さくしつつ、中央部では粘着ローラ27の粘着力を大きくできる。
よって、実施例3では保護テープPTの端部において、剥離する力が過度に大きくなってウエハWなどを破損させる事態を回避できる。かつ、保護テープPTの中央部において、保護テープPTを剥離する力が不足することに起因して保護テープPTの剥離エラーが発生する事態も回避できる。
次に、本発明の実施例4を説明する。実施例4の構成は、実施例2の構成に実施例3に係る剥離過程を適用させたものである。すなわち実施例4では保護テープPTを保持する構成として、実施例2と同様に図10に示すような粘着ローラ27Aを用いる。すなわち、粘着ローラ27Aの外周面に設けられた吸着孔47を介した吸着と、同じく外周面に設けられた粘着面を介した粘着とによって、保護テープPTを保持しつつ当該保護テープPTを剥離する。
そして実施例4では、ステップS4において、実施例3のように保護テープPTの上で粘着ローラ27Aを転動させ、保護テープPTを粘着面に粘着させて巻き取ることにより、当該保護テープPTをウエハWから剥離させる。そのため、実施例4に係る粘着ローラ27Aにおいて、粘着性を有する粘着面は粘着ローラ27Aの外周面全体に設けられているものとする。
実施例3および実施例4において粘着ローラの外周面全体を粘着面とする構成は、粘着ローラ27Aの外周に保護テープPTを粘着させつつ密着するように巻き取る工程をより好適に実行できるという点で好ましい。なお、実施例4に係る粘着テープ剥離装置1において、粘着ローラ27Aの粘着面以外の構成は実施例2と共通する。
実施例4に係る一連の工程について、以下説明する。ステップS1ないしステップS3の工程は、実施例2と共通する。すなわち、操作部を操作してヒータ14の加熱条件などを設定する(ステップS1)。そして粘着テープ剥離装置1を作動させ、保護テープPTが貼り付けられているウエハWを保持テーブル3に搬送して吸着保持させるとともに、ヒータ14を作動させて保護テープPTを加熱し、保護テープPTの粘着力を低減させる(ステップS2)。
保護テープPTの加熱が完了すると、テープ剥離機構5を作動させて剥離ユニット23を剥離開始位置へ移動させ、冷却ノズル37を作動させて粘着ローラ27Aの粘着面を冷却しつつ粘着ローラ27Aを保護テープPTに押圧させる(図11(b))。そして平坦面45に設けられている粘着面に保護テープPTを粘着させるとともに、吸引装置を作動させて吸着孔47を介して保護テープPTを粘着ローラ27Aの平坦面45に吸着させる(ステップS3)。吸着孔47を介した吸着力と、粘着面を介した粘着力とがそれぞれ作用することにより、粘着ローラ27Aは保護テープPTを安定に保持する。
ステップS4(テープの剥離)
実施例2に係るステップS4では、保護テープPTを保持した状態で粘着ローラ27Aをテープ剥離方向Pの前方へ斜め上向きに移動させることにより保護テープPTをウエハWから剥離する(図12(a))。一方、実施例4に係るステップS4が開始されると、吸着と粘着とによって保護テープPTを保持した状態の粘着ローラ27Aを、保護テープPTの上でテープ剥離方向Pへ転動させる(図15(a))。
実施例2に係るステップS4では、保護テープPTを保持した状態で粘着ローラ27Aをテープ剥離方向Pの前方へ斜め上向きに移動させることにより保護テープPTをウエハWから剥離する(図12(a))。一方、実施例4に係るステップS4が開始されると、吸着と粘着とによって保護テープPTを保持した状態の粘着ローラ27Aを、保護テープPTの上でテープ剥離方向Pへ転動させる(図15(a))。
粘着ローラ27Aが転動するにつれて、粘着ローラ27Aの外周面に設けられた粘着面に対して、保護テープPTが粘着されていく。その結果、粘着ローラ27Aの外周に密着するように保護テープPTが巻き取られ、保護テープPTはウエハWから剥離されていく。
粘着ローラ27Aが保護テープPTの一端部T1から中央部分T2へ向かうにつれて、粘着ローラ27Aと保護テープPTとの粘着力も増大していく。そのため、保護テープPTとウエハWとの粘着力が比較的強い中央部分T2においても、粘着ローラ27Aは当該粘着力により保護テープPTを確実にウエハWから剥離できる。
また、粘着ローラ27Aが保護テープPTの中央部分T2から他端部へ向かうにつれて、粘着ローラ27Aと保護テープPTとの粘着力は、保護テープPTとウエハWとの粘着力とともに減少する。そのため、保護テープPTの端部において、保護テープPTを剥離するための力が過剰に作用して保護テープPTやウエハWが破損する事態を回避できる。粘着ローラ27Aが保護テープPTの他端部まで転動することにより、保護テープPTの全体がウエハWから剥離され、粘着ローラ27Aに密着するように巻き取られる(図15(b))。
ステップS5(テープの除去)
保護テープPTをウエハWから剥離した後、粘着ローラ27AをステップS4において転動させた回転方向とは逆方向に自転させながら、粘着ローラ27Aをテープ回収部7の上方へと移動させる。粘着ローラ27Aを逆方向に自転させることにより、保護テープPTの他端は粘着ローラ27Aから離れて垂れ下がる(図14(a)を参照)。
保護テープPTをウエハWから剥離した後、粘着ローラ27AをステップS4において転動させた回転方向とは逆方向に自転させながら、粘着ローラ27Aをテープ回収部7の上方へと移動させる。粘着ローラ27Aを逆方向に自転させることにより、保護テープPTの他端は粘着ローラ27Aから離れて垂れ下がる(図14(a)を参照)。
そして粘着ローラ27から垂れ下がっている保護テープPTの他端部分を把持ユニット39で把持させる(図14(b)を参照)。当該把持を維持した状態で粘着ローラ27Aをさらに逆回転させつつテープ剥離方向Pの後方へ移動させる。また当該移動と同期的に、負圧から正圧に切り換えて吸着孔47から気体Nを排出させる。気体Nの排出と粘着ローラ27Aの回転および移動とにより、保護テープPTは粘着ローラ27Aの粘着面から離れて除去される(図15(c))。除去された保護テープPTは、回収ボックス41に落下して回収される。
ステップS6(粘着ローラの洗浄)
粘着ローラ27Aから保護テープPTを除去した後、他の実施例と同様に、洗浄ノズル43から吐出される洗浄液によって粘着ローラ27Aの粘着面を洗浄する。そして保護テープPTが剥離されたウエハWを搬出する。以上の動作により、実施例4に係る一連の工程は完了する。
粘着ローラ27Aから保護テープPTを除去した後、他の実施例と同様に、洗浄ノズル43から吐出される洗浄液によって粘着ローラ27Aの粘着面を洗浄する。そして保護テープPTが剥離されたウエハWを搬出する。以上の動作により、実施例4に係る一連の工程は完了する。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上記実施例1および実施例2において、保護テープPTに粘着してウエハWから剥離させる粘着部材として、粘着ローラ27を用いたがこれに限られない。粘着ローラ27に代わる構成の一例として、図16(a)に示すようなブロック状の粘着スタンプ61が挙げられる。本変形例において、粘着スタンプ61は本発明における粘着部材に相当する。
粘着スタンプ61は外周面のうち、少なくとも一面において平坦面63を有している。粘着スタンプ61のうち、少なくとも平坦面63は粘着性を有する粘着面となっている。粘着スタンプ61の平坦面63は粘着性を有する材料で構成されており、粘着スタンプ61は平坦面63を介して保護テープPTに粘着する。また平坦面63の幅B5は、粘着範囲Vにおける保護テープPTの幅より広く構成されることが好ましく、保護テープPTの径より広く構成されることが特に好ましい。なお、実施例2において粘着スタンプ61を用いる場合、平坦面63に吸着孔47を適宜配設する。
粘着スタンプ61を用いて保護テープPTを剥離する場合、ステップS3およびステップS4の工程は以下のようになる。すなわち各実施例と同様にステップS1およびS2を完了させた後、ステップS3を開始させ、保護テープPTの剥離開始端の上方へと粘着スタンプ61を移動させる(図16(b))。このとき、粘着スタンプ61の平坦面63が下向きになるように調整させておく(ステップS3)。
その後、図16(c)に示すように粘着スタンプ61を下降させ、粘着面となっている平坦面63を保護テープPTに押圧させる。当該押圧により、平坦面63に保護テープPTが粘着される。保護テープPTを粘着スタンプ61に粘着させた状態で、粘着スタンプ61をテープ剥離方向Pの前方へ斜め上向きに移動させる(図16(d))。粘着スタンプ61がウエハWに対してテープ剥離方向Pへ相対的に移動することにより、保護テープPTはウエハWから剥離される(ステップS4)。
粘着スタンプ61によって保護テープPTが剥離された後、把持ユニット39などによって粘着スタンプ61から保護テープPTを除去する(ステップS5)。そして粘着スタンプ61の平坦面63を洗浄ノズル43で洗浄し、ウエハWを搬出する(ステップS6)。
粘着スタンプ61はブロック状であるため、保護テープPTと粘着する粘着面をより広くかつ平坦な面とすることが容易である。そのため、保護テープPTとの粘着力を向上できるので、保護テープPTをより安定に保持できるとともに、保護テープPTを確実にウエハWから剥離できる。
(2)上記各実施例および変形例において、剥離対象である保護テープPTが円形である場合を例示したがこれに限られない。他の一例として、矩形状や多角形状などの保護テープPTを剥離対象とする場合にも、本発明の構成を適用できる。その場合、粘着ローラ27に設けられる粘着面の配置や、粘着ローラ27Aに設けられる吸着孔47の配置は、保護テープPTの形状に応じて適宜変更できる。
例えば実施例2に係る粘着ローラ27Aを用いて矩形状の保護テープPTを剥離する場合、粘着ローラ27Aに設けられる吸着孔47は、図17(a)に示すように、二次元マトリクス状に配設されることが好ましい。この場合、ステップS3において保護テープPTを粘着ローラ27Aで粘着および吸着する際における吸着孔47と保護テープPTとの位置関係は、図17(b)に示すようになる。すなわち、矩形状の保護テープPTと吸着孔47の配置とが好適に対応するので、粘着ローラ27Aに設けられている粘着面と吸着孔47とが協働して保護テープPTをより安定に保持できる。
(3)上記各実施例および各変形例において、加熱剥離性の保護テープPTを例として用い、加熱によって保護テープPTの粘着力を低減させる構成を例示したがこれに限られない。すなわち、紫外線硬化性の保護テープPTを用いて紫外線照射によって粘着力を低減させてもよいし、保護テープPTの粘着力を低減させることなく保護テープPTの端部を把持して当該保護テープPTをウエハWから剥離してもよい。
(4)上記各実施例および各変形例に係る実装装置において、剥離対象となる粘着テープの一例として回路保護用の保護テープPTを例にとって説明したが、剥離対象となる粘着テープは保護テープに限ることはなく、ダイシングテープなど他の用途に用いる粘着テープをも剥離対象とすることができる。
(5)上記各実施例および変形例において、ステップS4では粘着ローラ27をテープ剥離方向Pへ移動させて保護テープPTをウエハWから剥離させる構成を例示している。しかし、粘着ローラ27をウエハWに対してテープ剥離方向Pへ相対的に移動させて保護テープPTをウエハWから剥離させる構成であれば当該構成に限られない。すなわちウエハWを保持している保持テーブル3を移動させることにより、粘着ローラ27をウエハWに対してテープ剥離方向Pへ相対的に移動させてもよい。また、粘着ローラ27と保持テーブル3とを同期的に移動させてもよい。
(6)上記各実施例および各変形例に係る構成において、保護テープPTを例とする粘着テープが貼り付けられている対象、すなわちワークとしてウエハWを例示したがこれに限られない。ワークとして用いられる構成としては、ガリウムや砒素の化合物またはシリコンなど各種材料からなるウエハWの他に、リングフレーム、ガラス基板、セラミック基板、FPCを例とする有機材料基板、精密部品等の金属材料など種々の物品が挙げられる。また、リングフレームとウエハとにわたって支持用の粘着テープを貼り付けてマウントフレームを作製する装置に本発明の構成を適用する場合、リングフレームおよびウエハがワークに相当する。
1 … 粘着テープ剥離装置
3 … 保持テーブル
5 … テープ剥離機構
7 … テープ回収部
19 … 可動部
23 … 剥離ユニット
25 … モータ
27 … 粘着ローラ
37 … 冷却ノズル(冷却機構)
39 … 把持部材
41 … 回収ボックス
43 … 洗浄ノズル(粘着力回復機構)
W … 半導体ウエハ
PT … 保護テープ
3 … 保持テーブル
5 … テープ剥離機構
7 … テープ回収部
19 … 可動部
23 … 剥離ユニット
25 … モータ
27 … 粘着ローラ
37 … 冷却ノズル(冷却機構)
39 … 把持部材
41 … 回収ボックス
43 … 洗浄ノズル(粘着力回復機構)
W … 半導体ウエハ
PT … 保護テープ
Claims (10)
- ワークに貼り付けられた粘着テープを前記ワークから剥離する粘着テープ剥離方法であって、
外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材を、前記粘着テープの表面に粘着させる粘着過程と、
前記粘着テープを粘着させた前記粘着部材を、前記ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させ、前記ワークから前記粘着テープを剥離させる剥離過程と、
剥離された前記粘着テープを前記粘着部材から除去する除去過程と、
を備えたことを特徴とする粘着テープ剥離方法。 - 請求項1に記載の粘着テープ剥離方法において、
前記粘着部材は粘着ローラであり、
前記剥離過程は、前記粘着テープを粘着させた前記粘着ローラを転動させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ巻き取ることによって前記ワークから前記粘着テープを剥離させる
ことを特徴とする粘着テープ剥離方法。 - 請求項1または請求項2に記載の粘着テープ剥離方法において、
前記粘着過程は、
前記粘着面に吸着孔が設けられている前記粘着部材を前記粘着テープに当接させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ前記粘着テープを前記吸着孔で吸着する
ことを特徴とする粘着テープ剥離方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の粘着テープ剥離方法において、
前記粘着テープが除去された前記粘着部材の前記粘着面を洗浄して前記粘着面の粘着力を回復させる粘着力回復過程を備える
ことを特徴とする粘着テープ剥離方法。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の粘着テープ剥離方法において、
前記粘着過程は、前記粘着部材の前記粘着面を冷却させる冷却過程を有する
ことを特徴とする粘着テープ剥離方法。 - ワークに貼り付けられた粘着テープを前記ワークから剥離する粘着テープ剥離装置であって、
前記粘着テープが貼り付けられた前記ワークを載置保持する保持テーブルと、
外周面の少なくとも一部に粘着性を有する粘着面を備える粘着部材と、
前記粘着部材を前記粘着テープの表面に粘着させる粘着制御機構と、
前記粘着テープを粘着させた前記粘着部材を、前記ワークに対して所定のテープ剥離方向へ相対移動させ、前記ワークから前記粘着テープを剥離させる剥離機構と、
剥離された前記粘着テープを前記粘着部材から除去する除去機構と、
を備えたことを特徴とする粘着テープ剥離装置。 - 請求項6に記載の粘着テープ剥離装置において、
前記粘着部材は粘着ローラであり、
前記剥離機構は、前記粘着テープを粘着させた前記粘着ローラを転動させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ巻き取ることによって前記ワークから前記粘着テープを剥離させる
ことを特徴とする粘着テープ剥離装置。 - 請求項6または請求項7に記載の粘着テープ剥離装置において、
前記粘着部材は前記粘着テープを吸着する吸着孔を前記粘着面に備えており、
前記粘着制御機構は、
前記粘着部材を前記粘着テープに当接させ、前記粘着テープを前記粘着面に粘着させつつ前記粘着テープを前記吸着孔で吸着する
ことを特徴とする粘着テープ剥離装置。 - 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の粘着テープ剥離装置において、
前記粘着テープが除去された前記粘着部材の前記粘着面を洗浄して前記粘着面の粘着力を回復させる粘着力回復機構を備える
ことを特徴とする粘着テープ剥離装置。 - 請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の粘着テープ剥離装置において、
前記粘着部材の前記粘着面を冷却させる冷却機構を有する
ことを特徴とする粘着テープ剥離装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018076036A JP2019186399A (ja) | 2018-04-11 | 2018-04-11 | 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 |
TW108107001A TW201943812A (zh) | 2018-04-11 | 2019-03-04 | 黏著帶剝離方法及黏著帶剝離裝置 |
KR1020190040702A KR20190118967A (ko) | 2018-04-11 | 2019-04-08 | 점착 테이프 박리 방법 및 점착 테이프 박리 장치 |
CN201910285578.9A CN110364417A (zh) | 2018-04-11 | 2019-04-10 | 粘合带剥离方法和粘合带剥离装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018076036A JP2019186399A (ja) | 2018-04-11 | 2018-04-11 | 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019186399A true JP2019186399A (ja) | 2019-10-24 |
Family
ID=68214873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018076036A Pending JP2019186399A (ja) | 2018-04-11 | 2018-04-11 | 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019186399A (ja) |
KR (1) | KR20190118967A (ja) |
CN (1) | CN110364417A (ja) |
TW (1) | TW201943812A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022103834A (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-08 | 日機装株式会社 | 剥離機構及びこれを用いた積層装置 |
TWI803340B (zh) * | 2022-06-07 | 2023-05-21 | 精材科技股份有限公司 | 撕膠設備及其操作方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5635363B2 (ja) | 2010-10-19 | 2014-12-03 | 日東電工株式会社 | 保護テープ剥離方法および保護テープ剥離装置 |
JP2016039301A (ja) | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 日東電工株式会社 | 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 |
-
2018
- 2018-04-11 JP JP2018076036A patent/JP2019186399A/ja active Pending
-
2019
- 2019-03-04 TW TW108107001A patent/TW201943812A/zh unknown
- 2019-04-08 KR KR1020190040702A patent/KR20190118967A/ko unknown
- 2019-04-10 CN CN201910285578.9A patent/CN110364417A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN110364417A (zh) | 2019-10-22 |
TW201943812A (zh) | 2019-11-16 |
KR20190118967A (ko) | 2019-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4401322B2 (ja) | 支持板分離装置およびこれを用いた支持板分離方法 | |
KR20160018401A (ko) | 점착 테이프 박리 방법 및 점착 테이프 박리 장치 | |
TWI414037B (zh) | 基板貼合方法及利用該方法之裝置 | |
TWI680521B (zh) | 用於至少部分地鬆動暫時黏合基板堆疊之連接層之裝置及方法 | |
JP2005175384A (ja) | 保護テープの貼付方法及び剥離方法 | |
KR20110035904A (ko) | 보호 테이프 박리 방법 및 그 장치 | |
TWI584404B (zh) | 基板搬送方法及基板搬送裝置 | |
JP2012151275A (ja) | 樹脂剥がし装置および研削加工装置 | |
JP4381860B2 (ja) | 補強半導体ウエハに固定された補強板の分離方法およびその装置 | |
JP4968819B2 (ja) | ウェーハの加工方法 | |
JP2019041051A (ja) | 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 | |
JP2015532782A (ja) | ウェハーエッチングシステム及びそれを用いたウェハーエッチング工程 | |
JP2019186399A (ja) | 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 | |
JP2002280330A (ja) | チップ状部品のピックアップ方法 | |
JP4941944B2 (ja) | 基板への接着テープの貼り付け方法及び貼り付け装置 | |
JP5433542B2 (ja) | 両面粘着テープ剥離方法および両面粘着テープ剥離装置 | |
TW201622038A (zh) | 保護帶剝離方法及保護帶剝離裝置 | |
JP2002353296A (ja) | ウェハの保護テープ剥離装置およびウェハのマウント装置 | |
JP2001063908A (ja) | 粘着テープ貼付け剥離装置 | |
JP7146457B2 (ja) | 粘着テープ剥離方法および粘着テープ剥離装置 | |
JP3210743U (ja) | シート貼付装置 | |
TWI750250B (zh) | 黏著帶貼附方法及黏著帶貼附裝置 | |
JP2007027163A (ja) | ウエハ剥離装置及び研磨ライン装置 | |
JP2023120503A (ja) | ウェーハ転写方法、及びウェーハ転写装置 | |
JP2010147121A (ja) | シート貼付装置及び貼付方法 |