JP2019181818A - ゴム組成物の混合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカの噴出を抑えることができるゴム組成物Gの混合方法の提供。【解決手段】この混合方法は、混練室4内をラム16で加圧し、一対のローター8を回転させて、混練室4内でゴム組成物Gの構成成分を混練する混練工程PMを含む。この混練工程PMは、シリカを基材ゴムに取り込むための導入段階SCと、基材ゴムに取り込んだシリカを基材ゴムに分散させるための分散段階SDとを含む。導入段階SCにおける混練室4内の圧力を導入時圧力Peとし、分散段階SDにおける混練室4内の圧力を分散時圧力Pdとしたとき、導入時圧力Peは分散時圧力Pdよりも低い圧力で設定される。【選択図】図2

Description

本発明は、ゴム組成物の混合方法に関する。詳細には、本発明はシリカを含むゴム組成物の混合方法に関する。
ゴム組成物は、構成成分としての基材ゴム、及び、補強剤、加硫剤等の薬品を、オープンロールやバンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより得られる。
タイヤの技術分野においては、タイヤによる燃費性能への影響を抑えながら、タイヤのWET性能を向上させる観点から、補強剤としてシリカを用いたゴム組成物の使用量が増大している。
シリカは、粒子同士が凝集しやすい。このため、基材ゴムに分散させることが難しい。そこで、基材ゴムへのシリカの分散性を向上させる観点から、シリカを含むゴム組成物の混合方法について、様々な検討が行われている(例えば、特許文献1)。
特開2002−347022号公報
タイヤ用ゴム組成物は、通常、バンバリーミキサーのような密閉型のバッチ式混練機(以下、単に「混練機」と称する。)を用いて製造される。この混練機においては、基材ゴム、シリカ等のようなゴム組成物の構成成分が混練室に投入される。ラムが下降し、混練室が密閉される。ラムが、混練室内を加圧する。加圧状態でローターを回転させて、構成成分が混練される。
前述したように、シリカは基材ゴムに分散しにくい。このため、混練室内に構成成分を押し込むために、混練室内をラムで加圧すると、混練前のシリカが噴出し飛散することがある。そこで、従来の混合方法では、混練の途中において、ラムを一旦上昇させ、飛散したシリカが混練室内に回収される。飛散量が多いと、回収作業に時間がかかる。ゴム組成物に含まれるシリカの含有量に変動が生じる恐れもある。
以上のような事情から、ラムで混練室内を加圧し、構成成分を混練室内に押し込む際の、シリカの噴出を抑えることができる、ゴム組成物の混合方法の確立が求められている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、ラムで混練室内を加圧し、構成成分を混練室内に押し込む際の、シリカの噴出を抑えることができる、ゴム組成物の混合方法を提供することを目的としている。
本発明に係るゴム組成物の混合方法は、ゴム組成物の構成成分を収容する混練室と、当該混練室内に当該構成成分を押し込めるラムと、当該混練室内で当該構成成分を混練する一対のローターとを備える密閉型のバッチ式混練機を用いて、前記構成成分として基材ゴム及びシリカを含むゴム組成物を得るためのゴム組成物の混合方法であって、
前記混練室内を前記ラムで加圧し、前記一対のローターを回転させて、当該混練室内で前記構成成分を混練する混練工程
を含んでおり、
前記混練工程が、前記シリカを前記基材ゴムに取り込むための導入段階と、当該基材ゴムに取り込んだ当該シリカを当該基材ゴムに分散させるための分散段階とを含んでおり、
前記導入段階における前記混練室内の圧力を導入時圧力とし、前記分散段階における当該混練室内の圧力を分散時圧力としたとき、
前記導入時圧力が前記分散時圧力よりも低いことを特徴としている。
好ましくは、このゴム組成物の混合方法では、前記導入時圧力が、前記分散時圧力の3/7以上2/3以下である。
好ましくは、このゴム組成物の混合方法では、前記導入段階に要する時間が全混練時間の1/36以上である。
好ましくは、このゴム組成物の混合方法では、前記シリカの含有量は前記基材ゴム100質量部に対して40質量部以上120質量部以下である。
本発明に係るゴム組成物の混合方法では、混練工程において、導入時圧力が分散時圧力よりも低い圧力で設定される。この混合方法によれば、ラムで混練室内を加圧し、構成成分を混練室内に押し込む際の、シリカの噴出が効果的に抑えられる。この混合方法では、シリカを含むゴム組成物が予定した通りの組成で得られるとともに、ゴム組成物に含まれるシリカの含有量に、バッチ間の差異も生じにくい。この混合方法は、高品質なゴム組成物を安定に製造できる。この混合方法では、シリカの飛散量が少ないので、混練の途中でシリカの回収作業を実施しても、回収作業に要する時間の短縮も図ることができる。この混合方法は、生産性の向上にも貢献できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴム組成物の混合方法で用いられる混練機の一例を概略的に示す説明図である。 図2は、混練機の動作状況を説明する線図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明の一実施形態に係るゴム組成物の混合方法では、ゴム組成物を構成する成分(以下、構成成分)を混練することにより、ゴム組成物が得られる。この混合方法が対象とするゴム組成物は、構成成分として、後述する、基材ゴム及びシリカを含むゴム組成物であれば特に制限はない。以下に、タイヤ用ゴム組成物を例に挙げて、このゴム組成物について説明する。
[ゴム組成物]
前述したように、ゴム組成物は構成成分として基材ゴムを含む。この基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びブチルゴム(IIR)が例示される。タイヤによる燃費性能への影響を抑えながら、タイヤのWET性能を向上させる観点から、基材ゴムとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムが好ましい。なお、これらは、単独で用いることができるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前述したように、このゴム組成物は構成成分としてシリカを含む。このゴム組成物においてシリカは補強剤として用いられる。このシリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)及び湿式法シリカ(含水ケイ酸)が挙げられる。シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
ゴム組成物において、シリカの含有量は、タイヤによる燃費性能への影響を抑えながら、タイヤのWET性能を向上させる観点から、基材ゴム100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。分散不良の発生が防止できる観点から、このシリカの含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。
このゴム組成物は、構成成分として、シランカップリング剤を含むことができる。このシランカップリング剤としては、特に限定されず、スルフィド系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系、メルカプト系等のシランカップリング剤が挙げられる。タイヤによる燃費性能への影響を抑えながら、タイヤのWET性能を向上させる観点から、このシランカップリング剤としては、メルカプト系シランカップリング剤が好ましい。
このゴム組成物は、構成成分として、カーボンブラックのような補強剤、アロマチックオイル等のような可塑剤、酸化亜鉛等のような充填剤、硫黄、加硫促進剤等の薬品もさらに含むことができる。これら薬品の選定、選定した薬品の含有量等は、タイヤの仕様に応じて、適宜決められる。
この混合方法では、前述のゴム組成物の構成成分を混練するために、バンバリーミキサー及びニーダーのような密閉型のバッチ式混練機が混練機として用いられる。以下に、バンバリーミキサーを例に挙げて、この混練機について説明する。
[混練機]
図1に示されているのは、この混合方法において用いられる混練機2である。この混練機2は、混練室4と、ラム室6とを備えている。
混練室4には、基材ゴム、シリカのようなゴム組成物の構成成分が収容される。この混練室4には、一対のローター8が設けられている。この混練機2では、それぞれのローター8は図示されない駆動手段(例えば、電動モーター)により回転させられる。この混練機2では、このローター8の回転により混練室4内に収容された構成成分が混練される。このローター8の回転速度は通常、10rpm〜60rpmの範囲で設定される。
図示されていないが、混練室4の底には、混練が完了したゴム組成物を排出するために排出扉が設けられている。混練室4から排出されたゴム組成物Gは、フィーダー10及び圧延ロール12を通過してプレート状に加工される。
この混練機2では、混練室4は油投入部14をさらに備えている。この油投入部14は、可塑剤等の油成分を混練室4内に投入するために用いられる。
ラム室6は、混練室4の上方に連接されている。ラム室6は、円筒状である。この混練機2では、ラム室6内にラム16が設けられている。このラム16は、フローティングウェイト18と、このフローティングウェイト18から上方に延在するロッド20とを備えている。図示されていないが、ラム室6の上方にエアシリンダーが設けられている。この混練機2は、このエアシリンダーにより、ラム16が上下に移動するように構成されている。
この混練機2では、ラム室6は、ゴム投入部22及び補強剤投入部24を備えている。ゴム投入部22は、基材ゴムを混練室4内に投入するために用いられる。このゴム投入部22は、充填剤、硫黄等の薬品を混練室4内に投入するためにも用いられる。補強剤投入部24は、シリカやカーボンブラック等の補強剤を混練室4内に投入するために用いられる。
この混合方法では、以上説明した混練機2において、ゴム組成物Gの構成成分が混練され、ゴム組成物Gが得られる。この混合方法は、準備工程、投入工程、混練工程及び排出工程を含んでいる。
[準備工程]
準備工程では、この混合方法により得られるゴム組成物Gの組成にしたがって、基材ゴム、シリカ等の構成成分が計量される。混練機2においては、エアシリンダーによりラム16が引き上げられ、混練室4が開放される。
[投入工程]
投入工程では、構成成分が混練室4に投入される。構成成分としての、基材ゴムは、ゴム投入部22から混練室4に投入される。シリカは、補強剤投入部24から混練室4に投入される。
[混練工程]
ゴム組成物Gの構成成分の投入が完了すると、エアシリンダーによりラム16が下降される。このラム16により、構成成分が混練室4内に押し込められるとともに、混練室4が密閉される。ローター8を回転させて混練室4内の構成成分が混練される。この混練工程では、混練室4内をラム16で加圧し、一対のローター8を回転させて、この混練室4内で構成成分が混練される。
[排出工程]
構成成分の混練が完了しゴム組成物Gが得られると、エアシリンダーによりラム16が引き上げられる。排出扉が開けられ、混練室4からゴム組成物Gが排出される。前述したように、排出されたゴム組成物Gは、フィーダー10及び圧延ロール12を通過してプレート状に加工される。プレート状に加工された直後のゴム組成物Gの温度は通常、145℃〜175℃の範囲にある。このため、プレート状に加工されたゴム組成物Gは、図示されない冷却手段により冷却される。この混合方法は、排出工程で排出されたゴム組成物Gを冷却する冷却工程をさらに含んでいる。
図2には、投入工程から排出工程までの一連の工程におけるラム16の位置が示されている。この図2において、上下方向はラム16の位置に対応する。この図2において、「上」はラム16が上方に位置し混練室4が開放されていることを表す。「下」は、ラム16が下方に位置し混練室4が密閉されていることを表す。この図2において、左右方向は時間の経過に相当する。この線図において、左側から右側に時間は経過していく。
図2において、両矢印PCで示される範囲は前述の投入工程に対応している。前述したように、投入工程PCでは混練室4は開放される。この投入工程PCでは、ラム16は上方に位置している。両矢印PEで示される範囲は、前述の排出工程に対応する。前述したように、この排出工程PEでは、混練室4からゴム組成物Gが排出される。この排出工程PEでは、ラム16は上方に位置し、混練室4は開放されている。なお、この排出工程PEが完了すると、次のバッチに係るゴム組成物Gの投入工程PCが開始される。
図2において、投入工程PCと排出工程PEとの間が混練工程である。この図2においては、この混練工程に対応する範囲が両矢印PMで表されている。前述したように、この混合方法では、混練工程PMにおいて、混練室4内をラム16で加圧し、一対のローター8を回転させて、この混練室4内で構成成分が混練される。以下に、この混練工程PMについて詳述する。
この混合方法では、混練工程PMはラム16の下降により開始される。この混合方法では、混練工程PMを開始してからしばらくは、ローター8の回転により、基材ゴムを細分化しながら、構成成分としてのシリカが同じく構成成分である基材ゴムに取り込まれていく。さらにローター8の回転を続けることにより、基材ゴムに取り込まれたシリカがこの基材ゴムに分散していく。この混練工程PMは、シリカを基材ゴムに取り込むための導入段階と、基材ゴムに取り込まれたシリカをこの基材ゴムに分散させるための分散段階とを含んでいる。図2において、両矢印SCで示された範囲が導入段階に対応し、両矢印SDで示された範囲が分散段階に対応している。この混合方法では、従来の混合方法と同様、予め設定された温度に混練室内の温度が到達した時点で、混練工程PMは完了する。混練工程PMが完了すると、ラム16が引き上げられ、前述の排出工程PEが実施される。
この混練工程PMは、導入段階SCにおいてシリカが噴出し飛散した場合に備えて、分散段階SDの途中で、飛散したシリカを混練室4に回収する、回収段階(図2において両矢印Rで示された範囲)を含むことができる。この場合、分散段階SDは、回収段階Rよりも先の段階としての第一分散段階(図2において両矢印D1で示された範囲)と、この回収段階よりも後の段階としての第二分散段階(図2において両矢印D2で示された範囲)とに区分される。つまり、混練工程PMが回収段階Rを含む場合、この混練工程PMは、導入段階SC、第一分散段階D1、回収段階R及び第二分散段階D2により構成される。なお、この混合方法では、回収段階Rの開始は、基材ゴムにおけるシリカの分散状態を考慮して適宜決められる。具体的には、ローターの「トルク−経過時間曲線」において、シリカの分散に起因するピーク(二次ピークとも称される。)が現れた時点で、ラム16が引き上げられ、回収段階Rが開始される。この混合方法では、回収段階Rに要する時間は、シリカの飛散状況に応じて適宜決められる。なお、前述のシリカの分散に起因するピークが現れない場合は、シリカの分散がほぼ終わり、ローターのトルクが下がり始めた時点で、ラム16が引き上げられ、回収段階Rが開始される。
この混合方法では、混練工程PMの導入段階SCにおいては、混練室4内はラム16により加圧される。この混合方法では、この導入段階における混練室4内の圧力は導入時圧力Peとして表わされる。
この混合方法では、混練工程PMの分散段階SDにおいても、混練室4内はラム16により加圧される。この混合方法では、この分散段階SDにおける混練室4内の圧力は分散時圧力Pdとして表わされる。分散時圧力Pdは通常、0.6MPa〜0.7MPaの範囲で適宜設定される。なお、図2に示されているように、分散段階SDが回収段階Rを含む場合、第一分散段階D1と、第二分散段階D2とにおいて、混練室4内がラム16により加圧される。この場合、第二分散段階D2における混練室4内の圧力は通常、第一分散段階D1における混練室4内の圧力と同じ圧力で設定される。なお、本発明においては、分散段階SDが回収段階Rを含む場合、分散時圧力Pdは、導入段階SCに続いて実施される、第一分散段階D1における混練室4内の圧力により表わされる。
この混合方法では、導入段階SCにおける混練室4内の圧力を導入時圧力Peとし、分散段階SDにおけるこの混練室4内の圧力を分散時圧力Pdとしたとき、導入時圧力Peは分散時圧力Pdよりも低いことを特徴としている。
この混合方法では、混練工程PMにおいて、導入時圧力Peが分散時圧力Pdよりも低い圧力で設定されるので、ラム16で混練室4内を加圧し、構成成分を混練室4内に押し込む際の、シリカの噴出が効果的に抑えられる。この混合方法では、シリカを含むゴム組成物Gが予定した通りの組成で得られるとともに、ゴム組成物Gに含まれるシリカの含有量に、バッチ間の差異も生じにくい。この混合方法は、高品質なゴム組成物Gを安定に製造できる。この混合方法では、シリカの飛散量が少ないので、混練の途中でシリカの回収作業をするために分散段階SDに回収段階Rを含めたとしても、この回収段階Rにかかる時間の短縮も図ることができる。この混合方法は、生産性の向上にも貢献できる。導入段階SCにおけるシリカの噴出をほぼ完全に抑えることができれば、分散段階SDに回収段階Rを含める必要がなくなるため、この場合は、生産性のさらなる向上を達成することができる。
ゴム組成物Gに含まれるシリカの含有量が多いと、導入段階SCにおいて、シリカは噴出しやすい。従来の混合方法では、この噴出は、基材ゴム100質量部に対するシリカの含有量が40質量部以上に設定されたゴム組成物Gにおいて生じやすい。前述したように、この混合方法では、導入時圧力Peを分散時圧力Pdよりも低い圧力で設定することにより、シリカの噴出が抑えられる。この混合方法は、基材ゴム100質量部に対するシリカの含有量が40質量部以上に設定されたゴム組成物Gを密閉型のバッチ式混練機2で混合する場合に、特に有効である。
混練室4に投入されるシリカの量が多いと、導入段階SCにおいて、シリカは噴出しやすい。従来の混合方法では、この噴出は、混練室4の容量(単位はリットル)に対するシリカの投入量(単位はkg)の比が1/5(kg/リットル)以上に設定された場合において生じやすい。前述したように、この混合方法では、導入時圧力Peを分散時圧力Pdよりも低い圧力で設定することにより、シリカの噴出が抑えられる。この混合方法は、混練室4の容量に対するシリカの投入量の比が1/5(kg/リットル)以上に設定された場合に、特に有効である。
この混合方法では、導入時圧力Peは分散時圧力Pdの3/7以上が好ましく、2/3以下が好ましい。導入時圧力Peが分散時圧力Pdの3/7以上に設定されることにより、ラム16が構成成分を混練室4内に十分に押し込むことができるので、シリカが基材ゴムに効果的に取り込まれていく。この混合方法では、混練工程PMに要する時間の短縮が図れる。この観点から、導入時圧力Peは分散時圧力Pdの1/2以上がより好ましい。これに対して導入時圧力Peが分散時圧力Pdの2/3以下に設定されることにより、ラム16で混練室4内を加圧する際の、シリカの噴出が効果的に抑えられる。この観点から、導入時圧力Peは分散時圧力Pdの4/7以下がより好ましい。
この混合方法では、導入時圧力Peは0.3MPa以上が好ましく、0.4MPa以下が好ましい。導入時圧力Peが0.3MPa以上に設定されることにより、ラム16が構成成分を混練室4内に十分に押し込むことができるので、シリカが基材ゴムに効果的に取り込まれていく。この混合方法では、混練工程PMに要する時間の短縮が図れる。これに対して導入時圧力Peが0.4MPa以下に設定されることにより、ラム16で混練室4内を加圧する際の、シリカの噴出が効果的に抑えられる。
この混合方法では、導入段階SCに要する時間と、分散段階SDに要する時間との和が、混練工程PMに要する時間、すなわち、全混練時間である。この混合方法では、全混練時間は通常、120秒〜300秒の範囲で適宜設定される。
この混合方法では、導入段階SCに要する時間は全混練時間の1/36以上であるのが好ましい。これにより、シリカが基材ゴムに取り込まれるので、その後、分散段階SDに移行した際の、シリカの噴出が効果的に防止される。この観点から、導入段階SCに要する時間は全混練時間の1/18以上がより好ましい。生産性への影響が抑えられる観点から、導入段階SCに要する時間は全混練時間の1/6以下が好ましい。
この混合方法では、導入段階SCに要する時間は5秒以上が好ましい。これにより、シリカが基材ゴムに取り込まれるので、その後、分散段階SDに移行した際の、シリカの噴出が効果的に防止される。この観点から、この導入段階SCに要する時間は10秒以上がより好ましい。一方、生産性への影響が抑えられる観点から、導入段階SCに要する時間は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明のゴム組成物Gの混合方法では、ラム16で混練室4内を加圧し、構成成分を混練室4内に押し込む際の、シリカの噴出を抑えることができる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[構成成分の準備]
ゴム組成物の混練のために、基材ゴムとして、
・SBR:旭化成社製の「Y031」(スチレン含有量=26質量%)
・NR:TSR−20
及び
・BR:JSR社製の「BR730」(シス含有量=95質量%)
を準備した。ブレンド比(SBR/NR/BR)は、70/25/5に設定された。さらにシリカとして、
・シリカ:エボニックテグッサ社製の「ウルトラシルVN3」
を準備した。基材ゴム100質量部に対して60質量部となるように、シリカは計量された。シリカ以外に、次の構成成分が準備された。
・シランカップリング剤:Momentive社製の「NXT−Z45」
・アロマチックオイル:出光興産社製の「ダイアナプロセスAH−24」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業社製の「酸化亜鉛」
・ステアリン酸:日油社製のステアリン酸「椿」
・老化防止剤:住友化学社製の「アルチゲン6C」
・ワックス:大内新興化学社製の「サンノックN」
・硫黄:軽井沢硫黄社製の粉末硫黄
・加硫促進剤a:大内新興化学社製の「ノクセラーCZ」
・加硫促進剤b:大内新興化学社製の「ノクセラーD」
これら構成成分は、タイヤ用ゴム組成物として一般的に設定される配合量にしたがって計量された。
[実施例1]
図1に示された混練機(神戸製鋼所社製のバンバリーミキサー、混練室容量:240L)を用いて、トータル質量が200kgである構成成分を20バッチ混錬し、ゴム組成物を得た。
この実施例1では、下記の表1に示されている通り、混練工程における導入時圧力Peは0.4MPaに設定された。分散時圧力Pdは、0.7MPaに設定された。なお、ローターの回転数は、45rpmに設定された。ラムの下降を開始してから20秒までが、導入段階として設定された。ローターの「トルク−経過時間曲線」において、シリカの分散に起因するピークが現れた時点で、ラムを上昇させて、飛散した構成成分の回収、すなわち回収段階Rが実施された。回収後、ラムを下降させて、ゴム組成物の混練が再開された。混練室内の温度が予め設定された温度に到達した時点で、混練完了とし、ゴム組成物が混練室から排出された。
[実施例2及び比較例]
導入時圧力Peを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、ゴム組成物を得た。なお、比較例は、従来の混合方法である。この比較例では、導入時圧力Peと分散時圧力Pdとは同じであるので、導入段階SCから分散段階SDに移行する際の圧力の切替えは行われていない。
[飛散量]
回収段階において、シリカ等の構成成分の飛散量を計量した。その結果が、下記の表1に示されている。飛散量は少ないほど好ましい。
[混練時間(回収段階除く)]
20バッチのゴム組成物を得るために要した時間を計測し、回収段階Rを除く混練時間(導入段階SCに要した時間、第一分散段階D1に要した時間及び第二分散段階D2に要した時間の合計)を算出した。その結果が、下記の表1に示されている。回収段階Rを除く混練時間は短いほど好ましい。
[混練時間(回収段階含む)]
20バッチのゴム組成物を得るために要した時間を計測し、回収段階Rを含む混練時間(導入段階SCに要した時間、第一分散段階D1に要した時間、回収段階Rに要した時間及び第二分散段階D2に要した時間の合計)を算出した。その結果が、下記の表1に示されている。回収段階Rを含む混練時間、すなわち全混錬時間は短いほど好ましい。
[ゴム物性の分散]
得られたゴム組成物のバッチ毎に、JIS K 6300−1に準拠して、130℃でのムーニー粘度及びスコーチタイムを計測し、ムーニー粘度及びスコーチタイムのそれぞれについて分散を得た。ムーニー粘度の分散とスコーチタイムの分散の平均値が、下記の表1に示されている。数値が小さいほど物性のバラツキは小さく好ましい。
Figure 2019181818
表1に示されているように、実施例では、比較例に比して、飛散量は少なく、ゴム物性も安定していることが確認された。この結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたゴム組成物の混練方法は、タイヤ用途に限らず、様々な用途におけるシリカを含むゴム組成物の混練方法にも適用することができる。
2・・・混練機
4・・・混練室
6・・・ラム室
8・・・ローター
10・・・フィーダー
12・・・圧延ロール
14・・・油投入部
16・・・ラム
18・・・フローティングウェイト
20・・・ロッド
22・・・ゴム投入部
24・・・補強剤投入部

Claims (4)

  1. ゴム組成物の構成成分を収容する混練室と、当該混練室内に当該構成成分を押し込めるラムと、当該混練室内で当該構成成分を混練する一対のローターとを備える密閉型のバッチ式混練機を用いて、前記構成成分として基材ゴム及びシリカを含むゴム組成物を得るためのゴム組成物の混合方法であって、
    前記混練室内を前記ラムで加圧し、前記一対のローターを回転させて、当該混練室内で前記構成成分を混練する混練工程
    を含んでおり、
    前記混練工程が、前記シリカを前記基材ゴムに取り込むための導入段階と、当該基材ゴムに取り込んだ当該シリカを当該基材ゴムに分散させるための分散段階とを含んでおり、
    前記導入段階における前記混練室内の圧力を導入時圧力とし、前記分散段階における当該混練室内の圧力を分散時圧力としたとき、
    前記導入時圧力が前記分散時圧力よりも低い、ゴム組成物の混合方法。
  2. 前記導入時圧力が、前記分散時圧力の3/7以上2/3以下である、請求項1に記載のゴム組成物の混合方法。
  3. 前記導入段階に要する時間が全混練時間の1/36以上である、請求項1又は2に記載のゴム組成物の混合方法。
  4. 前記シリカの含有量が、前記基材ゴム100質量部に対して40質量部以上120質量部以下である、請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物の混合方法。

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