JP2019179674A - Nb3Sn超電導線材用前駆体、Nb3Sn超電導線材及びモジュール - Google Patents

Nb3Sn超電導線材用前駆体、Nb3Sn超電導線材及びモジュール Download PDF

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久樹 坂本
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Abstract

【課題】臨界電流密度Jcが高く、かつ有効フィラメント径Deffの広がりを抑えて交流損失を抑制することが可能なNb3Sn超電導線材用前駆体及びNb3Sn超電導線材を提供する。【解決手段】Nb3Sn超電導線材10の製造に用いられるNb3Sn超電導線材用前駆体1であって、Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメント3Aの周囲にSn又はSn基合金からなる6本のフィラメント4が配置され、それらの周囲にNb又はNb基合金からなる12本のフィラメント3Bが配置されたフィラメントバンドル2がCu又はCu基合金マトリクス5に所定束数埋設されて形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、NbSn超電導線材用前駆体、NbSn超電導線材及びモジュールに関する。
加速器や核磁気共鳴(NMR)分析装置、核融合装置等に用いられる超電導マグネットを構成する超電導線材として、金属間化合物であるNbSnを用いたNbSn超電導線材が実用化されている。
そして、それらの機器や装置のユーザや製造元からの要請もあり、現在も、より高い臨界電流密度Jcを有するNbSn超電導線材の開発が進められている(特許文献1参照)。また、有効フィラメント径Deffが大きくなると、交流損失が大きくなってしまうため、NbSn超電導線材には、有効フィラメント径Deffができるだけ小さいものであることも求められている(特許文献2参照)。
ところで、NbSn超電導線材の作製方法としては、ブロンズ法が知られている(非特許文献1参照)。ブロンズ法では、ブロンズ(Cu−Sn合金)マトリクス中にNbフィラメントを埋設して熱処理を行うことで、Nbフィラメントの表面にNbSn層を形成する。
しかし、Cu中に固溶できるSnの量に限界(固溶限界)があるため、ブロンズ中のSnの濃度を十分に上げることができず、必ずしも十分に高い臨界電流密度Jcを得ることができない場合があった。
また、NbSn超電導線材の作製方法として内部拡散法(内部Sn法等ともいう。非特許文献1参照)も知られている。内部拡散法では、初期には、図7に示すように、中央にSnロッド101を配置し、その周囲のCuマトリクス103中に細いNbフィラメント102を複数配置したものを熱処理して、SnをCu中に拡散させながらNbと反応させてNbSnを形成することが提案された。
しかし、このような構成では、中央のSnがCuマトリクス103の隅々に拡散するのに非常に時間がかかり、必ずしも十分に高い臨界電流密度Jcを得ることができない場合が少なくなかった。
そのため、これを改良して、例えば図8(A)に示すように、Cuマトリクス103の中に複数のSnフィラメント101と複数のNbフィラメント102を分散して埋設するように構成される場合がある。
この場合も、基本的な構成は図7の場合と同様であり、図8(B)に示すように、1本の太いSnフィラメント101に対してその周囲に細いNbフィラメント102が複数配置されるように構成される。
なお、図7や図8(A)、(B)では、NbSn超電導線材の前駆体100が示されており、一般的には、これらの前駆体100の周囲に銅安定化層等が配置され、縮径処理等が行われた後、熱処理される等してNbSn超電導線材が形成される。
特許第5164815号公報 特開2010−97902号公報
太刀川恭治,「金属系超電導線材[3]−Nb3Sn線材及びV3Ga線材(その1)−」,低温工学,公益社団法人低温工学・超電導学会,2010年,第45巻,第3号,p.88−98
しかしながら、NbSn超電導線材(前駆体100)を図8(A)、(B)に示したように構成しても、後述するように、期待されるほど高い臨界電流密度Jcを得ることができない場合が少なくない。
また、各Nbフィラメント102の部分に形成される各NbSnが超電導の浸み出しのために電気的に結合してしまい、有効フィラメント径Deffが大きくなりやすい。そのため、比較的大きな交流損失を生じてしまう場合があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、臨界電流密度Jcが高く、かつ有効フィラメント径Deffの広がりを抑えて交流損失を抑制することが可能なNbSn超電導線材用前駆体、NbSn超電導線材及びモジュールを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
NbSn超電導線材の製造に用いられるNbSn超電導線材用前駆体であって、
Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメントの周囲にSn又はSn基合金からなる6本のフィラメントが配置され、それらの周囲にNb又はNb基合金からなる12本のフィラメントが配置されたフィラメントバンドルがCu又はCu基合金マトリクスに所定束数埋設されて形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のNbSn超電導線材用前駆体において、隣接する前記フィラメントバンドル同士の最短距離が10μm以上であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のNbSn超電導線材用前駆体において、前記フィラメントバンドル内の前記Nbフィラメントと前記Snフィラメントとの最短距離が10μm以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のNbSn超電導線材用前駆体において、前記フィラメントバンドルが前記Cu又はCu基合金マトリクスに埋設されている部分と銅安定化層との間に、Ta、Nb又はTaとNbの合金からなる拡散バリア層が形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、NbSn超電導線材において、Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメントの周囲にSn又はSn基合金からなる6本のフィラメントが配置され、それらの周囲にNb又はNb基合金からなる12本のフィラメントが配置されたフィラメントバンドルがCu又はCu基合金マトリクスに所定束数埋設されて形成されたNbSn超電導線材用前駆体を熱処理してNbSn超電導体を形成したものであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のNbSn超電導線材において、前記各フィラメントが前記Cu又はCu基合金マトリクスに埋設されている部分と銅安定化層との間に、Ta、Nb又はTaとNbの合金からなる拡散バリア層が形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
NbSn超電導線材用前駆体の製造に用いられるモジュールであって、
Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメントの周囲にSn又はSn基合金からなる6本のフィラメントが配置され、それらの周囲にNb又はNb基合金からなる12本のフィラメントが配置され、それらがCu又はCu基合金マトリクスに埋設されるとともにそれらの周囲にCu又はCu基合金からなる層が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、臨界電流密度Jcが高く、かつ有効フィラメント径Deffの広がりを抑えて交流損失を抑制することが可能なNbSn超電導線材用前駆体やNbSn超電導線材を提供することが可能となる。
(A)本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体の構成を表す断面図であり、(B)拡大図である。 NbSn超電導線材用前駆体の作製のしかたの一例を説明する図である。 所定本数のモジュールを束ねたものを拡散バリア層と銅安定化層とで構成されるパイプ内に挿入した状態を表す断面図である。 従来のNbSn超電導線材用前駆体におけるSnフィラメントと19芯のNbフィラメントの中心部分のNbフィラメントとの距離等を表す図である。 本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体におけるNbフィラメントとSnフィラメントとの距離を表す図である。 熱処理時間を変えた場合の、作製されるNbSn超電導線材の臨界電流密度Jcの変化を表すグラフである。 従来のNbSn超電導線材用前駆体の一例を表す断面図である。 (A)従来のNbSn超電導線材用前駆体の別の例を表す断面図であり、(B)拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体、NbSn超電導線材及びモジュールについて説明する。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態や図示例に限定するものではない。
[NbSn超電導線材用前駆体]
図1(A)は、本実施形態に係るNbSn超電導線材用前駆体の構成を表す断面図であり、図1(B)は拡大図である。なお、図1(B)中のL3については後で説明する。
NbSn超電導線材用前駆体1は、NbSn超電導線材の製造に用いられる前駆体である。
本実施形態では、NbSn超電導線材用前駆体1は、フィラメントバンドル2がCu又はCu基合金マトリクス5に所定束数埋設されて形成されている。
各フィラメントバンドル2は、それぞれ以下のように構成されている。
すなわち、Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメント3Aの周囲に、Sn又はSn基合金からなる6本のフィラメント4が配置されている。そして、それらの周囲に、Nb又はNb基合金からなる12本のフィラメント3Bが配置されている。
そして、それらの各フィラメントがCu又はCu基合金マトリクス5に埋設されている。
なお、以下、Nb又はNb基合金からなるフィラメントを「Nbフィラメント」といい、Sn又はSn基合金からなるフィラメントを「Snフィラメント」という。
また、1本のフィラメント3Aを「中央のNbフィラメント3A」といい、12本のフィラメント3Bを「周囲のNbフィラメント3B」という場合がある。また、Nbフィラメント3A、3Bをまとめて言う場合、「Nbフィラメント3」という。
さらに、以下、Cu又はCu基合金マトリクス5を「Cuマトリクス5」という。
本実施形態では、上記のように、フィラメントバンドル2は、13本(1本+12本)のNbフィラメント3と6本のSnフィラメント4とで19芯とされている。なお、1束のフィラメントバンドル内のNbフィラメント3AとSnフィラメント4とは互いに略同径とされている。
Nbフィラメント3やSnフィラメント4、Cuマトリクス5は、NbやSn、Cuで形成されていてもよく、それらの合金で形成されていてもよい。
また、Nb基合金やSn基合金、Cu基合金には、例えばTaやTi、Zr、Hf等を含むように構成することが可能である。
[NbSn超電導線材用前駆体の作製のしかた及びモジュールについて]
ここで、NbSn超電導線材用前駆体1の作製のしかたの一例について説明する。
図2に示すように、Nbフィラメント3をCu又はCu基合金50からなるパイプに挿入したりCu又はCu基合金50で巻く等したものを、伸線加工等により縮径しダイス引きする等して、断面形状が六角形のCu/Nbロッド30を形成する。
また、同様にして、Snフィラメント4をCu又はCu基合金50からなるパイプに挿入する等したものを、伸線加工等により縮径しダイス引きする等して、断面形状が六角形のCu/Snロッド40を形成する。
そして、六角形の1辺同士が接するように、1本のCu/Nbロッド30の周囲に6本のCu/Snロッド40を配置し、それらの周囲に12本のCu/Nbロッド30を配置する。
そして、それらをCu又はCu基合金からなるパイプ51に挿入し、必要に応じて隙間にCu又はCu基合金のスペーサ52を挿入したものを、上記と同様に、伸線加工等により縮径しダイス引きする等して、断面形状が六角形のモジュール6を形成する。
このようにしてモジュール6を形成すると、Cu/Nbロッド30のCu又はCu基合金50やCu/Snロッド40のCu又はCu基合金50、パイプ51、必要に応じて挿入したスペーサ52が一体化して、モジュール6のCuマトリクス5になる。
そして、モジュール6内で、19芯のフィラメントバンドル2がCuマトリクス5に埋設された状態になる。
そして、図3に示すように、モジュール6の六角形の1辺が他のモジュール6の六角形の1辺と接するように、所定本数のモジュール6を束ね、それを、Ta、Nb又はTaとNbの合金からなる拡散バリア層11とCu又はCu基合金からなる銅安定化層12とで構成されるパイプ内に挿入する。
なお、モジュール6を束ねたものとパイプとの隙間に、必要に応じてCu又はCu基合金のスペーサを挿入してもよい。
そして、上記と同様に、それを伸線加工したりダイス引きする等して所定の径まで縮径する。このようにして、NbSn超電導線材用前駆体1が作製される。
そして、上記のようにしてNbSn超電導線材用前駆体1を作製することで、前述したように、NbSn超電導線材用前駆体1を、中央のNbフィラメント3Aの周囲に6本のSnフィラメント4が配置され、それらの周囲に12本のNbフィラメント3Bが配置されたフィラメントバンドル2がCuマトリクス5に所定束数埋設されるように形成することが可能となる。
また、NbSn超電導線材用前駆体1では、Nbフィラメント3やSnフィラメント4がCuマトリクス5に埋設されている部分と銅安定化層12との間に、Ta、Nb又はTaとNbの合金からなる拡散バリア層11が形成される。
なお、図3の構成と図1(A)のNbSn超電導線材用前駆体1とが図面上ではほぼ同径に記載されているが、実際には、上記のように図3に示した構成が縮径されて図1(A)に示したNbSn超電導線材用前駆体1が形成されるため、図1(A)に示したNbSn超電導線材用前駆体1の方が小径であることは言うまでもない。
[NbSn超電導線材]
次に、本実施形態に係るNbSn超電導線材10について説明する。
NbSn超電導線材10は、上記のNbSn超電導線材用前駆体1が熱処理されて形成される。そして、熱処理の際に、その内部にNbSn超電導体が形成される。
なお、生成されるNbSn超電導体が非常に脆いものであるため、NbSn超電導線材用前駆体1を撚ったり形を整えたりした後、線材の設置場所で熱処理を行ってNbSn超電導線材10が作製される。
熱処理は、600〜800℃程度の温度範囲で所定時間加熱するようにして行われる。後で詳しく説明するように、この熱処理の際に、SnがCuマトリクス5中を拡散し、Nbと反応して、Nbフィラメント3の部分にNbSn超電導体が形成される。
また、本実施形態では、NbSn超電導線材10は、上記のようにSnフィラメント4等と銅安定化層12との間に拡散バリア層11が形成されているため、SnがCuマトリクス5中を拡散しても拡散バリア層11でSnの拡散が食い止められるため、銅安定化層12がSn等で汚染されることがない。そのため、本実施形態に係るNbSn超電導線材10では高い残留抵抗比(RRR)が得られている。
[本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体やNbSn超電導線材の特徴]
次に、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10の特徴について説明する。
[特徴その1−臨界電流密度Jcについて]
NbSnの場合、ピン止め点(ピン止めセンター等ともいう。)は結晶粒界であるとされており(例えば非特許文献1参照)、柱状晶(Sn濃度が低い部分に生成される。)が生成されている部分よりも、等軸晶(Sn濃度が高い部分に生成される。)が生成されている部分、特に粒径が小さい等軸晶が多数形成されている部分(ピン止め点が密に存在する部分)で臨界電流密度Jcが高くなる。
そのため、NbSn超電導線材の臨界電流密度Jcを高くするためには、粒径が小さいNbSnの等軸晶を多数形成することができるものであることが望ましい。
この点において、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、上記のように1束のフィラメントバンドル2ごとに、13本のNbフィラメント3と6本のSnフィラメント4を有している。すなわち、1束のフィラメントバンドル2におけるNbとSnとの原子数の比が13:6になっており、NbSnの組成比(3:1)に比べて、Snの比率が高くなっている。
そして、上記のようにNbSnの等軸晶はSn濃度が高い部分で生成されるため、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、フィラメントバンドル2においてNbSnの等軸晶が生成されやすい状態になっている。
実際、上記の実施形態の構成(図1(A)、(B)参照)では、熱処理後、中央のNbフィラメント3Aの中心部以外の部分や周囲のNbフィラメント3BのSnフィラメント4に近い部分(いわゆる周囲のNbフィラメント3Bの内側の部分)に、NbSnの等軸晶が多数生成される。すなわち、上記の実施形態では、NbSn超電導体は、主に中央のNbフィラメント3Aの中心部以外の部分や周囲のNbフィラメント3Bの内側の部分に形成される。
そして、NbSnの柱状晶が生成されるのは、中央のNbフィラメント3Aの中心部や周囲のNbフィラメント3BのSnフィラメント4から遠い部分(いわゆる周囲のNbフィラメント3Bの外側の部分)のみである。
一方、上記のようにSn濃度が高い部分ではNbSnの等軸晶が生成されるが、SnとNbとの反応時間が長くなり過ぎるとNbSnの等軸晶が成長して結晶が大きくなり、ピン止め点が疎らになるため、臨界電流密度Jcが低下する。
すなわち、上記のようにNbSnの等軸晶が生成される条件であっても、SnとNbとの反応時間が長過ぎると、かえって臨界電流密度Jcが低下する。
しかし、SnとNbとの反応時間を短くするために熱処理時間を短くし過ぎると、今度は、Cuマトリクス中を拡散しているSnがまだ全てのNbフィラメントに到達していないにもかかわらず熱処理が終了してしまい、未反応のNbが増えて臨界電流密度Jcが大幅に低下してしまう。
そのため、熱処理時間は、少なくともSnが全てのNbフィラメントに拡散するまでの時間(すなわちSnからの距離が最も遠いNbフィラメントにSnが到達するまでの時間)以上の時間とされるべきである。
これらの点を踏まえたうえで、以下、図8(A)、(B)に示したNbSn超電導線材やその前駆体100(以下、従来のNbSn超電導線材用前駆体100という。)の場合と、本発明に係るNbSn超電導線材10やNbSn超電導線材用前駆体1の場合とを比較する。
なお、以下では、従来のNbSn超電導線材用前駆体100や本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1を図示して説明するが、それらの結果がNbSn超電導線材に反映されることは言うまでもない。
また、以下では、従来のNbSn超電導線材用前駆体100と本実施形態に係るNbSn超電導線材用前駆体1とで、SnのCu中の拡散速度等の諸条件は同じであるものとする。
従来のNbSn超電導線材用前駆体100では、Snフィラメント101とNbフィラメント102が図4に示すように配置されている。また、従来のNbSn超電導線材用前駆体100では、19芯が全てNbフィラメント102になっている。
そして、19芯のNbフィラメント102のうち、Snフィラメント101からの距離が最も遠いのは、19芯のNbフィラメント102の中心部分のNbフィラメント102である(そのNbフィラメントまでの距離をL2とする。)。
それに対し、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、図1(A)、(B)に示したように全てのフィラメントバンドル2が同じ構造になっている。そして、19芯のフィラメントバンドル2の中にNbフィラメント3とSnフィラメント4が配置されている。
そのため、図5に示すように、Nbフィラメント3とSnフィラメント4との距離L1が、従来のNbSn超電導線材用前駆体100における距離L2に比べて非常に短くなっている。
そのため、従来のNbSn超電導線材用前駆体100では上記のように距離L2が長くSnの拡散距離が長いため、SnがCuマトリクス103中を拡散して全てのNbフィラメント102に到達するまでの時間が長くなる。
そして、SnがCuマトリクス103中を拡散して最も遠い中心部分のNbフィラメント102に到達した頃には、Snフィラメント101に最も近いNbフィラメント102ではNbSnの結晶の成長が既に始まっており、結晶が大きくなっている場合がある。
このように、従来の構成では臨界電流密度Jcを高くすることが難しくなる。
すなわち、Snを19芯のNbフィラメント102の中心部分のNbフィラメント102まで到達させようとすると、Snフィラメント101に最も近いNbフィラメント102ではNbSnの等軸晶の粒径が大きくなってしまい、臨界電流密度Jcの向上に寄与しなくなる。
また、Snフィラメント101に最も近いNbフィラメント102で、NbSnの等軸晶の粒径を小さくしようとすると、Snが19芯のNbフィラメント102の中心付近のNbフィラメント102まで到達しなくなり、未反応のMbフィラメント102が多くなり、臨界電流密度Jcが低下する。
そのため、いずれにせよ、従来の構成では粒径が小さいNbSnの等軸晶を多数形成することができないため、臨界電流密度Jcを高くすることが難しくなる。
それに対し、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、上記のようにNbフィラメント3とSnフィラメント4との距離L1が非常に短くSnの拡散距離が非常に短いため、Cuマトリクス5中を拡散したSnが短時間でNbフィラメント3に到達する。
しかも、本発明では、Nbフィラメント3とSnフィラメント4との距離L1がいずれのNbフィラメント3でも同じ(あるいはほぼ同じ)であるため、Snが全てのNbフィラメント3に同時に(あるいはほぼ同時に)到達し、全てのNbフィラメント3で同時に(あるいはほぼ同時に)NbSnの等軸晶の生成が始まる。
そのため、適度に短い時間だけSnとNbとを反応させるように反応時間を調整すれば、粒径が小さいNbSnの等軸晶を大量に生成させることが可能となる。
このように、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、Nbフィラメント3とSnフィラメント4が1束のフィラメントバンドル2内に配置されており、しかも、フィラメントバンドル2内でのSnフィラメント4とNbフィラメント3との距離L1がいずれのNbフィラメント3でも同じ(あるいはほぼ同じ)になるように構成されている。
また、フィラメントバンドル2内で、NbSnの組成比に比べてSnの比率が高くなるようにSnフィラメント4が設けられており、NbSnの等軸晶が生成されやすい状態とされている。
そのため、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、熱処理が開始されると全てのNbフィラメント3で同時に(あるいはほぼ同時に)NbSnの等軸晶の生成が開始されるため、SnとNbとの反応時間を適度に短くすることで、粒径が小さいNbSnの等軸晶を大量に生成させることが可能となる。
そのため、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、高い臨界電流密度Jcを得ることが可能となる。
[特徴その2−熱処理時間について]
また、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、上記のようにNbフィラメント3とSnフィラメント4との距離L1が非常に短いため、熱処理の開始後、Snは短時間でNbフィラメント3に到達する。
そして、上記のように反応時間を短くすることができるため、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、熱処理時間(SnがNbフィラメント3に到達するまでの時間とSnとNbとの反応時間との和)が短くなるといった特徴もある。
例えば、NbSn超電導線材用前駆体1において、フィラメントバンドル2内のNbフィラメント3とSnフィラメント4との最短距離(すなわち上記の距離L1)が10μm以下であれば、通常250時間から300時間程度かかる熱処理時間を、100時間以内に短縮することが可能となる。
一方、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1や従来のNbSn超電導線材用前駆体100では、熱処理時間が長くなると、その分SnとNbとの反応時間が長くなるため、NbSnの等軸晶が成長して粒径が大きくなり、臨界電流密度Jcが低下する傾向がある。
図6は、熱処理時間tを変えた場合に作製されるNbSn超電導線材の臨界電流密度Jcの変化を本発明の場合(図中のA参照)と従来の場合(図中のB参照)で比較したグラフである。
グラフに示されるように、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、従来のNbSn超電導線材用前駆体100に比べて短い熱処理時間tで高い臨界電流密度Jcが得られるが、本発明の場合も従来の場合も、臨界電流密度Jcが最高になる熱処理時間以上に熱処理を行うと、臨界電流密度Jcが低下していく。
[特徴その3−有効フィラメント径Deffについて]
一方、上記のように、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1では、フィラメントバンドル2内でNbSnの組成比に比べてSnの比率が高くなっている。そのため、Nbと反応せずに余ったSnがフィラメントバンドル2の周囲のNbフィラメント3B(図1(B)等参照)の外側に拡散する。
そして、本発明では、図1(A)、(B)に示したように、フィラメントバンドル2の周囲のNbフィラメント3Bの外側、すなわちフィラメントバンドルと隣接するフィラメントバンドル2との間にもCuマトリクス5(すなわちCu又はCu基合金マトリクス5)が形成されている。そのため、上記のように周囲のNbフィラメント3Bの外側に拡散したSnがフィラメントバンドル2の外側のCuマトリクス5(以下、外側のCuマトリクス5という。)中に拡散することで青銅(bronze)が生成され、外側のCuマトリクス5の電気抵抗が高くなる。
本発明に係るフィラメントバンドル2では、12本のNbフィラメント3B(周囲のNbフィラメント3B)に形成される各NbSnが超電導の浸み出しのために電気的に結合し得る。そのため、有効フィラメント径Deffが12本のNbフィラメント3Bの部分に広がる可能性がある。
しかし、上記のようにフィラメントバンドル2の外側のCuマトリクス5の電気抵抗が高くなるため、少なくとも隣接するフィラメントバンドル2との間では、周囲のNbフィラメント3B同士が電気的に結合することは生じにくくなる。
このように、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、仮に有効フィラメント径Deffが広がったとしても有効フィラメント径Deffの広がりを1束のフィラメントバンドル2における周囲の12本のNbフィラメント3Bの部分までに抑えることが可能となる。
そのため、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、有効フィラメント径Deffが小さい範囲に抑えられるため、交流損失を効果的に抑制することが可能となる。
なお、フィラメントバンドル2の大きさや外側のCuマトリクス5に拡散させるSnの量等にもよるが、本発明では、NbSn超電導線材用前駆体1での外側のCuマトリクス5の長さ、すなわち隣接するフィラメントバンドル2同士の最短距離(図1(B)のL3参照)が10μm以上であれば、隣接するフィラメントバンドル2との間でNbフィラメント3B同士が電気的に結合しなくなり、有効フィラメント径Deffが隣接するフィラメントバンドル2にまで広がることを的確に抑制することが可能となる。
[特徴その4−フィラメントバンドル2の中央にNbフィラメント3Aが配置されている構造について]
図7や図8(A)、(B)に示したように、従来のNbSn超電導線材用前駆体100やNbSn超電導線材では、各Nbフィラメント102に対してSnを十分に供給するために、通常、Snロッド101やSnフィラメント101がNbフィラメント102に比べて非常に太く形成される。
それに対し、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、図1(A)、(B)に示したように、フィラメントバンドル2の中央にSnフィラメント4ではなくNbフィラメント3Aが配置され、その周囲にSnフィラメント4が配置されている。
そして、Snフィラメント4とNbフィラメント3とは互いに略同径とされており、フィラメントバンドル2内の各Nbフィラメント3に対して十分な供給量を確保するために、Snフィラメント4が6本配置されている。
一方、上記のようにNbSn超電導線材用前駆体に対する熱処理が行われてSnが拡散すると、Snフィラメントの部分ではSnが流出するため、熱処理後に、Snフィラメントの中央部分に空洞(void)が形成される場合がある。
その際、上記の従来のNbSn超電導線材用前駆体100(図8(A)参照)のようにSnフィラメント101が太く形成されていると、Snフィラメント101に形成される空洞も大きくなる。そして、そのような大きな空洞が、作製されたNbSn超電導線材中に点在する状態になる。
そして、例えば、作製されたNbSn超電導線材が超電導コイルとして使用される場合、NbSn超電導線材に通電すると、NbSn超電導線材に、NbSn超電導線材を歪ませるような力が加わり、その力は、発生させる磁場が強くなるほど強くなる。
そして、上記の従来のNbSn超電導線材のようにNbSn超電導線材中に比較的大きな空洞が点在する状態になっていると、加わった力の応力が空洞の部分に集中する。そのため、空洞の周囲の部分がその応力に耐えられずに破壊されてNbSn超電導線材に局所的な破壊が生じ、NbSn超電導線材が損傷する可能性がある。
それに対し、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、図1(A)、(B)に示したように、フィラメントバンドル2の中央のNbフィラメント3Aの周囲に細いSnフィラメント4が分散されて配置されており、細いSnフィラメント4がNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10内に分散されて配置されている。
そして、その状態でSnフィラメント4の中央部分に空洞が形成されると、空洞は非常に細かなものになり、それらがNbSn超電導線材10内に分散された状態になる。
そのため、上記のように例えば超電導コイルと使用されるNbSn超電導線材10に強い力が加わった場合でも、加わった力の応力は空洞には集中せずにNbSn超電導線材10内に分散される。
そのため、NbSn超電導線材10に破壊等が生じることはなく、NbSn超電導線材10はその応力に十分に耐えることができる。
このように、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10では、フィラメントバンドル2の中央にNbフィラメント3Aが配置され、Snフィラメント4がその周囲に分散されて配置されているため、熱処理後に仮にSnフィラメント4の部分に空洞が生じても、空洞は非常に細かなものになり、しかも、それらがNbSn超電導線材10内に分散された状態になる。
そのため、NbSn超電導線材10に、当該NbSn超電導線材10を歪ませる力が加わる等してもそれによく耐えて、損傷等を生じることなく安定して使用することが可能となる。
[効果]
以上のように、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1、NbSn超電導線材10及びモジュール6によれば、製造されるNbSn超電導線材10を、臨界電流密度Jcが高く、かつ有効フィラメント径Deffの広がりが抑えられたものとすることが可能となり、交流損失を的確に抑制することが可能となる。
[実施例]
以下の手順に従って本発明に係るNbSn超電導線材10を作製した。
図2に示したように、外径55mm、内径49mmのCu製のパイプに、外径48mmのNbフィラメントを挿入したものを縮径加工して、対角線が10.5mmの断面形状が六角形のCu/Nbロッドを形成した。また、外径55mm、内径49mmのCu製のパイプに、外径48mmのSnフィラメントを挿入したものを縮径加工して、対角線が10.5mmの断面形状が六角形のCu/Snロッドを形成した。
そして、1本のCu/Nbロッドの周囲に6本のCu/Snロッドを配置し、それらの周囲に12本のCu/Nbロッドを配置したものをCu製のパイプ(外径60mm、内径48mm)に挿入し、12本のスペーサを挿入したものを縮径加工して、対角線が5mmの断面形状が六角形のモジュール6を形成した。
続いて、モジュール6を85本束ねたものを、厚さ0.5mmのTa製の拡散バリア層(図3参照)を備える外径60mm、内径48mmのCu製のパイプに挿入し、それを径0.7mmに縮径加工して、NbSn超電導線材用前駆体1を作製した。
そして、作製したNbSn超電導線材用前駆体1を720℃で100時間加熱して熱処理して、NbSn超電導線材10を作製した。
[比較例]
以下の手順に従って従来のNbSn超電導線材を作製した。
外径55mm、内径45mmのCu製のパイプに、外径44mmのNbフィラメントを挿入したものを縮径加工して断面形状が六角形のCu/Nbロッドを形成し、それを19本束ねたものを縮径加工して、対角線が5mmの断面形状が六角形のNbモジュールを形成した。また、外径55mm、内径45mmのCu製のパイプに、外径44mmのSnフィラメントを挿入したものを縮径加工して、対角線が5mmの断面形状が六角形のSnモジュールを形成した。
続いて、NbモジュールとCnモジュール計85本を図8(A)、(B)に示したように束ねたものを、厚さ0.5mmのTa製の拡散バリア層を備える外径60mm、内径48mmのCu製のパイプに挿入したものを径0.4mmに縮径加工して、NbSn超電導線材用前駆体100を作製した。
そして、作製したNbSn超電導線材用前駆体100を720℃で100時間加熱して熱処理して、NbSn超電導線材を作製した。
[臨界電流密度Jcの測定]
温度4.2K、磁場16Tの条件下で臨界電流Icを測定し、この電流値を、NbSn超電導線材の、銅安定化層12を除いた部分の断面積で除して臨界電流密度Jcを求めた。
[有効フィラメント径Deffの測定]
振動試料型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetometer)を用いて±3Tのヒステリシス曲線を測定して、有効フィラメント径Deffを算出した。
上記のようにして求めた臨界電流密度Jcと有効フィラメント径Deffを表Iに示す。
Figure 2019179674
この結果から分かるように、本発明に係るNbSn超電導線材用前駆体1やNbSn超電導線材10は、従来のNbSn超電導線材用前駆体100やNbSn超電導線材に比べて、高い臨界電流密度Jcを得ることができる。また、有効フィラメント径Deffの広がりを抑えることが可能となる。
なお、本発明が上記の実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 NbSn超電導線材用前駆体
2 フィラメントバンドル
3 Nbフィラメント(Nb又はNb基合金からなるフィラメント)
3A 中央のNbフィラメント(1本のフィラメント)
3B 周囲のNbフィラメント(12本のフィラメント)
4 Snフィラメント(Sn又はSn基合金からなるフィラメント)
5 Cuマトリクス(Cu又はCu基合金マトリクス)
6 モジュール
10 NbSn超電導線材
11 拡散バリア層
12 銅安定化層
L1 距離(NbフィラメントとSnフィラメント4の最短距離)
L3 隣接するフィラメントバンドル同士の最短距離

Claims (7)

  1. NbSn超電導線材の製造に用いられるNbSn超電導線材用前駆体であって、
    Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメントの周囲にSn又はSn基合金からなる6本のフィラメントが配置され、それらの周囲にNb又はNb基合金からなる12本のフィラメントが配置されたフィラメントバンドルがCu又はCu基合金マトリクスに所定束数埋設されて形成されていることを特徴とするNbSn超電導線材用前駆体。
  2. 隣接する前記フィラメントバンドル同士の最短距離が10μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のNbSn超電導線材用前駆体。
  3. 前記フィラメントバンドル内の前記Nbフィラメントと前記Snフィラメントとの最短距離が10μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のNbSn超電導線材用前駆体。
  4. 前記フィラメントバンドルが前記Cu又はCu基合金マトリクスに埋設されている部分と銅安定化層との間に、Ta、Nb又はTaとNbの合金からなる拡散バリア層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のNbSn超電導線材用前駆体。
  5. Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメントの周囲にSn又はSn基合金からなる6本のフィラメントが配置され、それらの周囲にNb又はNb基合金からなる12本のフィラメントが配置されたフィラメントバンドルがCu又はCu基合金マトリクスに所定束数埋設されて形成されたNbSn超電導線材用前駆体を熱処理してNbSn超電導体を形成したものであることを特徴とするNbSn超電導線材。
  6. 前記各フィラメントが前記Cu又はCu基合金マトリクスに埋設されている部分と銅安定化層との間に、Ta、Nb又はTaとNbの合金からなる拡散バリア層が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のNbSn超電導線材。
  7. NbSn超電導線材用前駆体の製造に用いられるモジュールであって、
    Nb又はNb基合金からなる1本のフィラメントの周囲にSn又はSn基合金からなる6本のフィラメントが配置され、それらの周囲にNb又はNb基合金からなる12本のフィラメントが配置され、それらがCu又はCu基合金マトリクスに埋設されるとともにそれらの周囲にCu又はCu基合金からなる層が形成されていることを特徴とするモジュール。
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