各図に適宜示すZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。X軸方向およびY軸方向は、Z軸方向と直交する方向であり、互いに直交する方向である。各図に適宜示す中心軸Jは、Z軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向Z」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1に示すように、本実施形態のモータ10は、ハウジング20と、ロータ30と、ベアリング33,34と、ステータ40と、バスバーユニット60と、Oリング71と、オイルシール73と、を備える。ハウジング20は、内部にロータ30およびステータ40を収容する。ハウジング20は、金属製である。ハウジング20は、ハウジング本体21と、第1フランジ部22と、を有する。
ハウジング本体21は、上側に開口する第1開口部20aを有する筒状である。すなわち、ハウジング20は、第1開口部20aを有する。ハウジング本体21は、軸方向Zに延びる円筒状である。より詳細には、ハウジング本体21は、中心軸Jを中心とする多段の円筒状である。ハウジング本体21は、ステータ保持部21aと、拡径部21bと、ベアリング保持部21cと、オイルシール保持部21dと、を有する。ステータ保持部21aの内周面には、ステータ40のうち後述するステータコア41の外周面が固定される。
拡径部21bは、ステータ保持部21aの上側の端部に繋がる。拡径部21bの内径および外径は、ステータ保持部21aの内径および外径よりも大きい。拡径部21bの上側の端部は、ハウジング本体21の上側の端部である。拡径部21bには、後述するバスバーホルダ60aの下側の部分が収容される。
ベアリング保持部21cは、ステータ保持部21aの下側の端部に繋がる。ベアリング保持部21cの内径および外径は、ステータ保持部21aの内径および外径よりも小さい。ベアリング保持部21cの内部には、ベアリング33が保持される。オイルシール保持部21dは、ベアリング保持部21cの下側の端部に繋がる。オイルシール保持部21dの内径および外径は、ベアリング保持部21cの内径および外径よりも小さい。オイルシール保持部21dは、下側に開口する。オイルシール保持部21dの内部には、オイルシール73が保持される。
第1フランジ部22は、ハウジング本体21の上側の端部から径方向外側に突出する。第1フランジ部22は、板面が軸方向Zを向く板状であり、中心軸Jを中心とする円環状である。図2に示すように、第1フランジ部22は、周方向に延びる第1フランジ部本体22aと、第1フランジ部本体22aから径方向外側に突出する第1取付部22bと、を有する。本実施形態において第1フランジ部本体22aは、中心軸Jを中心とする円環状である。第1取付部22bは、第1取付部22bを軸方向Zに貫通する第1取付孔22cを有する。第1取付孔22cは、周方向に長い長円形状である。本実施形態において、第1取付部22bは、周方向に沿って3つ設けられる。
ハウジング20は、第1爪部23と、第2爪部123と、をさらに有する。本実施形態において第1爪部23と第2爪部123とは、それぞれ複数ずつ設けられる。第1爪部23と第2爪部123とは、例えば、それぞれ3つずつ設けられる。複数の第1爪部23と複数の第2爪部123とは、周方向に沿って配置される。図3から図6に示すように、第1爪部23および第2爪部123は、第1フランジ部本体22aの径方向外縁部に繋がる。すなわち、第1爪部23および第2爪部123は、第1フランジ部22に繋がる。
図3および図4に示すように、第1爪部23は、第1基部23aと、第1カシメ部23bと、を有する。第1基部23aは、第1フランジ部本体22aの径方向外縁部から上側に延びる部分である。すなわち、第1基部23aは、第1フランジ部22から上側に延びる。本実施形態において第1基部23aは、板面が径方向を向く板状である。
第1カシメ部23bは、第1基部23aの上側の端部から径方向内側に延びる部分である。本実施形態において第1カシメ部23bは、板面が周方向に沿った板状である。第1カシメ部23bの径方向内側の部分は、斜め下方に向かって延びる。本実施形態において、第1カシメ部23bのうち径方向内側の端部の少なくとも一部は、後述する第1収容凹部68dに収容される。第1カシメ部23bの径方向外側の部分における下側の面は、後述する第3壁部68cの上側の端部と接触する。第1爪部23は、図4に二点鎖線で示す状態から径方向内側かつ下側に折り曲げられてカシメられ、図3および図4に実線で示す状態になる。すなわち、図4に二点鎖線で示す状態の第1爪部23がカシメられることによって、第1カシメ部23bが作られる。
図5および図6に示すように、第2爪部123は、第2基部123aと、第2カシメ部123bと、を有する。本実施形態において第2爪部123の形状は、第1爪部23の形状と同様である。すなわち、第2基部123aの形状は、第1基部23aの形状と同様である。第2カシメ部123bの形状は、第1カシメ部23bの形状と同様である。第2基部123aは、第1フランジ部本体22aの径方向外縁部から上側に延びる部分である。すなわち、第2基部123aは、第1フランジ部22から上側に延びる。
第2カシメ部123bは、第2基部123aの上側の端部から径方向内側に延びる部分である。本実施形態において、第2カシメ部123bのうち径方向内側の端部の少なくとも一部は、後述する第3収容凹部168dに収容される。第2カシメ部123bの径方向外側の部分における下側の面は、後述する第3壁部168cの上側の端部と接触する。第2爪部123は、第1爪部23と同様に、図6に二点鎖線で示す状態から径方向内側かつ下側に折り曲げられてカシメられ、図5および図6に実線で示す状態になる。すなわち、図6に二点鎖線で示す状態の第2爪部123がカシメられることによって、第2カシメ部123bが作られる。
図1に示すように、ロータ30は、シャフト31と、ロータ本体32と、センサマグネット36と、を有する。シャフト31は、中心軸Jに沿って配置される。シャフト31は、中心軸Jを中心として軸方向Zに延びる円柱状である。シャフト31は、ベアリング33,34によって回転可能に支持される。ベアリング33,34は、例えば、ボールベアリングである。ロータ本体32は、シャフト31の外周面に固定される。図示は省略するが、ロータ本体32は、シャフト31の外周面に固定されるロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。ロータコアは、シャフト31に直接固定されてもよく、部材等を介して間接的に固定されてもよい。ロータマグネットは、単一のマグネットであってもよく、複数のマグネットであってもよい。
センサマグネット36は、シャフト31に固定される。より詳細には、センサマグネット36は、シャフト31の上側の端部に、取付部材35を介して固定される。取付部材35は、周方向に沿った円環状である。取付部材35は、シャフト31の上端部に嵌め合わされて固定される。本実施形態においてセンサマグネット36は、中心軸Jを中心とする円環状である。センサマグネット36は、取付部材35の径方向外縁部の上面に固定される。なお、センサマグネット36は、シャフト31に直接的に固定されてもよい。また、センサマグネット36は、ロータ本体32に直接または間接的に保持されてもよい。本実施形態においてセンサマグネット36は、被検出部に相当する。
ステータ40は、ロータ30の径方向外側に配置される。ステータ40は、ステータコア41と、インシュレータ44と、複数のコイル45と、を有する。ステータコア41は、中心軸Jを中心とする円環状のコアバック42と、コアバック42から径方向内側に延びる複数のティース43と、を有する。コアバック42の外周面は、ステータ保持部21aの内周面に固定される。インシュレータ44は、ティース43に装着される。複数のコイル45は、インシュレータ44を介して各ティース43に装着される。
バスバーユニット60は、ステータ40の上側に配置される。バスバーユニット60は、バスバーホルダ60aと、回路基板80と、回転センサ83と、バスバー81,82と、を有する。すなわち、モータ10は、バスバーホルダ60aと、回路基板80と、回転センサ83と、バスバー81,82と、を備える。バスバーホルダ60aは、バスバー81,82を保持する部材である。バスバーホルダ60aは、ステータ40の上側に配置される。バスバーホルダ60aは、第1開口部20aを塞ぐ。バスバーホルダ60aは、第1フランジ部22によって下側から支持される。バスバーホルダ60aは、樹脂製である。バスバーホルダ60aは、バスバーホルダ本体61と、嵌合部62と、コネクタ部63と、ベアリング保持部64と、連結部65と、支持部66と、第2フランジ部67と、蓋部69と、を有する。
図1および図2に示すように、バスバーホルダ本体61は、上側に開口する第2開口部61aを有し、中心軸Jを囲む筒状である。より詳細には、バスバーホルダ本体61は、軸方向両側に開口し、中心軸Jを中心とする略円筒状である。バスバーホルダ本体61は、第1開口部20aの上側に配置される。本実施形態においてバスバーホルダ本体61は、ステータ40の上側に配置される。
図2に示すように、バスバーホルダ本体61は、径方向外側に突出する突出部61bを有する。突出部61bは、軸方向Zに沿って視て、略矩形状である。突出部61bが突出する方向は、X軸方向と平行な方向である。以下の説明においては、突出部61bが突出する方向、すなわちX軸方向と平行な方向を「突出方向X」と呼ぶ。
図1に示すように、嵌合部62は、バスバーホルダ本体61から下側に突出する。図示は省略するが、嵌合部62は、周方向に延びる円弧状である。嵌合部62の形状は、例えば、軸方向Zに沿って視て、突出方向Xのコネクタ部63側に開口するC字形状である。嵌合部62は、ハウジング20の内部に挿入される。より詳細には、嵌合部62は、拡径部21bの内側、すなわち第1開口部20aに嵌め合わされる。
コネクタ部63は、バスバーホルダ本体61から径方向外側に延びる。より詳細には、コネクタ部63は、バスバーホルダ本体61から突出方向Xに延びる。すなわち、本実施形態において突出方向Xは、コネクタ部63が突出する方向でもある。コネクタ部63は、ハウジング20よりも径方向外側に突出する。コネクタ部63は、コネクタ部63の径方向外側の端部から径方向内側に窪む凹部を有する。コネクタ部63には、図示しない外部装置が接続される。外部装置は、例えば、モータ10に電力を供給してモータ10を制御する制御装置である。
ベアリング保持部64は、バスバーホルダ本体61の径方向内側に配置される。ベアリング保持部64は、中心軸Jを中心とする略円筒状である。ベアリング保持部64は、内部にベアリング34を保持する。図2に示すように、ベアリング保持部64は、連結部65を介してバスバーホルダ本体61と繋がる。図1に示すように、支持部66は、ベアリング保持部64から上側に突出する。支持部66の上側の端部は、第2開口部61aを介してバスバーホルダ本体61よりも上側に突出する。図2に示すように、支持部66は、周方向に沿って複数設けられる。
第2フランジ部67は、バスバーホルダ本体61から径方向外側に突出する。図1に示すように、本実施形態において第2フランジ部67は、バスバーホルダ本体61の下側の端部から径方向外側に突出する。第2フランジ部67は、第1フランジ部22の上側の面に接触する。図2に示すように、第2フランジ部67は、周方向に延びる第2フランジ部本体67aと、第2フランジ部本体67aから径方向外側に突出する第2取付部67bと、を有する。
第2フランジ部本体67aは、軸方向Zに沿って視て、突出方向Xのコネクタ部63側に開口するC字形状である。第2フランジ部本体67aの周方向両側の端部は、突出部61bの周方向両側の端部のそれぞれに繋がる。第2フランジ部本体67aの径方向外縁部は、第1フランジ部本体22aの径方向外縁部よりも径方向内側に配置される。図4に示すように、第2フランジ部本体67aは、第1フランジ部本体22aの上側の面に接触する。
第2フランジ部本体67aは、下側の面から上側に窪む溝67dを有する。すなわち、第2フランジ部67は、溝67dを有する。図示は省略するが、溝67dは、中心軸Jを中心とする円環状である。本実施形態において溝67dは、第2フランジ部本体67aの下側の面と突出部61bの下側の面とに跨って設けられる。
図2に示すように、本実施形態において第2取付部67bは、周方向に沿って3つ設けられる。各第2取付部67bは、軸方向Zに沿って視て、各第1取付部22bと重なる。第2取付部67bの下側の面は、第1取付部22bの上側の面と接触する。第2取付部67bは、第2取付部67bを軸方向Zに貫通する第2取付孔67cを有する。第2取付孔67cは、円形状である。互いに軸方向Zに重なる第1取付部22bおよび第2取付部67bにおいて、第1取付孔22cと第2取付孔67cとは、軸方向Zに沿って視て、互いに重なる。
第1取付孔22cと第2取付孔67cとには、モータ10が搭載される機器にモータ10を取り付けるためのネジが通される。そのネジによって、第1取付部22bと第2取付部67bとは、モータ10が搭載される機器に取り付けられる。本実施形態において第2取付孔67cには、軸方向Zに延びる円筒状の筒部材84が嵌め込まれて固定される。筒部材84は、軸方向両側に開口する。筒部材84は、金属製である。モータ10を取り付けるためのネジは、第2取付孔67cのうち筒部材84の内側を通る。
図2に示すように、第2フランジ部67は、第1カシメ収容部68と、第2カシメ収容部168と、をさらに有する。第1カシメ収容部68および第2カシメ収容部168は、第2フランジ部本体67aに設けられる。本実施形態において第1カシメ収容部68と第2カシメ収容部168とは、それぞれ複数ずつ設けられる。第1カシメ収容部68と第2カシメ収容部168とは、例えば、それぞれ3つずつ設けられる。複数の第1カシメ収容部68と複数の第2カシメ収容部168とは、周方向に沿って配置される。第1カシメ収容部68には、第1爪部23が固定される。第2カシメ収容部168には、第2爪部123が固定される。
図3および図4に示すように、第1カシメ収容部68は、一対の第1壁部68aと、第2壁部68bと、第3壁部68cと、を有する。すなわち、第2フランジ部67は、一対の第1壁部68aと、第2壁部68bと、第3壁部68cと、を有する。図3に示すように、一対の第1壁部68aは、径方向に延び、互いに周方向に間隔を空けて配置される。一対の第1壁部68aは、互いに平行である。一対の第1壁部68aは、第2フランジ部本体67aから径方向外側に突出する。一対の第1壁部68aの上側の端部は、第2フランジ部本体67aよりも上側に配置され、第2フランジ部本体67aの上側の面上を径方向に延びてバスバーホルダ本体61と繋がる。すなわち、一対の第1壁部68aは、第2フランジ部本体67aよりも上側に突出する。
一対の第1壁部68a同士の周方向の間には、第1爪部23が配置される。一対の第1壁部68a同士の周方向距離は、第1爪部23の周方向の幅よりも大きい。より詳細には、一対の第1壁部68aのうち第2フランジ部本体67aよりも径方向外側の部分同士の周方向の間には、第1基部23aが配置される。一対の第1壁部68aのうち第2フランジ部本体67aよりも径方向外側の部分同士の周方向距離は、第1基部23aの周方向の寸法よりも大きい。
第2壁部68bは、第2フランジ部本体67aから上側に突出する。第2壁部68bは、周方向に延びて一対の第1壁部68a同士を繋ぐ。本実施形態において第2壁部68bは、周方向に沿った直線状に延びて、一対の第1壁部68aの上側の端部における径方向の中央部分同士を繋ぐ。図4に示すように、周方向と直交する断面において第2壁部68bの上側の端面68gは、上側に凸となる曲面であり、曲率が径方向に沿って変化する部分を有する。
図3および図4に示すように、第3壁部68cは、第2壁部68bの径方向外側に配置される。本実施形態において第3壁部68cは、第2フランジ部本体67aの径方向外縁部のうち一対の第1壁部68a同士の間の部分から上側に突出する。第3壁部68cは、周方向に延びて一対の第1壁部68a同士を繋ぐ。本実施形態において第3壁部68cは、周方向に沿って直線状に延びて一対の第1壁部68a同士を繋ぐ。
図4に示すように、周方向と直交する断面において第3壁部68cの上側の端面68fは、上側に凸となる曲面であり、曲率が径方向に沿って変化する部分を有する。本実施形態において第3壁部68cの端面68fの形状は、第2壁部68bの端面68gの形状と同様である。本実施形態において第3壁部68cは、第1カシメ部23bと第1フランジ部22との軸方向Zの間に配置される。本実施形態において第3壁部68cは、第1カシメ部23bと第1フランジ部本体22aとの軸方向Zの間に配置される。
図3および図4に示すように、第1カシメ収容部68は、下側に窪む収容凹部として、第1収容凹部68dと、第2収容凹部68eと、を有する。本実施形態において第1収容凹部68dは、第2フランジ部本体67aと一対の第1壁部68aと第2壁部68bと第3壁部68cとに囲まれて構成される。すなわち、第1収容凹部68dの周方向両側には、第1壁部68aが配置される。一対の第1壁部68aは、第1収容凹部68dを構成する壁部のうち周方向両側の壁部を構成する。第2壁部68bは、第1収容凹部68dを構成する壁部のうち径方向内側の壁部を構成する。第3壁部68cは、第1収容凹部68dを構成する壁部のうち径方向外側の壁部を構成する。第1収容凹部68dの周方向の寸法は、第1カシメ部23bの周方向の寸法よりも大きい。
第2収容凹部68eは、第2フランジ部本体67aと一対の第1壁部68aと第2壁部68bとバスバーホルダ本体61とに囲まれて構成される。すなわち、第2収容凹部68eの周方向両側には、第1壁部68aが配置される。一対の第1壁部68aは、第2収容凹部68eを構成する壁部のうち周方向両側の壁部を構成する。バスバーホルダ本体61は、第2収容凹部68eを構成する壁部のうち径方向内側の壁部を構成する。第2壁部68bは、第2収容凹部68eを構成する壁部のうち径方向外側の壁部を構成する。
第2収容凹部68eは、第1収容凹部68dの径方向内側に配置される。第2収容凹部68eの周方向の寸法は、第1カシメ部23bの周方向の寸法よりも大きい。第1収容凹部68dの周方向の寸法と第2収容凹部68eの周方向の寸法とは、例えば、同じである。
第1カシメ部23bの少なくとも一部は、第1収容凹部68dと第2収容凹部68eとのうちの一方の収容凹部に収容される。本実施形態では、第1カシメ部23bの径方向内側の端部の少なくとも一部が、第1収容凹部68dに収容される。第1カシメ部23bは、第1収容凹部68dを構成する壁部のうち径方向外側の壁部である第3壁部68cに上側から接触する。これにより、第1カシメ部23bは、第1カシメ収容部68において、第1フランジ部本体22aとの間で第2フランジ部67を軸方向Zに挟み込んで固定する。したがって、バスバーホルダ60aをハウジング20に対して固定でき、バスバーホルダ60aがハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に移動することを抑制できる。
一方、第1爪部23をカシメる前においては、第1爪部23は、図4に二点鎖線で示すような状態であり、第1カシメ収容部68に対して周方向に移動可能である。そのため、バスバーホルダ60aをハウジング20に対して周方向に移動させることができる。そして、バスバーホルダ60aの周方向位置を決めた後に第1爪部23をカシメて第1カシメ部23bを作ることで、バスバーホルダ60aをハウジング20に対して固定できる。
このように本実施形態によれば、モータ10を組み立てる際に、バスバーホルダ60aに保持された回転センサ83のセンサマグネット36に対する周方向位置を調整可能であり、かつ、モータ10を組み立てた後においては、ハウジング20に対してバスバーホルダ60aを軸方向Zおよび周方向に固定できる。
また、本実施形態によれば、第1カシメ収容部68と第1爪部23とは複数ずつ設けられる。これにより、周方向の複数箇所において、バスバーホルダ60aをハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に固定できる。したがって、ハウジング20に対するバスバーホルダ60aの固定強度をより向上できる。
また、上述したように、第1収容凹部68dの内部には、第1カシメ部23bのうち径方向内側の端部の少なくとも一部が収容される。そのため、第1カシメ部23bが第3壁部68cと接触した状態で、第1カシメ部23bの径方向内側の端部を第3壁部68cの上側の端部よりも下側にカシメることができる。これにより、第3壁部68cに対して、より強く第1カシメ部23bを押し当てることができる。したがって、バスバーホルダ60aがハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に移動することをより抑制できる。また、第1カシメ部23bが第1収容凹部68dに引っ掛かるため、第1カシメ部23bが第1カシメ収容部68から外れることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第2収容凹部68eが設けられる。そのため、図7に示す第1爪部223のように第1爪部の寸法をより長くすることで、第1爪部の第1カシメ部の少なくとも一部を第2収容凹部68eに収容させることもできる。図7においては、第1爪部223の第1カシメ部223bは、第1基部23aの上側の端部から第2壁部68bよりも径方向内側まで、径方向に延びる。第1カシメ部223bは、第3壁部68cの端面68fと第2壁部68bの端面68gとに上側から接触する。第1カシメ部223bの径方向内側の端部の少なくとも一部は、第2収容凹部68eに収容される。
このように、第1カシメ部223bの少なくとも一部を第2収容凹部68eに収容させる場合、第1カシメ部223bの径方向の寸法が大きくなるため、第1カシメ部223bをより強く下側に向けてカシメやすい。これにより、第1カシメ部223bによって、第2フランジ部本体67aをより強く第1フランジ部本体22aに押し付けることができ、バスバーホルダ60aとハウジング20とをより強固に固定できる。
本実施形態では、第1カシメ部23bの下側の面は、第3壁部68cの上側の端面68fに接触し、上側から第3壁部68cを第1フランジ部本体22aに押し付ける。ここで、本実施形態によれば、端面68fは、曲率が径方向に沿って変化する部分を有する。そのため、端面68fの曲率が一定である場合に比べて、端面68fと第1カシメ部23bとが面接触しやすく、第1カシメ部23bが接触するバスバーホルダ60aの面積をより大きくできる。これにより、第1カシメ部23bによってより強固にバスバーホルダ60aをハウジング20に固定でき、バスバーホルダ60aがハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に移動することをより抑制できる。
また、図7の例でも同様に、第1カシメ部223bが接触する端面68gは、曲率が径方向に沿って変化する部分を有する。そのため、第1カシメ部223bによってより強固にバスバーホルダ60aをハウジング20に固定できる。これにより、バスバーホルダ60aがハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に移動することをより抑制できる。
なお、端面68fと第1カシメ部23bとは、面接触しなくてもよい。例えば、第1カシメ部23bの下側の角部の少なくとも一部が第3壁部68cに食い込み、端面68fと第1カシメ部23bとの間に間隙が形成されてもよい。また、端面68fの一部と第1カシメ部23bの一部とが接触する点接触であってもよい。この場合であっても、第1カシメ部23bからバスバーホルダ60aに対して好適に下向きの力を加えることができる。したがって、第1カシメ部23bによってより強固にバスバーホルダ60aをハウジング20に固定でき、バスバーホルダ60aがハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に移動することをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、第3壁部68cの周方向両側の端部には、第1壁部68aが繋がる。そのため、第1カシメ部23bから第3壁部68cに加えられた力を第1壁部68aに分散させて逃がすことができる。したがって、第1カシメ部23bから第3壁部68cに比較的大きな力が加えられた場合であっても、バスバーホルダ60aが破損することを抑制できる。また、一対の第1壁部68aが第2フランジ部本体67aから径方向外側に突出するため、一対の第1壁部68aによって第1カシメ収容部68の強度を向上させることができる。したがって、よりバスバーホルダ60aが破損することを抑制できる。
図5および図6に示すように、第2カシメ収容部168は、一対の第1壁部168aと、第2壁部168bと、第3壁部168cと、を有する。一対の第1壁部168aは、第1カシメ収容部68における一対の第1壁部68aと同様である。第3壁部168cは、第1カシメ収容部68における第3壁部68cと同様である。
第2壁部168bは、第1カシメ収容部68における第2壁部68bと異なり、径方向内側の端部がバスバーホルダ本体61と繋がる。第2壁部168bは、一対の第1壁部168aにおける径方向内側の部分同士を繋ぐ。本実施形態において第2壁部168bの上側の端面は、軸方向Zと直交する平坦面である。第2壁部168bのその他の構成は、第1カシメ収容部68における第2壁部68bと同様である。
一対の第1壁部168a同士の周方向の間には、第2爪部123が配置される。一対の第1壁部168a同士の周方向距離は、第2爪部123の周方向の幅よりも大きい。より詳細には、一対の第1壁部168aのうち第2フランジ部本体67aよりも径方向外側の部分同士の周方向の間には、第2基部123aが配置される。一対の第1壁部168aのうち第2フランジ部本体67aよりも径方向外側の部分同士の周方向距離は、第2基部123aの周方向の寸法よりも大きい。
第2カシメ収容部168は、下側に窪む収容凹部として第3収容凹部168dのみを有する。本実施形態において第3収容凹部168dは、第2フランジ部本体67aと一対の第1壁部168aと第2壁部168bと第3壁部168cとに囲まれて構成される。すなわち、第3収容凹部168dの周方向両側には、第1壁部168aが配置される。一対の第1壁部168aは、第3収容凹部168dを構成する壁部のうち周方向両側の壁部を構成する。第2壁部168bは、第3収容凹部168dを構成する壁部のうち径方向内側の壁部を構成する。第3壁部168cは、第3収容凹部168dを構成する壁部のうち径方向外側の壁部を構成する。第3収容凹部168dの周方向の寸法は、第2カシメ部123bの周方向の寸法よりも大きい。第3収容凹部168dは、第2カシメ収容部168の径方向外側の部分に設けられる。
第2カシメ部123bの少なくとも一部は、第3収容凹部168dに収容される。本実施形態では、第2カシメ部123bの径方向内側の端部の少なくとも一部が、第3収容凹部168dに収容される。第2カシメ部123bは、第3収容凹部168dを構成する壁部のうち径方向外側の壁部である第3壁部168cに上側から接触する。これにより、第2カシメ部123bは、第2カシメ収容部168において、第1フランジ部本体22aとの間で第2フランジ部67を軸方向Zに挟み込んで固定する。したがって、バスバーホルダ60aをハウジング20に対して、より強固に固定でき、バスバーホルダ60aがハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に移動することをより抑制できる。
また、第1カシメ収容部68と同様に、第2爪部123をカシメる前においては、第2爪部123は、図6に二点鎖線で示すような状態であり、第2カシメ収容部168に対して周方向に移動可能である。そのため、バスバーホルダ60aをハウジング20に対して周方向に移動させることができる。そして、バスバーホルダ60aの周方向位置を決めた後に第2爪部123をカシメて第2カシメ部123bを作ることで、バスバーホルダ60aをハウジング20に対して、より強固に固定できる。
本実施形態において、複数の第1カシメ収容部68は、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側と逆側、すなわちX軸方向の負の側に配置される。そのため、複数の第1カシメ収容部68にそれぞれ固定される複数の第1爪部23も、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側と逆側に配置される。複数の第2カシメ収容部168は、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側、すなわちX軸方向の正の側に配置される。そのため、複数の第2カシメ収容部168にそれぞれ固定される複数の第2爪部123も、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側に配置される。
ここで、上述したように、第1カシメ収容部68において、第2収容凹部68eを用いることで、第2フランジ部本体67aをより強く固定できる。そのため、例えば、第2カシメ収容部168をコネクタ部63に近い位置に配置すると、第2収容凹部68eを用いる場合に、コネクタ部63に保持された端子等に過剰な力が加えられ、端子の接続等に不具合が生じる虞がある。本実施形態においてコネクタ部63に保持された端子等とは、バスバー81,82を含む。
これに対して、本実施形態によれば、複数の第1カシメ収容部68は、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側と逆側に配置され、複数の第2カシメ収容部168は、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側に配置される。そのため、第1カシメ収容部68をコネクタ部63から離して配置することができる。これにより、第2収容凹部68eを用いる場合であっても、コネクタ部63に保持された端子等に過剰な力が加えられることを抑制でき、端子の接続等に不具合が生じることを抑制できる。
また、コネクタ部63側には、第2カシメ収容部168が配置されるため、コネクタ部63の近くにおいても、第2フランジ部67を第1フランジ部22に固定することができる。これにより、バスバーホルダ60aをより安定してハウジング20に固定できる。ここで、第2カシメ収容部168は、収容凹部として第3収容凹部168dのみを有するため、第1カシメ収容部68に比べて、第2カシメ部123bからバスバーホルダ60aに加えられる力が大きくなりにくい。したがって、第2カシメ収容部168をコネクタ部63の近くに配置しても、コネクタ部63に保持された端子等に過剰な力が加えられることを抑制でき、端子の接続等に不具合が生じることを抑制できる。
図2に示すように、本実施形態において、3つの第2カシメ収容部168のうちの2つの第2カシメ収容部168は、突出部61bに繋がる第2フランジ部本体67aの周方向両側の端部にそれぞれ設けられる。3つの第2カシメ収容部168のうち残りの1つの第2カシメ収容部168は、第2フランジ部本体67aの周方向一方側の端部に設けられる第2カシメ収容部168との間で、1つの第2取付部67bを周方向に挟む位置に設けられる。
3つの第1カシメ収容部68は、3つの第2カシメ収容部168のそれぞれに対して、中心軸Jを挟んで径方向の逆側の位置に配置される。すなわち、本実施形態において、第1カシメ収容部68と第2カシメ収容部168とは、中心軸Jを挟んで径方向の逆側に配置される。このような配置とすることで、第1カシメ収容部68において第2収容凹部68eを用いた場合に、バスバーホルダ60aの周方向全体において、第1カシメ部23bと第2カシメ部123bとから加えられる力のバランスを取りやすい。したがって、バスバーホルダ60aに加えられる力を分散させやすく、バスバーホルダ60aが破損することを抑制できる。
図1に示すように、蓋部69は、バスバーホルダ本体61の上側の端部に固定されて第2開口部61aを閉塞する。蓋部69の中央部分69aは、蓋部69の径方向外縁部69bよりも上側に突出する。蓋部69は、樹脂製である。蓋部69は、バスバーホルダ60aの蓋部69以外の部分とは別々に作られる単一の部材である。蓋部69は、バスバーホルダ本体61と溶着されて固定される。より詳細には、蓋部69は、径方向外縁部69bの全周がバスバーホルダ本体61の上側の端部の全周と溶着されて固定される。蓋部69とバスバーホルダ本体61との溶着は、例えば、蓋部69とバスバーホルダ本体61との接合部にレーザを照射するレーザ溶着によって行われる。本実施形態によれば、蓋部69が樹脂製であるため、金属製のカバーを設けるような場合と異なり、蓋部69が錆びることを防止できる。なお、図2においては、蓋部69の図示を省略する。
本実施形態においてバスバーホルダ60aのうち蓋部69を除いた部分は、例えば、インサート部材をバスバー81,82としたインサート成形によって単一の部材として作られる。
図1および図2に示すように、回路基板80は、板面が軸方向Zを向く板状である。回路基板80は複数の支持部66によって下側から支持される。これにより、回路基板80は、バスバーホルダ60aに保持される。図1に示すように、回路基板80は、バスバーホルダ本体61よりも上側に配置される。回路基板80は、蓋部69のうち上側に突出した中央部分69aの内部に収容される。
回転センサ83は、回路基板80の下面に取り付けられる。すなわち、本実施形態において回転センサ83は、回路基板80を介して、バスバーホルダ60aに間接的に保持される。回転センサ83は、センサマグネット36の上側に隙間を介して対向して配置される。回転センサ83は、被検出部としてのセンサマグネット36を検出してロータ30の回転を検出可能なセンサである。本実施形態において回転センサ83は、磁気センサである。磁気センサとしては、特に限定されず、ホールIC等のホール素子、および磁気抵抗素子等が挙げられる。回転センサ83は、センサマグネット36の磁界を検出して、ロータ30の回転を検出可能である。
本実施形態では、モータ10が3相モータであるため、磁気センサとして、3つのホール素子が用いられる。なお、回転センサ83は、回路基板80を介さずにバスバーホルダ60aに直接保持されてもよい。回転センサ83は、ロータ30の回転位置だけでなく、ロータ30の回転速度を検出するセンサであってもよい。モータ10の相の数および回転センサ83の種類などに応じて、回転センサ83の数および配置などは適宜変更されるのが好ましい。
バスバー81は、ステータ40と電気的に接続される。図2に示すように、バスバー81は、コイル接続部81aを有する。コイル接続部81aは、バスバーホルダ本体61の径方向内側面から径方向内側に突出する。コイル接続部81aは、バスバー81の一端である。コイル接続部81aは、径方向内側の端部にフック状の把持部81bを有する。図示は省略するが、把持部81bは、コイル45から上側に延びるコイル線を把持する。把持部81bは、例えば溶接によってコイル線と固定される。これにより、コイル接続部81aは、コイル45から上側に延びるコイル線と接続される。
本実施形態においてバスバー81は、例えば、3つ設けられる。各バスバー81のコイル接続部81aは、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側に配置される。本実施形態においてコイル接続部81aの周方向位置は、第1カシメ収容部68の周方向位置と異なる。そのため、第1カシメ収容部68において第2収容凹部68eを用いる場合であっても、コイル接続部81aに過剰な力が加えられることを抑制できる。これにより、コイル接続部81aとコイル線との接続に不具合が生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、第1カシメ収容部68が、突出方向Xにおいて、中心軸Jよりもコネクタ部63側と逆側に配置される。そのため、突出方向Xにおいてコネクタ部63側に配置されるコイル接続部81aから、第1カシメ収容部68を離すことができる。これにより、第1カシメ収容部68において第2収容凹部68eを用いる場合であっても、コイル接続部81aに過剰な力が加えられることをより抑制できる。したがって、コイル接続部81aとコイル線との接続に不具合が生じることをより抑制できる。
図1に示すように、バスバー81の他端は、コネクタ部63の凹部の底面から径方向外側に突出する。バスバー81の他端は、モータ10の外部に露出する。バスバー82の一端は、回路基板80の上側の面に接続される。バスバー82の他端は、コネクタ部63の凹部の底面から径方向外側に突出する。バスバー82の他端は、モータ10の外部に露出する。
バスバー81,82は、コネクタ部63に接続される制御装置と電気的に接続される。バスバー81には、制御装置から電流が供給される。これにより、バスバー81を介して制御装置からの電流がコイル45に供給される。バスバー82は、回路基板80に取り付けられた回転センサと制御装置とを電気的に接続する。バスバー81,82は、一部がバスバーホルダ60aに埋め込まれて保持される。
図示は省略するが、Oリング71は、中心軸Jを中心とする円環状である。図4に示すように、Oリング71は、溝67dに嵌め込まれる。Oリング71は、第1フランジ部22と第2フランジ部67との軸方向Zの間に配置される。Oリング71は、第1フランジ部本体22aの上側の面と溝67dの溝底面とに接触する。これにより、Oリング71は、第1フランジ部22と第2フランジ部67との軸方向Zの間、および第1フランジ部22と突出部61bとの軸方向Zの間を封止する。Oリング71は、軸方向Zに弾性圧縮変形した状態である。
このように、本実施形態によれば、第2フランジ部67が樹脂製であるため、第2フランジ部67の下側の面に溝67dを設けてOリング71を配置することができる。したがって、例えば、金属製の部材同士の間を液状のガスケットを塗布して封止するような場合に比べて、第1フランジ部22と第2フランジ部67との間の封止をより容易に、かつ、精度よく行うことができる。また、第2フランジ部67を樹脂製とすることで、第2フランジ部67が錆びることを防止できる。
本実施形態のモータ10の製造方法は、配置工程S1と、位置調整工程S2と、固定工程S3と、を含む。配置工程S1は、ハウジング20に対してバスバーホルダ60aを配置する工程である。配置工程S1においてモータ10を組み立てる作業者等は、ハウジング20にステータ40およびロータ30を収容した後、第2フランジ部67を第1フランジ部22に接触させてバスバーホルダ60a、すなわちバスバーユニット60をステータの40の上側に配置する。このとき、溝67dには予めOリング71を嵌め合わせておく。また、このとき、ハウジング20の第1爪部23は、図4および図6に二点鎖線で示すカシメられる前の状態である。
位置調整工程S2は、センサマグネット36に対する回転センサ83の周方向位置を調整する工程である。位置調整工程S2において作業者等は、ハウジング20に対してバスバーホルダ60aを周方向に移動させて、センサマグネット36に対する回転センサ83の周方向位置を調整する。このとき、本実施形態では、第1カシメ部23bが第1収容凹部68dに挿入可能な範囲内で、かつ、第2カシメ部123bが第3収容凹部168dに挿入可能な範囲内で、回転センサ83の周方向位置、すなわちバスバーホルダ60aの周方向位置を決める。
ここで、本実施形態によれば、第1基部23aが一対の第1壁部68a同士の周方向の間に配置される。そのため、第1収容凹部68d内に第1カシメ部23bを挿入できない位置にバスバーホルダ60aを移動させようとすると、第1壁部68aに第1基部23aが接触する。これにより、ハウジング20に対してバスバーホルダ60aを過剰に移動させることが抑制される。したがって、第1カシメ部23bを第1収容凹部68dに収容させることができ、第1カシメ部23bによってバスバーホルダ60aを好適に固定できる。また、バスバー81とコイル45との接続部に負荷が過剰に加えられることを抑制できる。
また、本実施形態では、第2基部123aが一対の第1壁部168a同士の周方向の間に配置される。そのため、上述したのと同様にして、バスバーホルダ60aの位置が、第3収容凹部168d内に第2カシメ部123bを挿入できない位置となることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1開口部20aに嵌め合わされる嵌合部62が設けられる。そのため、位置調整工程S2において、バスバーホルダ60aを安定して中心軸J回りに回転させることができる。したがって、回転センサ83の周方向位置の調整が容易である。
固定工程S3は、バスバーホルダ60aをハウジング20に固定する工程である。固定工程S3において作業者等は、第1爪部23の上側の部分をカシメて第1カシメ部23bを作り、第1カシメ部23bと第1フランジ部22とによって第2フランジ部67を軸方向Zに挟持させる。また、固定工程S3において作業者等は、第2爪部123の上側の部分をカシメて第2カシメ部123bを作り、第2カシメ部123bと第1フランジ部22とによって第2フランジ部67を軸方向Zに挟持させる。
これにより、位置調整工程S2で調整した周方向位置において、バスバーユニット60をハウジング20に対して軸方向Zおよび周方向に強固に固定することができる。なお、固定工程S3において第1爪部23のカシメ作業と第2爪部123のカシメ作業とが行われる順番は、特に限定されない。第1爪部23のカシメ作業と第2爪部123のカシメ作業とは、いずれが先に行われてもよいし、同時に行われてもよい。また、本実施形態のように第1爪部23と第2爪部123とが複数ずつ設けられる場合には、第1爪部23のカシメ作業と第2爪部123のカシメ作業とが、交互に行われてもよい。
なお、本明細書において「作業者等」とは、モータ10を組み立てる作業者およびモータ10を組み立てる組立装置等を含む。モータ10の組み立ては、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
また、バスバーユニット60において、バスバーホルダ60aに回路基板80および回転センサ83を保持させる作業は、位置調整工程S2の前であれば、配置工程S1の後に行ってもよいし、配置工程S1の前に行ってもよい。また、蓋部69をバスバーホルダ本体61に固定する作業は、バスバーホルダ60aに回路基板80および回転センサ83を保持させた後であれば、配置工程S1の後に行ってもよいし、配置工程S1の前に行ってもよい。蓋部69をバスバーホルダ本体61に固定する作業は、固定工程S3の後に行ってもよい。
本発明は上述の実施形態に限られず、他の構成を採用することもできる。第1カシメ収容部の数および第1爪部の数は、それぞれ1つ以上ずつ設けられるならば、特に限定されない。第1カシメ収容部が複数設けられる場合、第1収容凹部に第1カシメ部が収容される第1カシメ収容部と、第2収容凹部に第1カシメ部が収容される第1カシメ収容部とがそれぞれ設けられてもよい。第1収容凹部の周方向の寸法と第2収容凹部の周方向の寸法とは、互いに異なってもよい。
第2カシメ収容部の数および第2爪部の数は、特に限定されない。第1カシメ収容部の数および第1爪部の数と、第2カシメ収容部の数および第2爪部の数とは、互いに異なってもよい。第1カシメ収容部および第1爪部と、第2カシメ収容部および第2爪部とは、どのように配置されてもよい。例えば、第1カシメ収容部および第1爪部と、第2カシメ収容部および第2爪部とは、周方向に沿って交互に配置されてもよい。第2カシメ収容部および第2爪部は、設けられなくてもよい。第1爪部の形状と第2爪部の形状とは、互いに異なってもよい。
第1カシメ部が上側から接触する壁部の端面の形状、および第2カシメ部が上側から接触する壁部の端面の形状は、特に限定されない。各壁部の端面は、周方向と直交する断面において、曲率が一定の曲面であってもよいし、平坦面であってもよい。
蓋部は、レーザを照射する以外の方法でバスバーホルダ本体と溶着されてもよいし、溶着以外の方法でバスバーホルダ本体と固定されてもよい。蓋部は、例えば、超音波溶着、高周波溶着、誘導溶着等によってバルバーホルダ本体と溶着されてもよい。被検出部と回転センサとは、回転センサによって被検出部を検出してロータの回転を検出できるならば、特に限定されない。例えば、回転センサは、光学式のセンサであってもよい。被検出部がレゾルバロータであって、回転センサがレゾルバステータであってもよい。Oリングは、設けられなくてもよい。
上述した実施形態のモータの用途は、特に限定されない。また、上記の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。