以下では、図面とともに本発明の実施の形態について詳述する。以下では、携帯型の電子時計に本発明を適用した場合について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態の電子時計1の一例を示す平面図であり、図2は、電子時計1の回路構成を概略的に示す図である。電子時計1は、アナログ表示方式の電子時計である。電子時計1は、文字板51と、時針52aと、分針52bと、秒針52cと、モータ制御部2と、ステップモータ20と、図示しない輪列と、図示しない電源と、を含む。ステップモータ20は、いわゆる2コイルステップモータである。ステップモータ20は輪列に機械的に接続されている。モータ制御部2は、発振回路3と、出力制御回路4と、条件変更部である条件切替部5と、駆動パルス発生回路61と、補正パルス発生回路62と、検出パルス発生回路63と、セレクタ9と、ドライバ回路10と、回転検出回路11と、を含む。モータ制御部2は、例えばマイクロコントローラを含む集積回路として実装されている。電源は例えば二次電池を含む。
発振回路3は、水晶振動子(図示せず)によって所定のクロック信号を出力する。クロック信号は出力制御回路4に入力され、そのクロック信号は、出力制御回路4を介して駆動パルス発生回路61と、補正パルス発生回路62と、検出パルス発生回路63とに入力される。
出力制御回路4は、駆動パルス発生回路61、補正パルス発生回路62、検出パルス発生回路63を制御し、ステップモータ20の動作を制御する。
駆動パルス発生回路61は、ステップモータ20を駆動するための駆動パルスSPを生成し出力する。補正パルス発生回路62は、ステップモータ20の回転がされない、または回転したかいなか不確実な場合に、ステップモータ20を確実に回転させるための補正パルスFPを生成し出力する。検出パルス発生回路63は、回転の検出のための検出パルスCPを生成し出力する。駆動パルスSP、補正パルスFPのそれぞれは、後述するドライバ回路10に含まれる4つのバッファ回路を制御して駆動波形O1〜O4(駆動信号)を出力させる。駆動パルスSP、補正パルスFPおよび検出パルスCPのそれぞれは、例えば12ビットで構成される。
セレクタ9には、駆動パルスSP、補正パルスFPおよび検出パルスCPが入力される。そして、セレクタ9は、出力制御回路4の制御に基づいて、駆動パルスSP、補正パルスFPおよび検出パルスCPのいずれか1つをドライバ回路10へ出力する。
ドライバ回路10は、セレクタ9から入力された駆動パルスSPおよび補正パルスFPのいずれかに応じた駆動波形O1〜O4(駆動信号)をステップモータ20のコイルA、コイルBに供給し、ステップモータ20を駆動する。またドライバ回路10は検出パルスCPに応じてコイルA、コイルBのいずれかに生じた逆起電流を回転検出回路11に入力させる。なお、ドライバ回路10の詳細な構成は後述する。
回転検出回路11は、コイルAに駆動信号が供給された場合は、コイルBの逆起電流を検出パルスCPに応じて検出し、反対にコイルBに駆動信号が供給された場合はコイルAの逆起電流を検出パルスCPに応じて検出する回路である。回転検出回路11は、例えばコンパレータを含み、検出抵抗に基づいて定まる閾値を超える逆起電圧が生じているか否かを示す信号を出力する。
条件切替部5は、回転検出回路11が回転を検出する条件を切り替える。条件切替部5は、マイクロコントローラにより実現されてもよい。
ステップモータ20は、コイルA、コイルBの二つのコイルを有している。ステップモータ20は、例えば、電子時計1の秒針52cを駆動するために配置される。ステップモータ20の詳細を以下に記載する。
図3は、ステップモータ20の構成を示す平面図である。ステップモータ20は、ロータ21、ステータ22、二つのコイルA、コイルBなどによって構成される。ロータ21は2極磁化された円盤状の回転体であり、径方向にN極、S極が着磁されている。
ステータ22は、軟磁性材によって成り、ロータ21が挿入されるロータ穴22dが設けられ、このロータ穴22dにロータ21が配置されている。ステータ22は、ロータ21をはさんで対向する第1磁極部22aと第2磁極部22bとを有する。また、ステータ22は、第1磁極部22aと第2磁極部22bの間にあってロータ21に向き合う位置に、第3磁極部22cを有する。
また、第1磁極部22aと第3磁極部22cに磁気的に結合する第1のコイルとしてのコイルAと、第2磁極部22bと第3磁極部22cに磁気的に結合する第2のコイルとしてのコイルBが設けられている。コイルA,Bの少なくとも一方が励磁されると、ステータ22に磁力が伝達される。また、第1磁極部22a、第2磁極部22b、第3磁極部22cは、ロータ21に磁界を印加する。
コイルAは絶縁基板23a上に端子O1,O2を有しており、コイルAの巻線の両端が接続されている。また、コイルBは絶縁基板23b上に端子O3,O4を有しており、コイルBの巻線の両端が接続されている。各端子O1〜O4は、それぞれ配線によりドライバ回路10に接続されている。この各端子O1〜O4に、前述したドライバ回路10から出力される駆動波形O1〜O4が、配線を経てそれぞれ供給される。
なお、説明の容易のため、以下では各端子と供給される各駆動波形の符号を共通にしている。また、本実施形態の一例では、端子O1がコイルAの巻始めに、端子O4がコイルBの巻始めに接続されている。
また、ロータ21は静止状態において、例えば図3の位置にある。以下では、図面の上方を0度と規定し、その位置から反時計回りに90度、180度、270度と規定する。ロータ21は、N極が0度に位置するときと、180度に位置するときが最終的に静止する安定位置(静的安定点)である。
ロータ21をはさんで第3磁極部22cの反対側となる、第1磁極部22aと第2磁極部22bの間には、ステータ22の幅が狭くなる狭窄部25が設けられる。また、ロータ21の中心から見て、第3磁極部22cの方向と、左右おおむね75度をなす位置にスリット24が設けられる。スリット24により、第1磁極部22aと第3磁極部22c、第2磁極部22bと第3磁極部22cが直接磁気的に接続されない。なお、このスリット24は、ここで示したように間隙であってもよいし、細幅の非磁性材料をスリット24の位置に挿入し、ステータ22と結合させたものであってもよい。また、スリット24の代わりに、スリット24の位置にステータ22の幅が狭くなる領域が設けられてもよい。
狭窄部25及びスリット24により、ロータ21の回転により誘起される誘起電流をコイルA、Bを用いて検出する際の検出感度が高まる。ステップモータ20に駆動信号が与えられ回転している間およびロータ21の慣性により自由回転している間において、電磁誘導によりステータ22に発生する磁気は、磁気抵抗の大きい狭窄部25及びスリット24を通過しにくくなり、磁気の大部分がコイルA又はコイルBを通過する経路をとるからである。なお、回転検出と検出パルスCPとの関係については後述する。
図4は、ドライバ回路10の構成の一例を示す回路図である。ドライバ回路10は、ステップモータ20のコイルA、コイルBに駆動波形O1〜O4を供給する4つのバッファ回路によって構成される。
この4つのバッファ回路の構成を説明すると、まず、低ON抵抗のPチャンネルMOSトランジスタであるトランジスタP1と、低ON抵抗のNチャンネルMOSトランジスタであるトランジスタN1と、のコンプリメンタリ接続からなるバッファ回路が、駆動波形O1を出力し、出力された駆動波形O1はコイルAの端子O1に供給される。
また同様に、それぞれ低ON抵抗のトランジスタP2とトランジスタN2とのコンプリメンタリ接続からなるバッファ回路が、駆動波形O2を出力し、出力された駆動波形O2はコイルAの端子O2に供給される。
また同様に、それぞれ低ON抵抗のトランジスタP3とトランジスタN3とのコンプリメンタリ接続からなるバッファ回路が、駆動波形O3を出力し、出力された駆動波形O3はコイルBの端子O3に供給される。
また同様に、それぞれ低ON抵抗のトランジスタP4とトランジスタN4とのコンプリメンタリ接続からなるバッファ回路が、駆動波形O4を出力し、出力された駆動波形O4はコイルBの端子O4に供給される。
各トランジスタP1〜P4、N1〜N4のそれぞれのゲート端子Gには、図示しないが、セレクタ9から出力された駆動パルスSPまたは補正パルスFPが入力される。各トランジスタは入力された駆動パルスSPまたは補正パルスFPに基づいてON/OFF制御され、駆動波形O1〜O4が出力される。ここで、駆動パルスSPまたは補正パルスFPが前述したように4ビットで構成された場合は、その4つのビットが、4つのバッファ回路のトランジスタのゲート端子Gにそれぞれ入力される。そして、駆動パルスSPまたは補正パルスFPのそれぞれに応じた駆動波形O1〜O4が、ステップモータ20に供給される。
コイルAの端子O1、O2に対しては、それぞれ検出抵抗を介してPチャンネルMOSトランジスタであるトランジスタTP1及びTP2がそれぞれ接続され、コイルBの端子O3、O4に対しては、それぞれ検出抵抗を介してPチャンネルMOSトランジスタであるトランジスタTP3及びTP4がそれぞれ接続される。トランジスタTP1〜TP4に対しては、検出パルスCPが出力され、それにより得られた検出信号CSは回転検出回路11に入力される。
すなわち、検出パルスCPにより、所定のタイミングで図4に示されるトランジスタTP1〜TP4をONとすることで、各トランジスタに対応する端子O1〜O4に発生する誘起電流の大きさを電圧信号である検出信号CSとして取り出すことができる。回転検出回路11は、検出信号CSに基づいて、ロータ21の回転及び非回転の判定を行い、判定結果CKを例えば出力制御回路4や条件切替部5へ出力する。
図5は、ステップモータ20のロータ21の回転と非回転の検出手法を説明する図である。図5(a)は、ロータ21が非回転、すなわち、ステップモータ20に駆動信号が印加されたにもかかわらず、ロータ21が所望の角度まで回転せず、回転に失敗した場合を示している。この場合、駆動信号が入力され、ロータ21が反時計回りにいったん回転するが、駆動力が不足しているためロータ21が保持トルクにより時計回りに逆回転して初期位置である0度に戻されてしまう。この場合、最終的にロータ21はなんら回転しなかったこととなるので、これを非回転と称する。同図中、ある駆動信号が出力されている期間におけるロータ21の回転は破線で示している。
図5(b)はロータ21が回転、すなわち、印加された駆動信号によりロータ21が所望の角度まで回転して、回転に成功した場合である。この場合、駆動信号が入力され、ロータ21が反時計回りにある一定角度以上回転することにより、駆動信号の入力停止後も、さらに保持トルクにより反時計回りに回転し、1つのステップの回転目標位置である180度まで回転する(半回転する)。この場合、最終的にロータ21は1つのステップ分の目標回転位置まで回転したこととなるので、駆動力は充分あり、これを回転と称する。また、次の目標回転位置まで回転する1回の動作のことを1動作ステップと記載する。
このように、ロータ21が回転の場合と非回転の場合とでは、駆動信号出力後のロータ21の挙動が異なり、そのため、コイルA、コイルBに発生する誘導電流の波形Wも異なる。誘導電流は、検出パルスCPにより検出信号CSとして出力され、回転検出回路11に入力される。回転検出回路11は、検出信号CSに基づいて、ロータ21の回転/非回転を判定する。
次に、回転検出に基づくステップモータ20の制御について説明する。図6は、第1の実施形態にかかるモータ制御部2の処理を示すフロー図である。図6に示される処理は、ステップモータ20の動作ステップごとに実行される。図6の例では、条件切替部5はロータ21の回転を検出するまでの時間に基づいてロータ21にかかる駆動力が充分であるかを判定し、その判定に基づいて検出動作条件を変更する。
はじめに、出力制御回路4は、ステップモータ20への駆動信号の出力を開始させる(ステップS101)。より具体的には、出力制御回路4の制御により、駆動パルス発生回路61は駆動パルスSPを生成し、セレクタ9はその駆動パルスSPをドライバ回路10へ出力し、ドライバ回路10は、入力された駆動パルスSPに応じた駆動信号をステップモータ20へ出力する。ここで、1つの駆動パルスSPはチョッパ制御による複数のパルス信号を含み、また駆動パルス発生回路61は、設定されたデューティー比を有する複数のパルス信号を含む駆動パルスSPを出力してよい。複数のパルス信号を含む駆動パルスSPにより、ステップモータ20へ出力される駆動信号も複数のパルス信号を含んでよい。
そして、出力制御回路4は、検出パルス発生回路63に、検出間隔に応じたタイミングで検出パルスCPを出力させる(ステップS102)。検出間隔は、検出パルスCPの出力間隔であり、その検出間隔は一定(例えば0.5ms)であってよい。また検出間隔は検出動作条件の1つであり、駆動信号が出力される期間のうちに変更されてもよい。
検出パルスCPにより、回転検出回路11には、ステップモータ20に生じる誘導電流が検出信号CSとして入力される。回転検出回路11は、検出信号CSが示す誘導電流が検出動作条件を満たすか否かを判定する(ステップS103)。検出動作条件は、駆動信号に起因する誘導電力と逆の極性を有しかつ大きさが検出閾値th1を超える誘導電流が検出される回数が回転判定数以上であることである。誘導電流が検出動作条件を満たさない場合には(ステップS103のN)、出力制御回路4は、駆動信号の出力開始から最大出力時間TMが経過したか判定する(ステップS104)。駆動信号の出力開始から最大出力時間TMが経過している場合には(ステップS104のY)、出力制御回路4は駆動信号の出力を終了させ、出力制御回路4はより確実にロータ21を回転させる補正パルスFPを補正パルス発生回路62に出力させ(ステップS107)、ドライバ回路10は補正パルスFPに基づいて補正駆動信号をステップモータ20へ出力する。一方、駆動信号の出力開始から最大出力時間TMが経過していない場合には(ステップS104のN)、条件切替部5は駆動信号の出力開始からの経過時間が切替判定時間Tk(5.0ms)を超えたか判定する(ステップS105)。そして、経過時間が切替判定時間Tkを超えた場合には(ステップS105のY)条件切替部5は検出動作条件を変更し(ステップS106)、回転検出回路11はステップS103からの処理を繰り返す。経過時間が切替判定時間Tkを超えない場合には(ステップS105のN)、ステップS106の処理はスキップされ、回転検出回路11はステップS103からの処理を繰り返す。
一方、ステップS103において、誘導電流が検出動作条件を満たす場合には(ステップS104のY)、出力制御回路4は、ステップモータ20への駆動信号の出力を終了させる(ステップS108)。
図17は、第1の実施形態にかかる補正パルスFPを説明する波形図である。図17の(a)はドライバ回路に供給される駆動パルスSPおよび補正パルスFPの波形を示し、図17の(b)は検出パルスCPが出力されるタイミングを示す。図17の例では、最大出力時間TMは10.0msであり、検出パルスCPの出力間隔は0.5msである。駆動パルスSPのデューティ比は8/16であり、駆動パルス発生回路61から駆動パルスSPとして0.5ms周期の複数の小パルスが出力されている。駆動パルスSP(および駆動信号)の出力が開始されてから最大出力時間TMが経過すると(ステップS104参照)、出力制御回路4は駆動パルスSPおよび駆動信号の出力を終了させる。この場合、駆動パルスSPおよび駆動信号が出力される期間は10.0msとなる。そして、駆動パルスSPの出力開始から32.0msが経過すると、出力制御回路4は補正パルスFPを出力する(ステップS105参照)。補正パルスFPは、駆動信号SPよりロータ21をより確実に回転させるためのパルスであり、先頭の10.0msの間にずっと同じ電位となるフルパルスと、その後4.0msの間、デューティ比が8/16かつ0.25ms周期の複数の小パルスとを含む。これにより、ドライバ回路10から出力される補正駆動信号によるステップモータ20の駆動力は、駆動信号よりも大きい。
ここでは、検出動作条件は回転判定数であり、経過時間が切替判定時間Tkを超えない初期状態では回転判定数に2が設定され、経過時間が切替判定時間Tkを超えた場合に回転判定数に6が設定される。経過時間が切替判定時間Tkを超えた場合に回転判定数が増加するのであれば、設定される回転判定数は適宜決定されてよい。また、検出動作条件は検出閾値や検出パルスCPの出力間隔であってもよく、これらの値は適宜決定されてもよい。
図7は、駆動信号および誘導電流の波形および検出タイミングの一例を示す図である。図8は、電圧低下時の駆動信号および誘導電流の波形および検出タイミングの一例を示す図である。図7,8は、ロータ21のN極が0度の位置から180度の位置へと回転する場合の例を示し、端子O3、O4に接続されるコイルBに対して駆動信号が供給され、検出パルスCP1,CP2により、回転検出回路11に端子O1,O2に接続されるコイルAに生じる検出信号CSが入力される場合の例を示している。波形Wは、誘導電流が検出される側(ここではコイルA)における誘導電流の波形である。
図7,図8の駆動波形O2における検出パルスCP1,CP2の位置は、端子O2に接続されるコイルAの誘導電流を検出させる検出パルスCP1,CP2の出力タイミングを示し、また図7,図8における検出パルスCP1,CP2の線の延びる方向および長さは、そのタイミングにおける検出信号CSの極性および大きさを概略的に示している。以降の図の駆動波形O1〜O4における検出パルスCP1,CP2も同様に記載している。ここで図7,8における検出パルスCPは波形Wのマイナス方向の誘導電流を検出するものである。検出パルスCP1の期間では検出閾値th1を超える検出信号CSが得られず、検出パルスCP2の期間で検出閾値th1を超える検出信号CSが得られるようになる。即ち、駆動パルスSP出力直後は駆動パルスSP出力によって発生する波形Wで示すプラス方向の電流が支配的であるが、駆動パルスSP出力によりロータ21が回転し、その回転によって発生する波形Wで示すマイナス方向の誘導電流が徐々に支配的となってくる。そして、本発明の駆動システムは誘導電流による、検出閾値th1を超えるマイナス方向の電流が所定期間得られればロータ21が回転したとみなし、駆動パルスSPの出力を終了するとしている。
出力開始時間T0には駆動信号の出力が開始され、出力終了時間T1には駆動信号の出力が終了する。図7,8における符号Tkは、出力開始時間T0から切替判定時間Tkが経過する時点を示す。
図7は、電源電圧がステップモータ20の回転にとって十分に大きい場合における回転の検出および駆動信号の出力を説明する図である。図7の場合は、駆動パルスSPによる駆動信号が十分に大きいため、波形Wに示されるように、駆動信号に起因する誘導電流が多く発生する。また、ロータ21にかかる駆動力が大きいため、ロータ21は切替判定時間Tkが経過する前に回転する。時間の経過によりマイナス方向の誘導電流が支配的となるが、検出信号CSが得られるようになるタイミング(図7において検出パルスCP1が検出パルスCP2へ変化するタイミング)において、電源電圧が十分高い場合は、駆動パルスSPによって発生するプラス方向の電流が十分に大きい。そのため、ロータ21の回転によるマイナス方向の誘導電流が十分に大きくなってこないと、検出閾値th1を超える検出信号CSが得られない。そのため検出信号CSの検出回数である回転判定数が2であっても、確実に回転と判定することができる。
一方、図8に示されるように、電源電圧が低い場合には、駆動パルスSPによる駆動信号が弱くなり、またロータ21の回転に時間がかかるようになり、検出閾値th1を超える検出信号CSが得られる期間(出力終了時間T2に相当)は切替判定時間Tkが経過した後になる。駆動パルスSPによって発生するプラス方向の電流が小さいために、ロータ21の回転によるマイナス方向の誘導電流が小さくても、回転できる前の早い段階で検出閾値th1を超える検出信号CSが得られてしまうことがある。そのため、まだロータ21を回転させるのに十分な駆動力が得られていないにもかかわらず、回転検出回路11において回転と判定され、駆動パルスSPの出力が早い段階で打ち切られてしまい、モータ制御部2が認識している回転量とずれてしまうことがあった。しかしながら、本実施形態では図6のステップS105で切替判定時間Tk(5.0ms)を超えている場合にステップS106にて検出動作条件を変更し、回転判定数を2から6へと変更した。よって、図8では、図7の例に比べて駆動信号(駆動パルスSP)の出力が終了するまでの時間が長い。検出閾値th1を超える検出信号CSが6回連続して検出される場合には、駆動信号が弱くてもロータ21が確実に回転しているため、確実に回転を判定することができる。また、モータ制御部2が認識している回転量と、実際の回転量とのずれの発生を防ぐことができる。以上のように検出回路は駆動信号が供給されないコイルの誘導電流を測定することにより、ロータの回転による逆起電流を検出し、ロータの回転において回転が検出されるまでの時間に基づいて、ロータの駆動力を判定するため、確実にロータが回転したかどうかを判定することができ、予期せぬ実際の回転量のずれを防ぐことが出来る。
図7,8は、ロータ21のN極が0度の位置から180度の位置へと回転する場合の例を示すが、例えば次の動作ステップにおいて、ロータ21のN極が180度の位置から0度の位置へと回転する場合には、モータ制御部2はコイルBに極性が逆の駆動信号を出力すればよい。ロータ21のN極が0度の位置から180度の位置へと回転する場合に駆動パルスSPによりトランジスタP3,N4がオン、トランジスタN3,P4がオフとなり、ロータ21のN極が180度の位置から0度の位置へと回転する場合に、駆動パルスSPによりトランジスタN3,P4がオン、トランジスタP3,N4がオフとなる。また、ロータ21を逆回転させる場合は、正回転と比べて、端子O1への出力と端子O4への出力とを交換し、端子O2への出力と端子O3への出力が交換されるように駆動パルスSPを出力すればよい。
なお、切替判定時間Tkを用いず、常に回転判定数を6とすれば、確実に回転を判定することができるが、消費電力が増加する問題がある。図9は、駆動信号および誘導電流の波形および検出タイミングの比較例を示す図である。図9は、回転判定数が6であり、かつ、電源電圧がステップモータ20の回転にとって十分に大きい場合の例を示している。本図の例では、検出パルスCP2において、検出閾値th1を超える検出信号CSが2回検出される時間T11においては駆動パルスSPによる駆動信号は終了せず、検出閾値th1を超える検出信号CSが6回検出された時間T12において駆動信号の出力が終了する。この場合、時間T11において駆動信号の出力が終了しても問題なく回転するので、時間T11から時間T12の間に供給される駆動信号や、その間の検出パルスCP2の出力のために消費電力が増加する。
図8,9の例を見ればわかるように、本実施形態では、ロータ21の回転を検出する時間によりロータ21にかかる駆動力を判定し、その判定に基づいて検出動作条件である回転判定数を変更することで、ロータ21の回転を確実に判定しつつ、消費電力の増加も抑えることができる。
上記の例では、ロータ21の回転が切替判定時間Tkまでに判定されるか否かによってロータ21の駆動力が十分か否かを判定しているが、代わりに、電源電圧を直接測定することでロータ21の駆動力が十分か否かを判定してもよい。また、温度と電源電圧とは関係があるため、温度を測定することでロータ21の駆動力が十分か否かを判定してもよい。これらの場合、測定のために多少の消費電力が増加するが、従来に比べ、ロータ21の回転を確実に判定しつつ、消費電力の増加も抑えることができる。
上記の例では、切替判定時間Tkを境にして検出動作条件を2段階で切り替えているが、切替判定時間を複数もうけ、検出動作条件を3段階以上に切り替えてもよい。この場合、時間が経過するにつれ、回転判定数を例えば2、4、6と増やすことで回転を確実に判定しつつ、電源電圧が低下しても消費電力の急激な増加を抑えることが可能となる。
ステップS106において、条件切替部5は、回転判定数を増やす代わりに、検出パルスCPの出力間隔を延ばしてもよい。図10は、電圧低下時の駆動信号および誘導電流の波形および検出タイミングの他の一例を示す図であり、図8に対応する図である。
図10に示されるように、電源電圧が低い場合には、駆動力が弱くなると、ロータ21の回転に時間がかかるようになり、検出閾値th1を超える検出信号CSが得られる期間(出力終了時間T3)は切替判定時間Tkが経過した後になる。切替判定時間Tkまでの検出パルスCP1の間隔は図8の例と同じ(0.5ms)であるが、条件切替部5は、切替判定時間Tkが経過した後の検出パルスCP1,CP2の間の間隔(2.0ms)を大きくしている。これにより、図8の例と同じように、検出閾値th1を超える検出信号CSが得られてから駆動信号の出力が終了するまでの時間が長い。これにより、駆動信号が弱くてもロータ21が確実に回転しているため、確実に回転を判定することができる。
また、経過時間が切替判定時間Tkを超えた場合に、条件切替部5が検出動作条件を切り替えるだけではなく、さらに条件切替部5が駆動パルスSPにおけるチョッパ周期を変更してもよい。例えば、切替判定時間Tkの前はチョッパ周期を0.25msとし、切替判定時間Tk以後はチョッパ周期を1.0msとしてもよい。
ステップS106において、条件切替部5は、回転判定数を増やす代わりに、回転検出回路11の検出信号CSの検出感度を低くしてもよい。条件切替部5は、検出抵抗を変更することで検出感度を変更する。より具体的には、条件切替部5は、切替判定時間Tkまでは図2のトランジスタTP1〜TP4をオフにすることで検出感度を高くし、切替判定時間Tkの後は図2のトランジスタTP1〜TP4をオンにして検出抵抗R1〜R4(60kΩ)を接続することで検出感度を低くしてよい。図11は、電圧低下時の駆動信号および誘導電流の波形および検出タイミングの他の一例を示す図であり、図8に対応する図である。
図11に示されるように、電源電圧が低い場合には、駆動力が弱くなると、ロータ21の回転に時間がかかるようになり、検出信号CSが得られる期間(出力終了時間T4)は切替判定時間Tkが経過した後になる。切替判定時間Tkまでの検出閾値th1(検出感度)は図8の例と同じであるが、条件切替部5は、切替判定時間Tkより後の検出閾値th2を感度が低くなる方に変更している。これにより、駆動信号に起因する誘導電流が弱くなっても、ロータ21が回転するまで検出信号CSの逆起電流を検出しないため、確実に回転を判定することができる。
なお、駆動パルスSPが出力されてから回転が検出されるまでの所要時間に応じて、次のロータ21の回転における検出パルスCPの出力間隔や、検出感度、回転判定数を変更してもよい。これによっても、より確実にロータ21の回転を判定することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、ロータ21の回転の検出動作条件を変更して確実に回転を判定する代わりに、条件切替部5がロータ21の駆動力が不十分と判定し、回転の判定と実際とのずれが生じうる可能性が高い場合に、出力制御回路4が追加駆動パルスAPを用いてロータ21を強制的に回転するものである。以下では、主に第1の実施形態との相違点について説明する。本実施形態では、図2に示される補正パルス発生回路62の代わりに、追加パルス発生回路が配置される。追加パルス発生回路の動作については後述する。
図12は、第2の実施形態にかかるモータ制御部2の処理を示すフロー図であり、図6に対応する図である。図12に示される処理は、ステップモータ20を回転させる動作ステップごとに実行される。
はじめに、出力制御回路4は、ステップモータ20への駆動信号の出力を開始させる(ステップS201)。より具体的には、出力制御回路4の制御により、駆動パルス発生回路61は駆動パルスSPを生成し、セレクタ9はその駆動パルスSPをドライバ回路10へ出力し、ドライバ回路10は、入力された駆動パルスSPに応じた駆動信号をステップモータ20へ出力する。また、出力制御回路4は、追加フラグを初期化する(ステップS202)。追加フラグの詳細は後述する。
出力制御回路4は、検出パルス発生回路63に、検出間隔に応じたタイミングで検出パルスCPを出力させる(ステップS203)。検出間隔は、検出パルスCPの出力間隔であり、その検出間隔は一定であってよい。
検出パルスCPにより、回転検出回路11には、ステップモータ20に生じる誘導電流が検出信号CSとして入力される。回転検出回路11は、検出信号CSが示す誘導電流が検出動作条件を満たすか否かを判定する(ステップS204)。検出動作条件は、駆動信号に起因する誘導電力と逆の極性を有しかつ大きさが所定の検出閾値th1を超える誘導電流が検出される回数が回転判定数以上であることである。誘導電流が検出動作条件を満たさない場合には(ステップS204のN)、出力制御回路4は、駆動信号の出力開始から最大出力時間TMが経過したか判定する(ステップS205)。駆動信号の出力開始から最大出力時間TMが経過している場合には(ステップS205のY)、出力制御回路4は追加駆動パルスAPを出力させる(ステップS210)。一方、駆動信号の出力開始から最大出力時間TMが経過していない場合には(ステップS205のN)、条件切替部5は駆動信号の出力開始からの経過時間が切替判定時間Tkを超えたか判定する(ステップS206)。そして、経過時間が切替判定時間Tkを超えた場合には(ステップS206のY)、条件切替部5は追加フラグをオンに設定し(ステップS207)、回転検出回路11はステップS203からの処理を繰り返す。経過時間が切替判定時間Tkを超えない場合には(ステップS206のN)、ステップS207の処理はスキップされ、回転検出回路11はステップS203からの処理を繰り返す。
一方、ステップS204において、誘導電流が検出動作条件を満たす場合には(ステップS204のY)、出力制御回路4は、ステップモータ20への駆動信号の出力を終了させる(ステップS208)。そして、出力制御回路4は、追加フラグにオンが設定されている場合には(ステップS209)、追加駆動パルスAPを出力し、ドライバ回路10に追加駆動信号を出力させる(ステップS210)。より具体的には、出力制御回路4の制御により、追加パルス発生回路は追加駆動パルスAPを生成し、セレクタ9はその追加駆動パルスAPをドライバ回路10へ出力し、ドライバ回路10は、入力された追加駆動パルスAPに応じた追加駆動信号をステップモータ20へ出力する。追加駆動信号により、ロータ21は強制的に回転させられる。
図13は、電圧低下時の駆動信号の波形および検出タイミングの一例を示す図である。図13では、誘導電流の波形Wの記載は省略しているが、駆動パルスSPに基づく駆動信号の出力終了時間T7まで(期間PR1)の波形は図8の例と同様である。図13の例では、回転判定数、検出閾値、検出パルスCPの出力間隔は、切替判定時間Tkの前も後も変わらない。しかし、切替判定時間Tkの後にロータ21の回転が検出された場合には、出力制御回路4は、追加駆動パルスAP(期間PR2,PR3)により、ステップモータ20を強制的に回転させる。
図14は、追加駆動パルスAPによるステップモータ20の回転を説明する図である。図13の期間PR1においては、ドライバ回路10のトランジスタN4等が複数回ON、OFFされる、いわゆるチョッパ制御が行われ、駆動信号は、所定のデューティ比を有する連続する複数のパルスを含む。この時点ではロータ21は十分には回転していない。一方、追加駆動信号として、期間PR2では、その期間中ずっとドライバ回路10のトランジスタN4がオンされた1つのパルスが出力されている。この違いにより、追加駆動信号によりロータ21に生じる力は、期間PR1より強くなっている。これにより、ロータ21は確実に回転する。期間PR3においては、端子O1および端子O4に追加駆動信号が供給され、コイルAおよびコイルBは同じ方向に励磁され、第1磁極部22aおよび第2磁極部22bは同じ極(図14の例ではN)となる。これにより、ロータ21が回転した安定位置にとどまるように制御される。なお、仮に実際には回転していたとしても、追加駆動信号によりロータ21がさらに回転したり、また回転前の位置へ戻ることはない。
本実施形態においては、ロータ21の駆動力が十分でないと判定され、かつ、回転が検出されたものの、従来だと、非回転となっている可能性が高い場合に、追加駆動パルスAPによりロータ21を強制的に1動作ステップ分だけ回転した状態にすることで、モータ制御部2が認識している回転量と、実際の回転量とのずれの発生を防ぐことができる。
なお、今回追加駆動パルスAPは1種類であったが、複数種類用意しておき、検出信号CSが得られるタイミングに基づき、追加駆動パルスAPの出力を切り替えてもよい。例えば検出信号CSが得られるタイミングが遅くなるにつれて駆動力の大きな追加駆動パルスAPを出力することで、消費電力を抑えつつ、確実にロータ21を回転させることが可能となる。
また、第1の実施形態と同様、温度や電源電圧に基づいて追加駆動パルスAPの出力を切り替えてもよい。また本実施形態は切替判定時間Tkの後にロータ21の回転が検出された場合に、駆動パルスSP出力後に追加駆動パルスAPを出力するが、追加駆動パルスAPを出力せず、代わりに第1実施形態に示すような補正パルス発生回路62により、駆動パルスSPの出力開始から32ms後に補正パルスFPを強制的に出力するような構成をとってもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、ロータ21の回転の検出動作条件を変更して確実に回転を判定する代わりに、ロータ21の駆動力が不十分と判定される兆候が見られた場合に、前もって次の動作ステップにおいてロータ21の駆動力を増やすことで、回転の検出精度を維持するものである。以下では、主に第1の実施形態との相違点について説明する。
図15は、第3の実施形態にかかるモータ制御部2の処理を示すフロー図であり、図6に対応する図である。図15に示される処理は、ステップモータ20を回転させる動作ステップごとに実行される。
はじめに、出力制御回路4は、ステップモータ20への駆動信号の出力を開始させる(ステップS301)。より具体的には、出力制御回路4の制御により、駆動パルス発生回路61は駆動パルスSPを生成し、セレクタ9はその駆動パルスSPをドライバ回路10へ出力し、ドライバ回路10は、入力された駆動パルスSPに応じた駆動信号をステップモータ20へ出力する。
出力制御回路4は、検出パルス発生回路63に、検出間隔に応じたタイミングで検出パルスCPを出力させる(ステップS303)。検出間隔は、検出パルスCPの出力間隔であり、その検出間隔は一定であってよい。
回転検出回路11は、検出信号CSが示す誘導電流が検出動作条件を満たすか否かを判定する(ステップS304)。検出動作条件は、第2の実施形態と同様である。誘導電流が検出動作条件を満たす場合には(ステップS304のN)、条件切替部5は駆動信号の出力開始からの経過時間が補正判定時間(例えば10.0ms)を超えたか判定する(ステップS305)。そして、経過時間が補正判定時間を超えた場合には(ステップS305のY)、出力制御回路4は補正パルス発生回路62に補正パルスFPを出力させることで、ドライバ回路10に補正駆動信号を出力させる(ステップS306)。補正駆動信号は第1の実施形態のものと同様である。経過時間が補正判定時間を超えない場合には(ステップS305のN)、回転検出回路11はステップS303からの処理を繰り返す。
一方、ステップS304において、誘導電流が検出動作条件を満たす場合には(ステップS304のY)、ロータ21の回転が検出されたので、出力制御回路4は、ステップモータ20への駆動信号の出力を終了させる(ステップS308)。そして、条件切替部5は、ロータ21の回転が検出されるまでの所要時間に応じて次にロータ21を回転させる際(次の動作ステップ)の駆動パルスSPのデューティー比を決定する。より具体的には、検出までの所要時間が第1の時間閾値U1(3.5ms)以下の場合には(ステップS310のY)、条件切替部5は次の動作ステップにおけるデューティー比を8/16等に減らす(ステップS311)。また検出までの所要時間が第1の時間閾値U1(3.5ms)より大きく第2の時間閾値U2(5.0ms)以下の場合には(ステップS320のY)、条件切替部5は次の動作ステップにおけるデューティー比を変更せず維持し(ステップS321)、検出までの所要時間が第2の時間閾値U2(5.0ms)より大きい、または回転が検出されず補正駆動信号が出力された場合には(ステップS320のN)、条件切替部5は次の動作ステップにおけるデューティー比を16/16等に増やす(ステップS331)。
デューティー比を増やすとコイルA,Bによるロータ21の駆動力が大きくなるので、ロータ21が回転するまでの時間が短くなる。一方、デューティー比を減らすとコイルA,Bによるロータ21の駆動力が小さくなるので、ロータ21が回転するまでの時間が長くなる。以下ではそれによる動作の例について説明する。
図16は、駆動信号および誘導電流の波形および検出タイミングの一例を示す図である。回転期間S1からS4のそれぞれは、駆動パルスSPによりロータ21が1ステップ回転する動作ステップの期間を示す。電子時計の場合、この期間は一定である。図16の例では、はじめのロータ21の回転期間S1においては、駆動パルスSP1のデューティー比が8/16であるが、電源電圧の低下によりロータ21の回転に時間がかかり、回転が検出されるまでの所要時間L1が8.5msである。この場合、所要時間L1が第2の時間閾値U2より大きいので、次の回転期間S2における駆動パルスSP2のデューティー比は16/16に変更される。一方、回転期間S2における所要時間L2は5msであり、第1の時間閾値U1より大きく第2の時間閾値U2以下であるので、次の回転期間S3における駆動パルスSP3のデューティー比は16/16のまま維持される。一方、次の回転期間S3においては、電源電圧が高くなり、所要時間L3は3.5msであり、第1の時間閾値U1以下となるため、次の回転期間S4における駆動パルスSP4のデューティー比は8/16に戻り、また回転期間S4における所要時間L4は4.5msとなり、デューティー比は変更されない。
このように、図15に示される処理により、ロータ21が回転する時間のばらつきが減り、常にほぼ同じタイミングで検出閾値th1を超える検出信号CSが得られるため、ロータの回転において回転が検出されるまでの時間に基づいて、ロータの駆動力を判定し、判定されたロータの駆動力に基づいて、ロータの回転後、次にロータを回転させるための駆動パルスSPのデューティー比を変更したり、電源電圧を高くしたりするなどして、駆動信号の強さを変更する。このようにすることで、より精度よく回転を検出し、モータ制御部2が認識している回転量と、実際の回転量とのずれの発生を防ぐことができる。
なお、条件切替部5はデューティー比の増減を判定するための時間閾値がもっと多く設定されてもよいし、もっと多くの種類のデューティー比が設定されてもよい。また条件切替部5は電源電圧に基づいてデューティー比を決定してもよい。また、駆動信号の全期間ではなく、一部の期間におけるデューティー比だけが変更されてもよい。また、条件切替部5は、複数のステップの動作が行われた後に条件を満たした場合にデューティー比を変更してもよい。
なお、本発明の各実施形態で示した構成図、回路図、波形図等は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、任意に変更することができる。