JP2019172926A - 熱硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスバリア性及び耐熱性が高い硬化物が得られる熱硬化性組成物の提供。【解決手段】下記一般式で表される化合物を含有する熱硬化性組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、特定の構造を有する多官能エポキシ化合物を必須成分とする熱硬化性組成物、及び該熱硬化性組成物の硬化物に関する。
従来、エポキシ樹脂は、硬化剤と組み合わせた樹脂硬化物の優れた電気特性、耐熱性、接着性等により、電子材料、光学材料の分野において活発な開発がされてきた。例えば、半導体封止材、液晶ディスプレイなどの反射防止膜、カラーフィルタの保護膜、光導波路、カメラなどの光学機器に使用されるレンズ、ミラー及びプリズムなどが挙げられる。
特許文献1〜4には、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含有する熱硬化性組成物が開示されている。
本発明の課題は、得られる硬化物が、優れたガスバリア性、ハンドリング性、低析出性及び耐熱性を有するものとなる熱硬化性組成物を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する多官能エポキシ化合物を必須成分とする熱硬化性組成物が、その硬化物のガスバリア性及び耐熱性が高いことを知見し、本発明に到達した。
本発明は、下記一般式(I)で表される化合物を含有する熱硬化性組成物を提供するものである。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環含有基、又は下記一般式(II)で表される置換基を表し、
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、
R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは下記一般式(II)で表される置換基であり、
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8及びR8とR9は、互いに結合して環を形成する場合があり、前記環が形成されている場合、形成された環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(II)で表される置換基で置換されている場合がある。)
(式中、X3は、酸素原子又は硫黄原子であり、*は結合部分を表す。)
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、
R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは下記一般式(II)で表される置換基であり、
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8及びR8とR9は、互いに結合して環を形成する場合があり、前記環が形成されている場合、形成された環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(II)で表される置換基で置換されている場合がある。)
本発明の熱硬化性組成物によれば、ガスバリア性及び耐熱性が高い硬化物が得られる。また、本発明の熱硬化性組成物の硬化物は、光学素子、(透明)絶縁膜、光学素子用接着剤或いは光学素子用封止剤として好適なものである。
以下、本発明の熱硬化性組成物について、好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の熱硬化性組成物は、上記一般式(I)で表される化合物を必須成分とする。
上記一般式(I)中、R1〜R9で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
上記一般式(I)中、R1〜R9で表される炭素原子数1〜10のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、アミル、iso−アミル、tert−アミル、ヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、テトラフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘキサフルオロプロピル、ペンタフルオロプロピル、テトラフルオロプロピル、トリフルオロプロピル、パーフルオロブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシル等が挙げられる。
上記一般式(I)中、R1〜R9で表される炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、iso−プロピルオキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、iso−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ及び2−エチルヘキシルオキシ等が挙げられる。
上記一般式(I)中、R1〜R9で表される炭素原子数6〜20のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−t−ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ−t−ブチルフェニル、2,5−ジ−t−ブチルフェニル、2,6−ジ−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェニル、2,5−ジ−t−アミルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−トリクロロフェニル、4−トリフルオロフェニル及びパーフルオロフェニル等が挙げられる。
上記一般式(I)中、R1〜R9で表される炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、4−ビニルフェニルオキシ、3−イソプロピルフェニルオキシ、4−イソプロピルフェニルオキシ、4−ブチルフェニルオキシ、4−イソブチルフェニルオキシ、4−t−ブチルフェニルオキシ、4−ヘキシルフェニルオキシ、4−シクロヘキシルフェニルオキシ、4−オクチルフェニルオキシ、4−(2−エチルヘキシル)フェニルオキシ、2,3−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルオキシ、2,5−ジメチルフェニルオキシ、2,6−ジメチルフェニルオキシ、3,4−ジメチルフェニルオキシ、3,5−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジ−t−ブチルフェニルオキシ、2,5−ジ−t−ブチルフェニルオキシ、2,6−ジ−t−ブチルフェニルオキシ、2,4−ジ−t−ペンチルフェニルオキシ、2,5−ジ−t−アミルフェニルオキシ、シクロヘキシルフェニルオキシ、2,4,5−トリメチルフェニルオキシ、4−クロロフェニルオキシ、3,4−ジクロロフェニルオキシ、4−トリクロロフェニルオキシ、4−トリフルオロフェニルオキシ及びパーフルオロフェニルオキシ等が挙げられる。
上記一般式(I)中、R1〜R9で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロピル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル及び4−クロロフェニルメチル等が挙げられる。
上記一般式(I)中、R1〜R9で表される炭素原子数2〜20の複素環含有基としては、ピロリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペラジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリジル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ユロリジル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル及び2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等が挙げられる。
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8及びR8とR9とが互いに結合して形成する場合がある環としては、例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、ラクタム環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イミダゾール環、オキサゾール環、イミダゾリジン環及びピラゾリジン環等の複素環;シクロペンタン環及びシクロヘキサン環等の環状アルカン;並びに、ベンゼン環、ナフタレン環及びフェナントレン環等の芳香環等が挙げられる。これらの環は他の環と縮合している場合があり、該環の水素原子が置換されている場合がある。
本発明においては、上記一般式(I)で表される化合物中のR1とR2、R2とR3及び/又はR3とR4とが互いに結合して形成されており、且つ形成された環の水素原子が上記一般式(II)で表される置換基で置換されている場合、「R1〜R4での少なくとも一つが一般式(II)で表される置換基である」という態様に含まれるものとする。
上記一般式(I)で表される化合物としては、上記一般式中、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つが上記一般式(II)で表される置換基であるか、又はR5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも1つが上記一般式(II)で表される置換基であるものを用いることが好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物は、例えば下記のスキームにより製造することができる。
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、一般式(I)で表される化合物中の基と同一である。
工程(1)
工程(1)について説明する。工程(1)は、水酸基の誘導体化である。工程(1)は、一般式(III−A)で表される化合物を、塩基の存在下又は非存在下で、誘導体化剤(例えば、スルホニル化剤、アルキル化剤又はアシル化剤)と反応させて、水酸基の誘導体化された一般式(III−B)で表される化合物を製造する工程である。
工程(1)で使用される塩基、並びにスルホニル化剤、アルキル化剤及びアシル化剤等の誘導体化剤としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。誘導体化剤及び塩基の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(1)の反応温度及び反応時間等の反応条件は、特に制限なく、公知の条件を採用することができる。
工程(1)について説明する。工程(1)は、水酸基の誘導体化である。工程(1)は、一般式(III−A)で表される化合物を、塩基の存在下又は非存在下で、誘導体化剤(例えば、スルホニル化剤、アルキル化剤又はアシル化剤)と反応させて、水酸基の誘導体化された一般式(III−B)で表される化合物を製造する工程である。
工程(1)で使用される塩基、並びにスルホニル化剤、アルキル化剤及びアシル化剤等の誘導体化剤としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。誘導体化剤及び塩基の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(1)の反応温度及び反応時間等の反応条件は、特に制限なく、公知の条件を採用することができる。
工程(2)
工程(2)について説明する。工程(2)は、フェノールとの反応によるビスフェノール部分の合成である。工程(2)は、一般式(III−B)で表される化合物を、酸性触媒の存在下で、フェノールと反応させて、一般式(II−B)の化合物を製造する工程である。
工程(2)で使用される酸性触媒としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。フェノール及び酸性触媒の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(1)の反応温度及び反応時間等の反応条件は、特に制限なく、公知の条件を採用することができる。
工程(2)について説明する。工程(2)は、フェノールとの反応によるビスフェノール部分の合成である。工程(2)は、一般式(III−B)で表される化合物を、酸性触媒の存在下で、フェノールと反応させて、一般式(II−B)の化合物を製造する工程である。
工程(2)で使用される酸性触媒としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。フェノール及び酸性触媒の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(1)の反応温度及び反応時間等の反応条件は、特に制限なく、公知の条件を採用することができる。
工程(3)
工程(3)について説明する。工程(3)では、誘導化されている水酸基を遊離の水酸基に変換する。工程(3)は、塩基又は酸の存在下で、一般式(II−B)の化合物を反応させて、水酸基が遊離の水酸基に変換された一般式(II−A)の化合物を製造する工程である。工程(3)の反応では、その目的が達せられる限りは、塩基及び酸のどちらを用いても構わない。
工程(3)で使用される塩基及び酸としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。塩基及び酸の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(1)の反応温度及び反応時間等の反応条件は、特に制限なく、公知の条件を採用することができる。
工程(3)について説明する。工程(3)では、誘導化されている水酸基を遊離の水酸基に変換する。工程(3)は、塩基又は酸の存在下で、一般式(II−B)の化合物を反応させて、水酸基が遊離の水酸基に変換された一般式(II−A)の化合物を製造する工程である。工程(3)の反応では、その目的が達せられる限りは、塩基及び酸のどちらを用いても構わない。
工程(3)で使用される塩基及び酸としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。塩基及び酸の使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。工程(1)の反応温度及び反応時間等の反応条件は、特に制限なく、公知の条件を採用することができる。
工程(4)
工程(4)について説明する。工程(4)は、エピクロロヒドリンとの反応によるエポキシ基の導入である。工程(4)は、エポキシ基を導入した後に、硫化剤との反応によるエピスルフィド化を含む場合がある。工程(4)は、一般式(II−A)で表される化合物を、エピクロロヒドリンと反応させて、場合により続いて硫化剤と反応させて、一般式(I)の化合物を製造する工程である。
エピクロロヒドリンとの反応は、公知の方法を用いることができる。工程(4)におけるエピクロロヒドリンの使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。反応温度及び反応時間等の、エピクロロヒドリンとの反応条件は特に制限はなく、公知の条件を採用することができる。
場合により、エピクロロヒドリンとの反応に続いて、エポキシ基を硫化剤と反応させることにより、1以上のエポキシ基をエピスルフィド基に変換してもよい。エピスルフィド化は、公知の方法を用いることができる。エピスルフィド化における条件は、目的と状況に応じて、適宜選択及び調整することができる。硫化剤の例は、チオ尿素及びチオシアン酸(例えば、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等)等、好ましくはチオ尿素を含む。
工程(4)について説明する。工程(4)は、エピクロロヒドリンとの反応によるエポキシ基の導入である。工程(4)は、エポキシ基を導入した後に、硫化剤との反応によるエピスルフィド化を含む場合がある。工程(4)は、一般式(II−A)で表される化合物を、エピクロロヒドリンと反応させて、場合により続いて硫化剤と反応させて、一般式(I)の化合物を製造する工程である。
エピクロロヒドリンとの反応は、公知の方法を用いることができる。工程(4)におけるエピクロロヒドリンの使用量は、反応が進行する限りは、特に制限されない。反応温度及び反応時間等の、エピクロロヒドリンとの反応条件は特に制限はなく、公知の条件を採用することができる。
場合により、エピクロロヒドリンとの反応に続いて、エポキシ基を硫化剤と反応させることにより、1以上のエポキシ基をエピスルフィド基に変換してもよい。エピスルフィド化は、公知の方法を用いることができる。エピスルフィド化における条件は、目的と状況に応じて、適宜選択及び調整することができる。硫化剤の例は、チオ尿素及びチオシアン酸(例えば、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等)等、好ましくはチオ尿素を含む。
本発明の熱硬化性組成物は、上記一般式(I)で表される化合物に加え、硬化性成分として、上記一般式(I)で表される化合物以外のエポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン構造を有する樹脂、マレイミド化合物、活性エステル樹脂、ビニルベンジル化合物、アクリル化合物、及びスチレンとマレイン酸無水物との共重合物等の他の熱硬化性樹脂を含有する場合がある。他の熱硬化性樹脂を含有する場合、熱硬化性組成物におけるその含有量は、本発明の効果を阻害しなければ特に制限をうけないが、熱硬化性組成物100質量部中1〜50質量部の範囲であることが好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物以外のエポキシ樹脂としては、例えば、上記一般式(I)で表される化合物以外の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノール又は、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂等が挙げられる。これらの芳香族エポキシ樹脂をそれぞれ単独で用いることがけ、2種類以上を併用することができる。
上記芳香族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としてはエピコート801、エピコート828、エピコートYX−4000、YDE−305、871、872(ジャパンエポキシレジン社製)、KRM−2720、EP−4100、EP−4000、EP−4080、EP−4088、EP−4900(ADEKA社製)、エポライト3002(共栄社化学社製)、サントートST0000、YD−716、YH−300、PG−202、PG−207、YD−172、YDPN638(新日鐵化学社製)、EPPN−201、EOCN−1020、EPPN−501H(日本化薬社製)などを挙げることができる。
上記脂環族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又はシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−2エポキシエチルシクロヘキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、等が挙げられる。
上記脂環族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としてはUVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド2000、セロキサイド3000、サイクロマーA200、サイクロマーM100、サイクロマーM101、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリード401、エポリード403、ETHB、エポリードHD300(以上、ダイセル社製)、KRM−2110、KRM−2199(以上、ADEKA社製)などを挙げることができる。
上記脂環族エポキシ樹脂の中でも、シクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ樹脂は硬化性(硬化速度)の点で好ましい。
上記脂環族エポキシ樹脂の中でも、シクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ樹脂は硬化性(硬化速度)の点で好ましい。
上記脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。更に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としてはED−505、ED−506(ADEKA社製)、エポライトM−1230、エポライトEHDG−L、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000、エポライトFR−1500(共栄社化学社製)、サントートST0000、YD−716、YH−300、PG−202、PG−207、YD−172、YDPN638(新日鐵化学社製)デナコールEX321、デナコールEX313、デナコール314、デナコールEX−411、EM−150(ナガセケムテックス社製)、EPPN−201、EOCN−1020、EPPN−501H(日本化薬社製)、EHPE−3150、EHPE−3150CE(ダイセル社製)などを挙げることができる。
上記シアネートエステル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールS型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールスルフィド型シアネートエステル樹脂、フェニレンエーテル型シアネートエステル樹脂、ナフチレンエーテル型シアネートエステル樹脂、ビフェニル型シアネートエステル樹脂、テトラメチルビフェニル型シアネートエステル樹脂、ポリヒドロキシナフタレン型シアネートエステル樹脂、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、クレゾールノボラック型シアネートエステル樹脂、トリフェニルメタン型シアネートエステル樹脂、テトラフェニルエタン型シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン− フェノール付加反応型シアネートエステル樹脂、フェノールアラルキル型シアネートエステル樹脂、ナフトールノボラック型シアネートエステル樹脂、ナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂、ナフトール− フェノール共縮ノボラック型シアネートエステル樹脂、ナフトール− クレゾール共ノボラック型シアネートエステル樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型シアネートエステル樹脂、ビフェニル変性ノボラック型シアネートエステル樹脂、アントラセン型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
これらのシアネートエステル樹脂の中でも、特に耐熱性に優れる硬化物が得られる点においては、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂、ポリヒドロキシナフタレン型シアネートエステル樹脂、ナフチレンエーテル型シアネートエステル樹脂、ノボラック型シアネートエステル樹脂を用いることが好ましく、誘電特性に優れる硬化物が得られる点においては、ジシクロペンタジエン− フェノール付加反応型シアネートエステル樹脂が好ましい。
ベンゾオキサジン構造を有する樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ビスフェノールF とホルマリンとアニリンの反応生成物(F−a型ベンゾオキサジン樹脂)やジアミノジフェニルメタンとホルマリンとフェノールの反応生成物(P−d型ベンゾオキサジン樹脂)、ビスフェノールAとホルマリンとアニリンの反応生成物、ジヒドロキシジフェニルエーテルとホルマリンとアニリンの反応生成物、ジアミノジフェニルエーテルとホルマリンとフェノールの反応生成物、ジシクロペンタジエン− フェノール付加型樹脂とホルマリンとアニリンの反応生成物、フェノールフタレインとホルマリンとアニリンの反応生成物、ジフェニルスルフィドとホルマリンとアニリンの反応生成物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
上記硬化性成分において、上記一般式(I)で表される化合物の割合は、特に限定されるものではないが、硬化性成分100質量中に5〜90質量部であることで、得られる硬化物の耐熱性及びガスバリア性が高まることから好ましく、更に好ましくは、10〜60質量部である。
硬化性成分が熱硬化性組成物に占める割合は、80〜99質量%であることが、熱硬化性組成物の硬化性が高くなるので好ましい。
硬化性成分が熱硬化性組成物に占める割合は、80〜99質量%であることが、熱硬化性組成物の硬化性が高くなるので好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、硬化剤を含有する場合がある。硬化剤としては、従来公知のものを適宜用いることができるが、例えば、イミダゾール化合物、アミン化合物、アミド化合物、酸無水物化合物、フェノール化合物、チオール化合物、潜在性熱硬化剤及びオニウム塩等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、特開2015−017059に記載されている化合物等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン化合物;N−メチルアニリン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、ジフェニルアミン、ヒドロキシフェニルグリシン等のアリール脂肪族アミン化合物;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、N−メチルピペラジン、モルホリン、ピペリジン、イソホロンジアミン、4,4−メチレンビスシクロヘキサンアミン等の環状脂肪族アミン化合物等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、例えば、ジシアンジアミドが挙げられる。
上記酸無水物化合物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート) モノアセテート、ドデセニル無水コハク酸、脂肪族二塩基酸ポリ無水物、クロレンド酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、アルケニル基で置換されたコハク酸無水物、グルタル酸無水物等が挙げられる。
上記フェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン化合物;N−メチルアニリン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、ジフェニルアミン、ヒドロキシフェニルグリシン等のアリール脂肪族アミン化合物;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、N−メチルピペラジン、モルホリン、ピペリジン、イソホロンジアミン、4,4−メチレンビスシクロヘキサンアミン等の環状脂肪族アミン化合物等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、例えば、ジシアンジアミドが挙げられる。
上記酸無水物化合物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート) モノアセテート、ドデセニル無水コハク酸、脂肪族二塩基酸ポリ無水物、クロレンド酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、アルケニル基で置換されたコハク酸無水物、グルタル酸無水物等が挙げられる。
上記フェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
上記チオール化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、特に、下記一般式で表される化合物が、耐熱性の点から好ましい。
(式中、Qは、炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、nは、1〜6の整数を表し、X1は、nと同数の価数を有する炭素原子数1〜20の飽和炭化水素基を表す。)
上記潜在性熱硬化剤としては、例えば、ポリアミン化合物とエポキシ化合物とを反応させてなる分子内に活性水素を持つアミノ基を少なくとも1個有する変性アミン潜在性硬化剤及びフェノール系樹脂を含有する潜在性硬化剤、ジシアンジアミド、変性ポリアミン、ヒドラジド類、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、三フッ化ホウ素アミン錯塩、ウレア類及びメラミンが挙げられる。また、WO2012/020572及び特開2014−177525号公報に記載されているものが挙げられる。
上記オニウム塩としては、[A]m+[B]m-で表される陽イオンと陰イオンの塩が挙げられ、具体的にはスルホニウム塩、ヨードニウム塩が挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物において、上記硬化剤の含有量は、0.001〜50%であるのが、熱硬化性樹脂の反応性が高くなるので好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、硬化促進剤を含有する場合がある。硬化促進剤としてはイミダゾール、ジメチルアミノピリジンなどの3級アミン化合物;トリフェニルホスフィンなどの燐系化合物;3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体などの3フッ化ホウ素アミン錯体;チオジプロピオン酸等の有機酸化合物;チオジフェノールベンズオキサジン、スルホニルベンズオキサジン等のベンズオキサジン化合物;スルホニル化合物等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、それぞれ単独で用いることができ、2種類以上を併用して用いることができる。本発明の熱硬化性組成物における硬化促進剤の含有量は、熱硬化性組成物100質量部中0.001〜15質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、必要に応じて、前記各成分を溶解又は分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノールを含有する場合がある。
本発明の熱硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤等の酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、及びベンゾエート系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤等の帯電防止剤;ハロゲン系化合物、リン酸エステル系化合物、リン酸アミド系化合物、メラミン系化合物、フッ素樹脂又は金属酸化物、(ポリ)リン酸メラミン及び(ポリ)リン酸ピペラジン等の難燃剤;炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪族アルコール系滑剤、脂肪族エステル系滑剤、脂肪族アマイド系、及び金属石けん系滑剤等の滑剤;顔料及びカーボンブラック等の着色剤;フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト及びシリカ等の珪酸系無機添加剤;ガラス繊維及び炭酸カルシウム等の充填剤;キシレン樹脂及び石油樹脂等の粘着性の樹脂類;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、造核剤及び結晶促進剤等の結晶化剤、可撓性ポリマー等のゴム弾性付与剤、増感剤、他のモノマー、消泡剤、増粘剤、レべリング剤、可塑剤、防錆剤、重合禁止剤、静電防止剤、流動調整剤、カップリング剤、接着促進剤等の各種添加剤を含有する場合がある。これらの各種添加剤の含有量は、本発明の熱硬化性組成物中、合計で、50質量%以下とする。
本発明の熱硬化性組成物は、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて上記各成分を混合することによって製造することができる。混合条件等の製造条件に特に制限はなく、公知の条件を採用することができる。
本発明の熱硬化性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
本発明の熱硬化性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
上記支持基体の材料としては、特に制限されず通常用いられるものを使用することができ、例えば、ガラス等の無機材料;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリイミド;ポリウレタン;エポキシ樹脂;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル化合物;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)等の高分子材料が挙げられる。
上記支持基体に、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を行う場合がある。
上記支持基体に、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を行う場合がある。
本発明の熱硬化性組成物は、加熱によって硬化させることができる。本発明の熱硬化性組成物を加熱により硬化させる場合の条件は、70〜250℃で1〜100分である。プレベイク(PAB;Pre applied bake)した後、加圧して、ポストベイク(PEB;Post exposure bake)してもよいし、異なる数段階の温度でベイクすることができる。
加熱条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、例えば、70〜180℃で、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜5分間である。その後、塗膜を硬化させるために180〜250℃、好ましくは200〜250℃で、オーブンなら30〜90分間、ホットプレートなら5〜30分間加熱処理することによって硬化膜を得ることができる。
加熱条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、例えば、70〜180℃で、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜5分間である。その後、塗膜を硬化させるために180〜250℃、好ましくは200〜250℃で、オーブンなら30〜90分間、ホットプレートなら5〜30分間加熱処理することによって硬化膜を得ることができる。
また、本発明の熱硬化性組成物を硬化させる際には、加熱に加え、光照射を行う場合がある。光照射の条件には特に制限はなく、公知の条件を採用することができる。例えば、可視光や紫外光を照射できる。光源としては、例えば、高圧Hgランプを用いることができる。加熱と光照射とで本発明の熱硬化性組成物を硬化させる場合、本発明の熱硬化性組成物はカチオン重合開始剤を含有する場合がある。
本発明の熱硬化性組成物の硬化物の形状は特に限定されるものでなく、例えば、レンズ状、フィルム上、プリズム状、板状等が挙げられる。更に、他の材料上で硬化させることにより、その材料を被覆又は封止してもよい。
本発明の熱硬化性組成物の具体的な用途としては、光学フィルタ、塗料、コーティング剤、ライニング剤、接着剤、粘着剤、各種ラベル、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、加工紙、積層板、プリント基盤、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光学素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、繊維処理剤、セメント混和材、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、層間絶縁膜、保護膜、プリント基板、或いはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、プラズマ表示パネル用の電極材料、印刷インク、歯科用組成物、光造形用樹脂、液状及び乾燥膜の双方、微小機械部品、ガラス繊維ケーブルコーティング、ホログラフィ記録用材料の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
本発明の熱硬化性組成物を封止剤として用いる場合、上記の方法により混合、支持体に塗布し、加熱、或いは加熱及び光照射によって積層することができる。により硬化することにより積層体を形成する封止部の形状としては、積層体を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、該積層体を完全に被覆する形状であってもよいし、該積層体の周辺部に閉じたパターンを形成してもよいし、該積層体の周辺部に一部開口部を設けた形状のパターンを形成してもよい。
本発明の封止剤は、照明や自動車のヘッドライトなどの高輝度が求められる用途、高温高湿や大きな温湿度変化のある環境に曝される用途や屈曲などの変形が加わる用途、例えば、LED、フォトダイオードをはじめとする光半導体素子、プリント配線板上のチップなどに好適に用いられる。
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[実施例1〜13及び比較例1〜3]組成物No.1〜No.13及び比較組成物No.1〜No.3の調製
[表1]及び[表2]に示す配合で各成分を混合し、不溶物が無くなるまで撹拌し、組成物No.1〜No.13及び比較組成物No.1〜No.3を得た。尚、表中の配合割合は質量部で示す。また、[表1]及び[表2]の符号は下記の化合物を示す。
A−1:下記の化合物5(上記一般式(I)で表される化合物)
A−2:EP−4080E(ADEKA社製)
A−3:セロキサイド2021P(ダイセル社製)
A−4;EHPE−3150(ダイセル社製)
A−5:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
A−6:アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製)
A−7:EP−4088S(ADEKA社製)
A−8:EX−216L(ナガセケムテックス社製)
B−1:SP−170
B−2:下記の〔化6〕に記載のカチオン重合開始剤
B−3:SI−100(三新化学)
B−4:SI−B3(三新化学)
B−5:キュアゾール2PH2−PW(イミダゾール系硬化剤;四国化成工業社製)
B−6:アデカハードナーEH−5015S(ポリアミン型硬化剤;ADEKA社製)
C−1:AO−50(ADEKA社製フェノール系酸化防止剤)
C−2:AO−60(ADEKA社製フェノール系酸化防止剤)
[表1]及び[表2]に示す配合で各成分を混合し、不溶物が無くなるまで撹拌し、組成物No.1〜No.13及び比較組成物No.1〜No.3を得た。尚、表中の配合割合は質量部で示す。また、[表1]及び[表2]の符号は下記の化合物を示す。
A−1:下記の化合物5(上記一般式(I)で表される化合物)
A−2:EP−4080E(ADEKA社製)
A−3:セロキサイド2021P(ダイセル社製)
A−4;EHPE−3150(ダイセル社製)
A−5:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
A−6:アロンオキセタンOXT−221(東亞合成社製)
A−7:EP−4088S(ADEKA社製)
A−8:EX−216L(ナガセケムテックス社製)
B−1:SP−170
B−2:下記の〔化6〕に記載のカチオン重合開始剤
B−3:SI−100(三新化学)
B−4:SI−B3(三新化学)
B−5:キュアゾール2PH2−PW(イミダゾール系硬化剤;四国化成工業社製)
B−6:アデカハードナーEH−5015S(ポリアミン型硬化剤;ADEKA社製)
C−1:AO−50(ADEKA社製フェノール系酸化防止剤)
C−2:AO−60(ADEKA社製フェノール系酸化防止剤)
[評価例1〜13及び比較評価例1〜3]
実施例1〜13で得られた組成物No.1〜No.13及び比較例1〜3で得られた比較組成物No.1〜No.3をそれぞれ、離型処理済みのガラス板に厚さ500μmで塗布し、塗膜を形成した。形成した塗膜に高圧Hgランプで5000mJ/cm2のエネルギーを照射し、150℃で1時間加熱して単膜を得た。また実施例10に関しては、光照射せず150℃で1時間加熱して単膜を得た。
得られた単膜の水蒸気透過率を測定し、硬化物のガスバリア性を評価した。水蒸気透過率の測定には7002(イリノイ社製)を用いた。測定開始から4時間後の水蒸気透過率を単膜の水蒸気透過率とした。測定結果を表3に示す。
実施例1〜13で得られた組成物No.1〜No.13及び比較例1〜3で得られた比較組成物No.1〜No.3をそれぞれ、離型処理済みのガラス板に厚さ500μmで塗布し、塗膜を形成した。形成した塗膜に高圧Hgランプで5000mJ/cm2のエネルギーを照射し、150℃で1時間加熱して単膜を得た。また実施例10に関しては、光照射せず150℃で1時間加熱して単膜を得た。
得られた単膜の水蒸気透過率を測定し、硬化物のガスバリア性を評価した。水蒸気透過率の測定には7002(イリノイ社製)を用いた。測定開始から4時間後の水蒸気透過率を単膜の水蒸気透過率とした。測定結果を表3に示す。
[評価例1〜13及び比較評価例1〜3]
実施例1〜13で得られた組成物No.1〜No.13及び比較例1〜3で得られた比較組成物No.1〜No.3をそれぞれ、ガラス板に厚さ50μmで塗布し、もう一枚のガラスを貼り合わせて高圧Hgランプで1000mJ/cm2のエネルギーを照射し、150℃で1時間加熱して試験片を得た。また実施例10に関しては、光照射せず150℃で1時間加熱して試験片を得た。得られた試験片のb*を紫外可視近赤外分光光度計V−670(日本分光社製)を用いて測定した。その後、得られた試験片を200℃、85℃×85%Rhの環境に500時間入れた後にb*の測定を行った。結果を表4に示す。
実施例1〜13で得られた組成物No.1〜No.13及び比較例1〜3で得られた比較組成物No.1〜No.3をそれぞれ、ガラス板に厚さ50μmで塗布し、もう一枚のガラスを貼り合わせて高圧Hgランプで1000mJ/cm2のエネルギーを照射し、150℃で1時間加熱して試験片を得た。また実施例10に関しては、光照射せず150℃で1時間加熱して試験片を得た。得られた試験片のb*を紫外可視近赤外分光光度計V−670(日本分光社製)を用いて測定した。その後、得られた試験片を200℃、85℃×85%Rhの環境に500時間入れた後にb*の測定を行った。結果を表4に示す。
以上の結果より、一般式(I)で表される化合物を含有する本発明の熱硬化性組成物の硬化物は、ガスバリア性及び耐熱性が高いことが明らかである。よって、本発明の熱硬化性組成物は封止剤に有用である。
Claims (5)
- 下記一般式(I)で表される化合物を含有する熱硬化性組成物。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、
R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つは下記一般式(II)で表される置換基であり、
R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8及びR8とR9は、互いに結合して環を形成する場合があり、前記環が形成されている場合、形成された環における水素原子の少なくとも1つが下記一般式(II)で表される置換基で置換されている場合がある。)
- 更に、イミダゾール化合物、アミン化合物、アミド化合物、酸無水物化合物、フェノール化合物、チオール化合物、潜在性熱硬化剤及びオニウム塩からなる群から選ばれる硬化剤を1種以上含有する、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
- 硬化剤0.001〜50質量%を含有する、請求項1又は2に記載の熱硬化性組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物の硬化物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物を硬化させる方法。
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2018
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