JP2019042710A - 分離膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分子25を含む水素分子21及び酸素分子23を有する供給気体7から水素分子21を選択的に分離する分離膜10である。【解決手段】分離膜10は、ミクロポーラス材料からなる疎水性膜11と、メソポーラス材料及び/又はマクロポーラス材料からなる親水性膜13を有し、疎水性膜11側に供給気体7を供給し、親水性膜13は吸湿されている。一例として、疎水性膜11は、Si−C−H有機・無機ハイブリッド材料である。また、親水性膜13は、メソポーラス材料の膜15とマクロポーラス材料の膜17を有し、メソポーラス材料の膜15の上に、疎水性膜11を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、のガス分離膜に関する。
近年、水素社会実現に向けてクリーンで持続可能な水素の製造法が盛んに研究されている。中でも、太陽光により水を光触媒によって水素と酸素に分解し、膜分離によって水素を得る製造システム(以下、「人工光合成システム」という)が注目されている。この人工光合成システムには、大気レベルの0℃以上100℃以下の温度範囲において、製造される分解された水素、酸素及び分解時に発生する水滴や水蒸気の混合状態の気体から水素を分離することが必要とされる。
通常、水素の分離にはセラミック分離膜が用いられる。特許文献1には、水不透過性のセラミック分離膜が記載されている。このセラミック分離膜は、水不透過性とガス透過性を有する。しかし、酸素を透過せず水素を透過させるガスの選択透過性は小さい。
WO2012/141033号公報
B. N. Nalr, T. Yamaguchi, T. Okubo, H. Suematsu, K. Keizer, S. Nakao, "Sol-gel synthesis of molecular sieving silica membranes", Journal of Membrane Science, Vol.135, pp. 237-243 (1997).
本発明の課題は上記のような従来の問題を解決し、水蒸気、水素、酸素を含む混合気体から水素を分離するセラミック製のガス分離膜を提供することである。
本発明は、水分子を含む水素分子及び酸素分子を有する供給気体から水素分子を選択的に分離する分離膜である。発明1は、分離膜は、ミクロポーラス材料からなる疎水性膜と、メソポーラス材料及び/又はマクロポーラス材料からなる親水性膜を有し、疎水性膜側に供給気体を供給し、親水性膜は吸湿されていることを特徴とする分離膜である。発明2は、供給気体は、相対湿度が100%であることを特徴とする発明1に記載される分離膜である。発明3は、供給気体は、0℃以上100℃以下であることを特徴とする発明1または2に記載される分離膜である。発明4は、水分子が親水性膜に吸湿されていることを特徴とする発明1乃至3のいずれか1つに記載される分離膜である。発明5は、疎水性膜は、Si−C−H有機・無機ハイブリッド材料であることを特徴とする発明1乃至4のいずれか1つに記載される分離膜である。発明6は、親水性膜は、メソポーラス材料の膜とマクロポーラス材料の膜を有し、メソポーラス材料の膜の上に、疎水性膜を有することを特徴とする発明1乃至5のいずれか1つに記載される分離膜である。
本発明は、疎水性膜及び親水性膜を有し、水分子を親水性膜に吸湿させ、疎水性膜との界面における疎水性膜の細孔の直径を小さくする分離膜を提供する。本分離膜により、水分子を含む水素分子及び酸素分子を有する供給気体から水素分子を選択的に分離することができる。水素/酸素選択性(H/O)は、7.5以上とすることができる。また、供給気体を飽和水蒸気(相対湿度100%)とすることで、酸素分子を分離しほぼ水素分子のみを透過させることができる。
人工光合成の概念図 発明の原理 疎水性材料 疎水性膜の特性 分離膜 ガス透過量の測定装置 ガス透過量(差圧:20kPa) ガス透過量(差圧:100kPa) ガス透過量(従来、差圧:100kPa)
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
(人工光合成システム)
図1に人工光合成システム1の概念図を示す。容器9の中に水5を入れ、水5の中に光触媒4を入れる。光触媒4に太陽光3を照射すると、水素分子21、酸素分子23が発生する。容器9上面には、空間6を介して分離膜7を有する。容器9と分離膜10はシールされている。水素分子21、酸素分子23は、連続的な気泡で発生し水5の表面に出る。空間6には、水素分子21、酸素分子23と共に気泡がはじける際に水5から発生する液体の水滴及び蒸発した水分子25が含まれる(以下、「供給気体7」という)。よって、供給気体7の水分子25、水素分子21、酸素分子23の分圧は高くる。分離膜10は、分圧により水素分子21は透過し易く酸素分子23は透過しにくい。よって、分離膜10を透過された透過気体8には水素分子21が多く含まれる。この水素分子21を水素貯蔵容器(図示しない)に貯蔵する。一方、空間6には逆止弁を介したパージ弁(図示しない)を有し、酸素分子23を放出しつつ内部圧力を一定に保たれる。
よって、人工光合成システム1の稼働条件は、水が凍らない0℃以上の常温から太陽熱で温められても水が蒸発しない100℃以下の約80℃である。また、供給気体7の水蒸気分圧は、水5により加湿されているので 飽和水蒸気分圧(相対湿度100%)に近くなる。人工光合成システム1において、差圧100kPa以下で作動する水素の分離膜10を想定している。これは光触媒4の反応で生成される水素分子21、酸素分子23の圧力による。よって、差圧100kPa以下で常温から80℃の範囲で、水滴及び水分子25(水蒸気)の共存下で水素分子21と酸素分子23を分離する分離膜10が必要である。分離膜10は、水素/酸素選択性(H/O)は大きい方が良い。 水素透過率は、1.0X10−7(mol・m−2・s−1・Pa−1)以上が良い。なお、水素分子21と酸素分子23の混合ガスにおいて、水素濃度が4から94 %の広い濃度範囲で爆発するが、人工光合成システム1では、図1には示していないが、防爆を施した配管に生成した混合ガスを導き、次いで分離膜10を用いて水素と酸素を分離することで、爆発の危険を回避する。
(分離膜10の原理)
本発明の水素分子21を選択透過する分離膜10の原理を図2(a)に示す。分離膜10は、疎水性膜11と親水性膜13との2重構造を有する。分離膜10は、疎水性膜11を供給気体7側、親水性膜13を透過気体8側に設置される。ここで、ヘリウム(He)、水(HO)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)の動力分子径(nm)を、図2(b)に示す。順に、He=0.260、HO=0.265、H=0.289、O=0.345、N=0.364である。疎水性膜11は、水素を透過し易く、酸素を透過しにくい特性を必要とするので、ミクロポーラス材料(細孔の直径2nm未満)である。親水性膜13は、疎水性膜11を担持する必要があるので、メソポーラス材料(細孔の直径2nm以上50nm未満)又はマクロポーラス材料(細孔の直径50nm以上)で構成される。
供給気体7は、所謂ドライエアではなく、水分子25の水蒸気分圧を有し、水素分子21及び酸素分子23の分圧が高い湿り空気である。よって、供給気体7は、分離膜10の疎水性膜11により水滴は透過せずカットされ、水分子25、水素分子21、酸素分子23は、供給気体7と透過気体8とのそれぞれの気体の分圧差で透過する。ミクロポーラス材料、メソポーラス材料の水素/酸素選択性(H/O)は、一般的に約3程度である(特許文献1等)。即ち、動力分子径の小さい水素分子21(水分子25、ヘリウム分子も同様)は、動力分子径の大きい酸素分子23(窒素分子27も同様)に対して透過率が3倍である。
本発明の分離膜10は、疎水性膜11と親水性膜13との2重構造を有する。ここで、親水性膜13の親水性は、化学的な親水性であり、空気中の水分子25を吸湿する作用を有する。従って、疎水性膜11を透過した水分子25は、親水性膜13の表面に吸湿され水の状態で保持される。よって、親水性膜13の細孔の直径は小さくなり、疎水性膜11を透過した酸素分子23を更に遮断し、水素分子21を透過させる。これにより水素/酸素選択性(H/O)を向上させる(図2(c)参照)。
(疎水性膜11)
疎水性膜11は、図3に示す化学構造を有するSi−C−H 有機・無機ハイブリッド材料(ポリマー分子量:800〜10,000)を用いた。
図4に、Si−C−H 有機・無機ハイブリッド材料(ミクロポーラス材料)、SiO(マクロポーラス材料)、γ-Al(メソポーラス材料)の粉体の水蒸気吸着等温線(空気中の水蒸気である水分子25の吸着等温線)を示す。3種類の材料を大気中、120℃で熱処理し、乳鉢で粉砕後、120℃で脱気処理後、25℃で水蒸気吸着測定を行った。横軸は湿り空気のP(水蒸気分圧)/P(飽和水蒸気分圧)、即ち相対湿度であり、縦軸は吸湿量を示す。P/P=0(ドライエア)の場合、3種類の材料の吸湿量は0である。Si−C−H 有機・無機ハイブリッド材料は、P/P=1(湿度100%)においても吸湿量は0である。よって、高い疎水性を有している。一方、SiO、γ-Alは、P/P=0以上の相対湿度が小さい場合も吸湿性を示し、P/P=1まで相対湿度の上昇と共に吸湿量が増加する。吸湿量にヒステリシスを有するものの、γ-Alは、SiOより大きな吸湿性を示す。よって、疎水膜11にSi−C−H 有機・無機ハイブリッド材料、親水膜13にSiO、γ-Alを用いることにより分離膜10を構成することができる。
(分離膜10の製造法)
まず、親水性膜13は、マクロポーラス材料17(α-Al)の表面に層状のメソポーラス材料15(γ-Al)を既存の方法によって作製した。次に、疎水性膜11は、Si−C−H 有機・無機ハイブリッド材料のキシレン溶液(1wt%)を調製した。次に、親水性膜13のメソポーラス材料15(γ-Al)の表面に、キシレン溶液を薄くディップコートした後、大気中120℃で熱処理して、分離膜10を作製した。図5に、作製した分離膜11の疎水性膜11及びメソポーラス材料15の断面構造(SEM観察)を示す。
(ガス透過量の測定装置)
図6に、ガス透過量の測定装置30を示す。分離膜10は層状の円筒形をしており、外側に疎水性膜11、その内側に親水性膜13を有する。親水性膜13は外側にメソポーラス材料15、内側にマクロポーラス材料17を有する。分離膜10の一方の端部には密栓51、他方の端部には密栓53が付けられ、密栓53の中央には分離膜10の円筒内部に貫通するキャピラリーチューブ55が付けられている。分離膜10、密栓51,53は、反応管39に収納されている。反応管39には、ガスボンベ31のガス(He、H2、)が水蒸気発生調湿装置33にて一定の湿度に加湿され、圧力調整器35にて一定のガス圧力(例えば、100kPa)に調整されキャピラリーチューブ57を介して供給気体7として供給される。よって、供給気体7は分離膜10の外側の疎水膜11に供給される。分離膜10を透過した透過気体8は、キャピラリーチューブ55から、バルブ41にて切り替えられ流量と成分を測定する。流量を測定する場合は流量計49を用いる。成分を測定する場合、第1ガスクロ43にて水蒸気分圧を測定し、水分除去器45にて水分を除去し、第2ガスクロ47にて透過気体8の分圧を測定する。
(ガス透過量)
図7に、測定したガス透過量を示す。供給気体7として、ヘリウム、水素および窒素の純ガスを用い、透過気体8の差圧は、20kPaである。図7(b)、(c)が、本発明の分離膜10の結果である。分離膜10は、親水性膜13としてマクロポーラス材料17(α-Al)の表面に層状のメソポーラス材料15(γ-Al)を有し、その上に、疎水性膜11として、マイクロポーラス材料のSi−C−H 有機・無機ハイブリッド材料を有している。図7(a)は、従来技術の分離膜110の結果である。分離膜110は、分離膜10の疎水膜11を除去した親水性膜113(マクロポーラス材料17(α-Al)の表面にメソポーラス材料15(γ-Al)を積層)ものである。 供給気体7として、ヘリウム、水素、窒素を用いた。酸素は危険を避けるため用いず、動力分子径の同等な窒素を代わりに用いた。よって、窒素による結果は、酸素による結果と読み替えて大過ない。図7(a)、(b)、(c)とも、横軸は湿り空気のP(水蒸気分圧)/P(飽和水蒸気分圧)、即ち相対湿度である。縦軸は、図7下図が透過率(mol・m−2・s−1・Pa−1)、図7上図が水素/窒素選択性(H/N)である。図7下図において実験結果を黒三角(ヘリウム)、黒丸(水素)、黒四角(窒素)で示す。
図7(a)は、従来の分離膜110の50℃の結果である。P/P=0(ドライエア)において、透過率は、大きい順に、水素、ヘリウム、窒素となる。相対湿度が上昇すると、水素、ヘリウム、窒素の透過率が減少する。これは、細孔を水分子25(水蒸気)も透過することになり、その増加と共に減少するためである。一方、水素/窒素選択性(H/N)は、約3で変化しない。これは、減少が一律なためである。これは従来の分離膜と同等の値(特許文献1等)である。P/P=1(相対湿度100%)になると透過率は少し大きく減少し、水素/窒素選択性(H/N)は約5程度になる。
図7(b)は、分離膜10の50℃の結果である。P/P=0(ドライエア)において、透過率は、水素、ヘリウムに対して、窒素は大きく減少し、水素/窒素選択性(H/N)が約7.5となる。これは、ミクロポーラス材料からなる疎水性膜11の効果である。相対湿度が上昇すると透過率が減少するが、水素、ヘリウムに対して、窒素の減少率は大きい。従って、水素/窒素選択性(H/N)は、15から17と大きくなる。これは親水性膜13に吸湿した効果である。ここで、分離膜110は親水性であるので吸湿しているが水素/窒素選択性(H/N)は約3で変化しない。これは、分離膜110がマクロポーラス材料17及びメソポーラス材料15であるので、細孔の直径が大きいためである。一方、分離膜10は、窒素の透過率が水素に対して選択的に大きく減少する。これは、疎水膜11と親水膜13(メソポーラス材料15)との界面での親水膜13(メソポーラス材料15への吸湿により、疎水膜11の界面での細孔が塞がれ、疎水膜11の細孔の直径が小さくなっているためである。P/P=1(相対湿度100%)においては、窒素の透過率が減少して測定不能になった。水素、ヘリウムは透過するので、親水膜の界面の疎水膜11の細孔の直径が、窒素の動力半径N=0.364nmより小さくなっていると考える。よって、水素/窒素選択性(H/N)は格段に向上している。
図7(c)は、分離膜10の80℃の結果である。温度が高くなったことにより透過率は高くなっているが、図7(c)とほぼ同様な傾向を示す。これにより主なガス透過機構は活性化拡散であること、及び水素/窒素選択性(H/N)が、5.5以上であったことから分子ふるいによる水素選択機能を有することが強く示唆された。50℃または80℃の飽和水蒸気雰囲気下(相対湿度100%)でも水素(H)透過率は1.4X10−7(mol・m−2・s−1・Pa−1)と高い透過率を示したのに対して、窒素(N)透過率は計測されず、きわめて高い水素選択透過性機能を示した。これは、疎水性膜11と親水性膜13の二層界面付近で水が部分的に凝縮し、細孔孔が約3nm程度まで小さくなり水素のみ選択的に透過が可能としていることによる。ここで、窒素による結果は、酸素による結果と読み替えて大過ない。
図8に、供給気体7として50℃の水素分子21と窒素分子27の割合が1:1(モル比)の混合ガスを用い、透過気体8の差圧が100kPaの結果を示す。同様の傾向を示す。特に、飽和水蒸気雰囲気下(相対湿度100%)でも水素(H)透過率は約1.0X10−7 (mol・m−2・s−1・Pa−1)と高い透過率を示したのに対して、窒素(N)透過率は計測されず、きわめて高い水素選択透過性機能を示した。
(比較例)
比較例として、SiO2(シリカ)膜を用いた。その製造法を以下に示す。マクロポーラス材料17(α-Al)の表面に層状のメソポーラス材料15(γ-Al)を既存の方法によって作製した。次に、常法(例:非特許文献1の記載された方法)に従ってケイ酸エチル(Si(OEt)4、TEOS):エタノール(EtOH):硝酸(HNO3): 水(H2O)= 1:3.8:0.085 : 6.4 [モル比]の混合溶液を80℃で3時間還流させた後、室温まで冷却した後EtOH(TEOSに対してモル比=60)を加えて、シリカゾル溶液を調製した。このシリカゾル溶液を、親水性膜13のメソポーラス材料15(γ-Al)の表面にディップコートした後、大気中600℃で熱処理した。このディップコートと、大気中600℃での熱処理を計5回繰り返してシリカ膜を作製した。
次に、SiO2(シリカ)膜のガス透過特性を図9に示す。図9は、従来のセラミックス水素分離膜として既存のシリカ膜の50℃、差圧100kPaでのガス透過試験の結果である。P/P=0(ドライエア)において、透過率は、大きい順に、ヘリウム、水素、窒素となり、水素/窒素選択性(H/N)は、約39と比較的高い値を示すが、H透過率は約7.0 X 10−8 (mol・m−2・s−1・Pa−1)と実用レベルの10−7 (mol・m−2・s−1・Pa−1)オーダーに達していない。相対湿度が上昇すると、いずれのガスの場合も透過率が減少して、対湿度75%から100%では、He透過率は、10−9 (mol・m−2・s−1・Pa−1)オーダーまで低下し、水素(H)および窒素(N)透過率は計測されなかった。これは、図4に示したようにシリカ膜は親水性が高いことに加えて、サブナノメートルオーダーの極めて細かい細孔を有しているため、のシリカの極微細孔内に水分子25(水蒸気)が凝縮して、分離目的とする水素の透過が著しく妨げられたためである。
以上、図7では供給気体7として純ガス、差圧20kPaで評価を示すと共に、図8では供給気体7を水素分子21と窒素分子27の混合ガスで、差圧を100KPaに上昇させた評価を示す。即ち、図7(純ガス:理論的にも裏打ちされた透過評価データ)と図8(実際の混合ガスでも優れた水素分離特性示す)の両方の実施例により、分離膜10は実用的に有効で優れた特性を有していることを確認した。
以上、本発明は、水分子25を含む水素分子21及び酸素分子23を有する供給気体7から水素分子21を選択的に分離する分離膜10である。発明1は、分離膜10は、ミクロポーラス材料からなる疎水性膜11と、メソポーラス材料及び/又はマクロポーラス材料からなる親水性膜13を有し、疎水性膜11側に供給気体7を供給し、親水性膜13は吸湿されていることを特徴とする分離膜10である。発明2は、供給気体7は、相対湿度が100%であることを特徴とする発明1に記載される分離膜10である。発明3は、供給気体7は、0℃以上100℃以下であることを特徴とする発明1または2に記載される分離膜10である。発明4は、水分子25が親水性膜13に吸湿されていることを特徴とする発明1乃至3のいずれか1つに記載される分離膜10である。発明5は、疎水性膜11は、Si−C−H有機・無機ハイブリッド材料であることを特徴とする発明1乃至4のいずれか1つに記載される分離膜10である。発明6は、親水性膜13は、メソポーラス材料の膜15とマクロポーラス材料の膜17を有し、メソポーラス材料の膜15の上に、疎水性膜11を有することを特徴とする発明1乃至5のいずれか1つに記載される分離膜10である。
本発明は、疎水性膜11及び親水性膜13を有し、水分子25を親水性膜13に吸湿させ、疎水性膜11との界面における疎水性膜11の細孔の直径を小さくする分離膜10を提供する。本分離膜10により、水分子25を含む水素分子21及び酸素分子23を有する供給気体から水素分子21を選択的に分離することができる。水素/酸素選択性(H/O)は、7.5以上とすることができる。また、供給気体7を飽和水蒸気(相対湿度100%)とすることで、酸素分子13を分離しほぼ水素分子21のみを透過させることができる。
(その他の効果)
特許文献1等に記載されている無機膜(セラミックス、金属膜)は製造コストが高い。即ち、これらの無機膜は、高真空下、500℃以上の高温プロセスで製造されている。一方、分離膜10は、大気中、室温で製膜し約120℃の乾燥のみで製造が可能であり、製造コストでの優位性は高いまた、従来のポリマー膜は、飽和水蒸気雰囲気下での膨潤が問題となっている。一方、分離膜10は、Si−C−H 有機・無機ハイブリッド材料であるので極めて安定性が高く、飽和水蒸気雰囲気下においても高い安定性を持つ
人工光合成等において、水から水分子25(水蒸気)を含む水素分子21及び酸素分子23を有する気体の水素製造システムへ適用することができる。
1 人工光合成システム
3 太陽光
4 光触媒
5 水
6 空間
7 供給気体
8 透過気体
9 容器
10 分離膜
11 疎水性膜
13 親水性膜
15 メソポーラス材料(例:γ-Al)の膜
17 マクロポーラス材料(例:α-Al)の膜
21 水素分子
23 酸素分子
25 水分子
27 窒素分子
30 ガス透過量の測定装置
31 ガスボンベ(He、H2、
33 水蒸気発生調湿装置
35 圧力調整器
37 恒温槽
39 反応管
41 バルブ
43 第1ガスクロ(水分定量用)
45 水分除去器
47 第2ガスクロ
49 流量計
51、53 密栓
55、57 キャピラリーチューブ

Claims (6)

  1. 水分子を含む水素分子及び酸素分子を有する供給気体から水素分子を分離する分離膜であって、前記分離膜は、ミクロポーラス材料からなる疎水性膜と、メソポーラス材料及び/又はマクロポーラス材料からなる親水性膜を有し、前記疎水性膜側に前記供給気体を供給し、前記親水性膜は吸湿されていることを特徴とする分離膜。
  2. 前記供給気体は、相対湿度が100%であることを特徴とする請求項1に記載される分離膜。
  3. 前記供給気体は、0℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載される分離膜。
  4. 前記水蒸気が前記親水性膜に吸湿されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載される分離膜。
  5. 前記疎水性膜は、Si−C−H 有機・無機ハイブリッド材料であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載される分離膜。
  6. 前記親水性膜は、メソポーラス材料の膜とマクロポーラス材料の膜を有し、メソポーラス材料の膜の上に、前記疎水性膜を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載される分離膜。
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