JP2019178125A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、高温及び輸送時の安定性に優れ、高保湿成分を配合しても後肌のべたつき感がなく、水による洗い流し後の保湿機能と、荒れ肌改善機能にも優れる水中油型乳化化粧料を提供することを課題とする。【解決手段】次の成分(A)〜(C);を含有する水中油型乳化化粧料。(A)分子内に複数の疎水基と複数の親水基とを有する多鎖多親水基型界面活性剤(B)炭素数12〜22の高級アルコール及び/又は炭素数12〜22の脂肪酸モノグリセリルから選ばれる一種又は二種以上(C)ペースト油【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化化粧料に関し、さらには、高温及び輸送時の安定性に優れ、高い保湿感でありながら後肌のべたつきがなく、水による洗い流し後の保湿機能と、荒れ肌改善機能にも優れる水中油型乳化化粧料に関するものである。
肌の乾燥を防ぎ、肌を保湿することは、化粧料にとって基本的な機能であり、肌を保湿することにより、肌荒れ改善、角層のターンオーバー改善など、様々な有用な効果が知られている。肌の乾燥は、特に界面活性剤によるNMF成分の流出や、塗擦刺激による角層ダメージが生じやすい、洗浄後において顕著となる。そのため、洗浄後の肌を保湿するばかりでなく、洗浄時においても様々な技術改善がなされており、例えば洗浄剤としては、洗浄時のマッサージ性を良好にして肌に保湿感を残す技術(特許文献1)や、活性剤の選択によりNMF成分の流出を抑制する技術(非特許文献1)が開発されている。また保湿剤としても、自己凝集力の高い活性剤を用いることで、水による洗い流し後にも油剤を肌に残す技術(特許文献2)等が開発されている。
特開2017−214372号公報 特開2017−178904号公報
化粧品技術者会誌 2001年 Vol.35 No.4 p.317−324
しかしながら、特許文献1や非特許文献1のような洗浄剤による保湿技術では、保湿効果の持続性の点で十分ではないという課題があった。また特許文献2の技術では、組成物の高温及び輸送時の安定性に関して、問題を生じる場合があった。
従って本発明では、高温及び輸送時の安定性に優れ、高保湿成分を配合しても後肌のべたつき感がなく、かつ水による洗い流し後の保湿機能と荒れ肌改善機能にも優れる水中油型乳化化粧料を提供することを課題とする。
かかる実情を鑑み、本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、分子内に複数の疎水基と複数の親水基とを有する多鎖多親水基型界面活性剤と、炭素数12〜22の高級アルコール及び/又は炭素数12〜22の脂肪酸モノグリセリルから選ばれる1種又は2種以上、及びペースト油成分を組み合わせて配合することで、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)分子内に複数の疎水基と複数の親水基とを有する多鎖多親水基型界面活性剤
(B)炭素数12〜22の高級アルコール及び/又は炭素数12〜22の脂肪酸モノグリセリルから選ばれる一種又は二種以上
(C)ペースト油
を含有する水中油型乳化化粧料、
または、前記成分(A)がジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムである前記水中油型乳化化粧料、
さらに成分(D)として、L−アスコルビン酸2−グルコシド、イソプロピルメチルフェノール、ナイアシンアミド、トラネキサム酸、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、ニコチン酸トコフェロール、アスタキサンチンから選択される一種又は二種以上を含む前記水中油型乳化化粧料に関する。
本発明の水中油型乳化化粧料は、高温及び輸送時の安定性に優れ、保湿感に優れながらも後肌のべたつきがなく、かつ水による洗い流し後の保湿機能にも優れるものである。そのため、水仕事等による肌荒れを防ぎ、保湿効果の持続性が高く、連用による肌荒れ改善効果を有する高保湿製剤として好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、「%」で表記する数値は、特に記載した場合を除き、質量を基準にした値である。
本発明に用いられる成分(A)分子内に複数の疎水基と複数の親水基とを有する多鎖多親水基型界面活性剤は、自己凝集力が強く、肌へ塗布した後に再乳化が起こりにくいため、特に、水による洗い流し後の保湿機能の維持に寄与する成分である。
成分(A)の疎水基としては、例えば、直鎖、分岐鎖、環状鎖の炭化水素鎖などの構造が挙げられ、また、炭素数8個以上20個以下の飽和又は不飽和の脂肪酸からなるアシル基が挙げられる。複数のアシル基は独立しており、異なっていても同一でもよい。
また、親水基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸残基、リン酸残基、アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジニウム基、スルホニウム基又はそれらの塩等、オキシアルキレン基、ポリエチレングリコール基等が挙げられる。塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機ア
ミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。
成分(A)の多鎖多親水基型界面活性剤として、具体的には、エチレンジコカミドポリエチレングリコールジ硫酸2ナトリウム、ビス(カルボキシメチル)コハク酸ジラウリル、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム等が挙げられるが、高温安定性に優れ、特に水による洗い流し後の保湿機能と、荒れ肌改善機能の観点から、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムが望ましい。市販品としては、ペリセアL−30(旭化成ファインケム株式会社)が挙げられる。
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、全化粧料中の好ましくは0.005〜5%であり、より好ましくは0.01〜1%であり、さらに好ましくは0.05〜0.5%である。この範囲であれば、高温の安定性に優れ、水による洗い流し後の保湿機能と荒れ肌改善機能にも優れた水中油型乳化化粧料が得られるため、好ましい。
本発明に用いられる成分(B)は、炭素数12〜22の高級アルコール及び/又は炭素数12〜22の脂肪酸モノグリセリルから選ばれる一種又は二種以上であり、界面を強固にすることで、成分(A)とともに、高温及び輸送時の安定性を向上する成分である。
炭素数12〜22の高級アルコールは、不飽和結合を含まない飽和高級アルコールであっても、不飽和高級アルコールであってもよい。具体的には、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール及びベヘニルアルコール等が挙げられる。また、2種のアルコールの混合物である、セトステアリルアルコール(セタノールとステアリルアルコールとの混合物)を用いることもできる。中でも、炭素数22のベヘニルアルコールや、2種のアルコールの混合物であるセトステアリルアルコールを、好ましく用いることができる。
炭素数12〜22の脂肪酸モノグリセリルとは、グリセリンの一つの水酸基が、炭素数12〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸とエステル結合した化合物をいう。炭素数12〜22の脂肪酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギン酸、及びベヘン酸等が挙げられる。中でも、炭素数18の脂肪酸モノグリセリルであるステアリン酸グリセリルが、乳化安定性が高く、好ましい。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、全化粧料中の好ましくは0.01〜5%であり、より好ましくは0.01〜2%である。この範囲であれば、高温及び輸送時の安定性に優れ、後肌のべたつき感がない水中油型乳化化粧料が得られるため、好ましい。
本発明に用いられる成分(C)ペースト油とは、常温(25℃)でペースト状を呈する油剤であり、30℃の粘度が5000〜100000mPa・sのものを指す。成分(C)は、高温及び輸送時の安定性と、保湿効果の持続性に寄与する。なお本発明において、前記粘度は、試料を30℃で一日放置後、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン型式VS−A1(芝浦システム社製)を用いて測定した。
成分(C)として、具体的には、カカオ脂、シアバター、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン)エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデマナッツ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上、用いることができる。
さらに成分(C)として、抱水力100以上のペースト油を用いることにより、水中油型乳化化粧料中の有効成分を肌上に留め、保湿機能と荒れ肌改善機能を向上するため、好適である。なお本発明において、前記抱水力とは、以下の試験法により算出した。
試験法:50℃に加熱した油剤10gを200mlビーカーに秤り取り、デスパーミキサーにて3000rpmで攪拌しながら50℃の精製水を徐々に添加し、水が排液しない最大限(質量g)を測定し、この数値を10で除し、100倍して抱水力とした。
抱水力が100以上のペースト油としては、例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジオクチルドデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)等のN−アシルアミノ酸エステル、ヒマシ油、シア脂、ヘキサグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、(アジピン酸/2−エチルヘキサン酸/ステアリン酸)グリセリルオリゴエステル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油等のグリセリン脂肪酸エステル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビスイソステアリル等のダイマー酸エステル、(12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリトール、(12−ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリトール等のジペンタエリストール脂肪酸エステル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、リシノール酸コレステリル等の脂肪酸コレステリルエステル、オレイン酸フィトステリル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル等の脂肪酸フィトステリルエステル等のステロール誘導体などが挙げられる。
市販品としては、エルデュウPS−203(抱水力300)、エルデュウPS−304(抱水力420)、エルデュウPS−306(抱水力470)(味の素社製)、PLANDOOL−S(抱水力300)(日本精化社製)、ビオデルマ SX−19<E>(抱水力110)(一丸ファルコス社製)キャストライドMS(抱水力110)(ナショナル美松社製)、テクノールMH(抱水力105)(横関油脂社製)等が挙げられる。
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、全化粧料中の好ましくは0.1〜50%であり、より好ましくは0.5〜25%である。また、抱水力が100以上のペースト油の含有量は、全化粧料中の1%以上であることが好ましい。この範囲であれば、高温及び輸送時の安定性に優れ、後肌のべたつき感がなく、保湿機能と荒れ肌改善機能に優れる水中油型乳化化粧料が得られるため、好ましい。
本発明には、さらに成分(D)として、L−アスコルビン酸2−グルコシド、イソプロピルメチルフェノール、ナイアシンアミド、トラネキサム酸、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、ニコチン酸トコフェロール、アスタキサンチンから選択される一種又は二種以上を用いることができる。成分(D)の含有量は、特に限定されず、各成分の有効性に応じて異なるが、有効量を含有することで、それぞれの有効性に応じた機能を付与することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料には、上記成分の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の化粧料等に含有される成分、すなわち、水、水性成分、油剤、粉体、水溶性高分子、皮膜形成剤、界面活性剤、油溶性ゲル化剤、着色剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、香料、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、美容成分等を含有することができる。
水及び水性成分は、本発明の水中油型乳化化粧料の外水相を構成するものであり、化粧料等に一般に用いられるものであれば、特に制限されない。水の他にも、温泉水、深層水、或いは植物の水蒸気蒸留水でもよく、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられる。これらのうち必要に応じて一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。また、水相の含有量として、使用感と安定性の観点から、全化粧料中の40〜85%であることが好ましい。
油剤は、水中油型乳化化粧料の内油相を構成するものであり、成分(C)以外の化粧料等に一般に用いられるものであれば、特に制限されない。また、油相の含有量として、使用感と安定性の観点から、全化粧料中の15〜60%であることが好ましい。
界面活性剤としては、成分(B)以外の非イオン性界面活性剤、成分(A)以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。例えば、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシドポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどを挙げられる。また、成分(A)(B)以外の界面活性剤の含有量としては、使用感と安定性の観点から、全化粧料中の0.1〜2%であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は、特に限定されず、通常公知の方法で製造可能であり、製造機器としては、一般のディスパーションのような分散・乳化機器であればいずれでもよい。例えば、成分(A)〜成分(C)を加熱溶解し、水相にディスパーションにより乳化混合後、成分(D)を添加することにより、水中油型乳化化粧料が得られる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、他の成分との併用により種々の性状とすることができる。具体的には、乳液状、クリーム状、固形状等が挙げられるが、乳液状、クリーム状がより好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料の用途としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、マッサージ化粧料、パック化粧料、ハンドクリーム、ハンドミルク、ボディローション、ボディミルク、ボディクリーム、メーキャップ化粧料、化粧用下地化粧料、目元用クリーム、日焼け止め、ヘアクリーム、ヘアワックス等が挙げられ、乳液、クリーム、ハンドクリーム、ハンドミルク、ボディミルク、ボディクリームが好ましい。また、その使用方法は、手や指、コットンで使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。さらに本発明の水中油型乳化化粧料は、塗布後に水で洗い流して使用することができ、ハンドクリームや目元用クリーム等の高保湿アイテムとして好適である。
本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、これによりなんら限定されるものではない。
実施例1〜22及び比較例1〜4:乳液
下記表1に示す処方の乳液を、下記の製造方法に基づき調製し、高温及び輸送時の安定性、後肌のべたつきのなさ、塗布直後の保湿感、洗い流し後の保湿機能、荒れ肌改善機能ついて下記の方法により評価した。その結果も併せて表1〜2に示す。
(製造方法)
A:成分1〜5を70℃で均一に混合溶解する。
B:成分6〜22を70℃で均一に混合溶解する。
C:AにBを加え乳化する。
D:Cに成分23〜27をを加え、乳化化粧料を得た。
(評価項目)
イ.安定性(高温条件下)
ロ.安定性(輸送時)
ハ.後肌のべたつきのなさ
ニ.塗布直後の保湿感
ホ.洗い流し後の保湿機能
ヘ.荒れ肌改善機能
(評価方法)
[イ.安定性(高温条件下)]
各試料をガラス製の規格びんに入れ、40℃に設定した恒温槽へ1ヶ月間静置保管した後、観察した結果を示す。
(判定):(試験結果)
〇 :製造直後と比較して変化なし
× :クリーミングが見られる
[ロ.安定性(輸送時)]
各試料を8号規格瓶に30ml充填し、振動機(MIX−101、旭テクノグラス社製)に粘着テープで固定し、目盛り12時の位置にて30分間振動させた。
(判定):(試験結果)
◎ :油剤の分離がなく、均一な乳化状態
〇 :油剤の水滴が数滴見られるが、ほぼ均一な乳化状態
× :油剤の分離が見られ、不均一な乳化状態
[ハ.後肌のべたつきのなさ]
20〜40代の女性で官能評価の訓練を受け、一定の基準で評価が可能な専門パネルを10名選定した。各試料を顔全体に使用してもらい、なじませた後の肌表面にべたつきを感じるかについて、下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
5点:べたつきを感じない
4点:ほとんどべたつきを感じない
3点:ややべたつきを感じる
2点:べたつきを感じる
1点:非常にべたつきを感じる
(4段階判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点を超える :非常に良好
○ :3点を超える4点以下:良好
△ :2点を超える3点以下:やや不良
× :2点以下 :不良
[ニ.塗布直後の保湿感]
前記の評価項目ハ(後肌のべたつきのなさ)と同様は評価を行い、下記4段階判定基準により判定した。
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
5点:
4点:
3点:
2点:
1点:
(4段階判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :4点を超える :非常に良好
○ :3点を超える4点以下:良好
△ :2点を超える3点以下:やや不良
× :2点以下 :不良
[ホ.洗い流し後の保湿機能]
両手の甲に肌荒れが見られる20〜40代の男性パネル6名、女性パネル1名を選定した。室温22℃、湿度50%に設定した室内で15分間順化してから、左右の手の甲の角層水分量をSKICON−200EX(アイ・ビイ・エス社製)を用いて測定した(初期値)。その後、一方の手の甲は無塗布、残りの一方は各試料2gを1日2回以上、手洗い後に塗布し、再度洗い流す工程を5日間、繰り返してもらった。6日後に、初期値測定時と同様に角層水分量を測定した(6日後測定値)。保湿力として、下記の式により値を算出した。
保湿力={各試料を塗布した側の水分量(6日後測定値)/各試料を塗布した側の水分量(初期値)}/{無塗布側の水分量(6日後測定値)/無塗布側の水分量(初期値)}
(4段階判定基準)
(判定):(保湿力の平均点)
◎ :2以上
○ :1.2以上2未満
△ :1.2未満
× :1.2以下
[ヘ.荒れ肌改善機能]
両手の甲に肌荒れが見られる20〜40代の男性パネル6名、女性パネル1名を選定した。室温22℃、湿度50%に設定した室内で15分間順化してから、左右の手の甲の角層状態をマイクロスコープカメラ(HIROX社製、DIGITAL MICROSCOPE KH−7700、40倍、斜光条件下)を用いて撮影した(初期状態)。その後、前記評価項目ホ(洗い流し後の保湿機能)と同様な工程を経て、6日後に、初期状態観察時と同様に角層状態の観察を行った(6日後の状態)。初期状態に対して6日後の状態を、下記の基準で判定した。
(4段階判定基準)
(判定):(評価)
◎ :角層のはがれが明らかに改善している
○ :角層のはがれがやや改善している
× :角層のはがれの改善が見られず初期値と同等である
表1の結果から明らかなように、実施例1〜20の乳液は、高温及び輸送時の安定性、後肌のべたつき感のなさ、塗布直後の保湿感、洗い流し後の保湿機能、荒れ肌改善機能の全ての評価項目において優れたものであった。
これに対して成分(A)に替えて他のアニオン界面活性剤を用いた比較例1は、後肌のべたつき感のなさ、塗布直後の保湿感、洗い流し後の保湿機能、荒れ肌改善機能において劣るものであった。
また、成分(B)を含有しない比較例2は、全ての評価項目において劣るものであった。
また、成分(C)に替えて液状油剤を用いた比較例3は、全ての評価項目において、本発明品に劣るものであった。
実施例21:ハンドクリーム
(成分) (%)
1.精製水 残量
2.ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム 0.2
3.(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー 1.0
4.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー 0.5
5.コレス−30 0.08
6.コレス−5 0.1
7.ステアリン酸グリセリル 0.5
8.セトステアリルアルコール 1.0
9.ワセリン 5.0
10.オレイン酸フィトステリル 1.0
11.マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 1.5
12.ジメチルポリシロキサン(10CS) 0.5
13.セラミド3 0.1
14.アスタキサンチン 0.1
15.トコフェロール 0.01
16.α−オレフィンオリゴマー 5.0
17.2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
18.水酸化ナトリウム 0.3
19.エタノール 3.0
20.香料 0.2
(製造方法)
A:成分1〜4を70℃で均一に混合溶解する。
B:成分5〜17を80℃で均一に溶解混合する。
C:AにBを添加し70℃で乳化する。
D:Cを40℃まで冷却した後、成分18〜20を添加混合し、ハンドクリームを得た。
実施例21の水中油型乳化化粧料は、、高温及び輸送時の安定性に優れ、後肌のべたつき感がなく、かつ洗い流し後の保湿機能と荒れ肌改善機能の全てにおいて優れたものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)分子内に複数の疎水基と複数の親水基とを有する多鎖多親水基型界面活性剤
    (B)炭素数12〜22の高級アルコール及び/又は炭素数12〜22の脂肪酸モノグリセリルから選ばれる一種又は二種以上
    (C)ペースト油
    を含有する水中油型乳化化粧料。
  2. 成分(A)がジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムである請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
  3. さらに成分(D)として、L−アスコルビン酸2−グルコシド、イソプロピルメチルフェノール、ナイアシンアミド、トラネキサム酸、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、ニコチン酸トコフェロール、アスタキサンチンから選択される一種又は二種以上を含有する請求項1〜2に記載の水中油型乳化化粧料。
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