以下に、本発明の一実施形態による画像形成装置について、複合機を例にとって説明する。なお、複合機は、スキャン機能やプリント機能など複数種の機能を搭載する。
<複合機の構成>
図1に示すように、本実施形態の複合機100は、制御部1を備える。制御部1は、CPU11およびメモリー12を含む。制御部1は、制御用のプログラムおよびデータに基づき動作し、複合機100の各部を制御するための処理を行う。制御用のプログラムおよびデータはメモリー12に記憶される。また、制御部1は、文字認識ソフトウェア(OCRソフトウェア)に基づき文字認識処理を行う。文字認識ソフトウェアは予め複合機100にインストールされ、メモリー12に記憶される。
また、複合機100は、画像読取部2を備える。画像読取部2は、原稿を読み取って原稿の画像データを生成する。画像読取部2は、読取ユニット21を備える。読取ユニット21は、光源およびイメージセンサーを含む。光源は、原稿に光を照射する。イメージセンサーは、原稿で反射された反射光を受光し光電変換する。読取ユニット21の各部材は画像読取部2の筐体20(図2参照)の内部に設置される。
画像読取部2の筐体20には、図2に示すように、コンタクトガラス201が取り付けられる。コンタクトガラス201は、筐体20の上面に形成された開口に配置される。画像読取部2は、コンタクトガラス201上に載置された原稿を読み取る。
また、画像読取部2の筐体20には、原稿カバー202が取り付けられる。原稿カバー202は、筐体20の上面(コンタクトガラス201の原稿が載置される載置面)に対して開閉する。原稿カバー202を開閉可能に支持するため、筐体20の背面側には回転軸20aが設けられる。原稿カバー202は、筐体20の回転軸20aに回動可能に支持される。
原稿カバー202の開閉はユーザーにより手動で行われる。通常では、原稿の読み取りを伴うジョブ(コピージョブなど)を複合機100に実行させるときに、コンタクトガラス201上に原稿を載置するため、ユーザーは原稿カバー202を開ける。そして、コンタクトガラス201上に原稿を載置した後、ユーザーは原稿カバー202を閉じる。
原稿カバー202の開閉を検知するため、筐体20には開閉センサー20Sが設けられる。たとえば、開閉センサー20Sは、発光部および受光部を有する光センサーである。開閉センサー20Sは、発光部と受光部との間を上下方向に移動可能なアクチュエーター203を検知対象とする。なお、図示しない付勢部材により、アクチュエーター203は常に上方に向けて付勢される。
原稿カバー202が閉じられているとき(図2上図参照)、アクチュエーター203が原稿カバー202によって下方に押圧されるので、開閉センサー20Sの光路が遮蔽される。一方で、原稿カバー202が開けられているとき(図2下図参照)、アクチュエーター203に対する原稿カバー202による下方への押圧が解除され、アクチュエーター203が上方に移動するので、開閉センサー20Sの光路が開放される。これにより、開閉センサー20Sは、原稿カバー202が閉じているときと開いているときとで出力値を変化させる。
図1に戻り、制御部1は、開閉センサー20Sに接続される。制御部1は、開閉センサー20Sの出力値に基づき、原稿カバー202の開閉状態を検知する。
また、複合機100は、印刷部3を備える。印刷部3は、用紙搬送路に用紙を給紙するとともに、用紙搬送路に沿って用紙を搬送し、搬送中の用紙に画像を印刷する。なお、印刷部3は、用紙の両面に画像を印刷する両面印刷の実行が可能である。印刷部3は、画像形成ユニット31および定着ユニット32を備える。
画像形成ユニット31は、感光体ドラムおよび転写ローラーを備える。感光体ドラムおよび転写ローラーは、互いに圧接し、転写ニップを形成する。また、画像形成ユニット31は、感光体ドラムの周面を帯電させる帯電装置、感光体ドラムの周面上に静電潜像を形成する露光装置、および、感光体ドラムの周面上の静電潜像をトナー像に現像する現像装置などを備える。画像形成ユニット31は、転写ニップを通過する用紙に対して、感光体ドラムの周面上のトナー像を転写する。
定着ユニット32は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを備える。加熱ローラーは、ヒーターを内蔵する。加圧ローラーは、加熱ローラーに圧接し、加熱ローラーとの間で定着ニップを形成する。定着ユニット32は、定着ニップを通過する用紙を加熱および加圧することにより、用紙にトナー像を定着させる。
図示しないが、複合機100には、用紙を収容する用紙カセットが着脱可能に設置される。印刷部3による印刷では、用紙カセットの収容用紙が使用される。なお、複合機100に手差しトレイが設置されている場合には、手差しトレイにセットした用紙を印刷で使用することができる。
画像読取部2および印刷部3は、制御部1に接続される。制御部1は、画像読取部2の読取動作を制御するとともに、印刷部3の印刷動作を制御する。たとえば、制御部1は、印刷で使用する用紙が収容された用紙カセットを給紙元に設定する。そして、印刷部3に印刷を行わせるとき、制御部1は、給紙元の用紙カセットから用紙搬送路に用紙を給紙させる(給紙元の用紙カセットに収容された用紙を使用させる)。
また、複合機100は、操作パネル4を備える。操作パネル4は、タッチスクリーン41およびハードウェアボタン42を含む。タッチスクリーン41は、ソフトウェアボタンを配した画面を表示し、表示画面(ソフトウェアボタン)に対するタッチ操作をユーザーから受け付ける。ハードウェアボタン42は、操作パネル4に複数設けられる。ハードウェアボタン42としては、たとえば、ジョブの実行を指示するスタート操作をユーザーから受け付けるためのスタートボタンなどがある。
操作パネル4は、制御部1に接続される。制御部1は、操作パネル4の表示動作を制御するとともに、操作パネル4に対して行われた操作を検知する。
また、複合機100は、記憶部5を備える。記憶部5は、ROM(EEPROMなど)のような不揮発性の記憶デバイスを含む。記憶部5は、制御部1に接続される。制御部1は、記憶部5からの情報の読み出しや記憶部5への情報の書き込みを行う。
<印刷用ページの生成>
原稿の読み取りを伴う印刷ジョブの実行指示(スタート操作)を操作パネル4がユーザーから受け付けると、制御部1は、コンタクトガラス201上に載置された原稿の読み取りを画像読取部2に行わせる。画像読取部2による原稿の読み取りが完了した後、制御部1は、通常モードおよび特殊モードのうちいずれかのページ生成モードで印刷用ページを生成する。そして、制御部1は、印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。
ページ生成モードが通常モードである場合、制御部1は、画像読取部2が読み取った原稿の画像データに基づき印刷用ページを生成する通常ページ生成処理を行う。そして、制御部1は、通常ページ生成処理で生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。この場合には、原稿に記されたテキストや図形などが用紙に印刷される。
ページ生成モードが特殊モードである場合、制御部1は、名刺用紙にユーザー情報を印刷するための印刷用ページやシール紙にユーザー情報を印刷するための印刷用ページなどを生成する特殊ページ生成処理を行う。そして、制御部1は、特殊ページ生成処理で生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。制御部1による印刷用ページの生成が特殊モードで行われることにより、ユーザーは自身のユーザー情報が印刷された名刺や名前シールなどの印刷物を取得することができる。
ここで、ユーザーは自身のIDが記された原稿(たとえば、名前など個人を特定することができるIDカードのようなカード原稿)を複合機100でスキャンすることにより、原稿に記された自身のユーザー情報だけでなく、自身に関する他のユーザー情報も名刺用紙やシール紙に印刷することができる。ただし、名刺用紙やシール紙に印刷したいユーザー情報は予め複合機100に登録しておく必要がある。ユーザー情報の登録受付は操作パネル4が行う。
操作パネル4は、ユーザー情報の登録を受け付けるとき、登録画面(図示せず)を表示する。そして、操作パネル4は、少なくとも、ユーザー情報としてユーザー名(登録者名)の登録を受け付ける。また、ユーザー情報として、所属会社、所属部門(部や課など)および連絡先(電話番号やメールアドレスなど)などの登録が可能である。ここで挙げたユーザー情報は一例であり、登録可能なユーザー情報は他にも種々ある。
操作パネル4が登録を受け付けたユーザー情報は登録情報61としてユーザーごとに記憶部5に記憶される(図1参照)。複数のユーザーがユーザー情報を登録した場合には、記憶部5に記憶される登録情報61は複数(ユーザー情報を登録したユーザー数と同数)となる。記憶部5は、ユーザーごとの登録情報61をデータベース60に格納する。
また、制御部1による特殊ページ生成処理では、フォーマット情報71および紙種情報72も使用される。フォーマット情報71および紙種情報72は記憶部5に記憶される。
フォーマット情報71は、予め登録され、データベース70に格納される。フォーマット情報71はデータベース70に複数格納され、それぞれが原稿の向きと対応付けられる。フォーマット情報71の登録はメーカーにより行われる。ユーザーはフォーマット情報71の追加や削除を任意に行うことができ、フォーマット情報71に対応付ける原稿の向きの変更も任意に行うことができる。フォーマット情報71の追加や削除、フォーマット情報71に対応付ける原稿の向きの変更は操作パネル4がユーザーから受け付ける。
たとえば、名刺用紙に印刷を行うためのフォーマット情報71(以下、名刺用のフォーマット情報71と称する場合がある)やシール紙に印刷を行うためのフォーマット情報710(以下、シール用のフォーマット情報71と称する場合がある)などが予め登録される。フォーマット情報71は、印刷すべきユーザー情報の種類を示す情報や、当該ユーザー情報のページ内でのレイアウト(文字サイズや文字フォントなども含む)を示す情報などを含む。たとえば、名刺用のフォーマット情報71では、ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号などが印刷すべきユーザー情報として定義される。
紙種情報72は、予め登録された紙種を示す情報である。紙種情報72はデータベース70に格納され、各フォーマット情報71に紙種情報72が対応付けられる。各フォーマット情報71に対応する紙種情報72はメーカーにより定められる。たとえば、名刺用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種は、厚紙(名刺用紙)である。シール用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種は、複数の貼付用ラベルが台座シートに配されたラベルシート(シール紙)である。各フォーマット情報71に対応する紙種情報72の変更はユーザーが任意に行うことができる。当該変更は操作パネル4がユーザーから受け付ける。
制御部1は、所定条件が満たされている状態で画像読取部2による原稿の読み取りが行われた場合に特殊ページ生成処理を行う。所定条件が満たされていない状態で画像読取部2による原稿の読み取りが行われた場合には、制御部1は通常ページ生成処理を行う(特殊ページ生成処理は行わない)。
たとえば、制御部1は、開閉センサー20Sの出力値に基づき、原稿カバー202の開閉状態の検知を行う。そして、原稿カバー202が開けられたことを検知した後、原稿カバー202が閉じられたことを検知することなく、操作パネル4がスタート操作(原稿の読み取りを伴う印刷ジョブの実行指示)を受け付けると、所定条件が満たされていると判断する。すなわち、制御部1は、原稿カバー202が開けられた状態(図2下図に示す状態)で画像読取部2による原稿の読み取りが行われた場合に、所定条件が満たされていると判断する。
あるいは、ページ生成モードを通常モードから特殊モードに切り替えるモード切替操作をユーザーから受け付けるためのモード切替ボタン(図示せず)が操作パネル4に設けられてもよい。この場合、制御部1は、操作パネル4がモード切替操作を受け付けると、ページ生成モードを特殊モードに設定する。なお、制御部1は、ページ生成モードを特殊モードに設定した後、操作パネル4がモード切替操作を再度受け付けると、ページ生成モードを通常モードに戻す。制御部1は、ページ生成モードを特殊モードに設定した状態で操作パネル4がスタート操作(原稿の読み取りを伴う印刷ジョブの実行指示)を受け付けると、所定条件が満たされていると判断する。
以下に、図3に示すフローチャートを参照し、制御部1により行われる特殊ページ生成処理の流れについて説明する。図3に示すフローチャートのスタートは、所定条件が満たされている状態で画像読取部2による原稿の読み取りが開始され、その後、画像読取部2による原稿の読み取りが完了したと制御部1が判断したときである。以下の説明では、画像読取部2が読み取った原稿を読取原稿と称する。
ステップS1において、制御部1は、読取原稿の画像データに対して文字認識処理を行う。そして、ステップS2において、制御部1は、文字認識処理の結果に基づき、読取原稿に記された個人情報を認識する。たとえば、通常、IDカードには当該IDカードを所有する所有ユーザーの名前が記される(所有ユーザーの名前が個人情報に相当する)。したがって、読取原稿がIDカードである場合には、個人情報としてIDカードの所有ユーザーの名前が制御部1により認識される。
ステップS3において、制御部1は、読取原稿に記された個人情報に対応するユーザーを対象ユーザーとして特定するユーザー特定処理を行う。このとき、たとえば、制御部1は、登録情報61のユーザー名を対象情報に設定し、読取原稿の個人情報から対象情報に設定したユーザー名を検索する。制御部1は、或る登録情報61のユーザー名を対象情報に設定して行った検索の結果、読取原稿の個人情報から対象情報に設定したユーザー名が見つからなければ、別の登録情報61のユーザー名を新たな対象情報に設定して再度検索を行う。そして、制御部1は、読取原稿の個人情報から対象情報に設定したユーザー名と一致する情報が見つかったとき、そのときに対象情報に設定していたユーザー名を含む登録情報61に対応するユーザーを対象ユーザーとして特定する。
ステップS4において、制御部1は、対象ユーザーを特定できたか否か(いずれかの登録情報61のユーザー名と一致する情報が読取原稿の個人情報から見つかったか否か)を判断する。その結果、対象ユーザーを特定できたと制御部1が判断した場合には、ステップS5に移行する。
ステップS5に移行すると、制御部1は、読取原稿の画像データに対する文字認識処理で認識した文字の向きを読取原稿の向きとして判別する。ここでは、たとえば、主走査方向の一方側を上側(他方側を下側)とし副走査方向の一方側を左側(他方側を右側)とした場合の文字の向きが読取原稿の向きとして制御部1により判別される。
ステップS6において、制御部1は、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71を認識する。また、制御部1は、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に対応付けられた紙種情報72を認識する。すなわち、制御部1は、読取原稿の向きに対応する紙種情報72を認識する。
ステップS7において、制御部1は、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71の内容をユーザーに報知するための報知情報(図示せず)を操作パネル4に表示させる。また、制御部1は、読取原稿の向きに対応する紙種情報72で示される紙種を印刷で使用する用紙の紙種としてユーザーに報知するための報知情報(図示せず)を操作パネル4に表示させる。
ステップS8において、制御部1は、報知情報で示される内容での印刷を許可するか否かの受け付けを操作パネル4に行わせる。操作パネル4は、たとえば、許可ボタンおよび不許可ボタンを表示し、報知情報で示される内容での印刷を許可するか否かをユーザーから受け付ける。そして、制御部1は、印刷を許可する旨を操作パネル4が受け付けたか否か(許可ボタンに対するタッチ操作が行われたか不許可ボタンに対するタッチ操作が行われたか)を判断する。その結果、印刷を許可する旨を操作パネル4が受け付けたと制御部1が判断した場合には、ステップS9に移行する。
ステップS9に移行すると、制御部1は、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に基づき印刷用ページを生成する。制御部1は、印刷用ページを生成するとき、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に基づき、印刷すべきユーザー情報の種類(ここでは、対象種類と称する)を認識する。また、制御部1は、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に基づき、印刷すべきユーザー情報のページ内でのレイアウト(ここでは、対象レイアウトと称する)を認識する。
その後、制御部1は、対象ユーザーの登録情報61から、対象種類に対応するユーザー情報を抽出する。対象種類が複数存在する場合には、複数の対象種類にそれぞれ対応する複数のユーザー情報が制御部1により抽出される。たとえば、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71が名刺用のフォーマット情報71である場合には、対象ユーザーの登録情報61から、ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号が抽出される。ここでは、制御部1により抽出されたユーザー情報を抽出ユーザー情報と称する。そして、制御部1は、抽出ユーザー情報を含むページを印刷用ページとして生成する。このとき、制御部1は、抽出ユーザー情報のページ内でのレイアウトを対象レイアウトに合わせる。
ステップS10において、制御部1は、読取原稿の向きに対応する紙種情報72で示される紙種を認識し、当該認識した紙種の用紙(ここでは、対象用紙と称する)を収容する用紙カセットを給紙元に設定する。すなわち、制御部1は、印刷部3に対象用紙を使用させる。なお、対象用紙を収容する用紙カセットが存在しない場合がある。この場合、たとえば、制御部1は、手差しトレイに対象用紙をセットするよう促すメッセージを操作パネル4に表示させ、手差しトレイを給紙元に設定する。
ステップS11において、制御部1は、印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。印刷部3は、給紙元の用紙カセット(あるいは、手差しトレイ)から用紙搬送路に対象用紙を給紙するとともに、印刷用ページに対応するトナー像を形成し、当該トナー像を対象用紙に印刷する。なお、フォーマット情報71に印刷枚数を示す枚数情報を含めてもよい。読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に枚数情報が含まれている場合、制御部1は、当該枚数情報で示される枚数分の印刷を印刷部3に行わせる。
ステップS4において、対象ユーザーを特定できなかったと制御部1が判断した場合には、ステップS12に移行する。ステップS12に移行すると、制御部1は、読取原稿の確認をユーザーに促す確認メッセージを操作パネル4に表示させる。その後、ステップS13に移行する。ステップS8において、印刷を許可しない旨を操作パネル4が受け付けたと制御部1が判断した場合にも、ステップS13に移行する。ステップS13に移行すると、制御部1は、印刷ジョブをキャンセルする。この場合には、たとえば、ユーザーは原稿の再スキャンを行う。
なお、ステップS7において、印刷用ページをプレビューするためのプレビュー画像を報知情報と共に操作パネル4に表示してもよい。また、報知情報を操作パネル4に表示させるとき、フォーマットや紙種の変更の受け付けを操作パネル4に行わせてもよい。
以下に、IDカードを所有する所有ユーザーのユーザー情報を名刺用紙やシール紙に印刷する場合を例にとって具体的に説明する。
一例として、図4上図に示すようなIDカード300(「原稿」および「読取原稿」に相当)がコンタクトガラス201上に載置されているとする。また、IDカード300に記された個人情報310の各文字が白抜矢印方向(左方向)に向けられているとする。IDカード300には、個人情報310として、IDカード300の所有ユーザーの名前(符号311を付す)および当該所有ユーザーの所属会社の名前(符号312を付す)が記されているとする。そして、名刺用のフォーマット情報71に対応する原稿の向きが左向きであったとする。
図4に示す例において、原稿カバー202が開けられた状態でIDカード300の読み取りが行われた場合には、IDカード300の各文字の向きが左向きであるので、制御部1により判別されるIDカード300の向き(読取原稿の向き)は左向きとなる。なお、ここでは、制御部1がIDカード300の所有ユーザーを対象ユーザーとして特定した(IDカード300の所有ユーザーに対応する登録情報61が記憶部5に記憶されている)とする。
この場合、制御部1は、名刺用のフォーマット情報71に基づき、印刷すべきユーザー情報を認識する。たとえば、名刺用のフォーマット情報71では、印刷すべきユーザー情報として、ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号が定義されているとする。この場合、制御部1は、IDカード300の所有ユーザーに対応する登録情報61から、ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号を抽出し、当該抽出した各ユーザー情報(ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号)を含む印刷用ページを生成する。
また、制御部1は、名刺用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種を認識する。たとえば、名刺用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種が厚紙(名刺用紙)であるとする。この場合、制御部1は、名刺用の厚紙が収容された用紙カセット(または、名刺用の厚紙がセットされた手差しトレイ)を給紙元に設定する。そして、制御部1は、名刺用のフォーマット情報71に基づき生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。
これにより、図4下図に示すように、IDカード300の所有ユーザーに関するユーザー情報320(ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号)が印刷された名刺用紙BPが複合機100から出力される。図4下図では、符号321を付したユーザー情報320がIDカード300の所有ユーザーの名前に相当し、符号322を付したユーザー情報320が当該所有ユーザーの所属会社の名前に相当し、符号323を付したユーザー情報320が当該所有ユーザーの所属部門の名称に相当し、符号324を付したユーザー情報320が当該所有ユーザーの所属会社の電話番号に相当する。
別の例として、図5上図に示すようなIDカード400(「原稿」および「読取原稿」に相当)がコンタクトガラス201上に載置されているとする。また、IDカード400の各文字が白抜矢印方向(上方向)に向けられているとする。IDカード400には、個人情報410として、IDカード400の所有ユーザーの名前(符号411を付す)および当該所有ユーザーの所属会社の名前(符号412を付す)が記されているとする。そして、シール用のフォーマット情報71に対応する原稿の向きが上向きであったとする。
図5に示す例において、原稿カバー202が開けられた状態でIDカード400の読み取りが行われた場合には、IDカード400の各文字の向きが上向きであるので、制御部1により判別されるIDカード400の向き(読取原稿の向き)は上向きとなる。なお、ここでは、制御部1がIDカード400の所有ユーザーを対象ユーザーとして特定した(IDカード400の所有ユーザーに対応する登録情報61が記憶部5に記憶されている)とする。
この場合、制御部1は、シール用のフォーマット情報71に基づき、印刷すべきユーザー情報を認識する。たとえば、シール用のフォーマット情報71では、印刷すべきユーザー情報としてユーザー名が定義されているとする。この場合、制御部1は、IDカード400の所有ユーザーに対応する登録情報61からユーザー名を抽出し、当該抽出したユーザー名を含む印刷用ページを生成する。
また、制御部1は、シール用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種を認識する。たとえば、シール用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種がラベルシート(シール紙)であるとする。この場合、制御部1は、ラベルシートが収容された用紙カセット(または、ラベルシートがセットされた手差しトレイ)を給紙元に設定する。そして、制御部1は、シール用のフォーマット情報71に基づき生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。
これにより、図5下図に示すように、IDカード400の所有ユーザーに関するユーザー情報420(ユーザー名)が印刷されたシール紙SPが複合機100から出力される。図5下図では、符号421を付したユーザー情報420がIDカード400の所有ユーザーの名前に相当する。なお、図5下図では、複数の貼付用ラベルLaにそれぞれユーザー情報420が印刷されたシール紙SP(ラベルシート)を図示する。
ここで、メーカーやユーザーは両面印刷用のフォーマット情報71を登録することができる。両面印刷用のフォーマット情報71には、表面ページ用のフォーマット情報および裏面ページ用のフォーマット情報が含まれる。
制御部1は、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71が両面印刷用のフォーマット情報71(両面印刷が必要なフォーマット情報71)である場合、両面印刷用のフォーマット情報71に基づき、2ページ分の印刷用ページを生成する。すなわち、制御部1は、表面ページの印刷用ページを生成するとともに、裏面ページの印刷用ページを生成する。そして、制御部1は、印刷部3に両面印刷を行わせる。印刷部3は、表面ページの印刷用ページを用紙の一方面に印刷し、当該用紙の一方面とは逆の他方面に裏面ページの印刷用ページを印刷する。
たとえば、図6左図に示すように、図5に示したIDカード400が上下反転するようコンタクトガラス201上に載置されているとする。すなわち、IDカード400の各文字が白抜矢印方向(下方向)に向けられているとする。また、両面印刷用のフォーマット情報71に対応する原稿の向きが下向きであったとする。
図6に示す例において、原稿カバー202が開けられた状態でIDカード400の読み取りが行われた場合には、IDカード400の各文字の向きが下向きであるので、制御部1により判別されるIDカード400の向き(読取原稿の向き)は下向きとなる。なお、ここでは、制御部1がIDカード400の所有ユーザーを対象ユーザーとして特定したとする。
この場合、制御部1は、両面印刷用のフォーマット情報71に基づき、印刷すべきユーザー情報を認識する。たとえば、両面印刷用のフォーマット情報71では、表面ページに印刷すべきユーザー情報として第1言語のユーザー情報(ここでは、ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号とする)が定義されているとする。また、両面印刷用のフォーマット情報71では、裏面ページに印刷すべきユーザー情報として第2言語のユーザー情報(ここでは、ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号とする)が定義されているとする。たとえば、第1言語が日本語であり、第2言語が英語であるとする。
この場合、制御部1は、表面ページの印刷用ページを生成するため、IDカード400の所有ユーザーに対応する登録情報61から、第1言語で表現されたユーザー情報(ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号)を抽出する。そして、制御部1は、当該抽出した第1言語のユーザー情報(ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号)を含む印刷用ページを表面ページの印刷用ページとして生成する。
また、制御部1は、裏面ページの印刷用ページを生成するため、IDカード400の所有ユーザーに対応する登録情報61から、第2言語で表現されたユーザー情報(ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号)を抽出する。そして、制御部1は、当該抽出した第2言語のユーザー情報(ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号)を含む印刷用ページを裏面ページの印刷用ページとして生成する。
また、制御部1は、両面印刷用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種を認識する。たとえば、両面印刷用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種が厚紙(名刺用紙)であるとする。この場合、制御部1は、名刺用の厚紙が収容された用紙カセット(または、名刺用の厚紙がセットされた手差しトレイ)を給紙元に設定する。そして、制御部1は、両面印刷用のフォーマット情報71に基づき生成した2ページ分の印刷用ページを名刺用の厚紙の両面に1ページずつ印刷する両面印刷を印刷部3に行わせる。
これにより、図6右図に示すように、IDカード400の所有ユーザーに関するユーザー情報420(ユーザー名、所属会社、所属部門および所属会社の電話番号)が印刷された名刺用紙BPが複合機100から出力される。
名刺用紙BPの表面には、ユーザー情報420が第1原稿(日本語)で印刷される。図6右図では、符号421を付したユーザー情報420がIDカード400の所有ユーザーの名前に相当し、符号422を付したユーザー情報420が当該所有ユーザーの所属会社の名前に相当し、符号423を付したユーザー情報420が当該所有ユーザーの所属部門の名称に相当し、符号424を付したユーザー情報420が当該所有ユーザーの所属会社の電話番号に相当する。
一方で、名刺用紙BPの裏面には、ユーザー情報420が第2原稿(英語)で印刷される。図6右図では、符号425を付したユーザー情報420がIDカード400の所有ユーザーの名前に相当し、符号426を付したユーザー情報420が当該所有ユーザーの所属会社の名前に相当し、符号427を付したユーザー情報420が当該所有ユーザーの所属部門の名称に相当し、符号428を付したユーザー情報420が当該所有ユーザーの所属会社の電話番号に相当する。
なお、制御部1は、所定条件が満たされている状態で画像読取部2が複数枚の原稿を同時に読み取った場合(画像読取部2が読み取った読取原稿が複数枚存在する場合)、複数枚の読取原稿のそれぞれについて、対象ユーザーを特定するとともに、読取原稿の向きを判別し、複数枚の読取原稿にそれぞれ対応する複数の印刷用ページを生成する。そして、制御部1は、複数の印刷用ページの印刷を印刷部3に順次行わせる。
たとえば、図7に示すように、図4に示したIDカード300および図5に示したIDカード400がコンタクトガラス201上に載置されているとする。なお、コンタクトガラス201上でのIDカード300の向き(文字の向き)が左向きであり、コンタクトガラス201上でのIDカード400の向き(文字の向き)が上向きであるとする。IDカード300および400の各向きを白抜矢印で示す。
この場合、制御部1は、IDカード300の所有ユーザーを対象ユーザーとして特定するとともに、IDカード400の所有ユーザーを対象ユーザーとして特定する。その後、制御部1は、IDカード300の所有ユーザーに対応する登録情報61から、印刷すべきユーザー情報を抽出するとともに、当該抽出したユーザー情報を含む印刷用ページを生成する。ここで、IDカード300の向きは左向きであり、左向きに対応するフォーマット情報71は名刺用のフォーマット情報71であるので、IDカード300の所有ユーザーに対応する印刷用ページは名刺用のフォーマット情報71に基づき生成される。
また、制御部1は、IDカード400の所有ユーザーに対応する登録情報61から、印刷すべきユーザー情報を抽出するとともに、当該抽出したユーザー情報を含む印刷用ページを生成する。ここで、IDカード400の向きは上向きであり、上向きに対応するフォーマット情報71はシール用のフォーマット情報71であるので、IDカード400の所有ユーザーに対応する印刷用ページはシール用のフォーマット情報71に基づき生成される。
IDカード300に対応する印刷用ページおよびIDカード400に対応する印刷用ページを生成した後、制御部1は、各印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。ここで、名刺用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種は名刺用紙BPであるので、制御部1は、IDカード300に対応する印刷用ページの印刷では名刺用紙BPを使用させる。一方で、シール用のフォーマット情報71に対応する紙種情報72で示される紙種はシール紙SPであるので、制御部1は、IDカード400に対応する印刷用ページの印刷ではシール紙SPを使用させる。このため、IDカード400の所有ユーザーに関するユーザー情報が印刷された名刺用紙BPおよびIDカード500の所有ユーザーに関するユーザー情報が印刷されたシール紙SPが複合機100から順次出力される。
本実施形態では、上記のように構成することによって、ユーザー所望の印刷物に対応するフォーマット情報71(ここでは、ユーザー所望のフォーマット情報71と称する)を予め登録しておくことにより、読取対象の原稿の向き(原稿に記された文字の向き)と所望のフォーマット情報71に対応付けられた原稿の向きとが一致するようコンタクトガラス201上に原稿を載置し、その状態で原稿の読み取りを複合機100に実行させるだけで、ユーザー所望のフォーマット情報71に基づき生成された印刷用ページを用紙(たとえば、名刺用紙BPやシール紙SP)に印刷することができるようになる。これにより、ユーザーは所望の印刷物を簡単な作業で取得することができる(印刷用ページをユーザー自身が作成しなくてもよい)。
また、本実施形態では、制御部1は、読取原稿に記された個人情報に対応するユーザーを対象ユーザーとして特定し、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に基づき、対象ユーザーの登録情報61から印刷すべきユーザー情報を抽出し、当該抽出したユーザー情報を含む印刷用ページを生成する。この構成では、予めユーザー情報を登録しておくことにより、当該登録したユーザー情報が印刷された印刷物を取得することができる。
また、本実施形態では、制御部1は、対象ユーザーを特定できなかった場合、読取原稿の確認を促す確認メッセージを操作パネル4に表示させる。この構成では、たとえば、ユーザーがコンタクトガラス201上に載置した原稿の表裏面(読取面)の向きが間違っている場合に操作パネル4に確認メッセージ表示される。これにより、原稿の表裏面の向きが間違っていることをユーザーに認識させることができる。
また、本実施形態では、制御部1は、印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせるとき、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に対応付けられた紙種情報72(読取原稿の向きに対応する紙種情報72)で示される紙種の用紙を使用させる。この構成では、ユーザーは所望の紙種の用紙を使用することができる。すなわち、名刺を作成したい場合には名刺用紙BPを使用することができ、名前シールを作成したい場合にはシール紙SPを使用することができる。これにより、ユーザーにとっては利便性が良い。
また、本実施形態では、制御部1は、両面印刷用のフォーマット情報71が読取原稿の向きに対応する場合、両面印刷用のフォーマット情報71に基づき表面ページの印刷用ページと裏面ページの印刷用ページとを生成し、当該生成した2ページ分の印刷用ページをそれぞれ用紙の一方面および他方面に1ページずつ印刷する両面印刷を印刷部3に行わせる。この構成では、たとえば、名刺を作成する場合、名刺用紙BPの両面に互いに異なるユーザー情報を印刷する、といったことが行える。
また、本実施形態では、制御部1は、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71および当該フォーマット情報71に対応付けられた紙種情報72(印刷用ページの印刷で使用する用紙の紙種を示す紙種情報72)の各内容をユーザーに報知するための報知情報を操作パネル4に表示させる。この構成では、印刷用ページがどのようなフォーマット情報71に基づき生成されるのかを事前に知ることができる。また、当該印刷用ページが印刷される用紙の紙種を事前に知ることができる。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、制御部1は、報知情報で示される内容での印刷を許可する旨を操作パネル4が受け付けた場合に、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に基づき生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。この構成では、報知情報で示される内容での印刷を許可するか否かを選択することができるので、ユーザーの利便性が向上する。
また、本実施形態では、制御部1は、コンタクトガラス201上に載置された原稿を原稿カバー202が開けられた状態で画像読取部2が読み取った場合に、読取原稿の向きに対応するフォーマット情報71に基づき生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。この構成では、コンタクトガラス201上に原稿を載置した後、原稿カバー202を開けたまま操作パネル4のスタートボタンを押すだけで、ユーザーは所望の印刷物を取得することができる。
また、本実施形態では、制御部1は、読取原稿が複数枚存在する場合(画像読取部2が複数枚の原稿を同時に読み取った場合)、複数枚の読取原稿のそれぞれについて読取原稿の向きを判別し、複数枚の読取原稿にそれぞれ対応する複数の印刷用ページを生成し、複数の印刷用ページの印刷を印刷部3に順次行わせる。この構成では、たとえば、或る原稿および別の原稿をコンタクトガラス201上に載置した状態で複合機100に読み取りを実行させることにより、或る原稿に対応する印刷用ページの印刷および別の原稿に対応する印刷用ページの印刷を連続して実行させることができる。
ここで、コード画像が付されたIDカード(「原稿」および「読取原稿」に相当)が読取対象となり得る。特に限定されないが、コード画像は二次元コード(たとえば、QRコード(登録商標)など)である。
たとえば、所定条件が満たされている状態で画像読取部2がコード画像を読み取ったとする。この場合には、画像読取部2の読み取りで得られた画像データからコード画像が検出される。制御部1は、コード画像を検出した場合、コード画像の向きを読取原稿の向きとして判別する。コード画像がQRコード(登録商標)である場合、制御部1は、コード画像の3隅に存在するシンボル(位置検出用パターン)の位置に基づきコード画像の向きを判別する。
その後、制御部1は、コード画像に埋め込まれた情報にユーザー情報が存在するか否かを判断する。コード画像に埋め込まれた情報にユーザー情報が存在する場合、制御部1は、コード画像の向き(読取原稿の向き)に対応するフォーマット情報71に基づき、コード画像に埋め込まれた情報から印刷すべきユーザー情報を抽出するとともに、当該抽出したユーザー情報を含む印刷用ページを生成し、当該生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。
この構成では、ユーザー情報を事前に登録しなくても、ユーザー情報が印刷された名刺やシール紙を得ることができるので、利便性が良い。
なお、変形例として、所定条件が満たされている状態で画像読取部2が複数枚の原稿(IDカード)を同時に読み取った場合(画像読取部2が読み取った読取原稿が複数枚存在する場合)、複数枚の読取原稿の各所有ユーザーの所属会社に関する組織図が印刷されてもよい。
変形例では、予め登録された組織図を印刷するための組織図データが記憶部5に記憶される。そして、制御部1は、組織図データに基づき組織図の一部を含む印刷用ページを生成し、当該生成した印刷用ページの印刷を印刷部に行わせる。以下に具体的に説明する。
制御部1は、所定条件が満たされている状態で画像読取部2が複数枚の原稿(IDカード)を同時に読み取った場合、複数枚の読取原稿にそれぞれ対応する複数の所有ユーザーを特定し、各所有ユーザーの登録情報61に基づき各所有ユーザーの所属部門を認識する。たとえば、図7に示した例では、IDカード300および400の各所有ユーザーの所属部署が制御部1により認識される。そして、制御部1は、各所有ユーザーの所属部門が同じであるか否かを判断する。
各所有ユーザーの所属部門が同じである場合、制御部1は、各所有ユーザーの所属部門の組織図を印刷するための印刷用ページを組織図データに基づき生成し、当該生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。たとえば、IDカード300および400の各所有ユーザーの所属部署が共に営業部営業2課であったとする。この場合には、営業2課の組織図が印刷される。
各所有ユーザーの所属部門が異なる場合、制御部1は、各所有ユーザーの所属部門よりも上位の部門から各ユーザーの所属部門までの組織図を印刷するための印刷用ページを組織図データに基づき生成し、当該生成した印刷用ページの印刷を印刷部3に行わせる。たとえば、IDカード300の所有ユーザーの所属部署が営業部営業2課であり、IDカード400の所有ユーザーの所属部署が営業部営業1課であったとする。この場合には、営業部の組織図(営業1課および営業2課を含む組織図)が印刷される。
この構成では、ユーザーからすると、他のユーザーとの間の会社組織上での関係を容易に知ることができるので、利便性が良い。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。