JP2019172919A - 粘着性組成物および粘着シート - Google Patents
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Abstract
Description
1.(メタ)アクリル酸エステル共重合体と光重合開始剤を含有する粘着性組成物であって、前記光重合開始剤が、下記一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体であることを特徴とする粘着性組成物。
(式(2)中、mは0から3の整数を表す。R4は、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、または一般式(3):R5−Y−で表される置換基を表す。前記Yは、酸素原子を表す。前記R5は、炭素骨格中に、エーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、R4は隣接する2つの前記一般式(3):R5−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。)
であることを特徴とする前記1に記載の粘着性組成物。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、主鎖中に(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含む重合体である。(メタ)アクリル酸エステルの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体に上述の繰り返し単位を含ませることによって、良好な粘着特性や接着特性を発揮させることが可能となる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸無水物類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエーテル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどのその他モノマーが挙げられる。上記極性基含有モノマーは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体における極性基含有モノマーの含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、0.01〜35質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、10万〜200万が好ましく、より好ましくは50万〜150万である。(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量を上記範囲にすることで、粘着剤の被膜強度が高く、段差追従性がより優れたものとなる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−65〜0℃が好ましく、より好ましくは−50〜−20℃である。ガラス転移温度を−65℃以上とすることにより、加工性や高温での接着信頼性が向上する。一方、ガラス転移温度を0℃以下とすることにより、段差追随性が向上する。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重合方法としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合方法が採用可能である。重合の際に、重合方法に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤を用いることにより所望の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得ることができる。
本実施形態の粘着性組成物は、光重合開始剤として、下記一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体を含有する。
また、本実施形態のトリアジンペルオキシド誘導体は、365nmにおけるモル吸光係数ε365(L・mol-1・cm-1)が、100以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。365nmにおけるモル吸光係数ε365(L・mol-1・cm-1)が100以上であると、増感剤等の併用がなくてもトリアジンペルオキシド誘導体単独で優れた硬化性を示す。
一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体の製造方法は、例えば、下記反応式のように、塩化シアヌル誘導体を得る工程(以下、工程(A)とも称す)と、続いて、得られた塩化シアヌル誘導体と、ヒドロペルオキシドを、アルカリの存在下で、反応させる工程(以下、工程(B)とも称す)を含む方法が挙げられる。なお、上記の工程(A)および/または工程(B)の後には、余剰の原料等を減圧留去(除去)する工程や、精製工程を含んでもよい。
前記工程(A)において、グリニャール反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、特開平6−179661号公報等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。前記工程(A)における芳香族化合物のZは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子で表される芳香族化合物を使用することができる。芳香族化合物とマグネシウムを反応させることでグリニャール試薬を調製し、次いで得られたグリニャール試薬を塩化シアヌルと反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。
上記のグリニャール試薬の調製において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
上記のグリニャール試薬と塩化シアヌルと反応において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
前記工程(A)において、リチオ化反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、国際公開第2012/096263号等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。前記工程(A)における芳香族化合物のZは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子で表される芳香族化合物を使用することができる。芳香族化合物とリチオ化剤を反応させることでリチオ化合物を調製し、次いで得られたリチオ化合物と塩化シアヌルを反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。
上記のリチオ化合物の調製において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
上記のリチオ化合物と塩化シアヌルと反応において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
前記工程(A)において、鈴木カップリング反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、国際公開第2012/096263号等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。例えば、前述のリチオ化合物をホウ素試薬と反応させることによって、芳香族化合物のZがボロニル基またはボロン酸に変換されたホウ素化合物を合成することができる。次いで得られたホウ素化合物を塩化シアヌルと反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。なお、ホウ素化合物の市販品が販売されている場合、そのまま使用することができる。
上記のホウ素化合物の合成において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
上記のホウ素化合物と塩化シアヌルの反応において、パラジウム触媒およびアルカリを用いることが好ましく、必要に応じて配位子を添加しても良い。
前記アルカリとしては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩等の無機塩基;トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
前記工程(A)において、フリーデル・クラフツ反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、米国特許第5322941号等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。前記工程(A)における芳香族化合物のZは水素原子、n=0で表される芳香族化合物を使用することができる。塩化アルミニウム等のルイス酸の存在下、芳香族化合物と塩化シアヌルを反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。
上記の芳香族化合物と塩化シアヌルの反応において、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、キシレン等の溶媒を用いることができる。
前記工程(B)において、一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体の製造方法は、特に限定されないが、特公昭45−39468号公報等に記載の公知のトリアジンペルオキシドの合成法に準じて合成することができる。
上記の工程(A)で得られた塩化シアヌル誘導体と、ヒドロペルオキシドを、アルカリの存在下で、反応させる工程(B)により、トリアジンペルオキシド誘導体が得られる。
前記工程(B)は、常圧下で、空気下で行うことができるが、窒素気流下または窒素雰囲気下で行ってもよい。
なお、前記トリアジン系光重合開始剤に、前記他の重合開始剤を含む場合、他の重合開始剤の割合は、トリアジン系光重合開始剤中、80質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の粘着性組成物には、さらにラジカル重合性化合物を含有させることができる。ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を好ましく用いることができる。ラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、イタコン酸エステル類、桂皮酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルケトン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、N−置換マレイミド類、N−ビニル化合物類、不飽和ニトリル類、オレフィン類等が挙げられる。これらの中でも、反応性が高い(メタ)アクリル酸エステル類を含むことが好ましい。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
粘着性組成物中には、適宜、増感剤(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジブトキシアントラセン、9−フェニルアクリジン、クマリン、ケトクマリン、アクリジンオレンジ、カンファーキノン等)、架橋剤、架橋促進剤、シランカップリング剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノールなど)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を、本実施形態の特性を損なわない範囲で用いることができる。また、本実施形態の粘着層を形成する際には、各種の一般的な溶剤を用いることもできる。
本実施形態の粘着シートは、粘着性組成物を粘着層に用いた粘着シートである。粘着シートの代表的な構成は、透明基材の一方の面に粘着性組成物からなる粘着層と基材とがこの順に積層されているものである。粘着シートは、粘着層を硬化させて使用する。粘着層を硬化させることにより、糊残りや液だれ等の発生を抑制することができる。後記する片面基材粘着用シート及び両面基材粘着用シートは、粘着シートの形成における中間産物に該当する。
粘着性組成物を塗布する透明基材には、全光線透過率が70%以上である基材を使用することが出来る。透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースなどのセルロースフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリウレタンアクリレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン− 酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム等のプラスチックフィルム等を使用できる。
また、粘着層表面の平滑性を高めるという理由から、基材の粘着層と接する面は、表面粗さRaが0.01μm未満であることが好ましい。
片面基材粘着用シートは、透明基材の一方の面に粘着性組成物を塗布して粘着層を形成することで作製される。
両面基材粘着用シートは、片面基材粘着用シートの粘着層の上に基材を積層することで作製される。
粘着シートは、前記の両面基材粘着用シートの粘着層を硬化させることによって作製される。また、粘着シートは、前記の片面基材粘着用シートの粘着層を硬化させた後に、当該粘着層上に基材を積層することで作製される。なお、両面基材粘着用シートの粘着層を硬化させる方が、片面基材粘着用シートの粘着層を硬化させた後に基材を積層する場合と比べて、粘着層の平滑性を向上させることができるため好ましい。
前記重合性組成物を加熱する工程において、加熱する手法は、例えば、加熱、通風加熱等が挙げられる。加熱の方式としては、特に制限されることはないが、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線照射、電磁波照射等が挙げられる。また、通風加熱の方式としては、例えば、送風式乾燥オーブン等が挙げられる。
一方、加熱温度は低いほど、トリアジン系光重合開始剤の分解速度は遅いため、硬化に長時間を必要とする。よって、加熱温度と加熱時間は、前記粘着性組成物の組成により適宜設定すべきである。一例として、加熱温度は、50〜230℃であることが好ましく、100〜160℃であることがより好ましい。また、前記粘着性組成物に、前記硬化促進剤を配合する場合には、その種類や配合量により、加熱温度は室温から160℃で任意に調整することができる。一方、加熱時間は1〜180分であることが好ましく、5〜120分であることがさらに好ましい。
なお、前記トリアジンペルオキシド誘導体は熱により分解するが、80℃で5分加熱した際の当該化合物の分解率は0.1%程度であるため、この程度の条件であれば重合性組成物が増粘やゲル化することはあまりない。
本実施形態に係る粘着シートは、表示体構成部材として利用することができる。例えば、2枚の表示体構成部材を貼合するときは、2枚の表示体構成部材の間に粘着層を備えた形態で使用される。当該粘着層は、その後本硬化(架橋)させることによって2枚の表示体構成部材を強固に固着させることができる。ここで、表示体構成部材とは、例えば、液晶(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ、電子ペーパー等の表示体を構成する部材のことである。具体的には、保護パネルや、液晶パネル、タッチパネル等の構成部材や、飛散防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、透明導電性フィルム等の各種光学部材が挙げられる。
[合成例1:(メタ)アクリル酸エステル共重合体1の合成]
モノマー成分として、n−ブチルアクリレート75質量部と、メチルメタクリレート15質量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部、重合溶媒として、酢酸エチル150質量部、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル2質量部を4口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で70℃、8時間反応させ、さらに80℃で1時間反応させることによりの重量平均分子量40万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体1を得た。
モノマー成分として、n−ブチルアクリレート75質量部と、メチルメタクリレート15質量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部の代わりに、2−エチルヘキシルアクリレート75質量部と、酢酸ビニル20質量部と、アクリル酸5質量部を用いたこと以外は、合成例1と同様に合成し、重量平均分子量45万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体2を得た。
[合成例1:化合物23(PI−1)の合成]
ヒートドライ乾燥した500mL三つ口フラスコに、マグネシウム1.69g(69.5mmol)、脱水テトラヒドロフラン57mL、触媒量のヨウ素を入れ、室温下で撹拌した。ここに、1−ブロモナフタレン7.07g(50.7mmol)と脱水テトラヒドロフラン57mLの混合溶液を滴下した後、還流撹拌させた。1時間後、内温を−60℃以下まで冷却した。別途調製した塩化シアヌル8.92g(48.4mmol)と脱水テトラヒドロフランの混合溶液を15分かけ滴下した。その後、30分かけて室温にあげ、水浴下で撹拌した。62時間後、反応液を氷浴で冷却し、1M塩酸を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを8に調整した。次いで、イオン交換水160mLを加え、酢酸エチルで抽出した。油相を飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムで脱水した。ろ過後、油相を減圧下で濃縮し、粗体14.6gを得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1から1/3)で精製し、5.14g(収率38%)の2,4−ジクロロ−6−(1−ナフタレニル)−1,3,5−トリアジンを得た。
300mLナスフラスコに、1−メトキシナフタレン5.01g(31.7mmol)、脱水ジクロロメタン100mL、塩化シアヌル6.12g(33.2mmol)を入れ、氷浴下撹拌した。15分後、塩化アルミニウム4.43g(33.2mmol)を加え、室温に昇温した。1時間後、反応液を氷冷1M塩酸75mLに注ぎ、水相を分液した。油相を飽和食塩水100mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて脱水した。ろ過後、減圧濃縮し、粗体を9.59gの黄色固体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/トルエン=4/1から1.5/1)で精製し、8.05g(収率83%)の2,4−ジクロロ−6−(4−メトキシ−1−ナフタレニル)−1,3,5−トリアジンを得た。
本発明の化合物26は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、2−ブロモ−6−メトキシナフタレンに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物26の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物31は、合成例2に記載の1−メトキシナフタレンを、1−エトキシナフタレンに変更したこと以外は、合成例2に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物31の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物32は、合成例2に記載の69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を、85質量%tert−アミルヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例2に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物32の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物35は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニルに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物35の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物37は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニルに、及び69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を85質量%tert−アミルヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物37の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物38は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニル、及び69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を90質量%tert−ヘキシルヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物38の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物40は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニルに、及び69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を80質量%クメンヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物40の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物41は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモスチルベンに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物41の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
本発明の化合物44は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、p−(2−ブロモ)ビニルアニソールに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物44の性状、EI−MSおよび1H−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
化合物R1:3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
化合物R2:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASF製)
化合物R3:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム) (BASF製)
<粘着性組成物の製造>
攪拌釜に上述の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、光重合開始剤、ラジカル重合性化合物および添加剤を表3、表4に示す配合割合で混合、攪拌し、実施例1−1〜1−14および比較例1−1〜1−3の粘着性組成物を得た。これらの粘着性組成物について、下記に示す粘着シートを作成し、各種性能評価を行った。
IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業製「IBXA」)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業製「NKエステルA−TMPT」)
KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−403」)
(実施例2−1)
基材(F−1(帝人フィルムソリューション製#31))上に実施例1−1の粘着性組成物をダイコーターにより膜厚が60μmとなるように塗工し、90℃2分間で乾燥させた後、粘着層上へ基材(F−2(帝人フィルムソリューション製#54))を載せ、ラミネートを行い両面基材粘着用シートを得た。得られた両面基材粘着用シートへ、365nmLED光源を用いて紫外線照射(1000mJ/cm2)を行い、粘着性組成物を硬化させ、粘着シートを得た。
各粘着性組成物を表に記載した材料とした以外は実施例2−1と同様にして粘着シートを得た。
膜厚を表に記載した膜厚に変更した以外は実施例2−1と同様にして粘着シートを得た。
各実施例及び比較例において得られた粘着性組成物及び粘着シートを下記記載の方法によってその性質を評価した。評価結果は表5および表6に示した。
λmaxとは、最大吸収波長(nm)である。
ε365とは、365nmにおけるモル吸光係数(L・mol-1・cm-1)である。
表に記載される化合物のアセトニトリル溶液について、UV−VISスペクトル測定装置(1.0cm石英セル、島津製作所製、UV−2450)を用いて、波長200から600nmにおけるUV−VISスペクトルを測定した。そのUV−VISスペクトル結果からλmaxおよびε365を算出した。
粘着シートの基材(F−1)を剥がす際に、粘着層と基材との界面を目視にて観察した。
A: 基材をスムーズに剥がすことができ、基材に糊残りがない。
B: 基材をスムーズに剥がすことができるが、基材に若干糊残りがある。
C: 基材を剥がす際に基材と粘着層の界面で糸を引き、基材に糊残りがある。
粘着シートの基材(F−1)を剥がした後、厚み100μmのPETフィルムに貼り合わせ、25mmの幅に裁断した。裁断した25mm幅のサンプルの、PETフィルムとは反対側の基材(F−2)を剥がし、無アルカリガラスに貼り合わせ、23℃、50%RHにて24時間静置後、卓上型材料試験機((株)オリエンテック製STA−1150)を用いて密着力の測定を行った(剥離速度:300mm/min、180℃ピール力試験)。
○:15N/20mm以上
×:15N/20mm未満
−:粘着層が硬化しなかったため、試験不能
厚み100μmのPETフィルムに銀インキにて段差が30μmになるように印刷処理を行った。粘着シートの基材(F−1)を剥がした後、粘着シートの粘着層と印刷処理を行ったPETフィルムの印刷面とが接するようにラミネーターを用いて貼り合わせ、オートクレーブ(サクラ精機(株)製TAC−200)にて50℃、0.5Mpa、20分処理を行い、23℃、50%RHにて24時間静置後、目視にて観察を行った。
○:粘着シートが印刷面の段差部に隙間なく接している。
×:印刷面の段差周りにて粘着シートの浮きが発生している。
−:粘着層が硬化しなかったため、試験不能
粘着シートの基材(F−1)を剥がした後、厚み100μmのPETフィルムに貼り合わせ、縦50mm、横50mm の大きさに裁断した。裁断したサンプルの、PETフィルムとは反対側の基材(F−2)を剥がし、縦75mm、横75mmの大きさの無アルカリガラスに貼り合わせた。無アルカリガラス側から、365nmLED光源を用いて紫外線照射(1000mJ/cm2)を行い、耐湿熱性試験サンプルとした。23℃、50%RHにて24時間静置後、得られたガラスサンプルのヘイズ値をヘイズメーター(日本電色工業製NDH2000)にて測定し、b*の値を分光測色計(CM−3500d、ミノルタカメラ製)を用いてL*a*b*表色系の値をJIS−Z−8722に従って、透過法にて測定した。
○:ガラスサンプルの外観に剥れや、粘着性組成物の液ダレ等の異常が無く、恒温恒湿試験機での処理前後でのヘイズ値の変化率[(処理前のヘイズ値−処理後のヘイズ値)/処理前のヘイズ値]が±3%未満、且つ、処理前後でのb*値の変化率[(処理前のb*値−処理後のb*値)/処理前のb*値]が1.0%未満
×:ガラスサンプルの外観に剥れや、粘着性組成物の液ダレ等の異常がある。もしくは、恒温恒湿試験機での処理前後でのヘイズ値の上記変化率が±3%以上、または、処理前後でのb*値の上記変化率が1.0%以上
−:粘着層が硬化しなかったため、試験不能
Claims (5)
- (メタ)アクリル酸エステル共重合体と光重合開始剤を含有する粘着性組成物であって、
前記光重合開始剤が、下記一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体であることを特徴とする粘着性組成物。
- 前記一般式(2)中、
(式(2)中、mは0から3の整数を表す。R4は、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、または一般式(3):R5−Y−で表される置換基を表す。前記Yは、酸素原子を表す。前記R5は、炭素骨格中に、エーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、R4は隣接する2つの前記一般式(3):R5−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。)
であることを特徴とする請求項1に記載の粘着性組成物。 - 前記光重合開始剤の最大吸収波長λmax(nm)が310nm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着性組成物。
- さらにラジカル重合性化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着性組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着性組成物を粘着層に用いた粘着シート。
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