JP2003269754A - ガス加湿装置 - Google Patents

ガス加湿装置

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JP2003269754A
JP2003269754A JP2002071840A JP2002071840A JP2003269754A JP 2003269754 A JP2003269754 A JP 2003269754A JP 2002071840 A JP2002071840 A JP 2002071840A JP 2002071840 A JP2002071840 A JP 2002071840A JP 2003269754 A JP2003269754 A JP 2003269754A
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JP
Japan
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water
gas
humidification
humidifying
humidified
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Application number
JP2002071840A
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English (en)
Inventor
Takeshi Hayashi
健 林
Yoshiyuki Omori
良幸 大森
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Taiyo Toyo Sanso Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Toyo Sanso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス流量を一定に保持しつつ所望する湿度の
加湿ガスを容易に得ることができるガス加湿装置を提供
する。 【解決手段】 ガス加湿装置1は、内部を、上下方向に
延びる水蒸気透過膜5bにより、ガス10が流動する加
湿室13と脱イオン水である加湿水14を貯留する加湿
源室15とに区画した加湿器2と、加湿源室15の水位
Hを制御する水位制御機構3とを具備して、当該水位H
によって決定される水蒸気透過膜5bと加湿水14との
接触面積を変更することにより、加湿室13を通過する
ガス10の加湿度を制御するように構成されている。加
湿器2のケース4内には、水蒸気透過膜5bからなる複
数本のメンブレンチューブ5aが、ケース4の上下部に
形成された被加湿ガス導入口8及び加湿ガス導出口9に
連通する状態で鉛直状に配置されており、このメンブレ
ンチューブ5a内が加湿室13に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、工業的
に生産される各種ガスを加湿すると共にその加湿度を任
意に制御することができるガス加湿装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、工業的に生産されるガスは水分
を全く含有しないものか、水分を含有していても、その
含有量が極く僅かなものである(以下、これらのガスを
「乾燥ガス」と総称する)から、ガス使用目的によって
は、ユースポイントでの使用条件に適した湿度に加湿し
ておく必要がある場合がある。
【0003】そこで、かかる場合、従来においては、ユ
ースポイントへのガス供給ラインにバッフル型加湿装置
やパスオーバ型加湿装置を設けて、乾燥ガスを加湿した
上でユースポイントに供給するようにしているのが普通
である。ここに、バッフル型加湿装置は、乾燥ガスたる
被加湿ガスをバブラーにより貯留水中にバブリングさせ
て、当該ガスを貯留水との接触により加湿させるもので
あり、パスオーバ型加湿装置は、被加湿ガスを貯留水の
水面上を通過させることにより、当該ガスに水分を同伴
させて蒸気圧分の加湿を行なうものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
加湿装置では、加湿ガスに乾燥ガスを混合させることに
より、ユースポイントに供給されるガスの湿度を調整す
るようにしているが、ユースポイントへのガス供給量を
一定に保持しつつ適正な加湿度を確保するためには、加
湿ガス量とこれに混合させる乾燥ガス量との比率を高度
に制御する必要がある。したがって、加湿度及びガス流
量をユースポイントでの使用条件に応じて正確に制御す
ることが困難であった。また、かかる制御が可能であっ
たとしても、その制御システムが極めて複雑なものとな
り、イニシャルコスト,ランニングコスト面からみても
実用性に乏しい。また、バッフル型加湿装置にあって
は、ガス流量が多い場合、加湿時に飛沫(液滴)が同伴
して、適正な加湿ガスを得ることが困難となったり、各
種センサの誤動作を招来する虞れもある。
【0005】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、ガス流量を一定に保持しつつ所望する湿度の加湿
ガスを容易に得ることができるガス加湿装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成すべく、内部を、上下方向に延びる水蒸気透過膜に
より、ガスが流動する加湿室と加湿水を貯留する加湿源
室とに区画した加湿器と、加湿源室の水位を制御する水
位制御機構とを具備して、当該水位によって決定される
水蒸気透過膜と加湿水との接触面積を変更することによ
り、加湿室を通過するガスの加湿度を制御するように構
成したことを特徴とするガス加湿装置を提案するもので
ある。好ましい実施の形態にあっては、加湿器が、上下
部に被加湿ガス導入口及び加湿ガス導出口を設けたケー
スと、水蒸気透過膜により囲繞形成されており、ケース
内に被加湿ガス導入口及び加湿ガス導出口に連通する状
態で配置された加湿室と、ケースと水蒸気透過膜との間
に形成されており、被加湿ガス導入口及び加湿ガス導出
口に連通しない加湿源室と、を具備する。例えば、加湿
器は、上下部に被加湿ガス導入口及び加湿ガス導出口を
設けた鉛直筒状のケースと、ケース内に被加湿ガス導入
口及び加湿ガス導出口に連通させた状態で鉛直状に配置
された、水蒸気透過膜からなる一本又は複数本のメンブ
レンチューブとを具備するものであって、メンブレンチ
ューブ内が加湿室に構成されると共に、メンブレンチュ
ーブとケースとの間が被加湿ガス導入口及び加湿ガス導
出口に連通しない加湿源室に構成される。また、水蒸気
透過膜としては、主たる化学構造が4弗化エチレンと過
弗化3,6ジオキサ−4メチル−7オクタンとの共重合
体であり且つ官能基としてスルホン酸基を配位させた有
機高分子薄膜を使用することが好ましい。また、加湿水
としては脱イオン水を使用することが好ましい。脱イオ
ン水を使用する場合において、水位制御機構がイオン交
換樹脂塔を具備するものであり、このイオン交換樹脂塔
を通過させた脱イオン水を、加湿水として加湿源室に供
給するように構成されていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
に基づいて具体的に説明する。
【0008】この実施の形態におけるガス加湿装置1
は、図1に示す如く、加湿器2と水位制御機構3とを具
備してなる。
【0009】加湿器2は、図1に示す如く、鉛直円筒状
のケース4と、ケース4の中心部に鉛直状に配置された
メンブレンチューブ群(以下「チューブモジュール」と
いう)5とを具備してなる。
【0010】チューブモジュール5は、水蒸気透過膜5
bからなる複数本のメンブレンチューブ5aを束ねたも
のである。水蒸気透過膜5bは、水蒸気に対して透過性
を有し且つ液状の水を透過させない水蒸気選択性を有す
るものであり、膜組成に親水基を有する含水ポリマーを
主成分とする無孔質膜が使用することができ、例えば、
セロファン、ポリマーの主鎖若しくは側鎖内に親水基を
有する透過性ウレタン又はポリマーの主鎖若しくは側鎖
内に塩基若しくは酸基を有するイオン交換ポリマー等を
構成材とするものであって、水蒸気透過係数が10-6
10-4cm3・cm/cm2・sec・cmHg程度であ
るものが好適する。この例では、メンブレンチューブ5
aの構成材たる水蒸気透過膜5bとして、水分子の吸着
性,高速移動性や水分子以外の気体分子を透過させない
選択性において優れる有機高分子薄膜、特に、イオン交
換ポリマーとして主たる化学構造が4弗化エチレンと過
弗化3,6ジオキサ−4メチル−7オクタンとの共重合
体であり且つ官能基としてスルホン酸基を配位させた有
機高分子薄膜が使用されている。また、各メンブレンチ
ューブ5aとして、内径:1.5mm,肉厚(水蒸気透
過膜5bの膜厚):0.16mm,長さ(水平仕切壁
6,7に貫通固着された部分を除く):200mmの直
線状チューブを使用しており、60本のメンブレンチュ
ーブ5aを束ねてチューブモジュール5を構成してい
る。
【0011】ケース4の上下部には、図1に示す如く、
水平仕切壁6,7によりモジュール配置領域(チューブ
モジュール5が配置されるケース内領域)と区画された
被加湿ガス導入口(上部マニホルド)8及び加湿ガス導
出口(下部マニホルド)9が形成されている。上部の被
加湿ガス導入口8には、加湿すべきガスである被加湿ガ
ス10を加湿器2に供給する被加湿ガス供給路11が接
続されており、下部の加湿ガス導出口8には、加湿され
た被加湿ガスである加湿ガス10aを所定のユースポイ
ント(図示せず)に供給する加湿ガス供給路12が接続
されている。すなわち、加湿器2は、ユースポイントへ
のガス供給ライン11,12に配設されている。
【0012】チューブモジュール5の上下端部は、水平
仕切壁6,7に貫通状に固着されていて、メンブレンチ
ューブ5a内を被加湿ガス導入口8から加湿ガス導出口
9へとガスが流動する加湿室13に構成すると共に、チ
ューブモジュール5を囲繞するケース内領域(メンブレ
ンチューブ5aとケース4との間の領域)を加湿水14
が貯留される加湿源室15に構成してある。すなわち、
加湿器2の内部(ケース4の内部)は、水蒸気透過膜5
bにより、上下端部が被加湿ガス導入口8及び加湿ガス
導出口9に連通する加湿室13と当該導出入口8,9に
連通しない加湿源室15とに区画されている。
【0013】水位制御機構3は、図1に示す如く、加湿
水タンク16と、加湿水タンク16から加湿源室15に
導かれた給水路17と、加湿源室15に接続された排水
路18と、給水路17に設けられた給水弁19と、排水
路18に設けられた排水弁20と、加湿源室15におけ
る加湿水14の液面位置(水位)Hを検知する液面計2
1と、液面計21に設けられた複数の液面センサ22
と、液面センサ22からの信号により開閉弁19,20
を開閉制御する制御器23とを具備してなる。
【0014】加湿水タンク16は加湿源室15より高位
に配置されており、所定量の加湿水14が貯留されてい
る。加湿水14としては、脱イオン水(例えば、水道水
をイオン交換膜により脱イオン処理(陽イオンの除去処
理)したもの)を使用することが好ましい。この例で
は、特に、ガス加湿装置1にイオン交換樹脂塔24を組
み込んで、水道水14aを脱イオン処理した上で加湿水
14として加湿水タンク16に供給しうるように工夫し
てある。すなわち、加湿水タンク16には、イオン交換
樹脂塔24及び開閉弁25を設けた水道水供給路26が
導かれていて、水道水14aがイオン交換樹脂膜により
陽イオンを除去された上で、加湿水14として供給され
るようになっている。
【0015】給水路17は加湿水タンク16から加湿源
室15の底部に導かれていて、給水弁19を開くことに
より、タンク16内の加湿水14を、水頭圧を利用し
て、加湿源室15に注入しうるようになっている。ま
た、排水路18は加湿源室15の底部から導かれてい
て、排水弁20を開くことにより、加湿源室15から加
湿水14を排出しうるようになっている。この例では、
加湿器2のケース4に、加湿源室15の底部に給排水路
27を接続して、この給排水路27から給水路17及び
排水路18を分岐させてある。すなわち、給排水路27
を分岐して、一方の分岐路を給水路17として加湿水タ
ンク16に接続すると共に、他方の分岐路を排水路18
として適宜の排水部(図示せず)に導いてある。
【0016】液面計21は、図1に示す如く、鉛直方向
長さを加湿源室15よりやや長尺とする鉛直筒形状をな
すもので、上端部を加湿源室15の上端部より高位に且
つ下端部を加湿源室15の下端部より低位に位置させた
状態で、上下端部を加湿源室15の上下端部に連通接続
させることにより、加湿源室15の水位Hと同一位置に
液面を保持するようになっている。すなわち、加湿源室
15の水位Hを液面計21内における加湿水14の液面
により直接的に検知しうるようになっている。なお、こ
の例では、加湿源室15と液面計21との下端部間を、
給排水路27を利用して連通接続してある。すなわち、
液面計21の下端部において、給排水路2と給水路17
及び排水路18との分岐部が形成されている。また、液
面計21と加湿源室15及び加湿水タンク16との上端
部間は、夫々、連通路28,29で連通されている。
【0017】而して、給水弁19を開くと共に排水弁2
0を閉じると、加湿水タンク16から給水路17及び給
排水路27を経て加湿源室15(及び液面計21)に加
湿水14が注入されて、加湿源室15の水位Hが上昇す
る。逆に、給水弁19を閉じると共に排水弁20を開く
と、加湿源室15(及び液面計21)から排水路18及
び給排水路27を経て加湿水14が排出され、加湿源室
15の水位Hが下降する。したがって、このような給排
水弁19,20の開閉を行うことにより、加湿源室15
の水位Hを任意に制御することができる。
【0018】この例では、液面計21に上下方向に所定
間隔を隔てて5個の液面センサ22(以下、最下位のも
のから順に「第1液面センサ22a」「第2液面センサ
22b」「第3液面センサ22c」「第4液面センサ2
2d」「第5液面センサ22e」という)を設けて、加
湿源室15の水位Hを、液面センサ22a〜22eを選
択することにより、第1液面センサ22aで設定される
第1水位(最下限水位)Haから第5液面センサ22e
で設定される第5水位(最上限水位)Heまでの範囲に
おいて5段階に亘って自動制御しうるように構成してあ
る。なお、最上限水位である第5水位Heは加湿源室1
5内が満水となったときの水位Hであり、この例ではH
e=200mmである。また、第2、第3及び第4液面
センサ22b,22c,22dで設定される水位を、夫
々、第2、第3及び第4水位Hb,Hc,Hdという。
【0019】すなわち、液面センサ22a〜22eから
所望する液面センサ、例えば第3液面センサ22cを選
択すると、加湿源室15の水位Hが第3液面センサ22
cで設定される第3水位Hcより上位にある場合は、制
御器23が液面センサ22からの信号を受けて排水弁2
0を開制御し(給水弁19は閉状態に保持される)、排
水路18(及び給排水路27)からの排水により水位H
を下降させる。そして、水位Hが第3水位Hcまで下降
すると、これを第3液面センサ22cが検知して、その
検知信号を受けた制御器23により排水弁20が閉制御
され、加湿源室15の水位Hが第3水位Hcに保持され
る。また、逆に、加湿源室15の水位Hが第3水位Hc
より下位にある場合は、制御器23が液面センサ22か
らの信号を受けて給水弁19を開制御し(排水弁20は
閉状態に保持される)、給水路17(及び給排水路2
7)からの注水により水位Hが上昇する。そして、水位
Hが第3水位Hcまで上昇すると、これを第3液面セン
サ22cが検知して、その検知信号を受けた制御器23
により給水弁19が閉制御され、加湿源室15の水位H
が第3水位Hcに保持される。なお、第3液面センサ2
2c以外の液面センサ22を選択した場合も、上記同様
の制御により、当該液面センサ22で設定される水位H
a,Hb,Hd,Heに保持される。
【0020】なお、この例では、図示していないが、加
湿器2のケース4にベルトヒータを巻装すると共に温度
センサを取付けて、加湿源室15内の加湿水14を所望
温度に加熱保持するようになっている。
【0021】以上のように構成されたガス加湿装置1に
よれば、被加湿ガス(例えば、工業的に製造された乾燥
ガス)10を効果的に加湿することができると共に、そ
の加湿度(湿度)を水位Hの調整により制御することが
できる。
【0022】すなわち、被加湿ガス供給路11から加湿
器2の被加湿ガス導入口8に導入された被加湿ガス10
は、それが加湿室13つまりメンブレンチューブ5a内
を通過する間において、メンブレンチューブ5aの外周
面に接触する加湿水14から水分を吸収して加湿され
る。加湿室4の周壁つまりメンブレンチューブ5aの管
壁は、上記した如く、主たる化学構造が4弗化エチレン
と過弗化3,6ジオキサ−4メチル−7オクタンとの共
重合体であり且つ官能基としてスルホン酸基を配位させ
た有機高分子薄膜(水蒸気透過膜5b)で構成されてい
るが、この薄膜における官能基たるスルホン酸基(−S
3H)は親水性基であることから、メンブレンチュー
ブ5aの外表面は、これに接触する加湿水14を迅速に
化学吸着し、スルホン酸水和物(−SO3H・[H2O]
n )として吸収する。そして、メンブレンチューブ5a
の外表面に吸収された水分子は、メンブレンチューブ5
aの内外間における水分子の蒸気分圧の差によってメン
ブレンチューブ5aの管壁たる水蒸気透過膜5bを透過
(移動)して、メンブレンチューブ5a(加湿室13)
内を流れるガス10中に拡散し、充分に加湿されたガス
(加湿ガス)10aが得られ、この加湿ガス10aは加
湿ガス導出口9から加湿ガス供給路12を経て所定の加
湿ガス使用部に供給される。
【0023】ところで、メンブレンチューブ5aの外表
面に加湿ガス(大気等)を接触させる場合においても、
加湿ガスから水分子が透過してメンブレンチューブ5a
内の被加湿ガス10が加湿されることになる。しかし、
このようなガス(被加湿ガス10)とガス(加湿ガス)
との間における水蒸気透過膜5bを介しての水分子透過
は、両ガスの水分圧差をドライビングフォースとするも
のであり、膜5b中へのガス溶解度がヘンリーの法則に
従って膜界面で平衡状態をとるため、どうしても透過速
度(膜5b中へのガス溶解度係数と膜5b中のガス拡散
係数との積で得られる)が低くなり、透過効率が頗る悪
い。したがって、被加湿ガス10を充分に加湿させるた
めには、両ガスと膜5bとの接触時間,接触面積を極め
て大きく設定しておく必要があり、加湿装置1の大型化
やイニシャルコスト(特に膜コスト)の高騰といった実
用上の問題が生じる。しかし、上記した如く液体である
加湿水14を水蒸気透過膜5bに接触させておいた場合
には、水分が膜5b内に瞬時に浸透,膨潤するため、膜
5bにおける水移行速度(透過速度)が膜界面でのガス
溶解度係数に影響されず飛躍的に向上することになる。
したがって、膜5bとの接触時間や接触面積を必要以上
に大きくせずとも、充分且つ効率の良い加湿を行うこと
ができ、上記した問題は生じない。
【0024】また、水蒸気透過膜5bの官能基たるスル
ホン酸基(−SO3H)のH+が他の陽イオンとイオン交
換されると、水蒸気透過性能が低下する虞れがあるが、
加湿水14として脱イオン水(陽イオンを除去した水道
水)を使用しているため、このような虞れはない。
【0025】而して、被加湿ガス10の加湿度は、ガス
流量が一定である場合、水蒸気透過膜5bにおける加湿
水14との接触面積(水蒸気透過膜5bとして機能しう
る有効膜表面積)によって変化することになる。例え
ば、当該有効膜表面積が増大するに伴い、水蒸気透過膜
5bを介しての被加湿ガス10と加湿水14との接触時
間も増大して、加湿度が高くなる。一方、当該有効膜表
面積は加湿源室15の水位Hによって決定される。
【0026】したがって、水位Hを上記した水位制御機
構3により制御することにより、被加湿ガス10の加湿
度を任意に制御することができる(この例では、5段階
に亘って制御することができる)。すなわち、ガス流量
を一定とした状態で、水位Hを制御することにより、ユ
ースポイントでの使用条件に適した湿度の加湿ガス10
aを効率良く容易に得ることができる。
【0027】ところで、上記したガス加湿装置1により
被加湿ガス10を所望する湿度に適正に制御できること
は、次のような実験により確認された。
【0028】すなわち、この実験においては、上記した
ガス加湿装置1を使用して、加湿源室15の水位Hを第
5水位Heから第1水位Haまで5段階に亘って下降さ
せ、各水位Ha,Hb,Hc,Hd,Heにおいて加湿
作用が安定した段階で、加湿ガス導出口9における加湿
ガス10aの露点を測定した。なお、チューブモジュー
ル5として、4弗化エチレンと過弗化3,6ジオキサ−
4メチル−7オクタンとの共重合体であり且つ官能基と
してスルホン酸基を配位させた有機高分子薄膜(PER
MA PURE INC.製の「Nafion(登録商
標)」)で構成された内径:1.5mm,肉厚:0.1
6mm,長さ(加湿源室15に臨む部分の長さ):20
0mmのメンブレンチューブ5aを60本束ねたものを
使用した。また、被加湿ガス10として窒素ガス(露
点:−60℃)を使用し、その流量は20LPM(リッ
トル/分)に保持した。また、ケース4に巻装したベル
トヒータによるヒータ出力を制御して、加湿源室15内
の水温を55℃に保持した。さらに、各液面センサ22
によって設定される水位Hを、Ha=40mm,Hb=
80mm,Hc=120mm,Hd=160mm,He
=200mm(加湿源室15を満水とした状態)とし
た。
【0029】その結果は、図2に示す通りであり、水位
Hを40〜200mmの範囲において5段階に亘って変
化させることにより、被加湿ガス10(窒素ガス)を5
段階に亘って適正に制御できることが確認された。
【0030】なお、本発明は上記した実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範
囲において適宜に改良,変更することができる。
【0031】例えば、ガス流量ないしガス圧によって
は、加湿室13を1本のメンブレンチューブ5aで構成
することも可能である。また、加湿室13は、水蒸気透
過膜5bと加湿水14との接触面積を大きくするため
に、その周壁全体を水蒸気透過膜5bで構成しておくこ
と、つまり加湿室13を水蒸気透過膜製のメンブレンチ
ューブ5aで構成しておくことが好ましいが、加湿条件
等によっては、加湿室13の周壁の一部のみを非チュー
ブ状(例えば、平膜状)の水蒸気透過膜5bで構成する
ようにすることも可能である。さらに、加湿室13は、
上記した如く鉛直上のガス流路を形成する構成とする
他、傾斜状又は蛇行状の形態をなすものとしてもよい。
要するに、加湿源室15の水位変化により、有効膜表面
積が増減変化するような形態をなすものであればよい。
【0032】また、水位制御機構3の構成も任意であ
り、上記した如く、液面計21に設けた複数の液面セン
サ22により有段的に水位Hを制御するように構成する
他、水位Hを無段的に制御できるように構成することも
可能である。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明のガス加湿装置は、被加湿ガスを通過させる
加湿室と加湿水を貯留する加湿源室とを区画する水蒸気
透過膜の有効膜表面積を加湿源室の水位により変化させ
ることにより、被加湿ガスの加湿度を制御するように構
成されたものであるから、冒頭で述べた如き問題を生じ
ることなく、ガス流量を一定に保持した状態でユースポ
イントでの使用条件に適した湿度の加湿ガスを精度よく
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス加湿装置の一例を示す縦断面
図である。
【図2】当該ガス加湿装置による実験結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1…ガス加湿装置、2…加湿器、3…水位制御機構、4
…ケース、5…チューブモジュール、5a…メンブレン
チューブ、5b…水蒸気透過膜、8…被加湿ガス導入
口、9…加湿ガス導出口、10…被加湿ガス、10a…
加湿ガス、13…加湿室、14…加湿水(脱イオン
水)、15…加湿源室、21…液面計、22a,22
b,22c,22d,22e…液面センサ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を、上下方向に延びる水蒸気透過膜
    により、ガスが流動する加湿室と加湿水を貯留する加湿
    源室とに区画した加湿器と、加湿源室の水位を制御する
    水位制御機構とを具備して、当該水位によって決定され
    る水蒸気透過膜と加湿水との接触面積を変更することに
    より、加湿室を通過するガスの加湿度を制御するように
    構成したことを特徴とするガス加湿装置。
  2. 【請求項2】 加湿器が、上下部に被加湿ガス導入口及
    び加湿ガス導出口を設けたケースと、水蒸気透過膜によ
    り囲繞形成されており、ケース内に被加湿ガス導入口及
    び加湿ガス導出口に連通する状態で配置された加湿室
    と、ケースと水蒸気透過膜との間に形成されており、被
    加湿ガス導入口及び加湿ガス導出口に連通しない加湿源
    室と、を具備するものであることを特徴とする、請求項
    1に記載するガス加湿装置。
  3. 【請求項3】 水蒸気透過膜が、主たる化学構造が4弗
    化エチレンと過弗化3,6ジオキサ−4メチル−7オク
    タンとの共重合体であり且つ官能基としてスルホン酸基
    を配位させた有機高分子薄膜であることを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載するガス加湿装置。
  4. 【請求項4】 水位制御機構がイオン交換樹脂塔を具備
    するものであり、このイオン交換樹脂塔を通過させた加
    湿水を加湿源室に供給するように構成されていることを
    特徴とする、請求項1、請求項2又は請求項3に記載す
    るガス加湿装置。
  5. 【請求項5】 加湿源室に貯留される加湿水が脱イオン
    水であることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求
    項3又は請求項4に記載するガス加湿装置。
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