JP2019186225A - 導電性ペースト用銅粉およびその製造方法 - Google Patents

導電性ペースト用銅粉およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電膜の形成に使用した場合に、導電膜の電気抵抗が低く、繰り返し折り曲げられても、導電膜の電気抵抗の上昇が少ない、導電性ペースト用銅粉およびその製造方法を提供する。【解決手段】樹枝状銅粉とフレーク状銅粉が分散した銅粉分散液に銀イオン含有溶液を添加して、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の表面を銀含有層で被覆することにより、(樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の質量比が好ましくは5:95〜85:15である)樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の混合粉を製造する。【選択図】図3

Description

本発明は、導電性ペースト用銅粉およびその製造方法に関し、特に、電子部品の電極や配線を形成する導電膜を形成する導電性ペーストに使用する銅粉およびその製造方法に関する。
従来、印刷法などにより電子部品の電極や配線を形成するために、銀粉や銅粉などの導電性の金属粉末に溶剤、樹脂、分散剤などを配合して作製した導電性ペーストが使用されている。
しかし、銀粉は、体積抵抗率が極めて小さく、良好な導電性物質であるが、貴金属の粉末であるため、コストが高くなる。一方、銅粉は、体積抵抗率が低く、良好な導電性物質であるが、酸化され易いため、銀粉に比べて保存安定性(信頼性)に劣っている。
これらの問題を解消するために、導電性ペーストに使用する金属粉末として、銅粉の表面を銀で被覆した銀被覆銅粉が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、電子部品の電極や配線を形成する導電膜は、無線通信用のICタグ用アンテナを形成する導電膜のように、使用環境により繰り返し折り曲げられることが多い場合に、繰り返し折り曲げられても、導電膜の電気抵抗の上昇が少ないことが望まれる。
特開2010−174311号公報(段落番号0003) 特開2010−077495号公報(段落番号0006) 特開2012−153967号公報(段落番号0010) 特開2015−71818号公報(段落番号0008)
しかし、従来の銀被覆銅粉では、導電膜の形成に使用した場合に、導電膜の電気抵抗が高くなったり、初期の電気抵抗が低くても、導電膜が繰り返し折り曲げられると、導電膜の電気抵抗の上昇が大きくなるという問題があった。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、導電膜の形成に使用した場合に、導電膜の電気抵抗が低く、繰り返し折り曲げられても、導電膜の電気抵抗の上昇が少ない、導電性ペースト用銅粉およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、樹枝状銅粉が銀含有層で被覆された樹枝状銀被覆銅粉と、フレーク状銅粉が銀含有層で被覆されたフレーク状銀被覆銅粉とを混合することにより、導電膜の形成に使用した場合に、導電膜の電気抵抗が低く、繰り返し折り曲げられても、導電膜の電気抵抗の上昇が少ない、導電性ペースト用銅粉を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による導電性ペースト用銅粉は、樹枝状銅粉が銀含有層で被覆された樹枝状銀被覆銅粉と、フレーク状銅粉が銀含有層で被覆されたフレーク状銀被覆銅粉との混合粉からなることを特徴とする。
この導電性ペースト用銅粉において、樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の質量比が5:95〜85:15であるのが好ましい。また、銀含有層の被覆量が混合粉に対して1〜20質量%であるのが好ましく、銀含有層が銀または銀化合物からなる層であるのが好ましい。また、混合粉のレーザー回折式粒度分布装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)が3〜20μmであるのが好ましく、BET比表面積が0.1〜3m/gであるのが好ましく、タップ密度が0.5〜5g/ccであるのが好ましい。
また、本発明による導電性ペースト用銅粉の製造方法は、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉が分散した銅粉分散液に銀イオン含有溶液を添加して、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の表面を銀含有層で被覆することにより、樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の混合粉を製造することを特徴とする。
この導電性ペースト用銅粉の製造方法において、銀イオン含有溶液が銀錯塩溶液であるのが好ましい。また、銅粉分散液中の樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の質量比が5:95〜85:15であるのが好ましい。また、銀含有層の被覆量が混合粉に対して1〜20質量%であるのが好ましく、銀含有層が銀または銀化合物からなる層であるのが好ましい。
本発明によれば、導電膜の形成に使用した場合に、導電膜の電気抵抗が低く、繰り返し折り曲げられても、導電膜の電気抵抗の上昇が少ない、導電性ペースト用銅粉を製造することができる。
本発明による導電性ペースト用銅粉に使用する樹枝状銅粉の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(5000倍)である。 本発明による導電性ペースト用銅粉に使用するフレーク状銅粉のSEM写真(5000倍)である。 実施例1の銀被覆銅混合粉のSEM写真(5000倍)である。 実施例2の銀被覆銅混合粉のSEM写真(5000倍)である。 実施例3の銀被覆銅混合粉のSEM写真(5000倍)である。
本発明による導電性ペースト用銅粉の実施の形態は、樹枝状銅粉が銀含有層で被覆された樹枝状銀被覆銅粉と、フレーク状銅粉が銀含有層で被覆されたフレーク状銀被覆銅粉との混合粉からなる。このように樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の混合粉を導電性ペーストに使用すると、銀被覆銅粉の粒子間の接点数を増加させることができ、優れた導電性を有する導電膜を形成することができる。
この導電性ペースト用銅粉において、樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の質量比は、5:95〜85:15であるのが好ましく、10:90〜80:20であるのがさらに好ましい。銀含有層は、銀または銀化合物からなる層であるのが好ましく、銀含有層の被覆量は、混合粉に対して1〜20質量%であるのが好ましく、2〜15質量%であるのがさらに好ましい。混合粉の(ヘロス法によって)レーザー回折式粒度分布装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)は、3〜20μmであるのが好ましく、5〜15μmであるのがさらに好ましい。混合粉のBET比表面積は、0.1〜3m/gであるのが好ましく、0.3〜1m/gであるのがさらに好ましい。混合粉のタップ密度は、0.5〜5g/ccであるのが好ましく、1〜3g/ccであるのがさらに好ましい。
また、本発明による導電性ペースト用銅粉の製造方法の実施の形態では、(図1に示すような)樹枝状銅粉(デンドライト状銅粉)と(図2に示すような)フレーク状銅粉が分散した銅粉分散液に銀イオン含有溶液を添加して、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の表面を銀含有層で被覆することにより、樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の混合粉を製造する。
樹枝状銅粉とフレーク状銅粉は、それぞれ比表面積が異なるため、別々に銀含有層で被覆して銀被覆銅粉を作製すると、比表面積が大きい銅粉では銀含有層が薄くなり、比表面積が小さい銅粉では銀含有層が厚くなって、それぞれ銀含有層の厚さが異なり易く、銀含有層で被覆した後の樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉を混合すると、それぞれの厚さが異なり、導電膜の形成に使用した場合に、導電性にばらつきが生じ易くなる。また、乾燥した樹枝状銅粉とフレーク状銅粉を混合すると、一部の銅粉にエネルギーが集中して、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の形状が破壊され易くなる。そのため、本発明による導電性ペースト用銅粉の製造方法の実施の形態では、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉が分散した銅粉分散液に銀イオン含有溶液を添加して、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の表面を銀含有層で被覆することにより、銀含有層の厚さのばらつきを生じ難くするとともに、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の形状を維持したまま、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の表面を銀含有層で被覆することができるようにしている。
この導電性ペースト用銅粉の製造方法において、銅粉分散液中の樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の質量比は、5:95〜85:15であるのが好ましく、10:90〜80:20であるのがさらに好ましい。銀含有層は、銀または銀化合物からなる層であるのが好ましく、銀含有層の被覆量は、混合粉に対して1〜20質量%であるのが好ましく、2〜15質量%であるのがさらに好ましい。
樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の表面を銀含有層(銀または銀化合物からなる被覆層)で被覆する方法として、銅と銀の置換反応を利用した置換法や、還元剤を用いる還元法により、銅粉の表面に銀または銀化合物を析出させる方法を使用することができ、例えば、溶媒中に銅粉と銀または銀化合物を含む溶液を攪拌しながら銅粉の表面に銀または銀化合物を析出させる方法や、溶媒中に銅粉および有機物を含む溶液と溶媒中に銀または銀化合物および有機物を含む溶液とを混合して攪拌しながら銅粉の表面に銀または銀化合物を析出させる方法などを使用することができる。
銅粉分散液と銀イオン含有溶液の溶媒としては、水、有機溶媒またはこれらを混合した溶媒を使用することができる。水と有機溶媒を混合した溶媒を使用する場合には、室温(20〜30℃)において液体になる有機溶媒を使用する必要があるが、水と有機溶媒の混合比率は、使用する有機溶媒により適宜調整することができる。また、溶媒として使用する水は、不純物が混入するおそれがなければ、蒸留水、イオン交換水、工業用水などを使用することができる。
銀含有層(銀または銀化合物からなる被覆層)の原料として、銀イオンを溶液中に存在させる必要があるため、水や多くの有機溶媒に対して高い溶解度を有する硝酸銀を使用するのが好ましい。また、銀被覆反応をできるだけ均一に行うために、固体の硝酸銀ではなく、硝酸銀を溶媒(水、有機溶媒またはこれらを混合した溶媒)に溶解した硝酸銀溶液を使用するのが好ましい。なお、使用する硝酸銀溶液の量、硝酸銀溶液中の硝酸銀の濃度および有機溶媒の量は、目的とする銀含有層(銀または銀化合物からなる被覆層)の量に応じて決定することができる。
銀含有層(銀または銀化合物からなる被覆層)をより均一に形成するために、溶液中にキレート化剤を添加してもよい。キレート化剤としては、銀イオンと金属銅との置換反応により副生成する銅イオンなどが再析出しないように、銅イオンなどに対して錯安定度定数が高いキレート化剤を使用するのが好ましい。特に、銀被覆銅粉のコアとして銅粉を使用しているので、銅との錯安定度定数に留意してキレート化剤を選択するのが好ましい。具体的には、キレート化剤として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノジ酢酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンジアミンおよびこれらの塩からなる群から選ばれたキレート化剤を使用することができる。
銀被覆反応を安定かつ安全に行うために、溶液中にpH緩衝剤を添加してもよい。このpH緩衝剤として、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、アンモニア水、炭酸水素ナトリウムなどを使用することができる。
銀被覆反応の際には、銀イオン含有溶液を添加する前に溶液中に樹枝状銅粉とフレーク状銅粉を入れて攪拌し、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉が溶液中に十分に分散している状態で、銀イオン含有溶液を添加するのが好ましい。この銀被覆反応の際の反応温度は、反応液が凝固または蒸発する温度でなければよいが、好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは15〜75℃、最も好ましくは20〜70℃の範囲で設定する。また、反応時間は、銀または銀化合物の被覆量や反応温度によって異なるが、1分〜5時間の範囲で設定することができる。
以下、本発明による導電性ペースト用銅粉およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
樹枝状銅粉として電解銅粉(JX日鉱日石金属株式会社製の♯52−C)306.5gと、工業用アルコール(日本アルコール販売株式会社製のソルミックスAP−7)177.6gと、直径1.6mmのSUSボール1858.1gをサンドグラインダ(容量1L)に投入し、攪拌羽根の回転数652rpmで120分間撹拌して得られたスラリーからSUSボールを分離した後、ろ過して得られたウェットケーキを70℃で真空乾燥し、目開き32μmの篩を通して、フレーク化(扁平化処理)した銅粉(フレーク状銅粉)を得た。
また、炭酸アンモニウム157.5gとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA・2H・2Na・2HO)315.0gを純水1254.6gに溶解した溶液を液温25℃に調整し、この溶液に銀33.3gを含有する硝酸銀水溶液を混合した銀錯塩溶液を用意した。また、炭酸アンモニウム142.8gとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA・2H・2Na・2HO)142.8gを純水1662.0gに溶解した溶液に、樹枝状銅粉として電解銅粉(GGP Metalpowder AG社製のCu CH−L5 UF−d50=10μm)240.0gと上記のフレーク状銅粉60.0gを加えて攪拌した銅粉分散液を用意した。
次に、乾燥した窒素ガス雰囲気中において、上記の銅粉分散液を液温25℃に調整し、この銅粉分散液に上記の銀錯塩溶液を添加して30分間攪拌しながら保持した後、15質量%のステアリン酸を含むステアリン酸エマルジョン4.9gを添加し、さらに5分間攪拌して樹枝状銅粉とフレーク状銅粉を表面処理した後、ろ過して得られたウェットケーキをイオン交換水で洗浄し、窒素雰囲気中において120℃で乾燥し、目開き32μmの篩を通して、銀により被覆された樹枝状銅粉(銀被覆樹枝状銅粉)と銀により被覆されたフレーク状銅粉(銀被覆フレーク状銅粉)の混合粉(銀被覆銅混合粉)を得た。なお、この銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比は80:20(=240g:60g)である。この銀被覆銅混合粉のSEM写真(5000倍)を図3に示す。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉のBET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求めるとともに、銀被覆銅混合粉の耐熱性(高温安定性)を評価した。
銀被覆銅混合粉のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(ユアサイオニクス株式会社製の4ソーブUS)を用いてBET法により求めた。その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.45m/gであった。
銀被覆銅混合粉のタップ密度は、特開2007−263860号公報に記載された方法と同様に、銀被覆銅混合粉を内径6mmの有底円筒形の容器に充填して銀被覆銅混合粉層を形成し、この銀被覆銅混合粉層に上部から0.16N/mの圧力を加えた後、銀被覆銅混合粉層の高さを測定し、この銀被覆銅混合粉層の高さの測定値と、充填された銀被覆銅混合粉の重量とから、銀被覆銅混合粉の密度を求めて、銀被覆銅混合粉のタップ密度とした。その結果、銀被覆銅混合粉のタップ密度は2.24g/ccであった。
銀被覆銅混合粉中の酸素含有量は、酸素・窒素分析装置(LECO社製のTC−436型)により測定した。その結果、銀被覆銅混合粉中の酸素含有量は0.14質量%であった。
銀被覆銅混合粉中の炭素含有量は、炭素・硫黄分析装置(堀場製作所製のEMIA−220V)により測定した。その結果、銀被覆銅混合粉中の炭素含有量は0.23質量%であった。
銀被覆銅混合粉中の銀含有量(銀被覆量)は、銀被覆銅混合粉を硝酸で溶解した後、塩酸を添加して生成した塩化銀(AgCl)の沈殿を乾燥し、重量を測定することにより求めた。すなわち、銀被覆銅混合粉2gを秤量し、純水で洗い流しながらビーカーに移した後、硝酸10mLを投入し、加熱して溶解し、放冷した後、溶液をろ過して浮遊している有機物成分を除去し、得られたろ液に純水100mLを加え、塩酸6mLを添加して十分に撹拌し、さらに塩酸を添加し、新たな塩化銀が沈殿しなくなるまで塩酸を添加した後、溶液が透明になるまで加熱して熟成させ、その後、(重量W1(g)の)ガラスファイバーフィルタでろ過して回収した塩化銀の沈殿を乾燥機により110℃で3時間乾燥し、放冷した後、ガラスファイバーフィルタとともに塩化銀の重量W2(g)を測定し、Ag(質量%)={(W2−W1)×0.7526×100}/(測定に使用した銀被覆銅混合粉の重量)から求めた。その結果、銀被覆銅混合粉中の銀含有量(銀被覆量)は10.4質量%であった。
銀被覆銅混合粉の粒度分布として、レーザー回折式粒度分布装置(SYMPATEC社製のヘロス粒度分布測定装置(HELOS&RODOS))により測定した体積基準の累積10%粒子径(D10)、累積50%粒子径(D50)、累積90%粒子径(D90)、累積99%粒子径(D99)を求めた。その結果、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は2.4μm、累積50%粒子径(D50)は9.2μm、累積90%粒子径(D90)は28.4μm、累積99%粒子径(D99)は54.6μmであった。
銀被覆銅混合粉の圧粉体抵抗として、銀被覆銅混合粉6.5gを粉体抵抗測定システムの測定容器(三菱化学アナリテック株式会社製のMCP−PD51型)内に詰めた後に加圧を開始して、20kNの荷重がかかった時点の(圧粉体の)体積抵抗率を測定した。その結果、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は22μΩ・cmであった。
銀被覆銅混合粉の色差は、測定試料として銀被覆銅混合粉5gを秤量して直径30mmの丸セルに入れ、10回タッピングして表面を平らにし、色差計(日本電色工業株式会社製のSpectro Color Meter SQ2000)によって測定した。その結果、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ68.5、9.0および13.1であった。
銀被覆銅混合粉の高温安定性については、示差熱熱重量同時測定装置(SIIナノテクノロジー株式会社製のEXATERTG/DTA6300型)により、銀被覆銅混合粉を大気中において室温(25℃)から昇温速度5℃/分で300℃まで昇温させて計測された重量と加熱前の銀被覆銅混合粉の重量の差(加熱により増加した重量)の加熱前の銀被覆銅混合粉の重量に対する増加率(%)から、加熱により増加した重量はすべて銀被覆銅混合粉の酸化により増加した重量であるとみなして、銀被覆銅混合粉の大気中における(酸化に対する)高温安定性を評価した。その結果、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.94%であった。
また、得られた銀被覆銅混合粉33.3重量部と、ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製のバイロン200)12重量部と、溶剤としてメチルエチルケトン(和光純薬工業株式会社製)54.7重量部とを混合し、自公転式真空攪拌脱泡ミキサー(株式会社EME製のV−mini300)を使用して1400rpmで60秒間回転させて、混練脱泡することにより導電性ペーストを得た。
このようにして得られた導電性ペーストを77.7μmのバーコータによってPETフィルム(東レ株式会社製のS10ルミラー)上に印刷した後、大気循環式乾燥機により100℃で5分間加熱してフィルム上に導電膜を作製した。
このようにして得られた導電膜付きフィルムを金属板上に載せ、その上に離型フィルム、(12.5mm×12.5mmの大きさの)Siチップ、PTEFシートおよび金属板をこの順に載せ、150℃で2MPaの圧力を加えて10分間熱プレスした後、FTEFシート、金属板、Siチップ、離型フィルムおよび金属板を分離して、熱プレスされた導電膜付きフィルムを得た。
この熱プレス後の導電膜付きフィルムを12.5mm×12.5mmの大きさに切り出して、表面抵抗計(株式会社三菱化学アナリテック製のロレスタGP)のPSPプローブを使用して、4探針法により導電膜の表面抵抗を測定したところ、23mΩ/□であった。
また、この熱プレス後の導電膜付きフィルムをその導電膜側を下にして屈曲試験用の固定フィルム(東レ株式会社製のS10ルミラー)にセロハンテープで固定し、屈曲試験用の固定フィルムの一端側に900gの荷重を加え、固定した回転可能な直径20mmの円柱を軸にして、固定フィルムの他端側を引張って導電膜全体を円柱上で屈曲させ、この屈曲を連続して10,000回繰り返す屈曲性試験を行った後に、表面抵抗計(株式会社三菱化学アナリテック製のロレスタGP)のPSPプローブを使用して、測定方向が屈曲軸線と平行になるように4探針法により導電膜の表面抵抗を測定した。その結果、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は132mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は574%であった。
[実施例2]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が70:30になるように、銅粉分散液中の樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の量をそれぞれ210.0gおよび90gとした以外は、実施例1と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。この銀被覆銅混合粉のSEM写真(5000倍)を図4に示す。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.45m/g、タップ密度は2.16g/cc、酸素含有量は0.16質量%、炭素含有量は0.24質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.4質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は2.9μm、累積50%粒子径(D50)は11.1μm、累積90%粒子径(D90)は31.6μm、累積99%粒子径(D99)は55.9μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は24μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ71.4、7.9および12.4であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.79%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は19mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は86.1mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は453%であった。
[実施例3]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が50:50になるように、銅粉分散液中の樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の量をそれぞれ150.0gとした以外は、実施例1と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。この銀被覆銅混合粉のSEM写真(5000倍)を図5に示す。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、aおよびb)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.47m/g、タップ密度は2.22g/cc、酸素含有量は0.14質量%、炭素含有量は0.23質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.4質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は3.4μm、累積50%粒子径(D50)は13.2μm、累積90%粒子径(D90)は34.1μm、累積99%粒子径(D99)は58.1μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は28μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ75.1、6.2および10.9であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.81%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は14mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は54.4mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は388%であった。
[実施例4]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が30:70になるように、銅粉分散液中の樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の量をそれぞれ90.0gおよび210.0gとした以外は、実施例1と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.44m/g、タップ密度は2.46g/ccで、酸素含有量は0.13質量%、炭素含有量は0.22質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.5質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は4.3μm、累積50%粒子径(D50)は14.7μm、累積90%粒子径(D90)は34.0μm、累積99%粒子径(D99)は56.1μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は24μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ79.4、4.7および10.1であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.66%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は9.6mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は37.5mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は391%であった。
[実施例5]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が10:90になるように、銅粉分散液中の樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の量をそれぞれ30.0gおよび270.0gとした以外は、実施例3と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.33m/g、タップ密度は2.67g/cc、酸素含有量は0.12質量%、炭素含有量は0.20質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.2質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は5.8μm、累積50%粒子径(D50)は17.2μm、累積90%粒子径(D90)は38.1μm、累積99%粒子径(D99)は63.0μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は22μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ82.1、4.3および9.8であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.19%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は12mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は71.7mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は598%であった。
[実施例6]
樹枝状銅粉として電解銅粉(福田金属箔粉工業株式会社製のCE−20)を使用した以外は、実施例2と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定した。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.46m/g、タップ密度は2.26g/cc、酸素含有量は0.13質量%、炭素含有量は0.23質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.4質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は2.6μm、累積50%粒子径(D50)は11.3μm、累積90%粒子径(D90)は33.2μm、累積99%粒子径(D99)は56.3μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は24μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ70.8、7.5および11.9であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.92%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は20mΩ/□であった。
[実施例7]
樹枝状銅粉として電解銅粉(福田金属箔粉工業株式会社製のCE−20)を使用した以外は、実施例3と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定した。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.42m/g、タップ密度は2.34g/cc、酸素含有量は0.12質量%、炭素含有量は0.22質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.4質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は3.4μm、累積50%粒子径(D50)は14.8μm、累積90%粒子径(D90)は36.0μm、累積99%粒子径(D99)は59.0μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は25μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ74.6、5.8および10.7であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は3.05%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は15mΩ/□であった。
[比較例1]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が100:0になるように、銅粉分散液中の樹枝状銅粉の量を300.0gとしてフレーク状銅粉を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.45m/g、タップ密度は2.29g/cc、酸素含有量は0.13質量%、炭素含有量は0.22質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.4質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は1.9μm、累積50%粒子径(D50)は7.0μm、累積90%粒子径(D90)は19.8μm、累積99%粒子径(D99)は42.1μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は19μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ61.9、11.7および16.1であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.65%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は28mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は88.9mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は318%であった。
[比較例2]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が95:5になるように、銅粉分散液中の電解銅粉およびフレーク状銅粉の量をそれぞれ285.0gおよび15.0gとした以外は、実施例3と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.48m/g、タップ密度は2.15g/cc、酸素含有量は0.13質量%、炭素含有量は0.23質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.3質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は2.1μm、累積50%粒子径(D50)は7.6μm、累積90%粒子径(D90)は24.0μm、累積99%粒子径(D99)は50.2μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は14μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ61.6、11.5および14.9であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は3.05%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は32mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は118mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は369%であった。
[比較例3]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が90:10になるように、銅粉分散液中の電解銅粉およびフレーク状銅粉の量をそれぞれ270.0gおよび30.0gとした以外は、実施例3と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.47m/g、タップ密度は2.23g/cc、酸素含有量は0.14質量%、炭素含有量は0.22質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.4質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は2.2μm、累積50%粒子径(D50)は8.2μm、累積90%粒子径(D90)は26.0μm、累積99%粒子径(D99)は54.1μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は19μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ65.5、10.8および14.4であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.98%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は38mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は116mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は305%であった。
[比較例4]
銀被覆銅混合粉中の銀被覆樹枝状銅粉と銀被覆フレーク状銅粉の配合比が0:100になるように、銅粉分散液中のフレーク状銅粉の量を300.0gとして樹枝状銅粉を添加しなかった以外は、実施例3と同様の方法により、銀被覆銅混合粉を得た。
このようにして得られた銀被覆銅混合粉について、実施例1と同様の方法により、BET比表面積、タップ密度、酸素含有量、炭素含有量、銀含有量、粒度分布、圧粉体抵抗、色差(L、a、b)を求め、耐熱性(高温安定性)を評価するとともに、導電膜を作製して、その表面抵抗を測定するとともに、屈曲性試験を行った。
その結果、銀被覆銅混合粉のBET比表面積は0.32m/g、タップ密度は3.16g/cc、銀被覆銅混合粉中の酸素含有量は0.10質量%、炭素含有量は0.17質量%、銀含有量(銀被覆量)は10.3質量%であった。また、銀被覆銅混合粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)は6.0μm、累積50%粒子径(D50)は17.1μm、累積90%粒子径(D90)は36.5μm、累積99%粒子径(D99)は59.3μmであった。また、銀被覆銅混合粉の圧粉体の体積抵抗率は20μΩ・cm、銀被覆銅混合粉の色差L、aおよびbはそれぞれ82.3、3.4および8.7であり、銀被覆銅混合粉の重量の増加率は2.12%であった。また、導電膜の初期の表面抵抗は16mΩ/□、屈曲性試験後の導電膜の表面抵抗は144mΩ/□であり、屈曲性試験による導電膜の表面抵抗の変化は713%であった。
これらの実施例および比較例の導電性ペースト用銅粉の製造条件および特性と、その導電性ペーストを使用して作製した導電膜の特性を表1〜表4に示す。
Figure 2019186225
Figure 2019186225
Figure 2019186225
Figure 2019186225

Claims (12)

  1. 樹枝状銅粉が銀含有層で被覆された樹枝状銀被覆銅粉と、フレーク状銅粉が銀含有層で被覆されたフレーク状銀被覆銅粉との混合粉からなることを特徴とする、導電性ペースト用銅粉。
  2. 前記樹枝状銀被覆銅粉と前記フレーク状銀被覆銅粉の質量比が5:95〜85:15であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト用銅粉。
  3. 前記銀含有層の被覆量が、前記混合粉に対して1〜20質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性ペースト用銅粉。
  4. 前記銀含有層が銀または銀化合物からなる層であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の導電性ペースト用銅粉。
  5. 前記混合粉のレーザー回折式粒度分布装置により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)が3〜20μmであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の導電性ペースト用銅粉。
  6. 前記混合粉のBET比表面積が0.1〜3m/gであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の導電性ペースト用銅粉。
  7. 前記混合粉のタップ密度が0.5〜5g/ccであることを特徴とする、請求項1乃至6に記載の導電性ペースト用銅粉。
  8. 樹枝状銅粉とフレーク状銅粉が分散した銅粉分散液に銀イオン含有溶液を添加して、樹枝状銅粉とフレーク状銅粉の表面を銀含有層で被覆することにより、樹枝状銀被覆銅粉とフレーク状銀被覆銅粉の混合粉を製造することを特徴とする、導電性ペースト用銅粉の製造方法。
  9. 前記銀イオン含有溶液が銀錯塩溶液であることを特徴とする、請求項8に記載の導電性ペースト用銅粉の製造方法。
  10. 前記銅粉分散液中の前記樹枝状銅粉と前記フレーク状銅粉の質量比が5:95〜85:15であることを特徴とする、請求項8または9に記載の導電性ペースト用銅粉の製造方法。
  11. 前記銀含有層の被覆量が前記混合粉に対して1〜20質量%であることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれかに記載の導電性ペースト用銅粉の製造方法。
  12. 前記銀含有層が銀または銀化合物からなる層であることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれかに記載の導電性ペースト用銅粉。

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