JP6230830B2 - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物が含まれる排水を処理する排水処理装置及び排水処理方法に関するもの。
産業排水や生活排水等の有機物を多く含む排水の処理方法として、微生物や細菌の浄化能力を利用する活性汚泥処理法が知られている。
この種の排水処理方法において、特にでんぷん等を多く含む高負荷な排水であっても、効率良く安定して処理できる方法として、例えば下記特許文献1に、排水を、2つの好気性処理槽の間及び好気性処理槽と濾過処理槽の間で循環させ、排水の浄化処理時間を長く確保する方法が提案されている。さらに、この方法においては、好気性処理槽における処理を効率良く行うために、前処理として、排水を酵素分解処理することも提案されている。
特開2011−235220号公報
ところで、製麺工場等から排出される排水は、その温度が40〜50℃と比較的高いため、熱交換器等を用いて排水中の熱エネルギーを回収し、有効利用することが望ましい。
しかしながら、でんぷん等の有機物が含まれる排水から熱回収すると、排水の温度が低下するため、これに伴い排水中のでんぷん等の粘度が上昇する。その結果、配管や熱交換器等にでんぷん等が付着し、さらに、付着したでんぷん等に、排水中の繊維質のゴミが付着すると、配管の排水流量や熱交換器の性能が低下する虞がある。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、有機物が多く含まれる排水を処理する場合でも、配管や熱交換器等の性能を長期に亘って維持できる排水処理装置及び排水処理方法を提供することにある。
請求項1の発明は、排水中の有機物を酵素分解処理する酵素分解処理槽と、排水から熱回収する熱交換器と、前記酵素分解処理槽内の排水を前記熱交換器へ送る送り水路と、前記熱交換器で熱回収された排水を前記酵素分解処理槽へ戻す戻し水路とを備える排水処理装置である。
送り水路を介して酵素分解処理槽内の排水を熱交換器へ送るようにすることで、熱交換器へ送られる排水に酵素分解処理されたものが含まれるようになり、全く酵素分解処理されていない排水をそのまま送る場合に比べて、有機物の酵素分解により排水中の粘度を低下させることができる。これにより、熱交換器、送り水路や戻し水路における排水流量の低下や排水の詰まり、これに伴う熱交換器の性能低下を防止することができる。特に、熱交換器によって熱回収された排水の温度が低下しても、排水粘度は上昇しないので、熱交換器及び戻し水路における排水の流動性を向上させることができる。
また、戻し水路を介して熱交換器で熱回収された排水を酵素分解処理槽へ戻すことで、酵素分解処理槽における排水の温度を酵素分解が活性化しやすい温度に下げることができる。しかも、酵素分解処理槽内の排水を、熱交換器に通し、再び酵素分解処理槽へ還流する過程で、排水の撹拌が行われるため、反応時間を確保するための大きな反応槽を追加することなく、酵素分解処理を十分に行うことができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の排水処理装置において、前記酵素分解処理槽内の排水の温度が酵素分解に適した温度域内となるように、前記熱交換器から前記酵素分解処理槽へ排水を戻すように構成したものである。
酵素分解処理槽内の排水の温度が酵素分解に適した温度域内となるように、酵素分解処理槽へ排水を戻すことで、酵素分解処理槽における分解処理を促進させることができる。
請求項3の発明は、請求項2に記載の排水処理装置において、前記酵素分解処理槽へ戻される排水の温度を調整する排水温度調整手段を設けたものである。
排水温度調整手段を設けることで、酵素分解処理槽内の排水温度の調整をより確実に行うことができるようになる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の排水処理装置において、前記酵素分解処理槽を分割し、温度の高い排水と前記熱交換器で温度の低下した排水とが混ざり合うことを防止すると共に、前記送り水路が前記酵素分解処理槽から排水を取水する取水口を、排水源から前記酵素分解処理槽へ排水が流入する排水入口の近傍に設けたものである。
送り水路が酵素分解処理槽から排水を取水する取水口を、排水源から酵素分解処理槽へ排水が流入する排水入口の近傍に設けると共に、酵素分解処理槽内を分割することで、排水入口から流入した排水を、温度の高い状態で(また、熱交換器を通して酵素分解処理槽へ還流される温度の低い排水と混ざらずに)熱交換器へ送ることができ、効率良く熱回収することが可能となる。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の排水処理装置において、前記酵素分解処理槽で酵素分解処理された排水を、好気性処理する好気性処理槽を設けたものである。
好気性処理槽を備えた排水処理装置においては、酵素分解処理槽における酵素分解処理が行われることで、その後の好気性処理槽における排水処理時間の短縮を図れると共に、曝気動力の省エネ化も期待できる。
請求項6の発明は、排水中の有機物を酵素分解処理槽で酵素分解処理し、前記酵素分解処理槽内の排水を熱交換器へ送って当該排水から熱回収を行い、熱回収された排水を前記酵素分解処理へ戻す排水処理方法である。
酵素分解処理槽内の排水を熱交換器へ送るようにすることで、熱交換器へ送られる排水に酵素分解処理されたものが含まれるようになり、全く酵素分解処理されていない排水をそのまま送る場合に比べて、有機物の酵素分解により排水中の粘度を低下させることができる。これにより、熱交換器や配管等における排水流量の低下や排水の詰まり、及びこれに伴う熱交換器の性能低下を防止することができる。特に、熱交換器によって熱回収された排水の温度が低下しても、排水粘度は上昇しないので、熱交換器及び戻し水路における排水の流動性を向上させることができる。
また、熱交換器で熱回収され、温度が低下した排水を酵素分解処理槽へ戻すことで、酵素分解処理槽における排水の温度を酵素分解の活性化する温度領域に調整することができる。しかも、酵素分解処理槽内の排水を、熱交換器に通し、再び酵素分解処理槽へ還流する過程で、排水の撹拌が行われるため、反応時間を確保するための大きな反応槽を追加することなく、酵素分解処理を十分に行うことができる。
本発明によれば、酵素分解処理槽内で酵素分解され粘度が低下した排水を、熱交換器へ送るようにすることで、熱交換器や配管等における排水流量の低下や排水の詰まりを防止でき、熱交換器や配管等の性能を長期に亘って良好に維持することができる。また、熱交換器で回収された排水を、酵素分解処理槽へ戻すことで、酵素分解処理槽における排水温度を酵素分解処理が活性化しやすい温度領域に調整することができる。これにより、熱交換器へ送られる排水の粘度低下が促進されるため、熱交換器等のさらなる性能向上が期待できる。また、この熱交換器等の性能の向上に伴い、酵素分解処理槽における排水温度調整も確実に行うことができるようになる。このように、本発明によれば、酵素分解処理槽内の排水を熱交換器へ送り、再び酵素分解処理槽へ還流することで、熱交換器等の性能の向上と、酵素分解処理槽における酵素分解処理の活性化を実現することができ、これらの相乗効果によるさらなる排水処理の性能向上も期待できる。また、本発明によれば、大きな設備対策を行うことなく、配管や熱交換器等の長期に亘る性能の維持と排水処理効率の促進とを実現することが可能である。
本発明の一実施形態に係る排水処理装置の全体構成の概略図である。 本実施形態に係る排水処理装置の一部をクローズアップして示す図である。
以下、本発明に係る排水処理装置及び排水処理方法の内容について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る排水処理装置の全体構成の概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係る排水処理装置1は、酵素分解処理槽2と、好気性処理槽3と、凝集沈殿槽4と、ろ過装置5と、汚泥貯槽6と、汚泥処理装置7と、ヒートポンプシステム8とを、主要な構成要素として備えている。
排水源である工場などの生産設備から排出された排水は、まず、酵素分解処理槽2に流入するようになっている。また、酵素分解処理槽2には、酵素注入装置9から分解酵素(酵素液)が投入されるようになっており、投入された分解酵素によって、酵素分解処理槽2では、排水中の有機物の酵素分解処理が行われる。本実施形態では、製麺工場等の食品工場から排出される、でんぷんを多く含む高負荷な排水が流入するため、酵素分解処理槽2へ注入する分解酵素として、でんぷんの分解酵素であるアミラーゼを用いている。さらに、本実施形態では、曝気装置10によって酵素分解処理槽2内で曝気を行い、酵素分解処理が促進するようにしている。
なお、本発明に係る排水処理装置によって処理する排水は、でんぷんを多く含む排水に限らない。有機物を含む排水であれば、工場から排出される産業排水以外に、一般家庭から排出される生活排水であってもよい。また、注入する分解酵素は、排水中に含まれる有機物に応じて、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素、植物繊維分解酵素など、適宜選択可能である。
酵素分解処理槽2で酵素分解処理された排水は、好気性処理槽3へ送られる。好気性処理槽3では、曝気装置10によって曝気を行い、好気性微生物による排水の有機物分解処理(好気性処理)が行われる。
そして、好気性処理槽3で好気性処理が行われた排水は、凝集沈殿槽4へ送られる。凝集沈殿槽4では、排水中に高分子凝集剤を投入し、これによって生成された凝集物を沈殿させて固液分離する。ここで分離された汚泥は汚泥貯槽6に貯留され、分離液(排水)はろ過装置5へ送られる。ろ過装置5では、分離液をろ過し、その一部を好気性処理槽3へ戻し、残りを処理水として放流する。また、汚泥貯槽6に貯留された汚泥は、汚泥処理装置7へ送られ、汚泥処理装置7によって脱水処理が行われる。これにより、汚泥から分離された分離液(排水)は好気性処理槽3へ戻され、汚泥は廃棄物として処理される。
ヒートポンプシステム8は、いわゆる熱回収型のヒートポンプシステムである。具体的に、ヒートポンプシステム8は、ヒートポンプ11と、冷却側熱交換器12と、加熱側熱交換器13等を備える。ヒートポンプ11は、圧縮機14、加熱器15、膨張弁16、冷却器17とを備え、これらの各機器は、冷媒通路18を介して接続されており、冷媒通路18内には、冷媒が充填されている。そして、ヒートポンプ11と冷却側熱交換器12とで、後述する熱交換回路19が形成され、ヒートポンプ11と加熱側熱交換器13とで後述する給水回路20が形成されている。両熱交換器12、13は、例えば凹凸に表面が加工された金属製の板を合わせて温冷媒体の通路を形成したプレート形熱交換器である。また、図1においてPで示すのは、各水路内で各種媒体を送るためのポンプである。
図1において圧縮機14は、冷媒を断熱圧縮して高温・高圧のガス(超臨界状態)にするものであり、加熱器15(水熱交換部)は、圧縮機14から供給された高温・高圧のガス(超臨界状態)と、ヒートポンプ11へ導入された給水との間で熱交換することにより給水を加熱させるものである。膨張弁16は、加熱器15で低温・高圧となったガス(超臨界状態)冷媒を膨張させて低温・低圧の液体とする弁である。冷却器17(冷熱交換部)は、膨張弁16を通過した低温・低圧の冷媒と後述する熱交換回路19の伝熱媒体との間で熱交換することにより冷媒を蒸発させるものである。
また、冷却器17は、熱交換回路19の一部を構成する。すなわち、熱交換回路19は、冷却側熱交換器12と冷却器17とを循環する配管にて接続されることにより形成されており、冷却側熱交換器12と冷却器17との間で第1伝熱媒体(低温冷媒)が循環する。これにより、冷却器17にて冷却された伝熱媒体が、冷却側熱交換器12に導入され、後述するように温排水との間で熱交換を行うことにより、伝熱媒体が加熱される。伝熱媒体としては、例えば、水等の液体を使用することができる。
また、加熱器15は、給水回路20の一部を構成する。すなわち、給水回路20は、加熱側熱交換器13と加熱器15とを循環する配管にて接続されることにより形成されており、加熱側熱交換器13と加熱器15との間で第2伝熱媒体(高温冷媒)が循環する。これにより、加熱器15にて加熱された伝熱媒体が、加熱側熱交換器13に導入され、後述するように給水される原料水との間で熱交換を行うことにより、伝熱媒体が冷却される。伝熱媒体としては、例えば、水等の液体を使用することができる。
冷却側熱交換器12に供給される温排水は、前述の酵素分解処理槽2から供給される排水である。酵素分解処理槽2から供給された温排水は、温排水貯槽21で一旦貯蔵され、冷却側熱交換器12に供給される。冷却側熱交換器12では、配管を介して温排水が流通するようになっており、温排水からの熱は、前記した熱交換回路19を循環する低温冷媒と熱交換し、温排水が冷却される。そして、冷却された排水は、酵素分解処理槽2へ戻されるようになっている。
また、温排水貯槽21の上流側には、冷却側熱交換器12への異物の流入を阻止する異物除去装置25が設けられている。この異物除去装置25は、旋回流またはフィルタを利用して異物を分離する機能を備えたものとなっている。旋回流式の異物除去装置25に導入された温排水は、旋回流が発生し、温排水内の塵および残留固形物は、旋回流に合わせて分離されケーシング外に排出される。これにより、温排水中の塵や残留固形物等の異物が冷却側熱交換器12内へ混入するのを防止することができる。また、異物除去装置25で異物が除去された排水の一部は、冷却側熱交換器12を通過させずに酵素分解処理槽2へ戻されるようになっている。
加熱側熱交換器13は、配管を介して原料水が流通するようになっており、原料水は、前記した給水回路20を循環する高温冷媒と熱交換され加熱される。また、加熱された原料水(高温水)は、下流に設けられた高温水貯槽23にて一旦貯蔵され、必要に応じて生産工程へ供給されるようになっている。
図2は、本実施形態に係る排水処理装置の一部をクローズアップして示す図である。
図2に示すように、酵素分解処理槽2と冷却側熱交換器12は、送り水路27と戻し水路28とを介して互いに連結されている。排水はこの送り水路27を通って、酵素分解処理槽2から冷却側熱交換器12へ送られ、戻し水路28を通って、冷却側熱交換器12から再び酵素分解処理槽2へ戻され、還流するようになっている。
ここで、排水の温度状態について説明すると、まず、生産設備から排出される排水の温度は40〜50℃となっている。この排水は酵素分解処理槽2へ流入した後、送り水路27を介して冷却側熱交換器12へ送られ、熱回収されることで、温度が5〜10℃低下する。そして、熱回収によって温度が低下した排水が、戻り水路28を介して酵素分解処理槽2に戻されると、排水の温度はアミラーゼの酵素分解に適した温度域である35〜40℃に制御される。
このように、熱回収して温度が低下した排水を酵素分解処理槽2へ戻すことで、酵素分解処理槽2内の排水温度を下げ、酵素分解に適した温度に制御するようにしている。これにより、酵素分解処理槽2における分解処理が促進する。また、酵素分解処理槽2内の排水を、冷却側熱交換器12から再び酵素分解処理槽2へ還流する過程で、排水の撹拌が行われる。これにより、反応時間を確保するための大きな反応槽を追加することなく、酵素分解処理を十分に行うことが可能である。
また、本実施形態においては、酵素分解処理槽2へ戻される排水の温度を調整する排水温度調整手段30を設けている。図2に示すように、排水温度調整手段30は、排水の一部を、冷却側熱交換器12を通さずに送り水路27から戻し水路28へ直接送るバイパス水路31を備える。また、バイパス水路31には排水流量調整弁32が設けてあり、この排水流量調整弁32は、冷却器17へ伝熱媒体が戻る戻り側の配管において伝熱媒体温度を検知する温度検知手段33の検知結果に基づき自動的に制御されるようになっている。前記冷却器17へ伝熱媒体が戻される配管における伝熱媒体の温度変化は、戻し水路28を通って戻される排水温度と相反するように連動している。このため、温度検知手段33によって配管内の伝熱媒体温度を検知することで、戻し水路28の排水温度を推測することが可能である。例えば、温度検知手段33によって検知された温度が、あらかじめ設定された基準温度よりも低くなっている場合(戻し水路28を通って戻される排水の温度が高い場合)は、バイパス水路31を通過する排水流量を少なくするように排水流量調整弁32を制御することで、戻し水路28を通って戻される排水の温度を低下させることができる。反対に、温度検知手段33によって検知された温度が、あらかじめ設定された基準温度よりも高くなっている場合(戻し水路28を通って戻される排水の温度が低い場合)は、バイパス水路31を通過する排水流量を多くするように排水流量調整弁32を制御することで、戻し水路28を通って戻される排水の温度を上昇させることができる。このように、バイパス水路31を通過する排水の量を調整することで、酵素分解処理槽2へ還流する排水の温度を、酵素分解に適した35〜40℃に制御することができる。
上記のように、熱回収された排水を酵素分解処理槽2へ戻すことで、酵素分解処理槽2内の排水温度を下げるようにしているが、他方で、効率良く熱回収するには、酵素分解処理槽2内の排水をできるだけ高い温度で冷却側熱交換器12へ送ることが望ましい。そのため、本実施形態では、図2に示すように、酵素分解処理槽2を、生産設備(排水源)からの温排水が流入する第1槽2Aと、冷却側熱交換器12から排水が戻される第2槽2Bとに分割し、排水温度の高い送り水と排水温度の低下した還流(戻り)水が直接混ざらないようにしている。さらに、送り水路27が酵素分解処理槽2の第1槽2Aから排水を取水する取水口27aを、生産設備(排水源)からの排水が流入する排水入口29aの近傍に設けることで、排水入口29aから流入した排水を、温度の高い状態で冷却側熱交換器12へ送り、効率良く熱回収することができるようにしている。その結果、本実施形態では、85〜90℃の高温水を生成し、生産工程に供給することが可能となっている。
また、酵素分解処理槽2の第1槽2Aには、酵素注入装置9内のアミラーゼが投入されるので、酵素分解処理槽2から冷却側熱交換器12へ送られる排水には酵素分解処理されたものが含まれる。このため、全く酵素分解処理されていない排水をそのまま送る場合に比べて、排水中のでんぷん粘度を低下させることができる。これにより、冷却側熱交換器12のプレート間、送り水路27や戻し水路28の配管内、さらには、異物除去装置25内における排水流量の低下や排水の詰まり、これに伴う熱交換器12や異物除去装置25の性能低下を防止することができる。特に、冷却側熱交換器12によって熱回収された排水の温度が低下しても、排水中のでんぷん粘度上昇を抑制することができるので、冷却側熱交換器12及び戻し水路28における排水の流動性を向上させることができる。
また、本実施形態のように、異物除去装置25として旋回流式を用いている場合は、排水の低粘度化によって、旋回流速が増加し、排水中のごみの分離・排出性能が向上する。その結果、下流側に設けられた温排水貯槽21や冷却側熱交換器12への異物の流入や滞留による動作障害(例えば、温排水貯槽21の貯水レベルスイッチの不作動やレベル計の監視不良、冷却側熱交換器12の性能低下)を回避することができる。また、異物除去装置25、温排水貯槽21、冷却側熱交換器12、送り水路27及び戻し水路28における排水中のでんぷんの分解も促進されるため、これらの内部におけるカビの発生も抑制できる。
なお、酵素分解処理槽2を第1槽2Aと第2槽2Bとに分割する分割壁2cは、酵素分解処理槽2の天井まで達しておらず、天井との間に一定の間隔をあけている。通常、第1槽2Aと第2槽2B内の排水貯水量は、分割壁2cの上端よりも低い位置に水面がくるように管理されているが、分割壁2cと天井との間に一定の間隔をあけていることで、生産設備からの温排水流入量の急激な増加や、ヒートポンプの短時間停止による送水停止が起きた場合に、第1槽2A内の排水が一時的に分割壁2cを越えて第2槽2Bへ流入することができるようにしている。これにより、第1槽2A内の排水が酵素分解処理槽2の外部に溢れ出るのを回避することができ、排水処理の円滑な運用を行えるようになる。
以上のように、本発明によれば、酵素分解処理槽内で酵素分解され粘度が低下した排水を、(冷却側)熱交換器へ送るようにすることで、熱交換器や送り水路及び戻し水路等における排水流量の低下や排水の詰まりを防止でき、熱交換器や配管等の性能を長期に亘って良好に維持することができる。また、熱交換器で回収された排水を、酵素分解処理槽へ戻すことで、酵素分解処理槽における排水温度を酵素分解処理が活性化しやすい温度領域に調整することができる。これにより、熱交換器へ送られる排水の粘度低下が促進されるため、熱交換器等のさらなる性能向上が期待できる。また、この熱交換器等の性能の向上に伴い、酵素分解処理槽における排水温度調整も確実に行うことができるようになる。このように、本発明によれば、酵素分解処理槽内の排水を熱交換器へ送り、再び酵素分解処理槽へ還流することで、熱交換器等の性能の向上と、酵素分解処理槽における酵素分解処理の活性化を実現することができ、これらの相乗効果によるさらなる排水処理性能の向上も期待できる。また、本発明によれば、大きな設備対策を行うことなく、配管や熱交換器等の長期に亘る性能の維持と排水処理効率の促進とを実現することが可能である。
また、上記実施形態のように、好気性処理槽を備えた排水処理装置においては、酵素分解処理槽における酵素分解処理が行われることで、その後の好気性処理槽における排水処理時間の短縮を図れると共に、曝気動力の省エネ化も期待できる。
また、製麺工場などのように24時間操業の場合は、排水処理装置の性能に応じて生産量を制限する必要があるが、特にこのような排水処理装置に本発明を適用することで排水処理効率が向上し、排水処理時間の短縮を図れるため、生産量の増大を期待できる。また、新設する場合などにおいては、排水処理装置のスリム化を図れる。
なお、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内のすべての変更を含む。
1 排水処理装置
2 酵素分解処理槽
3 好気性処理槽
8 ヒートポンプシステム
11 ヒートポンプ
12 冷却側熱交換器
13 加熱側熱交換器
27 送り水路
27a 取水口
28 戻し水路
29a 排水入口
30 排水温度調整手段

Claims (6)

  1. 排水中の有機物を酵素分解処理する酵素分解処理槽と、
    排水から熱回収することにより、前記排水を冷却して温度を低下させる冷却側熱交換器と、
    前記冷却側熱交換器によって回収された熱を利用して、原料水を加熱する加熱側熱交換器と、
    前記酵素分解処理槽内の排水を前記冷却側熱交換器へ送る送り水路と、
    前記冷却側熱交換器によって冷却された排水を前記酵素分解処理槽へ戻す戻し水路とを備えることを特徴とする排水処理装置。
  2. 前記酵素分解処理槽内の排水の温度が酵素分解に適した温度域内となるように、前記冷却側熱交換器から前記酵素分解処理槽へ排水を戻すように構成した請求項1に記載の排水処理装置。
  3. 前記酵素分解処理槽へ戻される排水の温度を調整する排水温度調整手段を設けた請求項2に記載の排水処理装置。
  4. 前記酵素分解処理槽を分割し、温度の高い排水と前記冷却側熱交換器で温度の低下した排水とが混ざり合うことを防止すると共に、
    前記送り水路が前記酵素分解処理槽から排水を取水する取水口を、排水源から前記酵素分解処理槽へ排水が流入する排水入口の近傍に設けた請求項1から3のいずれか1項に記載の排水処理装置。
  5. 前記酵素分解処理槽で酵素分解処理された排水を、好気性処理する好気性処理槽を設けた請求項1から4のいずれか1項に記載の排水処理装置。
  6. 排水中の有機物を酵素分解処理槽で酵素分解処理し、
    前記酵素分解処理槽内の排水を冷却側熱交換器へ送って当該排水から熱回収することにより、当該排水を冷却して温度を低下させ、
    前記冷却された排水を前記酵素分解処理へ戻し
    前記冷却側熱交換器によって回収された熱を利用して、加熱側熱交換器において供給された原料水を加熱することを特徴とする排水処理方法。
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