JP2019181362A - 有機性汚泥の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー回収効率を高めつつ汚泥投入にかかる動力を低減でき、投入汚泥管の閉塞を簡易な手法で長期間抑制することが可能な有機性汚泥の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置を提供する。【解決手段】有機性汚泥1を消化槽3内で嫌気性消化処理する嫌気性消化方法において、 汚泥濃度5wt%以上の有機性汚泥1を消化槽3へ供給するための投入汚泥管2を加温する工程を有する嫌気性消化方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、有機性汚泥の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置に関する。
嫌気性消化は投入原料(有機物)が持つ熱量をエネルギーとして利用しやすいメタンガスに変換して回収できる優れたプロセスである。例えば、下水汚泥の嫌気性消化では、下水の処理プロセスの中の最初沈殿池や最終沈殿池から排出される汚泥を投入原料とするが、そのままでは固形物濃度が低いため、ある程度濃縮して含水率を下げてから消化タンクに投入する。具体的には、濃縮前の汚泥の固形物濃度(TS)は一般的には1wt%前後であるが、従来はこれを3〜5wt%程度に濃縮して消化タンクに投入する方法が知られている。
嫌気性消化では投入原料を約35℃、または50〜55℃に加温して消化タンク内に滞留させることによって効率的な有機物の分解及びメタンガス化が進行する。従来の投入汚泥濃度では、加温に要するエネルギーが回収できるエネルギーに対して多く、これが嫌気性消化設備の実質的なエネルギー回収効率を下げる要因となっていた。
投入原料の含水率が低いほどその容量が少なくなり加温に要する熱量が少なくて済むため、近年では投入汚泥の固形物濃度をさらに高めて加温に要する熱量を低減させることで実質的なエネルギー回収効率を高める方法が提案されている。
しかしながら、消化タンクへの投入汚泥濃度が高いほど投入汚泥の粘度が高くなり、配管を通して消化タンクに投入する際の圧力損失が高くなるため、必要となるポンプ動力が高くなる。
また、原料汚泥の消化タンク投入前の濃縮工程において、原料汚泥に含まれる油分は分離液として汚泥から分離・除去されることなく汚泥側に残存・濃縮される。したがって、消化タンクへの投入汚泥は固形物濃度と同様に油分濃度も原料汚泥より高くなる。
投入汚泥中に含まれる油分は配管での移送過程において配管内壁面に付着しやすく、経年運転により配管内面に積層及び固化し、結果として配管の有効断面積の減少につながり、配管移送における圧力損失の上昇が生じ、ポンプ動力の上昇につながる場合がある。
配管を流れる流体の粘度を調節する方法として、例えば特開2005−133785号公報(特許文献1)には、圧送管内を流れる第1流体に対して圧層管に接続された供給管を介して第2流体を供給する供給装置において、第2流体の粘度を調整する粘度調整部を備える流体の供給装置の例が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された方法は、ガスに注入する薬液の粘度を加温によって制御して安定化させる手法として、薬液の温度、圧力、流量をそれぞれ制御する複雑な手法が記載されているだけで、嫌気性消化装置への適用に対しては必ずしも好適であるとはいえない。
特開2005−133785号公報
上記課題を鑑み、本発明は、エネルギー回収効率を高めつつ汚泥投入にかかる動力を低減でき、投入汚泥管の閉塞を簡易な手法で長期間抑制することが可能な有機性汚泥の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、有機性汚泥を消化槽へ投入するための投入汚泥管を加温することが有用であるとの知見を得た。
以上の知見を基礎として完成した本発明の実施の形態に係る有機性汚泥の嫌気性消化方法は一側面において、有機性汚泥を消化槽内で嫌気性消化処理する嫌気性消化方法において、汚泥濃度5wt%以上の有機性汚泥を消化槽へ供給するための投入汚泥管を加温する工程を備える有機性汚泥の嫌気性消化方法である。
本発明の実施の形態に係る有機性汚泥の嫌気性消化方法は一実施態様において、投入汚泥管を加温することが、内管及び内管の外側に配置された外管を備える多重管構造の投入汚泥管を使用し、内管内に有機性汚泥を流し、内管と外管との間に温水を流通させることを含む。
本発明の実施の形態に係る有機性汚泥の嫌気性消化方法は別の一実施態様において、内管と外管との間に流通させる温水として、消化槽を加温するための温水を用いることを含む。
本発明の実施の形態に係る有機性汚泥の嫌気性消化方法は更に別の一実施態様において、投入汚泥管内を流れる有機性汚泥と反対の方向に温水を流すことを含む。
本発明の実施の形態に係る有機性汚泥の嫌気性消化方法は更に別の一実施態様において、投入汚泥管の外周に加温器を巻き付けて投入汚泥管を加温することを含む。
本発明の実施の形態に係る有機性汚泥の嫌気性消化方法は更に別の一実施態様において、投入汚泥管を流れる有機性汚泥の管内流速が0.5m/s以下となるように有機性汚泥を流すことを含む。
本発明の実施の形態に係る嫌気性消化装置は一側面において、汚泥濃度5wt%以上の有機性汚泥を嫌気性消化処理する消化槽と、消化槽に接続され、有機性汚泥を加温しながら消化槽へ供給する投入汚泥管とを備える。
本発明の実施の形態に係る嫌気性消化装置は一実施態様において、投入汚泥管が、有機性汚泥を流すための内管と、内管の外側に配置された外管とを備える多重管構造を有し、内管と外管との間に温水を流通させるための流路が設けられている。
本発明によれば、エネルギー回収効率を高めつつ汚泥投入にかかる動力を低減でき、投入汚泥管の閉塞を簡易な手法で長期間抑制することが可能な有機性汚泥の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置が提供できる。
本発明の実施の形態に係る嫌気性消化装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態の変形例に係る嫌気性消化装置を示す概略図である。 本発明の実施の形態の別の変形例に係る嫌気性消化装置を示す概略図である。 実施例における投入ポンプ吐出圧の径日変化を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお、以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
本発明の実施の形態に係る嫌気性消化装置は、図1に示すように、有機性汚泥1を嫌気性消化処理する消化槽3と、消化槽3に接続され、有機性汚泥1を加温しながら消化槽3へと供給する投入汚泥管2とを備える。
有機性汚泥1としては、下水汚泥、し尿汚泥、食品残渣、畜糞尿などの有機物を含有する種々の汚泥を用いることができる。有機性汚泥1は投入汚泥管2に接続された汚泥投入ポンプ25により汲み上げられ、消化槽3へと投入される。
消化槽3には、汚泥循環ポンプ4を備える汚泥循環ライン5が接続されている。消化槽3へ投入された有機性汚泥1の一部は汚泥循環ポンプ4により引き抜かれ、汚泥循環ライン5の途中に配置された熱交換器6において、熱交換器6内を流れる温水7と熱交換することにより加温される。熱交換器6により加温された有機性汚泥1は汚泥循環ライン5を通って消化槽3内へと戻される。
熱交換器6内において有機性汚泥1と熱交換するための温水7は、温水循環ポンプ8によって汲み上げられて、熱交換器6内へと供給されるとともに、分岐管20を介して、投入汚泥管2の消化槽3側の端部に設けられた温水入口23へと供給される。温水7は、温水入口23から投入汚泥管2の内部を通り、有機性汚泥1の供給口側に設けられた温水出口24から排温水10として外部へ排出されるようになっている。
消化槽3で処理された消化汚泥13は、消化槽3の下部に設けられた消化汚泥引抜管より消化汚泥引き抜きポンプ12によって消化槽3の外部へと引き抜かれる。消化槽3で発生した消化ガス14は、消化槽3の上部に設けられた配管11を介して消化槽3の外部へ送られる。
本実施形態において、消化槽3へ投入される有機性汚泥1の汚泥(TS)濃度は、5wt%以上であることが好ましい。消化槽3への投入汚泥濃度を高くするほど含水率が低くなり加温に要する熱量を低減できるため、嫌気性消化設備全体としての実質的なエネルギー回収効率を高くすることができる。また、投入汚泥濃度を5wt%以上に高めることで投入汚泥の単位重量当たりの消化ガスの発生量を多くすることもでき、消化槽3のコンパクト化を図ることもできる。
有機性汚泥1の汚泥濃度は6wt%以上であることがより好ましく、更に好ましくは7wt%以上である。有機性汚泥1の汚泥濃度を高くしすぎても汚泥の円滑な搬送の点から問題が生じる場合があることから、汚泥濃度は12wt%以下とすることができ、別の実施態様では10wt%以下とすることができる。
一方で、有機性汚泥1の汚泥濃度を5wt%以上に高めることにより、粘度の上昇が顕著になるとともに、油分濃度も高まることによって、消化槽3への有機性汚泥1の投入に必要な動力が高くなり、投入汚泥管2内の圧力損失の上昇も発生して投入汚泥管2の閉塞が起こりやすくなるという問題が生じる。
有機性汚泥1の粘度の上昇による輸送時の配管の圧力損失の上昇を低減するためには、消化槽3へ有機性汚泥1を投入する投入汚泥管2を大口径化し、移送時の管内流速を下げることや配置を工夫することで移送距離を短縮することが必要である。
しかしながら、有機性汚泥1の濃度に対して粘度は指数関数的に上昇するため、配管移送での圧力損失も同様に上昇し、投入汚泥管2の大口径化、投入汚泥管2の移送距離の短縮による効果を上回るデメリットが生じる場合も多い。なお、消化槽3への汚泥投入手段としては、消化槽3の密閉性を確保する必要があるため、配管輸送以外の手段を採ることが現状では困難である。
本実施形態では、汚泥濃度5wt%以上の有機性汚泥1を消化槽3へ供給するための投入汚泥管2を加温する工程を備える。投入汚泥管2を加温して投入汚泥管2内を流れる有機性汚泥1の温度を高めることにより、投入汚泥管2での圧力損失の問題を低減することが可能となる。また、投入汚泥管2への加温により、投入汚泥管2内面への有機性汚泥1中の油分の付着及び固化を有効に抑制することができる。その結果、投入汚泥管2の閉塞を防止でき、長期間安定して嫌気性消化処理を行うことができる。また、経年運転による圧力損失の上昇、配管の閉塞も抑制することができる。
嫌気性消化での必要加温熱量は大別して、(1)投入原料としての有機性汚泥1を所定の温度に加温するための熱量、および(2)消化槽3を所定の温度に維持するための保温熱量(=消化槽3からの放熱量)に分類される。従来の加温方式では、これらの熱量を消化槽3に設けられた加温手段でまかなっていた。
本発明の実施の形態に係る嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置では、投入汚泥管2の一部又は全部の管壁面を加温する手段を設けることにより、投入原料の加温を投入汚泥管2内で行うことができるため、消化槽3内での必要加温熱量がその分だけ低減され、加温に必要となる総熱量は従来と変わらずに、投入汚泥管2の閉塞を抑制できる。
投入汚泥管2の一部又は全部の管壁面を加温する手段としては、例えば、内管21及び内管21の外側に配置された外管22を備えた多重管構造の投入汚泥管2を使用することが好ましい。そして、内管21内に有機性汚泥1を流し、内管21と外管22との間に温水7を流通させるための流路が設けられた投入汚泥管2を使用することが好ましい。内管21と外管22との間にある流路に温水7を流すことにより、内管21の内部を流れる有機性汚泥1を加温するとともに、内管21への有機性汚泥1中の油分の付着及び固化を抑制することができる。
内管21の外面は、35〜100℃に加温されることが好ましい。内管21の外面を100℃よりも高くなるように加温すると、有機性汚泥1の温度が上がりすぎて嫌気性消化処理に好ましくない場合がある。一方、内管21の外面を35℃よりも低くすると内管21の内壁面に有機性汚泥1中の油分が付着し、投入汚泥管2の閉塞をもたらす場合がある。消化槽3の処理条件や季節変動などにもよるが、内管21の外面は中温域での嫌気性消化処理に好適な35℃以上に加温できれば十分である。なお、投入汚泥管2の長さによっては投入汚泥管2の有機性汚泥1の供給入口側と供給出口側との間に若干の温度勾配が生じる場合も考えられるが、このような場合は、投入汚泥管2の温水入口23側の温水の温度を少なくとも100℃以下とし、温水出口24側の温度が35℃以上となるようにすることが好ましい。
内管21と外管22との間の空間に流通させる温水としては、消化槽3を加温するための温水を用いることが好ましい。例えば、35℃〜100℃の温水を用いることができる。消化槽3の加温に用いられる温水を利用することで、投入汚泥管2の加温のために特別なエネルギーを浪費することなく、嫌気性消化設備全体でエネルギーの効率の向上が図れる。
図1の例では、消化槽3内から引き抜いた有機性汚泥1を加温するための温水7を温水循環ポンプ8で汲み上げた後、汲み上げた温水の一部を、分岐管20を介して投入汚泥管2へ供給する例を示しているが、温水の供給態様は図1に示す態様に限られないことは勿論である。
例えば、図2に示すように、消化槽3内から引き抜いた有機性汚泥1を加温するための温水7を投入汚泥管2に通した後、熱交換器6において有機性汚泥1と熱交換させるようにしてもよい。図示していないが、温水7をまず熱交換器6において有機性汚泥1と熱交換させた後に、熱交換後の排温水を投入汚泥管2へ供給し、投入汚泥管2内を流れる有機性汚泥1の加温に利用することも可能である。更には、図3に示すように、投入汚泥管2の外周に渡って加温器30を巻き付けて、投入汚泥管2内を流れる有機性汚泥1を加温するようにしてもよい。
図1及び図2に示すように、投入汚泥管2に流通させる温水7は、投入汚泥管2内を流れる有機性汚泥1と反対の方向に流すことが好ましい。そのため、投入汚泥管2には、消化槽3に近接する側の端部に温水を受け入れるための温水入口23が設けられ、有機性汚泥1を供給する側の端部に温水を排出するための温水出口24が設けられている。
温水7が投入汚泥管2の消化槽3に近い下流側の温水入口23側から汚泥投入ポンプ25に近い上流側の温水出口24へと供給されることで、有機性汚泥1が消化槽3に近づくほどその温度を高く加温することができるため、消化槽3の加温に必要なエネルギーを効率良く低減することができる。
投入汚泥管2としては、単管或いは多重管構造のいずれでもよい。投入汚泥管2の材質としては、100℃程度の高温に耐え得る耐熱性を有し、投入される有機性汚泥1に対する耐食性を有し、熱伝導率の高い材料、例えばステンレス鋼などを用いることが好ましい。
投入汚泥管2を多重管構造とする場合は、外管22の材質としては、100℃程度の高温に耐え得る耐熱性を有し、通水する温水への耐食性のある材質で構成されることが好ましく、例えばステンレス鋼、耐熱性塩化ビニルなどを用いることができる。
内管21の材質としては、100℃程度の高温に耐え得る耐熱性を有し、投入される有機性汚泥1に対する耐食性を有し、熱伝導率の高い材料、例えばステンレス鋼などを用いることが好ましい。
投入汚泥管2を流れる有機性汚泥1の管内流速は0.5m/s以下となるように有機性汚泥を流すことが好ましい。具体的には、投入汚泥管2の有機性汚泥1を流す管の口径を、投入汚泥流量に対して管内流速が0.5m/s以下となるように調整することが好ましい。汚泥濃度5wt%以上の粘度の高い有機性汚泥1は、粘度が高く、投入汚泥管2内での圧力損失が大きくなるため、管内流速が0.5m/s以下とすることで、汚泥投入ポンプ25の必要動力の上昇を抑えることが可能となる。
投入汚泥管2を多重管構造とする場合、外管22の口径は、温水7を通水する部分の断面積が内管の内径断面積の0.5〜1.0倍となる口径を有することが好ましい。
図3に示すように、投入汚泥管2の外周には加温器30を巻き付けて投入汚泥管2を加温することが好ましい。これにより、投入汚泥管2内を流れる有機性汚泥1を加温することができる。
加温器30としては、リボン状、或いはシート状のヒーターを用いることができる。ヒーターの上に更に被覆材を配置し、投入汚泥管2を保温することにより、より効率良く有機性汚泥1へ熱を伝達させることができる。ヒーターなどの加温器30を用いる場合は、その内側に配置される投入汚泥管2の内壁面での汚泥の焦げ付きを抑制するために、設定温度を70℃以下とし、消化槽3投入前の有機性汚泥1の温度が原則として中温消化では40℃を超えない範囲、高温消化では60℃を超えない範囲とすることが好ましいが、消化槽3内の汚泥濃度が所定の温度に維持可能であればこの限りではない。
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上述の実施形態においては、温水として消化槽3の加温に用いられる温水を利用する例を説明したが、これ以外にも、嫌気性消化設備内の任意の設備で使用される温水を使用することも可能である。例えば、本実施形態では図示していないが、消化槽3で発生した消化ガス14を燃料とする発電機から排出される温水や、発電電力による電気ヒーターによる熱を利用して得られた温水などを、投入汚泥管2内に流通させる温水として利用することができる。消化槽3で得られる消化ガスを燃料とする温水ボイラに利用される温水を投入汚泥管2内に流通させる温水として利用することもできる。
本発明の実施の形態に係る嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置によれば、有機性汚泥の嫌気性消化において、エネルギー回収効率を高めることを目的として投入原料を高濃度化した際に起きる投入汚泥管2における閉塞などの不具合を、設備全体の消費エネルギーを増大することなく克服できる。有機性汚泥1等の持つ未利用のエネルギーを回収する技術はエネルギー需給の逼迫の問題解決や温室効果ガスの排出削減のための有効な手段であり、本発明はその効率化に大きく貢献する技術と考える。
このように、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、実施段階においては、各構成要素についてその要旨を逸脱しない範囲において変形し、具体化し得るものである。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
図3に示す嫌気性消化装置を用いて、下水処理場の最初沈殿池および最終沈殿池から引き抜いた汚泥を混合した汚泥(以下、「混合生汚泥」という)を約8wt%に濃縮した有機性汚泥を投入汚泥とし、有効容量15m3の鋼板製消化タンクによる中温嫌気性消化処理を行った。最初の1年間(RUN1)は投入汚泥管の加温は行わず、その後の1年間(RUN2)は投入汚泥管の汚泥投入ポンプ部分から消化槽の入口まで電気ヒーターを巻き付け、投入汚泥管の外壁面の温度が平均で約40℃となるように加温して運転した。消化槽は全期間にわたって消化槽の側面に設置した温水プレート式熱交換器により、タンク内汚泥が35℃となるように加温した。運転条件を表1に示す。表1に示す運転条件で、投入汚泥管のポンプ吐出圧力、消化タンク熱交換器(温水循環ポンプ)の運転時間を測定した。
各運転条件での汚泥投入ポンプの吐出圧の径時変化を図4に示す。投入汚泥管を加温しない条件のRUN1では、運転開始当初は投入汚泥温度約20℃で投入汚泥ポンプ吐出圧0.14MPa〜0.16MPaであった。ポンプ吐出圧は時間の経過とともに徐々に上昇し、1年後には0.3MPa以上となった。吐出圧の上昇は、特に気温の低下する冬季に顕著であった。運転終了後に投入汚泥管内部を確認した結果、ほぼ全長にわたって内壁面に固化した油分の付着が見られ、多い箇所では約3mm厚の付着物が確認された。
一方、投入汚泥管を40℃に加温したRUN2では、吐出圧は運転開始当初から1年間にわたって0.11〜0.14MPaの間で推移し、大きな変化は見られなかった。この結果から、本発明の実施の形態に係る嫌気性消化装置及び嫌気性消化方法によれば、投入汚泥管における圧力損失を低減でき、配管の閉塞も抑制できることが確認された。
更に、消化タンクの加温のための熱を供給する温水循環の運転時間は、全期間の平均でRUN2がRUN1の1/10程度であった。投入汚泥管の加温によって必要な加温熱量が投入汚泥に供給されるため、消化タンクへの供給熱量を低減できることも確認された。
1…有機性汚泥
2…投入汚泥管
3…消化槽
4…汚泥循環ポンプ
5…汚泥循環ライン
6…熱交換器
7…温水
8…温水循環ポンプ
10…排温水
11…配管
12…ポンプ
13…消化汚泥
14…消化ガス
20…分岐管
21…内管
22…外管
23…温水入口
24…温水出口
25…汚泥投入ポンプ
30…加温器

Claims (8)

  1. 有機性汚泥を消化槽内で嫌気性消化処理する嫌気性消化方法において、
    汚泥濃度5wt%以上の有機性汚泥を前記消化槽へ供給するための投入汚泥管を加温する工程を備えることを特徴とする嫌気性消化方法。
  2. 前記投入汚泥管を加温することが、
    内管及び前記内管の外側に配置された外管を備える多重管構造の投入汚泥管を使用し、前記内管内に前記有機性汚泥を流し、前記内管と前記外管との間に温水を流通させることを含む請求項1に記載の嫌気性消化方法。
  3. 前記内管と前記外管との間に流通させる温水として、前記消化槽を加温するための温水を用いることを含む請求項2に記載の嫌気性消化方法。
  4. 前記投入汚泥管内を流れる前記有機性汚泥と反対の方向に前記温水を流すことを含む請求項2又は3に記載の嫌気性消化方法。
  5. 前記投入汚泥管の外周に加温器を巻き付けて前記投入汚泥管を加温することを含む請求項1に記載の嫌気性消化方法。
  6. 前記投入汚泥管を流れる前記有機性汚泥の管内流速が0.5m/s以下となるように、前記有機性汚泥を流すことを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の嫌気性消化方法。
  7. 汚泥濃度5wt%以上の有機性汚泥を嫌気性消化処理する消化槽と、
    前記消化槽に接続され、前記有機性汚泥を加温しながら前記消化槽へと供給する投入汚泥管と
    を備えることを特徴とする嫌気性消化装置。
  8. 前記投入汚泥管が、前記有機性汚泥を流すための内管と、前記内管の外側に配置された外管とを備える多重管構造を有し、前記内管と前記外管との間に温水を流通させるための流路が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の嫌気性消化装置。
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