JP2019178710A - 弾性部材およびそれを備えた変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐久性を有すると共に外歯部材と内歯部材とのバックラッシュを良好に低減可能な弾性部材の提供。【解決手段】複数の外歯を有する外歯部材と、外歯部材の複数の外歯と噛み合う複数の内歯を有する内歯部材とのバックラッシュを低減する弾性部材は、外歯および内歯の一方の歯面である第1歯面と、第1歯面と対向する外歯および内歯の他方の歯面である第2歯面との間に配置される弾性変形部を含み、当該弾性変形部は、第1歯面の歯すじ方向に沿って離間するように形成されると共にそれぞれ第1歯面に当接する一対の第1当接部と、第2歯面に当接する第2当接部と、それぞれ対応する第1当接部と第2当接部との間で延在すると共に第1および第2歯面に対して互いに逆向きに傾斜した一対の傾斜部とを含む。【選択図】図8

Description

本開示は、外歯部材と当該外歯部材と噛み合う内歯部材とのバックラッシュを低減するための弾性部材およびそれを備えた変速機に関する。
従来、ハイブリッド車両の駆動系とモータとを連結し、モータの駆動力を駆動系に伝達するモータカップリング装置として、 モータの回転軸と連結され、駆動系のコネクティングプレートと相互に噛み合うカップリングプレートと、当該カップリングプレートの一側面に設置され、コネクティングプレートに干渉してモータの逆トルクが発生した時にバックラッシュを補償する第1バックラッシュ補償ユニットと、カップリングプレートの他側面に設置され、コネクティングプレートに干渉してモータの逆トルクの駆動中に正トルクを印加する時にバックラッシュを補償する第2バックラッシュ補償ユニットとを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このモータカップリング装置において、第1バックラッシュ補償ユニットは、コネクティングプレートに接触する第1接触突起部が一体に形成された第1プレートと、カップリングプレートと第1プレートとの間に設置されてモータの正トルク駆動中に逆トルクが発生した際にバックラッシュを補償する第1スプリングとを含む。また、第2バックラッシュ補償ユニットは、コネクティングプレートに接触する第2接触突起部が一体に形成された第2プレートと、カップリングプレートと第2プレートとの間に設置されてモータの逆トルク駆動中に正トルクが発生した際にバックラッシュを補償する第2スプリングとを含む。
また、従来、伝動軸を支持する変速機ケース内に設けられるワンウェイクラッチのインナーレース支持構造として、ワンウェイクラッチのインナーレース内周面に形成されたスプライン突起と、スプライン突起と嵌合するように変速機ケースのボス部の外周面に形成されたスプライン溝と、スプライン溝とスプライン突起との隙間がなくなるように回転体を支持するワンウェイクラッチのアウターレースがロックされる回転方向にスプライン突起を付勢する弾発部材とを含むものも知られている(例えば、特許文献2参照)。このインナーレース支持構造において、弾発部材は、ばね鋼を熱処理した強固かつ弾性力を有する略J形状の金属部材である。すなわち、弾発部材は、環状の支持プレート部材に対してカシメ固定される固定部と、固定部から略直交方向に延在して組付状態でスプライン溝の周方向一壁面に常時当接する規定部と、規定部の先端で湾曲するように形成された湾曲部と、湾曲部から連続的に折り返されてスプライン突起に対して付勢力を付与する折り返し部とを含む。
特開2016−109290号公報 特開2006−200690号公報
しかしながら、特許文献1に記載された第1および第2接触突起部や特許文献2に記載された弾発部材は、何れも第1、第2プレートや環状の支持プレートにより片持ち支持されるものである。このため、バックラッシュ(隙間)がなくなるように接触突起部や弾発部材から充分な荷重を発生させようとすると、高い応力の発生により接触突起部や弾発部材が破損してしまうおそれがある。
そこで、本開示は、高い耐久性を有すると共に外歯部材と内歯部材とのバックラッシュを良好に低減可能な弾性部材の提供、および振動やノイズを良好に低減可能な変速機の提供を主目的とする。
本開示の弾性部材は、複数の外歯を有する外歯部材と、前記外歯部材の前記複数の外歯と噛み合う複数の内歯を有する内歯部材とのバックラッシュを低減する弾性部材において、前記外歯および前記内歯の一方の歯面である第1歯面と、前記外歯部材および前記内歯部材の周方向において前記第1歯面と対向する前記外歯および前記内歯の他方の歯面である第2歯面との間に配置される弾性変形部であって、前記第1歯面の歯すじ方向に離間するように形成されると共にそれぞれ前記第1歯面に当接する一対の第1当接部と、前記第2歯面に当接する第2当接部と、それぞれ対応する前記第1当接部と前記第2当接部との間で延在すると共に前記第1および第2歯面に対して互いに逆向きに傾斜した一対の傾斜部とを含む弾性変形部を備えるものである。
本開示の弾性部材は、外歯および内歯の一方の歯面である第1歯面と、第1歯面と対向する外歯および内歯の他方の歯面である第2歯面との間に配置される弾性変形部を含む。そして、弾性変形部は、第1歯面の歯すじ方向に沿って離間するように形成されると共にそれぞれ第1歯面に当接する一対の第1当接部と、第2歯面に当接する第2当接部と、それぞれ対応する第1当接部と第2当接部との間でに延在すると共に第1および第2歯面に対して互いに逆向きに傾斜した一対の傾斜部とを含む。これにより、外歯と内歯とのバックラッシュを低減するために弾性変形部から発生させる荷重を充分に確保しつつ、傾斜部の長さを確保することで弾性変形部に作用する応力を良好に低減させることができる。この結果、弾性部材の耐久性を向上させると共に外歯部材と内歯部材とのバックラッシュを良好に低減することが可能となる。
本開示の変速機を含む動力伝達装置の概略構成図である。 本開示の変速機における各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 本開示の変速機における入力回転速度に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。 本開示の変速機の要部を示す拡大断面図である。 本開示の変速機に含まれる内歯部材を示す拡大図である。 本開示の変速機に含まれる外歯部材を示す拡大図である。 本開示の変速機に含まれる内歯部材および外歯部材を示す拡大図である。 本開示の弾性部材を示す斜視図である。 本開示の弾性部材を示す拡大図である。 本開示の弾性部材が外歯部材に組み付けられた状態を示す斜視図である。 本開示の弾性部材の外歯部材に組み付けられた状態を示す斜視図である。 本開示の他の弾性部材を示す拡大図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の動力伝達装置10の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置10は、後輪駆動車両の前部に縦置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに接続されると共にエンジン等からの動力(トルク)を図示しない左右の後輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置10は、トランスミッションケース(静止部材)11や、発進装置(流体伝動装置)12、オイルポンプ17、エンジン等から入力軸(入力部材)20iに伝達された動力を変速して出力軸(出力部材)20oに伝達する自動変速機20等を含む。
発進装置12は、図示しないドライブプレート等を介してエンジンのクランクシャフトおよび/または電気モータのロータに連結されるフロントカバー13や、当該フロントカバー13に密に固定されるポンプシェルを有する入力側のポンプインペラ140、自動変速機20の入力軸20iに連結される出力側のタービンランナ142、ポンプインペラ140およびタービンランナ142の内側に配置されてタービンランナ142からポンプインペラ140への作動油(ATF)の流れを整流するステータ143、ステータ143の回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ144等を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)を含む。なお、発進装置12は、ステータ143を有さない流体継手を含むものであってもよい。
更に、発進装置12は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ15と、フロントカバー13と自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰するダンパ機構16とを含む。本実施形態において、ロックアップクラッチ15は、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)を有する多板摩擦式油圧クラッチとして構成される。ただし、ロックアップクラッチ15は、単板摩擦式油圧クラッチであってもよい。
オイルポンプ17は、チェーン18を介して発進装置12のポンプインペラ140に連結されるロータ170と、複数の外歯を有すると共にロータ170と一体に回転する外歯ギヤ(ドライブギヤ)171と、外歯ギヤ171の外歯に噛合する当該外歯の総数よりも1つ多い複数の内歯を有すると共に当該外歯ギヤ171に対して偏心して配置される内歯ギヤ(ドリブンギヤ)172とを含む。オイルポンプ17は、チェーン18等を介して伝達されるエンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油を吸引して図示しない油圧制御装置へと圧送する。
自動変速機20は、10段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸20iや図示しないデファレンシャルギヤおよびドライブシャフトを介して左右の後輪に連結される出力軸20oに加えて、自動変速機20(入力軸20iや出力軸20o)の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1遊星歯車21および第2遊星歯車22、ダブルピニオン式遊星歯車とシングルピニオン式遊星歯車とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構としてのラビニヨ式遊星歯車機構25とを含む。更に、自動変速機20は、入力軸20iから出力軸20oまでの動力伝達経路を変更するための第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ)、第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ)、第3係合要素としてのクラッチC3(第3クラッチ)、第4係合要素としてのクラッチC4(第4クラッチ)、第5係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ)および第6係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ)を含む。
本実施形態において、第1および第2遊星歯車21,22並びにラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12すなわちエンジン側(図1における左側)から、ラビニヨ式遊星歯車機構25、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21、すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するシングルピニオン式遊星歯車、ラビニヨ式遊星歯車機構25を構成するダブルピニオン式遊星歯車、第2遊星歯車22、第1遊星歯車21という順番で並ぶようにトランスミッションケース11内に配置される。これにより、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、発進装置12に近接するように車両の前部側に配置される。また、第1遊星歯車21は、出力軸20oに近接するように車両の後部側に配置される。更に、第2遊星歯車22は、入力軸20iや出力軸20o等の軸方向におけるラビニヨ式遊星歯車機構25と第1遊星歯車21との間に配置される。
第1遊星歯車21は、外歯歯車である第1サンギヤ21sと、第1サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ21rと、それぞれ第1サンギヤ21sおよび第1リングギヤ21rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ21pと、複数の第1ピニオンギヤ21pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第1キャリヤ21cとを有する。本実施形態において、第1遊星歯車21のギヤ比λ1(第1サンギヤ21sの歯数/第1リングギヤ21rの歯数)は、例えば、λ1=0.277と定められている。第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、図1に示すように、入力軸20iに連結された自動変速機20の中間軸(インターミディエイトシャフト)20mに常時連結(固定)される。これにより、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第1キャリヤ21cには、エンジンからの動力が入力軸20iおよび中間軸20mを介して常時伝達される。また、第1キャリヤ21cは、クラッチC4の係合時に第1遊星歯車21の入力要素として機能し、クラッチC4の解放時には空転する。更に、第1リングギヤ21rは、クラッチC4の係合時に当該第1遊星歯車21の出力要素として機能する。
第2遊星歯車22は、外歯歯車である第2サンギヤ22sと、第2サンギヤ22sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ22rと、それぞれ第2サンギヤ22sおよび第2リングギヤ22rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ22pと、複数の第2ピニオンギヤ22pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第2キャリヤ(プラネタリキャリヤ)22cとを有する。本実施形態において、第2遊星歯車22のギヤ比λ2(第2サンギヤ22sの歯数/第2リングギヤ22rの歯数)は、例えば、λ2=0.244と定められている。第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sは、図1に示すように、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sと一体化(常時連結)されており、当該第1サンギヤ21sと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとは、別体に構成されると共に図示しない連結部材(第1連結部材)を介して常時連結されてもよい。また、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、出力軸20oに常時連結されており、当該出力軸20oと常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。これにより、第2キャリヤ22cは、第2遊星歯車22の出力要素として機能する。更に、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rは、当該第2遊星歯車22の固定可能要素として機能する。
ラビニヨ式遊星歯車機構25は、外歯歯車である第3サンギヤ23sおよび第4サンギヤ24sと、第3サンギヤ23sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ23rと、第3サンギヤ23sに噛合する複数の第3ピニオンギヤ(ショートピニオンギヤ)23pと、第4サンギヤ24sおよび複数の第3ピニオンギヤ23pに噛合すると共に第3リングギヤ23rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ(ロングピニオンギヤ)24pと、複数の第3ピニオンギヤ23pおよび複数の第4ピニオンギヤ24pを自転(回転)自在かつ公転自在に保持する第3キャリヤ23cとを有する。
このようなラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式遊星歯車(第3遊星歯車)とシングルピニオン式遊星歯車(第4遊星歯車)とを組み合わせて構成される複合遊星歯車機構である。すなわち、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第3サンギヤ23s、第3キャリヤ23c、第3および第4ピニオンギヤ23p,24p、並びに第3リングギヤ23rは、ダブルピニオン式の第3遊星歯車を構成する。更に、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第4サンギヤ24s、第3キャリヤ23c、第4ピニオンギヤ24p、および第3リングギヤ23rは、シングルピニオン式の第4遊星歯車を構成する。そして、本実施形態において、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、ダブルピニオン式の第3遊星歯車のギヤ比λ3(第3サンギヤ23sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ3=0.488となり、かつシングルピニオン式の第4遊星歯車のギヤ比λ4(第4サンギヤ24sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)が、例えば、λ4=0.581となるように構成される。
また、ラビニヨ式遊星歯車機構25(第3および第4遊星歯車)を構成する回転要素のうち、第4サンギヤ24sは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素(自動変速機20の第2固定可能要素)として機能する。更に、第3キャリヤ23cは、図1に示すように、入力軸20iに常時連結(固定)されると共に、連結部材(第2連結部材)としての中間軸20mを介して第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cに常時連結される。これにより、エンジンから入力軸20iに動力が伝達されている際、第3キャリヤ23cには、エンジンからの動力が入力軸20iを介して常時伝達されることになる。従って、第3キャリヤ23cは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の入力要素として機能する。また、第3リングギヤ23rは、ラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素として機能し、第3サンギヤ23sは、当該ラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素として機能する。
クラッチC1は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sとラビニヨ式遊星歯車機構25の第2出力要素である第3サンギヤ23sとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとラビニヨ式遊星歯車機構25の第1出力要素である第3リングギヤ23rとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC4は、第1遊星歯車21の出力要素である第1リングギヤ21rと出力軸20oとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。
ブレーキB1は、ラビニヨ式遊星歯車機構25の固定可能要素である第4サンギヤ24sを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第4サンギヤ24sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車22の固定可能要素である第2リングギヤ22rをトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共に当該第2リングギヤ22rを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。
本実施形態では、クラッチC1〜C4として、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、それぞれ作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1およびB2としては、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。そして、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2は、油圧制御装置により作動油が給排されることで動作する。
図2に自動変速機20の各変速段とクラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の作動状態との関係を表した作動表を示し、図3に自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図を示す。自動変速機20は、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2を図2の作動表に示す状態とすることで、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを提供する。また、本実施形態の自動変速機20において前進第5速段および前記第6速段が形成される際、第2遊星歯車22は、入力軸20iと出力軸20oとの間における回転トルクの伝達に寄与せず、第2サンギヤ22s、第2リングギヤ22rおよび第2キャリヤ22cは、何れも他の回転要素に連れ回されて空転する。
図3に示すように、第1および第2遊星歯車21,22並びにラビニヨ式遊星歯車機構25の10個の回転要素(ただし、第1サンギヤ21sと第2サンギヤ22sとが常時連結されているので、実質的には合計9個の回転要素)は、これらのギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4に応じた間隔をおいて図3における左側から図示される順番で並ぶ。このような速度線図上での並び順に従い、本実施形態では、第1サンギヤ21sを自動変速機20の第1回転要素とし、第1キャリヤ21cを自動変速機20の第2回転要素とし、第1リングギヤ21rを自動変速機20の第3回転要素とする。また、第2サンギヤ22sを自動変速機20の第4回転要素とし、第2キャリヤ22cを自動変速機20の第5回転要素とし、第2リングギヤ22rを自動変速機20の第4回転要素とする。更に、第4サンギヤ24sを自動変速機20の第7回転要素とし、第3キャリヤ23cを自動変速機20の第8回転要素とし、第3リングギヤ23rを自動変速機20の第9回転要素とし、第3サンギヤ23sを自動変速機20の第10回転要素とする。
なお、第1および第2遊星歯車21,22並びに第3および第4遊星歯車のギヤ比λ1〜λ4は、上述のものに限られない。また、自動変速機20において、クラッチC1〜C4、ブレーキB1およびB2の少なくとも何れかは、ドグクラッチあるいはドグブレーキといった噛み合い係合要素とされてもよい。例えば、自動変速機20では、前進第1速段から前進第4速段の形成に際して連続して係合されると共に、後進段の形成に際して係合されるブレーキB2として、ドグブレーキが採用されてもよい。更に、自動変速機20において、第1および第2遊星歯車21,22の少なくとも何れかは、ダブルピニオン式の遊星歯車であってもよく、ラビニヨ式遊星歯車機構25は、例えばシンプソン型やCR−CR型といった複合遊星歯車機構に置き換えられてもよい。また、上述の自動変速機20は、前輪駆動車両に搭載される変速機に改変されてもよい。
図4は、自動変速機20(動力伝達装置10)の要部を示す拡大断面図である。同図に示すように、自動変速機20のクラッチC4は、4つのクラッチC1〜C4および2つのブレーキB1,B2の中で最も出力軸20oに近接するように第1遊星歯車21よりも車両後部側(図4における右側)に配置される。図示するように、クラッチC4は、クラッチハブ400と、クラッチドラム410と、複数の摩擦プレート401と、摩擦プレート401と交互に配設される複数のセパレータプレート402およびバッキングプレートと、摩擦プレート401およびセパレータプレート402を押圧して摩擦係合させるピストン440と、ピストン440を摩擦プレート401およびセパレータプレート402から離間するように付勢する複数のリターンスプリング(コイルバネ)SP4と、環状のキャンセル室画成部材450とを含む。ピストン440、キャンセル室画成部材450、クラッチドラム410および出力軸20oから径方向外側に延出された環状のフランジ部20fは、クラッチC4の係合油室460を画成する。また、ピストン440とキャンセル室画成部材450とは、係合油室460内で発生する遠心油圧をキャンセルするための遠心油圧キャンセル室470を画成する。
クラッチハブ400は、クラッチC4の接続対象である第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと一体に形成されており、当該クラッチハブ400の内周面には、複数の摩擦プレート401の内周部が嵌合される外歯スプラインが形成されている。クラッチドラム410は、本実施形態において、パーキングロック装置のパーキングギヤ420と、当該パーキングギヤ420に固定される環状のドラム部材(内歯部材)430とを含む。パーキングギヤ420は、外周部に形成された複数のギヤ歯を有し、当該パーキングギヤ420の内周面は、出力軸20oから径方向外側に延出された環状のフランジ部20fの外周面に溶接により固定される。
クラッチドラム410のドラム部材430は、環状の金属板をプレス加工(絞り加工)することにより形成された円筒状部材であり、パーキングギヤ420の外周部に固定される基端部を有する。ドラム部材430は、パーキングギヤ420を介して出力軸20oに連結されると共に、図4に示すように、当該パーキングギヤ420から第2遊星歯車22側に軸方向に延在して第1リングギヤ21r(第1遊星歯車21)すなわちクラッチハブ400を包囲する。更に、ドラム部材430の内周面には、基端部側からドラム部材430の開放端(図4中左側の端部)まで延びる内歯スプライン431が形成されている。内歯スプライン431は、図5に示すように、それぞれドラム部材430の軸方向に延在すると共に当該ドラム部材430の周方向に並ぶ複数の内歯432と、それぞれ隣り合う内歯432の間に形成される複数の溝部434とを含み、当該内歯スプライン431には、クラッチC4のセパレータプレート402およびバッキングプレートの外周部が嵌合される。
また、ドラム部材430の開口端内には、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cの外周部に溶接により固定された環状の連結部材(外歯部材)220がスプライン嵌合される。連結部材220は、例えば金属材料を熱間鍛造すると共に切削加工を施すことにより形成されており、当該連結部材220の外周面には、外歯スプライン221が形成されている。連結部材220の外歯スプライン221をドラム部材430の内歯スプライン431に嵌合することで、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、出力軸20oに一体に回転するように連結されることになる。すなわち、第2遊星歯車22が入力軸20iと出力軸20oとの間における回転トルクの伝達に寄与する際には、第2キャリヤ22cおよび連結部材220からドラム部材430およびパーキングギヤ420を介して回転トルクが出力軸20oに伝達される。
図6に示すように、連結部材220の外歯スプライン221は、それぞれ複数(本実施形態では、例えば16個ずつ)の太幅外歯222および細幅外歯223と、それぞれ複数の浅溝部224および深溝部225とを含む。本実施形態において、太幅外歯222および細幅外歯223は、浅溝部224または深溝部225を介して周方向に交互に並ぶように連結部材220に形成されている。また、各浅溝部224は、連結部材220からドラム部材430に回転トルクが伝達される際の当該連結部材220およびドラム部材430の回転方向(以下、「主回転方向」という)における太幅外歯222の後側の歯面222bと、細幅外歯223の当該主回転方向における前側の歯面223aとの間に位置する。一方、各深溝部225は、細幅外歯223の主回転方向における後側の歯面223bと、太幅外歯222の当該主回転方向における前側の歯面222aとの間に位置する。連結部材220およびドラム部材430の主回転方向は、自動変速機20を搭載した車両が前進走行する際の連結部材220の回転方向(図5から図7における矢印方向)である。
各太幅外歯222は、図7に示すように、ドラム部材430の内歯スプライン431の溝部434に僅かなバックラッシュ(ガタ)をもって嵌まり込むように形成されている。これに対して、各細幅外歯223は、主回転方向における後側の歯面223bを当該主回転方向における前側の歯面223a側に近接させることで、各太幅外歯222よりも小さい歯幅を有するように形成されている。また、各浅溝部224は、ドラム部材430の内歯スプライン431の内歯432が僅かなバックラッシュ(ガタ)をもって嵌まり込むように形成されている。これに対して、各深溝部225は、浅溝部224よりも深く、かつ当該浅溝部224よりも幅広に形成されている。
これにより、連結部材220の各太幅外歯222がドラム部材430の対応する溝部434に嵌まり込むと共に、連結部材220の各浅溝部224にドラム部材430の対応する内歯432が嵌まり込むように連結部材220をドラム部材430の開口端内に嵌合した際、各太幅外歯222の主回転方向における前側の歯面222aおよび各細幅外歯223の主回転方向における前側の歯面223aは、それぞれドラム部材430の対応する内歯432の主回転方向における後側の歯面432bに実質的に当接する。また、各太幅外歯222が対応する溝部434に嵌まり込むと共に、各浅溝部224に内歯432が嵌まり込むように連結部材220をドラム部材430の開口端内に嵌合した際、連結部材220の各細幅外歯223の主回転方向における後側の歯面(第1歯面)223bと、ドラム部材430の各内歯432の主回転方向における前側の歯面(第2歯面)432aとは、連結部材220およびドラム部材430の周方向において対向し、両者の間には、図7に示すように、隙間Gが形成されることになる。隙間Gは、深溝部225に連なるように、内歯432の歯面432aと、それよりも上記主回転方向における前側に位置する細幅外歯223の歯面223bとの間に画成される。
そして、本実施形態の自動変速機20では、外歯部材としての連結部材220に対して、図8に示すような弾性部材100が組み付けられる。弾性部材100は、例えば熱処理された鋼板(ばね鋼)をプレス加工することにより形成されており、図示するように、それぞれ板ばね状に成形されると共に上記隙間Gに配置される複数(本実施形態では、例えば4個)の弾性変形部110を含む。各弾性変形部110は、図8および図9に示すように、一対の第1当接部111と、単一の第2当接部112と、対応する第1当接部111と第2当接部112とを繋ぐ一対の傾斜部113とを含む。弾性変形部110の数は、連結部材220における細幅外歯223の歯数の約数である。
一対の第1当接部111は、それぞれ細幅外歯223の主回転方向における後側の歯面(第1歯面)223bの歯すじ方向における両端部の対応する一方に当接可能となるように、当該細幅外歯223の歯すじ方向における長さに応じた間隔をおいて離間するように形成されている。また、第2当接部112は、一対の第1当接部111から当該一対の第1当接部111の延在方向と直交する方向に沿って図9における上側に離間するように形成される。更に、一対の傾斜部113は、対応する第1当接部111と第2当接部112との間でそれぞれ真っ直ぐに延在すると共に互いに逆向きに傾斜するように形成される。本実施形態において、各弾性変形部110は、図9に示すように、第2当接部112を頂部とする左右対称の凸状の断面形状を有するように形成される。
更に、弾性部材100は、弾性変形部110ごとに、それぞれ一対の第1当接部111の対応する一方から第2当接部112とは反対側に延出された一対の側部114,115を含む。一対の側部114,115は、細幅外歯223の歯すじ方向の長さ(連結部材220の厚み)と概ね同一の間隔をおいて対向する。すなわち、側部114(第1側部)は、一対の第1当接部11の一方から細幅外歯223の歯すじ方向における両側の側面の一方に当接可能となるように形成されており、側部115(第2側部)は、一対の第1当接部11の他方から細幅外歯223の歯すじ方向における両側の側面の他方に当接可能となるように形成されている。そして、各側部115は、図8に示すように、複数の弾性変形部110が連結部材220における細幅外歯223同士の間隔に応じた間隔をおいて並ぶように円弧状に延びる連結部116に連結(一体化)されている。
弾性部材100は、図8、図10および図11に示すように、各弾性変形部110の各第1当接部111が対応する細幅外歯223の主回転方向における後側の歯面(第1歯面)223bの歯すじ方向における両端部の対応する一方に当接し、かつ一対の側部114,115が対応する細幅外歯223の歯すじ方向における両側の側面の対応する一方に当接するように、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cに固定された連結部材220に組み付けられる。本実施形態では、図示するように、すべての細幅外歯223に対して弾性変形部110が位置決めされるように合計4個の弾性部材100が連結部材220に対して組み付けられる。
上述のように弾性部材100は、それぞれ連結部116に連結(一体化)された複数の弾性変形部110を含む。従って、複数の細幅外歯223に対して複数の弾性変形部110を一括して組み付けることが可能となり、連結部材220に対する弾性部材100の組付性をより向上させることが可能となる。また、各弾性部材100の複数の側部114は、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22r側(図4参照)で、それぞれ対応する細幅外歯223の側面に当接する(図11参照)。更に、各弾性部材100の複数の側部115は、ドラム部材430側(図4参照)で、それぞれ対応する細幅外歯223の側面に当接し(図11参照)。また、各弾性部材100の連結部116は、連結部材220のドラム部材430側の端面に当接する。これにより、各弾性部材100を連結部材220に対して精度よく位置決めすると共に、各弾性部材100の脱落を良好に抑制することが可能となる。
各弾性部材100が連結部材220に組み付けられた際には、図10からわかるように、各弾性変形部110の第1当接部111と、それに対向する太幅外歯222の主回転方向における前側の歯面222aとの間に充分な間隔が形成される。これにより、連結部材220の各浅溝部224と、各各深溝部225すなわち各弾性変形部110とそれに対向する太幅外歯222の主回転方向における前側の歯面222aとの間とに、ドラム部材430の各内歯432をスムースに嵌め込むことができる。従って、各弾性変形部110に予圧等を加えることなく、複数の弾性部材100が組み付けられた連結部材220をドラム部材430に容易に連結することが可能となる。
連結部材220がドラム部材430に連結されると、各弾性変形部110の第2当接部112がドラム部材430の各内歯432の主回転方向における前側の歯面(第2歯面)432aに当接する。更に、各弾性変形部110が撓むことで、各弾性変形部100から対応する内歯432に対して荷重が加えられ、それに伴って、各内歯432の主回転方向における後側の歯面432bが対応する連結部材220の太幅外歯222または細幅外歯223の主回転方向における前側の歯面222a,223aに押し付けられる。これにより、連結部材220の太幅外歯222および細幅外歯223とドラム部材430の内歯432とのバックラッシュを実質的に無くすることができる。
そして、弾性部材100では、一対の第1当接部111と第2当接部112との連結部材220等の回転方向における距離を調整することで、太幅外歯222および細幅外歯223と内歯432とのバックラッシュを低減するために弾性変形部110から発生させる荷重を適正かつ充分に確保することができる。また、各傾斜部113の長さを確保することで弾性変形部110に作用する応力を良好に低減させることが可能となる。更に、連結部材220では、各深溝部225が各浅溝部224よりも深く形成されていることから、各弾性変形部110の細幅外歯223の歯丈方向における寸法を充分に確保して弾性部材100の耐久性をより良好に確保することができる。この結果、弾性部材100の耐久性を向上させると共に、連結部材220の太幅外歯222および細幅外歯223とドラム部材430の内歯432とのバックラッシュを良好に低減することが可能となる。従って、自動変速機20では、太幅外歯222および細幅外歯223と内歯432とのバックラッシュを弾性部材100により低減することで、振動やノイズの発生を良好に抑制することができる。
なお、上記弾性部材100において、一対の側部114,115は、第1当接部111から連結部材220の周方向において第2当接部112の反対側に位置するように延出されるが、これに限られるものではない。すなわち、図12に示す弾性部材100Bのように、一対の側部114,115は、第1当接部111から連結部材220の周方向において第2当接部112側に位置するように延出されてもよい。この場合、図12に示すように、一対の第1当接部111をドラム部材430の内歯432の主回転方向における前側の歯面432aに当接させると共に、第2当接部112を連結部材220の細幅外歯223の主回転方向における後側の歯面223bに当接させてもよい。
また、上記弾性部材100は、複数の弾性変形部110を含むものであるが、これに限られるものではない。すなわち、弾性部材100は、単一の弾性変形部110と、第1当接部111から延出された一対の側部114,115とを含むものであってもよい。更に、1つの弾性部材100に含まれる弾性変形部110の数は、上述のものには限られない。すなわち、1つの弾性部材100に含まれる弾性変形部110の数は、細幅外歯223の総数よりも少ない範囲で任意に定めることができる。また、上記弾性部材100は、外歯部材としての連結部材220に組み付けられるが、これに限られるものではない。すなわち、弾性部材100は、内歯部材としてのドラム部材430に組み付けられるように構成されてもよい。
更に、上記連結部材220では、太幅外歯222および細幅外歯223が浅溝部224または深溝部225を介して周方向に交互に並ぶように形成されるが、これに限られるものではない。すなわち、連結部材220の外径等によっては、細幅外歯223が所定間隔おき(等間隔)に形成されてもよく、太幅外歯222のすべてが細幅外歯223で置き換えられてもよい。そして、弾性部材100が内歯部材としてのドラム部材430に組み付けられる場合には、内歯432の少なくとも何れかが他の内歯432よりも小さい歯幅を有するように形成されればよい。
また、自動変速機20では、第2遊星歯車22の第2キャリヤ(第1の回転要素)22cに固定される連結部材220と、出力軸20o(第2の回転要素)に連結されたクラッチドラム410のドラム部材430との間に弾性部材100が配置されるが、これに限られるものではない。すなわち、外歯部材、内歯部材および弾性部材を介して互いに連結される自動変速機20の2つの回転要素は任意に定めることができる。また、自動変速機20の2つの回転要素を連結する外歯部材と内歯部材との間に弾性部材100を配置することで、車両のエンジンから車輪までの間の動力伝達系における固有振動数を調整することも可能となる。
以上説明したように、本開示の弾性部材は、複数の外歯(222,223)を有する外歯部材(220)と、前記外歯部材(220)の前記複数の外歯(222,223)と噛み合う複数の内歯(432)を有する内歯部材(430)とのバックラッシュを低減する弾性部材(100,100B)において、前記外歯および前記内歯の一方(223)の歯面である第1歯面(223b)と、前記外歯部材(220)および前記内歯部材(430)の周方向において前記第1歯面(223b)と対向する前記外歯および前記内歯の他方(432)の歯面である第2歯面(432a)との間に配置される弾性変形部(110)であって、前記第1歯面(223b)の歯すじ方向に沿って離間するように形成されると共にそれぞれ前記第1歯面(223b)に当接する一対の第1当接部(111)と、前記第2歯面(432a)に当接する第2当接部(112)と、それぞれ対応する前記第1当接部(111)と前記第2当接部(112)との間で延在すると共に前記第1および第2歯面(223b,432a)に対して互いに逆向きに傾斜した一対の傾斜部(113)とを含む弾性変形部(110)を備えるものである。
本開示の弾性部材は、外歯および内歯の一方の歯面である第1歯面と、第1歯面と対向する外歯および内歯の他方の歯面である第2歯面との間に配置される弾性変形部を含む。そして、弾性変形部は、第1歯面の歯すじ方向に沿って離間するように形成されると共にそれぞれ第1歯面に当接する一対の第1当接部と、第2歯面に当接する第2当接部と、それぞれ対応する第1当接部と第2当接部との間でに延在すると共に第1および第2歯面に対して互いに逆向きに傾斜した一対の傾斜部とを含む。これにより、外歯と内歯とのバックラッシュを低減するために弾性変形部から発生させる荷重を充分に確保しつつ、傾斜部の長さを確保することで弾性変形部に作用する応力を良好に低減させることができる。この結果、弾性部材の耐久性を向上させると共に外歯部材と内歯部材とのバックラッシュを良好に低減することが可能となる。
また、前記弾性変形部(110)は、前記第2当接部(112)を頂部とする凸形状を呈するものであってもよい。
更に、前記一対の傾斜部(113)は、それぞれ真っ直ぐに延在するものであってもよい。
また、前記弾性部材(100,100B)は、前記一対の第1当接部(111)の一方から前記外歯(223)または前記内歯(432)の前記歯すじ方向における一方の側面に当接するように延出された第1側部(114)と、前記一対の第1当接部(111)の他方から前記外歯(223)または前記内歯(432)の前記歯すじ方向における他方の側面に当接するように延出された第2側部(115)とを更に含んでもよい。これにより、弾性部材を外歯部材または内歯部材に対して精度よく位置決めすると共に、弾性部材の脱落を良好に抑制することが可能となる。
更に、前記第1および第2側部(114,115)は、それぞれ対応する第1当接部(111)から前記周方向において前記第2当接部の反対側に位置するように延出されてもい。
また、前記第1歯面は、前記外歯(223)の歯面(223b)であってもよく、前記第2歯面は、前記内歯(432)の歯面(432a)であってもよく、前記第1および第2側部(114,115)は、それぞれ対応する前記第1当接部(111)から前記外歯(223)の対応する前記側面に当接するように延出されてもよい。これにより、弾性部材が外歯部材に組み付けられた際、弾性変形部の第1当接部とそれに対向する外歯の歯面との間に充分な間隔が形成されることから、弾性部材が組み付けられた外歯部材と内歯部材とを容易に連結することが可能となる。
更に、前記第1および第2側部(114,115)は、それぞれ対応する前記第1当接部(111)から前記周方向において前記第2当接部(112)側に位置するように延出されてもよい。
更に、前記外歯部材(220)から前記内歯部材(430)に回転トルクが伝達されてもよく、前記第1歯面(223b)は、前記第2歯面(432a)よりも前記外歯部材(220)から前記内歯部材(430)に回転トルクが伝達される際の前記外歯部材(220)および前記内歯部材(430)の回転方向における前側に位置してもよい。
また、前記外歯部材(220)は、複数の太幅外歯(222)と、前記太幅外歯(222)よりも小さい歯幅を有する少なくとも1つの細幅外歯(223)とを含んでもよく、前記細幅外歯(223)は、前記外歯部材(220)の主回転方向における後側の歯面(223b)を前記主回転方向における前側の歯面(223a)に近接させることで前記太幅外歯(222)よりも小さい歯幅を有するように形成されてもよく、前記第1歯面(223b)は、前記細幅外歯(223)の前記主回転方向における後側の歯面(223b)であってもよく、前記第2歯面は、前記内歯(432)の前記主回転方向における前側の歯面(432a)であってもよい。
また、前記弾性部材(100,100B)は、前記細幅外歯(223)の歯数よりも少ない複数の前記弾性変形部(110)を含んでもよく、複数の前記弾性変形部(110)が前記外歯部材(220)の前記周方向に沿って並ぶように前記第1および第2側部の一方(115)が互いに連結されてもよい。これにより、複数の外歯に対して複数の弾性変形部を一括して組み付けることができるので、外歯部材に対する弾性部材の組付性をより向上させることが可能となる。
更に、前記弾性変形部(110)の数は、前記細幅外歯(223)の歯数の約数であってもよい。これにより、複数の弾性体を外歯部材に組み付けることで、すべての第1および第2歯面の間に弾性変形部を配置することが可能となる。
本開示の変速機は、上記何れかの弾性部材(100,100B)と、前記外歯部材(220)と、前記内歯部材(430)と、入力部材(20i)と、出力部材(20o)と、複数の遊星歯車(21,22,23,24,25))と、複数の係合要素(C1,C2,C3,C4,B1,B2)とを含み、前記複数の係合要素(C1,C2,C3,C4,B1,B2)の係脱により複数の変速段を形成する変速機(20)において、前記外歯部材および前記内歯部材の一方(220)が、前記変速機(20)の第1の回転要素(22c)に連結され、前記外歯部材および前記内歯部材の他方(430)が、前記第1の回転要素(22c)とは異なる前記変速機(20)の第2の回転要素(20o)に連結されるものである。
かかる変速機では、外歯部材と内歯部材とのバックラッシュを弾性部材により低減することで、振動やノイズの発生を良好に抑制することが可能となる
また、前記外歯部材および前記内歯部材の前記一方(220)は、前記複数の遊星歯車のうち、前記複数の変速段の少なくとも何れかが形成される際に前記入力部材(20i)と前記出力部材(20o)との間における回転トルクの伝達に寄与しない所定の遊星歯車(22)の何れかの回転要素(22c)に連結されてもよく、前記外歯部材および前記内歯部材の前記他方(430)は、前記出力部材(20o)に連結されてもよい。
更に、前記外歯部材(220)は、前記所定の遊星歯車(22)の前記何れかの回転要素(22c)に連結されてもよく、前記内歯部材は、前記複数の係合要素の何れか(C4)に含まれると共に前記出力部材(20o)に連結されるドラム部材(430)であってもよい。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、バックラッシュを低減するための弾性部材や変速機の製造産業等において利用可能である。
10 動力伝達装置、11 トランスミッションケース、12 発進装置、13 フロントカバー、140 ポンプインペラ、142 タービンランナ、143 ステータ、144 ワンウェイクラッチ、15 ロックアップクラッチ、16 ダンパ機構、17 オイルポンプ、170 ロータ、171 外歯ギヤ、172 内歯ギヤ、18 チェーン、20 自動変速機、20f フランジ部、20i 入力軸、20m 中間軸、20o 出力軸、21 第1遊星歯車、21c 第1キャリヤ、21p 第1ピニオンギヤ、21r 第1リングギヤ、21s 第1サンギヤ、22 第2遊星歯車、22c 第2キャリヤ、22p 第2ピニオンギヤ、22r 第2リングギヤ、22s 第2サンギヤ、23c 第3キャリヤ、23p 第3ピニオンギヤ、23r 第3リングギヤ、23s 第3サンギヤ、24p 第4ピニオンギヤ、24s 第4サンギヤ、25 ラビニヨ式遊星歯車機構、100,100B 弾性部材、110 弾性変形部、111 第1当接部、112 第2当接部、113 傾斜部、114,115 側部、116 連結部、220 連結部材、221 外歯スプライン、222 太幅外歯、222a,222b 歯面、223 細幅外歯、223a,223b 歯面、224 浅溝部、225 深溝部、400 クラッチハブ、401 摩擦プレート、402 セパレータプレート、410 クラッチドラム、420 パーキングギヤ、430 ドラム部材、431 内歯スプライン、432 内歯、432a,432b 歯面、434 溝部、440 ピストン、450 キャンセル室画成部材、460 係合油室、470 遠心油圧キャンセル室、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3,C4 クラッチ、SP4 リターンスプリング。

Claims (14)

  1. 複数の外歯を有する外歯部材と、前記外歯部材の前記複数の外歯と噛み合う複数の内歯を有する内歯部材とのバックラッシュを低減する弾性部材において、
    前記外歯および前記内歯の一方の歯面である第1歯面と、前記外歯部材および前記内歯部材の周方向において前記第1歯面と対向する前記外歯および前記内歯の他方の歯面である第2歯面との間に配置される弾性変形部であって、前記第1歯面の歯すじ方向に離間するように形成されると共にそれぞれ前記第1歯面に当接する一対の第1当接部と、前記第2歯面に当接する第2当接部と、それぞれ対応する前記第1当接部と前記第2当接部との間で延在すると共に前記第1および第2歯面に対して互いに逆向きに傾斜した一対の傾斜部とを含む弾性変形部を備える弾性部材。
  2. 請求項1に記載の弾性部材において、前記弾性変形部は、前記第2当接部を頂部とする凸形状を呈する弾性部材。
  3. 請求項1または2に記載の弾性部材において、前記一対の傾斜部は、それぞれ真っ直ぐに延在する弾性部材。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の弾性部材において、
    前記一対の第1当接部の一方から前記外歯または前記内歯の前記歯すじ方向における一方の側面に当接するように延出された第1側部と、
    前記一対の第1当接部の他方から前記外歯または前記内歯の前記歯すじ方向における他方の側面に当接するように延出された第2側部とを更に含む弾性部材。
  5. 請求項4に記載の弾性部材において、前記第1および第2側部は、それぞれ対応する前記第1当接部から前記周方向において前記第2当接部の反対側に位置するように延出されている弾性部材。
  6. 請求項5に記載の弾性部材において、
    前記第1歯面は、前記外歯の歯面であり、前記第2歯面は、前記内歯の歯面であり、前記第1および第2側部は、それぞれ対応する前記第1当接部から前記外歯の対応する前記側面に当接するように延出されている弾性部材。
  7. 請求項4に記載の弾性部材において、
    前記第1および第2側部は、それぞれ対応する前記第1当接部から前記周方向において前記第2当接部側に位置するように延出されている弾性部材。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の弾性部材において、
    前記外歯部材から前記内歯部材に回転トルクが伝達され、
    前記第1歯面は、前記第2歯面よりも前記外歯部材から前記内歯部材に回転トルクが伝達される際の前記外歯部材および前記内歯部材の回転方向における前側に位置する弾性部材。
  9. 請求項5または6に記載の弾性部材において、
    前記外歯部材は、複数の太幅外歯と、前記太幅外歯よりも小さい歯幅を有する少なくとも1つの細幅外歯とを含み、
    前記細幅外歯は、前記外歯部材の主回転方向における後側の歯面を前記主回転方向における前側の歯面に近接させることで前記太幅外歯よりも小さい歯幅を有するように形成され、前記第1歯面は、前記細幅外歯の前記主回転方向における後側の歯面であり、前記第2歯面は、前記内歯の前記主回転方向における前側の歯面である弾性部材。
  10. 請求項9に記載の弾性部材において、
    前記細幅外歯の歯数よりも少ない複数の前記弾性変形部を備え、
    複数の前記弾性変形部が前記外歯部材の前記周方向に沿って並ぶように前記第1および第2側部の一方が互いに連結されている弾性部材。
  11. 請求項10に記載の弾性部材において、前記弾性変形部の数は、前記細幅外歯の歯数の約数である弾性部材。
  12. 請求項1から11の何れか一項に記載の弾性部材と、前記外歯部材と、前記内歯部材と、入力部材と、出力部材と、複数の遊星歯車と、複数の係合要素とを備え、前記複数の係合要素の係脱により複数の変速段を形成する変速機において、
    前記外歯部材および前記内歯部材の一方は、前記変速機の第1の回転要素に連結され、前記外歯部材および前記内歯部材の他方は、前記第1の回転要素とは異なる前記変速機の第2の回転要素に連結される変速機。
  13. 請求項12に記載の変速機において、
    前記外歯部材および前記内歯部材の前記一方は、前記複数の遊星歯車のうち、前記複数の変速段の少なくとも何れかが形成される際に前記入力部材と前記出力部材との間における回転トルクの伝達に寄与しない所定の遊星歯車の何れかの回転要素に連結され、
    前記外歯部材および前記内歯部材の前記他方は、前記出力部材に連結される変速機。
  14. 請求項13に記載の変速機において、
    前記外歯部材は、前記所定の遊星歯車の前記何れかの回転要素に連結され、
    前記内歯部材は、前記複数の係合要素の何れかに含まれると共に前記出力部材に連結されるドラム部材である変速機。
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