JP4101615B2 - エンジンオイルの劣化検出装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を潤滑するエンジンオイルの劣化を検出するとともに、その検出結果に応じて、エンジンオイルの交換を促す警告を行うエンジンオイルの劣化検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のエンジンオイルの劣化検出装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この劣化検出装置は、車両用内燃機関のエンジンオイルの劣化を検出するものであり、エンジンオイルの温度を検出するオイル温度センサ、エンジンの回転数を検出するエンジン速度センサ、エンジンオイルの寿命を算出する制御ユニット、およびエンジンオイルの寿命を表示する表示器などを備えている。
【0003】
この劣化検出装置では、制御ユニットは、検出されたエンジンオイルの温度や車両の走行距離、およびエンジンの回転数などに応じて、エンジンオイルの劣化係数を設定し、その劣化係数に基づいて、エンジンオイルの有効使用量を表す数値を算出する。そして、算出された数値を、エンジンオイルの有効寿命を表す数値から減算することによって、エンジンオイルの残存寿命を表す数値を算出する。このように算出された残存寿命を表す数値は、運転者などに知らせるために、有効寿命を表す数値に対する割合として、表示器に表示される。また、残存寿命を表す数値が所定値を下回ると、オイル交換が必要である旨の警告が表示器に表示される。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−203915号公報 (第3−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のエンジンオイルの劣化検出装置は、上記のようにエンジンオイルの残存寿命が所定値を下回ったときに、オイル交換の必要性を警告するにすぎないので、オイル交換に関する履歴、例えばオイル交換の警告や実施の有無および時期などを知ることができない。このため、エンジントラブルの原因究明や、エンジンオイルの交換計画、ひいては内燃機関の長期的な保守管理を的確に行うことができない。
【0006】
例えばエンジンに何らかのトラブルが生じた場合、その原因がエンジンオイルの劣化によるものか否かが問題になることがあるが、従来の劣化検出装置では、オイル交換に関する履歴が判らないため、そのことがエンジントラブルの原因究明の障害になることがある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、オイル交換に関する履歴を的確に知ることができ、それにより、エンジントラブルの原因究明やエンジンオイルの交換計画に役立てることができるエンジンオイルの劣化検出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、内燃機関3を潤滑するエンジンオイルEOの劣化を検出するエンジンオイルの劣化検出装置1であって、内燃機関3の運転状態(実施形態における(以下、本項において同じ)車速VP、エンジン回転数NE)を検出する運転状態検出手段(車速センサ14、クランク角センサ12、ECU2)と、検出された運転状態に基づいて、エンジンオイルEOの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータ(積算走行距離DISTADD、積算回転回数TTLREV)を算出するオイル劣化度合パラメータ算出手段(ECU2、ステップ21、ステップ41、ステップ45)と、算出されたオイル劣化度合パラメータに応じた値(オイル残存寿命値ROLF)が所定値(判定値#REVCHK)に達したときに、エンジンオイルEOの交換を促す警告を行う警告手段(ECU2、警告ランプ16、ステップ33)と、エンジンオイルEOが交換されたときに、オイル劣化度合パラメータをリセットするリセット手段(ECU2、リセットスイッチ15、ステップ26)と、警告手段による警告時からエンジンオイルの交換時までの警告−交換期間におけるエンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータ(リセット時積算走行距離RDISTADD、リセット時積算回転回数RTTLREV)を算出し、記憶するオイル劣化度合パラメータ記憶手段(ECU2、ステップ63および64)と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
このエンジンオイルの劣化検出装置によれば、検出された内燃機関の運転状態に基づいて、エンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータが算出される。そして、算出されたオイル劣化度合パラメータに応じた値が所定値に達すると、警告手段によって、エンジンオイルの交換を促す警告が行われる。また、実際にエンジンオイルの交換が行われると、リセット手段によって、オイル劣化度合パラメータがリセットされる。また、エンジンオイルの交換の警告時から実際の交換時までの期間である警告−交換期間におけるエンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータが、オイル劣化度合パラメータ記憶手段により、算出されるとともに記憶される。
【0010】
したがって、記憶されたオイル劣化度合パラメータを参照することによって、オイル交換の警告が行われてから実際にオイル交換が実施されるまでの間に、エンジンオイルの劣化に及ぼした影響度合を、その間の内燃機関の運転状態に基づいて、適切に評価でき、エンジンオイルの交換が適正に行われていたか否かを的確に知ることができる。それにより、例えばエンジントラブルが発生したときに、その原因がエンジンオイルの劣化によるものか否かを、記憶されたオイル劣化度合パラメータによって適切に判定でき、エンジントラブルの原因究明に役立てることができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエンジンオイルの劣化検出装置において、オイル劣化度合パラメータ記憶手段は、所定の複数の警告−交換期間に対してそれぞれ算出された複数のオイル劣化度合パラメータを記憶する(図14)ことを特徴とする。
【0012】
このエンジンオイルの劣化検出装置によれば、所定の複数の警告−交換期間に対してそれぞれ算出された複数のオイル劣化度合パラメータが記憶される。したがって、複数回分のオイル劣化度合パラメータを参照することで、オイル交換の警告時からオイル交換時までの複数回分のオイル劣化度合パラメータの実態を、内燃機関ごとに、より的確に把握することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、内燃機関3を潤滑するエンジンオイルEOの劣化を検出するエンジンオイルの劣化検出装置1であって、内燃機関3の運転状態(車速VP、エンジン回転数NE)を検出する運転状態検出手段(車速センサ14、クランク角センサ12、ECU2)と、検出された運転状態に基づいて、エンジンオイルEOの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータ(積算走行距離DISTADD、積算回転回数TTLREV)を算出するオイル劣化度合パラメータ算出手段(ECU2、ステップ21、ステップ41、ステップ45)と、算出されたオイル劣化度合パラメータに応じた値(オイル残存寿命値ROLF)が所定値(判定値#REVCHK)に達したときに、エンジンオイルEOの交換を促す警告を行う警告手段(ECU2、警告ランプ16、ステップ33)と、エンジンオイルEOが交換されたときに、オイル劣化度合パラメータをリセットするリセット手段(ECU2、リセットスイッチ15、ステップ26)と、エンジンオイルの交換時から警告手段による警告時までの交換−警告期間におけるエンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータ(警告時積算走行距離KDISTADD、警告時積算回転回数KTTLREV)を算出し、記憶するオイル劣化度合パラメータ記憶手段(ECU2、ステップ58、ステップ60)と、を備え、オイル劣化度合パラメータ記憶手段は、所定の複数の交換−警告期間に対してそれぞれ算出された複数のオイル劣化度合パラメータを記憶する(図13)ことを特徴とする。
【0014】
このエンジンオイルの劣化検出装置によれば、請求項1と同様に、検出された内燃機関の運転状態に基づいて、エンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータが算出される。そして、算出されたオイル劣化度合パラメータに応じた値が所定値に達すると、エンジンオイルの交換を促す警告が行われる。また、実際にエンジンオイルの交換が行われると、オイル劣化度合パラメータがリセットされる。
【0015】
また、本発明では、エンジンオイルの交換時から警告時までの期間である交換−警告期間におけるエンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータが算出され、記憶されるとともに、そのようなオイル劣化度合パラメータの算出・記憶が、所定の複数の交換−警告期間に対して行われる。
【0016】
エンジンオイルが劣化する速さは、内燃機関の運転の仕方によって異なるため、エンジンオイルを交換すべき期間が、内燃機関ごとに異なる。本発明では、複数の交換−警告期間内にそれぞれ算出された複数のオイル劣化度合パラメータが記憶されるため、これらを参照することによって、オイル交換の実施時から次のオイル交換の警告時までの複数回分のオイル劣化度合パラメータの実態を的確に把握でき、それに基づいて、内燃機関ごとにオイル交換計画を適切に立てることができるなど、内燃機関の長期的な保守管理を的確に行うことができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジンオイルの劣化検出装置において、内燃機関3は車両4に搭載され、オイル劣化度合パラメータは、内燃機関3の回転回数(積算回転回数TTLREV)および車両4の走行距離(積算走行距離DISTADD)の少なくとも一方であることを特徴とする。
【0018】
内燃機関の回転回数や走行距離は、エンジンオイルの劣化の速さに大きな影響を及ぼす。したがって、これらの回転回数および/または走行距離をオイル劣化度合パラメータとして用い、記憶することによって、エンジントラブルの発生時の原因究明や、エンジンオイルの交換計画に、より適切に役立てることができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のエンジンオイルの劣化検出装置において、オイル劣化度合パラメータ記憶手段に記憶されたオイル劣化度合パラメータを表示する表示手段(ECU2、表示装置17)をさらに備えていることを特徴とする。
【0020】
このエンジンオイルの劣化検出装置によれば、記憶されたオイル劣化度合パラメータが、表示手段によって表示される。それにより、警告−交換期間内および交換−警告期間内に算出されたオイル劣化度合パラメータを、必要に応じて容易に参照できる。例えば、整備時の参考として、あるいは運転者の要求に応じて、交換−警告期間内のオイル劣化度合パラメータを表示するとともに、この表示値と前回のオイル交換時からその時点までのオイル劣化度合パラメータの値との関係から、次のオイル交換のおよその時期を把握することも可能である。
【0021】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明によるエンジンオイルの劣化検出装置(以下、単に「劣化検出装置」という)、およびこれを適用した内燃機関の概略構成を示している。同図に示すように、この劣化検出装置1は、ECU2を備えており、このECU2は、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態に応じて、後述する処理を実行する。
【0022】
エンジン3は、車両4に搭載された4サイクル・ガソリンエンジンである。エンジン3のエンジン本体5の下部は、オイルパン6になっており、オイルパン6には、エンジンオイルEOが貯留されている。エンジンオイルEOは、エンジン3の運転時、それにより駆動されるオイルポンプ(図示せず)によって、エンジン3の各構成部分に送られ、これらの潤滑作用や冷却作用などを行う。また、エンジンオイルEOは、エンジン3の各構成部分に送られた後、戻し通路(図示せず)を介して、オイルパン6に戻され、エンジン3内を循環する。
【0023】
エンジン本体5にはエンジン水温センサ9が、オイルパン6にはオイルレベルセンサ10が、それぞれ取り付けられている。このエンジン水温センサ9は、エンジン本体5のシリンダブロック内を循環する冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを検出し、その検出信号をECU2に出力する。また、オイルレベルセンサ10は、オイルパン6内のエンジンオイルEOのオイルレベルOLを検出し、その検出信号をECU2に出力する。また、エンジン3の吸気管7には、スロットル弁8よりも下流側の吸気管7内の絶対圧(以下「吸気管内絶対圧」という)PBを検出する吸気圧センサ11が設けられており、その検出信号はECU2に出力される。
【0024】
また、エンジン3のクランクシャフト3aには、クランク角センサ12(運転状態検出手段)が設けられている。クランク角センサ12は、クランクシャフト3aの回転に伴い、所定のクランク角ごと(例えば30度)に、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。ECU2は、このCRK信号に基づいて、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NE(運転状態)を算出する。
【0025】
ECU2にはさらに、吸気温センサ13から吸入空気の温度(以下「吸気温」という)TAを表す検出信号が、車速センサ14(運転状態検出手段)から車両4の速度(以下「車速」という)VP(運転状態)を表す検出信号が、それぞれ出力される。
【0026】
また、車両4のダッシュボード(図示せず)には、リセットスイッチ15(リセット手段)、警告ランプ16(警告手段)、および表示装置17が設けられており、これらはECU2に電気的に接続されている。リセットスイッチ15は、エンジンオイルEOを交換したときに運転者などによって操作されるものである。このリセットスイッチ15は、通常はOFF状態にあり、押下されたときのみONされ、そのことを表すリセット信号がECU2に出力される。警告ランプ16は、エンジンオイルEOの劣化を警告し、表示装置17は、エンジンオイルEOの後述するオイル残存寿命値ROLFなどを表示するためのものであり、これらの動作はECU2によって制御される。
【0027】
ECU2は、本実施形態において、運転状態検出手段、オイル劣化度合パラメータ算出手段、警告手段、オイル劣化度合パラメータ記憶手段および表示手段を構成するものである。ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAM、およびROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。前述した各種センサ9〜14からの検出信号はそれぞれ、I/OインターフェースでA/D変換や整形がなされた後、CPUに入力される。CPUは、これらの入力信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに従って、エンジン3の運転状態や車両4の走行状態を判別するとともに、その判別結果に応じて、以下のような制御処理を実行する。
【0028】
図2は、ECU2によって実行されるエンジンオイルの劣化検出処理のメインフローを示すフローチャートである。この処理は、所定時間(例えば1秒)ごとに実行される。
【0029】
まず、ステップ1(「S1」と図示する。以下同じ)では、リセットスイッチ入力処理を実行する。この処理では、リセットスイッチ15がONされた状態が所定時間、継続したときに、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「1」にセットする。
【0030】
次いで、パラメータ算出処理を実行する(ステップ2)。この処理は、各種のパラメータを算出するものであり、これらのパラメータは、後述するステップ4において実行されるオイル劣化警告処理で使用される。
【0031】
次いで、オイルレベル判定処理を実行する(ステップ3)。この処理は、エンジンオイルEOが補充されたときに、その分、エンジンオイルEOの寿命が延長されたことを、エンジンオイル劣化検出処理に反映させるために実行されるものである。具体的には、このオイルレベル判定処理では、オイルレベルセンサ10で検出されたオイルレベルOLに応じ、エンジンオイルEOが補充されたと判定したときに、後述する積算回転回数TTLREVの減算補正を許可する減算補正許可フラグF_BONUSMを「1」にセットする。
【0032】
次いで、オイル劣化警告処理を実行する(ステップ4)。この処理は、前記ステップ1で判別されたリセットスイッチ15の操作状態に応じて、前記ステップ2で算出された各種のパラメータを記憶するとともに、これらのパラメータに基づいて、エンジンオイルEOの残存寿命を表すオイル残存寿命値ROLF(オイル劣化度合パラメータに応じた値)を算出するものである。そして、その算出結果に応じて警告ランプ16の動作を制御する。
【0033】
次いで、オイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」であるか否かを判別する(ステップ5)。この判別結果がNOで、前記ステップ1でオイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」にセットされていないときには、そのまま本処理を終了する。
【0034】
一方、ステップ5の判別結果がYESのときには、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にリセットした(ステップ6)後、本処理を終了する。
【0035】
以下、前記ステップ1、2および4でそれぞれ実行されるサブルーチンについて、順に説明する。
【0036】
図3は、ステップ1のリセットスイッチ入力処理のサブルーチンを示している。この処理では、まず、ステップ7において、リセットスイッチ15がONされているか否かを判別する。この判別結果がNOで、リセットスイッチ15がOFFのときには、ダウンカウント式のリセットタイマTOILRSTを所定時間#TMOILRST(例えば10秒)にセットする(ステップ10)。次いで、エンジンオイルEOの交換が実施されていないとして、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」にセットし(ステップ11)、本処理を終了する。
【0037】
一方、前記ステップ7の判別結果がYESのとき、すなわち、リセットスイッチ15がONされているときには、前記ステップ10でセットしたリセットタイマTOILRSTの値が、0であるか否かを判別する(ステップ8)。この判別結果がNOのとき、すなわち、リセットスイッチ15のON状態が所定時間#TMOILRST、継続していないときには、前記ステップ11を実行し、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「0」に維持し、本処理を終了する。
【0038】
一方、前記ステップ8の判別結果がYESのとき、すなわち、リセットスイッチ15のON状態が、所定時間#TMOILRST、継続したときには、エンジンオイルEOの交換が実施されたとして、オイル交換判定フラグF_OILRSTを「1」にセットし(ステップ9)、本処理を終了する。このように、リセットスイッチ15のON状態が所定時間#TMOILRST、継続するのを待つことによって、リセットスイッチ15が誤ってON操作されたときに、オイル交換が実施されたものと誤判定するのを回避することができる。また、前記ステップ9で「1」にセットされたオイル交換判定フラグF_OILRSTは、図2の前記ステップ6の実行によって、「0」にリセットされる。すなわち、オイル交換判定フラグF_OILRSTは、オイル交換が実施された直後であるか否かを表す。
【0039】
図4は、図2のステップ4で実行されるパラメータ算出処理を示している。このパラメータ算出処理では、まず、ステップ12において、検出されたエンジン水温TW、吸気管内絶対圧PB、エンジン回転数NEおよび吸気温TAに基づいて、その時点でのエンジンオイルEOの温度(以下「推定油温」という)TOILを算出する。なお、油温センサ(図示せず)を用いて、エンジンオイルEOの温度を直接、検出してもよい。
【0040】
次いで、1分当たりの回転数を表すエンジン回転数NEを、1秒当たりのエンジン回転数(以下、単に「1秒毎回転数」という)REVに換算し、算出する(ステップ13)。この1秒毎回転数REVは、後述する積算回転回数算出処理で使用される。
【0041】
次いで、劣化係数PFを算出する(ステップ14)。この劣化係数PFは、エンジンオイルEOの劣化速さが、その温度に応じて変化するため、そのことを、オイル劣化検出処理に反映させるためのものである。
【0042】
図5は、劣化係数PFの算出処理を示している。まず、ステップ16では、推定油温TOILを算出するのに必要な各種センサ9、11〜13の故障検知中か、または故障が確定しているか否かを判別する。この判別結果がNOで、各種センサ9、11〜13が正常であるときには、劣化係数PFを、前記ステップ12で算出した推定油温TOILに応じ、PFテーブルを検索することによって設定する(ステップ17)。
【0043】
図6は、そのPFテーブルの一例である。このPFテーブルでは、推定油温TOILが所定温度TOIL1(例えば80°C)であるときには、エンジンオイルEOの劣化に及ぼす影響が最も小さいとして、劣化係数PFは、最小値PF
min(例えば1.0)に設定されている。また、推定油温TOILが上昇または低下するにしたがって、劣化係数PFは、互いに同様の変化率で、徐々に増加するように設定されている。劣化係数PFがこのように設定されるのは、推定油温TOILが所定温度TOIL1から離れるにしたがって、高温側および低温側のいずれの場合にも、エンジンオイルEOの劣化に及ぼす影響が徐々に大きくなるためである。
【0044】
一方、前記ステップ16の判別結果がYESのとき、すなわち、各種センサ9、11〜13の故障検知中などにより、推定油温TOILを適正に算出できないときには、劣化係数PFを故障時用の所定値#PFFS(例えば1.0)に設定し(ステップ18)、本処理を終了する。
【0045】
図4に戻り、前記ステップ14に続くステップ15では、車両4の積算走行距離算出処理を実行し、本処理を終了する。この積算走行距離算出処理は、その時点での車両4の積算走行距離DISTADDを、オイル劣化度合パラメータの1つとして算出するものである。積算走行距離DISTADDは、後述するように、エンジンオイルEOの交換時、オイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」にセットされたときに、値0にリセットされるので、オイル交換時からの車両4の積算走行距離を表す。図7は、積算走行距離算出処理を示すサブルーチンである。
【0046】
まず、ステップ19では、積算走行距離DISTADDを算出するのに必要な車速センサ14の故障検知中、または故障が確定しているか否かを判別する。この判別結果がNOで、車速センサ14が正常であるときには、車両4の1時間当たりの走行距離(km/h)を表す車速VPを、1秒当たりの走行距離(以下、単に「1秒毎走行距離」という)DIST(m)に換算し、算出する(ステップ20)。
【0047】
一方、前記ステップ19の判別結果がYESで、車速センサ14が故障検知中などのときには、1秒毎走行距離DISTを、故障時用の所定値#DISTFS(例えば8.3m)に設定する(ステップ22)。次いで、前回までの積算走行距離DITADDに、前記ステップ20または22で算出された今回の1秒毎走行距離DISTを加算することにより、今回の積算走行距離DISTADDを算出し(ステップ21)、本処理を終了する。
【0048】
図8は、図2のステップ4で実行されるオイル劣化警告処理を示すサブルーチンである。まず、ステップ22では、前記ステップ9または前記ステップ11においてセットしたオイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのとき、すなわち、エンジンオイルEOの交換実施直後でないときには、エンジン3の積算回転回数(以下、単に「積算回転回数」という)TTLREVをオイル劣化度合パラメータの1つとして算出する(ステップ23)。この積算回転回数TTLREVもまた、後述するように、エンジンオイルEOの交換時、オイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」にセットされたときに値0にリセットされるので、オイル交換時からのエンジン3の積算回転回数を表す。
【0049】
図9は、この積算回転回数TTLREVの算出処理を示すサブルーチンである。まず、ステップ40において、前記ステップ13で算出した1秒毎回転数REVに、前記ステップ17または前記ステップ18で算出した劣化係数PFを乗算することによって、油温補正後回転数REVSECを算出する。
【0050】
次いで、前回までの積算回転回数TTLREVに、今回算出された油温補正後回転数REVSECを加算することによって、今回の積算回転回数TTLREVを算出する(ステップ41)。
【0051】
次いで、減算補正実施済フラグF_BONUSMADが「1」であるか否かを判別する(ステップ42)。この判別結果がNOのときには、前記ステップ3において設定した減算補正許可フラグF_BONUSMが「1」であるか否かを判別する(ステップ43)。この判別結果がNOのとき、すなわち、エンジンオイルEOの補充が実施されていないときには、そのまま本処理を終了する。
【0052】
一方、ステップ43の判別結果がYESで、エンジンオイルEOが補充されたときには、減算補正実施済フラグF_BONUSMADを「1」にセットした(ステップ44)後、積算回転回数TTLREVから、所定の減算補正回転回数#BONUSREV(例えば700万回)を減算した値を、今回の積算回転回数TTLREVとして設定する(ステップ45)。このような減算補正により、エンジンオイルEOの補充によってその寿命が延長されたことを、積算回転回数TTLREVに反映させることができる。このように、積算回転回数TTLREVの減算補正が行われたときには、前記ステップ44の実行により、前記ステップ42の判別結果がYESになり、その場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、エンジンオイルEOの補充に伴う積算回転回数TTLREVの減算補正は、1回のみ実行される。
【0053】
次いで、前記ステップ45で設定した積算回転回数TTLREVが、値0よりも小さいか否かを判別する(ステップ46)。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する一方、判別結果がYESで、積算回転回数TTLREVが0未満のときには、その値を0に再設定し(ステップ47)、本処理を終了する。
【0054】
図8に戻り、前記ステップ23に続くステップ24では、オイル残存寿命値ROLFを算出する。図10は、このオイル残存寿命値ROLFの算出処理のサブルーチンを示している。この処理では、前記ステップ41または前記ステップ45で算出された積算回転回数TTLREV、および前記ステップ21で算出された積算走行距離DISTADDに応じて、エンジンオイルEOの残存寿命を表すオイル残存寿命値ROLFを算出する。
【0055】
まず、ステップ48では、積算回転回数TTLREVに応じ、RTDCOLFテーブルを検索することによって、暫定オイル寿命値RTDCOLFを設定する。この暫定オイル寿命値RTDCOLFは、エンジンオイルEOの残存寿命を、百分率で表したものである。
【0056】
図11は、その一例を示している。このRTDCOLFテーブルでは、暫定オイル寿命値RTDCOLFは、積算回転回数TTLREVが0であるとき、すなわちオイル交換直後においては、100%に設定され、積算回転回数TTLREVが所定の最大値TTLREVmax(例えば三千万回転)のときに、0%に設定されるとともに、これらの間では、積算回転回数TTLREVが大きくなるにしたがって、リニアに減少するように設定されている。
【0057】
次いで、積算走行距離DISTADDに応じ、RDSTOLFHテーブルを検索することによって、上限オイル寿命値RDSTOLFHを設定する(ステップ49)。この上限オイル寿命値RDSTOLFHは、エンジンオイルEOの残存寿命の上限値を、百分率で表したものであり、図12に、その一例が示されている。このRDSTOLFHテーブルでは、上限オイル寿命値RDSTOLFHは、オイル交換直後の積算走行距離DISTADDが値0であるときには100%に設定され、積算走行距離DISTADDが所定の第1上限値DISTADDmax1(例えば16000km)のときには、0%に設定されるとともに、これらの間では、積算走行距離DISTADDが大きくなるにしたがって、リニアに減少するように設定されている。
【0058】
次いで、積算走行距離DISTADDに応じ、RDSTOLFLテーブルを検索することによって、下限オイル寿命値RDSTOLFLを設定する(ステップ50)。この下限オイル寿命値RDSTOLFLは、エンジンオイルEOの残存寿命の下限値を、百分率で表したものであり、図12に、その一例が示されている。このRDSTOLFLテーブルでは、下限オイル寿命値RDSTOLFLは、オイル交換直後の積算走行距離DISTADDが値0であるときには100%に設定され、積算走行距離DISTADDが、上記第1上限値DISTADDmax1よりも小さな所定の第2上限値DISTADDmax2(例えば6000km)のときには、0%に設定されるとともに、これらの間では、積算走行距離DISTADDが大きくなるにしたがって、リニアに減少するように設定されている。
【0059】
次いで、前記ステップ48で設定した暫定オイル寿命値RTDCOLFが、前記ステップ49で設定した上限オイル寿命値RDSTOLFH以上であるか否かを判別する(ステップ51)。この判別結果がYESで、RTDCOLF≧RDSTOLFHのときには、オイル残存寿命値ROLFを上限オイル寿命値RDATOLFHに設定する(ステップ52)。
【0060】
一方、ステップ51の判別結果がNOのときには、暫定オイル寿命値RTDCOLFが下限オイル寿命値RDSTOLFL以下であるか否かを判別する(ステップ53)。この判別結果がYESで、RTDCOLF≦RDSTOLFLのときには、オイル残存寿命値ROLFを下限オイル寿命値RDSTOLFLに設定する(ステップ54)。また、この判別結果がNOで、RDSTOLFL<RTDCOLF<RDSTOLFHのときには、オイル残存寿命値ROLFを暫定オイル寿命値RTDCOLFに設定し(ステップ55)、本処理を終了する。
【0061】
暫定オイル寿命値RTDCOLFは、積算回転回数TTLREVに基づいて設定される値であるため、車両4の運転の仕方によって、ばらつきが生じる。例えば、アイドル運転状態が長時間、行われたような場合には、積算回転回数TTLREVが増大するため、エンジンオイルEOの劣化があまり進行しないにもかかわらず、暫定オイル寿命値RTDCOLFが、過小な値に設定されてしまう。したがって、前記ステップ51〜54によって、暫定オイル寿命値RTDCOLFを、積算走行距離DISTADDに応じて設定した上限オイル寿命値RDSTOLFHおよび下限オイル寿命値RDSTOLFLの間に収まるようにリミット処理することによって、上記のようなばらつきを補償し、適正なオイル残存寿命値ROLFを設定することができる。
【0062】
図8に戻り、前記ステップ24に続くステップ28では、算出したオイル残存寿命値ROLFが、警告用の所定の判定値#REVCHK(所定値)(例えば10%)よりも大きいか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、警告点滅フラグF_WFLASHを「0」にセットする(ステップ29)とともに、警告点灯フラグF_WARNONを「0」にセットする(ステップ30)。すなわち、オイル残存寿命値ROLFが、判定値#REVCHKよりも大きいときには、エンジンオイルEOの劣化度合が、警告を発するほどではないとして、警告ランプ16を消灯した状態に維持する。
【0063】
次いで、オイル残存寿命値ROLFを、運転者が認識できるように、表示装置17に表示させ(ステップ31)、本処理を終了する。
【0064】
一方、前記ステップ28の判別結果がNOで、オイル残存寿命値ROLF≦判定値#REVCHKのときには、オイル残存寿命値ROLFが、所定の限界値#REVLIM(例えば0%)よりも大きいか否かを判別する(ステップ32)。この判別結果がYESのとき、すなわち、オイル残存寿命値ROLFが、判定値#REVCHK以下で、且つ限界値#REVLIMを上回っているときには、警告点滅フラグF_WFLASHを「1」にセットする(ステップ33)とともに、警告点灯フラグF_WARNONを「0」にセットする(ステップ34)。すなわち、エンジンオイルEOの劣化が、エンジンオイルEOを交換すべき度合まで進行しているとして、そのことを運転者に知らせるために、警告ランプ16を点滅させる。
【0065】
また、前記ステップ32の判別結果がNOのとき、すなわち、オイル残存寿命値ROLFが、限界値#REVLIMに達したときには、警告点滅フラグF_WFLASHを「0」にセットする(ステップ35)とともに、警告点灯フラグF_WARNONを「1」にセットする(ステップ36)。すなわち、エンジンオイルEOの劣化が、エンジンオイルEOを直ちに交換すべき度合まで進行しているとして、そのことを運転者に知らせるために、警告ランプ16を点灯させる。
【0066】
前記ステップ34または36の後には、警告時データストア完了フラグF_STOREが「1」であるか否かを判別する(ステップ37)。この判別結果がNOのときには、警告時データストア処理を実行する(ステップ38)。図13は、この警告時データストア処理を示すサブルーチンである。この処理では、オイル交換の実施に伴うリセット時からオイル交換の警告時(リセット−警告期間)までに積算された、積算走行距離DISTADDおよび積算回転回数TTLREVが、警告時積算走行距離KDISTADDおよび警告時積算回転回数KTTLREV(リセット−警告期間内のオイル劣化度合パラメータ)として、例えばECU2のRAMのリングバッファ(図示せず)に記憶される。このリングバッファは、複数(例えばn=5)のアドレスを備えており、これらのアドレスに、直近のn回分の警告時積算走行距離KDISTADDおよび警告時積算回転回数KTTLREVが、それぞれ順に記憶される。
【0067】
まず、ステップ57では、n番アドレス(n=1〜5)に記憶されていた警告時積算走行距離KDISTADD(n)を、n−1番アドレスに順次シフトし、KDISTADD(n−1)としてセットする。これにより、記憶されていたn個の警告時積算走行距離KDISTADDのうち、最も古いものが消去される。次いで、その時点での積算走行距離DISTADDを、空いたn番アドレスに警告時積算走行距離KDISTADD(n)として記憶する(ステップ58)。
【0068】
次いで、上記ステップ57と同様に、n番アドレスに記憶されていた警告時積算回転回数KTTLREV(n)を、n−1番アドレスに順次シフトし、KTTLREV(n−1)としてセットする(ステップ59)。これにより、記憶されていたn個の警告時積算回転回数KTTLREVのうち、最も古いものが消去される。次いで、その時点での積算回転回数TTLREVを、空いたn番アドレスに警告時積算回転回数TTLREV(n)として記憶し(ステップ60)、本処理を終了する。
【0069】
図8に戻り、前記ステップ38に続くステップ39では、警告時データストア処理が完了したことを示すために、警告時データストア完了フラグF_STOREを「1」にセットし、次いで、前記ステップ31を実行し、オイル残存寿命値ROLFを表示し、本処理を終了する。
【0070】
以上の処理により、n回分のリセット−警告期間内にそれぞれ算出されたn個の警告時積算走行距離KDISTADDおよび警告時積算回転回数KTTLREVが、オイル劣化度合パラメータとして記憶される。また、記憶されたn個の警告時積算走行距離KDISTADDおよび警告時積算回転回数KTTLREVは、運転者の操作に応じて、表示装置17に適宜、表示される。
【0071】
以上のように、前記ステップ38で警告時データストア処理が完了した後には、前記ステップ39の実行により、前記ステップ37の判別結果がYESになるので、その場合には、前記ステップ31を実行した後、本処理を終了する。
【0072】
一方、前記ステップ22の判別結果がYESで、オイル交換判定フラグF_OILRSTが「1」のとき、すなわち、オイル交換の実施直後であるときには、リセット時データストア処理を実行する(ステップ25)。
【0073】
図14は、このリセット時データストア処理を示すサブルーチンである。この処理では、オイル交換の警告時からリセット時までの間(警告−リセット期間)における積算値に相当するn個の積算走行距離DISTADDおよび積算回転回数TTLREVが、リセット時積算走行距離RDISTADDおよびリセット時積算回転回数RTTLREV(警告−リセット期間内のオイル劣化度合パラメータ)として、前述した警告時データストア処理の場合と同様、例えばリングバッファ(図示せず)に記憶される。
【0074】
まず、ステップ61およびステップ62では、n番アドレス(n=1〜5)に記憶されていたリセット時積算走行距離RDISTADD(n)およびリセット時積算回転回数RTTLREV(n)を、n−1番アドレスに順次シフトし、RDISTADD(n−1)およびRTTLREV(n−1)としてそれぞれセットする。
【0075】
次いで、その時点での積算走行距離DISTADDから、前記ステップ58でセットした警告時積算走行距離KDISTADD(n)を減算した値を、n番アドレスにリセット時積算走行距離RDISTADD(n)として記憶する(ステップ63)。
【0076】
次いで、ステップ63と同様にして、積算回転回数TTLREVから、前記ステップ60でセットした警告時積算回転回数KTTLREV(n)を減算した値を、n番アドレスにリセット時積算回転回数RTTLREV(n)として記憶する(ステップ64)。
【0077】
以上の処理により、n回分の警告−リセット期間内にそれぞれ算出されたn個のリセット時積算走行RDISTADDおよびリセット時積算回転回数RTTLREVが、オイル劣化度合パラメータとして記憶される。また、記憶されたn個のリセット時積算走行距離RDISTADDおよびリセット時積算回転回数RTTLREVは、運転者の操作に応じて、表示装置17に適宜、表示される。
【0078】
図8に戻り、前記ステップ25に続くステップ26では、パラメータリセット処理を実行する。この処理では、積算走行距離DISTADDおよび積算回転回数TTLREVを含む全てのパラメータが、値0にリセットされる。
【0079】
次いで、次回のオイル交換の警告時に、前述した警告時データストア処理を実行するために、警告時データストア完了フラグF_STOREを「0」にセットする(ステップ27)。その後、前記ステップ29〜31を実行し、警告点滅フラグF_WFLASHおよび警告点灯フラグF_WARNONをそれぞれ「0」にセットするとともに、オイル残存寿命値ROLFを表示し、本処理を終了する。
【0080】
以上のように、本実施形態の劣化検出装置1によれば、記憶されたリセット時積算走行距離RDISTADDおよびリセット時積算回転回数RTTLREVを参照することによって、オイル交換の警告が行われてから実際にオイル交換が実施されるまでの間に、エンジンオイルEOの劣化に及ぼした影響度合を、その間の車両4の走行距離やエンジン3の回転回数に基づいて、適切に評価でき、エンジンオイルEOの交換が適正に行われていたか否かを知ることができる。それにより、例えばエンジントラブルが発生したときに、その原因がエンジンオイルEOの劣化によるものか否かを適切に判定でき、エンジントラブルの原因究明に役立てることができる。
【0081】
また、直近のn回分の警告−交換期間内にそれぞれ算出された、n個のリセット時積算走行距離RDISTADDおよびリセット時積算回転回数RTTLREVが記憶される。したがって、これらを参照することによって、オイル交換の警告時からオイル交換時までの複数回分のこれらオイル劣化度合パラメータの実態を、車両4ごとに、より的確に把握することができる。
【0082】
また、直近のn回分の交換−警告期間内にそれぞれ算出された、n個の警告時積算走行距離KDISTADDおよび警告時積算回転回数KTTLREVが記憶される。したがって、これらを参照することによって、オイル交換の実施時から次のオイル交換の警告時までの複数回分のこれらオイル劣化度合パラメータの実態を的確に把握でき、それに基づいて、車両4ごとにオイル交換計画を適切に立てることができるなど、車両4の長期的な保守管理を的確に行うことができる。
【0083】
また、エンジンオイルEOの劣化速さに大きな影響を及ぼす車両4の走行距離やエンジン3の回転回数の積算値である積算走行距離DISTADDおよび積算回転回数TTLREVを、オイル劣化度合パラメータとして用いているので、エンジントラブルの原因究明や、エンジンオイルEOの交換計画に、より適切に役立てることができる。
【0084】
また、記憶した警告時積算走行距離KDISTADD、警告時積算回転回数KTTLREV、リセット時積算走行距離RDISTADDおよびリセット時積算回転回数RTTLREVを、表示装置17に、適宜、表示させることができるので、エンジントラブルの原因究明を行う場合やエンジンオイルEOの交換計画を立てる場合に、必要な情報として容易に参照することができる。
【0085】
なお、上述した実施形態では、オイル残存寿命値ROLFを算出するために、オイル劣化度合パラメータとして車両4の走行距離およびエンジン3の回転回数を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なパラメータを用いることも可能である。また、実施形態は、本発明の劣化検出装置を車両用の内燃機関に適用した例であるが、これに限定されることなく、本発明の劣化検出装置を、他の産業機械用の内燃機関、例えば、クランクシャフトを鉛直方向に配置した船外機などのような船舶推進機用の内燃機関にも適用可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明のエンジンオイルの劣化検出装置は、オイル交換に関する履歴を的確に知ることができ、それにより、エンジントラブル発生時の原因究明やオイル交換計画に役立てることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したエンジンオイルの劣化検出装置を示す概略構成図である。
【図2】オイル劣化検出処理のメインフローを示すフローチャートである。
【図3】リセットスイッチ入力処理を示すサブルーチンである。
【図4】パラメータ算出処理を示すサブルーチンである。
【図5】劣化係数算出処理を示すサブルーチンである。
【図6】劣化係数を設定するためのテーブルである。
【図7】積算走行距離算出処理を示すサブルーチンである。
【図8】オイル劣化警告処理を示すサブルーチンである。
【図9】積算回転回数算出処理を示すサブルーチンである。
【図10】オイル残存寿命値算出処理を示すサブルーチンである。
【図11】暫定オイル寿命値を設定するためのテーブルである。
【図12】上限オイル寿命値および下限オイル寿命値を設定するためのテーブルである。
【図13】警告時データストア処理を示すサブルーチンである。
【図14】リセット時データストア処理を示すサブルーチンである。
【符号の説明】
1 劣化検出装置
2 ECU(運転状態検出手段、オイル劣化度合パラメータ算出手段、警告手段、リセット手段、オイル劣化度合パラメータ記憶手段、表示手段)
3 エンジン(内燃機関)
12 クランク角センサ(運転状態検出手段)
14 車速センサ(運転状態検出手段)
15 リセットスイッチ(リセット手段)
16 警告ランプ(警告手段)
17 表示装置(表示手段)
EO エンジンオイル
VP 車速(運転状態)
NE エンジン回転数(運転状態)
DISTADD 積算走行距離(オイル劣化度合パラメータ)
TTLREV 積算回転回数(オイル劣化度合パラメータ)
KDISTADD 警告時積算走行距離(交換−警告期間内のオイル劣化度合パラメータ)
KTTLREV 警告時積算回転回数(交換−警告期間内のオイル劣化度合パラメータ)
RDISTADD リセット時積算走行距離(警告−交換期間内のオイル劣化度合パラメータ)
RTTLREV リセット時積算回転回数(警告−交換期間内のオイル劣化度合パラメータ)
ROLF オイル残存寿命値(オイル劣化度合パラメータに応じた値)
#REVCHK 判定値(所定値)

Claims (5)

  1. 内燃機関を潤滑するエンジンオイルの劣化を検出するエンジンオイルの劣化検出装置であって、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    当該検出された運転状態に基づいて、前記エンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータを算出するオイル劣化度合パラメータ算出手段と、
    当該算出されたオイル劣化度合パラメータに応じた値が所定値に達したときに、前記エンジンオイルの交換を促す警告を行う警告手段と、
    前記エンジンオイルが交換されたときに、前記オイル劣化度合パラメータをリセットするリセット手段と、
    前記警告手段による警告時から前記エンジンオイルの交換時までの警告−交換期間における前記エンジンオイルの劣化度合を表す前記オイル劣化度合パラメータを算出し、記憶するオイル劣化度合パラメータ記憶手段と、
    を備えていることを特徴とするエンジンオイルの劣化検出装置。
  2. 前記オイル劣化度合パラメータ記憶手段は、所定の複数の前記警告−交換期間に対してそれぞれ算出された複数の前記オイル劣化度合パラメータを記憶することを特徴とする請求項1に記載のエンジンオイルの劣化検出装置。
  3. 内燃機関を潤滑するエンジンオイルの劣化を検出するエンジンオイルの劣化検出装置であって、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    当該検出された運転状態に基づいて、前記エンジンオイルの劣化度合を表すオイル劣化度合パラメータを算出するオイル劣化度合パラメータ算出手段と、
    当該算出されたオイル劣化度合パラメータに応じた値が所定値に達したときに、前記エンジンオイルの交換を促す警告を行う警告手段と、
    前記エンジンオイルが交換されたときに、前記オイル劣化度合パラメータをリセットするリセット手段と、
    前記エンジンオイルの交換時から前記警告手段による警告時までの交換−警告期間における前記エンジンオイルの劣化度合を表す前記オイル劣化度合パラメータを算出し、記憶するオイル劣化度合パラメータ記憶手段と、を備え、
    前記オイル劣化度合パラメータ記憶手段は、所定の複数の前記交換−警告期間に対してそれぞれ算出された複数の前記オイル劣化度合パラメータを記憶することを特徴とするエンジンオイルの劣化検出装置。
  4. 前記内燃機関は車両に搭載され、前記オイル劣化度合パラメータは、前記内燃機関の回転回数および前記車両の走行距離の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジンオイルの劣化検出装置。
  5. 前記オイル劣化度合パラメータ記憶手段に記憶されたオイル劣化度合パラメータを表示する表示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のエンジンオイルの劣化検出装置。
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