JP2019172919A - 粘着性組成物および粘着シート - Google Patents

粘着性組成物および粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】粘着性組成物を厚膜化した場合でも、光硬化時に膜内部の硬化が進行し、硬化物の密着力と段差追随性に優れ、湿熱条件下でも白化や黄変を引き起こすことが少ない粘着性組成物の提供、及びこの粘着性組成物を粘着層に用いた粘着シートの提供。【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル共重合体と光重合開始剤を含有する粘着性組成物であって、光重合開始剤がトリアジンペルオキシド誘導体である粘着性組成物、及びこの粘着性組成物を粘着層に用いた粘着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着性組成物および当該粘着性組成物を粘着剤に用いた粘着シートに関する。
粘着剤は、テープやラベルなど様々な用途に用いられており、近年では、電子光学デバイスの分野において、パネル、光学フィルター、センサー、前面板等の光学部材の貼り合わせのために、密着性が高く、高透明な粘着性組成物や粘着シートが開発されている。なかでも、光硬化型粘着剤は、エージング時間が不要で高生産性が期待できることから、光学部材の貼り合わせ等の用途で注目されている。
このような用途に用いられる粘着剤には、粘着性能以外にも様々な特性が要求されている。例えば、電子光学デバイスに用いられる光学部材には、加飾印刷による装飾や配線処理のような段差や凹凸が設けられていることが多く、この段差や凹凸に隙間なく接する追随性が求められる。
段差追随性を向上させるための方法としては、粘着層を厚くすることにより、より高い段差を埋める方法が挙げられる。例えば、特許文献1には、チオール基を有する化合物、アミド基を有するアクリルポリマーおよびイソシアネート化合物を含有する粘着性組成物が開示されている。また、特許文献2には、沸点が70℃以下である溶媒の存在下で(メタ)アクリル系モノマーを溶液重合する無溶媒型粘着剤用アクリル系樹脂の製造方法が開示されている。
特開2016−69578号公報 特開2017−48384号公報
しかしながら、光硬化型粘着剤を厚膜化した場合には、使用する光源や光重合開始剤の種類によっては、光源波長と光重合開始剤の吸収波長とが合わないケースがある。また、光源波長と光重合開始剤の吸収波長とが合った場合においても、分解生成物の光吸収により深部まで光が届かないため、膜内部の硬化度が不充分となるケースがある。膜内部の硬化度が不充分であると、粘着フィルムの剥離フィルムを剥離した際に糊残りが発生したり、耐湿熱条件下で長時間使用された場合には白化や黄変が発生する等の問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、粘着性組成物を厚膜化した場合においても、光硬化させたときに膜内部の硬化が十分に進行し、硬化物の密着力と段差追随性が優れ、湿熱条件下でも白化や黄変を引き起こすことが少ない粘着性組成物を提供することである。また当該粘着性組成物を粘着剤に用いた粘着シートを提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の化学構造を有するトリアジン系光重合開始剤を採用することによって、上記課題が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下のような構成を有している。
1.(メタ)アクリル酸エステル共重合体と光重合開始剤を含有する粘着性組成物であって、前記光重合開始剤が、下記一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体であることを特徴とする粘着性組成物。
Figure 2019172919
(式(1)中、RおよびRは独立してメチル基またはエチル基を表す。Rは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。Xは下記一般式(2):Ar、Ar、ArまたはArで表されるアリール基である。nは0から2の整数を表す。)
Figure 2019172919
(式(2)中、mは0から3の整数を表す。Rは、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、一般式(3):R−Y−で表される置換基、ニトロ基、またはシアノ基を表す。前記Yは、酸素原子または硫黄原子を表す。前記Rは、炭素骨格中に、エーテル結合、チオエーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、Rは隣接する2つの前記一般式(3):R−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。)
2.前記一般式(2)中、
(式(2)中、mは0から3の整数を表す。Rは、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、または一般式(3):R−Y−で表される置換基を表す。前記Yは、酸素原子を表す。前記Rは、炭素骨格中に、エーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、Rは隣接する2つの前記一般式(3):R−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。)
であることを特徴とする前記1に記載の粘着性組成物。
3.前記光重合開始剤の最大吸収波長λmax(nm)が310nm以上であることを特徴とする前記1または前記2に記載の粘着性組成物。
4.さらにラジカル重合性化合物を含有する前記1〜3のいずれか1項に記載の粘着性組成物。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の粘着性組成物を粘着層に用いた粘着シート。
本発明の粘着性組成物および粘着シートは、粘着性組成物を厚膜化した場合においても、光硬化させたときに膜内部の硬化が十分に進行し、硬化物の密着力と段差追随性が優れ、湿熱条件下でも白化や黄変を引き起こすことが少ない。
本発明の実施形態について以下に説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の粘着性組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と特定の化学構造を有するトリアジン系光重合開始剤を含有している。以下、本実施形態の粘着性組成物を構成する各成分について説明する。
<(メタ)アクリル酸エステル共重合体>
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、主鎖中に(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含む重合体である。(メタ)アクリル酸エステルの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n −ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n −オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、上記の中でも、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体に上述の繰り返し単位を含ませることによって、良好な粘着特性や接着特性を発揮させることが可能となる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、これを重合するために用いる(メタ)アクリル酸エステルの種類、組成比率、さらには重合条件等を適宜選択することによって、ガラス転移温度(Tg)や分子量等の物性を適宜調整して調製することが可能である。また、アクリル酸エステル共重合体は、例えば、特開2013−213084号公報や国際公開第2014/098119号等に記載の側鎖に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、全ての繰り返し単位が(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の繰り返し単位であることを要しない。即ち、粘着性を高めたり、本発明の効果をより高める為に(メタ)アクリル系単量体由来の繰り返し単位以外に、極性基含有モノマー等を含むものであってもよい。
(極性基含有モノマー)
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸無水物類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエーテル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどのその他モノマーが挙げられる。上記極性基含有モノマーは、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
(モノマー組成)
(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体における極性基含有モノマーの含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、0.01〜35質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
(重量平均分子量)
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、10万〜200万が好ましく、より好ましくは50万〜150万である。(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量を上記範囲にすることで、粘着剤の被膜強度が高く、段差追従性がより優れたものとなる。
尚、前記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。一例として、GPC装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)、カラムとして3本のTSKgelHZM-M(東ソー社製)を使用して、展開溶媒としてテトラヒドロフラン、カラム温度40℃、流速0.3ミリリットル/分、RI検出器、試料注入濃度0.5質量%、注入量10マイクロリットルの条件下、クロマトグラフィーを行ない、ポリスチレン換算の重量平均分子量として求めることができる。
(ガラス転移温度)
(メタ)アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−65〜0℃が好ましく、より好ましくは−50〜−20℃である。ガラス転移温度を−65℃以上とすることにより、加工性や高温での接着信頼性が向上する。一方、ガラス転移温度を0℃以下とすることにより、段差追随性が向上する。
(重合方法)
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重合方法としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合方法が採用可能である。重合の際に、重合方法に応じて、熱重合開始剤や光重合開始剤などの重合開始剤を用いることにより所望の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得ることができる。
<光重合開始剤>
本実施形態の粘着性組成物は、光重合開始剤として、下記一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体を含有する。
Figure 2019172919
(式(1)中、RおよびRは独立してメチル基またはエチル基を表す。Rは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。Xは下記一般式(2):Ar、Ar、ArまたはArで表されるアリール基である。nは0から2の整数を表す。)
Figure 2019172919
(式(2)中、mは0から3の整数を表す。Rは、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、一般式(3):R−Y−で表される置換基、ニトロ基、またはシアノ基を表す。前記Yは、酸素原子または硫黄原子を表す。前記Rは、炭素骨格中に、エーテル結合、チオエーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、Rは隣接する2つの前記一般式(3):R−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。)
前記一般式(1)中、RおよびRは独立してメチル基またはエチル基を表す。RおよびRは、トリアジンペルオキシド誘導体の分解温度が高くなり、重合性組成物の貯蔵安定性が高くなる観点から、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)中、Rは、炭素数が1〜5の脂肪族炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基である。前記アルキル基は、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、フェニル基、イソプロピルフェニル基が挙げられる。これらの中でも、トリアジンペルオキシド誘導体の合成が容易である観点から、メチル基、エチル基、プロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、フェニル基であることが好ましい。照射光に対する感度が高い点から、メチル基、エチル基であることがより好ましい。
前記一般式(1)中の、nは、0から2の整数で表される。トリアジンペルオキシド誘導体の合成が容易である観点から、nが0または1であることが好ましい。nが0の場合においては、XがAr、Ar、またはArであり、nが1の場合においては、XがArであることが、照射光を効率よく吸収し、硬化物の黄色度が低減できる観点から、より好ましい。
前記一般式(2)中の、mは、0から3の整数で表される。トリアジンペルオキシド誘導体の合成が容易である観点から、mが0から2であることが好ましく、照射光を効率よく吸収する観点から、mが1であることがより好ましい。
前記一般式(2)中の、Rは、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、一般式(3):R−Y−で表される置換基、ニトロ基、またはシアノ基を表す。Yは、酸素原子または硫黄原子を表す。前記Rは、炭素骨格中に、エーテル結合、チオエーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、Rは隣接する2つの前記一般式(3):R−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。
前記Rは、照射光を効率よく吸収する観点から、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、または一般式(3):R−Y−で表される置換基を表し、Yは、酸素原子を表し、Rは、炭素骨格中に、エーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基であることが好ましい。あるいは、Rは隣接する2つの前記一般式(3):R−X−により5〜6員環を形成する炭化水素基であることが好ましい。
前記Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ヘキシル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ基、2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基、メチレンジオキシ基、ジメチルメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基等のアルコキシ基;フェニルオキシ基、4−イソプロピルフェニルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、2−メトキシエチルスルファニル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基、2−メチルフェニルスルファニル基、4−メチルフェニルスルファニル基等のアリールスルファニル基等が挙げられる。これら官能基を有する一般式(1)で表される化合物は、365nmの吸光度が高く、照射光を効率よく吸収するため好ましい。
さらに、これらの中でも、トリアジンペルオキシド誘導体の重合性組成物への溶解性が高く、合成が容易であり、照射光に対する感度が高い観点から、前記Rは、メトキシ基、エトキシ基、2-ヒドロキシエトキシ基がより好ましい。
前記Rの置換位置は、特に限定されないが、XがArの場合、Rの少なくとも一つが、トリアジン基が置換されたベンゼン環の4位に置換されていることが好ましい。また、XがArの場合、Rの少なくとも一つが、トリアジン基が置換されたベンゼン環とは別のベンゼン環の4位に置換されていることが好ましい。また、XがArの場合、Rの少なくとも一つが、1位に置換されたトリアジン基の4位に置換されていることが好ましい。また、XがArの場合、Rの少なくとも一つが、トリアジン基が置換されたベンゼン環とは別のベンゼン環の4位に置換されていることが照射光を効率よく吸収するため好ましい。
以下に、本実施形態のトリアジンペルオキシド誘導体の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2019172919
Figure 2019172919
Figure 2019172919
本実施形態のトリアジンペルオキシド誘導体としては、好ましくは化合物23、化合物25、化合物26、化合物27、化合物28、化合物31、化合物32、化合物33、化合物35、化合物37、化合物38、化合物39、化合物40、化合物41、化合物42、化合物43、化合物44、化合物46が挙げられ、より好ましくは化合物25、化合物26、化合物31、化合物32、化合物35、化合物37、化合物38、化合物41、化合物44が挙げられる。
本実施形態のトリアジンペルオキシド誘導体は、最大吸収波長λmax(nm)が310nm以上であることが好ましく、320nm以上であることがより好ましい。トリアジンペルオキシド誘導体の最大吸収波長λmax(nm)が310nm以上であると、高圧水銀ランプやLEDから放射される365nm等の輝線に対してトリアジンペルオキシド誘導体の光吸収が重なるため、優れた硬化性を示す。
また、本実施形態のトリアジンペルオキシド誘導体は、365nmにおけるモル吸光係数ε365(L・mol-1・cm-1)が、100以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。365nmにおけるモル吸光係数ε365(L・mol-1・cm-1)が100以上であると、増感剤等の併用がなくてもトリアジンペルオキシド誘導体単独で優れた硬化性を示す。
<トリアジンペルオキシド誘導体の製造方法>
一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体の製造方法は、例えば、下記反応式のように、塩化シアヌル誘導体を得る工程(以下、工程(A)とも称す)と、続いて、得られた塩化シアヌル誘導体と、ヒドロペルオキシドを、アルカリの存在下で、反応させる工程(以下、工程(B)とも称す)を含む方法が挙げられる。なお、上記の工程(A)および/または工程(B)の後には、余剰の原料等を減圧留去(除去)する工程や、精製工程を含んでもよい。
Figure 2019172919
(上記反応式において、n、R、R、RおよびXは前記一般式(1)と同じである。)
前記工程(B)において、前記塩化シアヌル誘導体は、市販品を利用できる。なお、市販品がない場合、前記工程(A)において、グリニャール反応、リチオ化反応、鈴木カップリング反応、またはフリーデル・クラフツ反応等の公知の合成法に準じて合成することができる。
<グリニャール反応による塩化シアヌル誘導体の合成>
前記工程(A)において、グリニャール反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、特開平6−179661号公報等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。前記工程(A)における芳香族化合物のZは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子で表される芳香族化合物を使用することができる。芳香族化合物とマグネシウムを反応させることでグリニャール試薬を調製し、次いで得られたグリニャール試薬を塩化シアヌルと反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。
上記のグリニャール試薬の調製において、マグネシウムは、芳香族化合物1モルに対して、0.8から2.0モル用いることが好ましく、1から1.5モル用いることがより好ましい。反応開始剤として、ヨウ素、ブロモエタン、ジブロモエタン等を用いてもよく、芳香族化合物1モルに対して、0.0001から0.01モル用いることが好ましい。反応温度は0から70℃が好ましく、10から60℃がより好ましい。反応時間は30分から20時間が好ましく、1時間から10時間がより好ましい。
上記のグリニャール試薬の調製において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
また、上記のグリニャール試薬と塩化シアヌルと反応において、塩化シアヌルは、芳香族化合物1モルに対して、0.7から1.5モル用いることが好ましく、0.8から1.2モル用いることがより好ましい。反応温度は−30から70℃が好ましく、−10から40℃がより好ましい。反応時間は10分から10時間が好ましく、30分から5時間であることがより好ましい。なお、調製したグリニャール試薬に塩化シアヌルを投入してもよく、塩化シアヌルの溶液にグリニャール試薬を投入してもよい。
上記のグリニャール試薬と塩化シアヌルと反応において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
<リチオ化反応による塩化シアヌル誘導体の合成>
前記工程(A)において、リチオ化反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、国際公開第2012/096263号等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。前記工程(A)における芳香族化合物のZは塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子で表される芳香族化合物を使用することができる。芳香族化合物とリチオ化剤を反応させることでリチオ化合物を調製し、次いで得られたリチオ化合物と塩化シアヌルを反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。
前記リチオ化剤としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム類;フェニルリチウム等のアリールリチウム類;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等のリチウムアミド類を挙げることができ、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムであることが好ましい。
上記のリチオ化合物の調製において、リチオ化剤は、芳香族化合物1モルに対して、0.8から3.0モル用いることが好ましく、1.0から2.2モル用いることがより好ましい。反応温度は−100から50℃が好ましく、−80から0℃がより好ましい。反応時間は0.2から20時間が好ましく、0.5から10時間がより好ましい。
上記のリチオ化合物の調製において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
また、上記のリチオ化合物と塩化シアヌルと反応において、塩化シアヌルは、芳香族化合物1モルに対して、0.7から1.5モル用いることが好ましく、0.8から1.2モル用いることがより好ましい。反応温度は−30から70℃が好ましく、−10から40℃がより好ましい。反応時間は10分から10時間が好ましく、30分から5時間であることがより好ましい。なお、調製したリチオ化合物に塩化シアヌルを投入してもよく、塩化シアヌルの溶液にリチオ化合物を投入してもよい。
上記のリチオ化合物と塩化シアヌルと反応において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
<鈴木カップリングによる塩化シアヌル誘導体の合成>
前記工程(A)において、鈴木カップリング反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、国際公開第2012/096263号等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。例えば、前述のリチオ化合物をホウ素試薬と反応させることによって、芳香族化合物のZがボロニル基またはボロン酸に変換されたホウ素化合物を合成することができる。次いで得られたホウ素化合物を塩化シアヌルと反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。なお、ホウ素化合物の市販品が販売されている場合、そのまま使用することができる。
前記ホウ素試薬としては、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリイソプロピル、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン等が挙げられる。
上記のホウ素化合物の合成において、ホウ素試薬は、リチオ化合物1モルに対して、0.8から3.0モル用いることが好ましく、1.0から2.0モル用いることがより好ましい。反応温度は−100から50℃が好ましく、−80から20℃がより好ましい。反応時間は10分から20時間が好ましく、30分から10時間がより好ましい。
上記のホウ素化合物の合成において、例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いることができる。
また、上記のホウ素化合物と塩化シアヌルと反応において、塩化シアヌルは、ホウ素化合物1モルに対して、0.7から1.5モル用いることが好ましく、0.8から1.2モル用いることがより好ましい。反応温度は−30から70℃が好ましく、−10から40℃がより好ましい。反応時間は10分から10時間が好ましく、30分から5時間であることがより好ましい。なお、ホウ素化合物に塩化シアヌルを投入してもよく、塩化シアヌルの溶液にホウ素化合物を投入してもよい。
上記のホウ素化合物と塩化シアヌルの反応において、パラジウム触媒およびアルカリを用いることが好ましく、必要に応じて配位子を添加しても良い。
前記パラジウム触媒としては、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、(ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウムジクロリド−塩化メチレン錯体等が挙げられる。
前記アルカリとしては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩等の無機塩基;トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
前記配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2,2‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2,6‘−ジメトキシビフェニル等の有機リン系配位子等が挙げられる。
上記のホウ素化合物と塩化シアヌルの反応において、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メタノール、2−プロパノール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等の有機溶媒を用いることができる。前記有機溶媒は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。さらに、前記有機溶媒と水との混合溶媒を用いることができる。
<フリーデル・クラフツ反応による塩化シアヌル誘導体の合成>
前記工程(A)において、フリーデル・クラフツ反応により、塩化シアヌル誘導体を合成する場合、米国特許第5322941号等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。前記工程(A)における芳香族化合物のZは水素原子、n=0で表される芳香族化合物を使用することができる。塩化アルミニウム等のルイス酸の存在下、芳香族化合物と塩化シアヌルを反応させることにより塩化シアヌル誘導体を合成することができる。
前記ルイス酸としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩化チタン(IV)、塩化スズ(IV)、塩化亜鉛、ビスマス(III)トリフラート、ハフニウム(IV)トリフラート、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等を用いることができる。
上記の芳香族化合物と塩化シアヌルの反応において、塩化シアヌルは、芳香族化合物1モルに対して、0.7から1.5モル用いることが好ましく、0.8から1.2モル用いることがより好ましい。塩化アルミニウムは、芳香族化合物1モルに対して、1.0から3.0モル用いることが好ましく、1.0から2.0モル用いることがより好ましい。反応温度は−50から60℃が好ましく、0から40℃がより好ましい。反応時間は10分から10時間が好ましく、30分から5時間であることがより好ましい。なお、芳香族化合物と塩化シアヌルの溶液に塩化アルミニウムを加えてもよく、塩化シアヌルと塩化アルミニウムの溶液に芳香族化合物を加えてもよい。
上記の芳香族化合物と塩化シアヌルの反応において、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、キシレン等の溶媒を用いることができる。
<トリアジンペルオキシド誘導体の合成>
前記工程(B)において、一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体の製造方法は、特に限定されないが、特公昭45−39468号公報等に記載の公知のトリアジンペルオキシドの合成法に準じて合成することができる。
上記の工程(A)で得られた塩化シアヌル誘導体と、ヒドロペルオキシドを、アルカリの存在下で、反応させる工程(B)により、トリアジンペルオキシド誘導体が得られる。
前記工程(B)において、ヒドロペルオキシドは、塩化シアヌル誘導体1モルに対して、目的物の収率性を高める観点から、1.8モル以上反応させることが好ましく、2.0モル以上反応させることがより好ましく、そして、5.0モル以下反応させることが好ましく、3.8モル以下反応させることがより好ましい。なお、ヒドロペルオキシドは、市販品を利用でき、市販品がない場合、特開昭58−72557号公報等に記載の公知の合成法に準じて合成することができる。
前記工程(B)において、反応温度は、目的物の収率性を高める観点から、−10℃以上であることが好ましく、0℃以上であることがより好ましく、そして、40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましい。
前記工程(B)において、反応時間は、原料や反応温度等によって異なるので一概には決定できないが、通常、目的物の収率性を高める観点から、10分から6時間が好ましい。
前記工程(B)において、使用するアルカリは、特に制限はないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピリジン、α―ピコリン、γ―ピコリン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。アルカリは、塩化シアヌル誘導体1モルに対して、目的物の収率性を高める観点から、1.8モル以上使用することが好ましく、2.0モル以上使用することがより好ましく、そして、5.0モル以下使用することが好ましく、3.8モル以下使用することがより好ましい。
前記工程(B)では、塩化シアヌル誘導体が液状である場合は、有機溶媒を用いずに反応を行うことができる。また、塩化シアヌル誘導体が固体である場合は、有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、塩化シアヌル誘導体の種類により溶解度が異なるため、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。前記有機溶媒は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量は、通常、原料の合計量100質量部に対して30〜500質量部程度である。有機溶媒は工程(B)の後に留去することで、トリアジンペルオキシド誘導体を取り出してもよく、取り扱い性の向上や熱分解時の危険性を低減させるため、トリアジンペルオキシド誘導体を有機溶媒の希釈品として使用してもよい。
前記工程(B)は、常圧下で、空気下で行うことができるが、窒素気流下または窒素雰囲気下で行ってもよい。
前記精製工程としては、余剰の原料や副生物を除去するために、例えば、イオン交換水や、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性水溶液、亜硫酸ナトリウム水溶液等を用いて洗浄し、目的物を精製する工程が挙げられる。
また、本実施形態の粘着性組成物は、上記のトリアジン系光重合開始剤以外にも、他の重合開始剤を用いることで、重合性組成物の表面硬化性、深部硬化性、透明性等を改良することができる。他の重合開始剤の選択に当たっては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ラジカル重合性化合物、その他添加剤の種類、硬化物の膜厚等が考慮される。
他の重合開始剤としては、公知のものが使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒロドキシ−1−(4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン等のα―ヒドロキシアセトフェノン誘導体;2−メチル−4’−メチルチオ−2−モルホリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン等のα―アミノアセトフェノン誘導体;ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、エチル(メシチルカルボニル)フェニルホスフィナート等のアシルホスフィンオキサイド誘導体;1−[4−(フェニルチオ)フェニル]オクタン−1,2−ジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[({1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エチリデン}アミノ)オキシ]エタノン、等のオキシムエステル誘導体;2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等のハロメチルトリアジン誘導体;2,2−ジメトキシ−2−フエニルアセトフエノン等のベンジルケタール誘導体;イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、4−(4−メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;3−ベンゾイルー7−ジエチルアミノクマリン、3,3‘−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等のクマリン誘導体;2−(2−クロロフェニル)−1−[2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル]−4,5−ジフェニルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;3,3‘、4,4’−テトラキス(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;カンファーキノン等が挙げられる。他の重合開始剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記トリアジン系光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、0.01から40質量部であることが好ましく、0.05から20質量部であることがより好ましく、0.1から10質量部であることがさらに好ましい。トリアジン系光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、0.01質量部未満では硬化反応が進行しないため好ましくない。また、トリアジン系光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、40質量部より多い場合、(メタ)アクリル酸エステル共重合体への溶解度が飽和に達し、重合性組成物の成膜時に光重合開始剤の結晶が析出し、皮膜表面の荒れが問題になる場合や、光重合開始剤自身の光吸収により、硬化物の深部まで光が到達しないため、好ましくない。
なお、前記トリアジン系光重合開始剤に、前記他の重合開始剤を含む場合、他の重合開始剤の割合は、トリアジン系光重合開始剤中、80質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
<ラジカル重合性化合物>
本実施形態の粘着性組成物には、さらにラジカル重合性化合物を含有させることができる。ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を好ましく用いることができる。ラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、イタコン酸エステル類、桂皮酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルケトン類、アリルエーテル類、アリルエステル類、N−置換マレイミド類、N−ビニル化合物類、不飽和ニトリル類、オレフィン類等が挙げられる。これらの中でも、反応性が高い(メタ)アクリル酸エステル類を含むことが好ましい。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、単官能化合物および多官能化合物を使用することができる。単官能化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル酸と脂環族アルコールとのエステル化合物;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有するモノマー;メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等の鎖状または環状のエーテル結合を有するモノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−ビニル−2−ピロリドン等の窒素原子を有するモノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマー;リン酸2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル等のリン原子を有するモノマー;3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のケイ素原子を有するモノマー;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有するモノマー;(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)、マレイン酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)、ω−カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有するモノマー等が挙げられる。
前記多官能化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)フェニル)フルオレン等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物;ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルチオフェニル)スルフィド、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸ジルコニウム、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
前記ラジカル重合性化合物は、接着力の向上や耐熱性の向上という観点から、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドンが好ましい。
(その他添加剤等)
粘着性組成物中には、適宜、増感剤(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジブトキシアントラセン、9−フェニルアクリジン、クマリン、ケトクマリン、アクリジンオレンジ、カンファーキノン等)、架橋剤、架橋促進剤、シランカップリング剤、粘着付与樹脂(ロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノールなど)、老化防止剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を、本実施形態の特性を損なわない範囲で用いることができる。また、本実施形態の粘着層を形成する際には、各種の一般的な溶剤を用いることもできる。
<粘着シート>
本実施形態の粘着シートは、粘着性組成物を粘着層に用いた粘着シートである。粘着シートの代表的な構成は、透明基材の一方の面に粘着性組成物からなる粘着層と基材とがこの順に積層されているものである。粘着シートは、粘着層を硬化させて使用する。粘着層を硬化させることにより、糊残りや液だれ等の発生を抑制することができる。後記する片面基材粘着用シート及び両面基材粘着用シートは、粘着シートの形成における中間産物に該当する。
粘着層の膜厚は10〜1000μmであることが好ましく、50〜500μmであることがより好ましい。粘着層の膜厚が10μmよりも薄いと硬化した粘着層が段差や凹凸に追随しにくくなるため好ましくない。また、粘着層の膜厚が1000μmよりも厚いと、大面積での加工が困難になるため好ましくない。
(基材)
粘着性組成物を塗布する透明基材には、全光線透過率が70%以上である基材を使用することが出来る。透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースなどのセルロースフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリウレタンアクリレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン− 酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム、液晶ポリマーフィルム等のプラスチックフィルム等を使用できる。
また、粘着層の上に積層される基材としては、上記透明基材の他に、全光線透過率が70%未満である不透明基材を使用することも出来る。例えば、上質紙、グラシン紙等の紙、 アルミニウム、銅、鉄の金属箔,硝子繊維、天然繊維、合成繊維等からなる織物や不織布等を使用できる。
これらの透明基材又は不透明基材の片面、又は両面には、離型処理層や易接着層、ハードコート層や反射防止層、透明導電層、電磁波遮蔽層等の機能層が設けられていても良い。基材の厚みは、好ましくは10〜500μmである。基材の厚みが10μmより薄い場合や500μmより厚い場合には、使用時における取り扱い性が低下して好ましくない。
透明基材の一方の面に粘着性組成物からなる粘着層と基材とがこの順に積層されている粘着シートの場合、その使用時に透明基材と基材の少なくとも一方を剥がして粘着シートを対象物に貼り付けるため、透明基材と基材の少なくとも一方が容易に剥離可能であることが好ましい。
また、粘着層表面の平滑性を高めるという理由から、基材の粘着層と接する面は、表面粗さRaが0.01μm未満であることが好ましい。
<片面基材粘着用シートの形成>
片面基材粘着用シートは、透明基材の一方の面に粘着性組成物を塗布して粘着層を形成することで作製される。
<両面基材粘着用シートの形成>
両面基材粘着用シートは、片面基材粘着用シートの粘着層の上に基材を積層することで作製される。
<粘着シートの形成>
粘着シートは、前記の両面基材粘着用シートの粘着層を硬化させることによって作製される。また、粘着シートは、前記の片面基材粘着用シートの粘着層を硬化させた後に、当該粘着層上に基材を積層することで作製される。なお、両面基材粘着用シートの粘着層を硬化させる方が、片面基材粘着用シートの粘着層を硬化させた後に基材を積層する場合と比べて、粘着層の平滑性を向上させることができるため好ましい。
粘着性組成物の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、リバースコート法、ブレードコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法等公知の塗布方法を採用できる。
粘着性組成物からなる粘着層を硬化させる方法は特に制限されず、熱または電子線、紫外線、可視光線、放射線等の活性エネルギー線の照射により、硬化物を得ることができるものである。
活性エネルギー線は、活性エネルギー線の波長が250から450nmの光であることが好ましく、硬化を迅速に行うことができる観点から、350から410nmの光であることがより好ましい。
前記光照射の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線無電極ランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、太陽光、YAGレーザー等の固体レーザー、半導体レーザー、アルゴンレーザー等のガスレーザー等を使用することができる。なお、トリアジン系光重合開始剤の吸収が少ない可視光から赤外光の光を用いる場合には、前記添加剤として、その光を吸収する増感剤を使用することにより効果的に硬化を行なうことができる。
前記活性エネルギー線の露光量は、活性エネルギー線の波長や強度、重合性組成物の組成に応じて適宜設定すべきである。一例として、UV−A領域での露光量は、10〜5,000mJ/cmであることが好ましく、30〜1,000mJ/cmであることがより好ましい。なお、上記の硬化物の製造方法として、デュアルキュア工程を適用して、前記活性エネルギー線で照射する工程の後に、加熱する工程を行う場合、トリアジン系光重合開始剤が、活性エネルギー線により完全に分解しないように、露光量を適宜設定すべきである。
上記の重合性組成物を加熱する工程は、熱によりトリアジン系光重合開始剤を分解させて、硬化物を得ることができる。
前記重合性組成物を加熱する工程において、加熱する手法は、例えば、加熱、通風加熱等が挙げられる。加熱の方式としては、特に制限されることはないが、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線照射、電磁波照射等が挙げられる。また、通風加熱の方式としては、例えば、送風式乾燥オーブン等が挙げられる。
前記重合性組成物を加熱する工程において、加熱温度は高いほど、トリアジン系光重合開始剤の分解速度は加速される。
一方、加熱温度は低いほど、トリアジン系光重合開始剤の分解速度は遅いため、硬化に長時間を必要とする。よって、加熱温度と加熱時間は、前記粘着性組成物の組成により適宜設定すべきである。一例として、加熱温度は、50〜230℃であることが好ましく、100〜160℃であることがより好ましい。また、前記粘着性組成物に、前記硬化促進剤を配合する場合には、その種類や配合量により、加熱温度は室温から160℃で任意に調整することができる。一方、加熱時間は1〜180分であることが好ましく、5〜120分であることがさらに好ましい。
前記硬化物の製造方法として、前記デュアルキュア工程を適用する場合、特に、粘着性組成物を活性エネルギー線で照射する工程の後に、加熱する工程を行うことが、光を吸収や散乱する着色顔料を高濃度に含む重合組成物の塗膜の深部や、光が遮光されて光が届いていない箇所の硬化を効率よく行なうことができるため、好ましい。
また、前記粘着性組成物に前記溶媒を含む場合、前記硬化物の製造方法は、乾燥工程を含むことができる。特に、粘着性組成物を基板上に塗布後に、続いて、前記活性エネルギー線で照射する工程を適用する場合、当該活性エネルギー線で照射する工程の前に、乾燥工程を設けることが好ましい。
前記乾燥工程において、溶媒を乾燥させる手法は、例えば、加熱乾燥、通風加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。加熱乾燥の方式としては、特に制限されることはないが、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線照射、電磁波照射等が挙げられる。また、通風加熱乾燥の方式としては、例えば、送風式乾燥オーブン等が挙げられる。
また、前記乾燥工程において、粘着性組成物の温度は、溶媒の蒸発潜熱によって、乾燥の設定温度よりも低くなるため、粘着性組成物のゲル化するまでの時間を長く確保することができる。このゲル化するまでの時間は、乾燥手法や膜厚等にも影響されるため、溶媒の選定を含めて乾燥温度と時間は適宜設定すべきである。一例として、乾燥温度は、20〜120℃であることが好ましく、40〜100℃であることがより好ましい。乾燥時間は1〜60分であることが好ましく、1〜30分であることがより好ましい。また、前記重合禁止剤を使用することで、ゲル化までの時間を長く確保することもできる。
なお、前記トリアジンペルオキシド誘導体は熱により分解するが、80℃で5分加熱した際の当該化合物の分解率は0.1%程度であるため、この程度の条件であれば重合性組成物が増粘やゲル化することはあまりない。
本実施形態の粘着性組成物は、光重合開始剤にトリアジンペルオキシド誘導体を用いているため、高圧水銀ランプやLEDから放射される365nm等の光を十分に吸収することができ、且つ、トリアジンペルオキシド誘導体自身が光分解することにより光重合開始剤自身の光吸収が軽減され、光が深部まで到達することができる。そのため、厚膜化した場合においても、高い硬化性を有し、その硬化物において優れた密着力、段差追随性を有し、湿熱条件下でも白化や黄変の少ない粘着性組成物を提供することができる。
<表示体構成部材>
本実施形態に係る粘着シートは、表示体構成部材として利用することができる。例えば、2枚の表示体構成部材を貼合するときは、2枚の表示体構成部材の間に粘着層を備えた形態で使用される。当該粘着層は、その後本硬化(架橋)させることによって2枚の表示体構成部材を強固に固着させることができる。ここで、表示体構成部材とは、例えば、液晶(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ、電子ペーパー等の表示体を構成する部材のことである。具体的には、保護パネルや、液晶パネル、タッチパネル等の構成部材や、飛散防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、コントラスト向上フィルム、液晶ポリマーフィルム、拡散フィルム、半透過反射フィルム、透明導電性フィルム等の各種光学部材が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)(メタ)アクリル酸エステル共重合体の合成
[合成例1:(メタ)アクリル酸エステル共重合体1の合成]
モノマー成分として、n−ブチルアクリレート75質量部と、メチルメタクリレート15質量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部、重合溶媒として、酢酸エチル150質量部、重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル2質量部を4口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で70℃、8時間反応させ、さらに80℃で1時間反応させることによりの重量平均分子量40万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体1を得た。
[合成例2:(メタ)アクリル酸エステル共重合体2の合成]
モノマー成分として、n−ブチルアクリレート75質量部と、メチルメタクリレート15質量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10質量部の代わりに、2−エチルヘキシルアクリレート75質量部と、酢酸ビニル20質量部と、アクリル酸5質量部を用いたこと以外は、合成例1と同様に合成し、重量平均分子量45万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体2を得た。
(2)トリアジン系光重合開始剤(トリアジンペルオキシド誘導体)の合成
[合成例1:化合物23(PI−1)の合成]
ヒートドライ乾燥した500mL三つ口フラスコに、マグネシウム1.69g(69.5mmol)、脱水テトラヒドロフラン57mL、触媒量のヨウ素を入れ、室温下で撹拌した。ここに、1−ブロモナフタレン7.07g(50.7mmol)と脱水テトラヒドロフラン57mLの混合溶液を滴下した後、還流撹拌させた。1時間後、内温を−60℃以下まで冷却した。別途調製した塩化シアヌル8.92g(48.4mmol)と脱水テトラヒドロフランの混合溶液を15分かけ滴下した。その後、30分かけて室温にあげ、水浴下で撹拌した。62時間後、反応液を氷浴で冷却し、1M塩酸を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを8に調整した。次いで、イオン交換水160mLを加え、酢酸エチルで抽出した。油相を飽和食塩水で1回洗浄した後、硫酸マグネシウムで脱水した。ろ過後、油相を減圧下で濃縮し、粗体14.6gを得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1から1/3)で精製し、5.14g(収率38%)の2,4−ジクロロ−6−(1−ナフタレニル)−1,3,5−トリアジンを得た。
30mLナスフラスコにイオン交換水0.815g、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.272g(3.26mmol)を加え、30℃以下で69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液0.343g(2.61mmol)を徐々に加えた。ここに、2,4−ジクロロ−6−(1−ナフタレニル)−1,3,5−トリアジン0.300g(1.09mmol)とテトラヒドロフラン3mLの混合溶液を、10℃で10分かけて滴下し、20℃にて2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を氷水50mLに投入した。析出した結晶をろ過し、イオン交換水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、0.216g(収率52%)で本発明の化合物23を得た。得られた化合物23の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例2:化合物25(PI−2)の合成]
300mLナスフラスコに、1−メトキシナフタレン5.01g(31.7mmol)、脱水ジクロロメタン100mL、塩化シアヌル6.12g(33.2mmol)を入れ、氷浴下撹拌した。15分後、塩化アルミニウム4.43g(33.2mmol)を加え、室温に昇温した。1時間後、反応液を氷冷1M塩酸75mLに注ぎ、水相を分液した。油相を飽和食塩水100mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて脱水した。ろ過後、減圧濃縮し、粗体を9.59gの黄色固体を得た。粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/トルエン=4/1から1.5/1)で精製し、8.05g(収率83%)の2,4−ジクロロ−6−(4−メトキシ−1−ナフタレニル)−1,3,5−トリアジンを得た。
30mLナスフラスコにイオン交換水0.245g、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.0817g(0.98mmol)を加え、30℃以下で69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液0.103g(0.78mmol)を徐々に加えた。ここに、2,4−ジクロロ−6−(4−メトキシ−1−ナフタレニル)−1,3,5−トリアジン0.100g(0.33mmol)とテトラヒドロフラン2mLの混合溶液を、10℃で10分かけて滴下し、20℃にて4時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル50mL、イオン交換水50mLを添加した後に、水相を分液した。油相を5%水酸化ナトリウム水溶液およびイオン交換水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、油相を減圧下で濃縮し、0.125g(収率93%)の本発明の化合物25を得た。得られた化合物25の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例3:化合物26(PI−3)の合成]
本発明の化合物26は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、2−ブロモ−6−メトキシナフタレンに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物26の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例4:化合物31(PI−4)の合成]
本発明の化合物31は、合成例2に記載の1−メトキシナフタレンを、1−エトキシナフタレンに変更したこと以外は、合成例2に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物31の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例5:化合物32(PI−5)の合成]
本発明の化合物32は、合成例2に記載の69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を、85質量%tert−アミルヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例2に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物32の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例6:化合物35(PI−6)の合成]
本発明の化合物35は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニルに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物35の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例7:化合物37(PI−7)の合成]
本発明の化合物37は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニルに、及び69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を85質量%tert−アミルヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物37の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例8:化合物38(PI−8)の合成]
本発明の化合物38は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニル、及び69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を90質量%tert−ヘキシルヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物38の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例9:化合物40(PI−9)の合成]
本発明の化合物40は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモ−4’−メトキシビフェニルに、及び69質量%tert−ブチルヒドロペルオキシド水溶液を80質量%クメンヒドロペルオキシドに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物40の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例10:化合物41(PI−10)の合成]
本発明の化合物41は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、4−ブロモスチルベンに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物41の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
[合成例11:化合物44(PI−11)の合成]
本発明の化合物44は、合成例1に記載の1−ブロモナフタレンを、p−(2−ブロモ)ビニルアニソールに変更したこと以外は、合成例1に記載の方法に準じて合成した。得られた化合物44の性状、EI−MSおよびH−NMRによる分析結果を表1および表2に示す。
Figure 2019172919
Figure 2019172919
また、公知の光重合開始剤として、化合物R1、化合物R2および化合物R3を使用した。なお、化合物R1は特開昭59−197401号公報に記載の製法に準じて合成し、EI−MSおよびH−NMRによって同定した。
化合物R1:3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン
化合物R2:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(BASF製)
化合物R3:エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム) (BASF製)
(実施例1−1〜1−14および比較例1−1〜1−3)
<粘着性組成物の製造>
攪拌釜に上述の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、光重合開始剤、ラジカル重合性化合物および添加剤を表3、表4に示す配合割合で混合、攪拌し、実施例1−1〜1−14および比較例1−1〜1−3の粘着性組成物を得た。これらの粘着性組成物について、下記に示す粘着シートを作成し、各種性能評価を行った。
なお、実施例および比較例に記載の略号等の詳細は以下の通りである。
IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業製「IBXA」)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業製「NKエステルA−TMPT」)
KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−403」)
Figure 2019172919
Figure 2019172919
<粘着シートの製造>
(実施例2−1)
基材(F−1(帝人フィルムソリューション製#31))上に実施例1−1の粘着性組成物をダイコーターにより膜厚が60μmとなるように塗工し、90℃2分間で乾燥させた後、粘着層上へ基材(F−2(帝人フィルムソリューション製#54))を載せ、ラミネートを行い両面基材粘着用シートを得た。得られた両面基材粘着用シートへ、365nmLED光源を用いて紫外線照射(1000mJ/cm)を行い、粘着性組成物を硬化させ、粘着シートを得た。
(実施例2−2〜2−14、比較例2−1〜2−3)
各粘着性組成物を表に記載した材料とした以外は実施例2−1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例2−15)
膜厚を表に記載した膜厚に変更した以外は実施例2−1と同様にして粘着シートを得た。
<評価方法>
各実施例及び比較例において得られた粘着性組成物及び粘着シートを下記記載の方法によってその性質を評価した。評価結果は表5および表6に示した。
(λmax、ε365)
λmaxとは、最大吸収波長(nm)である。
ε365とは、365nmにおけるモル吸光係数(L・mol-1・cm-1)である。
表に記載される化合物のアセトニトリル溶液について、UV−VISスペクトル測定装置(1.0cm石英セル、島津製作所製、UV−2450)を用いて、波長200から600nmにおけるUV−VISスペクトルを測定した。そのUV−VISスペクトル結果からλmaxおよびε365を算出した。
(硬化性)
粘着シートの基材(F−1)を剥がす際に、粘着層と基材との界面を目視にて観察した。
A: 基材をスムーズに剥がすことができ、基材に糊残りがない。
B: 基材をスムーズに剥がすことができるが、基材に若干糊残りがある。
C: 基材を剥がす際に基材と粘着層の界面で糸を引き、基材に糊残りがある。
(密着力)
粘着シートの基材(F−1)を剥がした後、厚み100μmのPETフィルムに貼り合わせ、25mmの幅に裁断した。裁断した25mm幅のサンプルの、PETフィルムとは反対側の基材(F−2)を剥がし、無アルカリガラスに貼り合わせ、23℃、50%RHにて24時間静置後、卓上型材料試験機((株)オリエンテック製STA−1150)を用いて密着力の測定を行った(剥離速度:300mm/min、180℃ピール力試験)。
○:15N/20mm以上
×:15N/20mm未満
−:粘着層が硬化しなかったため、試験不能
(段差追随性)
厚み100μmのPETフィルムに銀インキにて段差が30μmになるように印刷処理を行った。粘着シートの基材(F−1)を剥がした後、粘着シートの粘着層と印刷処理を行ったPETフィルムの印刷面とが接するようにラミネーターを用いて貼り合わせ、オートクレーブ(サクラ精機(株)製TAC−200)にて50℃、0.5Mpa、20分処理を行い、23℃、50%RHにて24時間静置後、目視にて観察を行った。
○:粘着シートが印刷面の段差部に隙間なく接している。
×:印刷面の段差周りにて粘着シートの浮きが発生している。
−:粘着層が硬化しなかったため、試験不能
(耐湿熱性)
粘着シートの基材(F−1)を剥がした後、厚み100μmのPETフィルムに貼り合わせ、縦50mm、横50mm の大きさに裁断した。裁断したサンプルの、PETフィルムとは反対側の基材(F−2)を剥がし、縦75mm、横75mmの大きさの無アルカリガラスに貼り合わせた。無アルカリガラス側から、365nmLED光源を用いて紫外線照射(1000mJ/cm)を行い、耐湿熱性試験サンプルとした。23℃、50%RHにて24時間静置後、得られたガラスサンプルのヘイズ値をヘイズメーター(日本電色工業製NDH2000)にて測定し、bの値を分光測色計(CM−3500d、ミノルタカメラ製)を用いてL表色系の値をJIS−Z−8722に従って、透過法にて測定した。
測定後、ガラスサンプルを60℃、95%RHの恒温恒湿試験機内にて1000時間静置した。その後、ガラスサンプルを恒温恒湿試験機から取り出し、23℃、50%RHにて30分静置した後に、ガラスサンプルの外観を目視にて観察し、ヘイズ値およびb値を測定した。
○:ガラスサンプルの外観に剥れや、粘着性組成物の液ダレ等の異常が無く、恒温恒湿試験機での処理前後でのヘイズ値の変化率[(処理前のヘイズ値−処理後のヘイズ値)/処理前のヘイズ値]が±3%未満、且つ、処理前後でのb値の変化率[(処理前のb値−処理後のb値)/処理前のb値]が1.0%未満
×:ガラスサンプルの外観に剥れや、粘着性組成物の液ダレ等の異常がある。もしくは、恒温恒湿試験機での処理前後でのヘイズ値の上記変化率が±3%以上、または、処理前後でのb値の上記変化率が1.0%以上
−:粘着層が硬化しなかったため、試験不能
Figure 2019172919
Figure 2019172919
表5及び表6に示されるとおり、各実施例の粘着性組成物は優れた硬化性、密着力、段差追随性、及び耐湿熱性を有していた。一方、各比較例の粘着性組成物は、硬化性、密着力、段差追随性、及び耐湿熱性の少なくとも一つにおいて劣った結果を示した。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸エステル共重合体と光重合開始剤を含有する粘着性組成物であって、
    前記光重合開始剤が、下記一般式(1)で表されるトリアジンペルオキシド誘導体であることを特徴とする粘着性組成物。
    Figure 2019172919
    (式(1)中、RおよびRは独立してメチル基またはエチル基を表す。Rは炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。Xは下記一般式(2):Ar、Ar、ArまたはArで表されるアリール基である。nは0から2の整数を表す。)
    Figure 2019172919
    (式(2)中、mは0から3の整数を表す。Rは、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、一般式(3):R−Y−で表される置換基、ニトロ基、またはシアノ基を表す。前記Yは、酸素原子または硫黄原子を表す。前記Rは、炭素骨格中に、エーテル結合、チオエーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、Rは隣接する2つの前記一般式(3):R−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。)
  2. 前記一般式(2)中、
    (式(2)中、mは0から3の整数を表す。Rは、独立した置換基であって、炭素数1から6のアルキル基、または一般式(3):R−Y−で表される置換基を表す。前記Yは、酸素原子を表す。前記Rは、炭素骨格中に、エーテル結合、および、末端に水酸基のいずれか1つ以上を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基、またはアルキル基を有してもよい炭素数6〜9の芳香族炭化水素基を表す。あるいは、Rは隣接する2つの前記一般式(3):R−Y−により5〜6員環を形成する炭化水素基を表す。)
    であることを特徴とする請求項1に記載の粘着性組成物。
  3. 前記光重合開始剤の最大吸収波長λmax(nm)が310nm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着性組成物。
  4. さらにラジカル重合性化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着性組成物を粘着層に用いた粘着シート。
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