JP2019174102A - 加熱炉 - Google Patents

加熱炉 Download PDF

Info

Publication number
JP2019174102A
JP2019174102A JP2019039024A JP2019039024A JP2019174102A JP 2019174102 A JP2019174102 A JP 2019174102A JP 2019039024 A JP2019039024 A JP 2019039024A JP 2019039024 A JP2019039024 A JP 2019039024A JP 2019174102 A JP2019174102 A JP 2019174102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating furnace
shelf
heat insulating
honeycomb structure
insulating material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019039024A
Other languages
English (en)
Inventor
中村 知雄
Tomoo Nakamura
知雄 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Publication of JP2019174102A publication Critical patent/JP2019174102A/ja
Priority to JP2022182713A priority Critical patent/JP7488875B2/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27BFURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
    • F27B17/00Furnaces of a kind not covered by any preceding group
    • F27B17/0016Chamber type furnaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27BFURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
    • F27B7/00Rotary-drum furnaces, i.e. horizontal or slightly inclined
    • F27B7/20Details, accessories, or equipment peculiar to rotary-drum furnaces
    • F27B7/34Arrangements of heating devices
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27BFURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
    • F27B11/00Bell-type furnaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27BFURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
    • F27B9/00Furnaces through which the charge is moved mechanically, e.g. of tunnel type; Similar furnaces in which the charge moves by gravity
    • F27B9/30Details, accessories, or equipment peculiar to furnaces of these types
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27BFURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS IN GENERAL; OPEN SINTERING OR LIKE APPARATUS
    • F27B9/00Furnaces through which the charge is moved mechanically, e.g. of tunnel type; Similar furnaces in which the charge moves by gravity
    • F27B9/30Details, accessories, or equipment peculiar to furnaces of these types
    • F27B9/36Arrangements of heating devices
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D3/00Charging; Discharging; Manipulation of charge
    • F27D3/12Travelling or movable supports or containers for the charge
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D5/00Supports, screens, or the like for the charge within the furnace
    • F27D5/0006Composite supporting structures
    • F27D5/0018Separating elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D3/00Charging; Discharging; Manipulation of charge
    • F27D3/12Travelling or movable supports or containers for the charge
    • F27D2003/125Charging cars, lift trolleys
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F27FURNACES; KILNS; OVENS; RETORTS
    • F27DDETAILS OR ACCESSORIES OF FURNACES, KILNS, OVENS, OR RETORTS, IN SO FAR AS THEY ARE OF KINDS OCCURRING IN MORE THAN ONE KIND OF FURNACE
    • F27D5/00Supports, screens, or the like for the charge within the furnace
    • F27D2005/0081Details

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Furnace Charging Or Discharging (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
  • Tunnel Furnaces (AREA)
  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

【課題】炉内温度の均一性向上に寄与する加熱炉を提供する。【解決手段】炉体と、炉体内に設けられる被加熱物の収容空間と、排気口と、収容空間及び排気口の間に介在する断熱材であって、一方の底面から他方の底面まで延びる複数のセルを区画形成するセラミックス製隔壁を備えた柱状ハニカム構造部を備えた断熱材とを備えた加熱炉。【選択図】図1

Description

本発明は加熱炉に関する。とりわけ、本発明はセラミックス製品を量産する工程で使用可能な加熱炉に関する。
種々の製品を製造する際には、加熱炉を用いて加熱処理を行うことがある。例えば、セラミックス製品を製造する際には、まず、セラミックスの原料粉末を所望の形状に成形することによって成形体を作製し、次いで、この成形体を加熱炉内に入れ、加熱炉内の雰囲気の温度を高温にすることにより、成形体を焼成することが広く行われている。
加熱処理の際には、製品の品質安定性を確保するため、加熱炉内での雰囲気温度が場所に寄らず一定であることが求められることが多い。そこで、加熱炉内の雰囲気の温度を均一化する技術が従来提案されている。例えば、特許第5989357号公報では、熱放射率の異なる部材の組み合わせによって収容部の炉壁および炉床の表面を形成することで、収容部の収容空間内の場所ごとで、炉壁および炉床からの放射伝熱によって被加熱物が受ける熱量の大きさを異なるようにする技術が記載されている。また、特開2008−261619号公報では、シャトルキルンの内部に異なる向きのバーナを複数配置し、燃焼ガスによって炉内を均一に攪拌する技術が記載されている。
特許第5989357号公報 特開2008−261619号公報
このように、加熱炉内の雰囲気の温度を均一化する技術は従来提案されているが、未だ改善の余地が残されている。例えば、多数の被加熱物を加熱炉内に設置した棚に載置して同時に加熱処理する場合、加熱炉内に設定温度よりも低温の空間が生じてしまうという問題が依然として存在する。品質確保上、加熱物を載置することができないため、その空間を避けた温度の分布の良い領域のみを使用する必要がある。この場合、加熱炉内において被加熱物の収容空間が制限され、生産効率が低下する。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、従来とは異なる手法により、炉内温度の均一性向上に寄与する加熱炉を提供することを課題とする。
加熱炉内における排気口付近は輻射効果による熱損失が大きいところ、炉体内に設けられる被加熱物の収容空間と排気口との間にセラミックス製の柱状ハニカム構造部を備えた断熱材を配置することが、上記課題の解決に有効であることを見出した。本発明は上記知見に基づき完成したものであり、以下に例示される。
[1]
炉体と、
炉体内に設けられる被加熱物の収容空間と、
排気口と、
収容空間及び排気口の間に介在する断熱材であって、一方の底面から他方の底面まで延びる複数のセルを区画形成するセラミックス製隔壁を備えた柱状ハニカム構造部を備えた断熱材と、
を備えた加熱炉。
[2]
柱状ハニカム構造部の隔壁の気孔率が13%以上である[1]に記載の加熱炉。
[3]
柱状ハニカム構造部の20℃における熱伝導率が300W/(m・K)以下である[1]又は[2]に記載の加熱炉。
[4]
柱状ハニカム構造部の軟化点が1200℃以上である[1]〜[3]の何れか一項に記載の加熱炉。
[5]
柱状ハニカム構造部が備える複数のセルのうち少なくとも一部のセルの延びる方向が、重力方向となす角度が0°〜30°である[1]〜[4]の何れか一項に記載の加熱炉。
[6]
柱状ハニカム構造部の見かけの開口率が94%以下である[5]に記載の加熱炉。
[7]
柱状ハニカム構造部が備える複数のセルのうち少なくとも一部のセルの延びる方向が、重力方向となす角度が60°〜90°である[1]〜[4]の何れか一項に記載の加熱炉。
[8]
収容空間には、被加熱物を載置するための上下方向に配列された一段又は複数段の棚板を有する窯道具が設置されており、
排気口は最下段の棚板よりも下方に形成されている、
[1]〜[7]の何れか一項に記載の加熱炉。
[9]
最下段の棚板が前記断熱材を備える[8]に記載の加熱炉。
[10]
最下段の棚板を構成する前記断熱材について、最下段の棚板の載置面に平行な任意の断面を当該載置面に向かって垂直に投影すると、当該断面の投影図と当該載置面の重なり合う部分の面積が、最下段の棚板の載置面の面積に対して40%以上である[9]に記載の加熱炉。
[11]
最下段の棚板は、前記断熱材を上下の支持板で挟んだ積層構造を有する[9]又は[10]に記載の加熱炉。
本発明の一実施形態に係る加熱炉によれば、排気口付近における輻射効果による熱損失を抑制することができる。これにより炉内温度の均一性が高くなり、加熱炉内で被加熱物の収容空間を拡大することが可能となる。従って、当該加熱炉は加熱処理を経て製造される製品の生産効率の向上に寄与する。
本発明に係る加熱炉の一実施形態に関する模式的な側面図である。 柱状ハニカム構造部を備えた断熱材の構造例を示す斜視図である。 軟化点を測定する際の測定器具の説明図である。 棚板に載置される断熱材の配列方法の一例を示す斜視図である。 棚板に載置される断熱材の配列方法の別の一例を示す斜視図である。 比較例1に係る加熱炉の模式的な側面図である。 比較例2に係る加熱炉の模式的な側面図である。 比較例3に係る加熱炉の模式的な側面図である。
次に本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1.加熱炉)
図1には、本発明に係る加熱炉100の一実施形態に関する模式的な側面図が記載されている。加熱炉100は、炉体102と、炉体102内に設けられる被加熱物104の収容空間106と、排気口108と、収容空間106及び排気口108の間に介在する断熱材110とを備える。
被加熱物は特に限定されるべきものではないが、フェライト及びセラミックコンデンサー等の電子部品、半導体製品、セラミックス製品、陶磁器、酸化物系耐火物、ガラス製品、金属製品、アルミナ・グラファイト質及びマグネシア・グラファイト質等のカーボン系耐火物が例示される。
加熱炉100の収容空間106には、被加熱物104を載置するための上下方向に配列された一段又は複数段の棚板122を有する窯道具120を設置することができる。複数段の棚板122を用いることにより、収容空間106内で被加熱物を上下に並べることができ、収容空間106を有効利用することが可能になる。窯道具120は、耐火物で形成されることが好ましく、例えば、アルミナ系及び炭化珪素系のセラミックスとすることができる。
炉体102の加熱方式には特に制限はないが、例えば、燃料を燃やす燃焼式及び電気で加熱する電気式が挙げられる。図1に示す実施形態においては、バーナ107を用いて燃料を燃やす燃焼式が採用されている。高効率燃焼を行うため、バーナ107はリジェネレイティブバーナであることが好ましい。バーナの数には特に制限はなく、炉体102の大きさや長さに応じて適宜設定すれば良い。
加熱炉100の形式としては、特に制限はないが、シャトルキルン、トンネルキルン、ローラーハースキルン及びプッシャーキルン等の連続炉とすることができ、ボックスキルン、カウベルキルン及びエレベータキルン等の単独炉(バッチ炉)とすることもできる。また、雰囲気条件の観点からは、大気加熱炉及び還元加熱炉の何れとすることもできる。還元加熱炉とは、m値(理論空気量に対する実燃焼空気量の比)を1.0未満の状態で燃焼させる加熱炉のことである。加熱目的についても特に制限はなく、例えば、焼成、脱脂及び乾燥が挙げられる。
図1に記載の実施形態に係る加熱炉100はシャトルキルンであり、台車124の上に窯道具120が設置されている。台車124は、紙面の表裏方向に、炉体102内と炉体102外の間で移動可能なように構成されている。被加熱物104は台車124が炉体102内に収納されている間に加熱処理を受ける。
加熱炉100内で発生した排ガス(本実施形態においては、バーナで発生した燃焼ガス)は、台車124内に設けられた排気孔125を通過し、排気口108から煙道130を通って排出される。一般的に煙道130は炉内より温度が低いため、排気口108付近では輻射による熱損失は大きくなる。熱損失を効果的に抑制するため、本発明者が種々の方策を検討したところ、収容空間106及び排気口108の間に、図2に例示する所定の構造をもつセラミックス製の断熱材110を介在させることが有効であることを見出した。具体的には当該断熱材110は、一方の底面112から他方の底面114まで延びる複数のセル116を区画形成するセラミックス製の隔壁118を備えた柱状ハニカム構造部を備えた断熱材110を用いることが効果的であることを見出した。
例えば、図1に示すように、排気口108が加熱炉100の下面にある場合、従来の加熱炉では排気口108付近は低い温度分布を示しやすいために、被加熱物104を載置することができず、デッドスペースとなっていた。このため、図1中の被加熱物104が点線で示されている箇所のような排気口108に近い空間は被加熱物104を載置するのに適していなかった。しかしながら、上記の断熱材110を被加熱物104の収容空間106と排気口108の間に介在させることで、排気口108に近い場所でも温度低下が抑制されるので、このような空間にも被加熱物104を載置できるようになる。つまり、加熱炉内で被加熱物の加熱処理に利用できるスペースが拡大するため、生産効率を高めることができる。理論によって本発明が限定されることを意図するものではないが、柱状ハニカム構造部は、セルの延びる方向によって、対流、輻射及び伝熱に異方性があり、その特性を積極的に活用することで総合的に高い断熱効果を得ることができる。具体的には、柱状ハニカム構造をもつ断熱材は、設置方向(セルの延びる方向)によって意図的に空気の流れを遮断することで対流を抑制可能である。また、柱状ハニカム構造をもつ断熱材は伝熱経路が少ないために、設置方向(セルの延びる方向)によらず、伝熱抑制効果が高い。また、柱状ハニカム構造をもつ断熱材は、設置方向(セルの延びる方向)によって意図的に輻射を遮断したい方向の輻射を抑える効果が期待できる。特に、排気口108が加熱炉100の下面にある場合、セルの延びる方向が水平となるよう断熱材110を設置することで、複数のセルを区画形成する隔壁が幾層にも連なって効果的に輻射を抑制することができる。また、柱状ハニカム構造部は、セラミックス製の柱状構造を有することで、ファイバー状の断熱材に比べて強度、寿命及び取り扱い性において優れている。例えば、ファイバー状の断熱材は容易に変形するが、セラミックス製の柱状構造は強度が高く、保形性能に優れている。また、ファイバー状の断熱材は粉塵の発生原因となり、被加熱物に付着して不良品となったり、作業環境を悪化させたりするおそれがあるが、セラミックス製の柱状構造であればそのような懸念はない。また、セラミックス製の柱状構造は、加工性にも優れている。
図1に示す実施形態においては、排気口108の位置は加熱炉100の下面に設置されており、排気口108は最下段の棚板よりも下方に形成されているが、排気口108の位置は特に限定されない。排気口108は加熱炉100の上面に設置してもよいし、加熱炉100の側壁に設置してもよい。排気口108の位置によらず、排気口108と被加熱物104の収容空間106との間に、所定の構造をもつセラミックス製の断熱材110が介在すれば、所期の断熱効果が得られることは理解できるであろう。
(2.断熱材)
断熱材110を構成する柱状ハニカム構造部の外形は柱状である限り特に限定されず、例えば、底面が円形の柱状(円柱形状)、底面がオーバル形状の柱状、底面が多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状等の形状とすることができる。一般的な棚板の底面形状は長方形であるため、柱状ハニカム構造部の底面形状は長方形であることが棚板への敷き詰めやすさから好ましい。
断熱材110の材質としては、限定的ではないが、コージェライト、ムライト、ジルコン、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、チタニア等のセラミックスが挙げられる。これらの中でも、繰り返し使用に耐え得る強度及び耐熱性をもつ、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム、炭化珪素及び窒化ケイ素よりなる群から選択される1種又は2種以上が好ましい。セラミックスは上記成分以外のセラミックス成分を含有してもよい。
断熱材110を構成する柱状ハニカム構造部の熱伝導率は、小さい方が断熱性能を高める上で好ましい。具体的には、20℃における熱伝導率が300W/(m・K)以下であることが好ましく、200W/(m・K)以下であることがより好ましく、100W/(m・K)以下であることが更により好ましく、60W/(m・K)以下であることが更により好ましい。柱状ハニカム構造部の熱伝導率の下限は特に設定されないが、20℃における熱伝導率は一般的には0.05W/(m・K)以上であり、典型的には3W/(m・K)以上である。本発明において、柱状ハニカム構造部の熱伝導率の値は、レーザーフラッシュ法(JIS R1611−2010)により測定した値である。
柱状ハニカム構造部の隔壁118は、伝熱しにくくするため、多孔質であることが好ましい。隔壁118の気孔率は、大きくなるほど伝熱しにくくなり、熱伝導率が低下するため、13%以上であることが好ましく、23%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更により好ましい。また、柱状ハニカム構造部の強度を確保するという観点からは、隔壁118の気孔率は72%以下であることが好ましく、69%以下であることがより好ましく、55%以下であることが更により好ましい。本発明において、隔壁118の気孔率は、水銀ポロシメータを用いて、JIS R1655:2003に準拠して水銀圧入法によって測定される。
断熱材110を構成する柱状ハニカム構造部は、加熱炉内に設置されることから、優れた耐熱性を有していることが望ましい。具体的には、柱状ハニカム構造部の軟化点は1200℃以上であることが好ましく、1300℃以上であることがより好ましく、1360℃以上であることが更により好ましい。柱状ハニカム構造部の軟化点の上限は特に設定されないが、一般的には1430℃以下であり、典型的には1360℃以下である。
本発明において、柱状ハニカム構造部の軟化点は以下の手順で測定される。ハニカム構造部から、一辺6.4mmの正方形の底面を有し、高さ(セルの延びる方向の長さ)が50mmの四角柱状の試験片204を切り出す。次に、この試験片204を、図3に示すように測定具200に設置し、重り(50gの分胴)202を乗せて荷重を加える。そして、上記試験片204に荷重を加えた状態で、温度上昇速度7.5℃/minの条件で1500℃まで加熱する。このときの試験片204の寸法を1.25℃の上昇毎に測定して寸法収縮曲線を描く。そして、得られた寸法収縮曲線において、試験片204の収縮率がはじめて1.3%以上となる温度を求める。この温度を「軟化点」とする。
断熱材110を構成する柱状ハニカム構造部を加熱炉100内で配置する際の軸方向の向き(セルの延びる方向)については特段の制約はないが、セルの延びる方向と重力方向との関係で幾つかの好ましい実施形態を例示することが可能である。
柱状ハニカム構造部が備える複数のセルの延びる方向が重力方向に対して略平行であるときには、断熱材110は重力方向に垂直な方向の輻射を遮断する効果が高くなるので、排気口108を加熱炉100の側面に設置する場合に特に好ましく用いることができる。また、柱状ハニカム構造部が備える複数のセルの延びる方向が重力方向に対して略平行であるときには、断熱材110の重力方向への圧縮強度が高いので、断熱材110の上に被加熱物等の物品を載せる場合などに有利である。このため、例えば、排気口108を加熱炉100の下面に設置し、断熱材110が最下段の棚板122の一部を構成することも可能である。
従って、本発明に係る加熱炉の一実施形態においては、柱状ハニカム構造部が備える複数のセルのうち少なくとも一部のセルの延びる方向、好ましくは全部のセルの延びる方向が、重力方向となす角度が0°〜30°である。当該角度は好ましくは0〜15°であり、より好ましくは0〜5°であり、最も好ましくは0°である。
このように、柱状ハニカム構造部が備える複数のセルの延びる方向が重力方向に対して略平行であるときは、各セルを重力方向に通過する輻射を抑制するために、柱状ハニカム構造部の見かけの開口率を小さくすることが好ましい。見かけの開口率を小さくすることは、排気口108を加熱炉100の下面に設置する場合に特に有効である。具体的には、柱状ハニカム構造部の見かけの開口率が94%以下であることが好ましく、87%以下であることがより好ましく、81%以下であることが更により好ましい。但し、柱状ハニカム構造部の見かけの開口率は、小さくなりすぎると伝熱抑制による断熱効果が弱まることから、59%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、69%以上であることが更により好ましい。
本発明において、柱状ハニカム構造部の見かけの開口率は、柱状ハニカム構造部のセルの延びる方向に垂直な二つの端面(両底面)の合計面積に対する当該二つの端面(両底面)におけるセルの開口部分の合計面積の比率として定義される。柱状ハニカム構造部の気孔率は考慮しない。例えば、柱状ハニカム構造部が円柱状であり、その各底面積をA1とし、セル一つが各底面において開口する開口面積をA2とし、セルの数をnとすると、見かけの開口率は、(n×2×A2)/(2×A1)×100(%)である。
なお、各セルについて、セルの延びる方向における一端又は両端は、目封止されていることが、輻射経路を遮断するという観点から好ましい。柱状ハニカム構造部のセルを目封止する方法は、特に限定されるものではなく、周知の手法を採用することができる。セルが目封止されている場合の見かけの開口率は、セルが目封止されておらず開口しているものとして計算する。
また、柱状ハニカム構造部が備える複数のセルの延びる方向が重力方向に対して略垂直であるときには、断熱材110は重力方向の輻射を遮断する効果が高くなるので、排気口108を加熱炉100の下面又は上面に設置する場合に特に好ましく用いることができる。柱状ハニカム構造部が備える複数のセルの延びる方向が重力方向に対して略垂直であるときであっても、断熱材110の上に被加熱物や棚板等の物品を載せることは可能であり、例えば、排気口108を加熱炉100の下面に設置し、断熱材110が最下段の棚板122の一部を担うように構成することも可能である。
従って、本発明に係る加熱炉の一実施形態においては、柱状ハニカム構造部が備える複数のセルのうち少なくとも一部のセルの延びる方向、好ましくは全部のセルの延びる方向が、重力方向となす角度が60°〜90°である。当該角度は好ましくは75〜90°であり、より好ましくは85〜90°であり、最も好ましくは90°である。
断熱材110が最下段の棚板122の一部を構成する場合、断熱効果を高めるという観点からは、最下段の棚板122を構成する前記断熱材110について、最下段の棚板122の載置面126に平行な任意の断面を当該載置面126に向かって垂直に投影すると、当該断面の投影図と当該載置面126の重なり合う部分の面積が、最下段の棚板122の載置面126の面積に対して40%以上となるように、好ましくは45%以上となるように、より好ましくは50%以上となるように一個又は複数個配置することが望ましい。ここで、当該投影図の面積は、断熱材を構成するハニカム構造部が中実であると仮定して求めたときの面積であり、気孔やセルの存在は無視して算出する。また、当該投影図の面積は、断熱材を複数個配置するときは、最下段の棚板の載置面に平行な同一平面ですべての断熱材を切断したときの断面の投影図の合計面積を指す。なお、載置面とは被加熱物を載置するための面を指す。
図4には、最下段の棚板122の構造例を示す模式図が描かれている。図4の実施形態においては、棚板122は複数の断熱材110を上下の支持板122a、122bで挟んだ積層構造を有する。断熱材110は下側の支持板122bの上に載せるだけでよく、上側の支持板122aも断熱材110の上に載せるだけでよいため、簡単に設置することができる。支持板122a、122bの材質は既に述べた棚板の材質と同様とすることができる。本実施形態においては、各断熱材110は四角柱状であり、断熱材110を構成する柱状ハニカム構造部が備える複数のセルの延びる方向は重力方向に対して平行である。本実施形態においては、同じ材質及び形状の断熱材が支持板122b上に縦横に5×8=40個配列されている。図4において、載置面126の面積をA1とし、1個の断熱材110についての載置面126に平行な任意の断面積をA2とすると、最下段の棚板122の載置面126の面積に対して先述した重なり合う部分の面積の比率は、(40×A2)/A1×100(%)である。
図5には、最下段の棚板122の別の構造例を示す模式図が描かれている。図5の実施形態においては、棚板122は断熱材110を上下の支持板122a、122bで挟んだ積層構造を有する。断熱材110は下側の支持板122bの上に載せるだけでよく、上側の支持板122aも断熱材110の上に載せるだけでよいため、簡単に設置することができる。支持板122a、122bの材質は既に述べた棚板の材質と同様とすることができる。本実施形態においては、断熱材110は四角柱状であり、断熱材110を構成する柱状ハニカム構造部が備える複数のセルの延びる方向は重力方向に対して垂直である。本実施形態においては、同じ材質及び形状の断熱材が支持板122b上に縦横に5×2=10個配列されている。図5において、載置面126の面積をA1とし、1個の断熱材110についての載置面126に平行な任意の断面積をA2とすると、最下段の棚板122の載置面126の面積に対して先述した重なり合う部分の面積の比率は、(10×A2)/A1×100(%)である。
図4及び図5の何れの実施形態においても、上下の支持板122a、122bの間の距離(断熱材110の厚み)は、断熱材の構造及び材質その他の条件によって適宜設定すればよいが、例えば、10〜210mmとすることができ、典型的には15〜50mmとすることができる。
柱状ハニカム構造部のセル密度は、セル116の延びる方向に垂直な断面(底面に平行な面)において、15〜200セル/cm2であることが好ましく、30〜150セル/cm2であることが更に好ましい。セル密度をこのような範囲にすることは、断熱効果を高めるという観点で好ましい。セル密度は、柱状ハニカム構造部の一つの底面の面積で当該底面に存在するセル数を除して得られる値である。
セル116の延びる方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせとすることができる。柱状ハニカム構造部を横置き(セルの延びる方向が重力方向に対して垂直)にした場合、同じセル密度においては、四角形セルが強度的に強く、好ましい。
隔壁118の厚みはハニカム構造部の強度を高めるという観点から50μm以上であることが好ましく、75μm以上であることがより好ましい。また、隔壁の厚みは断熱効果を高めるという観点から420μm以下であることが好ましく、320μm以下であることがより好ましい。
(3.断熱材の製造方法)
断熱材110を構成する柱状ハニカム構造部の製法は、限定的ではないが、例えば、以下の手順で製造可能である。
(1)セラミックス原料、分散媒、造孔材及びバインダーを含有する原料組成物を混練して坏土を形成した後、坏土を押出成形することにより所望の柱状ハニカム成形体に成形する。原料組成物中には分散剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を画定する口金を用いることができる。
(2)ハニカム成形体を乾燥した後、脱脂及び焼成を実施し、セラミック製の柱状ハニカム構造部が製造される。乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程の条件はハニカム成形体の材料組成に応じて公知の条件を採用すればよい。
セラミックス原料は、金属酸化物及び金属等の焼成後に残存し、セラミックスとしてハニカム構造部の骨格を構成する部分の原料である。セラミックス原料は例えば粉末の形態で提供することができる。セラミックス原料としては、コージェライト、ムライト、ジルコン、チタン酸アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、スピネル、インディアライト、サフィリン、コランダム、チタニア等のセラミックスを得るための各種原料が挙げられる。具体的には、限定的ではないが、シリカ、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、蛇紋石、パイロフェライト、ブルーサイト、ベーマイト、ムライト、マグネサイト等が挙げられる。セラミックス原料は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば、特に限定されず、例えば、小麦粉、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル、炭素(例:グラファイト)、セラミックバルーン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、フェノール、発泡済発泡樹脂、未発泡発泡樹脂等を挙げることができる。造孔材は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。造孔材の含有量は、ハニカム構造体の気孔率及び強度の兼ね合いから適宜設定すればよく、例えば、ハニカム構造体の気孔率が13〜72%となるように添加することができる。有機系造孔材を使用する場合、その含有量は、例えばセラミックス原料100質量部に対して0〜20質量部の範囲で調整することができる。
バインダーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の有機バインダーを例示することができる。特に、メチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルセルロースを併用することが好適である。バインダーは、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。バインダーの含有量は、ハニカム成形体の強度を考慮して適宜設定すればよい。例えば、バインダーの含有量は、セラミックス原料100質量部に対して1〜10質量部とすることができる。
分散剤には、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等の界面活性剤を用いることができる。分散剤は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。分散剤の含有量は、分散性、押出成形時の配向性及び濡れ性などを考慮して適宜設定すればよい。例えば、分散剤の含有量は、セラミックス原料100質量部に対して0〜5質量部とすることができる。
分散媒としては、水、又は水とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒等を挙げることができるが、特に水を好適に用いることができる。分散媒の含有量は、成形性及び強度の兼ね合いから適宜設定すればよい。例えば、分散媒の含有量は、セラミックス原料100質量部に対して30〜150質量部とすることができる。本明細書において、ハニカム成形体の分散媒の含有量は、乾燥減量法により測定される値を指す。
乾燥工程においては、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥方法を用いることができる。なかでも、成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。目封止部を形成する場合は、乾燥したハニカム成形体の両底面に目封止部を形成した上で目封止部を乾燥し、ハニカム乾燥体を得る。
脱脂工程においては、バインダー及び造孔材といった有機物を燃焼除去する。バインダーの燃焼温度は200℃程度、造孔材の燃焼温度は300〜1000℃程度である。従って、脱脂工程はハニカム成形体を200〜1000℃程度の範囲に加熱して実施すればよい。加熱時間は特に限定されないが、通常は、10〜100時間程度である。脱脂工程を経た後のハニカム成形体は仮焼体と称される。
焼成工程は、ハニカム成形体の材料組成にもよるが、例えば仮焼体を1350〜1600℃に加熱して、3〜10時間保持することで行うことができる。
以下、本発明及びその利点をより良く理解するための実施例を例示するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1.断熱材の製造)
タルク(40質量部)、酸化アルミニウム(15質量部)、水酸化アルミニウム(15質量部)、カオリン(15質量部)、結晶シリカ(15質量部)を混合してコージェライト化原料を調製した。次いで、得られたコージェライト化原料に対して、バインダーとしてのメチルセルロース(5質量部)、造孔材としてのカーボン(5質量部)、分散剤としてのラウリン酸カリウム石鹸(1質量部)及び分散媒としての水(45質量部)を添加した上で、混合機に投入し、3分間混合することにより湿式混合物を得た。
得られた湿式混合物をスクリュー式の押出混練機に投入し、混練して直方体状の坏土を作製した。この坏土を押出成形機に投入して押出成形することにより、直方体状のハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を誘電乾燥及び熱風乾燥した後、所定の寸法となるように両底面を切断してハニカム乾燥体を得た。
次いで、ハニカム乾燥体を大気雰囲気下、200℃で20時間加熱することで脱脂し、引き続き1430℃で10時間焼成し、縦70mm×横70mm×高さ(セルの延びる方向の長さ)280mmの直方体ハニカム構造体(断熱材)を得た。同様の条件で製造した複数のハニカム構造体を切断し、高さの短い複数のハニカム構造体に切断した。各ハニカム構造体は以下の特性を有していた。
外形:縦70mm×横70mm×高さ(セルの延びる方向の長さ)35mmの直方体
セルの延びる方向に垂直な断面におけるセル形状:正方形
セル密度(単位断面積当たりのセルの数):31セル/cm2
隔壁厚み:305μm
20℃における熱伝導率:4.0W/(M・K)
隔壁の気孔率:52%
軟化点:1400℃
見かけの開口率:69%
目封止部:なし
(2.窯道具の作製)
図1に示すような、上下方向に配列された複数段(ここでは6段)のSINSIC(窒化珪素結合SiC)製の棚板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)を有する窯道具を用意した。但し、最下段の棚板のみ、以下の構成とした。上記で得られた複数個の断熱材を、図4に記載のように、セルの延びる方向が重力方向と平行となるように、すなわち、セルの延びる方向が重力方向となす角度が0°となるように、SINSIC(窒化珪素結合SiC)製の支持板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)で上下から挟み、最下段の棚板を作製した(上下の支持板の間の距離は35mm)。複数個の断熱材は、図4に示すように、下側の支持板上に縦方向に5個、横方向に8個の合計40個載置した。この場合、最下段の棚板を構成する断熱材について、最下段の棚板の載置面に平行な任意の断面を載置面に向かって垂直に投影すると、当該断面の投影図と当該載置面の重なり合う部分の面積は、最下段の棚板の載置面の面積に対して、82%と算出された。
(3.加熱炉での実験)
上記で用意した窯道具を台車に載せてシャトルキルン内に入れ、設定温度を1430℃として炉内をバーナで加熱し、定常状態に達したときの、最下段の棚板及び最下段よりも1段上の棚板について、載置面の温度分布を共通熱履歴センサー(商品名:リファサーモ、一般財団法人ファインセラミックスセンター(JFCC))により求め、最高温度と最低温度の箇所の温度を熱電対で調査した。その結果、最高温度と最低温度の差は、最下段の棚板について15℃、最下段よりも1段上の棚板について11℃であった。また、最下段の棚板と最下段よりも1段上の棚板について、載置面中央部の温度差を調査したところ、2℃であった。
<実施例2>
(1.断熱材の製造)
実施例1と同様の方法で、縦70mm×横70mm×高さ(セルの延びる方向の長さ)280mmの直方体ハニカム構造体(断熱材)を複数用意した。次いで、各ハニカム構造体を半分に切断して縦70mm×横35mm×高さ(セルの延びる方向の長さ)280mmの扁平な直方体を10個用意した。
(2.窯道具の作製)
図1に示すような、上下方向に配列された複数段(ここでは6段)のSINSIC(窒化珪素結合SiC)製の棚板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)を有する窯道具を用意した。但し、最下段の棚板のみ、以下の構成とした。上記で得られた複数の断熱材を、図5に記載のように、セルの延びる方向が重力方向と垂直となるように、すなわち、セルの延びる方向が重力方向となす角度が90°となるように、SINSIC(窒化珪素結合SiC)製の支持板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)で上下から挟み、最下段の棚板を作製した(上下の支持板の間の距離は35mm)。複数の断熱材は、図5に示すように、縦横に5×2=10個載置した。この場合、最下段の棚板を構成する断熱材について、最下段の棚板の載置面に平行な任意の断面を載置面に向かって垂直に投影すると、当該断面の投影図と当該載置面の重なり合う部分の面積は、最下段の棚板の載置面の面積に対して、82%と算出された。
(3.加熱炉での実験)
上記で用意した窯道具を台車に載せてシャトルキルン内に入れ、設定温度を1430℃として炉内をバーナで加熱し、定常状態に達したときの、最下段の棚板及び最下段よりも1段上の棚板について、実施例1と同様の方法で、載置面の温度分布を求め、最高温度と最低温度を調査した。その結果、最高温度と最低温度の差は、最下段の棚板について12℃、最下段よりも1段上の棚板について10℃であった。また、最下段の棚板と最下段よりも1段上の棚板について、載置面中央部の温度差を調査したところ、1℃であった。
<実施例3>
各ハニカム構造体の大きさを、縦70mm×横70mm×高さ(セルの延びる方向の長さ)280mmの直方体に代えた他は、実施例2と同様の方法及び条件で、断熱材の製造、窯道具の作製、及び加熱炉での実験を行った。この場合、上下の支持板の間の距離は70mmとなった。その結果、最高温度と最低温度の差は、最下段の棚板について10℃、最下段よりも1段上の棚板について9℃であった。また、最下段の棚板と最下段よりも1段上の棚板について、載置面中央部の温度差を調査したところ、0℃(差は無し)であった。
<実施例4>
各ハニカム構造体の見かけの開口率を63%とし、隔壁の気孔率を40%とし、20℃における熱伝導率を20.0W/(M・K)に代えた他は、実施例2と同様の方法及び条件で、断熱材の製造、窯道具の作製、及び加熱炉での実験を行った。その結果、最高温度と最低温度の差は、最下段の棚板について18℃、最下段よりも1段上の棚板について11℃であった。また、最下段の棚板と最下段よりも1段上の棚板について、載置面中央部の温度差を調査したところ、3℃であった。
<比較例1>
図6に記載のように、最下段の棚板を、SINSIC(窒化珪素結合SiC)製の棚板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)に置き換えた他は、実施例1と同じ棚板構造を有する窯道具を用意した。窯道具を台車に載せてシャトルキルン内に入れ、設定温度を1430℃として炉内をバーナで加熱し、定常状態に達したときの、最下段の棚板及び最下段よりも1段上の棚板について、実施例1と同様の方法で、載置面の温度分布を求め、最高温度と最低温度を調査した。その結果、最高温度と最低温度の差は、最下段の棚板について31℃、最下段よりも1段上の棚板について13℃であった。また、最下段の棚板と最下段よりも1段上の棚板について、載置面中央部の温度差を調査したところ、10℃であった。
<比較例2>
図7に記載のように、最下段の棚板を、SINSIC(窒化珪素結合SiC)製の棚板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)を2枚重ねた構成に置き換えた他は、実施例1と同じ棚板構造を有する窯道具を用意した。窯道具を台車に載せてシャトルキルン内に入れ、設定温度を1430℃として炉内をバーナで加熱し、定常状態に達したときの、最下段の棚板及び最下段よりも1段上の棚板について、実施例1と同様の方法で、載置面の温度分布を求め、最高温度と最低温度を調査した。その結果、最高温度と最低温度の差は、最下段の棚板について30℃、最下段よりも1段上の棚板について12℃であった。また、最下段の棚板と最下段よりも1段上の棚板について、載置面中央部の温度差を調査したところ、10℃であった。
<比較例3>
最下段の棚板を以下の構成とした。SINSIC(窒化珪素結合SiC)製の棚板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)の四隅に、アルミナ製のスペーサ(縦50mm×横50mm×厚み35mm)を載置し、その上に、SINSIC(窒化珪素結合SiC)製の棚板(縦400mm×横600mm×厚み10mm)を載置することで、最下段の棚板を作製した。その他は、実施例1と同じ棚板構造を有する窯道具を用意した。窯道具を台車に載せてシャトルキルン内に入れ、設定温度を1430℃として炉内をバーナで加熱し、定常状態に達したときの、最下段の棚板及び最下段よりも1段上の棚板について、実施例1と同様の方法で、載置面の温度分布を求め、最高温度と最低温度を調査した。その結果、最高温度と最低温度の差は、最下段の棚板について26℃、最下段よりも1段上の棚板について12℃であった。また、最下段の棚板と最下段よりも1段上の棚板について、載置面中央部の温度差を調査したところ、8℃であった。
100 加熱炉
102 炉体
104 被加熱物
106 収容空間
107 バーナ
108 排気口
110 断熱材
112 一方の底面
114 他方の底面
116 セル
118 隔壁
120 窯道具
122 棚板
124 台車
125 排気孔
126 載置面
130 煙道
122a、122b 支持板
200 測定具
202 重り
204 試験片

Claims (11)

  1. 炉体と、
    炉体内に設けられる被加熱物の収容空間と、
    排気口と、
    収容空間及び排気口の間に介在する断熱材であって、一方の底面から他方の底面まで延びる複数のセルを区画形成するセラミックス製隔壁を備えた柱状ハニカム構造部を備えた断熱材と、
    を備えた加熱炉。
  2. 柱状ハニカム構造部の隔壁の気孔率が13%以上である請求項1に記載の加熱炉。
  3. 柱状ハニカム構造部の20℃における熱伝導率が300W/(m・K)以下である請求項1又は2に記載の加熱炉。
  4. 柱状ハニカム構造部の軟化点が1200℃以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の加熱炉。
  5. 柱状ハニカム構造部が備える複数のセルのうち少なくとも一部のセルの延びる方向が、重力方向となす角度が0°〜30°である請求項1〜4の何れか一項に記載の加熱炉。
  6. 柱状ハニカム構造部の見かけの開口率が94%以下である請求項5に記載の加熱炉。
  7. 柱状ハニカム構造部が備える複数のセルのうち少なくとも一部のセルの延びる方向が、重力方向となす角度が60°〜90°である請求項1〜4の何れか一項に記載の加熱炉。
  8. 収容空間には、被加熱物を載置するための上下方向に配列された一段又は複数段の棚板を有する窯道具が設置されており、
    排気口は最下段の棚板よりも下方に形成されている、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の加熱炉。
  9. 最下段の棚板が前記断熱材を備える請求項8に記載の加熱炉。
  10. 最下段の棚板を構成する前記断熱材について、最下段の棚板の載置面に平行な任意の断面を当該載置面に向かって垂直に投影すると、当該断面の投影図と当該載置面の重なり合う部分の面積が、最下段の棚板の載置面の面積に対して40%以上である請求項9に記載の加熱炉。
  11. 最下段の棚板は、前記断熱材を上下の支持板で挟んだ積層構造を有する請求項9又は10に記載の加熱炉。
JP2019039024A 2018-03-28 2019-03-04 加熱炉 Pending JP2019174102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022182713A JP7488875B2 (ja) 2018-03-28 2022-11-15 加熱炉

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018063051 2018-03-28
JP2018063051 2018-03-28

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022182713A Division JP7488875B2 (ja) 2018-03-28 2022-11-15 加熱炉

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019174102A true JP2019174102A (ja) 2019-10-10

Family

ID=67910077

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019039024A Pending JP2019174102A (ja) 2018-03-28 2019-03-04 加熱炉
JP2022182713A Active JP7488875B2 (ja) 2018-03-28 2022-11-15 加熱炉

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022182713A Active JP7488875B2 (ja) 2018-03-28 2022-11-15 加熱炉

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11085698B2 (ja)
JP (2) JP2019174102A (ja)
CN (1) CN110319700B (ja)
DE (1) DE102019002000A1 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5631300U (ja) * 1979-08-17 1981-03-26
JP2000304247A (ja) * 1999-04-16 2000-11-02 Ngk Insulators Ltd 蓄熱燃焼バーナー炉の運転方法
WO2004031100A1 (ja) * 2002-10-07 2004-04-15 Ibiden Co., Ltd. ハニカム構造体
JP2004163094A (ja) * 2002-10-23 2004-06-10 Ics Kk 移動式焼成炉とその焼成炉を用いた移動式焼成炉装置、及びその装置の使用方法
JP2008261619A (ja) * 2007-03-19 2008-10-30 Ngk Insulators Ltd シャトルキルン
JP2011137202A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Ihi Corp 脱脂方法
JP2012021742A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Murata Mfg Co Ltd 熱処理炉
JP2017516129A (ja) * 2014-04-02 2017-06-15 ザイゴ コーポレーションZygo Corporation リソグラフィ用フォトマスク
WO2018047784A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 日本碍子株式会社 焼成用セッター

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3718323A (en) * 1971-02-01 1973-02-27 R Ulbrich Radiant lining
JPS5989357A (ja) 1982-11-12 1984-05-23 Harima Kasei Kogyo Kk 強化ロジン組成物の水性分散物液の製造方法
JPH0643140Y2 (ja) 1985-03-05 1994-11-09 株式会社ブリヂストン 通気性断熱材
JP3022195B2 (ja) * 1994-09-05 2000-03-15 日本碍子株式会社 セラミック成形体の焼成法およびそれに用いる燃焼装置
EP1666121B1 (en) * 1999-09-29 2009-01-21 Ibiden Co., Ltd. Honeycomb filter and ceramic filter assembly
KR100865058B1 (ko) * 2003-06-23 2008-10-23 이비덴 가부시키가이샤 허니컴 구조체
EP1503161A3 (en) * 2003-08-01 2006-08-09 Asahi Glass Company Ltd. Firing container for silicon nitride ceramics
KR100844250B1 (ko) * 2004-08-04 2008-07-07 이비덴 가부시키가이샤 소성로 및 이것을 이용한 다공질 세라믹 부재의 제조 방법
CN1973171B (zh) * 2004-08-10 2010-05-05 揖斐电株式会社 烧制炉及利用该烧制炉制造陶瓷部件的方法
KR100727684B1 (ko) * 2005-12-08 2007-06-13 학교법인 포항공과대학교 고체산화물 연료전지 모듈, 이를 이용한 연료전지 및 그제작방법
JP2008120653A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Denso Corp セラミックハニカム成形体の焼成用載置台
US20110127699A1 (en) * 2009-11-30 2011-06-02 Michael James Vayansky Method And Apparatus For Thermally Debindering A Cellular Ceramic Green Body
WO2012093481A1 (ja) * 2011-01-06 2012-07-12 イビデン株式会社 排ガス処理装置
JP5989357B2 (ja) 2012-02-24 2016-09-07 日本碍子株式会社 加熱炉

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5631300U (ja) * 1979-08-17 1981-03-26
JP2000304247A (ja) * 1999-04-16 2000-11-02 Ngk Insulators Ltd 蓄熱燃焼バーナー炉の運転方法
WO2004031100A1 (ja) * 2002-10-07 2004-04-15 Ibiden Co., Ltd. ハニカム構造体
JP2004163094A (ja) * 2002-10-23 2004-06-10 Ics Kk 移動式焼成炉とその焼成炉を用いた移動式焼成炉装置、及びその装置の使用方法
JP2008261619A (ja) * 2007-03-19 2008-10-30 Ngk Insulators Ltd シャトルキルン
JP2011137202A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Ihi Corp 脱脂方法
JP2012021742A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Murata Mfg Co Ltd 熱処理炉
JP2017516129A (ja) * 2014-04-02 2017-06-15 ザイゴ コーポレーションZygo Corporation リソグラフィ用フォトマスク
WO2018047784A1 (ja) * 2016-09-12 2018-03-15 日本碍子株式会社 焼成用セッター

Also Published As

Publication number Publication date
CN110319700B (zh) 2023-09-15
JP7488875B2 (ja) 2024-05-22
DE102019002000A1 (de) 2019-10-02
JP2023015295A (ja) 2023-01-31
CN110319700A (zh) 2019-10-11
US11085698B2 (en) 2021-08-10
US20190301801A1 (en) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8673045B2 (en) Cordierite aluminum magnesium titanate compositions and ceramic articles comprising same
JP4750415B2 (ja) チタン酸アルミニウムベースのセラミック製品
JP2981034B2 (ja) セラミックハニカム構造体の焼成方法
JP4311609B2 (ja) 多孔質セラミックス体の製造方法
KR20040099329A (ko) 고온에서 사용할 수 있는 스트론튬 펠드스파 알루미늄티타네이트
JP6469684B2 (ja) チタン酸アルミニウム組成物、それから構成されたセラミック物品、およびその製造方法
US20100247852A1 (en) Honeycomb structure and bonded type honeycomb structure
JP2000279823A (ja) セラミックハニカム構造体及びその製造方法
US9447716B2 (en) Honeycomb structure
JP2009532195A (ja) セラミック物品の製造における細孔形成剤としての過酸化物含有化合物
US20060003143A1 (en) Method for manufacturing porous honeycomb structure and honeycomb body
JP2004210610A (ja) セラミックハニカム構造体の焼成方法
JP2013203584A (ja) 多孔質材料及びその製造方法、並びにハニカム構造体
WO2006046542A1 (ja) ハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体
JPWO2005068396A1 (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
WO2006103963A1 (ja) ハニカム構造体
JP7488875B2 (ja) 加熱炉
US20090243166A1 (en) Method for manufacturing honeycomb structure
JP2014166749A (ja) セラミックハニカム構造体の製造方法
WO2009093691A1 (ja) ハニカム成形体の焼成方法
US20090014925A1 (en) Method for manufacturing ceramic structure
WO2009093690A1 (ja) ハニカム成形体の焼成方法
JP2018122244A (ja) ハニカム構造体の製造方法及びハニカム構造体
WO2018173711A1 (ja) ハニカム構造体の製造方法
JP2007237653A (ja) セラミックスハニカム構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220415

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220823