JP2019177759A - 動力伝達装置の減衰構造 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上述したプロペラシャフトでは、シャフトの軸線方向に沿った動きに起因する車体の振動を抑制することは困難であった。
なお、図1は本発明の一実施形態である動力伝達装置の減衰構造が設けられる位置を示す模式図である。図2は、動力伝達装置の減衰構造の一部拡大断面図である。
エンジン101は、ガソリンなどを燃焼させることで車両が走行するための動力を発生することが可能な内燃機関である。本発明においては、動力源として機能するものであればエンジンに限らず、電動のモータであっても良い。
トランスミッション102は、動力源であるエンジン101の動力を、適宜のギアを用いてトルク、回転数及び回転方向などを変えてプロペラシャフト103に伝達する。本発明においては、ギアに代えてベルト及びプーリなどを用いた無段変速機であっても良い。
プロペラシャフト103は、トランスミッション102から後方に延在し、適宜のギア、ユニバーサルジョイントなどを介して、エンジン101の動力をトランスミッション102から駆動輪に対して伝達する軸状部材である。プロペラシャフト103は本発明における伝達用シャフトの一形態である。本発明における伝達用シャフトは、駆動源から動力を取り出し、伝達する軸状部材である限り、全輪駆動車におけるプロペラシャフト、前輪駆動車におけるドライブシャフトなどであっても良い。
なお、凹部4内にもオイルが満たされている。
本体部61は、円柱形を成し、ミッションケース1の後端開口部から挿入される部位であり、周面がオイルシール3に摺接している。
縮径部62は、円柱形を成し、本体部61の前端部から前方に突出する部位であり、本体部61に比べて径が小さく形成されている。縮径部62は、図2に示すように、アウトプットシャフト2の凹部4に挿入可能になっている。縮径部62の外周面には外側に張り出すようにスプライン部63が突設されている。スプライン部63は、縮径部62が凹部4に挿入されたときに、凹部4の歯5と歯合可能に形成されている。歯5とスプライン部63との歯合によってアウトプットシャフト2とプロペラシャフト103との係合状態が実現する。アウトプットシャフト2とプロペラシャフト103とが歯5及びスプライン部63を介して係合することで、アウトプットシャフト2が回転すると、プロペラシャフト103も同方向及び同速度で回転することが可能となる。
具体的には、挿入部6の先端部、つまり縮径部62の端部において、孔部7が形成されている。孔部7は、プロペラシャフト103の軸線方向に沿って延在する断面円形状の凹状部位である。
ダンパ部8は、孔部7の開口部に設けられ、孔部7に作用する圧力変動を減衰する。上述したようにプロペラシャフト103には図2に白色矢印で示すようにプロペラシャフト103の軸線方向に沿った動きが生じることがある。本発明においてダンパ部としては、プロペラシャフト103の動きによって孔部7に作用する圧力が変動したときにその圧力変動を低減することができる限り、様々な形態を採り得る。図2に示したダンパ部8及び変形例であるダンパ部80及び800について、図3を参照しつつ詳述する。
なお、図3(a)〜(c)は、図2に示したダンパ部8及び変形形態であるダンパ部80及び800を示す一部拡大断面図である。
カバー部81は、孔部7の開口部に固定的に配置され、該開口部を閉塞する。カバー部81はオイルによる変質が少ない材料により形成されている。
オリフィス82は、カバー部81に形成された小径の貫通孔である。図3(a)に矢印で示すように、オリフィス82を介してオイルが孔部7内に浸入可能となっている。なお、オリフィス82は、プロペラシャフト103に軸線方向に沿った動きが生じていないときには孔部7内にオイルが浸入せず、動きが生じたときにオイルが浸入可能な数、大きさ及び形状に設定されている。
一方側への動きが生じたときにオイルがオリフィス82を通って孔部7内に浸入すると共に、孔部7内がオイルで満たされていれば他方側への動きが生じたときにオイルがオリフィス82を通って孔部7外に浸出する。
カバー部801は、上記カバー部81と略同様の部材であり、孔部7の開口部に固定的に配置され、該開口部を閉塞する。
第1弁体802は、カバー部801に形成され、一方向にのみ開弁することが可能な逆止弁である。また、第2弁体803は、第1弁体802と同様に、カバー部801に形成され、一方向にのみ開弁することが可能な逆止弁である。第1弁体802と第2弁体803とは、開弁方向がプロペラシャフト113の軸線方向の一方側(例えば図3(b)の右側)又は他方側(例えば図3(b)の左側)を指向するように、互いに逆向きに設けられている。図3(b)に矢印で示すように、第1弁体802を介してオイルが孔部7内に浸入可能でかつ第2弁体803を介してオイルが孔部7内から浸出可能となっている。なお、第1弁体802及び第2弁体803は、プロペラシャフト113に軸線方向に沿った動きが生じていないときには孔部7内外にオイルが浸出入せず、動きが生じたときにオイルが浸出入可能な数、大きさ及び形状に設定されている。
挿入部6がより一層ミッションケース1に挿入される方向(図3(b)の左側)への動きがプロペラシャフト113に生じたときにオイルが第1弁体802を通って孔部7内に浸入する。また、挿入部6がミッションケース1から抜去される方向(図3(b)の右側)への動きがプロペラシャフト113に生じたときにオイルが第2弁体803を通って孔部7外に浸出する。
本実施形態に係る孔部7は中空である。
膜部804は、孔部7の開口部に固定的に配置され、該開口部を気密に閉塞する。膜部804は可撓性を有する膜状部材であり、オイルによって変質が少ない材料により形成されている。
図3(c)に矢印で示すように、膜部804はプロペラシャフト123の軸線方向の一方側及び他方側への撓み変形が可能となっている。なお、膜部804の撓み変形が生じた後に、膜部804自体の復元力によって初期位置に戻る。
挿入部6がより一層ミッションケース1に挿入される方向(図3(c)の左側)への動きがプロペラシャフト123に生じたときに、膜部804がプロペラシャフト123の動きとは逆方向(図3(c)の右側)に撓み変形する。また、挿入部6がミッションケース1から抜去される方向(図3(c)の右側)への動きがプロペラシャフト123に生じたときに、膜部804がプロペラシャフト123の動きとは逆方向(図3(c)の左側)に撓み変形する。
Claims (5)
- オイルが内部に満たされて成るミッションケースと、
前記ミッションケース内部に配置され、エンジンの動力が伝達されて回転するアウトプットシャフトと、
前記ミッションケースに挿入される挿入部を有し、前記アウトプットシャフトに係合して回転が伝達される伝達用シャフトと、を備え、
前記伝達用シャフトは、前記ミッションケース内において孔部と、前記孔部の開口部に設けられるダンパ部と、を有する、
動力伝達装置の減衰構造。 - 前記アウトプットシャフトは、内周面に歯が設けられて成り、前記アウトプットシャフトの軸線方向に沿って延在する凹部を有し、
前記伝達用シャフトは、前記挿入部の外周面において前記凹部に挿入されたときに前記歯に歯合するスプライン部を有し、
前記孔部は、前記挿入部の端部において前記伝達用シャフトの軸線方向に沿って設けられる、
請求項1に記載の動力伝達装置の減衰構造。 - 前記ダンパ部は、前記孔部の前記開口部を覆うカバー部と、前記カバー部に設けられる貫通孔とを有する、
請求項1又は2に記載の動力伝達装置の減衰構造。 - 前記ダンパ部は、前記孔部の前記開口部を覆うカバー部と、前記カバー部に設けられ、一方向にのみ開弁することが可能な少なくとも2つの弁体とを有し、
前記弁体は、開弁方向が前記伝達用シャフトの軸線方向の一方側又は他方側を指向するように互いに逆向きに設けられる、
請求項1又は2に記載の動力伝達装置の減衰構造。 - 前記孔部は中空であり、
前記ダンパ部は、前記孔部の前記開口部を気密に覆う、可撓性を有する膜部材である、
請求項1又は2に記載の動力伝達装置の減衰構造。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024090500A1 (ja) * | 2022-10-28 | 2024-05-02 | 日本精工株式会社 | 回転支持装置、及び軸支持装置の支持機構位置調整機構 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02102827U (ja) * | 1989-01-31 | 1990-08-15 | ||
JPH0415317A (ja) * | 1990-05-01 | 1992-01-20 | Nissan Motor Co Ltd | スプライン結合機構 |
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- 2018-03-30 JP JP2018067690A patent/JP7049890B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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