JP2019173731A - 作業車両 - Google Patents

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祐樹 抜井
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Abstract

【課題】エンジンがローアイドル回転数でもオーバーヒート状態を解消することができる作業車両を提供する。【解決手段】エンジン1の冷媒を冷却するラジエータ14と、作動油を冷却する作動油クーラ15,16と、これらラジエータ14と作動油クーラ15,16に外気を送風するファン装置(ファンモータ11、冷却ファン13)と、エンジン1のローアイドル回転数を調節可能なコントローラ19(制御装置)とを備え、コントローラ19は、油水温(冷却水や作動油)を検出するセンサ23,24,25の検出温度に基づいてオーバーヒート状態であるか否かを判定すると共に、駐車ブレーキ検出センサ20とFNR検出センサ21の検出信号に基づいて駐機状態であるか否かを判定し、オーバーヒート状態かつローアイドル待機中に、エンジン1のローアイドル回転数を所定の回転数上昇させる。【選択図】図3

Description

本発明は、ホイールローダや油圧ショベル等の作業車両に関する。
ホイールローダや油圧ショベル等の作業車両には、エンジンの冷却水(冷媒)を冷却するラジエータや、油圧アクチュエータから吐出された作動油を冷却するオイルクーラや、これらラジエータとオイルクーラに冷却風(外気)を送風する冷却ファン等が搭載されている。冷却ファンはエンジンから独立して駆動される油圧モータによって駆動され、冷却ファンを回転させることでラジエータやオイルクーラに対して冷却風を送り込むことができる。
このような冷却ファンでは、冷却水や作動油の温度上昇に伴ってエンジンがオーバーヒート状態になることを防止するために、冷却ファンの回転数を上げて冷却を促すようになっている。特に、エンジンに直結したファンポンプから吐出される作動油でファンモータを駆動し、このファンモータが冷却ファンを回転させる構成のように、冷却ファンがエンジンと直結していない冷却ファンシステムでは、通常時はエンジン回転数に関係なく冷却ファンの回転数を一定の低回転数に抑えておき、オーバーヒート状態になったときに冷却ファンの回転数を高回転数に上げることにより、オーバークールを避けた適切な冷却を行えるようにし、燃費の低減化も可能にしている。
この種の冷却ファン制御に関する技術の一例として、エンジンの出力を制限しないPモードとエンジンの出力を制限するEモードに切り替える出力切り替えスイッチを備え、Eモードに設定されている場合、冷却水温が高くなる範囲内でPモード設定時と比べて冷却ファンの目標回転速度を低く設定し、冷却水温が100度を超えてオーバーヒート状態になると、冷却ファンの目標回転速度をPモード設定時の最高回転速度と同じ回転速度に設定するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。また、他の従来例として、エンジンのオーバーヒート時に、ポンプの吸収馬力特性の変更処置とエンジン回転数の低下処置とを複合的に実行することにより、エンジン負荷の軽減時においても作業機械の操作性や制御安定性を良好に保持するようにした技術が知られている(特許文献2参照)。
特許第5518589号公報 特許第2724820号公報
ホイールローダや油圧ショベル等の作業車両においては、作業の中でしばしば待機時間(例えば、ダンプトラックの待ち時間)が入り、その際に、オペレータはエンジンを停止せずにローアイドル状態で駐機して待機している。一般的に、オーバーヒート状態の作業車両では、駐機時にローアイドル状態となることによってエンジン負荷が低下するため、オーバーヒート状態は駐機時間の経過に伴って解消傾向となる。しかしながら、エンジンのローアイドル状態では、作業時に比べて冷却ファンの回転数が低下するため、冷却水や作動油の冷却効率が悪くなり、エンジンルーム内にこもった熱が抜けにくくなる。特に、駐機する頻度は多いが、1回の駐機時間が短い現場では、ローアイドル回転数であることがオーバーヒート状態を解消することにつながらなくなる。
なお、前述した特許文献1と特許文献2に開示された従来技術は、基本的にはエンジン回転数が高回転領域で稼働しているときにオーバーヒートした場合、作業車両を停車させずに作業を継続したままオーバーヒート状態を解消するというものであり、ローアイドル回転数のような低回転領域や車両が停止している駐機状態におけるオーバーヒート状態の解消については全く認識していない。
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、エンジンがローアイドル回転数でもオーバーヒート状態を解消することができる作業車両を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の作業車両は、エンジンと、前記エンジンにより駆動され、作業機を動作させる油圧シリンダへ作動油を吐出するメイン油圧ポンプと、前記エンジンにより駆動され、前記メイン油圧ポンプとは別に設けられた固定容量型のファン用油圧ポンプと、前記エンジンの回転数をローアイドルからハイアイドルまで変化させるアクセルペダルと、前記エンジンの冷媒を冷却するラジエータと、作動油を冷却する作動油クーラと、前記冷媒の温度を検出する冷媒温度センサと、前記作動油の温度を検出する作動油温度センサと、前記ラジエータと前記作動油クーラに外気を送風するファン装置と、を備えた作業車両において、前記エンジンのローアイドル回転数を調節可能な制御装置を備え、前記制御装置は、前記冷媒温度センサと前記作動油温度センサとの少なくとも一方の検出温度に基づいて、オーバーヒート状態に対応した冷媒温度もしくは作動油温度であり、かつローアイドル回転数であると判定した場合に、前記エンジンのローアイドル回転数を予め設定された所定の回転数上昇させることを特徴としている。
本発明の作業車両によれば、エンジンがローアイドル回転数でもファン装置の冷却性能を上げてオーバーヒート状態を解消することができる。前述した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係る作業車両の一例として挙げたホイールローダを示す側面図である。 図1のホイールローダに備えられる冷却ファン制御装置を含む油圧回路の構成図である。 (a)はエンジン回転数と冷却ファン回転数との関係を示す説明図、(b)は冷却水温とエンジン回転数との関係を示す説明図、(c)は作動油温とエンジン回転数との関係を示す説明図、(d)はトルコン油温とエンジン回転数との関係を示す説明図である。 ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容を示すフローチャートである。 ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容を示すフローチャートである。 ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容を示すフローチャートである。 作業車両の他の例である油圧ショベルに備えられる冷却ファン制御装置を含む油圧回路の構成図である。 ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る作業車両の一例であるホイールローダ100の側面図である。ホイールローダ100は、アーム111、バケット112、タイヤ113等を有する前フレーム110と、運転室121、エンジン室122、タイヤ123等を有する後フレーム120とで構成される。エンジン室122にはエンジン(後述する)が搭載されており、後フレーム120の後方にはカウンタウェイト124が取り付けられている。
アーム111は不図示のアームシリンダの駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(クラウドまたはダンプ)する。なお、これらアーム111、アームシリンダ、バケット112、バケットシリンダ115等により作業機(フロント作業機)が構成されている。前フレーム110と後フレーム120とはセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ116の伸縮により後フレーム120に対し前フレーム110が左右に屈折する。
エンジン室122の後方には、ラジエータフレーム135と冷却ファンユニット150とが配設されている。ラジエータフレーム135は後フレーム120に固定されており、このラジエータフレーム135には、後述する図2に示した、エンジン1の冷却水(冷媒)を冷却するラジエータ14や、作動油の冷却用のオイルクーラ16、トルクコンバータ2の作動流体冷却用の作動流体クーラ15が取り付けられている。冷却ファンユニット150は、後述する図2に示した、ファンモータ11で駆動される冷却ファン13を備えている。作動流体クーラ15とオイルクーラ16は、トルコン油(作動流体)や作動油を冷却するための作動油クーラである。
図2は、エンジン1や冷却ファン制御装置を含む油圧回路の構成図である。エンジン1の出力軸にはトルクコンバータ2(以下、トルコンと呼ぶ)の不図示の入力軸が連結され、トルコン2の不図示の出力軸はトランスミッション3に連結されている。トルコン2は周知のインペラ,タービン,ステータからなる流体クラッチであり、エンジン1の回転はトルコン2を介してトランスミッション3に伝達される。トランスミッション3は、その速度段を1速〜4速に変速する液圧クラッチを有し、トルコン2の出力軸の回転はトランスミッション3で変速される。変速後の回転は、プロペラシャフト4、アクスル5を介してタイヤ6に伝達され、ホイールローダ100が走行する。
ホイールローダ100は、エンジン1で駆動される作業機駆動用のメイン油圧ポンプ7と、メイン油圧ポンプ7から吐出される圧油を制御するコントロール弁17と、作業用油圧シリンダ18(例えばバケットシリンダ115やアームシリンダ)と、ファンモータ11駆動用の固定容量型の油圧ポンプ8と、ファンモータ11の回転速度を制御するための可変リリーフ弁9と、前述したファンモータ11および冷却ファン13と、エンジン1の回転速度変化により、ファンモータ11を駆動する油圧回路12aが負圧になった場合のキャビテーションを防止するためのチェック弁10とを備えている。
エンジン1の冷却水は、サーモスタット22を経由してラジエータ14に流れ込み、ラジエータ14で冷却された後、再びエンジン1に戻る。サーモスタット22は、エンジン1からラジエータ14に至る冷却水配管の途中に設けられている。サーモスタット22は、冷却水をラジエータ14に供給する経路上で、冷却水の温度に応じて経路を全閉から全開の間で開閉する。
本実施形態で用いられているサーモスタット22は、開度0%となる全閉温度が85℃であり、開度100%となる全開温度が95℃である。すなわち、サーモスタット22に触れている冷却水温度が85℃まではサーモスタット22が全閉しており、冷却水温度が85℃を超えるとサーモスタット22が徐々に開き始めて開口面積が増加し、冷却水温度が95℃に達するとサーモスタット22が全開する。
作動油は、作動油タンク31からメイン油圧ポンプ7で吸い上げられて吐出され、コントロール弁17を経由してオイルクーラ16へ流れ込み、オイルクーラ16で冷却された後、再び作動油タンク31に戻る。トルコン2の作動流体は、トルコン2から作動流体クーラ15へ流れ込み、作動流体クーラ15で冷却された後、再びトルコン2へ戻る。
油圧ポンプ8から吐出される圧油がファンモータ11に供給されると、ファンモータ11と冷却ファン13が回転する。冷却ファン13が回転すると、冷却ファン13からラジエータ14とオイルクーラ16および作動流体クーラ15に向けて冷却風が送風され、冷却風との熱交換により各油水温(冷却水、作動油温、トルコン油温)が冷却される。
また、ホイールローダ100は、コントローラ19と、駐車ブレーキ検出センサ20と、FNR検出センサ21と、アクセルペダル操作量検出センサ26と、冷却水温度センサ23と、作動油温度センサ24と、作動流体温度センサ25とを備えている。コントローラ19は、ホイールローダ100の各部を制御する制御装置である。駐車ブレーキ検出センサ20は、不図示の駐車ブレーキが操作されたか否かを検出するセンサである。FNR検出センサ21は、不図示の操作レバーが前進/ニュートラル/後進のいずれのポジションにあるかを検出するセンサである。アクセルペダル操作量検出センサ26は、不図示のアクセルペダルの操作量を検出するセンサである。エンジン1の回転数はアクセルペダルの踏み込み量の増加に伴って上昇し、エンジン回転数が上昇すると、メイン油圧ポンプ7の回転数が上昇してポンプ吐出量が増大する。
冷却水温度センサ23は、冷却水の温度の冷却前の温度を検出するセンサであり、ラジエータ14の上流側の管路等に設けられている。作動油温度センサ24は、作動油の温度の冷却前の温度を検出するセンサであり、オイルクーラ16の上流側の管路等に設けられている。作動流体温度センサ25は、作動流体(トルコン油)の温度の冷却前の温度を検出するセンサであり、作動流体クーラ15の上流側の管路等に設けられている。
コントローラ19は、CPU、ROM、RAMなどの記憶装置、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。コントローラ19は制御ラインで可変リリーフ弁9と接続されており、可変リリーフ弁9は、コントローラ19からの出力電流値(指示値)に応じて、油圧ポンプ8からファンモータ11へ供給される圧油の最高圧を規定し、油圧ポンプ8の吐出側圧力を制御する。コントローラ19は可変リリーフ弁9の設定リリーフ圧を制御すること、すなわち、ファンモータ11の入口側圧力である油圧ポンプ8の吐出側圧力を制御することにより、冷却ファン13の回転速度を制御できる。
コントローラ19には、駐車ブレーキ検出センサ20からの駐車ブレーキの作動情報と、FNR検出センサ21からの操作レバーの位置情報と、アクセルペダル操作量検出センサ26からのアクセルペダル踏み込み量の情報と、冷却水温度センサ23からの冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24からの作動油温度の情報と、作動流体温度センサ25からのトルコン油温度の情報がそれぞれ入力されている。コントローラ19は、エンジン1の出力を特に制限しないが、エンジン1のローアイドルでオーバーヒート状態にあるときに、エンジン1のローアイドル回転数を後述するように制御する。
図3(a)はエンジン1のエンジン回転数(N)と冷却ファン13のファン回転数(N)との関係を示す説明図である。エンジン1は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて、ローアイドル回転数(NE_L)からハイアイドル回転数(NE_H)まで変化する。エンジン回転数が高いとき(ハイアイドル回転数付近)では、冷却ファン13のファン回転数を最小のMIN回転数(例えば600rpm)から最大のMAX回転数(例えば1600rpm)まで制御することができる。エンジン1とファン駆動用の固定容量型の油圧ポンプ8は、互いに回転軸を介して連結されているため、エンジン回転数の上昇に伴い油圧ポンプ8の回転数も上昇する比例の関係になっている。
しかし、エンジン回転数がローアイドル回転数に近づくと、冷却ファン13のファン回転数をMAX回転数で回転することができなくなる。すなわち、エンジン回転数がローアイドル回転数に近づくと、ファンモータ11に吐出される油圧ポンプ8の吐出流量が少なくなるため、コントローラ19が可変リリーフ弁9を最大回転側に制御したとしても、可変リリーフ弁9の設定流量まで吐出されず、冷却ファン13のファン回転数はMAX回転数よりかなり低い値r1(例えば800rpm)で頭打ちとなる。
エンジン回転数が低くなるとエンジン1の出力も低くなるため、オーバーヒート時にエンジン1をローアイドルにすることは有効である。しかし、上述したようにローアイドル状態では冷却ファン13のファン回転数も低くなるため、各油水温(冷却水、作動油温、トルコン油温)を冷却したりエンジン室122内にこもった熱を換気するには風量が不十分となる。特に、駐機する頻度は多いが、1回の駐機時間が短い現場では、エンジン1をローアイドルにすることが必ずしもオーバーヒート状態を解消することにつながらなくなる。このような知見に基づいて、本実施形態では、オーバーヒート時のローアイドル待機中に、コントローラ19の制御によりエンジン1のローアイドル回転数を所定の回転数上昇(アイドルアップ)させるようにした。
アイドルアップするエンジン回転数(NE_U)は、例えばアーム111やバケット112等のフロント作業機を動作する掘削、積み込み等の作業に対応して設定された回転数を上限としても良いし、例えば駐機状態を解除して発進しようとした際に、車体の発進動作に悪影響を及ぼす回転数に比べて低い回転数としても良い。ここでの悪影響とは、操作レバーを前進に入れた際にクリープ現象による車両の飛び出しが大きくなったり、通常であればクリープ現象で進まないはずの車両が前進してしまうこと等が挙げられる。本実施形態の場合、アイドルアップするエンジン回転数は100rpm〜300rpm程度とし、これは、オーバーヒート状態を解消するために予め冷却ファン13のファン回転数に対応付けられた最小限のエンジン回転数であって、予めコントローラ19内のメモリに記憶し設定されている。そして、このようにエンジン回転数がアイドルアップされると、冷却ファン13のファン回転数をアイドルアップ前の値r1よりも高い値r2(例えば1000rpm)まで上昇させることができる。
コントローラ19は、オーバーヒート時のローアイドル待機中に、駐車ブレーキ検出センサ20や冷却水温度センサ23などから検出される各情報に基づいて、以下に説明するようにローアイドル時のエンジン回転数を制御する。図3(b)は冷却水温とエンジン回転数との関係を示す説明図、図3(c)は作動油温とエンジン回転数との関係を示す説明図、図3(d)はトルコン油温とエンジン回転数との関係を示す説明図である。図3(b)に示すように、冷却水温T(℃)が作動温度Ta1まで上昇すると、エンジン回転数N(rpm)をNE_LからNE_Uへ上昇させ、冷却水温T(℃)が解除温度Ta2まで下降すると、エンジン回転数NをNE_UからNE_Lへ下げる(Ta2≦Ta1)。また、図3(c)に示すように、作動油温T(℃)が作動温度Tb1まで上昇すると、エンジン回転数N(rpm)をNE_LからNE_Uへ上昇させ、作動油温T(℃)が解除温度Tb2まで下降すると、エンジン回転数NをNE_UからNE_Lへ下げる(Tb2≦Tb1)。また、図3(d)に示すように、トルコン油温T(℃)が作動温度Tc1まで上昇すると、エンジン回転数N(rpm)をNE_LからNE_Uへ上昇させ、トルコン油温T(℃)が解除温度Tc2まで下降すると、エンジン回転数NをNE_UからNE_Lへ下げる(Tc2≦Tc1)。
図4は、ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容の第1実施例を示すフローチャートである。ホイールローダ100の不図示のイグニッションスイッチがオン操作されると、図4に示す処理を行うプログラムが起動されて、コントローラ19で繰り返し実行される。
図4に示すように、まず、コントローラ19は、冷却水温度センサ23から検出される冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24から検出される作動油温度の情報と、作動流体温度センサ25から検出されるトルコン油温度の情報とに基づいて、車両がオーバーヒートしているか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、冷却水温が所定の作動温度Ta1以上(冷却油温≧Ta1℃)である場合、あるいは作動油温が所定の作動温度Tb1以上(作動油温≧Tb1℃)である場合、あるいはトルコン油温が所定の作動温度Tc1以上(トルコン油温≧Tc1℃)である場合に、オーバーヒート状態であると判定する。このとき監視する油水温は、基本的にこの3つとするが、例えば、HST車両やホイールローダ以外のトルコンを備えていない作業車両の場合は、冷却水温度と作動油温度の油水温を監視すれば良い。
ステップS1において、オーバーヒートであると肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、駐車ブレーキ検出センサ20から検出される駐車ブレーキの作動情報と、FNR検出センサ21から検出されるニュートラル情報とに基づいて、車両が駐機状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。具体的には、操作レバーがニュートラルにあって、駐車ブレーキ圧が所定圧Pa以上(駐車ブレーキ圧≧Pa)である場合に、駐機状態にあると判定する。その際、ニュートラル情報と駐車ブレーキの作動情報の代わりに、不図示の車速センサからの車速情報に基づいて車速が一定速度以下(例えば車速≦1km/hや車速=0km/h)のときや、アクセルペダル操作量検出センサ26から検出される情報に基づいてアクセルペダル踏み込みがないときに、駐機状態であると判断しても良い。
ステップS2において、駐機状態であると肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、エンジン回転数がローアイドル回転数であるか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、エンジン回転数が所定回転数Naよりも低い(エンジン回転数<Na)場合に、ローアイドル回転数であると判定する。そして、ステップS3において、ローアイドル回転数であると肯定判定(Yes)されるとステップS4へ進み、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて所定の回転数(例えば100rpm)だけ上昇(アイドルアップ)させる。これにより、コントローラ19は、冷却ファン13がアイドルアップ前よりも高速回転(例えば1000rpm)するように、可変リリーフ弁9の設定圧を変更してファンモータ11の回転速度を制御する。
しかる後、コントローラ19は、冷却水温度センサ23から検出される冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24から検出される作動油温度の情報と、作動流体温度センサ25から検出されるトルコン油温度の情報とに基づいて、オーバーヒートが解消されたか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、冷却水温が所定の解除温度Ta2よりも低くなり(冷却水温<Ta2℃)、かつ作動油温が所定の解除温度Tb2よりも低くなり(作動油温<Tb2℃)、かつトルコン油温が所定の解除温度Tc2よりも低くなった(トルコン油温<Tc2℃)場合に、オーバーヒートが解消されたと判定する。なお、ステップS5において、オーバーヒートが解消されているか否かの判定に代えて、コントローラ19は、駐機状態が解除されているか否かを判定し、駐機状態が解除されていると判定した場合にステップS6に進むようにしても良い。
ステップS5において、オーバーヒートが解消されたと肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて所定の回転数(例えば100rpm)だけ下降させ、アイドルアップされたローアイドル回転数を元の回転数に戻す(ステップS6)。
なお、ステップS1においてオーバーヒートでないと否定判定(No)された場合や、ステップS2において駐機状態でないと否定判定(No)された場合や、ステップS3においてローアイドル回転でないと否定判定(No)された場合は、ローアイドル回転数を変更することなく1回の制御を終了した後、これを繰り返し実行する。
以上説明したように、本実施形態に係るホイールローダ100は、制御装置であるコントローラ19が、冷却水温度センサ23と作動油温度センサ24および作動流体温度センサ25の少なくとも1つの検出温度に基づいてオーバーヒート状態であるか否かを判定し、かつ、エンジン1の回転数がローアイドルであるか否かを判定すると共に、駐車ブレーキ検出センサ20とFNR検出センサ21に基づいて駐機状態であるか否かを判定し、オーバーヒート状態でローアイドル待機中であると判定されたときに、エンジン1のローアイドル回転数をアップして冷却ファン13の冷却効率を上げるようにしたので、駐機する頻度は多いが、1回の駐機時間が短い現場においても、オーバーヒート状態を解消することができる。
なお、図4に示す第1実施例では、ステップS2で駐機状態であることが判定された後、ステップS3でエンジン回転数がローアイドル回転数であるか否かを判定しているため、例えば、駐機中にフロント作業機(アーム111やバケット112等)を動作させてエンジン1がハイアイドル状態になっている場合、ローアイドル回転数の変更処理は不要となる。ただし、エンジン回転数がローアイドル回転数であるか否かを判定する処理(ステップS3)を省略し、ステップS2で駐機状態であることが判定されたら、ローアイドル回転の判定を行わずにローアイドル回転数をアップする処理(ステップS4)を実行するようにしても良い。
図5は、ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容の第2実施例を示すフローチャートである。この第2実施例が図4に示す第1実施例と相違する点は、ローアイドル回転数のアイドルアップを駐機判定後すぐに行わず、一定時間後に行うようにしたことにあり、それ以外は基本的に同じである。
すなわち、図5に示すように、まず、コントローラ19は、冷却水温度センサ23から検出される冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24から検出される作動油温度の情報と、作動流体温度センサ25から検出されるトルコン油温度の情報とに基づいて、車両がオーバーヒートしているか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、冷却水温が所定の作動温度Ta1以上(冷却油温≧Ta1℃)である場合、あるいは作動油温が所定の作動温度Tb1以上(作動油温≧Tb1℃)である場合、あるいはトルコン油温が所定の作動温度Tc1以上(トルコン油温≧Tc1℃)である場合に、オーバーヒート状態であると判定する。
ステップS11において、オーバーヒートであると肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、駐車ブレーキ検出センサ20から検出される駐車ブレーキの作動情報と、FNR検出センサ21から検出されるニュートラル情報とに基づいて、車両が駐機状態にあるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、操作レバーがニュートラルにあって、駐車ブレーキ圧が所定圧Pa以上(駐車ブレーキ圧≧Pa)である場合に、駐機状態にあると判定する。
ステップS12において、駐機状態であると肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、エンジン回転数がローアイドル回転数であるか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、エンジン回転数が所定回転数Naよりも低い(エンジン回転数<Na)場合に、ローアイドル回転数であると判定する。
ステップS13において、ローアイドル回転数であると肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、タイマが一定時間TA(例えば30秒)経過したか否か(タイマ>TA)を判定する(ステップS14)。そして、タイマが一定時間経過するとステップS15へ進み、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて所定の回転数(例えば100rpm)だけ上昇(アイドルアップ)させる。
しかる後、コントローラ19は、冷却水温度センサ23から検出される冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24から検出される作動油温度の情報と、作動流体温度センサ25から検出されるトルコン油温度の情報とに基づいて、オーバーヒートが解消されたか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、冷却水温が所定の解除温度Ta2よりも低くなり(冷却水温T<Ta2℃)、かつ作動油温が所定の解除温度Tb2よりも低くなり(作動油温<Tb2℃)、かつトルコン油温が所定の解除温度Tc2よりも低くなった(トルコン油温<Tc2℃)場合に、オーバーヒートが解消されたと判定する。なお、ステップS16において、オーバーヒートが解消されているか否かの判定に代えて、コントローラ19は、駐機状態が解除されているか否かを判定し、駐機状態が解除されていると判定した場合にステップS17に進むようにしても良い。
ステップS16において、オーバーヒートが解消されたと肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて所定の回転数(例えば100rpm)だけ下降させ、アイドルアップされたローアイドル回転数を元の回転数に戻した後(ステップS17)、タイマをリセットする。
このように、ローアイドル回転数のアイドルアップを駐機判定後すぐに行わず、一定時間後(例えば30秒後)に行うようにすると、例えば、アクセルとブレーキを同時操作することによってトルコン油温が急上昇した場合のように、駐機状態でフロント作業機を動作することに伴うオーバーヒートなどが制御対象から排除されるため、より効率的にオーバーヒート状態を解消することができる。
図6は、ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容の第3実施例を示すフローチャートである。この第3実施例が図4に示す第1実施例と相違する点は、ローアイドル回転数を段階的に上げるようにしたことにあり、それ以外は基本的に同じである。
すなわち、図6に示すように、まず、コントローラ19は、冷却水温度センサ23から検出される冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24から検出される作動油温度の情報と、作動流体温度センサ25から検出されるトルコン油温度の情報とに基づいて、車両がオーバーヒートしているか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、冷却水温が所定の作動温度Ta1以上(冷却油温≧Ta1℃)である場合、あるいは作動油温が所定の作動温度Tb1以上(作動油温≧Tb1℃)である場合、あるいはトルコン油温が所定の作動温度Tc1以上(トルコン油温≧Tc1℃)である場合に、オーバーヒート状態であると判定する。
ステップS21においてオーバーヒートであると判定されるとステップS22へ進み、コントローラ19は、駐車ブレーキ検出センサ20から検出される駐車ブレーキの作動情報と、FNR検出センサ21から検出されるニュートラル情報とに基づいて、車両が駐機状態にあるか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、操作レバーがニュートラルにあって、駐車ブレーキ圧が所定圧Pa以上(駐車ブレーキ圧≧Pa)である場合に、駐機状態にあると判定する。
ステップS22において駐機状態にあると判定されるとステップS23へ進み、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて所定の回転数(例えば100rpm)だけ上昇させた後、ステップS24でタイマカウントを起動させてから、オーバーヒートが解消されたか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、冷却水温が所定の解除温度Ta2よりも低くなり(冷却水温<Ta2℃)、かつ作動油温が所定の解除温度Tb2よりも低くなり(作動油温<Tb2℃)、かつトルコン油温が所定の解除温度Tc2よりも低くなった(トルコン油温<Tc2℃)場合に、オーバーヒートが解消されたと判定する。なお、上述したように、駐機状態が解除されているか否かによりオーバーヒートの解消を判定しても良い。
ステップS25において、オーバーヒートが解消されたと肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけてアイドルアップ(例えば100rpm)した分だけ下降させ、アイドルアップされたローアイドル回転数を元の回転数に戻し(ステップS26)、その後にタイマをリセットする(ステップS27)。
一方、ステップS25において、オーバーヒートが解消されていないと否定判定(No)されるとステップS28へ進み、タイマが一定時間TA(例えば30秒)経過したか否か(タイマ>TA)を判定する。そして、タイマが一定時間経過するとステップS29へ進み、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて、ステップS23でアップした回転数からさらに上昇(例えば100rpm、計200rpm)させる。
しかる後、コントローラ19は、再びオーバーヒートが解消されたか否かを判定する(ステップS30)。すなわち、冷却水温が所定の解除温度Ta2よりも低くなり(冷却水温<Ta2℃)、かつ作動油温が所定の解除温度Tb2よりも低くなり(作動油温<Tb2℃)、かつトルコン油温が所定の解除温度Tc2よりも低くなった(トルコン油温<Tc2℃)場合に、オーバーヒートが解消されたと判定する。なお、上述したように、駐機状態が解除されているか否かによりオーバーヒートの解消を判定しても良い。
ステップS30において、オーバーヒートが解消されたと肯定判定(Yes)されるとステップS26へ進む。そして、ステップS26において、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけてアイドルアップ(この場合は200rpm)した分だけ下降させ、アイドルアップされたローアイドル回転数を元の回転数に戻した後、タイマをリセットする(ステップS27)。
このように、オーバーヒート判定後にローアイドル回転数を段階的にアイドルアップするようにすると、ローアイドル回転数を所定量(例えば100rpm)だけ上昇させてもオーバーヒートが解消されない場合に、所定時間後(例えば30秒)にローアイドル回転数をさらに上昇(例えば計200rpm)させることにより、冷却ファン13の冷却効率をより一層高めて効率的にオーバーヒート状態を解消することができる。
次に、本発明を作業車両の他の例である油圧ショベルに適用した実施形態について説明する。図7は、油圧ショベルに備えられるエンジンや冷却ファン制御装置を含む油圧回路の構成図であり、図2に対応する部分には同一符号を付すことで重複説明を省略する。
図7に示す油圧ショベルの油圧回路構成が図2に示すホイールローダの油圧回路構成と相違する点は、コントローラ19が、操作検出センサ27と走行検出センサ28およびロックスイッチ29から検出される情報に基づいて駐機判定を行うことと、ラジエータ14の冷却水温度とオイルクーラ16の作動油温度を監視してオーバーヒート判定を行うことにあり、それ以外は基本的に同様である。
操作検出センサ27は、フロント作業機を操作する操作レバーの中立位置を検出する圧力センサである。走行検出センサ28は、走行体を操作する走行レバーの中立位置を検出する圧力センサである。ロックスイッチ29は、油圧回路の圧力を遮断するために使用されるゲートロックレバーにより作動されるスイッチである。コントローラ19は、オーバーヒート時のローアイドル待機中に、操作検出センサ27や冷却水温度センサ23などから検出される各情報に基づいて、以下に説明するようにローアイドル時のエンジン回転数を制御する。
図8は、ローアイドル回転数の設定変更についての処理内容の一例を示すフローチャートである。油圧ショベルの不図示のイグニッションスイッチがオン操作されると、図8に示す処理を行うプログラムが起動されて、コントローラ19で繰り返し実行される。
図8に示すように、まず、コントローラ19は、冷却水温度センサ23から検出される冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24から検出される作動油温度の情報とに基づいて、車両がオーバーヒートしているか否かを判定する(ステップS31)。具体的には、冷却水温が所定の作動温度Ta1以上(冷却油温≧Ta1℃)である場合、あるいは作動油温が所定の作動温度Tb1以上(作動油温≧Tb1℃)である場合に、オーバーヒート状態であると判定する。
ステップS31において、オーバーヒートであると肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、操作検出センサ27および走行検出センサ28から入力される検出信号と、ロックスイッチ29から入力される検出信号のいずれか一方または両方に基づいて、車両が駐機状態にあるか否かを判定する(ステップS32)。具体的には、操作検出センサ27と走行検出センサ28から中立位置信号が入力され、操作レバーと走行レバーの両方が非操作状態を一定時間(例えば3秒)継続している場合、あるいは、ロックスイッチ29が作動されて油圧回路の圧力を遮断する信号が入力された場合、コントローラ19は駐機状態にあると判定する。
ステップS32において、駐機状態であると肯定判定(Yes)されるとステップS33へ進み、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて所定の回転数(例えば100rpm)だけ上昇(アイドルアップ)させる。これにより、コントローラ19は、冷却ファン13がアイドルアップ前よりも高速で回転するように、可変リリーフ弁9の設定圧を変更してファンモータ11の回転速度を制御する。
しかる後、コントローラ19は、冷却水温度センサ23から検出される冷却水温度の情報と、作動油温度センサ24から検出される作動油温度の情報とに基づいて、オーバーヒートが解消されたか否かを判定する(ステップS34)。具体的には、冷却水温が所定の解除温度Ta2よりも低くなり(冷却水温<Ta2℃)、かつ作動油温が所定の解除温度Tb2よりも低くなった(作動油温<Tb2℃)場合に、オーバーヒートが解消されたと判定する。なお、上述したように、駐機状態が解除されているか否かによりオーバーヒートの解消を判定しても良い。
ステップS34において、オーバーヒートが解消されたと肯定判定(Yes)されると、コントローラ19は、エンジン1のローアイドル回転数を一定時間(例えば1秒)かけて所定の回転数(例えば100rpm)だけ下降させ、アイドルアップされたローアイドル回転数を元の回転数に戻す(ステップS35)。
また、ステップS31においてオーバーヒートでないと否定判定(No)された場合や、ステップS32において駐機状態でないと否定判定(No)された場合は、ローアイドル回転数を変更することなく1回の制御を終了した後、これを繰り返し実行する。
なお、図8に示す実施例では、ステップS32で駐機状態であることが判定されたら、ローアイドル回転の判定を行わずにローアイドル回転数をアップする処理(ステップS33)を実行するようにしているが、ローアイドル回転の判定を行った後に、ローアイドル回転数をアイドルアップするようにしても良い。また、ローアイドル回転数のアイドルアップを駐機判定後すぐに行わず、一定時間後に行うようにしたり(図5参照)、ローアイドル回転数を段階的に上げる(図6参照)ようにしても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る油圧ショベルによれば、オーバーヒート時のローアイドル待機中に、エンジン1のローアイドル回転数をアップして冷却ファン13の冷却効率を上げるようにしたので、駐機する頻度は多いが、1回の駐機時間が短い現場においても、オーバーヒート状態を解消することができる。
なお、上記した各実施形態では、エンジン1によって駆動される油圧ポンプ8からの吐出油によってファンモータ11が回転する構成となっているが、冷却ファン13がエンジン1に直結された構成であっても良い。また、油圧ポンプ8とファンモータ11は共に固定容量型であるが、油圧ポンプ8とファンモータ11のいずれか一方、または両方を固定容量型、可変容量モータに置換することも可能である。
また、上記した各実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
1 エンジン
2 トルクコンバータ(トルコン)
3 トランスミッション
7 メイン油圧ポンプ
8 油圧ポンプ(ファン用油圧ポンプ)
9 可変リリーフ弁
10 チェック弁
11 ファンモータ(ファン装置)
13 冷却ファン(ファン装置)
14 ラジエータ
15 作動流体クーラ(作動油クーラ)
16 オイルクーラ(作動油クーラ)
17 コントロール弁
18 作業用油圧シリンダ
19 コントローラ(制御装置)
20 駐車ブレーキ検出センサ
21 FNR検出センサ
22 サーモスタット
23 冷却水温度センサ
24 作動油温度センサ
25 作動流体温度センサ
26 アクセルペダル操作量検出センサ
27 操作検出センサ
28 走行検出センサ
29 ロックスイッチ
31 作動油タンク
100 ホイールローダ(作業車両)
111 アーム
112 バケット
115 バケットシリンダ

Claims (5)

  1. エンジンと、前記エンジンにより駆動され、作業機を動作させる油圧シリンダへ作動油を吐出するメイン油圧ポンプと、前記エンジンにより駆動され、前記メイン油圧ポンプとは別に設けられた固定容量型のファン用油圧ポンプと、前記エンジンの回転数をローアイドルからハイアイドルまで変化させるアクセルペダルと、前記エンジンの冷媒を冷却するラジエータと、作動油を冷却する作動油クーラと、前記冷媒の温度を検出する冷媒温度センサと、前記作動油の温度を検出する作動油温度センサと、前記ラジエータと前記作動油クーラに外気を送風するファン装置と、を備えた作業車両において、
    前記エンジンのローアイドル回転数を調節可能な制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記冷媒温度センサと前記作動油温度センサとの少なくとも一方の検出温度に基づいて、オーバーヒート状態に対応した冷媒温度もしくは作動油温度であり、かつローアイドル回転数であると判定した場合に、前記エンジンのローアイドル回転数を予め設定された所定の回転数上昇させることを特徴とする作業車両。
  2. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置は、前記作業車両が駐機状態であるか否かを判定する判定結果に基づいて、前記エンジンの回転数がローアイドルであるか否かを判定することを特徴とする作業車両。
  3. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記所定の回転数上昇させる前記エンジンの回転数は、オーバーヒート状態を解消するために予め前記ファン装置のファン回転数に対応付けられた最小限のエンジン回転数であることを特徴とする作業車両。
  4. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置は、オーバーヒート状態かつローアイドルであると判定された場合に、所定時間が経過した後に、前記エンジンのローアイドル回転数を所定の回転数上昇させることを特徴とする作業車両。
  5. 請求項1に記載の作業車両において、
    前記制御装置は、前記エンジンのローアイドル回転数を所定の回転数上昇させてオーバーヒート状態が解除された場合に、前記エンジンの回転数を前記所定の回転数上昇させる前に設定されていた回転数に戻すことを特徴とする作業車両。
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