JP2019179001A - 石炭の酸化反応試験装置、及びこれを用いた石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法 - Google Patents

石炭の酸化反応試験装置、及びこれを用いた石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】調湿ガスを用いることで、長時間に亘り石炭の含水率とその酸化反応との関係を簡便且つ精度よく測定する。【解決手段】本発明装置は、乾燥不活性ガス供給ラインと乾燥酸素含有ガス供給ラインを備えたガス供給ラインと、該ガス供給ラインからの乾燥ガスを流量調節機構を介して独立に且つ任意の流量にて供給する2系統の乾燥ガスラインと、該2系統の内の1系統を水中バブリングによる加湿器を介して相対湿度100%の加湿ガスとする加湿ガスラインと、該乾燥ガスラインと該加湿ガスラインとで所定の相対湿度とした調湿ガスを供給する調湿ガスラインと、内部に石炭が充填され該調湿ガスが導入される反応器と、この反応器からの排出ガスのガス分析器と、温度調整可能な恒温設備とを備え、少なくとも、該乾燥ガスライン、加湿器、加湿ガスライン、調湿ガスライン及び反応器は、該恒温設備内に格納される。【選択図】図1

Description

この発明は、石炭の酸化反応試験装置、及びこれを用いた石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法に係り、詳しくは、石炭の酸化発熱や自然発火につながるような石炭の酸化反応に関して、その含水率の依存性を測定するために好適な試験装置及び測定方法に関するものである。
従来から、石炭を屋外の貯炭場(ヤード)や屋内の貯蔵施設に保管している際に、大気中の酸素と反応することによって石炭が発熱・蓄熱し、最終的には自然発火が引き起こされるといった問題がある。特に、亜瀝青炭や褐炭などの低品位の石炭は、その分子構造や物理構造等に由来して酸素との反応が起こりやすいことが知られており、このような低品位な石炭を活用する場合には、尚更、前記のような自然発火の問題に対しての予防・対策が必要となる。
石炭の自然発火の予防のためには、貯蔵中の石炭層内の発熱挙動を予測することが重要である。コストや時間をかけずにその予測を行うには、石炭の酸化反応や、水分吸脱着、或いは、石炭層内部の流動を考慮したシミュレーションが好適に使用され、これまでにも、石炭の酸化反応・自然発火を予測するような取り組みが種々行われてきたものの(例えば、特許文献1〜2、非特許文献1〜3を参照)、特に、100℃以下の比較的低温領域において、実現象に一致するような詳細なモデルは未だ得られていないのが現状である。すなわち、石炭の酸化反応のしやすさについては、水分が酸化において触媒作用をしているとの推察から、石炭中に含まれる水分量と強く相関する(酸化反応が起こりやすい最適な水分量が存在する)と言われており、また、酸化反応の活性サイトが酸化により失われるとの推察から、時間の経過に応じてその酸化反応の傾向が変わることも知られている。石炭の酸化反応を精度高くシミュレーションするためには、このように含水率との関係(依存性)が定量的に評価される必要があるものの、前記の特許文献1〜2や非特許文献1〜2においては、いずれも、石炭の含水率に着目するような方法では無いか、或いは、むしろ石炭から水分が排除された乾燥状態の石炭を用いることとしており、それらの方法及び測定装置では、石炭の含水率と酸化反応との関係・傾向を把握することは困難である。一方で、非特許文献3においては、石炭の含水率に着目してその反応性を検証してはいるものの、乾燥したガスを供給して行われる実験系を組んでいることから、長時間の酸化反応を行った場合は、その乾燥ガスの供給によって石炭の含水率が変化してしまう虞があり、石炭の含水率と酸化反応との関係を正確に掴むことは困難となる。
特許第3939989号公報 特開2014−126541号公報
朴海洋ら(2014).「亜瀝青炭パイル内の自然発火予測手法」『神戸製鋼技法』,Vol.64 No.1,22-27. Haihui Wang et al., "Experimental Study on Low-Temperature Oxidation of an Australian Coal", Energy & Fuels 1999, 13, 1173-1179 X Dong Chen et al., "The effect of moisture content on the oxidation rate of coal during near-equilibrium drying and wetting at 50℃", Fuel 1993, Volume 72 No.6, 787-792
ところで、石炭を含む固体一般は、通常、一定の湿度環境下に置かれることで含水率が一定に落ち着くといった性質がある。本発明者らは、そのような性質に着目し、石炭の含水率と酸化反応速度との関係を検証するに際して、予め相対湿度が調整されたガス(調湿ガス)を石炭に供給し続ける方法を完成させた。その際、石炭の酸化反応を定量化するには、酸化反応に伴って消費されるか、または発生するガスを分析することにより行われるが、本発明者による予めの検証によれば、石炭に供給される調湿ガスの量が多いと、消費または発生するガスの変化量が相対的に小さくなってしまうために精度の良いガス分析を行うことができなくなることから、石炭へ供給される調湿ガスの量は極力少なくすることが求められることが分かった。さらには、このように供給量が少ないガスの相対湿度を精度よく調整するには、例えば、微量の蒸気を付与するような方法を採ることは難しいことが分かり、ガスの相対湿度を精度よく且つ任意に調整する方法が必要であることが分かった。
本発明は、以上のような問題点及び知見に鑑みてなされたものであり、相対湿度が調整された調湿ガスを簡便に作り出すことができると共に、その調湿ガスを用いることにより、長時間に亘っても、石炭の含水率とその酸化反応との関係を、簡便且つ精度よく測定することができる石炭の酸化反応試験装置、及びこれを用いた石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)石炭の酸化反応の含水率依存性を、当該酸化反応により消費されるか又は発生するガスを分析することにより評価する装置であり、
乾燥した不活性ガスを供給する不活性ガスラインと乾燥した酸素含有ガスを供給する酸素含有ガスラインとを備えたガス供給ラインと、
前記ガス供給ラインから供給される乾燥ガスを、流量調節機構を介して独立に且つ任意の流量にて供給できる2系統の乾燥ガスラインと、
前記2系統の乾燥ガスラインのうちの1系統の乾燥ガスを、水中でバブリングさせることにより加湿する加湿器を介して、相対湿度が100%の加湿ガスとして供給できる加湿ガスラインと、
前記乾燥ガスラインよりの乾燥ガスと前記加湿ガスラインよりの加湿ガスとが混合されて、所定の相対湿度に調整された調湿ガスとして供給できる調湿ガスラインと
内部に石炭が充填されると共に、前記調湿ガスラインよりの調湿ガスが導入される反応器と、
この反応器から排出されるガスを分析するためのガス分析器と、
温度調整が可能な恒温設備とを備え、
少なくとも、前記乾燥ガスライン、加湿器、加湿ガスライン、調湿ガスライン及び反応器は、前記恒温設備内に格納されていることを特徴とする石炭の酸化反応試験装置。
(2)反応器に供給される調湿ガスの相対湿度と、反応器から排出されるガスの相対湿度とを、それぞれ独立に測定できる湿度測定器を備えることを特徴とする(1)に記載の石炭の酸化反応試験装置。
(3)ガス供給ラインには、前記不活性ガスラインと前記酸素含有ガスラインとを切り替えて供給できる切替機構を備えることを特徴とする(1)又は(2)に記載の石炭の酸化反応試験装置。
(4)前記加湿器は、水を供給する機構と水を排出する機構とを備えることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置。
(5)反応器とガス分析器との間には、反応器から排出されるガスに含まれる水蒸気を取り除くための除湿機構を備えることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置。
(6)水蒸気の測定が可能なガス分析器を用いるとき、反応器とガス分析器との間の配管を恒温設備の温度より高く保つ結露防止機構を備えることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置。
(7)前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置を用いて、石炭の酸化反応の含水率依存性を測定する方法であって、前記恒温設備の温度を所定の温度に調整した後に、
i)乾燥した不活性ガスと、乾燥した不活性ガスを加湿器により相対湿度100%に加湿した加湿ガスとを混合して、予め、所定の相対湿度に調整された調湿ガスを生成する工程と、
ii)この生成された調湿ガスを、石炭が充填された反応器内に供給し、それを、反応器に供給されるガスの相対湿度と反応器から排出されるガスの相対湿度とが同じになるまで継続して石炭の含水率を一定にする工程と、
iii)前記ii)の工程によって石炭の含水率を一定とした状態のもと、前記不活性ガスを酸素含有ガスに切り替えることにより反応器内に調湿された酸素含有ガスを供給して、石炭の酸化反応を開始する工程と、
iv)石炭の酸化反応を開始後に、反応器から排出されるガスの分析を行う工程とを有することを特徴とする石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法。
(8)さらに、反応器から排出されるガスに含まれる水蒸気を取り除く工程を有することを特徴とする(7)に記載の石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法。
本発明によれば、100℃以下の比較的低温領域においても、石炭の含水率とその酸化反応との関係を、当該酸化反応により消費されるか、又は発生するガス分析を通じて、長時間に亘って実施することができ、しかも簡便かつ精度よく測定することができる。それにより、石炭の酸化反応のモデル化やシミュレーションに資することができる。
図1は、本発明に係る石炭の酸化反応試験装置の模式説明図である。 図2は、実施例2で使用した石炭(瀝青炭)の平衡含水率を測定した結果を示すグラフである。 図3は、実施例2において、反応開始前に含水率を調整した際の反応器前後のガスの相対湿度を測定した結果を示すグラフである。 図4は、実施例2で実施した石炭の酸化反応において、生成した二酸化炭素(CO)及び一酸化炭素(CO)の経過時間ごとの濃度(ppm)を測定した結果を示すグラフである。 図5は、比較例1で実施した石炭の酸化反応において、生成した二酸化炭素(CO)及び一酸化炭素(CO)の経過時間ごとの濃度(ppm)を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る石炭の酸化反応試験装置については、後述の図1にその一例を示すが、これに従って詳しく説明する。
先ず、本発明において使用されるガスは、少なくとも、不活性ガス、及び不活性ガスと酸素ガスとを混合した酸素含有ガスがそれぞれ使用され、それぞれ図1に示されるように、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガスライン1と、不活性ガスを供給できる不活性ガスライン2とを有し、これらをまとめたガス供給ライン4を有するものである。当該ガス供給ライン4には、酸素含有ガスと不活性ガスとを切り替えるための切替機構(図示外)を有することもできる。前記の不活性ガスとして、窒素、アルゴン、ヘリウムなどを使用できる。なお、使用するガスは、乾燥されたガスを使用することが好ましい。
前記のガス供給ライン4から、不活性ガス又は酸素含有ガス(以降、これを単に、「乾燥ガス」と呼ぶことがある。)が供給されるが、本発明においては、このガス供給ライン4は、2系統に分岐される。そのうちの1系統は、当該乾燥ガスが、ガス流量を独立に調整可能な流量調整機構5を介して、後述する調湿ガスライン9へとそのまま供給される乾燥ガスライン6(第一の乾燥ガスライン6’)とされ、一方で、別の系統は、ガス流量を独立に調整可能な流量調整機構5を介して、乾燥ガスが供給される乾燥ガスライン6(第二の乾燥ガスライン6’’)とされるものの、この第二の乾燥ガスライン6’’から供給される乾燥ガスは、この後に備えられた加湿器7により相対湿度が100%まで加湿され、この加湿ガスを供給する加湿ガスライン8が後述する調湿ガスライン9へと接続される。ここで、加湿器7としては、これに供給される乾燥ガスを水中でバブリングさせることにより加湿する方式が好ましく、耐熱性の材質からなる容器等に所定量の水を封入したものであれば、本発明の目的に応じて容量等を適宜変更したものをいずれも使用可能である。また、このような加湿器7には、水を供給する機構(例えば、給水ライン16)と、水を排出する機構(例えば、排水ライン17)を備えることが好ましい。
そして、本発明の酸化反応試験装置においては、前記の乾燥ガスライン6(第一の乾燥ガスライン6’)と、前記の加湿ガスライン8とを合流させることにより、相対湿度が任意に調整された調湿ガスを生成し(調湿ガスライン9)、後述の反応器10内に導入される。この調湿ガスの相対湿度については、前述した2系統の流量調節機構5をそれぞれ調整して任意の相対湿度に調整することができる。なお、調湿ガスライン9には、これに供給される乾燥ガスと加湿ガスとを混合することができる混合器(図示外)を別途設けてもよい。また、この調湿ガスライン9の途中には、そのガスの温度及び湿度を測定することができる温湿度計13を備えてもよい。
このように相対湿度が任意に調整された調湿ガスを、石炭11を充填した反応器10に導入することにより、充填された石炭の含水率を一定とすることができる。反応器10としては、耐熱性の材質を用いた容器等であれば、本発明の目的に応じて容量等を適宜変更したものをいずれも使用可能である。ここで、石炭の含水率が一定であることを確認するには、反応器に導入される調湿ガスの相対湿度と、反応器を通過した後のガスの相対湿度とを比較すればよい。例えば、乾燥した石炭に調湿ガスを導入すると、当該ガス中の水蒸気が石炭に吸着され、反応器から排出されるガスの相対湿度が一時的に低下するが、十分な時間継続することにより、反応器に導入される調湿ガスの相対湿度と、反応から排出されるガスの相対湿度が一致するようになり、これにより石炭の含水率が一定となったとみなすことができる。本工程を、ガスの流量を適宜調整しながら、酸化反応の開始前に不活性ガスを用いて行うことで、酸化反応開始時の石炭の含水率を所定の値に調整することができる。
そして、本発明の酸化反応試験装置においては、特に、調湿ガスの相対湿度を設定した値で一定に保ちながら、石炭に対して長時間の供給を可能とするために、少なくとも、乾燥ガスライン6(第一の乾燥ガスライン6’、第二の乾燥ガスライン6’’)、加湿器7、加湿ガスライン8、調湿ガスライン9及び反応器10(石炭11)は、いずれも同じ温度下に置かれる必要がある。これを実現するために、図1のように、これらの設備を等温とすることができる恒温設備15内に格納されていることが必要となる。恒温設備15の温度については、実施する酸化反応の温度(例えば、100℃程度まで)に応じて適宜調整することができる。
前述の通り、反応器10の前後の相対湿度の測定によって石炭11の含水率が一定となったことを確認した後には、これまでの操作を維持したまま、ガス供給ライン4からのガスを酸素含有ガスに切り替えることにより、反応器10内(石炭11)へ調湿された酸素含有ガスの導入を開始し、石炭11の酸化反応を開始する。ここで、当該酸化反応における酸素含有ガスの流量については、酸化反応にて消費されるか又は生成されるガスの濃度測定に影響を与えない程度の少ない流量に設定することが測定精度向上の観点から好ましく、酸化反応の条件や石炭の使用量等に応じて、適宜変更して実施することができる。
石炭11の酸化反応を開始した後には、反応器10から排出されるガスの分析をガス分析器14により行う。反応器10とガス分析器14との間には、ガス分析器14において水蒸気が測定できない場合、排出されるガスに含まれる水蒸気を取り除くための除湿機構(水蒸気トラップ)18を備えることが好ましい。当該除湿機構(水蒸気トラップ)18としては、例えば、冷却式のトラップ装置や、水蒸気を吸着できる吸着剤を充填したカラムなど、本発明の目的の範囲内で公知の設備や方法をいずれも用いることができる。なお、当該除湿機構(水蒸気トラップ)18を用いない場合には、必要に応じて、ガス中の水蒸気が配管内に結露することを防止するために、反応器10からガス分析器14までの配管を保温する、または恒温設備の温度より高く保つための結露防止機構(例えば、リボンヒータ―など)(図示外)を備えることが好ましい。
このような手順により、石炭の酸化反応により消費されたガスや、酸化反応により発生したガスの量・成分等を測定することができる。ガス分析器14としては、例えば、ガスクロマトグラフや赤外分光光度計のような汎用の分析装置等を、測定の目的に応じて用いることができる。このような過程の試験を、反応器10に導入される調湿ガスの相対湿度を変更しながら行い、石炭の含水率とその酸化反応との関係を、石炭から排出されるガスの成分分析を通じて検証することができる。
なお、本発明において使用される石炭としては、泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭、半無煙炭、無煙炭など全ての石炭及びそれらを混合したものをいずれも使用することができる。本発明の方法を行う場合には、予め、使用される石炭の平衡含水率等の特性を把握してから使用されることが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の内容に制限されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示した試験装置において、ガス供給ラインからのガスとして乾燥空気を使用して、第一の乾燥ガスライン6’からの乾燥ガスと、第二の乾燥ガスライン6’’からの乾燥ガスを水を封入した加湿器7(ステンレス製、容量:1リットル)でバブリングした後の加湿ガス〔加湿ガスライン8(第二の乾燥ガスライン6’’)〕とを、それぞれのガス流量を以下の表1のように調整し、また、恒温設備15の温度を40℃として試験装置内にガスを供給したところ、以下の表1のように、反応器10前の調湿ガスの相対湿度が任意に調整されることを確認した。
Figure 2019179001
〔実施例2〕
図1に示した酸化反応試験装置を使用して、実際に石炭の酸化反応試験を行った。
<石炭の含水率の調整>
先ず、図2に示したような平衡含水率特性を持つ瀝青炭Aを使用して、その含水率の調整を行った。予め含水率2.1%に予備乾燥した瀝青炭A(11)を本試験装置の反応器10(ステンレス製、容量:1リットル)に約130g充填した。次に、恒温設備15の温度を調整して恒温設備15内の温度を60℃まで昇温し、温度が一定になった後、ガス供給ラインからのガスとして窒素を使用して、乾燥ガスライン6(第一の乾燥ガスライン6’)に75mL/min、加湿ガスライン8(第二の乾燥ガスライン6’’)に60mL/minの窒素を流したところ、反応器10前のガス温度は約60℃、相対湿度は約47%Rhで一定となった。反応器10後のガスの相対湿度は、試験開始直後は約70%Rhであったが時間の経過とともに低下していき、約6時間後には約47%Rhで一定となり、その後一定の値を保った(図3を参照)。これは、石炭を通過する際に湿度変化がなくなったことから、石炭とガスの水分授受はないことを意味しており、使用した瀝青炭Aの含水率は一定になったものと見なすことができる。このような操作の後、瀝青炭Aを反応器10から取り出して、加熱乾燥式の水分計によりその含水率を測定すると、1.5%と調整されていた。
<石炭の酸化反応試験>
瀝青炭Aの含水率の調整後、瀝青炭Aは反応器10に充填したまま、引き続き、恒温設備15内の温度を60℃に保った。ガス供給ラインよりのガスを酸素含有ガス(酸素濃度:約21%)に切り替えた後、乾燥ガスライン6(第一の乾燥ガスライン6’)には11mL/min、加湿ガスライン8(第二の乾燥ガスライン6’’)には9mL/minでそれぞれのラインからガスを流して、瀝青炭Aの酸化反応を開始した。反応開始後、反応器10より発生したCOガス及びCOガスの濃度を、冷却式の水蒸気トラップ18を経てガスクロマトグラフ14〔株式会社島津製、GC-2014AF(デュアルパックド/FID)〕にて測定し、これを約140時間継続した。結果を図4に示す。
〔比較例1〕
また、比較として、含水率を0%まで乾燥させた瀝青炭Aを用いて含水率の調整は行わず、さらに、酸化反応において使用するガスとして乾燥ガスライン6(第一の乾燥ガスライン6’)のみを使用し、20mL/minにて乾燥した酸素含有ガスを流したが、それら以外は前記の実施例2と同様の方法で酸化反応をさせて、反応器10より発生したCOガス及びCOガスの濃度を同じように測定した。結果を図5に示す。
実施例2及び比較例1の結果から、水分を含んだ状態の石炭を使用した実施例2の場合には、十分に乾燥された石炭を使用した比較例1の場合に観測される酸化初期の鋭いガス発生のピークが観測されなかった。また、初期のピーク以外においては、COガスの発生量は水分を含んだ石炭を使用した実施例2の方が比較例1よりも若干増加するのに対して、COガスについては実施例2の場合の方が減少することが確認された。
この結果から、本発明に係る装置及び方法を用いることにより、石炭の含水率に応じた酸化反応を長時間に亘って実施できることが分かり、含水率によって石炭の酸化反応が異なるといった結果を実際に確認することができた。
1…酸素含有ガスライン、2…不活性ガスライン、3…弁、4…ガス供給ライン、5…流量調節機構、6…乾燥ガスライン、6’…第一の乾燥ガスライン、6’’…第二の乾燥ガスライン、7…加湿器、8…加湿ガスライン、9…調湿ガスライン、10…反応器、11…石炭、12…熱電対、13…温湿度計、14…ガス分析器、15…恒温設備、16…給水ライン、17…排水ライン、18…除湿機構(水蒸気トラップ)

Claims (8)

  1. 石炭の酸化反応の含水率依存性を、当該酸化反応により消費されるか又は発生するガスを分析することにより評価する装置であり、
    乾燥した不活性ガスを供給する不活性ガスラインと乾燥した酸素含有ガスを供給する酸素含有ガスラインとを備えたガス供給ラインと、
    前記ガス供給ラインから供給される乾燥ガスを、流量調節機構を介して独立に且つ任意の流量にて供給できる2系統の乾燥ガスラインと、
    前記2系統の乾燥ガスラインのうちの1系統の乾燥ガスを、水中でバブリングさせることにより加湿する加湿器を介して、相対湿度が100%の加湿ガスとして供給できる加湿ガスラインと、
    前記乾燥ガスラインよりの乾燥ガスと前記加湿ガスラインよりの加湿ガスとが混合されて、所定の相対湿度に調整された調湿ガスとして供給できる調湿ガスラインと
    内部に石炭が充填されると共に、前記調湿ガスラインよりの調湿ガスが導入される反応器と、
    この反応器から排出されるガスを分析するためのガス分析器と、
    温度調整が可能な恒温設備とを備え、
    少なくとも、前記乾燥ガスライン、加湿器、加湿ガスライン、調湿ガスライン及び反応器は、前記恒温設備内に格納されていることを特徴とする石炭の酸化反応試験装置。
  2. 反応器に供給される調湿ガスの相対湿度と、反応器から排出されるガスの相対湿度とを、それぞれ独立に測定できる湿度測定器を備えることを特徴とする請求項1に記載の石炭の酸化反応試験装置。
  3. ガス供給ラインには、前記不活性ガスラインと前記酸素含有ガスラインとを切り替えて供給できる切替機構を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の石炭の酸化反応試験装置。
  4. 前記加湿器は、水を供給する機構と水を排出する機構とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置。
  5. 反応器とガス分析器との間には、反応器から排出されるガスに含まれる水蒸気を取り除くための除湿機構を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置。
  6. 水蒸気の測定が可能なガス分析器を用いるとき、反応器とガス分析器との間の配管を恒温設備の温度より高く保つ結露防止機構を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の石炭の酸化反応試験装置を用いて、石炭の酸化反応の含水率依存性を測定する方法であって、前記恒温設備の温度を所定の温度に調整した後に、
    i)乾燥した不活性ガスと、乾燥した不活性ガスを加湿器により相対湿度100%に加湿した加湿ガスとを混合して、予め、所定の相対湿度に調整された調湿ガスを生成する工程と、
    ii)この生成された調湿ガスを、石炭が充填された反応器内に供給し、それを、反応器に供給されるガスの相対湿度と反応器から排出されるガスの相対湿度とが同じになるまで継続して石炭の含水率を一定にする工程と、
    iii)前記ii)の工程によって石炭の含水率を一定とした状態のもと、前記不活性ガスを酸素含有ガスに切り替えることにより反応器内に調湿された酸素含有ガスを供給して、石炭の酸化反応を開始する工程と、
    iv)石炭の酸化反応を開始後に、反応器から排出されるガスの分析を行う工程とを有することを特徴とする石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法。
  8. さらに、反応器から排出されるガスに含まれる水蒸気を取り除く工程を有することを特徴とする請求項7に記載の石炭の酸化反応の含水率依存性の測定方法。

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