JP2019172800A - 炭素材料前駆体組成物、その製造方法、及びそれを用いた炭素材料の製造方法 - Google Patents
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本発明に用いられる炭素材料前駆体は、共重合成分としてカルボキシル基を有するビニル系モノマー単位を含有するアクリルアミド系共重合体からなるものである。このカルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体は、全モノマー単位100モル%に対して、アクリルアミド系モノマー単位を50モル%以上の割合で含有するものである。アクリルアミド系モノマー単位の含有量が前記下限未満になると、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体が後述する水性溶媒又は水系混合溶媒に溶解しにくくなる。また、このようなカルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体の水性溶媒又は水系混合溶媒に対する可溶性が向上し、また、炭素材料前駆体の炭化収率が向上するという観点から、アクリルアミド系モノマー単位の含有量の下限としては、60モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上が特に好ましい。一方、アクリルアミド系モノマー単位の含有量の上限は、全モノマー単位100モル%に対して99.5モル%以下である。アクリルアミド系モノマー単位の含有量が前記上限を超えると、相対的にカルボキシル基を有するビニル系モノマー単位の含有量が少なくなるため、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体に架橋構造に導入されず、炭化処理前の所望の形状が保持された炭素材料を得ることが困難となる。また、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体に架橋構造が十分に導入され、炭化処理前の所望の形状が十分に保持された炭素材料が得られ、さらには、炭素材料前駆体の炭化収率が向上するという観点から、アクリルアミド系モノマー単位の含有量の上限としては、99モル%以下が好ましく、97モル%以下がより好ましく、95モル%以下が更に好ましく、90モル%以下が特に好ましい。
本発明に用いられる添加成分は、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体のカルボキシル基と前記多官能性アミノ基含有化合物の多官能性アミノ基との脱水反応において触媒として作用するものである。前記酸としては、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、硫酸、硝酸、炭酸等の無機酸、シュウ酸、クエン酸、スルホン酸等の有機酸が挙げられる。また、このような酸の塩としては、金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、アンモニウム塩、アミン塩が好ましく、アンモニウム塩がより好ましい。特に、これらの添加成分のうち、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体のカルボキシル基と多官能性アミノ基含有化合物の多官能性アミノ基との反応において高い触媒活性が得られるという観点から、リン酸、ホウ酸、硫酸及びそれらの塩が好ましく、リン酸、ホウ酸、硫酸、及びそれらのアンモニウム塩がより好ましい。また、得られる炭素材料前駆体の炭化収率が更に向上するという観点から、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、硫酸、及びこれらのアンモニウム塩が好ましく、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、及びこれらのアンモニウム塩がより好ましく、リン酸、ポリリン酸、リン酸のアンモニウム塩、ポリリン酸のアンモニウム塩が特に好ましい。
本発明に用いられる多官能性アミノ基含有化合物は、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体とイオン結合を形成し、更に脱水反応して共有結合し、架橋構造を形成するものである。このような多官能性アミノ基含有化合物としては、例えば、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン等の芳香族ジアミン;ジアミノヘキサン、ジアミノオクタン等の脂肪族ジアミン;ジアミノシクロヘキサン等の脂環式ジアミンが挙げられる。このような多官能性アミノ基含有化合物は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、これらの多官能性アミノ基含有化合物の中でも、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体との反応性の観点から、フェニレンジアミン、ジアミノヘキサン、ジアミノオクタンが好ましい。
本発明の炭素材料前駆体組成物は、前記カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体からなる炭素材料前駆体と前記添加成分と前記多官能性アミノ基含有化合物とを含有するものである。また、このような本発明の炭素材料前駆体組成物においては、前記カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体のカルボキシル基と前記多官能性アミノ基含有化合物の多官能性アミノ基とが共有結合を形成していることが好ましい。これにより、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体中に架橋構造が導入されるため、カルボキシル基含有アクリルアミド系共重合体の軟化が抑制され、炭化処理前の所望の形状が保持された炭素材料を得ることができる。
次に、本発明の炭素材料の製造方法について説明する。本発明の炭素材料の製造方法においては、前記本発明の炭素材料前駆体組成物に不活性雰囲気下(窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス中)、500〜3000℃(好ましくは500〜2500℃、より好ましくは1000〜2000℃)の温度で加熱処理を施して炭化処理を行う。これにより、炭化処理前の所望の形状が十分に保持された炭素材料を得ることができる。また、炭化処理における加熱時間としては1分間〜10時間が好ましい。
アクリルアミド(AAm)5g(70mmol)とアクリル酸(AA)0.62g(8.6mmol)を水90gに溶解した後、真空ポンプを用いて減圧と窒素ガス導入とを繰り返して窒素置換を行なった。次いで、窒素気流下で過硫酸カリウム水溶液(過硫酸カリウム75mgを水1.1mlに溶解したもの)及びテトラメチルエチレンジアミン75μlを添加し、さらに窒素置換を行なった後、窒素気流下でマグネチックスターラーを用いて攪拌した。攪拌開始から30分経過後、粘度上昇により撹拌子が回転しなくなったが、そのまま12時間反応を継続した。その後、水150mlを添加し、メカニカルスターラーを用いて均一に攪拌して、アクリルアミド/アクリル酸共重合体(PAAm/AA(90mol%:10mol%))の水溶液(PAAm濃度:23g/L)を得た。
アクリル酸(AA)の量を0.26g(3.6mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして、アクリルアミド/アクリル酸共重合体(PAAm/AA(95mol%:5mol%))の水溶液(PAAm濃度:22g/L)を得た。なお、この合成においては、反応時の粘度上昇は見られず、マグネチックスターラーによる攪拌を12時間継続した。
アクリルアミド(AAm)10g(140mmol)を水90gに溶解した後、真空ポンプを用いて減圧と窒素ガス導入とを繰り返して窒素置換を行なった。次いで、窒素気流下で過硫酸カリウム水溶液(過硫酸カリウム50mgを水1.1mlに溶解したもの)及びテトラメチルエチレンジアミン50μlを添加し、さらに窒素置換を行なった後、窒素気流下でマグネチックスターラーを用いて攪拌した。攪拌開始から30分経過後、粘度上昇により撹拌子が回転しなくなったが、そのまま12時間反応を継続した。その後、水350mlを添加し、メカニカルスターラーを用いて均一に攪拌して、アクリルアミド単独重合体(PAAm)の水溶液(PAAm濃度:22g/L)を得た。
合成例1で得られたPAAm/AA(90mol%:10mol%)水溶液1.1gにリン酸0.9mg及びp−フェニレンジアミン(p−PDA)4.9mgを添加して溶解した。なお、一部のp−フェニレンジアミンは一部のリン酸によって中和され、中和されたp−フェニレンジアミンはPAAm/AAとの架橋反応に関与しないため、この中和反応によって消費されたp−フェニレンジアミンの量(リン酸を3価の酸として計算)を考慮すると、前述した量のp−フェニレンジアミンを添加することによって、PAAm/AAとの架橋反応に関与するp−フェニレンジアミンの量は1等量となる。また、前記中和反応において消費されたリン酸も、PAAm/AAとp−フェニレンジアミンとの架橋反応における触媒として作用しないため、前記中和反応によって消費されたリン酸の量を考慮すると、前述した量のリン酸を添加することによって、PAAm/AAとp−フェニレンジアミンとの架橋反応における触媒として作用するリン酸の量は、PAAm/AA(90mol%:10mol%)100質量部に対して2質量部となる。このようにして得られた水溶液を直径40mmのテフロン(登録商標)製のシャーレに入れ、70℃の恒温槽中で1時間乾燥させ、さらに真空乾燥を施して、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とp−フェニレンジアミンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。
p−フェニレンジアミンの量を3.25mgに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とp−フェニレンジアミンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。なお、実施例1と同様に、中和反応によって消費されたp−フェニレンジアミンの量を考慮すると、前述した量のp−フェニレンジアミンを添加することによって、PAAm/AAとの架橋反応に関与するp−フェニレンジアミンの量は0.5等量となる。
p−フェニレンジアミンの量を6.75mgに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とp−フェニレンジアミンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。なお、実施例1と同様に、中和反応によって消費されたp−フェニレンジアミンの量を考慮すると、前述した量のp−フェニレンジアミンを添加することによって、PAAm/AAとの架橋反応に関与するp−フェニレンジアミンの量は1.5等量となる。
p−フェニレンジアミンの代わりにジアミノヘキサン(DAH)5.2mgを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とジアミノヘキサンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。なお、実施例1と同様に、中和反応によって消費されたジアミノヘキサンの量を考慮すると、前述した量のジアミノヘキサンを添加することによって、PAAm/AAとの架橋反応に関与するジアミノヘキサンの量は1等量となる。
ジアミノヘキサンの量を9mgに変更した以外は実施例4と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とジアミノヘキサンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。なお、実施例1と同様に、中和反応によって消費されたジアミノヘキサンの量を考慮すると、前述した量のジアミノヘキサンを添加することによって、PAAm/AAとの架橋反応に関与するジアミノヘキサンの量は2等量となる。
比較合成例1で得られたPAAm水溶液1.1gを直径40mmのテフロン(登録商標)製のシャーレに入れ、70℃の恒温槽中で1時間乾燥させ、さらに真空乾燥を施して、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm(炭素材料前駆体)からなるフィルムを得た。
合成例1で得られたPAAm/AA(90mol%:10mol%)水溶液の代わりに比較合成例1で得られたPAAm水溶液1.4gを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm(炭素材料前駆体)とリン酸とp−フェニレンジアミンとを含有する比較用炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。
比較合成例1で得られたPAAm水溶液の代わりに合成例1で得られたPAAm/AA(90mol%:10mol%)水溶液1.1gを用いた以外は比較例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)からなるフィルムを得た。
p−フェニレンジアミンを使用しなかった以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とを含有する比較用炭素材料前駆体組成物からなるからなるフィルムを得た。
合成例1で得られたPAAm/AA(90mol%:10mol%)水溶液の代わりに合成例2で得られたPAAm/AA(95mol%:5mol%)水溶液1.1gを用い、p−フェニレンジアミンの量を4.1mgに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(95mol%:5mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とp−フェニレンジアミンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。なお、実施例1と同様に、中和反応によって消費されたp−フェニレンジアミンの量を考慮すると、前述した量のp−フェニレンジアミンを添加することによって、PAAm/AAとの架橋反応に関与するp−フェニレンジアミンの量は1.5等量となる。
比較合成例1で得られたPAAm水溶液の代わりに合成例2で得られたPAAm/AA(95mol%:5mol%)水溶液1.1gを用いた以外は比較例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(95mol%:5mol%)(炭素材料前駆体)からなるフィルムを得た。
p−フェニレンジアミンを使用しなかった以外は実施例6と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(95mol%:5mol%)(炭素材料前駆体)とリン酸とを含有する比較用炭素材料前駆体組成物からなるからなるフィルムを得た。
リン酸の代わりに硫酸9μlを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)と硫酸とp−フェニレンジアミンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。なお、実施例1と同様に、中和反応によって消費された硫酸の量を考慮すると、前述した量の硫酸を添加することによって、PAAm/AAとp−フェニレンジアミンとの架橋反応における触媒として作用する硫酸の量は、PAAm/AA(90mol%:10mol%)100質量部に対して2質量部となる。
リン酸の代わりにホウ酸0.9mgを用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とホウ酸とp−フェニレンジアミンとを含有する炭素材料前駆体組成物からなるフィルムを得た。なお、実施例1と同様に、中和反応によって消費されたホウ酸の量を考慮すると、前述した量のホウ酸を添加することによって、PAAm/AAとp−フェニレンジアミンとの架橋反応における触媒として作用するホウ酸の量は、PAAm/AA(90mol%:10mol%)100質量部に対して2質量部となる。
リン酸を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、厚さ20〜30μm、質量約30mgのPAAm/AA(90mol%:10mol%)(炭素材料前駆体)とp−フェニレンジアミンとを含有する比較用炭素材料前駆体組成物からなるからなるフィルムを得た。
実施例1〜8及び比較例1〜7で得られたフィルムを1.5cm×1.25cmの長方形に切断して直径2.5cmのルツボに入れ、直径5cmの石英製管状炉中、500ml/分の窒素気流下で室温から900℃まで4時間かけて昇温した後、900℃で1時間加熱して炭化処理を行なった。
実施例1〜8及び比較例1〜7で得られたフィルムを2cm×0.5cmの長方形に切断し、粘弾性スペクトロメーターを用い、大気雰囲気下、ひずみ0.5%、周波数10Hzの条件で室温から370℃まで5℃/分で昇温しながら粘弾性測定を行なった。図1は、実施例1及び比較例1〜3で得られたフィルムの貯蔵弾性率の温度依存性を示すグラフであり、図2は、実施例1〜3及び比較例3〜4で得られたフィルムの貯蔵弾性率の温度依存性を示すグラフであり、図3は、実施例4〜5及び比較例3〜4で得られたフィルムの貯蔵弾性率の温度依存性を示すグラフであり、図4は、実施例6及び比較例5〜6で得られたフィルムの貯蔵弾性率の温度依存性を示すグラフであり、図5は、実施例1、7、8及び比較例3、7で得られたフィルムの貯蔵弾性率の温度依存性を示すグラフである。
実施例1及び比較例3〜4で得られたフィルムについて、500ml/分の窒素気流下、室温から1000℃まで10℃/分で昇温しながら熱重量分析を行なった。その結果を図6に示す。図6に示したように、実施例1及び比較例4で得られたフィルムは比較例3で得られたフィルムに比べて、400℃以上の温度域での重量減少が少なかった。この結果から、PAAm/AAにリン酸を添加した場合(比較例4)にはPAAm/AAのみの場合(比較例3)に比べて炭化収率が高くなるが、PAAm/AAにリン酸とp−フェニレンジアミンとを添加した場合(実施例1)にはPAAm/AAにリン酸を添加した場合(比較例4)と同等の炭化収率となり、炭化収率の向上はリン酸の添加によるものであり、p−フェニレンジアミンの添加によって炭化収率が減少することもないことがわかった。
実施例1及び比較例4で得られたフィルムを5mm×20mmの長方形に切断して、図7に示すようにアルミナ板1とアルミナブロック2(1cm角、0.7g)とによって挟持し、直径5cmの石英製管状炉中、500ml/分の窒素気流下で室温から900℃まで4時間かけて昇温した後、900℃で1時間加熱して炭化処理を行なった。
2:アルミナブロック
3:フィルム
Claims (5)
- アクリルアミド系モノマー単位を50モル%以上含有し、共重合成分としてカルボキシル基を有するビニル系モノマー単位を0.5モル%以上含有するアクリルアミド系共重合体からなる炭素材料前駆体と、
酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分と、
多官能性アミノ基を有する化合物と、
を含有することを特徴とする炭素材料前駆体組成物。 - 前記アクリルアミド系共重合体中のカルボキシル基と前記多官能性アミノ基とが共有結合を形成していることを特徴とする請求項1に記載の炭素材料前駆体組成物。
- 前記添加成分がリン酸、ホウ酸、硫酸、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素材料前駆体組成物。
- 酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分の存在下、アクリルアミド系モノマー単位を50モル%以上含有し、共重合成分としてカルボキシル基を有するビニル系モノマー単位を0.5モル%以上含有するアクリルアミド系共重合体からなる炭素材料前駆体と多官能性アミノ基を有する化合物とを300℃以下の温度で加熱して反応させることによって請求項2に記載の炭素材料前駆体組成物を得ることを特徴とする炭素材料前駆体組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の炭素材料前駆体組成物に不活性雰囲気下、500〜3000℃の温度で加熱処理を施して炭化処理を行うことを特徴とする炭素材料の製造方法。
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WO2013015210A1 (ja) * | 2011-07-22 | 2013-01-31 | 三菱レイヨン株式会社 | ポリアクリロニトリル系共重合体、炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維、炭素繊維束、耐炎化繊維束の製造方法、および炭素繊維束の製造方法 |
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