JP2019183775A - エンジンオイル劣化判定方法及び車両動作制御装置 - Google Patents

エンジンオイル劣化判定方法及び車両動作制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】極力新たな部品追加を行うことなく既存の車両に適用でき、かつ、信頼性の高いエンジンオイル劣化判定を可能とする。【解決手段】電子制御ユニットにより、エンジンオイルの交換が行われた後の走行距離が車両の運転状態に応じて定められる複数の係数を用いてエンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての基本劣化相当距離に変換される一方、冷間始動による走行が行われ、その走行が冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化を招くと予め定められた走行条件を満たすと判定された場合に、その走行距離に基づいて冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての差分走行距離が算出され、基本劣化相当距離と差分走行距離との和に基づいてエンジンオイル交換時期が判定されるよう構成されてなるものである。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用エンジンの潤滑に用いられるエンジンオイルの劣化の程度を判定する方法及び装置に係り、特に、既存の車両動作制御装置への適用を可能とし、エンジンオイル劣化判定の信頼性の向上等を図ったものに関する。
車両用エンジンにおいては摺動等の動きのある機械部品を潤滑するためにエンジンオイルが用いられているが、エンジンの運転状態等によって劣化が生ずるため、適宜な時期に交換が必要とされる。
従来、かかるエンジンオイルの交換の判定については、車両の電子制御ユニットによって劣化判定を可能にしたものが種々提案されているが(例えば、特許文献1等参照)、現状は、車両の走行距離や使用期間等を考慮してユーザの判断に委ねられるのが大半である。
特開2004−150375号公報
しかしながら、エンジンオイルの劣化は、その成分や特性、車種、走行状況等の使用環境に負うところが多く、車両ユーザが比較的判断容易な車両の走行距離や使用期間等の要素だけでは必ずしも的確な劣化判定ができるとは言い難い。すなわち、場合によっては、不必要なオイル交換を行ったり、逆に必要な交換時期を遥かに越えてしまうこともあり得る。
一方、上記特許文献1に開示された装置の場合、既存の装置に適用するに当たっては、エンジンオイルの液面レベル検出のため、少なくとも、上限レベル検出用スイッチと下限レベル検出用スイッチの2つの部品を新たに追加する必要があり、既存装置への適用の自由度が低く汎用性に欠けるという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、極力新たな部品追加を行うことなく既存の車両に適用でき、かつ、信頼性の高いエンジンオイル劣化判定方法及び車両動作制御装置を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るエンジンオイル劣化判定方法は、
車両に搭載されたエンジンを潤滑するエンジンオイルの劣化を判定するエンジンオイル劣化判定方法であって、
前記エンジンオイルの交換が行われた後の前記車両の走行距離を前記車両の運転状態に応じて定められる複数の係数を用いて前記エンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての基本劣化相当距離に変換する一方、冷間始動による走行が行われ、その走行が冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化を招くと予め定められた走行条件を満たす場合に、その走行距離に基づいて冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての差分走行距離を算出し、前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和に基づいてエンジンオイル交換時期を判定するよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両動作制御装置は、
車両の動作制御処理を実行可能とする電子制御ユニットを有してなる車両動作制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
車両に搭載されたエンジンを潤滑するエンジンオイルの交換が行われた後の前記車両の走行距離を前記車両の運転状態に応じて定められる複数の係数を用いて前記エンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての基本劣化相当距離に変換する一方、冷間始動による走行が行われ、その走行が冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化を招くと予め定められた走行条件を満たす場合に、その走行距離に基づいて冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての差分走行距離を算出し、前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和に基づいてエンジンオイル交換時期を判定するよう構成されてなるものである。
本発明によれば、走行距離を走行状態などに基づいてエンジンオイルの劣化の程度を図る指標に変換することで、新たな部品追加を要すること無く、エンジンオイルの劣化の程度を精度良く判定することができ、信頼性の高いエンジンオイル劣化判定が実現できるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における車両動作制御装置の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における車両動作制御装置において実行されるエンジンオイル劣化判定処理全体の概略手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理において用いられるシビアコンディション走行距離の算出処理手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理において用いられる劣化相当距離の算出処理の実行のために電子制御ユニットに必要とされる機能を機能ブロックによって表した機能ブロック図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理において用いられるシビアコンディション割合の算出処理の実行のために電子制御ユニットに必要とされる機能を機能ブロックによって表した機能ブロック図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理によって行われるトルク制限処理の実行のために電子制御ユニットに必要とされる機能を機能ブロックによって表した機能ブロック図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理において用いられるエンジン運転領域係数を求めるエンジン運転領域係数マップの一例を模式的に示す模式図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理において用いられる水温係数変換表の一例を模式的に示す模式図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理において用いられるオイル交換時間経過係数変換表の一例を模式的に示す模式図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理において用いられるシビアコンディション割合変換表の一例を模式的に示す模式図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理の実行により算出される劣化相当距離と実際の走行距離の変化特性の一例を示す特性線図である。 本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理の実行時の劣化相当距離と実際の走行距離の変化例を示す特性線と共に報知灯点灯の行われる時期とトルク制限が行われる時期を示した特性線図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図12を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定方法が適用される車両動作制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両動作制御装置は、車両51に搭載された電子制御ユニット50を有している。この電子制御ユニット50は、燃料噴射制御処理等の車両51の運転に必要な種々の制御処理を実行可能すると共に、後述する本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理が実行可能に構成されたものである。
電子制御ユニット50は、例えば、公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図示せず)を中心に、RAMやROM等の揮発性の記憶素子、また、不揮発性の記憶素子(図示せず)を備えると共に、入出力インターフェイス回路(図示せず)を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる電子制御ユニット50には、図示されないセンサにより検出されたエンジン回転数、車速、エンジン52の冷却水温などの、エンジン52の動作制御に必要な種々の検出信号等が入力され、燃料噴射制御処理や後述するエンジンオイル劣化判定処理などに供されるようになっている。
また、電子制御ユニット50は、後述するようにエンジンオイル劣化判定処理を実行し、エンジンオイルの交換が必要と判定された場合に、車両51に設けられた計器盤(図1においては「INP」と表記)53の報知灯53aを点灯させる等の報知動作を実行可能となっている。
次に、本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理について、図2乃至図12を参照しつつ説明する。
最初に、電子制御ユニット50により実行される本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理について概括的に説明する。
本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理は、エンジン52の潤滑に用いられるエンジンオイルの交換後の車両の走行距離を、車両の運転状態等に基づいてエンジンオイルの劣化の程度に応じた走行距離としての劣化相当距離に置き換え、これをエンジンオイルの交換の要否判定に用いるようにしたものである。
図2には、本発明の実施の形態におけるエンジンオイル劣化判定処理全体の概略手順がサブルーチンフローチャートに示されており、以下、同図を参照しつつ、その内容について説明する。
図示されないイグニッションスイッチがオンとされて電子制御ユニット50による処理が開始されると、まず、車両51の運転が、エンジンオイルの交換後初回の運転であるか否かが判定される(図2のステップS100参照)。
ステップS100において、車両51の運転が、エンジンオイルの交換後初回の運転であると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS200の処理へ進む一方、エンジンオイルの交換後の初回の運転ではないと判定された場合(NOの場合)には、後述するステップS300の処理へ進むこととなる。
ここで、電子制御ユニット50においてエンジンオイルの交換を認識させる方法について説明する。
電子制御ユニット50においてエンジンオイルの交換を認識させる方法は、以下に説明するように複数あり、いずれを選択するかは任意である。また、必ずしも以下に説明する方法に限定されるものではなく、エンジンオイルの交換を確実に認識可能とするものであれば、他の手法を適用しても良いことは勿論である。
以下、具体的に説明すれば、まず、計器盤53に設けられたスイッチやボタンを車両51の使用者等が操作することでエンジンオイルの交換を電子制御ユニット50に認識される方法がある。
この場合、スイッチやボタンは、既存のものを特定の条件で使用することでエンジンオイルの交換を入力可能とすると好適である。また、計器盤53の液晶表示素子等の表示素子の画面において、いわゆるソフトウェアスイッチを設け、これを用いてエンジンオイルの交換を入力できるようにしても良い。
次に、エンジンオイルのドレインボルトが開かれた際に、これを検出しエンジンオイルの交換と認識できるようにする方法もある。
この場合、ドレインボルトが開かれたことを検出するには、オイル量を検出するセンサや、設定されたオイル量で開閉するすスイッチ等を適宜配設する必要がある。
また、エンジンオイルのオイル量を検出し、オイル量が所定のレベルを下回った場合に、エンジンオイルの交換がなされたとする方法を用いても良い。
この場合、オイル量の検出には、ドレインボルトの場合と同様に、オイル量そのものを検出するセンサや、設定されたオイル量で開閉するすスイッチ等を適宜配設する必要がある。
ステップS200においては、リセット処理が行われる。
すなわち、交換されたエンジンオイルに対して新たにエンジンオイル劣化判定を行うため、エンジンオイル交換直前に実行されていたエンジンオイル劣化判定処理において、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶された一時的なデータ等を零とする処理が実行される。具体的には、エンジンオイル交換前のエンジンオイル劣化判定処理において劣化相当距離を算出するために電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶されていた実総走行距離やシビアコンディション走行距離(詳細は後述)、さらに、これらの距離に付随して一時的に記憶されていた各種のデータ等が零とされることとなる。
このリセットが実行された時点においては、後述するドライビングサイクル毎の差分走行距離は算出されていない状態であるので、差分走行距離を考慮することなく後述する劣化走行距離算出処理(図2のステップS400参照)へ進むこととなる。
次に、ステップS300においては、差分走行距離の算出が行われる。
差分走行距離は、直近の車両使用時における冷間始動によるエンジンオイルの劣化の程度を走行距離に置換したものである(詳細は後述)。
この差分走行距離の算出は、1ドライビングサイクル毎に実行されるものとなっている。
ここで、”1ドライビングサイクル”は、イグニッションスイッチ(図示せず)がオフからオンとされ、その後、再びオフとされるまでの期間を意味する。
したがって、差分走行距離は、イグニッションスイッチ(図示せず)がオフからオンとされた際に算出されるようになっている。
次いで、ステップS400においては、劣化相当距離の算出が行われる。
劣化相当距離は、エンジンオイル交換後からの走行距離に応じたエンジンオイルの劣化の程度に対応する基本劣化相当距離と、ドライビングサイクル毎に求められる冷間始動を考慮したエンジンオイルの劣化の程度に対応する差分走行距離との和として求められるものである(詳細は後述)。
次いで、劣化相当距離が第1閾値を超えているか否かが判定される(図2のステップS500参照)。
本発明の実施の形態においては、劣化相当距離によってエンジンオイルの劣化判定を行う基準として、2つの基準、すなわち、第1閾値と第2閾値を設けている。
第1閾値(交換推奨報知用閾値)は、エンジンオイルの劣化が促進しており、エンジン52へ与えるダメージを最小にする等の観点からエンジンオイル交換が望ましい時期が渡来しているとする判定を行うための判定基準である。また、第2閾値(交換警報用閾値)は、エンジン52の保護等の観点からエンジンオイルの交換が至急必要であるとする判定を行うための判定基準である。
このように2つの判定基準を設けるのは、エンジンオイルを至急交換する必要がある時期が渡来した時点で初めてユーザにエンジンオイルの交換が必要であることを知らしめるのではエンジン52に与えるダメージが拡大する等の虞があるため、交換時期が遅れることによる悪影響が極力少なくて済む適切な時期にエンジンオイルの交換を促す一方で、その適切な時期のエンジンオイル交換が看過されても大事に至らないようにし、このエンジンオイル劣化判定処理の利便性をより向上させるためである。
しかして、第1閾値は、先に述べたようにエンジン52へ与えるダメージを最小にする等の観点からエンジンオイル交換が望ましい時期であることをユーザに知らしめることが適切であるという観点から設定される判定基準である。かかる第1閾値は、エンジンオイルの特性や車両の仕様等を考慮して、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定めるのが好適である。
具体的には、本発明の実施の形態においては、例えば、第1閾値は5000kmに設定されている。
ステップS500において、劣化相当距離が第1閾値を超えると判定された場合(YESの場合)には、ステップS600の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS500において、劣化相当距離は第1閾値を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS300へ戻り、同ステップ以降の処理が繰り返されることとなる。
ステップS600においては所要のドライバ報知が行われる。
ここで、”ドライバ報知”とは、エンジンオイル劣化判定結果を、車両のユーザ、運転者(ドライバ)等に音や表示等によって知らしめる処理、動作等を意味する。
かかるドライバ報知は、具体的には、例えば、車両51の計器盤53に設けられた報知灯53aの点灯や表示素子に所望の図形や文字等を表示することで実現される。また、ドライバ報知は、報知灯の点灯、表示素子を用いた表示に限定される必要はなく、例えば、鳴動素子を鳴動させても良く、また、報知灯や表示素子と併用するようにしても好適である。
なお、図12には、劣化相当距離(点線の特性線)が第1閾値の5000kmを超えた場合に報知灯53aが点灯されることが示されている。同図において実際の走行距離は実線の特性線で表されている。
次いで、劣化相当距離が第2閾値を超えているか否かが判定される(図2のステップS700参照)。
第2閾値は、先に述べたようにエンジン52保護等の観点からエンジンオイルの交換が至急必要であるとする判定を行うための判定基準である。かかる第2閾値は、使用されるエンジンオイルの特性や車両の仕様等を考慮して、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定めるのが好適である。
具体的には、本発明の実施の形態においては、例えば、第2閾値は8000kmに設定されている。
ステップS700において、劣化相当距離が第2閾値を超えると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS800の処理へ進む一方、劣化相当距離は第2閾値を超えていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS300の処理へ戻ることとなる。
ステップS800においては、トルク制限が行われる(図12参照)。このトルク制限は、エンジンオイルの交換がなされることなく車両51が運転状態にある間継続されるものとなっている。これによって、エンジンオイル劣化状態での運転継続防止が図られるようになっている。
図6には、本発明の実施の形態におけるトルク制限を実行するために電子制御ユニット50に必要とされる機能を機能ブロックで表した機能ブロック図が示されており、以下、同図を参照しつつトルク制限の例について具体的に説明する。
まず、劣化相当距離が第2閾値を超えていると判定されるまで(図2のステップS700参照)、車両トルクは、通常トルクが用いられるようになっている(図6の符号BL−5c参照)。ここで、通常トルクは、電子制御ユニット50において別途実行される従来同様のエンジン制御処理において演算算出されるものである。
一方、劣化相当距離が第2閾値を超えていると判定されると、次述するように通常トルクとトルク制限値のいずれか小さい方が選択されるものとなっている(図6の符号BL−5a、及び、符号BL−5b参照)。
まず、この具体例においては、エンジン回転数に応じた制限値が選定されるようになっている(図6のBL−5a参照)。
すなわち、エンジン回転数を入力として、入力されたエンジン回転数に対応するトルク制限値が選定可能に構成された制限値変換表(図6のBL−5a参照)が電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に設けられている。そして、エンジン回転数が入力されることで、そのエンジン回転数に応じたトルク制限値が制限値変換表により選定(制限値変換)されるものとなっている。
制限値変換によりえられたトルク制限値は、通常トルクと大小比較され(図6の符号BL−5b参照)、より小さい方が最終的にトルク制限値として選択されて、エンジン52に対するトルク指示に供されることとなる(図6の符号BL−5c参照)。
なお、図6において、符号BL−5cが付されたブロックは、その機能がスイッチとして表されており、同図において、スイッチは通常トルク指示が選択される切り換え位置に設定された状態として表されている。このスイッチの状態は、劣化相当距離が第2閾値を超えていない場合のもので、劣化相当距離が第2閾値を超えていると判定された場合は、符号BL−5bが付された大小比較の比較結果側に切り換えられるものとなっている。なお、同図において”Status”の表記は、劣化相当距離が第2閾値を超えているとの判定結果に対応する論理信号を表したものである。
次に、差分走行距離の算出(図2のステップS300参照)及び劣化相当距離の算出(図2のステップS400参照)について、図3乃至図5を参照しつつ、より具体的に説明する。
まず、図4には、電子制御ユニット50において、劣化相当距離の算出処理を実行するために必要とされる機能を機能ブロックで表した機能ブロック図が示されており、以下、同図を参照しつつ劣化相当距離算出処理について説明する。
劣化相当距離は、エンジンオイル交換後からの走行距離に応じたエンジンオイルの劣化の程度に対応する基本劣化相当距離と、ドライビングサイクル毎に求められる冷間始動によるエンジンオイルの劣化の程度に対応する差分走行距離との和として求められるものとなっている。
図4において符号BL−1が付されて点線で囲まれた部分は、電子制御ユニット50において実行される基本劣化相当距離の算出処理を機能ブロックで表した部分であり、同図において符号BL−2が付されて点線で囲まれた部分は、電子制御ユニット50において実行される差分走行距離の演算処理を機能ブロックで表した部分である。
まず、基本劣化相当距離は、車両51が走行している際に取得される実走行距離に、エンジン回転数と燃料噴射量とで定まる係数(以下、便宜的に「エンジン運転領域係数」と称する)K1と、水温(エンジン冷却水温)で定まる係数(以下、便宜的に「水温係数」と称する)K2と、オイル交換後の経過時間で定まる係数(以下、便宜的に「オイル交換時間経過係数」と称する)K3を乗じて求められる乗算値を逐次積算して求められるものである(図4の符号BL−1a〜BL1−d参照)。
通常、車両の動作制御処理等においては、例えば、車両に設けられている車速センサ等のセンサ出力を基に走行距離が逐次演算算出されるようになっている。
実走行距離は、このような従来の制御処理によって算出されたものを流用すれば良く、新たなセンサを設けて別個に演算処理を行う必要はない。
本発明の実施の形態においては、実走行距離が算出される度毎に、上述のように係数K1〜K3が乗ぜられて、その乗算結果が、直近の乗算結果に加算されて(図4の符号BL−1a参照)、その積算値は電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶、保存されるものとなっている。
基本劣化相当距離の算出に用いられるエンジン運転領域係数K1は、試験結果やシミュレーション結果を基に予め設定されたエンジン運転領域係数マップ(図4の符号BLー1b参照)を用いて定められるようになっている。
このエンジン運転領域係数マップは、エンジン回転数と燃料噴射量を入力パラメータとして、この2つのパラメータの組み合わせに対するエンジン運転領域係数K1が読み出し可能に構成されて、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶、保持されて上述の演算に用いられるようになっている。
図7には、エンジン運転領域係数マップの一例が示されており、同図において、マップの最上段の行に記載された「600」から始まる数値は、エンジン回転数を示している。
また、同図のマップにおいて、最も左側の列に記載された「0」からは始まる数値は燃料噴射量を示している。
なお、マップに設定されていないエンジン回転数と燃料噴射量の組み合わせに対しては、例えば、補間法などで対応するエンジン運転領域係数K1を定めるのが好適である。
図7におけるエンジン回転数、燃料噴射量、及び、エンジン運転領域係数K1の値は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、車両51の具体的な仕様や使用されるエンジンオイルの特性等を考慮して適宜定められるべきものである。
また、係数K2及び係数K3は、それぞれ、上述のマップの設定と同様に、試験結果やシミュレーション結果を基に予め設定された変換表(図4の符号BL−1c、符号BL−1d参照)を用いて定められるものとなっている。
すなわち、水温係数K2を例に採れば、種々のエンジン冷却水温に対して、試験結果やシミュレーション結果を基に予め好適な水温係数K2を定めて、水温係数変換表として電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶、保持されて上述の演算に用いられるようになっている。
オイル交換時間経過係数K3についても、水温係数K2の場合と同様にして予め定められ、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶、保存されたオイル交換時間経過変換表が係数K3の設定に用いられるようになっている。
なお、オイル交換時間経過係数K3は、オイル交換後からの経過時間、具体的に日を単位として、経過日数に対してそれぞれ定められるが、この経過日数は、電子制御ユニット50により実行される、いわゆるソフトウェア時計などによって求められる。
近年の電子制御ユニット50は、通常、イグニッションスイッチをオフとしても、一部のソフトウェアが実行可能となっており、そのため、上述のような経過日数を得ることが可能である。
図8には水温係数変換表の例が、図9にはオイル交換時間経過変換表の例が、それぞれ示されている。
図8において、最上段の行に記載された「−30」から始まる数値は、エンジン冷却水温であり、その下段にそれぞれ示された数値は、対応する水温係数K2の例である。
また、図9において、最上段の行に記載された「0」から始まる数値は、オイル交換後からの経過日数であり、その下段にそれぞれ示された数値は、対応するオイル交換時間経過係数K3の例である。
なお、図8及び図9のいずれの変換表も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、車両51の具体的な仕様や使用されるエンジンオイルの特性等を考慮して適宜定められるべきものである。
次に、差分走行距離の算出について図4の機能ブロックBL−2を参照しつつ説明する。
差分走行距離は、直近のドライビングサイクルにおける走行距離(前回走行距離)に所定の係数K4を乗じた結果を、直近のドライビングサイクルにおける走行距離から減算した結果として得られるものである(図4の符号BL−2a〜BL−2c参照)。かかる差分走行距離は、エンジンオイル交換が行われるまでの間、車両が始動される度毎に算出されて、先の基本劣化相当距離に加算されるものとなっている(図4の符号BL−3参照)。
ここで、所定の係数(以下、便宜的に「シビアコンディション割合係数」と称する)K4は、シビアコンディション割合に応じて定まるものとなっている(図4の符号BL−2a)。
シビアコンディション割合は、いわゆる冷間始動後の走行に起因するエンジンオイルの劣化の程度を表す指標であって、本願発明独自のものである。
具体的には、オイル交換後の実総走行距離に対して、冷間始動後の走行距離が所定基準距離未満で、かつ、所定基準距離未満の走行後、所定基準時間以上エンジン停止状態となった場合の走行距離の割合として定義されるものである。
ここで、所定基準距離や所定基準時間は、車両51の具体的な仕様やエンジンオイル劣化判定の全体的な信頼性等を勘案して、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて定めるのが好適である。
本発明の実施の形態においては、所定基準距離を8km、所定基準時間を6時間としているが、これらはあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
シビアコンディション割合に応じて定められるシビアコンディション割合係数K4は、試験結果やシミュレーション結果を基に予め設定された変換表を用いて定められるものとなっている。
図10には、シビアコンディション割合係数係数K4用変換表の例が示されている。
図10において、最上段の行に記載された「0」から始まる数値は、シビアコンディション割合であり、その下段にそれぞれ示された数値は、対応するシビアコンディション割合係数K4の例である。
次に、シビアコンディション割合のより具体的な算出手順について、図3に示されたサブルーチンフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、シビアコンディション割合は、先に述べたように以下のように定義されたものである。
シビアコンディション割合(%)=(冷間始動後の走行距離が所定基準距離未満で、かつ、所定基準距離未満の走行後、所定基準時間以上エンジン停止状態となった場合の走行距離)÷(オイル交換後の実総走行距離)
ここで、上述のシビアコンディション割合の算出式の分母である、オイル交換後の実総走行距離は、リアルタイムに得られる実走行距離の積算値として求められるものである(図4の符号BL−1e参照)。このようにして求められた実総走行距離は電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に記憶、保存されるようになっている。
次に、シビアコンディション割合の算出式における分子の算出手順について、図3に示されたサブルーチンフローチャートを参照すると共に、図5に示された機能ブロック図を適宜参照しつつ説明する。
まず、電子制御ユニット50による処理が開始されと、エンジン始動時の水温(エンジン冷却水温)Twが基準温度Wsを下回っているか否かが判定される(図3のステップS310、及び、図5の符号BL−4a参照)。
ここで、基準温度Wsは、いわゆる冷間始動であることを判定するために適切な値として選定された値である。この基準温度Wsは、特定の値に限定されるものでは無いが、本発明の実施の形態においては、例えば、40(deg.C)に設定されている。なお、”冷間始動”とは、一般的には、エンジン52が外気温と同じかそれよりも冷えている状態でエンジン始動が行われることを意味するが、本発明の実施の形態においては、上述のようにエンジン冷却水温によって判断するものとしている。
ステップS310において、水温Twが基準温度Wsを下回っていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS315の処理へ進むこととなる。一方、水温Twは基準温度Wsを下回っていないと判定された場合(NOの場合)には、一連の処理を実行する環境には無いとして一連の処理は終了されて、一旦、メインルーチンへ戻ることとなる。
なお、ステップS310においてNOの判定となり、一連の処理が終了された場合、先のシビアコンディション割合の算出式の分子が零となるため、シビアコンディション割合も零となる。
ステップS315においては、シビアコンディション走行距離計測が行われる。
ここで、シビアコンディション走行距離は、エンジン52の冷間始動後の走行距離である。かかるシビアコンディション走行距離は、先に説明したように、通常、従来から行われている車両の動作制御処理等において演算算出されたものを流用すれば足りるものである。
次いで、エンジン回転数Neが基準回転数Nsを下回ったか否かが判定される(図3のステップS320、及び、図5の符号BL−4b参照)。
このエンジン回転数の判定は、エンジン52が停止されたか否かを判定するために行われるものである。
しかして、ステップS320においてエンジン回転数Neが基準回転数Nsを下回ったと判定された場合(YESの場合)には、エンジン52が停止されたとして次述するステップS325の処理へ進むこととなる。一方、エンジン回転数Neは基準回転数Nsを下回っていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS315へ戻り、処理が繰り返されることとなる。
ステップS325においては、エンジン52が停止状態であることが確定されてステップS330の処理へ進むこととなる。
ステップS330においては、シビアコンディション走行距離判定が行われる。
すなわち、ステップS315においてシビアコンディション走行距離計測が開始された以降ステップS320においてYESの判定がなされてエンジン52の停止と確定されるまでに計測された走行距離が、基準走行距離Dsを下回っているか否かが判定される(図5の符号BL−4c参照)。
ここで、基準走行距離Dsは、冷間始動後の走行に起因してエンジンオイルの劣化を招くと判断するに適切な値として予め設定された値である。本発明の実施の形態においては、Ds=8kmと設定されている。なお、この値は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、車両51の具体的な仕様や使用されるエンジンオイルの特性等を考慮して適宜定められるべきものである。
しかして、ステップS330において、シビアコンディション走行距離は、基準走行距離Dsを下回っていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS335の処理へ進むこととなる。一方、シビアコンディション走行距離は、基準走行距離Dsを下回っていないと判定された場合(NOの場合)には、エンジンオイルの劣化を招くような冷間始動後の走行に該当しないとして一連の処理は終了されることとなる。
なお、この場合、ステップS310においてNOと判定された場合と同様、先のシビアコンディション割合の算出式の分子が零となるため、シビアコンディション割合も零となる。
ステップS335においては、この時点までのシビアコンディション走行距離が、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に確保されたシビアコンディション走行距離暫定記憶メモリ(図5の符号BL−4e参照)へ書き込まれて、記憶、保持されることとなる(図5の符号BL−4d及び符号BL−4e参照)。
次いで、エンジン52が再起動されるまで、エンジン停止時間の計測が開始される(図3のステップS340及びステップS345参照)。
そして、エンジン52が再起動されたと判定されると、先のステップS325においてエンジン停止と判定された時点からこれまでのエンジン停止時間tstが、基準停止時間Tsを上回っているか否かが判定される(図3のステップS350、及び、図5の符号BL−4f参照)。
しかして、ステップS350において、停止時間tstが基準停止時間Tsを上回っていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS360の処理へ進むこととなる。一方、停止時間tstが基準停止時間Tsを上回っていないと判定された場合(NOの場合)には、ステップS370の処理へ進むこととなる。
なお、基準停止時間Tsは、特定の値に限定されるものではないが、その値は、車両51の具体的な仕様や使用されるエンジンオイルの特性等を考慮して適宜定められるべきものである。
本発明の実施の形態において、基準停止時間Tsは6時間に設定されている。
ステップS360においては、シビアコンディション走行距離総計算出が行われる。
すなわち、電子制御ユニット50の適宜な記憶領域に確保されたシビアコンディション走行距離暫定記憶メモリ(図5の符号BL−4e参照)に記憶、保持されている走行距離が、今回の冷間始動による走行期間における総走行距離として読み出され最終的なシビアコンディション走行距離として確定される。
なお、図5において”エンジン停止直前のステータス”と表記された論理信号は、ステップS310、ステップS320、ステップS330の各々の判定がいずれもYESの判定となったことに対応する論理信号である。
一方、ステップS370においては、ステップS335において一時的に記憶された走行距離が、再開されるシビアコンディション走行距離計測の初期値とされ(初期値オフセット加算)、ステップS320の処理へ進むこととなる。
ステップS320においては、先に説明したようにエンジン回転数の判定が行われ、エンジン回転数Neが基準回転数Nsを下回っていないと判定されると(YESの場合)、シビアコンディション走行距離の計測が、上述した初期値から開始されることとなる。
このように、本発明の実施の形態においては、冷間始動された場合、走行距離が基準走行距離Dsを超えることなく、かつ、エンジン停止時間が基準停止時間Tsを超えない間は、ドライビングサイクル毎の走行距離が積算されるものとなっている。そして、最後のドライビングサイクル時における走行距離が基準走行距離Dsを超えることなく、かつ、エンジン停止時間が基準停止時間Tsを超えた場合に、それまで積算された走行距離に最後のドライビングサイクルの走行距離が加算され、その加算結果が最終的なシビアコンディション走行距離とされるものとなっている。
ここで、冷間始動による走行について2つの事例を挙げてシビアコンディション走行距離の算出についてより具体的に説明することとする。
第1の事例として、例えば、エンジン冷却水温が40度以下でエンジン52が始動された後、3km走行してエンジン停止が行われ、その10分後にエンジン52が再始動されて7km走行した後、エンジン52が停止されて、それ以後、8時間後にエンジン52が再始動された場合、シビアコンディション走行距離は次述する如くとなる。
まず、3km走行してエンジン停止された時点で、基準走行距離Ds(Ds=8km)を超えていないため、3kmはシビアコンディション走行距離暫定記憶メモリに書き込まれて記憶、保持される(図3のステップS330乃至ステップS335参照)。
その後、エンジン52が再始動されて7km走行後、エンジン52が停止された時点で、走行距離は3km+7km=10kmとなり、基準走行距離Ds(Ds=8km)を超えるため、一連の処理は終了されることとなる(図3のステップS330参照)。したがって、この場合、シビアコンディション走行距離は零となる。
次に、第2の事例として、例えば、エンジン冷却水温が40度以下でエンジン52が始動された後、3km走行してエンジン停止が行われ、その10分後にエンジン52が再始動されて4km走行した後、エンジン52が停止されて、それ以後、8時間後にエンジン52が再始動された場合、シビアコンディション走行距離は次述する如くとなる。
この場合、2回目の走行が終わった時点での走行距離は、3km+4km=7kmとなる。したがって、その走行距離は、基準走行距離Ds(Ds=8km)を超えていないため、第1の事例と異なり、エンジン停止時間の計測が開始される(図3のステップS330〜345参照)。2回目のエンジン停止時間である8時間は、基準停止時間Ts(Ts=6時間)を上回るため、7Kmがシビアコンディション走行距離と確定されることとなる。
次に、実際の走行距離と劣化相当距離の具体例について図11を参照しつつ説明する。
エンジン52が、エンジン回転数2200(rpm)、燃料噴射量50(mg/st)の運転領域にある状態で、かつ、エンジン冷却水温82(deg.C)で、エンジンオイル交換後68日経過時点で、車両51の総走行距離は0.8kmであったと仮定する。
この場合の基本劣化相当距離は次述する如くとなる。
まず、上述の諸条件から、エンジン運転領域係数K1=1.2(図7参照)、水温係数K2=1.0(図8参照)、オイル交換時間経過係数K3=1.0(図9参照)となる。
したがって、基本劣化相当距離は、基本劣化相当距離=0.8km×1.2×1.0×1.0=0.96kmと求められる。
一方、この例における差分走行距離の算出条件として、エンジン始動時の直近の走行距離(前回走行距離)が50km、シビアコンディション割合が6%であったと仮定する。かかる条件において、シビアコンディション割合係数K4は1.0となるため(図10参照)、差分走行距離は、差分走行距離=50km×1.0−50=0kmとなる。
したがって、劣化相当距離は、劣化相当距離=基本劣化相当走行距離+差分差分走行距離=0.98+0=0.98kmと定まる。
図11は、この例において、オイル交換後に走行距離0.8kmに至るまでの時間経過に対する走行距離と劣化相当距離のそれぞれの変化例を示す特性線を示したものである。同図において、実際の走行距離の変化は実線の特性線により、劣化相当距離の変化は点線の特性線により、それぞれ表されている。
同図によれば、劣化相当距離は、実際の走行距離に対して先に説明したように車両の運転状態に応じて逐次増加されてゆき、エンジンオイルの劣化判定の指標として適切に変化しいてゆくことが確認できる。
既存の車両に新たな部品追加を行うことなく適用でき、かつ、信頼性の高いエンジンオイルの劣化判定が所望される車両動作制御装置に適用できる。
50…電子制御ユニット
52…エンジン
53…計器盤

Claims (10)

  1. 車両に搭載されたエンジンを潤滑するエンジンオイルの劣化を判定するエンジンオイル劣化判定方法であって、
    前記エンジンオイルの交換が行われた後の前記車両の走行距離を前記車両の運転状態に応じて定められる複数の係数を用いて前記エンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての基本劣化相当距離に変換する一方、冷間始動による走行が行われ、その走行が冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化を招くと予め定められた走行条件を満たす場合に、その走行距離に基づいて冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての差分走行距離を算出し、前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和に基づいてエンジンオイル交換時期を判定することを特徴とするエンジンオイル劣化判定方法。
  2. 前記複数の係数は、少なくともエンジン回転数に基づいて定められる第1の係数と、エンジン冷却水温に基づいて定められる第2の係数と、オイル交換後の経過時間に基づいて定められる第3の係数であることを特徴とする請求項1記載のエンジンオイル劣化判定方法。
  3. 前記冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化を招くと予め定められた走行条件は、冷間始動後の走行距離が所定基準距離を下回った状態でエンジンが停止され、かつ、前記エンジンの停止が所定基準時間を上回ることであり、
    前記差分走行距離は、イグニッションスイッチがオフからオンとされて前記エンジンが始動され、その後、再び前記イグニッションスイッチがオフとされて前記エンジンが停止されるまでの1ドライビングサイクル毎に算出されるものであって、直近のドライビングサイクルにおける走行距離に、前記走行条件が満たされた際の走行距離に基づいて定められる第4の係数を乗じた乗算結果を、前記直近のドライビングサイクルにおける走行距離から減算した減算結果として求められ、
    前記第4の係数は、前記走行条件が満たされた場合の冷間始動後の走行距離の、前記エンジンオイル交換後の総走行距離に対する割合として求められるシビアコンディション割合に基づいて定められることを特徴とする請求項2記載のエンジンオイル劣化判定方法。
  4. 前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和が所定の交換推奨報知用閾値を上回った場合に、エンジンオイル交換を行うに適した時期であるとする報知を行うことを特徴とする請求項3記載のエンジンオイル劣化判定方法。
  5. 前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和が、前記交換推奨報知用閾値を超える所定の交換警報用閾値を上回った場合に、前記エンジンオイルの至急の交換が必要な時期であると判定すると共に、前記エンジンに対してトルク制限を行うことを特徴とする請求項4記載のエンジンオイル劣化判定方法。
  6. 車両の動作制御処理を実行可能とする電子制御ユニットを有してなる車両動作制御装置であって、
    前記電子制御ユニットは、
    車両に搭載されたエンジンを潤滑するエンジンオイルの交換が行われた後の前記車両の走行距離を前記車両の運転状態に応じて定められる複数の係数を用いて前記エンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての基本劣化相当距離に変換する一方、冷間始動による走行が行われ、その走行が冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化を招くと予め定められた走行条件を満たす場合に、その走行距離に基づいて冷間始動に起因するエンジンオイルの劣化の程度を表す指標としての差分走行距離を算出し、前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和に基づいてエンジンオイル交換時期を判定することを特徴とする車両動作制御装置。
  7. 前記電子制御ユニットは、前記複数の係数として、少なくともエンジン回転数に基づいて第1の係数を定め、エンジン冷却水温に基づいて第2の係数を定め、オイル交換後の経過時間に基づいて第3の係数を定めるよう構成されてなることを特徴とする請求項6記載の車両動作制御装置。
  8. 前記電子制御ユニットは、
    冷間始動後の走行距離が所定基準距離を下回った状態でエンジンが停止され、かつ、前記エンジンの停止が所定基準時間を上回った場合に、前記走行条件が満たされたとし、
    前記差分走行距離を、イグニッションスイッチがオフからオンとされて前記エンジンが始動され、その後、再び前記イグニッションスイッチがオフとされて前記エンジンが停止されるまでの1ドライビングサイクル毎に、直近のドライビングサイクルにおける走行距離に、前記走行条件が満たされた際の走行距離に基づいて定められる第4の係数を乗じた乗算結果を、前記直近のドライビングサイクルにおける走行距離から減算した減算結果として算出し、
    前記第4の係数を、前記走行条件が満たされた場合の冷間始動後の走行距離の、前記エンジンオイル交換後の総走行距離に対する割合として求められるシビアコンディション割合に基づいて定めるよう構成されてなることを特徴とする請求項7記載の車両動作制御装置。
  9. 前記電子制御ユニットは、
    前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和が所定の交換推奨報知用閾値を上回った場合にエンジンオイル交換を行うに適した時期であるとする報知を行うよう構成されてなることを特徴とする請求項8記載の車両動作制御装置。
  10. 前記電子制御ユニットは、
    前記基本劣化相当距離と前記差分走行距離との和が、前記交換推奨報知用閾値を超える所定の交換警報用閾値を上回った場合に、前記エンジンオイルの至急の交換が必要な時期であると判定すると共に、前記エンジンに対してトルク制限を実行するよう構成されてなることを特徴とする請求項9記載の車両動作制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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