本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、パチンコ遊技機3に対応して設けられる遊技場用システム1Sに関する例である。以下、図1〜図11を参照して遊技装置1を説明する。
遊技場では、図1のごとく、パチンコ遊技機3(以下、単に遊技機3という。)に対して、遊技装置1や情報表示装置51等が個別に設置されている。玉やポイント等の遊技価値の付与機能や計数機能を備える遊技装置1は、対応する遊技機3と隣り合う他の遊技機3との間の隙間のスペースに設置されている。遊技装置1は、対応する遊技機3の左側(スロットマシンの場合は右側)に配置され、呼出ランプを備える情報表示装置51は遊技機3の上方に設置される。なお、遊技場には、パチンコ遊技機3以外にスロットマシンなども設置されている。本例では、このような種別の異なる遊技機を他種別の遊技機という。
遊技場内の通路に面して遊技機3が配列された遊技島では、2台の遊技機3毎に1台ずつ中継装置54が設置されている。また、遊技場内に設けられた管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置50が設置されている。遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値を景品に交換するための景品カウンタには、景品交換のためのPOS端末55が設置されている。また、遊技機3Aが配列された遊技島の島端等には、遊技カード53(図2)に記録された残高(プリペイド残高)の精算を受け付ける残高精算機(図示略)が設置されている。
遊技場では、管理装置50が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機3は、対応する情報表示装置51及び遊技装置1と共に、中継装置54を介して場内ネットワーク500に接続されている。場内ネットワーク500を利用した遊技場の場内システムでは、遊技装置1等の周辺装置を含めた遊技機3側と管理装置50との間の各種の通信が中継装置54を介して実現されている。
管理装置50は、遊技場に設置された各種の機器の動作状態を管理するほか、各遊技機3の遊技データを収集して遊技機3単位で管理している。さらに、管理装置50は、遊技者が所持する遊技カード53に記録される残高や持玉などの価値を記憶し、遊技カード53の識別情報であるカードIDを対応付けて管理している。
以下、遊技機3及び遊技装置1の構成及び動作を詳しく説明する。本例の遊技場用システム1Sは、遊技者が遊技により獲得した遊技価値の取り扱いについて、遊技者側の利便性を向上するためのシステムである。この遊技場用システム1Sは、遊技価値を獲得するために遊技が行われる遊技機3、及び遊技者が獲得した遊技価値である所有価値を取り扱う遊技装置1を中心として構成され、管理装置50や中継装置54や場内ネットワーク500を利用して実現されている。
(遊技機)
遊技機3は、(パチンコ)玉を遊技媒体として遊技が行われる種別の遊技機である。遊技場に設置される遊技機3としては、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算されるポイント(遊技価値)を記憶する形式の第1の遊技機である所謂封入式の遊技機3Aと、遊技価値である玉を消費して遊技され、遊技で入賞すると玉の払出を受けられる形式の第2の遊技機である払出式の遊技機3Bと、がある。
さらに、封入式の遊技機(第1の遊技機)3A及び払出式の遊技機(第2の遊技機)3Bのうちの少なくともいずれかには、遊技価値のレートが異なる遊技機が含まれている。例示する遊技場では、遊技機3A・Bとして、玉1個に相当する遊技価値である遊技玉あるいはポイントのレートが異なる4円パチンコ(1玉=4円)と、2円パチンコ(1玉=2円)と、1円パチンコ(1玉=1円)と、が導入されている。このような遊技機3の構成に対応できるよう、本例の遊技場用システム1Sは、遊技価値のレートが異なる複数種類の遊技機3に対応して設けられたシステムとなっている。
封入式の遊技機3Aは、遊技媒体である玉が封入されており、遊技者側に玉が払い出されることがない。玉は、遊技領域である盤面330(図2)への発射→盤面330からの排出を繰り返し、遊技機3Aの内部で循環する。この遊技機3Aは、遊技価値をなすポイントを記憶する機能を備えている。遊技機3Aでは、このポイントを1Pずつ消費して玉を発射でき、いずれかの入賞口に玉が入賞すればポイントを獲得でき、遊技機3Aが記憶するポイントが加算更新される。
以下、封入式の遊技機3Aを例にして、パチンコ遊技機の構成を概説する。図2のごとく、この遊技機3Aは、第1始動口31及び第2始動口32への入賞に応じて大当り抽選を実行する、いわゆるセブン機である。このパチンコ遊技機3Aは、大当り抽選に応じて図柄変動を実行するゲームを開始し、大当り図柄の停止表示により大当り当選を報知する。大当り当選が発生すれば、大入賞口360が開放されるラウンドが複数回繰り返される有利な大当り状態に移行できる。
パチンコ遊技機3Aの前面には、遊技席に着席した遊技者に対面するように盤面330が設けられている。この盤面330の下方には、払出式の遊技機3Bにおける上皿に代えて、棚状に遊技者側に張り出すカウンター部35が設けられている。さらにカウンター部35の下方、遊技者側から向かって右側には、盤面330に打ち込む玉の発射強度を調節するために遊技者が操作する操作ハンドル335が立設されている。
カウンター部35では、玉を貯留するための窪みが設けられた払出式の遊技機3Bの上皿とは異なり、上面が略面一に形成されている。カウンター部35の上面の中央付近には、6個の7セグメント表示器が横一列に配置された遊技玉P表示部355が埋め込まれている。遊技玉P表示部355の左側には、計数ボタン357が配置され、同右側には、残高表示部351、貸玉ボタン352、返却ボタン353等が配置されている。
遊技玉P表示部355は、遊技者が遊技により獲得し遊技機3Aが記憶している遊技価値であるポイントの数量の表示部である。1ポイントは、玉1個分に対応している。遊技玉P表示部355に表示されるポイントは、払出式の遊技機3Bにおける遊技者の手元にある計数前の遊技玉の数量に相当している。
計数ボタン357は、遊技機3Aが記憶するポイントを計数して持玉(所有価値)に移行する計数処理を実行させる計数操作の操作ボタンである。この計数ボタン357は、遊技機3Aにより記憶される遊技価値の全部または一部を中継カード57(所有価値記憶手段)により記憶される持玉(所有価値)に移行するために遊技者が行う所定の計数操作を受け付ける計数操作受付手段としての機能を有している。
残高表示部351は、遊技装置1Aが受け付けた貨幣(貨幣価値)のうちの残りの金額である残高(プリペイド残高)を表示する表示部である。
貸玉ボタン352は、残高を対価としてポイントの付与を受けるための操作ボタンである。
返却ボタン353は、遊技装置1Aに残高や持玉が残存する状態で遊技を終了等するときに遊技カード53を返却あるいは発行等させるための所定の発行操作のための操作ボタンである。遊技装置1Aに持玉や残高がある状態で遊技を終了する場合、この返却ボタン353の押下げ操作により、持玉や残高が記録された遊技カード53の返却あるいは発行を受けることができる。
なお、遊技機3Aが記憶するポイントの計数処理、ポイントの付与処理、遊技カード53の返却処理等については、遊技装置1の動作と密接に関わっている。そこで、これらの処理の内容については、遊技装置1の構成を説明した後で説明する。
盤面330は、玉が流下する領域である。盤面330には、液晶表示部390を含む表示装置39を中心として、第1及び第2始動口31、32、通過ゲート34、開閉式の大入賞装置36等が配置されている。盤面330の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔338が開口している。
遊技者側から向かって表示装置39の右側には、通過ゲート34、一般入賞口343が配置され、表示装置39の右下に第2始動口32が配置されている。表示装置39の真下には、第1始動口31が配置され、第1始動口31と第2始動口32との間のスペースの下方に大入賞装置36が配置されている。さらに表示装置39の左下には、もう一つの一般入賞口345が配置されている。一般入賞口343、345への玉の入賞に応じて遊技者が獲得できるポイントは12Pである。
通過ゲート34は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート34には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート34が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
第1始動口31は、第1の特別図柄の当否判定(以下、第1特図判定という。)の契機となる始動口である。第2始動口32は、第2の特別図柄の当否判定(以下、第2特図判定という。)の契機となる始動口である。表示装置39の直下に配置される第1始動口31は、入賞率が変動しない、いわゆるへそタイプの始動口である。第2始動口32は、電チュータイプの始動口である。第2始動口32の開口部320には、一対の可動羽根が回動して第2始動口32への入賞確率を高める電動チューリップ321が取り付けられている。この電動チューリップ321は、上記の普図判定の当選(普図当選)に応じて動作し、第2始動口32を開放する。第1始動口31及び第2始動口32に玉が入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは3Pとなっている。
大入賞装置36は、大入賞口360を開口させる、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。アタッカー36は、横長矩形状の大入賞口360と、下開きで回動してこの大入賞口360を開閉する蓋部材361と、を有している。アタッカー36では、通常、蓋部材361が盤面330と略面一をなしており、大入賞口360が閉鎖されている。蓋部材361が手前に回動したときに大入賞口360が開放状態となる。なお、大入賞口360に入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは15Pとなっている。
アタッカー36は、第1特図判定または第2特図判定により大当りが発生すると開放状態になる。大当りを契機とする大当り状態では、30秒経過あるいは玉が10個入賞するまでアタッカー36が開放されるラウンド処理が繰り返し実行される。なお、大当り状態としては、ラウンド処理の回数が2回の2R大当り状態と、同4回の4R大当り状態と、同8回の8R大当り状態と、がある。
表示装置39は、図2のごとく、外枠の内側に液晶表示部(演出表示部)390が配置された装置である。外枠の上部右側には、普図判定の当否を報知する普図表示部381、普図保留表示部382が配置されている。また、外枠の下部の左右には、第1特図保留表示部395Aと第2特図保留表示部395Bとが配設されている。
普図表示部381は、内部にLEDが仕込まれた〇と×の表示部により形成されている。普図表示部381は、〇と×のいずれかの点灯表示により普図判定の当否を報知する。普図保留表示部382は、LEDが4個並べて配置された表示部である。普図保留表示部382は、抽出された普図判定の抽選用乱数のうち、当否が未報知の保留乱数(普図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
第1(第2)特図保留表示部395A(395B)は、普図保留表示部382と同様、LEDが4個並べて配置された表示部である。第1(第2)特図保留表示部395A(395B)は、抽出された第1(第2)特図判定の抽選用乱数のうち、当否を未報知の保留乱数(第1(第2)特図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
特図表示部としての液晶表示部390は、3桁の数字図柄を変動表示し、停止した3桁の数字図柄の組み合わせにより特図判定の当否を報知する。3桁のゾロ目が大当りを報知する大当り図柄となっている。後述する通り、この大当り図柄を構成する数字によって、大当りの種類、及び確変大当りであるか通常大当りであるかが異なってくる。
特図判定の当否を報知する際、3桁の数字図柄が左→右→中の順番で停止する。この報知演出においては、左と右で同じ数字図柄が停止し、中の数字図柄が変動表示中というリーチ演出が発生する場合がある。このリーチ演出には、シーンの切替が発生してキャラクタなどが登場するスーパーリーチ演出等が含まれている。
次に、遊技機3Aの電気的な構成について、図3を用いて説明する。遊技機3Aは、主回路40を中心として構成されている。主回路40に対しては、上記の構成のほか、遊技者が獲得した遊技価値であるポイントを記憶する記憶部43、玉の打込を制御する発射制御回路44、設定値を設定するための確率設定部47、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ411〜415、第2始動口32を開放する電チューソレノイド422、アタッカー36を開放させる大入賞口ソレノイド424、遊技演出を制御する演出制御回路45、I/F部48等が電気的に接続されている。さらに、主回路40には、電力を供給するための電源回路部428が接続されている。
記憶部43は、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算されるポイント(遊技価値)を記憶する記憶手段である。遊技機3Aでは、遊技価値であるポイントを1P消費して、遊技媒体である玉を発射できる。
発射制御回路44は、操作ハンドル335の操作量に応じて発射装置441を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
確率設定部47は、大当りの当選確率等を複数段階で設定するための設定手段である。この確率設定部47は、遊技機3Aの前面をなす開閉扉を開けたときにアクセス可能な遊技機の内部に設けられている。さらに確率設定部47には、操作のための専用の設定キー470が用意されている。設定値の変更作業等は、設定キー470を所持する一部の従業員が、閉店後などの営業時間外に実施する運用が一般的となっている。
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、図3のごとく、第1始動口31(図2)への入賞玉を検出する第1特図入賞センサ411、第2始動口32への入賞玉を検出する第2特図入賞センサ412、通過ゲート34の通過玉を検出する普図始動センサ413、大入賞口360への入賞玉を検出する大入賞センサ414、及び一般入賞口343、345への入賞玉を検出する一般入賞センサ415等がある。
演出制御回路45は、遊技演出動作を制御するための副制御部としての機能を有し、CPU(Central Processing Unit)451、ROM(Read Only Memory)452、RAM(Random Access Memory)453等を含んで構成されている。ROM452は、CPU451に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図判定の当否を報知するための報知演出の種類を決定するための演出抽選テーブルを記憶している。演出制御回路45には、アンプ/スピーカ331や装飾ランプ336や液晶表示部390等が電気的に接続されている。
演出抽選テーブルは、上記のスーパーリーチ演出を含む各種の演出の当選乱数が規定された抽選テーブルである。演出抽選テーブルは、設定値1〜6の6段階の設定値毎に用意されている。例えば設定値5や6などの高設定ほど、スーパーリーチ演出の当選乱数の規定数を多くすることも良い。この場合には、スーパーリーチ演出の出現頻度に応じて設定値を推定する楽しみを遊技者側に提供できる。
I/F部48は、中継装置54、遊技装置1Aなどの外部機器とのインターフェースである。遊技機3Aは、I/F部48を介して中継装置54に遊技信号を出力するほか、遊技装置1Aとの間での信号や情報の送受信が可能になっている。なお、遊技装置1Aと遊技機3Aとの間で送受信される信号や情報の構成については、遊技装置1Aの構成を説明した後で説明する。
主回路40は、図3に示すごとく、CPU401、記憶素子であるROM402・RAM403、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部407、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部406等を備えている。
ROM402は、CPU401に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、第1特図判定及び第2特図判定に共用される抽選テーブル(以下、特図判定用の抽選テーブルという。)と、普図判定用の抽選テーブルと、を記憶している。
普図判定用の抽選テーブルは、普図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。普図判定用の抽選テーブルとしては、通常状態下の普図判定に適用する抽選テーブルと、時短状態(確変状態を含む)下の普図判定に適用する抽選テーブルと、の2種類が用意されている。普図判定用の抽選テーブルは、6段階の設定値について1種類の抽選テーブルが共用される。そのため、普図当選の確率については、設定値による違いが生じない。
特図判定用の抽選テーブルは、特図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。特図判定用の抽選テーブルとしては、設定値1〜6の6段階の設定値毎に、通常状態(時短状態を含む)下の特図判定用の抽選テーブルと、確変状態下の特図判定用の抽選テーブルと、が用意されている。つまり、特図判定用の抽選テーブルとしては、6段階の設定値、及び確変状態であるか通常状態であるか、の組合せによる12種類が用意されている。第1特図判定あるいは第2特図判定時には、この12種類の抽選テーブルのうちのいずれかが、設定値及び遊技状態の種類に応じて択一的に選択される。
特図判定の当選乱数の個数は設定値に応じて相違しており、設定値5や6などの高設定ほど大当りの当選乱数が多く設定されている。これにより、本例の遊技機3Aでは、設定値(モード)毎、遊技状態毎の大当り確率が表1のようになっている。
表1に例示するように、いずれかの大当りが当選する確率は、高設定ほど高い確率になっており、確変状態であればさらに有利になっている。なお、設定値、遊技状態に関わらず、大当りに当選した場合の8R大当り、4R大当り、2R大当りの振分率は、それぞれ、40%、50%、10%となっている。また、大当りの当選確率が高くなる確変状態の振分率は、大当りの種類によらず66%となっている。
RAM403は、図3のごとく、CPU401のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM403の記憶領域には、第1始動口31への入賞に対応する第1特図保留や、第2始動口32への入賞に対応する第2特図保留や、普図判定用の普図保留等の一時的な記憶エリアが設けられている。
主回路40は、ROM402から読み出したプログラムをCPU401に実行させることにより、以下の(1)〜(4)の各手段としての機能を実現する。また、演出制御回路45は、同様に、以下の(5)、(6)の手段としての機能を実現する。
(1)抽選手段:大当り抽選である特図判定を実行する手段。
(2)保留手段:特図判定用及び普図判定用の抽選用乱数を、特図保留あるいは普図保留として記憶し保留する手段。
(3)読出手段:特図判定用の抽選用乱数である特図保留を読み出す手段。読出手段は、第1特図保留よりも第2特図保留を優先して実行する。
(4)大当り状態発生手段:特図判定の当否に応じて、大当り状態を発生させる手段。
(5)動作切替手段:設定値に対応する遊技動作への切替を実行する手段。動作切替手段は、特図判定用の抽選テーブルの切替や、演出抽選用の抽選テーブルの切替等により、遊技機3Aによる遊技動作を設定値に応じて切り替える。
(6)演出抽選手段:特図判定結果の報知演出の種類を決定するための演出抽選を実行する手段。
次に、以上のように構成された本例のパチンコ遊技機3Aの基本動作について概説する。主回路40は、操作ハンドル335に対する操作を検出すると、記憶部43が記憶するポイントの残存数量を参照する。ポイントの残存数量があれば、1P分の減算を引き換えに玉を1個発射するよう、発射制御回路44を介して発射装置441を制御する。このように発射された玉は、通過ゲート34などが配置された盤面330を流下する。入賞しなかった玉は、盤面330の最下部に設けられたアウト孔138から回収される。
主回路40は、通過ゲート34を通過する玉を検出したとき、乱数発生部407が発生する乱数の中から普図判定の抽選用乱数を抽出する抽選処理を実行する。主回路40は、この抽選用乱数を普図判定用の抽選テーブルと照合することにより、普図判定の結果を決定する。このとき、主回路40は遊技状態を参照し、普図表示部381を変動表示させる時間である普図の変動時間を併せて決定する。普図の変動時間としては、遊技状態が通常状態であれば30秒に決定され、時短状態であれば3秒に決定される。普図判定の結果が当選のときには、普図表示部381の○×が交互に点灯する変動表示の後、○が点灯状態となる。ハズレのときには、変動表示の後、×が点灯状態となる。主回路40は、普図判定に当選したとき、第2始動口32の電動チューリップ321を開放させる。なお、電動チューリップ321の開放時間は、通常状態において0.2秒×1回、時短状態(確変状態を含む)において5秒×1回となっている。
主回路40は、第1(第2)始動口31(32)への入賞玉を検出すると第1(第2)特図判定の抽選用乱数の抽出を実行し、第1(第2)特図保留として記憶する。ただし、第1(第2)特図保留の数が上限個数の4個である場合には、抽選用乱数は第1(第2)特図保留として記憶されることなくそのまま消去される。
大当り状態が発生中ではないとき、主回路40は、図柄変動の停止中に第1特図保留あるいは第2特図保留を記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出す。そして、読み出した特図保留の抽選用乱数を特図判定用の抽選テーブルと照合して特図判定の当否(大当りかハズレか)、及び特図の変動時間を決定する。なお、特図保留の読出に当たっては、第2特図保留が優先的に読み出される。第1特図保留については、第2特図保留が無い場合に読み出される。
主回路40は、特図判定の抽選結果(大当り抽選の当否、及び特図の変動時間)を演出制御回路45に入力する。特図判定の抽選結果を入力された演出制御回路45は、上記の演出抽選テーブルによる演出抽選を実行する。この演出抽選では、スーパーリーチ演出などの特別演出を含め、特図判定の抽選結果を報知するための演出の方法や内容が決定される。
演出制御回路45は、演出抽選の抽選結果に応じて液晶表示部390(表示装置39)による報知演出を開始させる。演出制御回路45は、特図当選である大当りの場合、中央の図柄を残して両側に同じ数字の図柄を停止表示するリーチ演出を含む図柄の変動表示の後、同じ数字の図柄の組合せである大当り図柄を液晶表示部390の表示画面391に停止表示させる。
8R大当りか4R大当りか2R大当りかの大当りの種類、及び確変大当りか通常大当りかは、停止表示された数字に応じて異なる。例えば、7の数字図柄による大当り図柄は、確変8R大当りであり、3の数字図柄による大当り図柄は、確変4R大当りである。一方、5の数字図柄による大当り図柄は、通常8R大当りである、このように大当り図柄を構成する数字の種類に応じて大当りの種類や、確変大当りか通常大当りかが報知される。
主回路40は、液晶表示部390による大当り図柄の停止表示による大当り(特図当選)の報知の後、大当り状態を発生させる。大当り状態では、30秒経過するか10個入賞するまで大入賞装置36を開放するラウンド処理が繰返し実行される。なお、1回のラウンド処理で遊技者が獲得できる平均的なポイントは150Pとなっている。これは、払出式の遊技機3Bの出玉150玉に相当している。
主回路40は、通常大当り状態の終了後には、第2始動口32の入賞確率が高くなる電動サポート有りの時短状態を、例えば図柄変動100回転に亘って発生させる。また、確変大当り状態の終了後には確変状態を発生させる。この確変状態は、時短状態を伴って発生し、新たな大当り状態の発生に応じて終了する。したがって、確変大当りが発生すれば、大当り状態が連続的に発生する連荘が確定する。
払出式の遊技機3Bを含め、遊技機3が遊技中に外部出力する主な遊技信号としては、例えば以下の遊技信号がある。
(1)アウト信号:遊技機3から出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定できる。なお、払出式の遊技機3Bであれば、消費玉を回収するアウトBOXから出力される信号をアウト信号としても良い。
(2)セーフ信号:遊技機3から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた付与ポイント10Pあるいは払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定できる。なお、払出式の遊技機3Bであれば、図示しない玉の補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。また、セーフ信号には、玉あるいはポイントを実際に払出あるいは付与した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払出あるいは付与が予約された場合に出力される入賞セーフ信号と、があるが、いずれであっても良い。
(3)スタート信号:遊技機3から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する役物である液晶表示部390におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)、及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定できる。なお、第1(第2)始動口31(32)へ入賞したことを示すS入賞信号による代用も可能である。
(4)大当り信号:遊技機3から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定できる。
(5)特別状態信号:遊技機3から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口32の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定できる。大当り中にも出力される特別状態信号であっても良く、この場合は、特別状態信号は入力するが大当り信号は入力しない期間を甘中と判定すれば良い。なお、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定すると良い。
(6)ID信号:遊技機3Aから出力される遊技機固有の遊技機IDを特定可能な信号。パルス信号としても良いが、データ信号としても良く、例えば電源投入時に出力すれば良い。
なお、遊技信号としては、上記のパルス信号や状態信号に代えて、一括した遊技情報あるいは複数の遊技情報を例えば電文によりまとめたデータ信号としても良い。この場合、例えば200ミリ秒などの所定期間単位でデータを集計し、その集計したデータやその時点における状態を特定可能な電文によるデータ信号を送信対象としても良い。この場合、遊技機3Aと遊技装置1Aとの間でデータ通信することで特定した遊技情報を、中継装置54を介して管理装置50に送信するような構成を採用することが望ましい。
また、遊技装置1Aと遊技機3Aとの間では、遊技価値であるポイントの付与処理や、ポイントの計数処理等を実現するために各種の信号や情報がやり取りされる。遊技機3Aが出力する信号等を含め、これらの信号等の構成及び内容については、遊技装置1の構成を説明した後で説明する。
(遊技装置)
遊技装置1は、遊技機3単位で対応して設けられている。遊技装置1は、遊技に必要な玉やポイントを付与する付与処理や、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値(獲得玉や獲得ポイント)を計数する計数処理等を実行する装置である。遊技場では、遊技装置1を利用して遊技に必要な玉やポイントの付与を受けると、対応する遊技機3での遊技が可能となる。
払出式の遊技機3Bに対応する遊技装置1Bは、遊技媒体であって遊技価値でもある玉の付与処理や計数処理等を実行する。封入式の遊技機3Aに対応する遊技装置1Aは、遊技価値であるポイントの付与処理や計数処理等を実行する。これらの遊技装置1は、遊技者側の所有価値を対価として、ノズルから玉を払い出すか、ポイントを付与するか、という点で相違するが基本的な構成は共通している。
封入式の遊技機3Aに対応する遊技装置1Aが後述の中継カード57を経由して遊技カード53と遊技機1Aとの間で遊技価値を移行する構成を採用している一方、払出式の遊技機3Bに対応する遊技装置1Bは中継カード57を利用しない点で、両者は相違している。共通の仕様を採用すれば製品コストの低減効果が見込まれる場合であれば、払出式の遊技機3Bに対応する遊技装置1Bについても中継カード57を利用しても良い。
以下、封入式の遊技機3Aに対応する遊技装置1Aを例にして遊技装置の構成を説明する。図2のごとく、遊技装置1Aの前面パネル10には、状態表示部11、貨幣投入口12、タッチパネル13、遊技ボタン14、カード挿入口16等が設けられている。
状態表示部11は、装置エラーや一般カード532(図4)のストック切れ等の作動状態を表示する表示部である。
貨幣投入口12は、ポイントの対価となる貨幣を投入する挿入口である。
タッチパネル13は、遊技者が指先等で表示画面に触れて操作するタッチ操作が可能な表示装置である。タッチパネル13は、持玉や残高(プリペイド残高)等を表示するほか、遊技者の設定操作を受け付ける各種の画面を表示する。
設定操作画面としては、計数処理の指定値を設定するための画面や、分割する持玉の指定値を設定するための例えば後述する図7(d)の画面や、発行対象の遊技カード53の持玉に関する発行指定値を設定するための後述の図9(d)の画面等がある。つまり、タッチパネル13は、計数処理の進行に伴って変動する持玉等の計数変動値を対象とした指定値を設定するために遊技者が行う指定操作を受け付ける指定操作手段としての機能を実現する。また、遊技カード53(記憶媒体)を発行するに当たって、遊技カード53に記録される持玉(記憶媒体に対応付けられる所有価値)に関する指定値である発行指定値を設定するために遊技者が行う発行指定操作を受け付ける発行指定操作手段としての機能を実現する。
さらに、タッチパネル13は、画像を表示する画面を含む表示手段としての機能を備えている。表示手段としてのタッチパネル13は、計数処理の実行中において、遊技機3Aにより記憶されるポイント(遊技価値)の残存数量に応じてタッチパネル13による表示画面を切り替える。
遊技ボタン14は、遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を元にして、遊技に必要なポイントの付与を受けるための操作ボタンである。
カード挿入口16は、所有価値である持玉や残高等が対応付けられた遊技カード53の挿入あるいは発行のための挿入口である。
カード挿入口16には、会員カード531や一般カード532等の遊技カード53(図4参照。)を挿入可能である。会員カード531は、会員登録した遊技者に発行される遊技カードである。一般カード532は、遊技終了時に残高あるいは持玉が残っている場合に発行される遊技カードである。
遊技カード53は、遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を対応付け可能な記憶媒体(第2の記憶媒体の一例)である。会員カード531であるか一般カード532であるかによらず、遊技カード53には、識別情報であるカードIDのほか、当日の遊技により獲得された遊技価値である持玉や、当日入金した貨幣価値のうちの残高等のデータが記録される。さらに、持玉については、その持玉に係る遊技が行われた遊技機3Aの遊技価値(玉あるいはポイント)のレート(4円、2円、1円)単位に区別して記録される。つまり、第2の記憶媒体である遊技カード53には、レート単位に区別して所有価値が対応付けられる。
なお、会員カード531は、前日以前の遊技により獲得した所有価値(持玉等)を貯玉等として遊技場側に預け入れて、後日の引出しを可能にする会員向けの貯玉サービスに対応している。この貯玉等については、改ざん等の不正を未然に回避するため、カードIDを対応付けて専ら管理装置50で記憶、管理され、遊技カード53には記録されない。
遊技カード53の持玉、残高などの記録情報については、遊技カード53の不正利用の防止等を目的として管理装置50側でも管理されている。遊技装置1やPOS端末55や残高精算機など、遊技カード53を取り扱う場内装置は、遊技カード53を受け付けるとカードIDを読み出して管理装置50に照会を要求し、記録情報の正否を確認する。また、これらの場内装置は、遊技カード53の記録情報を書き換えて更新する際、新たな記録情報を管理装置50に送信する。管理装置50は、遊技カード53の識別情報であるカードID単位で、遊技カード53に記録された持玉や残高等を記憶し管理している。
遊技装置1Aは、図4のごとく、CPU21、ROM22、RAM23等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、上記の構成のほか、貨幣の受付処理を実行する貨幣処理部121、記憶媒体であるカードの記録情報を読み書きする第1及び第2のカードリーダライタ(カードRW)180A・B、遊技装置1Aの内部で遊技カード53及び中継カード57を搬送するカード搬送ユニット180L、一般カード532をストックするカードストック部183、対応する遊技機3A及び中継装置54との間の通信ポートをなすI/F部19、リモコン受光部190などが電気的に接続されている。
貨幣処理部121は、遊技を行うために必要な遊技価値の対価となる貨幣を受け付ける貨幣受付手段である。貨幣処理部121は、受け付けた貨幣の種類を検出し、その貨幣価値を特定する。
カード搬送ユニット180Lは、遊技装置1Aの内部で記憶媒体カード(遊技カード53及び中継カード57)を搬送する処理を実行するユニットである。遊技カード53の搬送処理としては、カード挿入口16に挿入された遊技カード53を第2のカードRW180Bに搬送する処理、動作モード(後述)の切替のために中継カード57を搬送する処理、中継カード57をカード挿入口16に搬送する処理、カードストック部183の一般カード532を第2のカードRW180Bに搬送する処理等、がある。
なお、遊技装置1では、遊技カード53及び中継カード57の間でカード挿入口16が共用されている。いずれのカードもカード挿入口16を介して挿抜可能である。ただし、中継カード57については、従業員が所持するリモコン58による操作によってのみ取出し可能であり、遊技者の操作によって排出されることはない。リモコン58は、遊技カード53(第2の記憶媒体)を発行させるための所定の発行操作とは異なる操作であって、遊技者に許可されていないリモコン58による操作(所定の取出操作)により中継カード57(第1の記憶媒体)を取り出す媒体取出手段を構成している。
第1のカードRW180Aは、遊技により遊技者が獲得した遊技価値である持玉(所有価値)を対応付け可能な中継カード57に対応するデータである記録情報を更新する第1の媒体更新手段である。遊技場側が管理する第1の記憶媒体の一例であるこの中継カード57は、計数処理により更新可能であって、遊技により遊技者が獲得した遊技価値を示す持玉(所有価値)を記憶する所有価値記憶手段としての機能を有する。そして、第1の媒体更新手段としてのカードRW180Aは、中継カード57の記録情報である持玉や残高等を書換えて更新する。
第2のカードRW180Bは、所有価値である持玉を対応付け可能な遊技カード53に対応するデータである記録情報を更新する第2の媒体更新手段であると共に、遊技カード53を受付ける媒体受付手段である。遊技カード53は、遊技者が所持あるいは遊技者に発行する第2の記憶媒体の一例である。そして、第2の媒体更新手段としてのカードRW180Bは、遊技カード53の記録情報である持玉や残高等を書換えて更新する。
なお、本例の構成では、中継カード57あるいは遊技カード53の記録情報である持玉等を読書きするカードRW180A・Bが、持玉等の所有価値を対応付け可能な中継カード57あるいは遊技カード53に対応するデータ等を更新する媒体更新手段となっている。さらに本例の構成では、遊技カード53の記録情報である持玉や残高等が管理装置50においても記憶され管理されている。したがって、管理装置50もまた、持玉等の所有価値を対応付け可能な遊技カード53に対応するデータを更新する媒体更新手段をなしている。この構成に代えて、中継カード57あるいは遊技カード53に対応付けるデータとしての持玉等が専ら管理装置50で記憶され管理される構成を採用しても良い。あるいは持玉等が専ら遊技カード53等で記憶される構成を採用しても良い。
制御部20は、ROM22に格納された制御プログラムをCPU21が演算処理することで以下の(1)〜(8)の各手段としての機能を実現する。
(1)所有価値移行手段:中継カード57(第1の記憶媒体)と遊技カード53(第2の記憶媒体、会員カード531または一般カード532)との間で所有価値である持玉を移行する手段。
(2)残高記録手段:遊技装置1に投入された貨幣の価値である入金額のうち、ポイントの対価にできる残高を中継カード57に記録させる手段。
(3)付与手段(第1の価値付与手段):遊技者によって所定の付与操作が行われた場合に、中継カード57に記録された持玉(第1の記憶媒体に対応する所有価値)あるいは残高を対価として、遊技機3A(記憶部43)により記憶されるポイント(遊技価値)を加算する付与処理を実行する手段。
(4)計数手段:遊技により遊技者が獲得した遊技価値であるポイントを計数する計数処理を実行する手段。なお、計数手段は、計数処理中に加算更新される持玉や計数玉等の計数変動値が指定値に達したときに終了する特別計数処理を実行可能である。
(5)上限設定手段:計数変動値について指定値を設定する指定操作で設定できる指定値の上限を設定する手段。
(6)決定手段:記憶媒体である遊技カード53を発行するに当たって、特別計数処理に関わりなく遊技カード53を発行するか否かを選択的に決定する手段。
(7)媒体発行手段:遊技者によって所定の発行操作が行われた場合に、中継カード57(第1の記憶媒体)に対応する持玉(所有価値)の全部または一部を遊技カード(第2の記憶媒体)53に移行し、遊技機3A(記憶部43)により記憶されるポイント(遊技価値)が残存しているか否かに関わらず、遊技カード53を遊技者側に発行する手段。
(8)他種別持玉記憶手段:挿入された遊技カード53に記録された持玉のうち、他種別の遊技機3の遊技で獲得された持玉を記憶する手段。ここで、他種別の遊技機とは、パチンコ遊技機に対して種別が異なるスロットマシン等を意味している。なお、本例に代えて、レートが異なる他レートの遊技機を他種別として取り扱うことも良い。
ポイントの付与処理や計数処理を実行する際に遊技装置1Aが遊技機3Aとの間でやり取りする信号あるいは情報としては以下のものがある。下記の(1)〜(4)は、遊技機3Aが出力する信号等であり、(5)〜(7)は、遊技装置1Aが出力する信号等である。
(1)付与要求信号:ポイントの付与を求めて遊技機3Aが送信する信号。貸玉ボタン352の操作に応じて遊技機3Aが送信する。
(2)返却要求信号:遊技カード53の返却を求めて遊技機3Aが送信する信号。返却ボタン353の操作に応じて遊技機3Aが送信する。
(3)計数要求信号:遊技機3Aが備える計数ボタン357が操作されたときに遊技機3Aが送信する信号。計数要求信号は、遊技機3Aが記憶するポイントのうちの1P分の計数を要求する信号である。
(4)遊技玉ポイント情報:遊技機3Aが記憶するポイントの数量を表す情報。遊技機3Aは200ミリ秒毎に遊技玉ポイント情報を遊技装置1Aに送信する。
(5)残高情報:遊技機3A側で残高を度数表示できるように遊技装置1Aが送信する残高(プリペイド残高)の情報。
(6)付与ポイント情報:持玉あるいは残高を対価として付与するポイントの数量を表す情報。遊技装置1Aが出力する。
(7)計数許可信号:計数要求信号に対する遊技装置1Aの返信信号であって、1P分のポイントの計数玉への変換を許可する旨を表す信号。
以上のような構成の遊技装置1Aは、遊技者に返却あるいは発行する遊技カード53の記録情報を読み書きする第2のカードRW180Bのほかに、中継カード57の記録情報を読み書きする第1のカードRW180Aを備えるという特徴的な構成を有している。
中継カード57の記録情報を読み書きする第1のカードRW180Aは、中継カード57の運用が異なる2種類の動作モードを設定可能である。第1の動作モードは、遊技機3Aとの間で持玉⇔ポイントのやり取りが可能な「通信モード」である。第2の動作モードは、第2のカードRW180Bが取り扱う遊技カード53との間で持玉や残高の移行が可能な「発行モード」である。
第1のカードRW180Aは、カードの記録情報を読み書きする磁気ヘッド(図示略)として、取付位置が異なる2つの磁気ヘッドを備えている。このカードRW180Aでは、カード搬送ユニット180Lにより中継カード57が搬送されて、中継カード57がいずれかの磁気ヘッドに対応する位置に移動する。そして、このような中継カード57の移動により上記の通信モードと発行モードとが機械的に切り換えられる。つまり、本例の構成では、中継カード57の位置を物理的に変更することで、中継カード57について、このような2種類の動作モードのうちのいずれかを選択的に設定可能としている。
通信モードは、遊技機3Aと中継カード57とが1対1の関係で通信可能に結び付けられるモードであり、遊技機3Aが中継カード57との間でのみ遊技価値(持玉⇔ポイント)の移行を可能とする状態となる。この状態は、遊技機3A側から見たとき、例えば払出式の遊技機3Bにおいて遊技装置1Bに遊技カード53が挿入された状態に相当している。この通信モードでは、中継カード57に記録された持玉あるいは残高を対価として遊技に必要なポイントを付与する付与処理や、遊技機3Aが記憶するポイントを中継カード57に移行するための計数処理などを実行可能である。
発行モードは、遊技機3Aと中継カード57との間での遊技価値の移行ができなくなる一方、中継カード57と遊技カード53との間で持玉や残高の全部あるいは一部の移行が可能になるモードである。この発行モードでは、遊技者によってカード挿入口16から遊技カード53が挿入されたときに遊技カード53の持玉等を中継カード57に移行したり、遊技者に返却あるいは発行する遊技カード53に中継カード57の持玉等を移行できる。
発行モードでは、中継カード57と遊技カード53との間で持玉及び残高を共有することで、必要に応じて中継カード57の全てのデータもしくは一部のデータについて遊技カード53への移行を可能としている。これにより、中継カード57の持玉あるいは残高の一部を移行して遊技カード53を発行する「分割発行」が可能となっている。さらに、持玉が記録された遊技カード53に対して、中継カード57の持玉の一部あるいは全部を移行し、元々遊技カード53に記録されていた持玉と、中継カード57から移行した持玉と、の合算持玉を遊技カード53に記録して発行する「合算発行」にも対応できる可能性がある。
つまり、通信モードは、付与処理及び計数処理が許容される一方、中継カード57(第1の記憶媒体)と遊技カード53(第2の記憶媒体)との間の持玉(所有価値)の移行が抑制される第1の動作モードの一例である。また、発行モードは、中継カード57と遊技カード53との間の持玉等の移行が許容される一方、付与処理及び計数処理が抑制される第2の動作モードの一例である。そして、遊技装置1Aでは、いずれか一方の動作モードを選択的に実行可能である。
このように遊技装置1Aの構成では、通信モード及び発行モードのいずれかで選択的に運用される中継カード57を採用することで、持玉や残高の一部を移行した遊技カード53の発行、すなわち遊技カード53の分割発行等が可能となっている。そのため、本例の遊技装置1Aでは、遊技カード53を発行する際、遊技機3Aが記憶するポイントを全て計数処理して一旦、ゼロにする必要がなく、ポイントの一部を残して遊技カード53を発行できる。例えば、友人に持玉の一部を分けたり、たばこ等の商品を持玉で購入しようとする際、遊技機3Aが記憶するポイントの全数を計数する必要がないので、ポイントのゼロリセットによって遊技者の遊技意欲が損なわれるおそれがない。
以上のような構成の遊技装置1Aの動作について、封入式の遊技機3Aに対応する遊技装置1Aを例にして説明する。遊技装置1Aは、遊技に必要なポイントの付与処理を実行するとき、及び遊技者が遊技により獲得した遊技価値であるポイントの計数処理を実行するとき等、遊技機3Aとの間で情報や信号を送受信しながら協調して動作する。以下、遊技機3A側の協調動作に言及しながら遊技装置1Aの動作を説明する。ここでは、遊技機3Aと遊技装置1Aのいずれの動作であるかが明確となるよう、処理の実行主体となる制御部20等ではなく遊技機3Aあるいは遊技装置1Aを主体として説明する。なお、例示する遊技機3Aは、1単位分の遊技価値の価格である遊技価値のレートが4円の遊技機とする。
遊技装置1Aの動作として、まず(基本動作)を説明し、続いて遊技装置1Aの便利機能を説明する。便利機能としては、(A)分割発行機能、(B)ぴったり発行機能、(C)計数演出機能、(D)台移動サポート機能、について説明する。
(基本動作)
来場した遊技者が空き台の遊技機3Aを見つけて遊技を開始する時点を起点として、遊技装置1A及び遊技機3Aが協調して動作する際の基本動作の内容を説明する。遊技開始の際の遊技装置1Aは、動作モードが上記の発行モードに切替わっており、受け付けた遊技カード53の持玉、あるいは投入された貨幣の価値(貨幣価値)を中継カード57に移行できる状態となっている。
まず、遊技開始時に貨幣の入金があったとき、遊技装置1Aは、発行モード下の中継カード57に、その入金額を残高として記録する。つまり、第1の媒体更新手段である第1のカードRW180Aは、貨幣受付手段としての貨幣処理部121により受け付けられた貨幣価値のうち遊技価値の対価として消費されていない貨幣価値である残高を中継カード57(第1の記憶媒体)に記録することで対応付ける。そして、中継カード57の運用に係る動作モードを発行モードから上記の通信モードに切り換える。
遊技装置1Aは、通信モード下で中継カード57に記録された残高を読み出し、遊技機3Aに上記の残高情報を送信する。残高情報を受信した遊技機3Aは、残高に相当する度数(1度数=500円=125P)を残高表示部351(図2)に表示する。遊技装置1A側では、タッチパネル13の画面表示が、図5(a)に例示する通常画面に切り替わる。この通常画面では、入金された貨幣価値のうち、未使用分の残高(プリペイド残高)の金額が表示される。
残高表示部351に度数が表示されている場合、遊技機3Aは、貸玉ボタン352が操作される毎に遊技装置1Aに向けて上記の付与要求信号を送信する。遊技装置1Aは、付与要求信号を受信したとき、1度数125P分のポイントを付与する旨の付与ポイント情報を遊技機3Aに送信すると共に、対価となる500円分を差し引いて中継カード57の残高を減算更新する。一方、付与ポイント情報を受信した遊技機3Aは、付与されたポイントを記憶部43が記憶するポイント(遊技開始時であればゼロ)に加算する。
一方、遊技開始に際し、貨幣に代えて持玉等が記録された遊技カード53が挿入された場合、遊技カード53の記録情報である持玉や残高が発行モード下の中継カード57に自動的に移行される。つまり、所有価値移行手段としての制御部20は、媒体受付手段の一例であるカードRW180Bにより遊技カード53(第2の記憶媒体)が受け付けられた場合に、この遊技カード53に対応する所有価値、すなわち遊技カード53に記録された持玉を中継カード57(第1の記憶媒体)に移行する。
その後、遊技装置1Aは、持玉等の記録が終了した中継カード57を通信モードに対応する位置に移動させることにより、動作モードを発行モードから通信モードに切り替える。遊技装置1Aでは、この動作モードの切替により、中継カード57と遊技機3Aとが1対1である閉じた環境が確保され、遊技機3Aと中継カード57との間で遊技価値の移行が可能になる。この状態は、例えば払出式の遊技機3Bであれば、対応する遊技装置1Bに遊技カード53が挿入されたカード挿入状態に相当する状態となっている。
またこのとき、残高が中継カード57に移行されていれば、残高情報が遊技機3Aに送信され、残高に相当する度数(1度数=500円=125P)が遊技機3Aの残高表示部351に表示される。遊技装置1A側では、タッチパネル13の画面表示が、図5(b)に例示する通常画面に切り替わる。この通常画面では、中継カード57に記録された持玉及び残高が表示される。
なお、遊技カード53から中継カード57に移行される持玉は、遊技カード53に遊技機3Aの種別単位に記録された持玉のうち、自種別であるパチンコ遊技機の遊技で獲得された所有価値である持玉のみである。他種別であるスロットマシン等の遊技で獲得された所有価値については、制御部20のRAM23に移行される。これにより、持玉及び残高を読出した後の遊技カード53は、持玉等の記録情報として全てゼロ値が書込された状態でカードRW180Bにスタンバイされる。なお、レート単位で区別して遊技カード53に記録された自種別の持玉については、対応する遊技機3Aのレートと同じであるか否かによらず、全て中継カード57に移行される。
遊技装置1Aは、中継カード57に持玉を記録すると、タッチパネル13においてその持玉の数量の表示を開始する(図5(b))。タッチパネル13に持玉が表示された状態で遊技ボタン14が操作された場合、遊技装置1Aは、1度数125玉分のポイントを付与する旨の付与ポイント情報を遊技機3Aに送信すると共に、125玉を持玉から差し引いた新たな持玉を中継カード57に記録する。一方、付与ポイント情報を受信した遊技機3Aでは、付与されたポイントが記憶部43のポイントに加算される。
このように遊技装置1が管理している持玉(中継カード57に記録された持玉)については、直接的には遊技に使用することができない。遊技ボタン14の押下げに応じて付与1単位である1度数125玉分の持玉が125P分のポイントに変換され(変換処理、対価付与処理)、遊技機3Aに移行される。本例では、このときの変換率を1、すなわち変換手数料が必要でない構成を例示している。これに代えて、1未満の変換率を設定することで、手数料を徴収することも良い。
遊技機3Aにポイントが付与された状態であれば、操作ハンドル335の操作により玉を盤面330に打ち込むことが可能である。所謂封入式の遊技機3Aでは、盤面330に打ち出された玉が循環し、入賞した場合であっても外部に玉は払出されない。ポイントは記憶部43により記憶されて管理されており、盤面330への玉の打出し(使用)に応じて1Pずつ減算され、入賞に応じてポイントが加算される(入賞付与処理)。
遊技に応じて遊技機3Aで記憶されるポイントが増えた場合、遊技機3Aの計数ボタン357の押下げ操作に応じてポイントを計数玉に変換でき、中継カード57の持玉に移行できる(計数処理)。この計数処理では、遊技機3Aが遊技装置1Aに送信する計数要求信号に対して、遊技装置1Aが遊技機3Aに計数許可信号を返信することにより1P分のポイントの計数処理が完了する。そして、1P分のポイントの計数完了に応じて遊技機3Aのポイントが1P減算更新される一方、計数玉が1玉加算されると共に中継カード57の持玉が1玉加算更新される。つまり、計数手段としての制御部20(遊技装置1A)は、遊技者によって所定の計数操作が行われた場合に、遊技機3A(記憶手段である記憶部43)により記憶されるポイント(遊技価値)を減算し、この減算分のポイントである計数玉(計数価値)を中継カード57(第1の記憶媒体)に対応する持玉(所有価値)に加算する計数処理を実行する。
遊技装置1Aでは、1回の計数ボタン357の押下げ操作(計数操作)に応じて1P分のポイントが変換対象となるが、押下した状態を継続させる長押し操作(特殊計数操作)によれば連続的、且つ加速的な計数玉への変換が可能となる。例えば、遊技機3Aに1000Pのポイントがある場合でも、計数ボタン357を1000回押下げる必要はない。計数ボタン357の長押し操作による特殊計数操作が行われたとき、ポイントが1000→999→998→・・・→1→0と減算され、その減算分が中継カード57に移行される。つまり、計数手段としての制御部20(遊技装置1A)は、遊技者による計数操作が受付けられている操作時間(操作期間)に応じて、記憶部43により記憶される遊技価値を中継カード57(所有価値記憶手段)により記憶される所有価値である持玉に移行することで計数処理を実行する。
ここで、遊技装置1Aでは、遊技機3Aの計数要求信号に対して計数許可信号を返信するまでの時間が、計数ボタン357の操作時間に関する閾値処理の結果等に応じて変化する。計数ボタン357の操作時間に関する閾値処理により、例えば3秒以上の長押し操作である特殊計数操作と判断された場合、計数許可信号の返信に要する時間が短くなり、遊技機3Aの計数要求信号と遊技装置1Aの計数許可信号との送受信の周期が次第に短くなる。計数要求信号と計数許可信号との送受信の周期が短くなれば、1P分のポイントの計数処理の実行周期が短くなり、単位時間当たりの計数処理の実行回数が多くなる。これにより、遊技機3Aのポイントから計数玉に変換される速度が加速される。なお、送受信の周期を短くしなくとも、送受信間に移行する玉数を多くすることにより、変換される速度を加速しても勿論良い。
また、遊技装置1Aは、遊技カード53が挿入されておらず、残高や持玉が残存する状態で遊技機3Aの返却ボタン353(図2)を押下する等の発行操作が行われたとき、カードストック部183から一般カード532を繰り出して残高や持玉等を記録して発行する(発行処理)。
分割発行(後述)ではない通常の発行処理においては、遊技機3Aが記憶するポイントについて発行条件が設けられている。本例では、ポイントが所定数(例えばゼロ)以下となることで発行条件が成立し、遊技カード53の発行処理が可能となる。本例の遊技装置1Aは、遊技機3Aが出力する上記の遊技玉ポイント情報により遊技機3Aのポイントがゼロになったことを検知可能である。
遊技装置1Aは、遊技機3Aが記憶するポイントがゼロになったことを検知したとき、上記の発行条件が成立したと判断して遊技カード53の発行処理を許可する。なお、ポイントの消費を表すアウト信号等の遊技信号や、ポイントから変換された計数玉を表す計数信号など、が遊技機3Aから出力される構成であれば、これらの出力信号に基づき、遊技での使用や計数処理等に応じて遊技機3Aのポイントがゼロになったことを検知しても良い。
遊技場では、遊技装置3から発行された遊技カード53に記録された持玉は、POS端末55にて景品との交換が可能である。また、遊技カード53に記録された残高は、遊技場内に設置された残高精算機(図示略)にて精算可能である。なお、遊技装置1Aが受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金を例示できるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。また、持玉や残高を一般カード532に対応付けて発行処理を行う構成を例示したが、例えば会員カード531などの他の遊技カード53や、遊技者の携帯電話等の他の記憶媒体などに持玉や残高を対応付ける発行処理であっても勿論良い。
なお、遊技装置1は、中継装置54との間でシリアル通信を実行することで、対応する遊技機3に関する各種の情報を管理装置50側で特定可能としている。管理装置50側で特定可能な情報としては、貨幣受付処理や、対価付与処理や、遊技カード53の受付処理・発行処理等が実行された旨の情報、残高や持玉、付与ポイント、計数玉、入金額、付与ポイントの対価となる売上額などがある。
本例の構成に代えて、例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルスなど、遊技装置1Aが出力するパルス信号にて上記の各種情報を管理装置50側で特定可能としても良い。なお、遊技機3Aと遊技装置1Aとの通信は中継装置54を介さず、遊技機3Aと遊技装置1Aとで直接通信しても良いし、中継装置54を介して通信しても良い。
次に、遊技装置1Aが備える便利機能について説明する。
(A)分割発行機能
分割発行機能は、中継カード57に記録された持玉の一部を分割し、遊技カード53に記録して発行する機能である。封入式の遊技機3Aに対応する例示の遊技装置1Aでは、中継カード57に記録された持玉の範囲内で、その一部の持玉の分割発行が可能である。
この分割発行に際しては、予め中継カード57に持玉が記録されている必要がある。遊技機3Aの計数ボタン357を長押しすれば(図6(a))、計数処理により、遊技機3Aが記憶するポイント(計数前:123456P)を順次、計数玉に変換できる。遊技装置1Aでは、通信モード下で運用中の中継カード57の持玉に計数玉が順次、加算される。このような計数処理の継続中では、中継カード57の持玉の数量がタッチパネル13に表示されるため(図示略)、遊技者は、持玉を確認しながら、計数ボタン357の押下げ操作を継続できる。例えば、ポイントの11111P分が計数玉に変換された場合、その計数玉は、通信モード下の中継カード57の持玉に加算して記録される(図6(b))。
例えば、中継カード57に持玉(11111玉)が記録された状態でタッチパネル13に表示される通常画面(図7(a))にタッチすれば、図7(b)のメニュー画面の表示に切替可能である。このメニュー画面中の「カード発行」ボタンにタッチ操作すると、タッチパネル13の表示画面が図7(c)に例示の上限報知画面に切り替わる。この上限報知画面は、中継カード57の持玉及び遊技機3Aのポイントの表示と共に、分割する持玉として設定可能な指定値の上限を報知する画面である。図7(c)の例では、「現在の持玉」欄に表示される中継カード57の持玉が11111玉で、「遊技玉P」欄に表示される遊技機3Aのポイントが112345Pであることから、分割する持玉として設定可能な指定値の上限を表示する「上限」欄には、合計玉数である123456玉が上限として表示されている。
図7(c)の「次へ」ボタンにタッチ操作すると、分割する持玉を指定値として入力するための図7(d)に例示の入力画面に切り替わる。この入力画面は、タッチパネル13に表示されたテンキーを利用し、指定値の入力欄である「指定持玉」欄に例えば5000玉が入力された画面の例である。指定値として例えば5000玉が入力された状態で「決定」ボタンがタッチ操作された場合、この指定値である5000玉が、中継カード57の持玉(11111玉)の範囲内であることから、遊技装置1Aにより新たな計数処理が必要ではないと判断されて分割発行が実施される。
分割発行の場合、遊技装置1Aは、動作モードを発行モードに切り替えると共に、カードストック部183にストックされていた一般カード532を繰り出してカードRW180Bにセットする。そして、分割する5000玉を中継カード57から一般カード532に移行すると共に、図7(e)のようにタッチパネル13の表示画面を、一般カード532を発行する旨の表示に切り替え、5000玉の持玉が記録された一般カード532を遊技者側に発行する(図8(a)参照。)。
そして、遊技装置1Aは、上記の持玉の分割発行の後、残りの持玉として6111玉が記録された中継カード57を通信モード下の運用に切り替える(図8(b))。これにより、遊技機3Aと中継カード57とが1対1である閉じた環境が再度、確立される。
(B)ぴったり発行機能
ぴったり発行機能は、計数変動値の一例をなす中継カード57の持玉について指定値(発行指定値)を設定して計数処理を行い、持玉が指定値に到達した場合に計数処理を終了させ、その後、遊技カード53の発行する機能である。このぴったり発行機能は、遊技者側の利便性を向上する便利機能である。
このぴったり発行機能では、計数処理によって遊技機3Aが記憶するポイントから変換された計数玉により加算更新された持玉が指定値に到達した時点で、計数処理(特別計数処理)が強制的に終了され、自動的に中継カード57の運用が発行モードに切替えられる。そして、カードストック部183から一般カード532が繰り出され、中継カード57から一般カード532に持玉が移行されて発行される。
つまり、遊技装置1Aにおける計数手段としての制御部20は、指定値が設定された状態で計数処理を行う場合に、計数変動値の一例である持玉が指定値に達したとき(所定の関係になったとき)、計数操作が受付けられているか否かに関わらずに終了する計数処理である特別計数処理を実行する。そして、遊技装置1Aにおける媒体発行手段としての制御部20は、この特別計数処理により更新された持玉(所有価値)が対応付けられた遊技カード53(記憶媒体)を発行する。この場合の計数変動値は、媒体発行手段である制御部20が発行対象とする持玉(所有価値)であり、特別計数処理は、指定値が設定されている状態で、特別計数処理の進行に伴って持玉が指定値に到達した場合(所定の関係になったとき)に終了する。
ぴったり発行は、上記の分割発行の場合とは異なり、中継カード57の持玉が発行対象の持玉よりも少ない場合に計数処理を伴って実行される。以下、中継カード57の持玉がゼロである状態でのぴったり発行について説明する。
タッチパネル13に表示される図9(a)に例示の通常画面にタッチすれば、図9(b)のメニュー画面の表示に切替可能である。このメニュー画面(図7(b)と同じ画面)中の「カード発行」ボタンにタッチ操作すると、上記の分割発行の場合と同様、タッチパネル13の表示画面が図9(c)に例示の上限報知画面に切り替わる。この上限報知画面は、中継カード57の持玉及び遊技機3Aのポイントの表示と共に、発行対象の持玉として設定可能な指定値の上限を報知する画面である。図9(c)の例では、「現在の持玉」欄に表示される中継カード57の持玉が0玉で、「遊技玉P」欄に表示されるポイントが遊技機3Aのポイントが123456玉であることから、発行対象の持玉として設定可能な発行指定値(指定値)の上限として、合計玉数である123456玉が「上限」欄に表示されている。
図9(c)の「次へ」ボタンにタッチ操作すると、発行対象の持玉を発行指定値として入力するための図9(d)に例示の入力画面に切り替わる。図9(d)に例示の入力画面では、タッチパネル13に表示されたテンキーを利用し、発行指定値の入力欄である「指定持玉」欄に例えば500玉が入力されている。発行指定値として例えば500玉が入力された状態で「決定」ボタンがタッチ操作された場合、発行指定値に当たる持玉500玉以上の持玉が中継カード57に記録されていないことから、遊技装置1Aが、計数処理を伴うぴったり発行を決定する。
計数処理を伴うぴったり発行を実行する場合、遊技装置1Aは、中継カード57について通信モード下の運用状態を維持すると共に(図10(a)参照。)、図9(e)のように計数ボタン357の操作を求める旨の画面表示をタッチパネル13に表示する。そして、遊技装置1Aは、計数ボタン357の操作に応じて遊技機3Aが送信する計数要求信号を待機する。
遊技機3Aが送信してきた計数要求信号に応じて遊技装置1Aが計数許可信号を返信すると、遊技機3A側のポイントが1P分、減算更新されると共に、遊技装置1A側で計数玉が1玉分、加算更新される。そして、遊技装置1Aでは、この計数玉により中継カード57の持玉が加算更新される。
計数ボタン357が長押し操作(特殊計数操作)されている間、遊技機3Aによる計数要求信号の送信及び遊技装置1Aによる計数許可信号の返信が繰返し実行され、これにより、遊技機1Aのポイントが順次、減算更新されると共に、中継カード57の持玉が順次、加算更新される。計数ボタン357の長押し操作の継続時間が長くなるほど、遊技機3Aと遊技装置1Aとの間における計数要求信号、計数許可信号の送受信の周期が短くなる。これにより、遊技機3Aのポイントの減算更新、及び中継カード57の持玉の加算更新が加速される。なお、このような計数処理の進行中では、図9(f)のように、ぴったり発行のための計数処理が終了するまでの残り時間をタッチパネル13に表示しても良い。
その後、中継カード57の持玉が発行指定値として入力された500玉に達した時点で、遊技装置1Aは、遊技機3Aの計数要求信号に対する計数許可信号の返信を停止する。これにより遊技機3Aのポイントを計数玉に変換する計数処理が終了され、中継カード57の持玉が500玉ぴったりになる。
このように計数処理が終了した後、遊技装置1Aでは、発行指定値に等しい500玉の持玉が記録された中継カード57が、通信モードに対応する位置から発行モードに対応する位置に搬送されて移動し、発行モード下の運用に切り替わる(図10(b)参照。)。そして、遊技装置1Aは、図9(g)のように、タッチパネル13の表示画面を一般カード532を発行する旨の表示に切り替える。
遊技装置1Aは、カードストック部183から新規発行用の一般カード532を繰り出してカードRW180Bにセットし、中継カード57の持玉(500玉)を移行してからその一般カード532を発行する。これにより持玉がゼロ玉となった中継カード57は、再度、通信モードの運用状態に切替えられる(図10(c)参照。)。
以上のぴったり発行機能を活用すれば、例えば100玉のタバコを購入する際、遊技機3Aのポイントの全部を一旦全て計数して持玉に移行する必要性が低減する。また、例えば100玉のタバコを購入する際、計数処理による計数玉が100玉を若干超えてしまって端数が生ずる虞が低減し、使い勝手が向上する。
計数処理による計数玉が500玉など多くなると、ぴったり発行機能がさらに有効になってくる。500玉等の計数玉を目標とする計数処理では、計数ボタン357の長押し操作(特殊計数操作)に応じて計数処理が加速されるため、計数玉が目標の500玉を大きく超過する可能性が高くなるからである。一方、指定値(発行指定値)に到達したときに計数処理が強制的に終了される特別計数処理を含むぴったり発行機能によれば、計数ボタン357の特殊計数操作(長押し操作)が行われていても、計数玉が500玉に到達したときにぴたりと計数処理を終了できる。
例えば遊技機3Aの全てのポイントを計数する際であれば、計数処理を迅速に完了できるので、特殊計数操作による計数処理の加速は遊技者側の使い勝手の向上に多いに役立つ。一方、例えば上記のように500玉などポイントの一部の所定数量を計数玉に変換したい場合には、計数処理の加速によって目標値を狙って計数処理を完了させることが難しくなり、遊技者側の使い勝手を却って低下させるおそれがある。上記の特別計数処理を含むぴったり発行機能によれば、計数処理の加速による遊技者側の使い勝手の低下を抑制できる。
なお、ぴったり発行機能については、例えば図9(c)で例示した通り、遊技装置1A側で事前に、設定可能な発行指定値(指定値)の上限を特定することが非常に有効である。例えば、中継カード57に記録された持玉と遊技機3Aが記憶するポイントとの合計玉数を基準として設定可能な指定値の上限を特定する等、遊技機3Aのポイントに基づいて指定値の上限を特定することが良い。
遊技装置1A側で、遊技機3Aのポイントを把握していれば、このポイントに基づいて、設定可能な指定値の上限を特定可能である。つまり、上限設定手段としての制御部20は、指定操作により設定可能な指定値の上限を、記憶部43により記憶されたポイント(遊技価値)に応じて変更する。なお、指定値の上限を特定する場合、指定値を設定する際に事前にその上限を報知すると共に、設定可能な指定値の上限を設定することも良い。なお、上限の設定については、分割発行についても同様に設定可能である。
また、ぴったり発行に際して発行指定値を設定する場合、上記のように発行対象の遊技カード53に記録される持玉を対象として発行指定値を設定しても良いし、計数処理による変換分の計数玉を対象として発行指定値を設定しても良い。さらに、発行指定値を設定する対象となる計数変動値の種類を、遊技者側で選択できるようにしても良い。
つまり、特別計数処理において指定値を設定する計数変動値としては、媒体発行手段である制御部20が発行対象とする所有価値である持玉、あるいは計数処理の計数対象となる遊技価値である計数玉(計数価値)を設定可能である。また、指定操作は、持玉及び計数玉のうちのいずれかを対象とした指定値を選択的に設定可能とすると良い。この場合、特別計数処理は、指定値が持玉を対象としていれば、特別計数処理の進行に伴って持玉が指定値に到達した場合に終了する。一方、指定値が計数玉を対象としていれば、特別計数処理の進行に伴って指定操作後の計数玉が指定値に到達した場合に終了する。
なお、計数処理を開始する前の遊技玉(遊技者の手元の玉)の数量を遊技装置1側で把握していることは必須の要件ではない。したがって、封入式の遊技機3Aに対応する遊技装置1Aだけでなく、払出式の遊技機3Bに対応する遊技装置1Bにおいても実行可能である。さらに、遊技装置1Bにおいて、計数玉と、計数処理前の時点で遊技カード53に記録されていた持玉と、の合計を計数変動値として取扱い、この合計を対象として指定値を設定することもできる。例えば持玉500個分を友人に分けたい場合、この計数変動値を対象として500個の指定値を設定すれば、500個の持玉が記録された遊技カード53の発行が可能である。
また、残高取出の際は、遊技装置1Aは、発行指定値としてゼロ玉を内部的に設定することで残高のみの取出しを可能とすると良い。
対価となる玉数(遊技価値)が登録された商品の選択ボタンをタッチパネル13に表示することも良い。商品の選択ボタンへのタッチ操作時には、その商品に登録された玉数が発行指定値として設定され、商品の玉数をぴったり取り出すことが可能になる。これにより、例えばワゴンサービスにて提供されるタバコやジュースなどを余り玉なしで交換できるようになるので、商品購入時に遊技者が感じる煩わしさを低減でき、商品の販売を促進できる。
なお、発行する遊技カード53に記録される持玉について発行指定値が設定された場合、その発行指定値を上回る持玉が中継カード57に記録されていれば、特別計数処理を含め、計数処理が必要ない。そこで、決定手段としての制御部20は、前記発行指定値が設定された場合に、所有価値記憶手段の一例である中継カード57により記憶される持玉(所有価値)と、発行指定値と、を比較して、特別計数処理を実行することなく遊技カード53を発行するか否かを決定することも良い。
(C)計数演出機能
計数演出機能は、遊技機3Aの計数ボタン357の押下げ操作(計数操作)に応じた計数処理により遊技装置1Aに移行する遊技価値である計数玉の数量に応じて遊技装置1Aの画面表示を切り替える演出機能である。この計数演出機能では、封入式の遊技機3Aから遊技装置1Aに移行するポイントに基づく計数玉の数量に応じて遊技装置1Aのタッチパネル13の表示内容の切替が実行される。
計数ボタン357の1回押下げの場合は、ポイントが1Pずつ遊技装置1Aに移行されて計数玉に変換され、遊技装置1Aのタッチパネル13において、持玉を1Pずつ加算更新する表示が行われる。一方、遊技機3A側の計数ボタン357が長押し操作(特殊計数操作)されて遊技機3Aのポイントの全てが遊技装置1Aに移行された場合は、遊技終了を促すカード返却画面や、賞品交換案内が表示される。さらに受付中の遊技カード53が会員カード531であれば貯玉案内等を表示することも良い。また、計数処理による計数玉の数量に応じた景品案内表示を行っても良く、例えば計数玉が閾値を超えたとき等に、遊技者を喜ばせるために花火の打ち上げや「Excellent!!」の文字表示などの表現表示を行っても良い。
計数演出機能では、計数処理の継続中において、遊技機3A側に残存するポイントに応じて遊技装置1A側のタッチパネル13の表示内容を随時、更新するような状態表示を行っても良い。つまり、計数処理の実行中に、遊技機3Aのポイントの残存数量に応じて、表示画面による表示内容を連続的に変化させると良い。例えば1P当りの計数処理時間を予め設定し、全てのポイントの計数処理を終えるまでに必要な時間を表示する構成を採用しても良い。つまり、計数処理の実行中に、遊技機3Aのポイントの残存数量がゼロに到達するまでの残り時間を報知する表示画面を表示することも良い。
また、交換可能な景品表示を行う場合に、中継カード57の持玉と遊技機3Aのポイントとの合計玉数を上限として交換可能な景品を表示したり、その景品の交換のために必要な玉数を表示する構成を採用しても良い。この場合、上記のような遊技機3Aに残存するポイントに応じた表示については、計数ボタン357の特殊計数操作(長押し操作)を表示条件として設定すると良い。計数ボタン357の1回押しの場合には、残存するポイントに応じた表示を実行しないようにできる。つまり、表示手段としてのタッチパネル13について、計数操作が継続された時間に関する閾値処理の結果に応じて表示画面を切替可能なように構成し、計数操作の継続時間が閾値以上となったときに残存するポイント等に応じた表示を実行すると良い。
遊技装置1Aが実行する計数演出の一例を図11を参照して説明する。例えばタッチパネル13に同図(a)の通常画面が表示されている最中に、遊技機3Aの計数ボタン357が操作されると、タッチパネル13の表示画面が同図(b)の計数中画面に切り替わる。この計数中画面では、計数処理により遊技機3Aのポイントから変換されたポイントの数量である計数玉(同図では256玉)と、この計数玉と計数処理前の持玉1000玉との合算玉数である計数中の持玉(同図では1256玉)と、が変動表示される。
その後、計数ボタン357の押下げ操作の継続時間が例えば3秒などの閾値以上となったとき、遊技装置1Aは、遊技者による長押し操作(特殊計数操作)と判断し、タッチパネル13の表示画面を同図(c)の計数演出画面に切り替える。この計数演出画面では、同図(b)の計数中画面における計数玉及び持玉の変動表示に加えて、遊技機3Aが記憶する全ポイントの計数を終了するまでの所要時間を減算表示するカウントダウン表示が追加表示される。
このカウントダウン表示に当たって、遊技装置1Aは、計数前の時点で遊技機3Aから取得したポイントである計数スタート時ポイントから計数玉を差し引くことでポイントの残存数量を特定する。そして、所定期間(例えば1秒)当たりに計数処理できるポイント数量である計数処理速度(所定期間当たりの変換ポイント数)により、ポイントの残存数量を除算等することで、計数処理するための所要時間を推定する。
その後、遊技機3Aは、上記の計数スタート時ポイント分のポイントの計数処理を完了して全て計数玉に変換すると、タッチパネル13の表示を図11(d)の計数完了画面に切り替える。この計数完了画面は、計数処理により変換された計数玉、及び計数処理完了時の持玉を遊技結果として表示するほか、花火のイラストや「おめでとう!」などの文字表示により、多くの遊技価値を獲得した遊技者を祝福する画面となっている。
従来、遊技終了に応じた終了演出や景品交換の案内等の報知については、遊技カード53の発行を求める遊技者による返却ボタン353の操作に応じて遊技の終了を検出してから行うしかなかったが、返却ボタン353を操作した後は、遊技者の注目は既に発行された遊技カード53に移っているため、遊技装置側で報知演出を実施しても高い効果を期待できないという実情がある。一方、本例の計数演出では、遊技機3Aが記憶するポイントの全ての計数が終了したとき、終了演出等をタイミング良く効果的に実施可能である。
なお、200ミリ秒などの所定時間単位で遊技機3A側から送信される遊技情報(遊技玉ポイント情報)に基づき、遊技機3Aのポイントを遊技装置1A側で特定する構成を採用した場合、最大200ミリ秒のタイムラグが発生する可能性がある。このようなタイムラグが発生すれば、実際の遊技機3Aのポイントと、遊技装置1Aが把握する遊技機3Aのポイントと、にズレが生じ、ぴったり発行機能や計数演出等の制御が難しくなるおそれがある。
このようなタイムラグを軽減するための構成として、遊技装置1A側の持玉と、遊技機3Aのポイントと、の合計玉数を、計数処理中や計数処理前に特定しておき、その合計玉数から遊技装置1A側の持玉を減算して遊技機3Aのポイントを特定する構成を採用することも良い。このように遊技装置1A側の持玉と遊技機3Aのポイントとの関係性から、遊技機3Aに残存するポイントを特定すれば、上記のようなタイムラグによる影響を軽減できる。
つまり、遊技装置1Aが、遊技機3Aのポイントの残存数量を特定可能な情報(遊技玉ポイント情報)を例えば200ミリ秒などの所定時間が経過する毎に取得する情報取得手段を備えている一方、所定時間の途中では最新のポイントを遊技機3A側から取得できないように構成されている場合、所定時間が経過する途中の中間的な時点において遊技機3Aのポイントの残存数量を特定する遊技価値特定手段を遊技装置1Aに設けると良い。この遊技価値特定手段は、計数処理の実行中あるいは計数処理の実行前に前記情報取得手段により取得された情報により特定される遊技機3Aのポイントの残存数量と、当該情報の取得時点における中継カード57の持玉と、の合計価値が一定であることに基づき前記中間的な時点における持玉に応じて(例えば合計価値からの引き算など)、前記中間的な時点における遊技機3Aのポイントの残存数量を特定できる。
(D)台移動サポート機能
台移動サポート機能は、払出式か封入式かという形式である付与方式の違いや、レートの違いがある遊技機間での台移動をサポートする機能である。本例の遊技装置1では、付与方式(払出式か封入式かの形式)が異なる遊技機3で獲得された遊技価値である持玉を使用可能である。この遊技装置1を採用した遊技場用システム1Sであれば、払出式の遊技機3Bと封入式の遊技機3Aとの間での台移動が容易である。また、遊技価値(玉あるいはポイント)の単価であるレートが4円の遊技機の遊技にて獲得された遊技価値が、例えばレート1円の遊技機の遊技にて使用可能となり、その逆も可能となっている。
ここで、払出式の遊技機3Bに対応する遊技装置1Bは、持玉を対価としてポイントを付与する遊技装置1A(第1の価値付与手段、付与手段)とは異なり、遊技者による付与操作に応じて、媒体受付手段であるカードRWにより受け付けられた遊技カード53(記憶媒体)に対応付けられた持玉(所有価値)を対価として、払出式の遊技機3Bでの遊技にて消費可能なように玉を払出すことで遊技価値を付与する第2の価値付与手段を備えている。
台移動サポート機能は、図1に例示するように封入式の遊技機3Aと払出式の遊技機3Bとが例えば島単位で混在して設置され、さらに、遊技価値の単価であるレートとして例えば4円の遊技機3Aと1円の遊技機3Aとが例えば島単位で混在して設置された遊技場において有用である。
封入式の遊技機3Aでは、上記の通り遊技機3Aが記憶するポイントの計数に応じてポイントを減算更新することで計数処理が行われ、払出式の遊技機3Bでは、従来と同様、遊技者が獲得した玉を計数して回収することで計数処理が行われる。本例の構成では、このような付与方式に応じた計数処理の違いによらず、レートが同じであれば遊技カード53に記録される遊技価値(持玉等)が共通となっている。
つまり、本例の構成では、封入式の遊技機3Aに対応する遊技装置1A(第1の価値付与手段)、及び払出式の遊技機3Bに対応する遊技装置1B(第2の価値付与手段)は、対応する遊技機3と付与方式が同じ遊技機3により獲得された遊技価値を対価として遊技価値を付与可能である一方、対応する遊技機3とは付与方式が異なる遊技機3により獲得された遊技価値である他方式価値を対価として遊技価値を付与可能である。
遊技カード53では、払出式か封入式かという付与方式の区別なく、所有価値である持玉がレート単位に区別して記録されている。つまり、遊技カード53には、所謂封入式の遊技機3A(第1の遊技機)に係る持玉であるか、払出式の遊技機3B(第2の遊技機)に係る持玉であるかの区別なく所有価値が対応付けられている。このように本例の遊技カード53では、レートが同じであれば、付与方式の違いによらず遊技カード53に記録される持玉が共通になっているので、封入式の遊技機3Aと払出式の遊技機3Bとの間での自由な台移動が可能となっている。
遊技装置1Aは、遊技カード53が挿入された際、遊技カード53に記録された持玉のうち、レートが異なる他レートの遊技機3Aの遊技にて獲得された持玉も中継カード57に移行する。タッチパネル13に表示されるメニュー画面(図7(b)あるいは図9(b)参照。)における「他レート乗入」ボタンを選択すれば、所謂乗入処理が実行されて他レートの遊技機3Aの遊技による遊技価値の使用が可能になる。
レートが異なる遊技機3にて獲得した持玉の使用を可能とする乗入処理では、乗入先と乗入元とのレートに基づく換算率にて換算した上で持玉を使用することが許容される。例えばレート4円の遊技機3Aの遊技にて獲得された持玉をレート1円の遊技機3Aの遊技に使用する場合、4円の持玉を4倍にしたレート換算後の持玉が使用可能となる。なお、このようなレート換算を行う場合、手数料を徴収することも良い。
レートに応じて持玉を区分せず共通の持玉としても良い。この場合、遊技装置1Aに遊技カード53が挿入された際、レートに基づく換算率にて換算した後の持玉を中継カード57に移行すると良い。すなわち、遊技カード53には、遊技により獲得された遊技価値である所有価値をいずれか一のレートに換算した所有価値を対応付けると良い。
封入式か払出式かの付与方式に応じて持玉を区分して管理しても良い。この場合、封入式の遊技機3Aにて獲得した持玉を払出式の遊技機3Bにて使用する場合、あるいはその逆の場合のような所謂相互乗入の場合については、乗入条件を設定しても良い。乗入条件としては、手数料の支払いや、乗入により付与可能な遊技価値の上限設定などの条件を設定できる。さらに、払出式から封入式は許容するが、封入式から払出式は許容しないといったように、一方から他方へは許容するが、他方から一方へは許容しないという制限条件を設定することも良い。この場合、払出式から封入式への乗入と、封入式から払出式への乗入とで、異なる手数料や異なる上限設定を採用することも良い。
つまり、前記他方式価値を対価として、価値付与手段による遊技価値の付与を許可する許可手段としての機能を、遊技装置1Aの制御部20に持たせることも良い。この場合、この許可手段により他方式価値を対価とした遊技価値の付与が許可される条件である許可条件を設定するための許可条件設定手段を管理装置50に設けることも良い。
また、異なるレート間の乗入についても付与方式に応じた条件と同様の条件を設けても良い。さらに、例えばパチンコ遊技機とスロットマシン間での持玉移行は禁止するといったように、異なる種別の遊技機3間での移行について上記同様の条件を設けても良い。
持玉をレートや付与方式により区分して管理する場合(レートだけの場合、付与方式だけの場合を含む。)、乗入と同様に換算率にて換算することで、利用可能な持玉を自身が遊技する遊技機3のレートにより換算した上で、その合計を遊技者に提示しても良い。そこで、所有価値(持玉)に関する情報を遊技者側に提示する提示手段としての機能を、例えば遊技装置1のタッチパネル13に具備させると良い。
この提示手段により提示される所有価値である持玉に関する情報としては、例えば、付与方式単位あるいはレート単位に区別される持玉を、対応する付与方式あるいはレートにて換算した持玉の合計である合計換算価値を示す情報とすると良い。
例えば払出式のレート4円の遊技機3Bの持玉2000玉、払出式のレート1円の遊技機3Bの持玉8000玉、封入式のレート4円の遊技機3Aの持玉4000玉、及び封入式のレート2円の遊技機3Aの持玉6000玉が記録された遊技カード53を用いて遊技を行う場合について説明する。この遊技カード53を用いて封入式のレート4円の遊技機3Aにて遊技する場合、2000玉+8000玉÷4+4000玉+6000玉÷2=11000玉を、合計換算価値として遊技者に提示する。また、封入式のレート2円の遊技機3Aにて遊技する場合は、2000玉×2+8000玉÷2+4000玉×2+6000玉=22000玉を、合計換算価値として遊技者に提示する。
このように合計換算値を提示する場合、上記の乗入条件の下で利用可能な持玉分だけを提示対象とすると良い。例えば付与方式の違いによる付与上限が各レートで1000玉である場合、上記の遊技カード53を用いて封入式のレート4円の遊技機3Aを遊技するとき、払出式のレート4円の持玉2000玉から1000玉分、払出式のレート1円の持玉8000玉を換算した2000玉(8000÷4)から1000玉分の合計と、封入式のレート4円の持玉4000玉、封入式のレート2円の持玉6000玉を換算した3000玉(6000玉÷2)の合計である9000玉を、合計換算価値として提示する。また、付与上限として換算後の値を採用することを例示したが、換算前の値を採用して付与上限を設定しても勿論良い。
なお、乗入の際に手数料を徴収することも良い、手数料の徴収方法としては、持玉等から徴収する方法や、残高から徴収する方法等がある。手数料率としては、例えば5%(100玉の払出に対して5玉)等を設定すると良い。
以上の通り、本例の遊技場用システム1Sは、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である持玉等の取扱いについて、遊技者側の利便性を向上したシステムである。この遊技場用システム1Sが導入された遊技場では、持玉の取り扱いの不便に起因して、遊技者の遊技意欲が損なわれるおそれが少ない。
遊技場用システム1Sは、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算されるポイントを記憶する記憶部43を備える所謂封入式の遊技機3Aに対応するシステムである。この遊技場用システム1Sでは、持玉を対応付け可能な記憶媒体として中継カード57及び遊技カード53が設けられている。そして、この遊技場用システム1Sは、中継カード57及び遊技カード53に対応するデータである持玉を更新する第1及び第2のカードRW180A・Bを備えている。
この遊技場用システム1Sでは、遊技者によって所定の付与操作あるいは所定の計数操作が行われた場合、中継カード57と遊技機3Aとの間で遊技価値の移行が行われる。一方、遊技者によって所定の発行操作が行われた場合に、中継カード57に対応する持玉の全部または一部が遊技カード53に移行され、遊技機3A側にポイントが残存しているか否かに関わらず、その遊技カード53が遊技者側に発行される。
ここで、所謂封入式の遊技機3Aでは、規則上、遊技に使用可能なポイントと、記憶媒体の発行対象となる持玉と、を区別して管理する必要があると共に、ポイントが残存している状態で挿入されている記憶媒体とは異なる記憶媒体にて遊技機と通信してはならないといった通信条件が課される虞がある。
一方、遊技場用システム1Sでは、遊技者側に発行される遊技カード53のほかに、遊技機3Aとの間で遊技価値を移行させる中継カード57が設けられている。したがって、この遊技場用システム1Sでは、上記の通信条件が設定された場合であっても、中継カード57を介して遊技機3Aのポイントを増減することができ、遊技機3A側にポイントが残存している場合に中継カード57を残し、遊技カード53を発行可能である。
この遊技場用システム1Sでは、中継カード57が発行対象とならないため、遊技機3Aにポイントが残存している状態で遊技機3Aと通信するのは中継カード57だけとなるので、通信条件を満たした上での分割発行処理のような発行処理が可能となる。このように遊技場用システム1Sは、遊技機3Aにポイントが残存する状態であっても持玉の一部を発行可能とすることで、遊技中に発行処理を行う場合の遊技者側の面倒を低減できる有効なシステムである。
遊技場用システム1Sにおいて、所有価値移行手段としての制御部20は、カードRW180Bが遊技カード53を受け付けた場合に、この遊技カード53に対応する持玉を中継カード57に移行する。このように遊技機カード53の受付時点で中継カード57に持玉が移行するので、遊技機3Aとの通信対象を、挿入された遊技カード53ではなく中継カード57へスムーズに移行できる。
遊技場用システム1Sにおいて、遊技装置1Aが備えるカードRW180Aは、遊技装置1Aが受け付けた貨幣価値のうち遊技価値の対価として消費されていない貨幣価値である残高を中継カード57に対応付ける。このように遊技場用システム1Sでは、入金があった場合に中継カード57の残高を更新するため、この場合においても遊技機3Aと通信対象となるカードが中継カード57となる。
遊技場用システム1Sでは、中継カード57を取り出すための操作として、遊技カード53を発行させるための操作とは異なり、遊技者に許可されていない所定の取出操作が設定されている。遊技場側の従業員等は、この所定の取出操作を実行することで、中継カード57の交換等のメンテナンス時にスムーズに作業を実施できる。
遊技場用システム1Sでは、遊技機3Aと中継カード57との間での遊技価値の移行が可能である一方、中継カード57と遊技カード53との間の持玉の移行が抑制される通信モード、及び中継カード57と遊技カード53との間の持玉の移行が可能である一方、遊技機3Aと中継カード57との間での遊技価値の移行が抑制される発行モード、のいずれか一方の動作モードを選択的に実行可能である。この場合には、中継カード57が遊技機3Aとの間で遊技価値の移行が許容されるモードと、中継カード57が遊技カード53との間で持玉が移行されるモードと、を確実に切替できる。
遊技場用システム1Sでは、遊技者が獲得した遊技価値を計数する計数処理の進行に伴って変動する計数変動値を対象として、遊技者による指定操作により指定値を設定可能である。そして、この遊技場用システム1Sは、指定値が設定された状態で計数処理を行う場合に、計数変動値と指定値とが所定の関係になることで終了する特別計数処理を実行し、この特別計数処理により更新された所有価値(持玉)が対応付けられた遊技カード53を発行する。
この遊技場用システム1Sでは、遊技者が指定値を設定すると、その指定値に応じた所有価値が対応付けられた遊技カード53が発行される。したがって、この遊技場用システム1Sでは、遊技者が獲得した遊技価値を対象とした計数処理を行う場合に遊技者が意図しない処理が行われる虞が少なくなっている。
遊技場用システム1Sでは、指定操作により設定できる指定値の上限を設定する上限設定手段が設けられている。計数手段としての遊技装置1Aは、遊技者による計数操作が受付けられている期間に応じて、封入式の遊技機3Aが記憶するポイントを中継カード57に移行することで計数処理を行う。この遊技装置1Aによる特別計数処理は、計数変動値と前記指定値とが所定の関係になった場合に、計数操作が受付けられているか否かに関わらず終了される。上限設定手段は、指定操作により設定可能な指定値の上限を、遊技機3Aが記憶するポイントの数量に応じて変更する。この場合には、上限によって無効な指定操作を排除でき、遊技装置1Aの処理負担を軽減できる。
上記の計数変動値は、遊技者に対する発行対象となる持玉であっても良い。上記の特別計数処理は、指定値が設定されている状態で、この特別計数処理の進行に伴って持玉が指定値に到達した場合、すなわち計数変動値である持玉と指定値とが所定の関係になると終了する。発行対象となる希望の持玉が指定値の設定対象となるため、遊技者にとって設定操作がわかり易く容易になる。なお、計数変動値と指定値との所定の関係として、計数変動値が指定値に一致して到達した関係を例示したが、計数変動値が指定値以上である関係、計数変動値が指定値の100〜105%の範囲に属する関係等であっても良い。
上記の計数変動値は、遊技者に対する発行対象となる持玉(所有価値)、或いは計数処理の計数対象となる遊技価値である計数玉(計数価値)であっても良い。上記の指定操作は、持玉及び計数玉のうちのいずれかを対象とした指定値を選択的に設定可能である。特別計数処理は、指定値が持玉を対象としていれば、この特別計数処理の進行に伴って持玉が指定値に到達した場合に終了する。一方、指定値が計数玉を対象としていれば、特別計数処理の進行に伴って計数玉が指定値に到達した場合に終了する。持玉や計数玉が指定値の設定対象となっていれば、遊技者のニーズに幅広く応えられる。
遊技場用システム1Sは、遊技カード53を発行するに当たって、特別計数処理に関わりなく遊技カード53を発行するか否かを選択的に決定する決定手段と、遊技カード53を発行するに当たって、遊技カード53に対応付けられる持玉(所有価値)に関する指定値である発行指定値を設定するために遊技者が行う発行指定操作を受け付ける発行指定操作手段と、を備えている。上記の計数変動値が、遊技者に対する発行対象となる持玉(所有価値)であるとき、前記決定手段は、中継カード57の持玉と、発行指定値と、を比較して、特別計数処理に関わりなく遊技カード53を発行する否かを決定する。それ故、遊技場用システム1Sでは、計数処理を含む発行操作と、計数処理を含まない発行操作と、を同じ操作にできるため、遊技者に煩雑な操作を求めることなく、多彩な発行処理が可能となる。
遊技場用システム1Sは、封入式の遊技機3Aにより記憶されるポイント(遊技価値)の全部または一部を、遊技装置1A側で記憶される持玉に移行するために遊技者が行う所定の計数操作を受け付ける計数操作受付手段と、この計数操作に応じて、遊技機3Aにより記憶されるポイントの減算、及び減算したポイントの持玉への加算を繰り返す計数処理を実行する計数手段と、を備えている。画像を表示する画面を含む表示手段をなすタッチパネル13は、計数処理の実行中において、遊技機3Aにより記憶されるポイントの残存数量に応じて表示画面を切り替える。遊技場用システム1Sによれば、封入式の遊技機3Aにおけるポイントを持玉に移行するための計数操作に対応して、遊技機3Aに残存するポイントに応じてタッチパネル13の表示を切替でき、計数処理の継続中において、遊技終了に応じた報知演出を効果的に実行できる。また、遊技機3Aのポイントの残存数量を視覚的に遊技者に報知できるようになる。
さらに、計数処理の継続中において、表示手段としてのタッチパネル13は、計数操作が継続された時間に関する閾値処理の結果に応じて表示画面を切替可能である。計数ボタン357の押下げ操作である計数操作が1回押しであるか、長押し操作であるかによってタッチパネル13の表示を切り替えれば、長押し操作への切替を遊技者にわかり易く報知できる。
さらに、計数処理の継続中において、表示手段としてのタッチパネル13は、遊技機3Aのポイントの残存数量に応じて、表示内容を連続的に変化させる。計数処理中に残存するポイントに応じてタッチパネル13の画面表示を連続的に変化させれば、計数処理の進行度合いを遊技者に直感的にイメージさせることができ、計数処理後の状態を遊技者がイメージできるようになる。
また、表示手段としてのタッチパネル13は、計数処理の実行中に、遊技機3Aのポイントの残存数量がゼロに到達するまでの残り時間を報知する表示画面を表示する。この場合には、計数処理に係る待ち時間を遊技者に提示可能となる。
計数処理の実行中において、遊技機3Aのポイントの残存数量を特定可能な情報を所定時間が経過する毎に取得するように構成された封入式の遊技機3A用の遊技装置1Aの場合、所定時間が経過する途中の中間的な時点において遊技価値の残存数量を特定する遊技価値特定手段を設けると良い。この遊技価値特定手段は、計数処理の実行中あるいは計数処理の実行前に取得された情報により特定されるポイントの残存数量と、この情報の取得時点における持玉と、の合計価値が一定であることに基づき、上記の中間的な時点における持玉に応じて、中間的な時点におけるポイントの残存数量を特定すると良い。計数処理中あるいは計数処理前に受信した遊技機3Aのポイントと遊技装置1A側の持玉との関係性を利用すれば、計数処理中の遊技機3Aのポイントを精度高く特定できる。
遊技場用システム1Sは、遊技に伴い減算され、遊技で入賞すると加算されるポイントを記憶する封入式の遊技機3A、及び遊技価値である玉を消費して遊技され、遊技で入賞すると玉の払出を受けられる払出式の遊技機3B、という付与方式が異なる遊技機に対応するシステムである。
この遊技場用システム1Sは、封入式の遊技機3Aが記憶するポイントを加算することで遊技価値を付与する第1の価値付与手段と、払出式の遊技機3Bでの遊技にて消費可能なように遊技価値である玉を払出すことで遊技価値を付与する第2の価値付与手段と、を備えている。第1及び第2の価値付与手段は、対応する遊技機3と付与方式が同じ遊技機3により獲得された遊技価値を対価として遊技価値を付与可能であると共に、対応する遊技機とは付与方式(封入式か払出式か)が異なる遊技機3により獲得された遊技価値である他方式価値を対価として遊技価値を付与可能であると良い。この遊技場用システム1Sによれば、封入式の遊技機3Aと払出式の遊技機3Bとの間での台移動を適切にサポートでき、遊技者の利便性を向上できる。
上記の他方式価値を対価として、前記価値付与手段による遊技価値の付与を許可する許可手段と、許可手段により他方式価値を対価とした遊技価値の付与が許可される条件である許可条件を設定するための許可条件設定手段と、を備えると良い。この場合には、遊技場毎の個別設定により、他方式価値による遊技を認めるかどうかを設定できるようになり、遊技場毎の経営方針に汎用的に対応できるようになる。例えば遊技場側のニーズとして、新たに導入した封入式の遊技機を積極的に遊技させたい、或いは新台となる封入式だけでなく従来の払出式についても遊技させたいといったような遊技場の利便性や収益性を考慮した上で、付与方式が異なる遊技機間での持玉の利用状況を制限可能となる。
遊技カード53に対して、封入式の遊技機3Aに係る持玉(所有価値)であるか払出式の遊技機3Bに係る所有価値であるかの区別なく所有価値を対応付け可能とすると良い。共通の持玉とすることで管理負担が軽減されると共に、封入式と払出式との間で台移動が行われる場合の遊技装置1側の処理負担が軽減される。また、例えば従来の払出式の遊技機3Bのみが設置される遊技場に封入式の遊技機3Aを設置した場合であっても、管理対象とする新たな持玉区分を増やす必要性を低減できる。
封入式の遊技機3A及び払出式の遊技機3Bのうちの少なくともいずれかには、遊技価値のレートが異なる遊技機が含まれていても良い。この場合、遊技カード53に対して、レート単位に区別して所有価値を対応付け可能とすると良い。レートが異なる場合に区分して管理することで、従来と同様の管理が可能になると共に、封入式の遊技機3Aと払出式の遊技機3Bとの間で台移動を行う場合に、レートが同じあればそのまま持玉を利用可能になる一方、レートが異なれば乗入して利用可能になるといったように従来と同様の処理にて対応可能となる。
封入式及び払出式の遊技機3A・Bのうちの少なくともいずれかには、遊技価値のレートが異なる遊技機が含まれている。一方、遊技カード53に対しては、遊技により獲得された遊技価値である所有価値をいずれか一のレートに換算した所有価値を対応付け可能とすると良い。この場合には、遊技カード53に対応付けられた所有価値を一元的に管理できるようになる。
所有価値に関する情報を遊技者側に提示するタッチパネル13などの提示手段が遊技機単位で対応して設けられ、遊技カード53には、付与方式単位、あるいは遊技価値のレート単位、に区別して持玉(所有価値)が対応付けられ、第1の価値付与手段である遊技装置1A、及び第2の価値付与手段である遊技装置1Bは、他方式価値あるいはレートが異なる所有価値である他レート価値を対価として遊技価値の付与が可能である。タッチパネル13により提示される所有価値に関する情報は、付与方式単位あるいはレート単位に区別される所有価値を、対応する付与方式あるいはレートにて換算した所有価値の合計である合計換算価値を示す情報であると良い。遊技するレートに合せて合計換算価値を表示することで、従来のレート単位の区分だけでなく付与方式により区分されるような複雑な所有価値の区分を採用する場合であっても、遊技者の所有価値、或いは利用可能な所有価値を分かり易く提示可能となる。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、レート単位に区別して持玉(所有価値)が記録された遊技カード53を遊技装置1Aが受け付けたとき、対応する遊技機3Aとはレートが異なる他レートの持玉(他レート持玉)についても中継カード57に移行する構成を例示している。これに代えて、所有価値移行手段としての制御部20は、カードRW180B(媒体受付手段)により遊技カード53(第2の記憶媒体)が受け付けられた場合に、この遊技カード53にレート単位に区別して記録された持玉のうち、対応する遊技機3Aのレートとは異なるレートに対応する持玉については遊技カード53から中継カード57(第1の記憶媒体)への移行を実行せず、遊技機3Aのレートに対応する持玉(自レート持玉)については遊技カード53から中継カード57に移行しても良い。このように他レート持玉のような遊技に利用しない持玉を中継カード57に移行しない構成を採用すれば、持玉を移行する際の遊技装置1の処理負担を軽減できる。
この場合、例示した台移動サポート機能を想定すると、例えば遊技者による台移動サポート機能を利用する旨の操作を受け付けるといったような台移動サポート機能を利用する場合の利用条件を予め設定し、遊技カード53が受け付けられた場合に利用条件が成立していなければ自レート持玉は中継カード57に移行する一方、他レート持玉は移行せず、利用条件が成立していれば自レート持玉だけでなく他レート持玉を移行することを想定できる。更に、利用条件が成立している場合に乗入れ先のような換算元のレートが指定されていれば、その指定されているレートの持玉を移行対象とすることや、その指定操作の受付に応じて指定されたレートの持玉を移行対象とすること等が想定できる。
封入式の遊技機3Aを例示したが、従来の遊技媒体を払出す払出式の遊技機3Bを対象とする構成も考えられる。また、各台計数機能を備える遊技装置1に代えて、あるいは加えて所謂島端に設けられる島端計数機を採用しても良い。
記憶媒体としてはカードを例示したが、コインや携帯メモリー、或いは紙等、どのような記憶媒体を採用しても良い。また、遊技価値の対応付けとしては記憶媒体に直接記録しても良いし、管理装置にて記憶媒体の識別情報(例えばカードIDなど)と遊技価値とを対応付ける等しても良く、記憶媒体は対応する遊技価値を特定可能な情報が記録されていれば、どのような構成を採用しても良い。特に、遊技者に発行することがない中継カード57については各種の態様が考えられる。管理装置50において、遊技カード53のカードIDを対応付けて遊技価値を記憶することで、遊技価値を遊技カード53に対応付けることも良い。この場合、遊技価値を対応付け可能な遊技カード53に対応するデータを更新する媒体更新手段は、管理装置が担うことになる。
本例では、持玉が記録された記憶媒体である遊技カード53を遊技者側に発行する構成を採用している。これに代えて、記憶媒体を排出せず、例えば遊技者の携帯電話等の端末機器に持玉を転送することで発行処理を行っても良い。転送方法としては、例えばFeliCa(登録商標)のような通信方式を利用できる。例えば持玉を示すバーコード情報を表示することで発行処理を行っても良い。このように発行処理としては、様々な処理の態様を採用できる。また、中継カード57のような通信条件を考慮しない構成を適宜採用しても良い。
特殊計数操作として計数ボタンの長押しを例示したが、例えば計数ボタンの押下げ中に発行ボタン等の他の操作ボタンを押下する等の他の操作を特殊計数操作としても勿論よい。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても良く、予め管理装置の製造メーカにて設定しても良く、例えばチェーン店本部等の外部のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。なお、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。
遊技機の機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により構成しても良い。
なお、実施例中で例示した数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
対象となる遊技機としては、例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等にも採用できる。なお、例示した封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現している。
遊技装置1Aが行う処理の一部を中継装置54、情報表示装置51、或いは管理装置50にて行うといったように、例示した処理をいずれの装置により行うかについては、どの様に構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。